JPH11104497A - 接触酸化用触媒 - Google Patents

接触酸化用触媒

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JPH11104497A
JPH11104497A JP9271602A JP27160297A JPH11104497A JP H11104497 A JPH11104497 A JP H11104497A JP 9271602 A JP9271602 A JP 9271602A JP 27160297 A JP27160297 A JP 27160297A JP H11104497 A JPH11104497 A JP H11104497A
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靖 清岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価であり、経時劣化を招来せず、触媒活性
を経時的に安定して発揮することができ、例えば、炭化
水素の接触気相酸化反応(部分酸化反応)を行って含酸
素有機化合物を製造するときの触媒として好適な接触酸
化用触媒を提供する。 【解決手段】 炭化珪素と、無機結合成分と、酸化ニオ
ブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる群
より選ばれる少なくとも一種の酸化物とを含んでなる担
体に、バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物からな
る群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を触媒活性成
分として担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、炭化水素
の接触気相酸化反応(部分酸化反応)を行って含酸素有
機化合物を製造するときの触媒として好適に用いること
ができる接触酸化用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、接触気相酸化反応(部分酸化
反応)用の触媒としては、耐熱性の無機担体に触媒活性
成分を担持してなる担持型触媒が工業的に一般に用いら
れている。該担体としては、熱的および化学的に安定で
反応を阻害せず、かつ触媒活性成分とも反応しない材質
が好ましく、反応生成熱を系外に放出することによって
反応場の温度を一定に保つことができるように、熱伝導
性により優れた材質がさらに好ましい。
【0003】これら条件を満たす材質としては、高純度
の炭化珪素の自焼結体が好適であり、該自焼結体は、従
来より実用触媒の担体として種々利用されている。例え
ば、特開昭57−105241号公報には、o−キシレ
ンまたはナフタレンから無水フタル酸を合成するための
触媒の担体として上記自焼結体が好ましいことが開示さ
れており、特開昭62−78号公報には、上記自焼結体
に触媒活性成分を担持してなる触媒を用いてベンゼンか
ら無水マレイン酸を製造する方法が開示されており、特
開昭61−28456号公報には、1,2,4,5−テ
トラメチルベンゼンから無水ピロメリット酸を合成する
ための触媒として、上記自焼結体に触媒活性成分を担持
してなる触媒が開示されており、特開昭64−6356
3号公報には、トルエンからベンゾニトリルを合成する
ための触媒の担体として上記自焼結体が好ましいことが
開示されている。
【0004】ところが、炭化珪素は焼結温度が非常に高
いため、焼成して自焼結体である成形体を得るために
は、例えば電気等のエネルギを多量に使用しなければな
らない。しかも、炭化珪素の焼成は、窒素ガス等の不活
性ガスを用いた非酸化雰囲気下で行わなければならな
い。従って、炭化珪素の自焼結体は、電気代等の各種費
用が嵩むため、高価なものとなっている。
【0005】ところで、ステアタイト等の鉱物は焼結温
度が比較的低く、かつ酸化雰囲気下での焼成が可能であ
る。従って、該鉱物の自焼結体は、安価に製造すること
ができる。しかしながら、該鉱物の自焼結体は、化学的
な安定性および熱伝導性が炭化珪素の自焼結体よりも劣
っている。
【0006】そこで、炭化珪素を用いた安価な担体とし
て、特開平9−85096号公報には、炭化珪素と、無
機結合成分として二酸化珪素およびムライトとを用いて
なる担体の製造方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】炭化珪素と、無機結合
成分として二酸化珪素およびムライトとを用いてなる担
体は、炭化珪素が備える優れた熱伝導性を備えており、
かつ、所望の形状の成形体を得ることができる。しかし
ながら、該担体は、経時的な性能の変化が大きい。それ
ゆえ、該担体を用いてなる上記従来の接触酸化用触媒
は、触媒活性を経時的に安定して発揮することができな
いという問題点を有している。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、安価であり、経時劣化を招
来せず、触媒活性を経時的に安定して発揮することがで
きる接触酸化用触媒を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、接触酸化用触媒について鋭意
検討した。その結果、炭化珪素と、無機結合成分と、酸
化ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンから
なる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物とを含んで
なる担体に、バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物
からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を触媒
活性成分として担持してなる接触酸化用触媒が、安価で
あり、経時劣化を招来せず、触媒活性を経時的に安定し
て発揮することができると共に、優れた初期性能を示す
ことを見い出した。また、該接触酸化用触媒を用いて、
例えば、炭化水素の接触気相酸化反応(部分酸化反応)
を行うことにより、目的物である含酸素有機化合物の収
率並びに選択率が向上することを確認して、本発明を完
成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明の接触酸化用触
媒は、上記の課題を解決するために、炭化珪素と、無機
結合成分と、酸化ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化タ
ングステンからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸
化物とを含んでなる担体に、バナジウム酸化物およびモ
リブデン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種
の酸化物を触媒活性成分として担持してなることを特徴
としている。
【0011】請求項2記載の発明の接触酸化用触媒は、
上記の課題を解決するために、請求項1記載の接触酸化
用触媒において、上記無機結合成分が、二酸化珪素およ
びムライトからなる群より選ばれる少なくとも一種の無
機物であることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明の接触酸化用触媒は、
上記の課題を解決するために、請求項1または2記載の
接触酸化用触媒において、上記担体が、炭化珪素および
無機結合成分の合計量100重量部に対して、酸化ニオ
ブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる群
より選ばれる少なくとも一種の酸化物を0.1重量部〜
2重量部の範囲内で含んでいることを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明の接触酸化用触媒は、
上記の課題を解決するために、請求項1、2または3記
載の接触酸化用触媒において、上記担体が、炭化珪素お
よび無機結合成分の合計を100重量%として、炭化珪
素を70重量%〜95重量%の範囲内、無機結合成分と
しての二酸化珪素を20重量%〜3重量%の範囲内、無
機結合成分としてのムライトを10重量%〜2重量%の
範囲内で含んでいることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明の接触酸化用触媒は、
上記の課題を解決するために、請求項1、2、3または
4記載の接触酸化用触媒において、上記担体におけるア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属の全含有量が0.5
重量%以下であり、かつ、該担体の気孔率が16%〜3
5%の範囲内であり、比表面積が0.02m2 /g以
上、0.3m2 /g以下であることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、安価であり、経時劣
化を招来せず、触媒活性を経時的に安定して発揮するこ
とができると共に、優れた初期性能を示す接触酸化用触
媒を提供することができる。そして、該接触酸化用触媒
を用いて、例えば、炭化水素の接触気相酸化反応(部分
酸化反応)を行うことにより、目的物である含酸素有機
化合物の収率並びに選択率を向上させることができる。
上記の接触酸化用触媒を構成する担体は、従来用いられ
ている炭化珪素の自焼結体と比較して、その製造コスト
が極めて低い。従って、上記の担体を用いることによ
り、接触酸化用触媒を安価に製造することができるの
で、経済効果が大きく、産業上極めて有効である。
【0016】また、請求項6記載の発明の、o−キシレ
ンおよび/またはナフタレンから無水フタル酸を製造す
るための接触酸化用触媒は、上記の課題を解決するため
に、請求項1〜5の何れか1項に記載の接触酸化用触媒
において、触媒活性成分として、バナジウム酸化物とし
ての五酸化バナジウムを含むと共に、アナターゼ型酸化
チタンと、アルカリ金属、希土類、硫黄、リン、アンチ
モン、ニオブおよびホウ素からなる群より選ばれる少な
くとも一種の元素とをさらに含んでいることを特徴とし
ている。
【0017】請求項7記載の発明の、ベンゼンから無水
マレイン酸を製造するための接触酸化用触媒は、上記の
課題を解決するために、請求項1〜5の何れか1項に記
載の接触酸化用触媒において、触媒活性成分として、バ
ナジウム酸化物としての五酸化バナジウム並びにモリブ
デン酸化物としての三酸化モリブデンを含むと共に、五
酸化リンと、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびタ
リウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と
をさらに含んでいることを特徴としている。
【0018】請求項8記載の発明の、1,2,4,5−
テトラアルキルベンゼンから無水ピロメリット酸を製造
するための接触酸化用触媒は、上記の課題を解決するた
めに、請求項1〜5の何れか1項に記載の接触酸化用触
媒において、触媒活性成分として、バナジウム酸化物と
しての五酸化バナジウムを含むと共に、リンと、モリブ
デンおよび/またはタングステンと、アンチモン、銀、
ホウ素、クロム、セリウム、ニオブおよび硫黄からなる
群より選ばれる少なくとも一種の元素と、アルカリ金
属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群より選
ばれる少なくとも一種の元素と、酸化チタン、酸化ジル
コニウムおよび酸化錫からなる群より選ばれる少なくと
も一種の酸化物とをさらに含んでいることを特徴として
いる。
【0019】請求項9記載の発明の、アンモ酸化によっ
てアルキル置換芳香族炭化水素またはアルキル置換複素
環化合物から芳香族ニトリルまたは複素環ニトリルを製
造するための接触酸化用触媒は、上記の課題を解決する
ために、請求項1〜5の何れか1項に記載の接触酸化用
触媒において、触媒活性成分として、バナジウム酸化物
としての五酸化バナジウムを含むと共に、二酸化チタ
ン、二酸化珪素、アルミナ、珪藻土、チタンと珪素とを
含む二元系複合酸化物、チタンとジルコニウムとを含む
二元系複合酸化物、および、チタンと珪素とジルコニウ
ムとを含む三元系複合酸化物からなる群より選ばれる少
なくとも一種の(複合)酸化物と、モリブデン、タング
ステン、クロム、アンチモン、ビスマス、リン、ニオ
ブ、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンおよび銅からな
る群より選ばれる少なくとも一種の元素とをさらに含ん
でいることを特徴としている。
【0020】さらに、請求項10記載の発明の無水フタ
ル酸の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求
項6記載の接触酸化用触媒を用いてo−キシレンおよび
/またはナフタレンから無水フタル酸を製造することを
特徴としている。
【0021】請求項11記載の発明の無水マレイン酸の
製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項7記
載の接触酸化用触媒を用いてベンゼンから無水マレイン
酸を製造することを特徴としている。
【0022】請求項12記載の発明の無水ピロメリット
酸の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項
8記載の接触酸化用触媒を用いて1,2,4,5−テト
ラアルキルベンゼンから無水ピロメリット酸を製造する
ことを特徴としている。
【0023】請求項13記載の発明の芳香族ニトリルま
たは複素環ニトリルの製造方法は、上記の課題を解決す
るために、請求項9記載の接触酸化用触媒を用いたアン
モ酸化によって、アルキル置換芳香族炭化水素またはア
ルキル置換複素環化合物から芳香族ニトリルまたは複素
環ニトリルを製造することを特徴としている。
【0024】上記の方法によれば、目的物である無水フ
タル酸や無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、芳香族
ニトリル、複素環ニトリルを、高収率並びに高選択率で
製造することができる。
【0025】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる接触酸化用触媒は、主成分である炭化珪素と、該
炭化珪素同士を結合する無機結合成分と、酸化ニオブ、
酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる群より
選ばれる少なくとも一種の酸化物(以下、酸化物Aと記
す)とを含んでなる担体に、バナジウム酸化物およびモ
リブデン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種
の酸化物を触媒活性成分として担持してなる。尚、本発
明において、酸化ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化タ
ングステンからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸
化物には、焼成されることによって酸化物を形成する塩
も含まれることとする。
【0026】上記の無機結合成分としては、二酸化珪素
(シリカ)およびムライト(Al23 ・SiO2 )か
らなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。
【0027】本来、担体に求められる特性としては、
熱的、化学的に安定であること、反応を阻害せず、ま
た、触媒活性成分とも反応しないこと、反応生成熱を
系外に放出し、反応場の温度を一定に保つために、熱伝
導率の高いことである。
【0028】これに対し、本発明にかかる担体は、上記
特性を全て兼ね備えている。本発明において担体の主要
成分として用いられる炭化珪素は、熱的、化学的に安定
であり、熱伝導率が高く、しかも、反応を阻害せず、触
媒活性成分とも反応しない化合物である。そして、上記
の無機結合成分は、無機結合材を焼成してなり、上記炭
化珪素の熱伝導率を維持しながら、成形性を向上させる
ことができる。しかも、本発明によれば、上記無機結合
成分中に含まれるアルカリ金属やアルカリ土類金属の影
響による接触酸化用触媒の経時的な性能変化を抑制する
ことができる。
【0029】上記担体を用いることでアルカリ金属やア
ルカリ土類金属の影響による接触酸化用触媒の経時的な
性能変化を抑制することができる理由としては、定かで
はないが、上記担体中に含まれる上記の酸化物Aが、上
記無機結合成分中に含まれるアルカリ金属やアルカリ土
類金属と反応することにより、上記アルカリ金属やアル
カリ土類金属と、上記担体が担持する触媒活性成分との
反応を抑え、接触酸化用触媒の劣化を抑制することがで
きるためではないかと考えられる。
【0030】本発明において、上記担体における炭化珪
素および無機結合成分の配合量、つまり、炭化珪素と無
機結合成分との重量比は、特に限定されるものではない
が、炭化珪素および無機結合成分の合計を100重量%
として、炭化珪素を70重量%〜95重量%の範囲内、
より好ましくは80重量%〜87重量%の範囲内、無機
結合成分としての二酸化珪素を20重量%〜3重量%の
範囲内、より好ましくは15重量%〜9重量%の範囲
内、無機結合成分としてのムライトを10重量%〜2重
量%の範囲内、より好ましくは5重量%〜4重量%の範
囲内となるように設定されていることが望ましい。
【0031】上記炭化珪素の割合が70重量%よりも少
ない場合、つまり、二酸化珪素の割合が20重量%より
も多いか、或いは、ムライトの割合が10重量%よりも
多い場合には、熱伝導性が低くなり、反応生成熱を系外
に放出し、反応場の温度を一定に保つことが困難となる
おそれがある。一方、上記炭化珪素の割合が95重量%
を越える場合、つまり、二酸化珪素の割合が3重量%よ
りも少ないか、或いは、ムライトの割合が2重量%より
も少ない場合には、上記炭化珪素に対する無機結合成分
である二酸化珪素およびムライトの重量比が小さくなり
すぎ、成形性を充分に付与することができず、この結
果、焼結温度を充分に下げることができなくなるおそれ
がある。
【0032】上記炭化珪素および無機結合成分の合計量
100重量部に対する上記酸化物Aの重量比は、特に限
定されるものではないが、0.1重量部〜2重量部の範
囲内となるように設定されていることが好ましく、0.
5重量部〜1.5重量部の範囲内となるように設定され
ていることがさらに好ましい。
【0033】上記炭化珪素および無機結合成分の合計量
に対する酸化物Aの重量比が0.1重量部よりも少なけ
れば、上記担体中のアルカリ金属やアルカリ土類金属の
影響による接触酸化用触媒の経時的な性能変化を充分に
抑制することができなくなるおそれがある。一方、上記
炭化珪素および無機結合成分の合計量に対する酸化物A
の重量比が2重量部を越える場合には、上記担体を用い
た接触酸化用触媒の性能に悪影響を与え、目的物質の選
択率を下げるおそれがあるので好ましくない。尚、上記
担体が酸化ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化タングス
テンのうちの二種類以上を酸化物Aとして含んでいる場
合における、これら酸化物の重量比は、特に限定される
ものではない。
【0034】また、上記担体は、上記アルカリ金属やア
ルカリ土類金属の影響による接触酸化用触媒の経時的な
性能変化を抑制するため、上記担体中におけるアルカリ
金属とアルカリ土類金属との全含有量が、0.5重量%
以下であることが好ましく、0.3重量%以下であるこ
とがさらに好ましく、0.1重量%以下であることが特
に好ましい。上記アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の全含有量が0.5重量%を越えると、酸化物Aを添加
したとしても、上記担体を用いた接触酸化用触媒の経時
的な性能変化を抑制することが困難となるおそれがあ
る。
【0035】本発明にかかる上記担体は、炭化珪素に、
該炭化珪素同士を結合する無機結合成分となる無機結合
材と、酸化物A、即ち、酸化ニオブ、酸化アンチモンお
よび酸化タングステンからなる群より選ばれる少なくと
も一種の酸化物または焼成されることによって酸化物を
形成する塩とを配合することによって、容易に得ること
ができる。より具体的には、上記担体は、炭化珪素と、
無機結合材と、酸化ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化
タングステンからなる群より選ばれる少なくとも一種の
酸化物または焼成されることによって酸化物を形成する
塩とを混合・成形した後、得られる混合成形物を焼成す
ることによって得ることができる。
【0036】本発明において、上記担体の原料として用
いられる上記の無機結合材としては、特に限定されるも
のではないが、粘土が炭化珪素を比較的低温で焼結させ
ることができることから、粘土を少なくとも含んでいる
ことが好ましい。また、上記の粘土としては、具体的に
は、木節粘土および蛙目粘土が挙げられる。これら粘土
は、焼成により、前述した無機結合成分である二酸化珪
素およびムライトに変化する。本発明によれば、上記炭
化珪素と無機結合材とを混合すること、即ち、上記担体
が無機結合成分を含むことで、成形性を向上させること
ができ、焼成温度を下げることができる。
【0037】本発明において使用される上記の粘土とし
ては、上記担体に必要とされる前記の特性を満足させる
ため、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の全含有量
が2重量%以下の粘土、具体的には、木節粘土および/
または蛙目粘土を用いることが好ましい。これは、炭化
珪素にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属は殆ど含
まれていないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の全含有量が2重量%を越える粘土を使用すると、焼成
後に得られる担体中のアルカリ金属、アルカリ土類金属
の全含有量が0.5重量%を越えてしまうおそれがある
ためである。
【0038】また、本発明において、上記の無機結合材
は、コロイダルシリカをさらに含んでいることがより好
ましい。上記の無機結合材がコロイダルシリカをさらに
含むことで、より低い温度で、上記混合成形物を焼成
(焼結)させることができる。
【0039】上記無機結合材がコロイダルシリカをさら
に含む場合において、担体中に含まれるアルカリ金属お
よびアルカリ土類金属の全含有量を0.5重量%以下に
抑えるために、上記コロイダルシリカとしては、アルカ
リ金属およびアルカリ土類金属の全含有量が0.1重量
%以下のものが好ましく、0.01重量%以下のものが
さらに好ましい。アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の全含有量が0.1重量%を越えるコロイダルシリカを
使用すると、焼成後に得られる担体中のアルカリ金属、
アルカリ土類金属の全含有量が0.5重量%を越えてし
まうおそれがあるので好ましくない。
【0040】以上のことから、上記担体を製造する際に
は、具体的には、炭化珪素70重量部〜95重量部に対
して、無機結合材として、アルカリ金属とアルカリ土類
金属との全含有量が2重量%以下の粘土25重量部〜4
重量部、およびアルカリ金属とアルカリ土類金属との全
含有量が0.1重量%以下のコロイダルシリカ0重量部
〜5重量部を、これらの合計量が100重量部となるよ
うに用いることが好ましい。上記炭化珪素並びに無機結
合材を、炭化珪素と無機結合材との重量比が上記の範囲
内となるように用いることで、炭化珪素の熱伝導性を残
しながら、粘土により成形性を上げ、焼成温度を下げる
ことができる。
【0041】また、本発明において、担体の原料として
用いられる上記の酸化物Aは、前述したように、酸化ニ
オブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる
群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、該酸化
物Aは、1200℃〜1500℃の焼成温度においても
殆ど飛散しない酸化物である。また、焼成されることに
よって酸化物を形成する塩としては、具体的には、例え
ば、ニオブやアンチモン、タングステンの、硝酸塩、硫
酸塩、燐酸塩、炭酸塩、塩化物、フッ化物等の無機塩;
酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等の有機塩;等が挙げ
られる。
【0042】上記酸化物Aの使用量(配合量)は、炭化
珪素と無機結合材との合計量100重量部に対し、0.
1重量部〜2重量部の範囲内であることが好ましく、
0.5重量部〜1.0重量部の範囲内であることがさら
に好ましく、0.8重量部〜1.0重量部の範囲内であ
ることが特に好ましい。上記酸化物Aの使用量が0.1
重量部よりも少なければ、安定した触媒性能を示す接触
酸化用触媒の担体として好適な担体を得ることができな
くなるおそれがある。一方、上記酸化物Aの使用量が2
重量部を越えると、得られる担体を用いた接触酸化用触
媒の性能に悪影響を与え、目的物質の選択率を下げるお
それがあるので好ましくない。
【0043】また、上記酸化物Aとして、焼成されるこ
とによって酸化物を形成する塩を用いる場合には、該塩
の使用量(配合量)は、炭化珪素と無機結合材との合計
量100重量部に対し、酸化物換算で、0.1重量部〜
2重量部の範囲内であることが好ましく、0.5重量部
〜1.0重量部の範囲内であることがさらに好ましく、
0.8重量部〜1.0重量部の範囲内であることが特に
好ましい。
【0044】上記炭化珪素および無機結合材に酸化物A
を混合する場合、或いは、焼成されることによって酸化
物を形成する塩を混合する場合の何れの場合であって
も、上記酸化物Aまたは上記塩は、得られる担体中の炭
化珪素および無機結合成分の合計量100重量部に対す
る上記酸化物Aの重量比が、前述の範囲内となるように
設定すればよい。
【0045】本発明において、上記炭化珪素、無機結合
材、並びに、酸化物Aまたは焼成されることによって酸
化物を形成する塩を混合する際の混合方法は、特に限定
されるものではなく、また、その混合の順番も特に限定
されない。また、上記の混合物を成形する際の成形方法
も特に限定されるものではなく、例えば、押出成形法や
シート状材料を巻き固める方法等、従来公知の種々の方
法を採用することができる。
【0046】このようにして得られる混合成形体の形
状、即ち、製造すべき担体の形状は、特に限定されるも
のではない。上記混合成形体は、例えば、球状、ペレッ
ト状、リング状(筒状)等、用途に応じて種々の形状に
形成すればよいが、接触酸化用触媒の反応熱の拡散およ
び除去が容易な形状に形成することが望ましい。
【0047】上記混合成形物を焼成する際の焼成温度
は、1200℃〜1500℃の範囲内に設定することが
好ましく、1250℃〜1350℃の範囲内に設定する
ことがさらに好ましく、1300℃〜1320℃の範囲
内に設定することが特に好ましい。上記焼成温度が12
00℃未満の場合、焼成が進行せず、充分な強度を有す
る担体が得られないおそれがある。一方、焼成温度が1
500℃を越えると、気孔率が小さくなると共に、上記
の酸化物Aが焼成中に飛散するおそれがあるので好まし
くない。
【0048】また、焼成時間は、焼成温度や、上記混合
成形物の組成や大きさ等に応じて適宜設定すればよく、
特に限定されるものではない。上記の焼成は、大気中で
行ってもよいし、酸化雰囲気中で行ってもよい。
【0049】このようにして得られる上記担体の気孔率
は、16%〜35%の範囲内であることが好ましく、1
6%〜30%の範囲内であることがより好ましく、16
%〜20%の範囲内であることが特に好ましい。上記の
気孔率が35%よりも多ければ、担体表面での反応が生
じるおそれがあるので、触媒性能にとって好ましくな
い。一方、上記の気孔率が16%よりも少なければ、担
持された触媒活性成分が剥離し易くなる。
【0050】また、上記担体の比表面積は、0.02m
2 /g以上、0.3m2 /g以下であることが好まし
く、0.02m2 /g以上、0.2m2 /g以下である
ことがさらに好ましい。上記の比表面積が0.3m2
gを越えると、担体表面での反応が生じるおそれがあ
り、触媒性能にとって好ましくない。また、上記担体の
比表面積が0.02m2 /g未満であれば、担体表面の
気孔率が小さくなり、担持された触媒活性成分が剥離し
易くなる。上記担体の比表面積が上記範囲内にあれば、
触媒性能を充分に発揮させることができる。
【0051】さらに、上記担体の圧環荷重は、8kg以
上であることが好ましく、10kg以上であることがさ
らに好ましく、12kg以上であることが特に好まし
い。上記圧環荷重が8kg未満であれば、担体が破損し
易く、長期間に渡って繰り返し使用することができなく
なるので好ましくない。
【0052】以上のようにして得られる担体に、バナジ
ウム酸化物およびモリブデン酸化物からなる群より選ば
れる少なくとも一種の酸化物(以下、酸化物Bと記す)
を触媒活性成分として担持することにより、本発明にか
かる接触酸化用触媒が製造される。
【0053】上記担体に担持されるべき触媒活性成分が
バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物のうちの二種
類以上を酸化物Bとして含んでいる場合における、これ
ら酸化物の重量比は、特に限定されるものではない。
【0054】本発明にかかる接触酸化用触媒は、例え
ば、炭化水素の接触気相酸化反応(部分酸化反応)を行
って含酸素有機化合物を製造するときの触媒として好適
に用いることができる。より具体的には、本発明にかか
る接触酸化用触媒は、o−キシレンおよび/またはナフ
タレンから無水フタル酸を製造する接触気相酸化反応、
ベンゼンから無水マレイン酸を製造する接触気相酸化反
応、1,2,4,5−テトラアルキルベンゼン(デュレ
ン)から無水ピロメリット酸を製造する接触気相酸化反
応、アルキル置換芳香族炭化水素から芳香族ニトリルを
製造する接触気相酸化反応(アンモ酸化)、および、ア
ルキル置換複素環化合物から複素環ニトリルを製造する
接触気相酸化反応(アンモ酸化)に好適に用いることが
できる。
【0055】そして、o−キシレンおよび/またはナフ
タレンから無水フタル酸を製造する場合においては、接
触酸化用触媒は、触媒活性成分として、バナジウム酸化
物としての五酸化バナジウムを含むと共に、アナターゼ
型酸化チタンと、アルカリ金属元素、希土類元素、硫
黄、リン、アンチモン、ニオブおよびホウ素からなる群
より選ばれる少なくとも一種の元素とをさらに含んでい
ることが好ましい。上記の触媒活性成分における各成分
の重量比、即ち、触媒活性成分の組成は、特に限定され
るものではない。
【0056】上記の触媒活性成分を含む接触酸化用触媒
を用いて、o−キシレンおよび/またはナフタレンの接
触気相酸化反応(部分酸化反応)を行うことにより、無
水フタル酸を、高収率並びに高選択率で製造することが
できる。
【0057】また、ベンゼンから無水マレイン酸を製造
する場合においては、接触酸化用触媒は、触媒活性成分
として、バナジウム酸化物としての五酸化バナジウム並
びにモリブデン酸化物としての三酸化モリブデンを含む
と共に、五酸化リンと、アルカリ金属元素、アルカリ土
類金属元素およびタリウムからなる群より選ばれる少な
くとも一種の元素とをさらに含んでいることが好まし
い。上記の触媒活性成分における各成分の重量比、即
ち、触媒活性成分の組成は、特に限定されるものではな
い。
【0058】上記の触媒活性成分を含む接触酸化用触媒
を用いて、ベンゼンの接触気相酸化反応(部分酸化反
応)を行うことにより、無水マレイン酸を、高収率並び
に高選択率で製造することができる。
【0059】デュレンから無水ピロメリット酸を製造す
る場合においては、接触酸化用触媒は、触媒活性成分と
して、バナジウム酸化物としての五酸化バナジウムを含
むと共に、リンと、モリブデンおよび/またはタングス
テンと、アンチモン、銀、ホウ素、クロム、セリウム、
ニオブおよび硫黄からなる群より選ばれる少なくとも一
種の元素と、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素
およびタリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種
の元素と、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化錫
からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物とをさ
らに含んでいることが好ましい。上記の触媒活性成分に
おける各成分の重量比、即ち、触媒活性成分の組成は、
特に限定されるものではない。
【0060】上記の触媒活性成分を含む接触酸化用触媒
を用いて、デュレンの接触気相酸化反応(部分酸化反
応)を行うことにより、無水ピロメリット酸を、高収率
並びに高選択率で製造することができる。
【0061】アルキル置換芳香族炭化水素から芳香族ニ
トリルを製造する場合、並びに、アルキル置換複素環化
合物から複素環ニトリルを製造する場合においては、接
触酸化用触媒は、触媒活性成分として、二酸化チタン
(チタニア)、二酸化珪素、アルミナ、珪藻土、チタン
と珪素とを含む二元系複合酸化物、チタンとジルコニウ
ムとを含む二元系複合酸化物、および、チタンと珪素と
ジルコニウムとを含む三元系複合酸化物からなる群より
選ばれる少なくとも一種の(複合)酸化物と、バナジウ
ム酸化物としての五酸化バナジウムを含むと共に、モリ
ブデン、タングステン、クロム、アンチモン、ビスマ
ス、リン、ニオブ、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン
および銅からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素
とをさらに含んでいることが好ましい。上記の触媒活性
成分における各成分の重量比、即ち、触媒活性成分の組
成は、特に限定されるものではない。
【0062】上記の触媒活性成分を含む接触酸化用触媒
を用いて、アルキル置換芳香族炭化水素の接触気相酸化
反応(アンモ酸化)を行うことにより、芳香族ニトリル
を、高収率並びに高選択率で製造することができる。ま
た、該接触酸化用触媒を用いて、アルキル置換複素環化
合物の接触気相酸化反応(アンモ酸化)を行うことによ
り、複素環ニトリルを、高収率並びに高選択率で製造す
ることができる。
【0063】上記構成の接触酸化用触媒の製造方法、つ
まり、担体に触媒活性成分を担持させる方法は、特に限
定されるものではない。本発明にかかる接触酸化用触媒
は、触媒活性成分を成形してなるいわゆる成形触媒であ
ってもよく、極性を有する担体に触媒活性成分を含浸さ
せてなるいわゆる含浸触媒であってもよく、担体表面に
触媒活性成分をコーティングしてなるいわゆる担持触媒
であってもよい。接触酸化用触媒の製造方法は、該接触
酸化用触媒を用いる反応の種類や、反応プロセスの条件
等に応じて、適宜選択すればよい。
【0064】接触気相酸化反応においては、接触酸化用
触媒の性能を向上させるために、該接触酸化用触媒の通
風抵抗、並びに、触媒表面における反応熱の拡散・除去
について考慮することが重要である。特に、接触酸化用
触媒が担持触媒である場合においては、担体の例えば熱
伝導性等の物性や、形状等が、該接触酸化用触媒の性能
に大きな影響を及ぼす。それゆえ、担持触媒における担
体は、球状またはリング形状(筒状)に成形されている
ことが好ましい。該担持触媒は、上記形状に成形された
担体の表面に、水または有機溶媒に溶解してなる触媒活
性成分の溶液(触媒活性成分が塩である場合)、或い
は、水または有機溶媒に分散してなる触媒活性成分のス
ラリー(触媒活性成分が酸化物である場合)を担持させ
た後、必要に応じて、加熱処理、酸化処理または還元処
理等を施すことにより、製造することができる。
【0065】本発明にかかる接触酸化用触媒を接触気相
酸化反応に用いる際には、該接触酸化用触媒を、炭素鋼
製またはステンレス製の反応管に充填すればよい。ま
た、該反応管は、反応熱を除去することによって反応温
度を一定に調節することができるように、溶融塩等の熱
媒によって或る一定温度に保温されていることが好まし
い。接触気相酸化反応の反応条件等は、特に限定される
ものではない。
【0066】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
【0067】〔実施例1〕o−キシレンから無水フタル
酸を製造するための接触酸化用触媒を調製した。先ず、
炭化珪素、二酸化珪素、ムライトおよび酸化ニオブを重
量比90:5:5:1の割合で含み、かつ、アルカリ金
属元素およびアルカリ土類金属元素の全含有量(以下、
アルカリ全含有量と記す)が重量比0.2未満である担
体(1)を、1300℃で焼成することによって調製し
た。該担体(1)は、外径6.9mm、内径4.0m
m、長さ7.0mmのリング形状(筒状)に形成した。
担体(1)の気孔率は26.2%、比表面積は0.14
2 /g、圧環荷重は10.0kgであった。担体
(1)の組成並びに各種物性を、表1に示した。
【0068】一方、イルメナイト(チタン鉄鉱)に濃度
80重量%の濃硫酸を混合して反応を充分に行った後、
水で希釈することにより、硫酸チタン水溶液を含む混合
物を得た。該混合物に還元剤として鉄片を加え、イルメ
ナイトに含まれていた鉄分を第一鉄イオンに還元した
後、冷却することにより、硫酸第一鉄を析出させて分離
した。これにより、硫酸チタン水溶液を得た。
【0069】得られた硫酸チタン水溶液に、150℃に
加熱された水蒸気を吹き込むことにより、含水酸化チタ
ンを沈澱させた。該含水酸化チタンを水洗、酸洗および
二次水洗した後、空気を流通させながら800℃で4時
間焼成し、ジェット気流粉砕処理した。これにより、平
均粒子径0.5μm、比表面積22m2 /gのアナター
ゼ型酸化チタン(以下、単に酸化チタンと記す)を得
た。
【0070】次に、脱イオン水6400mlに蓚酸20
0gを溶解してなる蓚酸水溶液に、メタバナジン酸アン
モニウム47.25g、第一リン酸アンモニウム5.9
8g、塩化ニオブ18.79g、硫酸セシウム8.25
g、および三酸化アンチモン36.7gを添加し、充分
に撹拌して溶解させた。得られた溶液に、上記の酸化チ
タン1800gを加え、乳化機を用いて撹拌することに
より、触媒活性成分を含むスラリーを調製した。
【0071】そして、外部から加熱することができる直
径35cm、長さ80cmのステンレス製回転炉の内部
に、上記の担体(1)2000mlを仕込み、200℃
〜250℃に予熱した。次いで、回転炉を回転させなが
ら、担体(1)100ml当たりの触媒活性成分の割合
が9.5gとなるように、担体(1)上に上記のスラリ
ーを噴霧して、該触媒活性成分を担持させた。その後、
空気を流通させながら580℃で6時間焼成することに
より、触媒(A)を調製した。
【0072】また、上記触媒(A)の調製時、つまり、
スラリーの調製時において、第一リン酸アンモニウムの
添加量を5.98gから23.92gに変更した以外
は、上記の操作と同様の操作を行うことにより、触媒
(B)を調製した。触媒(B)は、触媒(A)よりもリ
ン成分(P2 5 )の含有量が多い。従って、該触媒
(B)は、触媒(A)よりも触媒活性が高い。触媒
(A)および触媒(B)における触媒活性成分の組成
を、表2に示した。
【0073】そして、上記の触媒(A)および触媒
(B)を用いて、o−キシレンの接触気相酸化反応を行
った。先ず、350℃に調節された溶融塩(熱媒)浴に
浸した内径25mm、長さ3mの鉄製反応管に、触媒
(B)を後段触媒として、下方に設けた反応ガス出口部
から高さ1mまで充填した後、その上に、触媒(A)を
前段触媒として高さ1.8mまで、つまり、上方に設け
た原料ガス入口部のところまで充填した。一方、酸素ガ
ス21容量%および窒素ガス79容量%からなる混合ガ
スに対して、o−キシレンを70g/Nm3 (混合ガ
ス)の割合で混合することにより、原料ガスを調製し
た。
【0074】次いで、原料ガス入口部から上記反応管内
に、該原料ガスを空間速度(SV)2910Hr-1(標
準状態)で供給することにより、o−キシレンの接触気
相酸化反応を行った。反応温度は349℃であった。
【0075】そして、反応ガス出口部から排出される反
応ガスを分析することにより、無水フタル酸の収率(重
量%)と、副生物(反応中間体)であるフタリドの収率
(モル%)とを測定した。反応初期における両者の収
率、並びに、反応開始から3カ月経過後における両者の
収率を、表7に示した。尚、o−キシレンの転化率は、
ほぼ100%であった。従って、無水フタル酸の選択率
は、該無水フタル酸の収率とほぼ等しいと見なすことが
できる。
【0076】また、触媒(A)について、使用前におけ
るアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の
含有量(重量%)と、反応開始から3カ月経過後におけ
る該含有量(重量%)とを分析した。分析結果を、表1
2に示した。
【0077】〔実施例2〕実施例1において、酸化ニオ
ブの代わりに酸化アンチモンを用いた以外は、担体
(1)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、担体(2)を調製した。該担体(2)の組成並び
に各種物性を、表1に示した。
【0078】そして、上記の担体(2)を用いて、触媒
(A)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、触媒(C)を調製すると共に、触媒(B)の調製
時における操作と同様の操作を行うことにより、触媒
(D)を調製した。触媒(C)および触媒(D)におけ
る触媒活性成分の組成を、表2に示した。
【0079】そして、上記の触媒(C)および触媒
(D)を用いて、o−キシレンの接触気相酸化反応を行
った。即ち、触媒(D)を後段触媒とし、触媒(C)を
前段触媒として用いた以外は、実施例1の反応条件と同
様の反応条件で以て、o−キシレンの接触気相酸化反応
を行った。反応初期における無水フタル酸およびフタリ
ドの収率、並びに、反応開始から3カ月経過後における
両者の収率を、表7に示した。
【0080】また、触媒(C)について、使用前におけ
るアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の
含有量(重量%)と、反応開始から3カ月経過後におけ
る該含有量(重量%)とを分析した。分析結果を、表1
2に示した。
【0081】〔実施例3〕実施例1において、酸化ニオ
ブの代わりに酸化タングステンを用いた以外は、担体
(1)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、担体(3)を調製した。該担体(3)の組成並び
に各種物性を、表1に示した。
【0082】そして、上記の担体(3)を用いて、触媒
(A)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、触媒(E)を調製すると共に、触媒(B)の調製
時における操作と同様の操作を行うことにより、触媒
(F)を調製した。触媒(E)および触媒(F)におけ
る触媒活性成分の組成を、表2に示した。
【0083】そして、上記の触媒(E)および触媒
(F)を用いて、o−キシレンの接触気相酸化反応を行
った。即ち、触媒(F)を後段触媒とし、触媒(E)を
前段触媒として用いた以外は、実施例1の反応条件と同
様の反応条件で以て、o−キシレンの接触気相酸化反応
を行った。反応初期における無水フタル酸およびフタリ
ドの収率、並びに、反応開始から3カ月経過後における
両者の収率を、表7に示した。
【0084】また、触媒(E)について、使用前におけ
るアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の
含有量(重量%)と、反応開始から3カ月経過後におけ
る該含有量(重量%)とを分析した。分析結果を、表1
2に示した。
【0085】〔比較例1〕実施例1において、酸化ニオ
ブを用いない以外は、担体(1)の調製時における操作
と同様の操作を行うことにより、比較用の担体である担
体(4)を調製した。該担体(4)の組成並びに各種物
性を、表1に示した。
【0086】そして、上記の担体(4)を用いて、触媒
(A)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、比較用の触媒である触媒(G)を調製すると共
に、触媒(B)の調製時における操作と同様の操作を行
うことにより、比較用の触媒である触媒(H)を調製し
た。触媒(G)および触媒(H)における触媒活性成分
の組成を、表2に示した。
【0087】そして、上記の触媒(G)および触媒
(H)を用いて、o−キシレンの接触気相酸化反応を行
った。即ち、触媒(H)を後段触媒とし、触媒(G)を
前段触媒として用いた以外は、実施例1の反応条件と同
様の反応条件で以て、o−キシレンの接触気相酸化反応
を行った。反応初期における無水フタル酸およびフタリ
ドの収率、並びに、反応開始から3カ月経過後における
両者の収率を、表7に示した。
【0088】また、触媒(G)について、使用前におけ
るアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の
含有量(重量%)と、反応開始から3カ月経過後におけ
る該含有量(重量%)とを分析した。分析結果を、表1
2に示した。
【0089】〔実施例4〕ナフタレンから無水フタル酸
を製造するための接触酸化用触媒を調製した。先ず、イ
ルメナイトに濃度80重量%の濃硫酸を混合して反応を
充分に行った後、水で希釈することにより、硫酸チタン
水溶液を含む混合物を得た。該混合物に還元剤として鉄
片を加え、イルメナイトに含まれていた鉄分を第一鉄イ
オンに還元した後、冷却することにより、硫酸第一鉄を
析出させて分離した。これにより、硫酸チタン水溶液を
得た。
【0090】得られた硫酸チタン水溶液に、150℃に
加熱された水蒸気を吹き込むことにより、含水酸化チタ
ンを沈澱させた。該含水酸化チタンを水洗、酸洗および
二次水洗した後、空気を流通させながら700℃で4時
間焼成し、ジェット気流粉砕処理した。これにより、平
均粒子径0.45μm、比表面積33m2 /gの酸化チ
タン(アナターゼ型酸化チタン)を得た。
【0091】次に、脱イオン水6400mlに蓚酸90
0gを溶解してなる蓚酸水溶液に、メタバナジン酸アン
モニウム408.60g、第一リン酸アンモニウム1
0.34g、塩化ニオブ17.33g、硫酸セシウム
2.72g、硫酸カリウム3.92g、硝酸銀31.0
5g、および三酸化アンチモン42.35gを添加し、
充分に撹拌して溶解させた。得られた溶液に、上記の酸
化チタン1800gを加え、乳化機を用いて撹拌するこ
とにより、触媒活性成分を含むスラリーを調製した。
【0092】そして、外部から加熱することができる直
径35cm、長さ80cmのステンレス製回転炉の内部
に、実施例1にて調製した担体(1)2000mlを仕
込み、200℃〜250℃に予熱した。次いで、回転炉
を回転させながら、担体(1)100ml当たりの触媒
活性成分の割合が9.5gとなるように、担体(1)上
に上記のスラリーを噴霧して、該触媒活性成分を担持さ
せた。その後、空気を流通させながら560℃で6時間
焼成することにより、触媒(K)を調製した。
【0093】また、上記触媒(K)の調製時、つまり、
スラリーの調製時において、第一リン酸アンモニウムの
添加量を10.34gから31.02gに変更した以外
は、上記の操作と同様の操作を行うことにより、触媒
(L)を調製した。触媒(L)は、触媒(K)よりもリ
ン成分(P2 5 )の含有量が多い。従って、該触媒
(L)は、触媒(K)よりも触媒活性が高い。触媒
(K)および触媒(L)における触媒活性成分の組成
を、表3に示した。
【0094】そして、上記の触媒(K)および触媒
(L)を用いて、ナフタレンの接触気相酸化反応を行っ
た。先ず、365℃に調節された溶融塩浴に浸した内径
25mm、長さ3mの鉄製反応管に、触媒(L)を後段
触媒として、下方に設けた反応ガス出口部から高さ1m
まで充填した後、その上に、触媒(K)を前段触媒とし
て高さ1.5mまで充填した。一方、水蒸気10容量
%、酸素ガス10容量%および窒素ガス80容量%から
なる混合ガスに対して、ナフタレンを60g/Nm
3 (混合ガス)の割合で混合することにより、原料ガス
を調製した。
【0095】次いで、上方に設けた原料ガス入口部から
上記反応管内に、該原料ガスを空間速度(SV)250
0Hr-1(標準状態)で供給することにより、ナフタレ
ンの接触気相酸化反応を行った。反応温度は361℃で
あった。
【0096】そして、反応ガス出口部から排出される反
応ガスを分析することにより、無水フタル酸の収率(重
量%)と、副生物(反応中間体)であるナフトキノンの
収率(モル%)とを測定した。反応初期における両者の
収率、並びに、反応開始から3カ月経過後における両者
の収率を、表8に示した。尚、ナフタレンの転化率は、
ほぼ100%であった。従って、無水フタル酸の選択率
は、該無水フタル酸の収率とほぼ等しいと見なすことが
できる。
【0097】〔比較例2〕実施例4において、担体
(1)の代わりに、比較例1にて調製した担体(4)を
用いた以外は、触媒(K)の調製時における操作と同様
の操作を行うことにより、比較用の触媒である触媒
(M)を調製すると共に、触媒(L)の調製時における
操作と同様の操作を行うことにより、比較用の触媒であ
る触媒(N)を調製した。触媒(M)および触媒(N)
における触媒活性成分の組成を、表3に示した。
【0098】そして、上記の触媒(M)および触媒
(N)を用いて、ナフタレンの接触気相酸化反応を行っ
た。即ち、触媒(N)を後段触媒とし、触媒(M)を前
段触媒として用いた以外は、実施例4の反応条件と同様
の反応条件で以て、ナフタレンの接触気相酸化反応を行
った。反応初期における無水フタル酸およびナフトキノ
ンの収率、並びに、反応開始から3カ月経過後における
両者の収率を、表8に示した。
【0099】〔実施例5〕ベンゼンから無水マレイン酸
を製造するための接触酸化用触媒を調製した。先ず、純
水1000mlに蓚酸250gを溶解してなる蓚酸水溶
液に、該水溶液を充分に撹拌しながら、メタバナジン酸
アンモニウム235g、モリブデン酸アンモニウム14
2g、硫酸セシウム2.91g、炭酸ナトリウム7.4
5g、硝酸銀20.5g、および第一リン酸アンモニウ
ム4.62gをこの順に添加して溶解させた。これによ
り、触媒活性成分を含む水溶液を調製した。
【0100】そして、外部から加熱することができる直
径35cm、長さ80cmのステンレス製回転炉の内部
に、実施例1にて調製した担体(1)1.8kgを仕込
み、200℃〜250℃に予熱した。次いで、回転炉を
回転させながら、担体(1)100ml当たりの触媒活
性成分の割合が18gとなるように、担体(1)上に上
記の水溶液を噴霧して、該触媒活性成分を担持させた。
その後、還元雰囲気下、500℃で8時間焼成すること
により、触媒(O)を調製した。
【0101】また、上記触媒(O)の調製時、つまり、
水溶液の調製時において、炭酸ナトリウムの添加量を
7.45gから8.52gに変更すると共に、硫酸セシ
ウムの添加量を2.91gから0.727gに変更した
以外は、上記の操作と同様の操作を行うことにより、触
媒(P)を調製した。触媒(O)および触媒(P)にお
ける触媒活性成分の組成を、表4に示した。
【0102】そして、上記の触媒(O)および触媒
(P)を用いて、ベンゼンの接触気相酸化反応を行っ
た。先ず、溶融塩浴に浸した内径25mm、長さ3.5
mのステンレス製反応管に、触媒(P)を後段触媒とし
て、下方に設けた反応ガス出口部から高さ1.5mまで
充填した後、その上に、触媒(O)を前段触媒として高
さ1mまで充填した。一方、空気に対して、ベンゼンを
10g/Nm3 (空気)の割合で混合することにより、
ベンゼン含有空気を調製した。該ベンゼン含有空気にお
けるベンゼンの濃度は、0.3容量%である。次いで、
溶融塩浴の温度を430℃に調節した後、上方に設けた
原料ガス入口部から上記反応管内に、該ベンゼン含有空
気を空間速度(SV)1000Hr-1(標準状態)で1
5時間、供給することにより、触媒(O)および触媒
(P)の活性化処理を行った。また、空気に対して、ベ
ンゼンを50g/Nm3 (空気)の割合で混合すること
により、原料ガスを調製した。
【0103】活性化処理の終了後、溶融塩浴の温度を3
65℃に調節した後、原料ガス入口部から上記反応管内
に、該原料ガスを空間速度(SV)2500Hr-1(標
準状態)で供給することにより、ベンゼンの接触気相酸
化反応を行った。反応温度は363℃であった。
【0104】そして、反応ガス出口部から排出される反
応ガスを分析することにより、無水マレイン酸の収率
(重量%)と、ベンゼンの転化率(%)とを測定した。
反応初期における該収率および転化率、並びに、反応開
始から3カ月経過後における該収率および転化率を、表
9に示した。
【0105】〔比較例3〕実施例5において、担体
(1)の代わりに、比較例1にて調製した担体(4)を
用いた以外は、触媒(O)の調製時における操作と同様
の操作を行うことにより、比較用の触媒である触媒
(Q)を調製すると共に、触媒(P)の調製時における
操作と同様の操作を行うことにより、比較用の触媒であ
る触媒(R)を調製した。触媒(Q)および触媒(R)
における触媒活性成分の組成を、表4に示した。
【0106】そして、上記の触媒(Q)および触媒
(R)を用いて、ベンゼンの接触気相酸化反応を行っ
た。即ち、触媒(R)を後段触媒とし、触媒(Q)を前
段触媒として用いた以外は、実施例5の反応条件と同様
の反応条件で以て、ベンゼンの接触気相酸化反応を行っ
た。反応初期における無水マレイン酸の収率(重量%)
およびベンゼンの転化率(%)、並びに、反応開始から
3カ月経過後における該収率および転化率を、表9に示
した。
【0107】〔実施例6〕1,2,4,5−テトラアル
キルベンゼン(デュレン)から無水ピロメリット酸を製
造するための接触酸化用触媒を調製した。先ず、脱イオ
ン水350mlに蓚酸56gを溶解してなる蓚酸水溶液
に、メタバナジン酸アンモニウム28gを添加して溶解
させた後、三酸化アンチモン10.5gを加えた。次い
で、該水溶液に、BET(Brunauer-Emmett-Teller)式を
採用して測定した比表面積が20m2 /gである酸化チ
タン(アナターゼ型酸化チタン)239gを添加し、充
分に攪拌・混合した後、脱イオン水をさらに混合した。
これにより、触媒活性成分を含むスラリー約900ml
を調製した。
【0108】そして、外部から加熱することができる直
径35cm、長さ80cmのステンレス製回転炉の内部
に、実施例1にて調製した担体(1)900gを仕込
み、200℃〜250℃に予熱した。次いで、回転炉を
回転させながら、担体(1)100g当たりの触媒活性
成分の割合が5gとなるように、担体(1)上に上記の
スラリーを噴霧して、該触媒活性成分を担持させた。そ
の後、空気を流通させながら550℃で6時間焼成する
ことにより、触媒(S)を調製した。
【0109】一方、脱イオン水700mlに蓚酸240
gを溶解してなる蓚酸水溶液に、メタバナジン酸アンモ
ニウム120g、およびモリブデン酸アンモニウム1
8.1gを添加し、充分に攪拌して溶解させた。次い
で、該水溶液に、第一リン酸アンモニウム3.54g、
硝酸カルシウム4.85g、および、少量の脱イオン水
に予め溶解させた硝酸銀8.71gを添加し、充分に攪
拌して溶解させた後、炭化珪素のウィスカ20gを添加
し、充分に攪拌・混合した。これにより、触媒活性成分
を含むスラリー約900mlを調製した。
【0110】そして、外部から加熱することができる直
径35cm、長さ80cmのステンレス製回転炉の内部
に、実施例1にて調製した担体(1)900gを仕込
み、200℃〜250℃に予熱した。次いで、回転炉を
回転させながら、担体(1)100g当たりの触媒活性
成分の割合が5gとなるように、担体(1)上に上記の
スラリーを噴霧して、該触媒活性成分を担持させた。そ
の後、空気を流通させながら500℃で6時間焼成する
ことにより、触媒(T)を調製した。触媒(S)および
触媒(T)における触媒活性成分の組成を、表5に示し
た。
【0111】そして、上記の触媒(S)および触媒
(T)を用いて、デュレンの接触気相酸化反応を行っ
た。先ず、395℃に調節された溶融塩浴に浸した内径
25mm、長さ4mのステンレス製反応管に、触媒
(T)を後段触媒として、下方に設けた反応ガス出口部
から高さ1.7mまで充填した後、その上に、炭化珪素
の自焼結体を1.5倍重量用いて1/2.5(重量比)
に希釈した触媒(S)を前段触媒として高さ0.8mま
で充填した。さらにその上に、平均直径8mmのデンス
トン担体(ノートン社製)を高さ0.5mまで充填し
た。一方、酸素ガス21容量%および窒素ガス79容量
%からなる混合ガスに対して、デュレンを30g/Nm
3 (混合ガス)の割合で混合することにより、原料ガス
を調製した。
【0112】次いで、上方に設けた原料ガス入口部から
上記反応管内に、該原料ガスを空間速度(SV)600
0Hr-1(標準状態)で供給することにより、デュレン
の接触気相酸化反応を行った。反応温度は398℃であ
った。
【0113】そして、反応ガス出口部から排出される反
応ガスを分析することにより、無水ピロメリット酸の収
率(モル%)を測定した。反応初期における該収率、並
びに、反応開始から3カ月経過後における該収率を、表
10に示した。尚、デュレンの転化率は、100%であ
った。従って、無水ピロメリット酸の選択率は、該無水
ピロメリット酸の収率と等しいと見なすことができる。
【0114】〔比較例4〕実施例6において、担体
(1)の代わりに、比較例1にて調製した担体(4)を
用いた以外は、触媒(S)の調製時における操作と同様
の操作を行うことにより、比較用の触媒である触媒
(U)を調製すると共に、触媒(T)の調製時における
操作と同様の操作を行うことにより、比較用の触媒であ
る触媒(V)を調製した。触媒(U)および触媒(V)
における触媒活性成分の組成を、表5に示した。
【0115】そして、上記の触媒(U)および触媒
(V)を用いて、デュレンの接触気相酸化反応を行っ
た。即ち、触媒(V)を後段触媒とし、触媒(U)を前
段触媒として用いた以外は、実施例6の反応条件と同様
の反応条件で以て、デュレンの接触気相酸化反応を行っ
た。反応初期における無水ピロメリット酸の収率(モル
%)、一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスの含有量
(容量%)、並びに、反応開始から3カ月経過後におけ
る該収率および含有量を、表10に示した。
【0116】〔実施例7〕アンモ酸化によってトルエン
(アルキル置換芳香族炭化水素)からベンゾニトリル
(芳香族ニトリル)を製造するための接触酸化用触媒を
調製した。先ず、実施例1において、リング形状に形成
する代わりに直径5mmの球状に形成した以外は、担体
(1)の調製時における操作と同様の操作を行うことに
より、担体(5)を調製した。該担体(5)の組成並び
に各種物性を、表1に示した。
【0117】次に、チタンおよび珪素からなる複合酸化
物を調製した。即ち、チタン源として、TiOSO
4 (TiO2 換算)250g/L、全H2 SO4 110
0g/Lなる組成を有する硫酸チタニルの硫酸水溶液を
用いた。そして、該硫酸水溶液153Lを水300Lに
添加して希釈することにより、希釈硫酸水溶液を得た。
一方、水400Lに25重量%アンモニア水280Lを
混合した後、該水溶液に、珪素源として、スノーテック
ス−NCS−30(日産化学工業株式会社製、シリカゾ
ルの含有量約30重量%(SiO2 換算))16.9k
gを混合した。
【0118】次いで、該混合物に、攪拌しながら上記の
希釈硫酸水溶液を滴下することにより、TiO2 とSi
2 との共沈ゲルを生成させた。共沈ゲルの生成後、さ
らに15時間、静置(放置)した。得られた共沈ゲルを
濾過して取り出し、水洗した後、200℃で10時間乾
燥し、さらに、空気を流通させながら550℃で6時間
焼成した。得られた粉体(以下、TS粉体と記す)の組
成は、TiO2 :SiO2 =85:15(モル比)であ
り、BET式を採用して測定した比表面積は180m2
/gであった。
【0119】次に、所定濃度・所定量の蓚酸水溶液にメ
タバナジン酸アンモニウム23.4gを添加し、充分に
攪拌して溶解させることにより、蓚酸バナジウム水溶液
を調製した。また、所定濃度・所定量の酒石酸水溶液に
三酸化アンチモン51gを添加し、充分に攪拌して溶解
させることにより、酒石酸アンチモン水溶液を調製し
た。次いで、上記の両水溶液を混合した後、上記のTS
粉体400gを添加し、充分に攪拌・混合した。これに
より、触媒活性成分を含むスラリーを調製した。
【0120】そして、上記の担体(5)2Lを予熱した
後、担体(5)100g当たりの触媒活性成分の割合が
10gとなるように、つまり、担持率が10重量%とな
るように、該担体(5)上に上記のスラリーを噴霧し
て、該触媒活性成分を担持させた。その後、空気を流通
させながら550℃で5時間焼成することにより、触媒
(W)を調製した。触媒(W)における触媒活性成分の
組成を、表6に示した。
【0121】そして、上記の触媒(W)を用いて、トル
エンの接触気相酸化反応、即ち、アンモ酸化を行った。
先ず、所定温度に調節された溶融塩浴に浸した内径25
mm、長さ5mのステンレス製反応管に、触媒(W)
を、下方に設けた反応ガス出口部から高さ4mまで充填
した。一方、トルエン3容量%、アンモニア6容量%、
酸素ガス10容量%および窒素ガス81容量%からなる
原料ガスを調製した。
【0122】次いで、上方に設けた原料ガス入口部から
上記反応管内に、該原料ガスを空間速度(SV)900
Hr-1(標準状態)で供給することにより、トルエンの
接触気相酸化反応、即ち、アンモ酸化を行った。反応温
度は390℃であった。
【0123】そして、反応ガス出口部から排出される反
応ガスを分析することにより、ベンゾニトリルの収率
(モル%)を測定した。反応初期における該収率、並び
に、反応開始から6カ月経過後における該収率を、表1
1に示した。
【0124】〔比較例5〕先ず、実施例7において、酸
化ニオブを用いない以外は、担体(5)の調製時におけ
る操作と同様の操作を行うことにより、担体(6)を調
製した。該担体(6)の組成並びに各種物性を、表1に
示した。
【0125】次に、実施例7において、担体(5)の代
わりに、上記の担体(6)を用いた以外は、触媒(W)
の調製時における操作と同様の操作を行うことにより、
比較用の触媒である触媒(X)を調製した。触媒(X)
における触媒活性成分の組成を、表6に示した。
【0126】そして、上記の触媒(X)を用いて、トル
エンのアンモ酸化を行った。即ち、触媒(X)を用いた
以外は、実施例7の反応条件と同様の反応条件で以て、
トルエンのアンモ酸化を行った。反応初期におけるベン
ゾニトリルの収率(モル%)、並びに、反応開始から6
カ月経過後における該収率を、表11に示した。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】
【表8】
【0135】
【表9】
【0136】
【表10】
【0137】
【表11】
【0138】
【表12】
【0139】上記実施例の結果並びに比較例の結果の対
比から明らかなように、本発明にかかる接触酸化用触媒
は、o−キシレンから無水フタル酸を製造する接触気相
酸化反応、ナフタレンから無水フタル酸を製造する接触
気相酸化反応、ベンゼンから無水マレイン酸を製造する
接触気相酸化反応、デュレンから無水ピロメリット酸を
製造する接触気相酸化反応、および、トルエンからベン
ゾニトリルを製造する接触気相酸化反応において、目的
物である含酸素有機化合物の収率の低下や、副生物の増
加等の経時劣化が認められず、従って、触媒活性を経時
的に安定して発揮することができることが判った。ま
た、本発明にかかる接触酸化用触媒は、担体に、酸化ニ
オブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる
群より選ばれる少なくとも一種の酸化物Aを含んでいる
ので、目的物である含酸素有機化合物の収率並びに選択
率を向上させることができることが判った。
【0140】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の接触酸化用触媒
は、以上のように、炭化珪素と、無機結合成分と、酸化
ニオブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからな
る群より選ばれる少なくとも一種の酸化物とを含んでな
る担体に、バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物か
らなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を触媒活
性成分として担持してなる構成である。
【0141】本発明の請求項2記載の接触酸化用触媒
は、以上のように、上記無機結合成分が、二酸化珪素お
よびムライトからなる群より選ばれる少なくとも一種の
無機物である構成である。
【0142】本発明の請求項3記載の接触酸化用触媒
は、以上のように、上記担体が、炭化珪素および無機結
合成分の合計量100重量部に対して、酸化ニオブ、酸
化アンチモンおよび酸化タングステンからなる群より選
ばれる少なくとも一種の酸化物を0.1重量部〜2重量
部の範囲内で含んでいる構成である。
【0143】本発明の請求項4記載の接触酸化用触媒
は、以上のように、上記担体が、炭化珪素および無機結
合成分の合計を100重量%として、炭化珪素を70重
量%〜95重量%の範囲内、無機結合成分としての二酸
化珪素を20重量%〜3重量%の範囲内、無機結合成分
としてのムライトを10重量%〜2重量%の範囲内で含
んでいる構成である。
【0144】本発明の請求項5記載の接触酸化用触媒
は、以上のように、上記担体におけるアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の全含有量が0.5重量%以下であ
り、かつ、該担体の気孔率が16%〜35%の範囲内で
あり、比表面積が0.02m2/g以上、0.3m2
g以下である構成である。
【0145】上記の構成によれば、安価であり、経時劣
化を招来せず、触媒活性を経時的に安定して発揮するこ
とができると共に、優れた初期性能を示す接触酸化用触
媒を提供することができるという効果を奏する。そし
て、該接触酸化用触媒を用いて、例えば、炭化水素の接
触気相酸化反応(部分酸化反応)を行うことにより、目
的物である含酸素有機化合物の収率並びに選択率を向上
させることができるという効果を奏する。
【0146】また、本発明の請求項6記載の、o−キシ
レンおよび/またはナフタレンから無水フタル酸を製造
するための接触酸化用触媒は、以上のように、触媒活性
成分として、バナジウム酸化物としての五酸化バナジウ
ムを含むと共に、アナターゼ型酸化チタンと、アルカリ
金属、希土類、硫黄、リン、アンチモン、ニオブおよび
ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と
をさらに含んでいる構成である。
【0147】本発明の請求項7記載の、ベンゼンから無
水マレイン酸を製造するための接触酸化用触媒は、以上
のように、触媒活性成分として、バナジウム酸化物とし
ての五酸化バナジウム並びにモリブデン酸化物としての
三酸化モリブデンを含むと共に、五酸化リンと、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の元素とをさらに含んでいる
構成である。
【0148】本発明の請求項8記載の、1,2,4,5
−テトラアルキルベンゼンから無水ピロメリット酸を製
造するための接触酸化用触媒は、以上のように、触媒活
性成分として、バナジウム酸化物としての五酸化バナジ
ウムを含むと共に、リンと、モリブデンおよび/または
タングステンと、アンチモン、銀、ホウ素、クロム、セ
リウム、ニオブおよび硫黄からなる群より選ばれる少な
くとも一種の元素と、アルカリ金属、アルカリ土類金属
およびタリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種
の元素と、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化錫
からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物とをさ
らに含んでいる構成である。
【0149】本発明の請求項9記載の、アンモ酸化によ
ってアルキル置換芳香族炭化水素またはアルキル置換複
素環化合物から芳香族ニトリルまたは複素環ニトリルを
製造するための接触酸化用触媒は、以上のように、触媒
活性成分として、バナジウム酸化物としての五酸化バナ
ジウムを含むと共に、二酸化チタン、二酸化珪素、アル
ミナ、珪藻土、チタンと珪素とを含む二元系複合酸化
物、チタンとジルコニウムとを含む二元系複合酸化物、
および、チタンと珪素とジルコニウムとを含む三元系複
合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の(複
合)酸化物と、モリブデン、タングステン、クロム、ア
ンチモン、ビスマス、リン、ニオブ、鉄、コバルト、ニ
ッケル、マンガンおよび銅からなる群より選ばれる少な
くとも一種の元素とをさらに含んでいる構成である。
【0150】さらに、本発明の請求項10記載の無水フ
タル酸の製造方法は、以上のように、請求項6記載の接
触酸化用触媒を用いてo−キシレンおよび/またはナフ
タレンから無水フタル酸を製造する方法である。
【0151】本発明の請求項11記載の無水マレイン酸
の製造方法は、以上のように、請求項7記載の接触酸化
用触媒を用いてベンゼンから無水マレイン酸を製造する
方法である。
【0152】本発明の請求項12記載の無水ピロメリッ
ト酸の製造方法は、以上のように、請求項8記載の接触
酸化用触媒を用いて1,2,4,5−テトラアルキルベ
ンゼンから無水ピロメリット酸を製造する方法である。
【0153】本発明の請求項13記載の芳香族ニトリル
または複素環ニトリルの製造方法は、以上のように、請
求項9記載の接触酸化用触媒を用いたアンモ酸化によっ
て、アルキル置換芳香族炭化水素またはアルキル置換複
素環化合物から芳香族ニトリルまたは複素環ニトリルを
製造する方法である。
【0154】上記の方法によれば、目的物である無水フ
タル酸や無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、芳香族
ニトリル、複素環ニトリルを、高収率並びに高選択率で
製造することができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 307/89 C07D 307/89 C // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素と、無機結合成分と、酸化ニオ
    ブ、酸化アンチモンおよび酸化タングステンからなる群
    より選ばれる少なくとも一種の酸化物とを含んでなる担
    体に、バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物からな
    る群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を触媒活性成
    分として担持してなることを特徴とする接触酸化用触
    媒。
  2. 【請求項2】上記無機結合成分が、二酸化珪素およびム
    ライトからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物
    であることを特徴とする請求項1記載の接触酸化用触
    媒。
  3. 【請求項3】上記担体が、炭化珪素および無機結合成分
    の合計量100重量部に対して、酸化ニオブ、酸化アン
    チモンおよび酸化タングステンからなる群より選ばれる
    少なくとも一種の酸化物を0.1重量部〜2重量部の範
    囲内で含んでいることを特徴とする請求項1または2記
    載の接触酸化用触媒。
  4. 【請求項4】上記担体が、炭化珪素および無機結合成分
    の合計を100重量%として、炭化珪素を70重量%〜
    95重量%の範囲内、無機結合成分としての二酸化珪素
    を20重量%〜3重量%の範囲内、無機結合成分として
    のムライトを10重量%〜2重量%の範囲内で含んでい
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の接触酸
    化用触媒。
  5. 【請求項5】上記担体におけるアルカリ金属およびアル
    カリ土類金属の全含有量が0.5重量%以下であり、か
    つ、該担体の気孔率が16%〜35%の範囲内であり、
    比表面積が0.02m2 /g以上、0.3m2 /g以下
    であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の接触酸化用触媒。
  6. 【請求項6】触媒活性成分として、バナジウム酸化物と
    しての五酸化バナジウムを含むと共に、アナターゼ型酸
    化チタンと、アルカリ金属、希土類、硫黄、リン、アン
    チモン、ニオブおよびホウ素からなる群より選ばれる少
    なくとも一種の元素とをさらに含んでいることを特徴と
    する請求項1〜5の何れか1項に記載の、o−キシレン
    および/またはナフタレンから無水フタル酸を製造する
    ための接触酸化用触媒。
  7. 【請求項7】触媒活性成分として、バナジウム酸化物と
    しての五酸化バナジウム並びにモリブデン酸化物として
    の三酸化モリブデンを含むと共に、五酸化リンと、アル
    カリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群
    より選ばれる少なくとも一種の元素とをさらに含んでい
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載
    の、ベンゼンから無水マレイン酸を製造するための接触
    酸化用触媒。
  8. 【請求項8】触媒活性成分として、バナジウム酸化物と
    しての五酸化バナジウムを含むと共に、リンと、モリブ
    デンおよび/またはタングステンと、アンチモン、銀、
    ホウ素、クロム、セリウム、ニオブおよび硫黄からなる
    群より選ばれる少なくとも一種の元素と、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群より選
    ばれる少なくとも一種の元素と、酸化チタン、酸化ジル
    コニウムおよび酸化錫からなる群より選ばれる少なくと
    も一種の酸化物とをさらに含んでいることを特徴とする
    請求項1〜5の何れか1項に記載の、1,2,4,5−
    テトラアルキルベンゼンから無水ピロメリット酸を製造
    するための接触酸化用触媒。
  9. 【請求項9】触媒活性成分として、バナジウム酸化物と
    しての五酸化バナジウムを含むと共に、二酸化チタン、
    二酸化珪素、アルミナ、珪藻土、チタンと珪素とを含む
    二元系複合酸化物、チタンとジルコニウムとを含む二元
    系複合酸化物、および、チタンと珪素とジルコニウムと
    を含む三元系複合酸化物からなる群より選ばれる少なく
    とも一種の(複合)酸化物と、モリブデン、タングステ
    ン、クロム、アンチモン、ビスマス、リン、ニオブ、
    鉄、コバルト、ニッケル、マンガンおよび銅からなる群
    より選ばれる少なくとも一種の元素とをさらに含んでい
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載
    の、アンモ酸化によってアルキル置換芳香族炭化水素ま
    たはアルキル置換複素環化合物から芳香族ニトリルまた
    は複素環ニトリルを製造するための接触酸化用触媒。
  10. 【請求項10】請求項6記載の接触酸化用触媒を用いて
    o−キシレンおよび/またはナフタレンから無水フタル
    酸を製造することを特徴とする無水フタル酸の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項7記載の接触酸化用触媒を用いて
    ベンゼンから無水マレイン酸を製造することを特徴とす
    る無水マレイン酸の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項8記載の接触酸化用触媒を用いて
    1,2,4,5−テトラアルキルベンゼンから無水ピロ
    メリット酸を製造することを特徴とする無水ピロメリッ
    ト酸の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項9記載の接触酸化用触媒を用いた
    アンモ酸化によって、アルキル置換芳香族炭化水素また
    はアルキル置換複素環化合物から芳香族ニトリルまたは
    複素環ニトリルを製造することを特徴とする芳香族ニト
    リルまたは複素環ニトリルの製造方法。
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