JPH11101107A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JPH11101107A
JPH11101107A JP9264266A JP26426697A JPH11101107A JP H11101107 A JPH11101107 A JP H11101107A JP 9264266 A JP9264266 A JP 9264266A JP 26426697 A JP26426697 A JP 26426697A JP H11101107 A JPH11101107 A JP H11101107A
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plate
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藤 篤 佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの増大を招くことなく、係止部材
の脱落強度を向上し、ロックピンの円滑な作動を確保す
ること。 【解決手段】 退避孔34の径方向外方端に退避孔34
をカムシャフト10の軸方向に貫通し、その一端側が外
部ロータ30の前端面に開口するように形成した溝35
内に、板状のリテーナ82を嵌合し、該リテーナにロッ
クピン80を付勢するスプリング81の一端を係止させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置において吸気弁又は排気弁の開閉時期を制御するため
に使用される弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の弁開閉時期制御装置の1つとし
て、内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に組付けられ
る弁開閉用の回転軸(カムシャフトとこれに一体的に設
けた内部ロータからなる)に所定範囲で相対回転可能に
外装されクランク軸からの回転動力が伝達される回転伝
達部材と、前記回転軸に取り付けられたベーンと、前記
回転軸と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーン
によって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室
と、前記進角用室に流体を給排する第1流体通路と、前
記遅角用室に流体を給排する第2流体通路と、前記回転
伝達部材に形成され内部に前記回転軸に向けてスプリン
グにより付勢されたロックピンを収容する退避孔と、前
記回転軸に形成され前記回転軸と前記回転伝達部材の相
対位相が所定の位相で同期したとき前記ロックピンの頭
部が嵌入される受容孔と、この受容孔に流体を給排する
第3流体通路とを備えたものがあり、例えば特開平1−
92504号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報に開示さ
れる弁開閉時期制御装置においては、退避孔及び受容孔
は夫々径方向に形成されていて、径方向に貫通した退避
孔の外方端部に係止部材が圧入固定され、該係止部材に
ロックピンを付勢するスプリングの一端が係止されてい
る。このため、係止部材の圧入時にバリが生じ易く、こ
のバリがロックピンの退避孔内周面との間の摺動部に侵
入して、ロックピンの円滑な摺動が損なわれる恐れがあ
る。このバリの発生は圧入代を小さくすることにより回
避することができるものの、この場合には係止部材の圧
入強度が低下し、係止部材が遠心力により退避孔より脱
落する恐れがある。
【0004】これら問題は、退避孔の径方向外方端の内
周面に環状溝を形成し、該環状溝に嵌着されるスナップ
リングに、退避孔内に嵌合される係止部材を係止させる
ようにすることにより解消することができる。しかしな
がら、この構成によると、組付性が悪化すると共に、部
品点数が増加し、また困難な環状溝の加工が必要となる
ことから、当該弁開閉時期制御装置の製造コストが増大
してしまう。更に、スナップリングの環状溝への引っ掛
かり代が大きくとれないため、係止部材の脱落強度が不
足し、係止部材が脱落する恐れがある。
【0005】それゆえ、本発明は当該弁開閉時期制御装
置において、製造コストの増大を招くことなく、係止部
材の脱落強度を向上し、ロックピンの円滑な作動を確保
することを、その課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の技術的手段は、内燃機関のシリンダヘ
ッドに回転自在に組付けられる弁開閉用の回転軸と、該
回転軸に所定範囲で相対回転可能に外装されクランク軸
からの回転動力が伝達される回転伝達部材と、前記回転
軸又は前記回転伝達部材の一方に取り付けられたベーン
と、前記回転軸と前記回転伝達部材との間に形成され前
記ベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される流
体圧室と、前記進角用室に流体を給排する第1流体通路
と、前記遅角用室に流体を給排する第2流体通路と、前
記回転伝達部材又は前記回転軸に形成され内部に前記回
転伝達部材又は前記回転軸に取り付けられる係止部材に
一端を係止されるスプリングにより前記回転軸又は前記
回転伝達部材に向けて付勢されたロックピンを収容する
退避孔と、前記回転軸又は前記回転伝達部材に形成され
前記回転軸と前記回転伝達部材の相対位相が所定の位相
で同期したとき前記ロックピンの頭部が嵌入される受容
孔と、該受容孔に流体を給排する第3流体通路とを備え
て、内燃機関の吸気弁又は排気弁の開閉時期を制御する
ために使用される弁開閉時期制御装置において、前記回
転伝達部材又は前記回転軸に、前記退避孔の前記ロック
ピンの反付勢側の一端を貫通し、少なくともその一端側
が開口する溝を形成し、該溝に前記スプリングの一端を
係止する板状係止部材を嵌合したことである。
【0007】上記した手段において、前記回転軸を、前
記シリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシャフト
と、このカムシャフトの先端部に一体的に設けた内部ロ
ータによって構成し、前記回転伝達部材を、前記内部ロ
ータを収容する外部ロータ、フロントプレート及びリア
プレートによって構成し、前記退避孔及び前記受容孔を
夫々前記外部ロータ及び前記内部ロータに形成すると共
に、前記溝を前記外部ロータに軸方向に延在して形成
し、前記板状係止部材を前記フロントプレートと前記リ
アプレートのいずれか一方と前記溝の他端との間で軸方
向に保持するようにしても良い。
【0008】また、上記した手段において、前記回転軸
を、前記シリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシ
ャフトと、このカムシャフトの先端部に一体的に設けた
内部ロータによって構成し、前記回転伝達部材を、前記
内部ロータを収容する外部ロータ、フロントプレート及
びリアプレートによって構成し、前記退避孔及び前記受
容孔を夫々前記外部ロータ及び前記内部ロータに形成す
ると共に、前記溝を前記外部ロータにその両端が開口す
るように軸方向に延在して形成し、前記板状係止部材を
前記フロントプレートと前記リアプレートとの間で軸方
向に保持するようにしても良い。
【0009】上記した手段によれば、板状係止部材を、
少なくとも一端側が開口した溝内に嵌合したため、嵌合
時にバリ等が発生することなくその組付性を著しく向上
することができると共に、板状係止部材の溝への引っ掛
かり代を大きく確保することができ、部品点数の増大に
よる製造コストの増大を招くことなく、係止部材の脱落
強度を向上し、ロックピンの円滑な作動を確保すること
が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従った弁開閉時期
制御装置の一実施形態を図面に基づき、説明する。
【0011】図1及び図2に示した弁開閉時期制御装置
は、当該内燃機関のシリンダヘッド100に回転自在に
支持されたカムシャフト10とこれの先端部に一体的に
組付けた内部ロータ20とからなる弁開閉用の回転軸
と、内部ロータ20に所定範囲で相対回転可能に外装さ
れた外部ロータ30、フロントプレート40、リアプレ
ート50及び外部ロータ30の外周に一体的に設けたタ
イミングスプロケット31から成る回転伝達部材と、内
部ロータ20とフロントプレート40間に組付けたトー
ションスプリング60と、内部ロータ20に組付けた4
枚のベーン70と、外部ロータ30に組付けたロックピ
ン80等によって構成されている。なお、タイミングス
プロケット31には、周知のように、図示省略したクラ
ンク軸からクランクスプロケットとタイミングチェーン
を介して図2の時計方向に回転動力が伝達されるように
構成されている。
【0012】カムシャフト10は、吸気弁(図示省略)
を開閉する周知のカムを有していて、内部にはカムシャ
フト10の軸方向に延びる進角通路11と遅角通路12
が設けられている。進角通路11は、カムシャフト10
に設けた径方向の通路及び環状溝14とシリンダヘッド
100に設けた接続通路16を通して図示しない切換弁
の第1接続ポートに接続されている。また、遅角通路1
2は、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状
溝13とシリンダヘッド100に設けた接続通路15を
通して図示しない切換弁の第2接続ポートに接続されて
いる。尚、切換弁は図示はしないが、ソレノイドへ通電
することによりスプールをスプリングに抗して移動でき
る周知なものであり、非通電時には当該内燃機関によっ
て駆動されるオイルポンプ(図示省略)に接続された供
給ポートが第2接続ポートに連通すると共に、第1接続
ポートが排出ポートに連通するように、また通電時には
供給ポートが第1接続ポートに連通すると共に、第2接
続ポートが排出ポートに連通するように構成されてい
る。このため、切換弁のソレノイドの非通電時には遅角
通路12に作動油が供給され、通電時には進角通路11
に作動油が供給される。
【0013】内部ロータ20は、単一の取付ボルト91
によってスペーサ90を介してカムシャフト10に一体
的に固着されていて、4枚の各ベーン70を夫々径方向
に移動可能に取り付けるためのベーン溝21を有すると
共に、図2に示した状態、すなわちカムシャフト10及
び内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が所定の
位相(最遅角位置)で同期したとき円筒状のロックピン
80の頭部が所定量嵌入される受容孔22と、この受容
孔22に進角通路11から作動油を給排可能な通路23
と、各ベーン70によって区画された進角用油室R1
(図2の上のものは除く)に進角通路11から作動油を
給排する通路24と、各ベーン70によって区画された
遅角用油室R2に遅角通路12から作動油を給排する通
路25を有している。図2の上の進角用油室R1には、
通路23の外方端が連通する内部ロータ20の外周に形
成される周方向溝27を介して作動油が給排されるよう
になっている。また、受容孔22が開口する内部ロータ
20の外周面には受容孔22の開口から後方に軸方向溝
28が形成されていると共に、通路23の外方端が開口
する内部ロータ20の外周面には通路の開口から後方に
軸方向溝26が形成されている。これら溝28、26は
図2に示す最遅角位置において、外部ロータ30の後端
面に形成される周方向溝32を介して連通されるように
なっていて、したがって受容孔22には最遅角状態にて
のみ進角通路11からの作動油が給排されるように構成
されている。尚、各ベーン70はベーン溝21の底部に
収容したベーンスプリング71(図1参照)によって径
方向外方に付勢されている。また、受容孔22の径は、
ロックピン80の外径(及びロックピン80の外径とほ
ぼ同等な後述する退避孔34の内径)よりも少量大きく
設定されている。
【0014】外部ロータ30は、内部ロータ20の外周
に所定範囲で相対回転可能に組付けられていて、その両
側にはフロントプレート40とリアプレート50が接合
され、4本の連結ボルト92によって一体的に連結され
ていて、リアプレート50が接合されるその後端外周に
タイミングスプロケット31が一体的に形成されてい
る。また、外部ロータ30の内周には周方向間隔で4個
の突部33が径方向内方に向けて夫々突出形成されてい
て、これら突部33の内周面が内部ロータ20の外周面
に摺接する構成で外部ロータ30が内部ロータ20に回
転自在に支承されており、1つの突部33にはロックピ
ン80とスプリング81を収容する退避孔34が形成さ
れていると共に、退避孔34の周方向両側に空洞部3
6、37が設けられている。
【0015】フロントプレート40は、円筒部41を有
する環状のプレートであり、各空洞部36、37に対応
して図示しない連通孔が設けられると共に、円筒部41
にトーションスプリング60の一端を係止する切り欠き
46が設けられている。リアプレート50は、環状のプ
レートであり、フロントプレート40と同様に、各空洞
部36、37に対応して図示しない連通孔が設けられて
いる。
【0016】トーションスプリング60は、一端をフロ
ントプレート40に係止し他端を内部ロータ20に係止
して組付けられており、内部ロータ20を外部ロータ3
0、フロントプレート40及びリアプレート50に対し
て図2の時計方向に付勢している。このトーションスプ
リング60は、各ベーン70の外部ロータ30、フロン
トプレート40及びリアプレート50に対する摩擦係合
力(進角側への回転を阻害する力)を考慮して設けたも
のであり、内部ロータ20を外部ロータ30、フロント
プレート40及びリアプレート50に対して進角側へ付
勢しており、これによって内部ロータ20の進角側への
作動応答性の向上が図られている。
【0017】各ベーン70は、両プレート40、50間
にて外部ロータ30の各突部33と内部ロータ20との
間に形成される流体圧室R0を進角用室R1と遅角用室
R2とに二分していて、図2の上の流体圧室R0を区画
する突部33の周方向端面に同流体圧室R0内に位置す
る1つのベーン70が当接することにより、当該弁開閉
時期制御装置により調整される位相(相対回転量)が制
限されるようになっている。
【0018】ロックピン80は、退避孔34内に軸方向
へ摺動可能に組付けられていて、スプリング81によっ
て内部ロータ20に向けて付勢されている。スプリング
81はロックピン80とリテーナ82の間に介装されて
いる。本実施形態においては、図3及び図4に示すよう
に、退避孔34の径方向外方端に退避孔34をカムシャ
フト10の軸方向に貫通し、その一端側が外部ロータ3
0の前端面に開口する溝35が形成されていて、この溝
35内には、外部ロータ30の前端面から後端に向けて
図5に示す板状のリテーナ82が嵌合され、スプリング
81の一端を係止している。リテーナ82は、その4隅
に突部84を有し、これら突部84が溝35内に嵌合さ
れることにより、外部ロータ30の径方向に保持される
と共に、フロントプレート40と外部ロータ30の後端
側の溝35の底面との間で外部ロータ30の軸方向に保
持される。リテーナ82には、図4及び図5に示すよう
に長孔83が形成されている。
【0019】上記のように構成した本実施形態の弁開閉
時期制御装置においては、図2に示した状態、すなわち
当該内燃機関が停止してオイルポンプが停止するととも
に図示しない切換弁のソレノイドが非通電の状態にあ
り、またトーションスプリング60の付勢力により内部
ロータ20と外部ロータ30とが最遅角位置にて同期し
ロックピン80の頭部が受容孔22に所定量嵌入して、
最遅角位置にて内部ロータ20と外部ロータ30の相対
回転を規制しているロック状態にて、当該内燃機関が始
動してオイルポンプが駆動されても、切換弁からカムシ
ャフト10の進角通路11には作動油が供給されず、弁
開閉時期制御装置は図1及び図2に示すロック状態に維
持され、ベーン70による打音の発生が防止される。
【0020】また、当該内燃機関が駆動しオイルポンプ
が駆動されている状態にて、図示しない切換弁のソレノ
イドが通電されると、切換弁からカムシャフト10の進
角通路11に作動油が供給されて、同作動油が各通路2
4を介して各進角用室R1(図2の上のものを除く)に
供給され、また各遅角用室R2から各通路25と遅角通
路12と切換弁(図示省略)等を通して作動油が排出さ
れる。同時に、通路23及び周方向溝27を介して進角
通路11からの作動油が図2の上の進角用室R1に供給
されると共に、同作動油が通路23、軸方向溝26、周
方向溝32及び軸方向溝28を介して受容孔22に供給
される。このため、ロックピン80がスプリング81に
抗して移動し受容孔33から抜けてロック解除されると
共に、カムシャフト10と一体的に回転する内部ロータ
20と各ベーン70が外部ロータ30、両プレート4
0、50等に対して進角側(図1の時計方向)に相対回
転する。尚、ロックピン80が受容孔22から抜けた
後、内部ロータ20と外部ロータ30が所定量以上相対
回転すると、通路23と受容孔22の連通が遮断され、
作動油の脈動によるロックピン80の振動が防止され
る。
【0021】ロックピン80が受容孔22から抜けた状
態では、図示しない切換弁のソレノイドを非通電とする
ことにより、遅角通路12と各通路25を通して各遅角
用室R2に作動油を供給することができると共に、各進
角用室R1から各通路24(図2の上の進角用室R1か
らは周方向溝27及び通路23)と進角通路11と切換
弁等を通して作動油を排出することができて、内部ロー
タ20と各ベーン70を外部ロータ30、両プレート4
0、50等に対して遅角側(図2の反時計方向)に相対
回転させることができるとともに、切換弁のソレノイド
を通電状態とすることにより、各進角用室R1に作動油
を供給し、各遅角用室R2から作動油を排出することが
できて、内部ロータ20と各ベーン70を外部ロータ3
0、両プレート40、50等に対して進角側に相対回転
させることができる。
【0022】ところで、本実施形態においては、退避孔
34の径方向外方端に退避孔34をカムシャフト10の
軸方向に貫通し、その一端側が外部ロータ30の前端面
に開口するように形成した溝35内に、外部ロータ30
の前端面から後端に向けて板状のリテーナ82が嵌合す
る構成としたため、上記した公報の従来の弁開閉時期制
御装置や、退避孔の内周面に形成する環状溝にスナップ
リングを嵌着してリテーナを係止する構成に比べ、嵌合
時にバリ等が発生することなく容易に組付けることがで
きると共に、リテーナ82の溝35への引っ掛かり代を
大きく確保することができる上にフロントプレート40
と溝35との間で軸方向に保持されるため、リテーナ8
2の脱落を確実に防止することができ、ロックピン80
の円滑な作動を確保できる。
【0023】また、退避孔の内周面に形成する環状溝に
スナップリングを嵌着してリテーナを係止する構成に比
べ、部品点数を削減できると共に、退避孔内周面の環状
孔とは異なり、溝35は外部ロータ30の成形時に型に
より同時に形成することが可能であるため、当該弁開閉
時期制御装置の製造コストを低減することができる。ま
た、更にリテーナ82には長孔83が形成されており、
ロックピン80の背圧を常時大気圧としロックピン80
の円滑な作動を保証すると共に、リテーナ82の組付時
にこの長孔83を通して専用工具により外方よりスプリ
ング81を押し縮めるためにも利用可能であり、リテー
ナ82の組付性を更に向上させることができる。
【0024】上記実施形態においては、進角用室R1が
最小容積となる状態(最遅角状態)にて外部ロータ30
に組付けたロックピン80の頭部が内部ロータ20の受
容孔22に嵌入されるように構成したが、遅角用室R2
が最小容積となる状態(最進角状態)にて外部ロータに
組付けたロックピンの頭部が内部ロータの受容孔に嵌入
されるように構成して実施することも可能である。
【0025】また、上記実施形態においては、吸気用の
カムシャフト10に組付けられる弁開閉時期制御装置に
本発明を実施したが、本発明は排気用のカムシャフトに
組付けられる弁開閉時期制御装置にも同様に実施し得る
ものである。
【0026】
【発明の効果】以上の如く、請求項1の発明によれば、
回転伝達部材又は回転軸に、退避孔のロックピンの反付
勢側の一端を貫通し、少なくともその一端側が開口する
ように形成した溝にロックピンを付勢するスプリングの
一端を係止する板状係止部材を嵌合したため、嵌合時に
バリ等が発生することなくその組付性を著しく向上する
ことができると共に、板状係止部材の溝への引っ掛かり
代を大きく確保することができ、部品点数の増大による
製造コストの増大を招くことなく、係止部材の脱落強度
を向上し、ロックピンの円滑な作動を確保することがで
きるまた、請求項2及び請求項3の発明によれば、板状
係止部材はフロントプレート及びリアプレートの一方と
溝との間又は、両プレート間で軸方向に保持されるた
め、係止部材の脱落強度を更に一層向上することができ
る。
【0027】また、請求項4の発明によれば、板状係止
部材の孔を介してロックピンの背圧を常時大気に解放
し、ロックピンの円滑な作動を保証できると共に、板状
係止部材の組付時に孔を通して専用工具により外方より
スプリングを押し縮めることができ、板状係止部材の組
付性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った弁開閉時期制御装置の一実施形
態を示す縦断側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図2のロックピンの部分の一部拡大図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図1に示す実施形態のリテーナの斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 カムシャフト(回転軸) 11 進角通路 12 遅角通路 20 内部ロータ(回転軸) 22 受容孔 23 通路 24 通路(第1流体通路) 25 通路(第2流体通路) 30 外部ロータ(回転伝達部材) 34 退避孔 35 溝 40 フロントプレート 50 リアプレート 70 ベーン 80 ロックピン 81 スプリング 82 リテーナ(板状係止部材) 83 長孔(孔) R0 流体圧室 R1 進角用室 R2 遅角用室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に
    組付けられる弁開閉用の回転軸と、該回転軸に所定範囲
    で相対回転可能に外装されクランク軸からの回転動力が
    伝達される回転伝達部材と、前記回転軸又は前記回転伝
    達部材の一方に取り付けられたベーンと、前記回転軸と
    前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーンによって
    進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室と、前記進
    角用室に流体を給排する第1流体通路と、前記遅角用室
    に流体を給排する第2流体通路と、前記回転伝達部材又
    は前記回転軸に形成され内部に前記回転伝達部材又は前
    記回転軸に取り付けられる係止部材に一端を係止される
    スプリングにより前記回転軸又は前記回転伝達部材に向
    けて付勢されたロックピンを収容する退避孔と、前記回
    転軸又は前記回転伝達部材に形成され前記回転軸と前記
    回転伝達部材の相対位相が所定の位相で同期したとき前
    記ロックピンの頭部が嵌入される受容孔と、該受容孔に
    流体を給排する第3流体通路とを備えて、内燃機関の吸
    気弁又は排気弁の開閉時期を制御するために使用される
    弁開閉時期制御装置において、前記回転伝達部材又は前
    記回転軸に、前記退避孔の前記ロックピンの反付勢側の
    一端を貫通し、少なくともその一端側が開口する溝を形
    成し、該溝に前記スプリングの一端を係止する板状係止
    部材を嵌合したことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸を、前記シリンダヘッドに回
    転自在に支持されたカムシャフトと、このカムシャフト
    の先端部に一体的に設けた内部ロータによって構成し、
    前記回転伝達部材を、前記内部ロータを収容する外部ロ
    ータ、フロントプレート及びリアプレートによって構成
    し、前記退避孔及び前記受容孔を夫々前記外部ロータ及
    び前記内部ロータに形成すると共に、前記溝を前記外部
    ロータに軸方向に延在して形成し、前記板状係止部材を
    前記フロントプレートと前記リアプレートのいずれか一
    方と前記溝の他端との間で軸方向に保持したことを特徴
    とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記回転軸を、前記シリンダヘッドに回
    転自在に支持されたカムシャフトと、このカムシャフト
    の先端部に一体的に設けた内部ロータによって構成し、
    前記回転伝達部材を、前記内部ロータを収容する外部ロ
    ータ、フロントプレート及びリアプレートによって構成
    し、前記退避孔及び前記受容孔を夫々前記外部ロータ及
    び前記内部ロータに形成すると共に、前記溝を前記外部
    ロータにその両端が開口するように軸方向に延在して形
    成し、前記板状係止部材を前記フロントプレートと前記
    リアプレートとの間で軸方向に保持したことを特徴とす
    る請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記板状係止部材には、前記退避孔を外
    部に連通する孔が形成されていることを特徴とする請求
    項2又は3に記載の弁開閉時期制御装置。
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