JPH1099084A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JPH1099084A
JPH1099084A JP9106510A JP10651097A JPH1099084A JP H1099084 A JPH1099084 A JP H1099084A JP 9106510 A JP9106510 A JP 9106510A JP 10651097 A JP10651097 A JP 10651097A JP H1099084 A JPH1099084 A JP H1099084A
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JP
Japan
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protein
present
dna
salt
amino acid
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JP9106510A
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English (en)
Inventor
Koji Yoshimura
浩二 吉村
Yuichi Hikichi
裕一 引地
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規システインプロテアーゼの提供。 【解決手段】新規システインプロテアーゼもしくはその
部分ペプチド、該タンパク質をコードするDNA、該D
NAを含有する組換えベクター、形質転換体、該タンパ
ク質の製造法、該タンパク質もしくはDNA含有してな
る医薬、該タンパク質に対する抗体、該タンパク質のプ
ロテアーゼ活性を促進もしくは阻害する化合物のスクリ
ーニング方法、スクリーニング用キットおよびスクリー
ニングで得られる化合物またはその塩。 【効果】タンパク質またはそれをコードするDNAは、
例えば、糖尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、肝繊
維症などの肝疾患、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄す
べり症、坐骨神経痛、大理石病などの種々の疾病の治療
・予防剤などの医薬として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシステイン
プロテアーゼおよびそのDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】リソゾームは多数の加水分解酵素を含む
細胞内小器官であり、リソゾームのプロテアーゼ群は協
同的に働くことにより、細胞内・外より取り込まれたタ
ンパク質を分解する。これには、リソゾーム内のパパイ
ンファミリーに属するシステインプロテアーゼ群が主役
を演じていることが分かっている。また、これらの酵素
の一部は細胞外に活性を有しない前駆体の形で分泌さ
れ、活性化を受けた後にタンパク質の分解に関与する。
パパインファミリーに属するシステインプロテアーゼは
哺乳動物、植物、寄生虫、原虫、昆虫ウイルス等に広く
分布しており、マンソン住血吸虫のカテプシンL様シス
テインプロテアーゼはヘモグロビンの分解に関与するこ
とが示唆されている(A. M. Smithら、モレキュラー・
アンド・バイオケミカルパラサイトロジー、67巻、11-1
9頁、1994年)。ヒトでは、パパインファミリーに属す
るシステインプロテアーゼはカテプシンB,H,Lおよ
びSのアイソザイムが古くから知られている。これらの
酵素は、活性に関与するシステイン、ヒスチジンおよび
アスパラギン酸およびこれらのアミノ酸の周辺のcataly
tic domainのアミノ酸配列は非常によく保存されている
が、異なった酵素特性を示すことが知られている。例え
ば、カテプシンHやBはエンドペプチダーゼ活性は弱
く、アミノペプチダーゼまたはカルボキシルペプチダー
ゼ活性が顕著である。一方、カテプシンLおよびSは強
いエンドペプチダーゼ活性を示す。最近、破骨細胞に発
現が顕著なカテプシンO(OC2)が報告され、新規の
アイソザイムが存在する可能性が示唆されている。
【0003】カテプシンB,H,L(S. Galら、バイオ
ケミカルジャーナル、253巻、303-306頁、1988年)およ
びSのシステインプロテアーゼはプロ酵素の活性化、酵
素の不活化、抗原提示、ホルモン成熟化、骨吸収および
組織の再構成等様々な生理活性を有することが知られて
いる。特に、組織の再構成におけるシステインプロテア
ーゼの持つ蛋白分解活性は非常に重要である。これらの
酵素自身がコラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外
マトリックスの分解酵素として働くだけでなく、他の細
胞外マトリックス分解酵素であるセリンプロテアーゼ群
やマトリックス金属プロテアーゼ群の活性化を引き起こ
すことが知られている。また、システインプロテアーゼ
は、慢性関節リウマチ,変形性関節炎などの関節炎、骨
粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイマー病等
の神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの筋消耗性疾
患等の種々の疾病との関連が明らかにされている。従っ
て、これらの酵素の活性を調節する、阻害剤または促進
剤は上記の疾病の治療薬として用いられ得る。一方、欧
米では、パパインファミリーに属するキモパパインが椎
間板ヘルニアの治療に古くから用いられている。しか
し、アナフィラキシーを引き起こすことがあり、適応で
きる患者は限定され、ヒト由来の抗原性のないプロテア
ーゼが望まれている。
【0004】cDNAライブラリーからランダムに選ん
だcDNAクローンの部分配列(expressed sequence t
ags、ESTsと略される)を決定することにより、そ
の臓器や細胞における遺伝子発現のレベルや新規遺伝子
を見いだす試みが報告されている。M. D. Adamsらは脳
のcDNAライブラリーから得たESTsを多数報告し
ている(ネイチャージェネティクス、4巻、373-380頁、
1993年)。これらのESTsの一つであるEST067
71(GenBankアクセッション番号T08879)は、
ESTのデータベースであるdbESTにおいて、大豆
等の植物やトリパノゾーマ等のシステインプロテアーゼ
と類似していることが記載されている。しかし、EST
sの配列は正確性に欠け、かつ一部分の塩基配列である
ことから、データベースに登録されているESTsの塩
基配列と同一の遺伝子が実際に存在し、かつ生体内で機
能しているかどうかは明らかではなかった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】新たなヒト由来のシ
ステインプロテアーゼは、システインプロテアーゼに対
して阻害活性あるいは促進活性を発揮し、システインプ
ロテアーゼに基づく種々の疾患、例えば、関節炎、神経
変成疾患、筋消耗性疾患等の予防や治療に役立つ新たな
医薬品の開発を可能にする。したがって、本発明の分野
では、ヒト由来の新規システインプロテアーゼを見いだ
し、大量に産生する方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒト脾臓由
来cDNAライブラリーから、新規な塩基配列を有する
cDNAをクローニングすることに成功し、それにコー
ドされるタンパク質がシステインプロテアーゼであるこ
とを見いだした。本発明者らは、これらの知見に基づい
て、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の
アミノ酸配列を有するタンパク質またはその塩、(2)
システインプロテアーゼ活性を有する第(1)項記載の
タンパク質、(3)第(1)項記載のタンパク質の部分
ペプチドまたはその塩、(4)第(1)項記載のタンパ
ク質をコードする塩基配列を有するDNAを含有するD
NA、(5)配列番号:3で表される塩基配列を有する
第(4)項記載のDNA、(6)第(4)項記載のDN
Aを含有する組換えベクター、(7)第(6)項記載の
組換えベクターを保持する形質転換体、(8)第(7)
項記載の形質転換体を培養し、第(1)項記載のタンパ
ク質を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
する第(1)項記載のタンパク質またはその塩の製造方
法、(9)第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医
薬、(10)糖尿病性腎症、子球体腎炎、肝繊維症、肺
繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛ま
たは大理石病の治療・予防剤である第(9)項記載の医
薬、
【0008】(11)第(4)項記載のDNAを含有し
てなる医薬、(12)糖尿病性腎症、子球体腎炎、肝繊
維症、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨
神経痛または大理石病の治療・予防剤である第(11)
項記載の医薬、(13)第(1)項記載のタンパク質、
第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対す
る抗体、(14)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いる
ことを特徴とする第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のプロテ
アーゼ活性を促進または阻害する化合物のスクリーニン
グ方法、(15)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有し
てなる第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩のプロテアーゼ活性を促
進または阻害する化合物のスクリーニング用キット、お
よび(16)第(14)項記載のスクリーニング方法ま
たは第(15)項記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩のプロテアーゼ活性
を促進または阻害する化合物またはその塩を提供する。
【0009】さらに、本発明は、(17)配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列を有する第(3)項記載の部
分ペプチド、(18)配列番号:3で表わされる塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を有するDNAを含有するDNA、(19)
第(18)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(20)第(19)項記載の組換えベクターを保持する
形質転換体、(21)第(20)項記載の形質転換体を
培養し、タンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取す
ることを特徴とするタンパク質またはその塩の製造方
法、(22)第(21)項記載の製造法で製造されるタ
ンパク質またはその塩、(23)第(14)項記載のス
クリーニング方法または第(15)項記載のスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、第(1)項記載のタン
パク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの
塩のプロテアーゼ活性を促進する化合物またはその塩を
含有してなる医薬、(24)糖尿病性腎症、子球体腎
炎、肝繊維症、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり
症、坐骨神経痛または大理石病の治療・予防剤である第
(23)項記載の医薬、(25)第(14)項記載のス
クリーニング方法または第(15)項記載のスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、第(1)項記載のタン
パク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの
塩のプロテアーゼ活性を阻害する化合物またはその塩を
含有してなる医薬、(26)慢性関節リウマチ、変形性
関節炎、骨粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハ
イマー病、筋ジストロフィー症、角膜疾患、水疱泡症、
歯周病、天疱瘡、早産または分娩遅延の治療・予防剤で
ある第(25)項記載の医薬、(27)第(13)項記
載の抗体と、被検液および標識化された第(1)項記載
のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識
化された第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩の割合を測定すること
を特徴とする被検液中の第(1)項記載のタンパク質、
第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量
法、および(28)被検液と担体上に不溶化した第(1
3)項記載の抗体および標識化された第(13)項記載
の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被
検液中の第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量法を提供する。
【0010】本発明の配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有
するタンパク質(以下、本発明のタンパク質と称する)
は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マ
ウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルな
ど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリ
ア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ラ
ンゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊
維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞
(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単
球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細
胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、ま
たはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞な
ど)またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例え
ば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、
海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊
髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、
胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(大腸、
小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前
立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など
に由来するタンパク質であってもよく、合成タンパク質
であってもよい。配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列と約60%以上、好ましく
は約70%以上、より好ましくは約80%、特に好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有するアミノ酸配列などが挙げられ、特に、タンパ
ク質の構成アミノ酸配列として少なくとも配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列を含有し、全体として配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約60%以上、好ま
しくは約70%以上、より好ましくは約80%、特に好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアミノ酸配列などが好ましい。
【0011】本発明の配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク
質としては、例えば、前記の配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク
質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ま
しい。実質的に同質の活性としては、例えば、プロテア
ーゼ活性(例、プロテイナーゼ活性、ペプチダーゼ活性
など)などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの
活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的
に)同質であることを示す。したがって、プロテアーゼ
活性などの活性が同等(例、約0.01〜100倍、好
ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは約0.5〜
2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、
タンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよ
い。プロテアーゼ活性の測定は、自体公知の方法に準じ
て行なうことができるが、例えば、後述するスクリーニ
ング方法に従って測定することができる。
【0012】また、本発明のタンパク質としては、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5
個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質な
どのいわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ
酸配列が欠失、付加または置換されている場合、その欠
失、付加または置換の位置としては、特に限定されない
が、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
うち、第179番目のAla〜第392番目のAspま
でのアミノ酸配列(すなわち、配列番号:2で表わされ
るアミノ酸配列)以外の位置などが挙げられる。
【0013】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
表記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここでエステ
ルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などが用いられる。本発明のタンパク質がC末端以外に
カルボキシル基(またはカルボキシレート)を有してい
る場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ
れているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステ
ルと同様のエステルなどが用いられる。さらに、本発明
のタンパク質には、上記したタンパク質において、N末
端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグ
ルタミル基がピログルタミル化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−COOH、
−SO3Hなど)が適当な保護基(例えば、ホルミル
基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護され
ているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパ
ク質などの複合タンパク質なども含まれる。本発明のタ
ンパク質の具体例としては、例えば、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列を含有するヒト脾臓由来のシステ
インプロテアーゼなどが用いられる〔図1〕。
【0014】本発明の部分ペプチドとしては、前記した
本発明のタンパク質の部分ペプチドであって、好ましく
は、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性(例、プ
ロテアーゼ活性など)を有するものであればいずれのも
のでもよい。例えば、本発明のタンパク質の構成アミノ
酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個
以上、さらに好ましくは70個以上、より好ましくは1
00個以上、もっとも好ましくは200個以上のアミノ
酸配列を有するペプチドなどが用いられる。本発明の部
分ペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:2で
表わされるアミノ酸配列を有するペプチドの他、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列〔図2〕と実質的に同
一のアミノ酸配列を有し、配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を有するペプチドと実質的に同質の活性を有
するペプチドなどが用いられる。配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と約60%以
上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80
%、特に好ましくは約90%以上、最も好ましくは約9
5%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。ここ
で、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列は、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第179番目のAl
a〜第392番目のAspまでのアミノ酸配列を示す。
このアミノ酸配列は、本発明のタンパク質の活性中心部
位のアミノ酸配列であり、本発明の配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質の成熟体(活性
体)のアミノ酸配列である。すなわち、本発明のタンパ
ク質は、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するタンパク質として発現されるが、生体内にお
いて、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番
目〜178番目のアミノ酸配列部分が切断され、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第179番目〜39
2番目のアミノ酸配列(すなわち、配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列)を有するペプチドが成熟体(活性
体)としてプロテアーゼ活性等を発揮する。「実質的に
同質の活性」とは、前記と同意義を示す。「実質的に同
質の活性」の測定は後述するスクリーニング方法に従っ
て測定することができる。
【0015】また、本発明の部分ペプチドには、例え
ば、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例、1
〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:2で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配列を含有するペプチドなど
も用いられる。また、本発明の部分ペプチドはC末端が
通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレ
ート(−COO-)であるが、前記した本発明のタンパク
質のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)であってもよい。さらに、本発明
の部分ペプチドには、前記の本発明のタンパク質と同様
に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護
されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグ
ルタミル基がピログルタミル化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなど
の複合ペプチドなども含まれる。本発明の部分ペプチド
は抗体作成のための抗原として用いることもできるの
で、必ずしもプロテアーゼ活性を有する必要はない。
【0016】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク
質またはその塩は、前述したヒトや温血動物の細胞また
は組織から自体公知のタンパク質の精製方法によって製
造することもできるし、後述するタンパク質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
も製造することができる。また、後述のペプチド合成法
に準じて製造することもできる。ヒトや哺乳動物の組織
または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織ま
たは細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行な
い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わ
せることにより精製単離することができる。
【0017】本発明のタンパク質、その部分ペプチドも
しくはそれらの塩またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質またはそれらのアミド体を取得する。上記した保
護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DC
C、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-
(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用
いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹
脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステ
ルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ
酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができ
る。
【0018】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十
分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十
分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチ
ルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化し
て、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができ
る。
【0019】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイ
ル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基など
が用いられる。また、エーテル化に適する基としては、
例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチ
ル基などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護
基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンの
イミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メト
キシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベン
ジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いら
れる。
【0020】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-炭素
などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、ま
た、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの
混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに
よる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる
還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、
一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処
理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチ
オールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効であ
る。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用い
られる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理に
より除去され、トリプトファンのインドール保護基とし
て用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0021】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0022】本発明のタンパク質の部分ペプチドまたは
その塩は、自体公知のペプチドの合成法に従って、ある
いは本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断す
ることによって製造することができる。ペプチドの合成
法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれ
によっても良い。すなわち、本発明のタンパク質を構成
し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮
合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離す
ることにより目的のペプチドを製造することができる。
公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下
の〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを
精製単離することができる。上記方法で得られる部分ペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0023】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、前述した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より
totalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用い
て直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain React
ion(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅す
ることもできる。本発明のタンパク質をコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配
列を含有するDNA、または配列番号:3で表わされる
塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする塩基配列を有し、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列を有するタンパク質と同質の活性(例、プロ
テアーゼ活性などの活性)を有するタンパク質をコード
するDNAであれば何れのものでもよい。
【0024】配列番号:3で表わされる塩基配列とハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
3で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ま
しくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有す
るDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼーション
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例え
ば、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g)2nd(J. Sambrook etal., Cold Spring Harbor La
b. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうこと
ができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、
添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことがで
きる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に
従って行なうことができる。ハイストリンジェントな条
件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、
好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70
℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナ
トリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最
も好ましい。より具体的には、配列番号:1のアミノ酸
配列を含有するタンパク質をコードするDNAとして
は、配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNA
〔図3の第56番目〜1231番目の塩基配列〕などが
用いられる。
【0025】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配
列を含有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、
配列番号:3で表わされる塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク
質と同質の活性(例、プロテアーゼ活性などの活性)を
有するタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を
有するDNAなどが用いられる。より具体的には、本発
明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:4で表わされる塩基配列を有するDN
A、または配列番号:4で表わされる塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列
を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有す
るタンパク質と同質の活性を有する部分ペプチドをコー
ドするDNAなどが用いられる。配列番号:4で表わさ
れる塩基配列とハイブリダイズできるDNAとしては、
例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリ
ダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条
件は前記と同様のものが用いられる。より具体的には、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有する本発明
の部分ペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:4で表わされる塩基配列〔図3の第590番目〜1
231番目の塩基配列〕を有するDNAを含有するDN
Aなどが用いられる。
【0026】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ド(以下、本発明のタンパク質と略記する場合がある)
を完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、(1)本発明のタンパク質をコードするDNAの部
分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて、P
CR法によって前記DNAライブラリー等から目的とす
るDNAを増幅するか、または(2)適当なベクターに
組み込んだDNAと、本発明のタンパク質の一部あるい
は全領域を有するDNA断片もしくは合成DNAを標識
したものとのハイブリダイゼーションによって選別する
こと、などが挙げられる。ハイブリダイゼーションの方
法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecula
r Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring H
arbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行
なうことができる。また、市販のライブラリーを使用す
る場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なう
ことができる。DNAの塩基配列の変換(欠失・置換・
付加)は、公知のキット、例えば、MutanTM-G(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを用いて、G
apped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法あるい
はそれらに準じる方法に従って行なうことができる。ク
ローン化された本発明のタンパク質をコードするDNA
は、目的によりそのまま、または所望により制限酵素で
消化したり、リンカーを付加したりして使用することが
できる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始コドンと
してのATGを有し、また3'末端側には翻訳終止コド
ンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していても
よい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適
当な合成DNAアダプターを用いて付加することもでき
る。本発明のタンパク質をコードするDNAの発現ベク
ターは、例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードす
るDNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)
該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの
下流に連結することにより製造することができる。
【0027】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
スなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫病
原ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc
/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなど
が用いられる。本発明で用いられるプロモーターとして
は、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモ
ーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細
胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、S
V40プロモーター、LTRプロモーター、CMV(サ
イトメガロウイルス)プロモーター、HSV-TKプロ
モーターなどが挙げられる。これらのうち、CMVプロ
モーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好まし
い。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロ
モーター、lacプロモーター、recAプロモータ
ー、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プ
ロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、
SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、pen
Pプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO
5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモー
ター、ADHプロモーター、AOX1プロモーターなど
が好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドロ
ンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0028】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニー
ズハムスター細胞CHOを用いてdhfr遺伝子を選択
マーカーとして使用する場合、目的遺伝子で形質転換さ
れた細胞をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、本発明のタンパク質のN端末側に付加する。宿主が
エシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配
列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌
である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチ
リシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列な
ど、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シ
グナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗
体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。この
ようにして構築された本発明のタンパク質をコードする
DNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造
する。
【0029】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-
NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾ
サッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)NCYC1913,NCY2036、ピキア パス
トリス(Pichia pastoris)などが用いられる。
【0030】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N cell;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in
Vitro),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆
虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる
〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592
(1985)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞C
OS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO
(以下、CHO細胞と略記する),dhfr遺伝子欠損
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(d
hfr-)細胞と略記する),マウスL細胞,マウスA
tT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒ
トFL細胞、293細胞、C127細胞、BALB3T
3細胞、Sp−2細胞などが用いられる。これらの中で
も、CHO細胞、CHO(dhfr-)細胞、293細
胞などが好ましい。
【0031】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)に記載の方法に従って行
なうことができる。昆虫細胞または昆虫を形質転換する
には、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technolog
y),6, 47-55(1988))などに記載の方法に従って行なう
ことができる。動物細胞を形質転換するには、例えば、
細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール,263
−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー
(Virology),52巻,456(1973)などに記載
の方法に従って行なうことができる。発現ベクターの細
胞への導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法
〔Graham, F. L. and van der Eb, A. J.ヴィロロジー
(Virology) 52, 456-467(1973)〕、電気穿孔法〔Nu
emann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO J.) 1,8
41-845(1982)〕等が挙げられる。このようにして、本
発明のタンパク質をコードするDNAを含有する発現ベ
クターで形質転換された形質転換体を得ることができ
る。
【0032】なお、動物細胞を用いて、本発明のタンパ
ク質を安定に発現させる方法としては、上記の動物細胞
に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた細胞
をクローン選択によって選択する方法がある。具体的に
は、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を選択
する。さらに、このように選択マーカーを用いて得られ
た動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行なうこ
とにより本発明のタンパク質の高発現能を有する安定な
動物細胞株を得ることができる。また、dhfr遺伝子
を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐々に
上げて培養し、耐性株を選択することにより、dhfr
遺伝子とともに、本発明のタンパク質をコードするDN
Aを細胞内で増幅させて、さらに高発現の動物細胞株を
得ることもできる。上記の形質転換体を本発明のタンパ
ク質をコードするDNAが発現可能な条件下で培養し、
本発明のタンパク質を生成、蓄積せしめることによっ
て、本発明のタンパク質またはその塩を製造することが
できる。
【0033】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナ
トリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、
酵母抽出液、ビタミン類、生長促進因子などを添加して
もよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒ
ア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコー
ス、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジ
ャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラ
ー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Mo
lecular Genetics),431−433,Cold Spring Ha
rbor Laboratory, New York1972〕が好ましい。こ
こに必要によりプロモーターを効率よく働かせるため
に、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤
を加えることができる。宿主がエシェリヒア属菌の場
合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行な
い、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿
主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える
こともできる。宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,53
30(1984)〕が挙げられる。培地のpHは約5〜
8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35
℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。
【0034】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Seience),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Jounal of the American Medical
Association)199巻,519(1967)〕,199
培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォ
ー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of
the Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。特に、CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いる場合、チミジンをほと
んど含まない透析ウシ胎児血清を含むCMEM培地を用
いるのが好ましい。以上のようにして、形質転換体に本
発明のタンパク質を生成せしめることができる。
【0035】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体、昆虫あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体、昆虫あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸
濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解など
によって菌体、昆虫あるいは細胞を破壊したのち、遠心
分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法など
が適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジン
などの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界
面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にタンパク質
が分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方
法で菌体、昆虫あるいは細胞と上清とを分離し、上清を
集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽
出液中に含まれるタンパク質の精製は、自体公知の分離
・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。こ
れらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法
などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲ
ルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方
法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的新
和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー
などの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法な
どの等電点の差を利用する方法などが用いられる。かく
して得られるタンパク質が遊離体で得られた場合には、
自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に
変換することができ、逆に塩で得られた場合には自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体また
は他の塩に変換することができる。なお、組換え体が産
生するタンパク質に、精製前または精製後に適当な蛋白
修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えた
り、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。蛋
白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプ
シン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナ
ーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かくして生成
する本発明のタンパク質またはその塩の活性は、標識し
たリガンドとの結合実験および特異抗体を用いたエンザ
イムイムノアッセイなどにより測定することができる。
【0036】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩を認識し得る抗体で
あれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何
れであってもよい。本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する)に対する抗体は、本発明のタンパク質を抗原と
して用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識
化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合
した標識剤の活性を測定することにより行なうことがで
きる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミル
スタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (197
5)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0037】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0038】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
【0039】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリ
アー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル
抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫
動物から本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取
して、抗体の分離精製を行なうことにより製造すること
ができる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗
原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋
白質の種類およびキャリアーとハプテン(抗原)との混
合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対
して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な
比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミ
ンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比で
ハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜
5の割合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプ
テンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用
いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイ
ミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビ
リジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部
位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与され
る。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイ
ントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投
与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、
計約3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体
は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水な
ど、好ましくは血液から採取することができる。抗血清
中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗
体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗
体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製
と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうこ
とができる。
【0040】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記す
る場合がある)に実質的に相補的な塩基配列を有するア
ンチセンスDNAとしては、本発明のDNAに実質的に
相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る
作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスDN
Aであってもよい。本発明のDNAに実質的に相補的な
塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基
配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配
列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げ
られる。特に、本発明のDNAの全塩基配列うち、本発
明のタンパク質のN末端部位をコードする部分の塩基配
列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)に相補的
な塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、
より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適であ
る。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成
装置などを用いて製造することができる。
【0041】本発明のタンパク質は、タンパク質部分の
分子量が約3〜6万、好ましくは約4〜5万であり、活
性中心部位の分子量が約2〜3万のシステインプロテア
ーゼ(好ましくは、ヒト型システインプロテアーゼ)で
あり、プロ酵素の活性化、酵素の不活化、抗原提示、ホ
ルモン成熟化、骨吸収、組織の再構成などの生理活性を
示す。以下に、本発明のタンパク質またはその塩、その
部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパ
ク質等を略記する場合がある)、本発明のタンパク質ま
たはその部分ペプチドをコードするDNA(以下、本発
明のDNAと略記する場合がある)、本発明のタンパク
質等に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合
がある)およびアンチセンスDNAの用途を説明する。
【0042】(1)本発明のタンパク質が関与する各種
疾病の治療・予防剤 システインプロテアーゼは、プロ酵素の活性化、酵素の
不活化、抗原提示、ホルモン成熟化、骨吸収、組織の再
構成などの生理活性を発揮するため、システインプロテ
アーゼをコードするDNAに異常があったり、欠損して
いる場合、あるいはシステインプロテアーゼの発現量が
減少している場合、例えば、糖尿病性腎症,子球体腎炎
などの腎疾患、角膜疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊
維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛、大
理石病などのシステインプロテアーゼの異常発現に関与
する種々の疾病が発症する。したがって、本発明のタン
パク質等およびDNAは、例えば、糖尿病性腎症,子球
体腎炎などの腎疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維
症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛、大理
石病などのシステインプロテアーゼの異常発現に関与す
る種々の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用する
ことができる。例えば、生体内においてシステインプロ
テアーゼが減少あるいは欠損しているために、細胞にお
けるプロテアーゼ活性などが十分に、あるいは正常に発
揮されない患者がいる場合に、(イ)本発明のタンパク
質をコードするDNAを該患者に投与し、生体内で該タ
ンパク質を発現させることによって、(ロ)細胞に本発
明のタンパク質をコードするDNAを挿入し、該タンパ
ク質を発現させた後に、該細胞を患者に移植することに
よって、または(ハ)本発明のタンパク質等を該患者に
投与することなどによって、該患者における本発明のタ
ンパク質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させるこ
とができる。
【0043】本発明のDNAを上記の治療・予防剤とし
て使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイ
ルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイル
スアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベク
ターに挿入した後、常套手段に従ってヒトまたは温血動
物に投与することができる。本発明のDNAは、そのま
まで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的
に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイド
ロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与でき
る。本発明のタンパク質等を上記の治療・予防剤として
使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%
以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは9
9%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。本
発明のタンパク質等は、例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
本発明のタンパク質等を生理学的に認められる担体、香
味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤など
とともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用
量形態で混和することによって製造することができる。
これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当
な容量が得られるようにするものである。錠剤、カプセ
ル剤などに混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を
含有することができる。注射のための無菌組成物は注射
用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油な
どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させる
などの通常の製剤実施に従って処方することができる。
【0044】注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアル
コール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート80(TM)、HCO−50など)などと
併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大
豆油などが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、
緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液などの医薬組成
物は、通常、適当なアンプルに充填される。本発明のD
NAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、
通常、非経口的に使用される。このようにして得られる
製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは
温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサ
ギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サ
ルなど)に対して投与することができる。本発明のタン
パク質等の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、大理石病治療の目的
で本発明のタンパク質等を経口投与する場合、一般的に
該タンパク質等を成人(60kgとして)においては、
一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、本発明のタンパ
ク質等の1回投与量は投与対象、対象疾患などによって
も異なるが、例えば、椎間板ヘルニア治療の目的で本発
明のタンパク質等を注射剤の形で通常成人(体重60k
gとして)に投与する場合は、一日につき該タンパク質
等を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
をヘルニア部分に注射することにより投与するのが好都
合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算し
た量を投与することができる。
【0045】(2)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質等は、プロ酵素の活性化、酵素の不
活化、抗原提示、ホルモン成熟化、骨吸収、組織の再構
成などの生理活性を発揮するので、本発明のタンパク質
等のプロテアーゼ活性を阻害する化合物またはその塩
は、例えば、慢性関節リウマチ,変形性関節炎などの関
節炎、骨粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイ
マー病などの神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの
筋消耗性疾患、角膜疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊
維症、水疱泡症などの皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、早
産、分娩遅延などの各種疾病の治療・予防剤などの医薬
として使用できる。したがって、本発明のタンパク質等
は、本発明のタンパク質等のプロテアーゼ活性を阻害す
る化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬と
して有用である。一方、本発明のタンパク質等のプロテ
アーゼ活性を促進する化合物またはその塩は、例えば、
糖尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、肝繊維症など
の肝疾患、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、
坐骨神経痛、大理石病などの細胞外マトリックスの蓄積
を伴う疾病などの各種疾病の治療・予防剤などの医薬と
して使用できる。したがって、本発明のタンパク質等
は、本発明のタンパク質等のプロテアーゼ活性を促進す
る化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬と
して有用である。
【0046】すなわち、本発明は、 (1)本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩を用いることを特徴とする本発明のタンパク質
のプロテーアゼ活性を促進する化合物もしくはその塩
(以下、促進剤と略記する場合がある)または本発明の
タンパク質のプロテアーゼ活性を阻害する化合物(以
下、阻害剤と略記する場合がある)のスクリーニング方
法を提供し、より具体的には、例えば、 (2)(i)本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に基質を接触させた場合と(ii)本発明
のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に基
質および試験化合物を接触させた場合との比較を行なう
ことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリーニング
方法を提供する。具体的には、上記スクリーニング方法
においては、例えば、(i)と(ii)の場合における、
該タンパク質、その部分ペプチドもしくはそれらの塩の
プロテアーゼ活性(あるいは、ペプチダーゼ活性など)
を測定して、比較することを特徴とするものである。
【0047】基質としては、本発明のタンパク質、その
部分ペプチドまたはそれらの塩の基質となり得るもので
あれば何れのものでもよい。例えば、カゼイン、アゾカ
ゼイン、アゾアルブミン、アゾコラーゲン、FITC化
したカゼイン、FITC化したコラーゲン、放射線標識
(例、14C、3Hなど)したカゼイン、放射線標識
(例、14C、3Hなど)したコラーゲン、C末側に4−
メチル−クマリン−7−アミドやP−ニトロアニリド等
を結合させたオリゴペプチド類などが用いられる。試験
化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプ
チド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、
植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。上記のスクリーニング方法を実施するに
は、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはその
塩(以下、本発明のタンパク質等と略記する場合があ
る)を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁する
ことにより本発明のタンパク質等の標品を調製する。バ
ッファーには、pH約4〜10(望ましくは、pH約5
〜7)の酢酸ナトリウムバッファー、リン酸バッファ
ー、トリス−塩酸バッファーなどの、本発明のタンパク
質等と基質との結合を阻害しないバッファーであればい
ずれでもよい。本発明のタンパク質等のプロテアーゼ活
性(あるいは、ペプチダーゼ活性)は、公知のアゾカゼ
イン法〔A. J. Barrettら、メソッズ・イン・エンザイ
モロジー(Methods in ENZYMOLOGY)、80巻、535頁、19
81年〕に従って測定することができる。例えば、上記
(ii)の場合におけるプロテアーゼ活性等が上記(i)
の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約30%以
上、さらに好ましくは約50%以上上昇させる試験化合
物を本発明のタンパク質等の活性を促進する化合物とし
て、一方、上記(ii)の場合におけるプロテアーゼ活性
等が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好まし
くは約30%以上、さらに好ましくは約50%以上阻害
する試験化合物を本発明のタンパク質等の活性を阻害す
る化合物として選択することができる。
【0048】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を含有
するものである。本発明のスクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 pH5.5の酢酸ナトリウムバッファー タンパク質標品 本発明のタンパク質または本発明の部分ペプチド 基質 アゾカゼイン 10mg/ml 反応停止液 10%トリクロロ酢酸 〔測定法〕本発明のタンパク質等に測定用緩衝液、基質
を加え、混合後37℃、1時間反応させた後に、反応停
止液を加え、4℃で5分間静置後、遠心した上清の36
6nmの吸光度を計測することによってプロテアーゼ活
性を測定する。
【0049】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、本発明のタンパク質等のプロテアーゼ
活性、ペプチダーゼ活性を促進または阻害する化合物で
ある。該化合物の塩としては、前記した本発明のタンパ
ク質の塩と同様のものが用いられる。本発明のタンパク
質等の活性を阻害する化合物は、例えば、慢性関節リウ
マチ,変形性関節炎などの関節炎、骨粗鬆症、腫瘍転移
・浸潤、肺気腫、アルツハイマー病などの神経変成疾
患、筋ジストロフィー症などの筋消耗性疾患、角膜疾
患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維症、水疱泡症などの
皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、早産、分娩遅延などの各種
疾病に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬と
して有用である。一方、本発明のタンパク質等の活性を
促進する化合物は、例えば、糖尿病性腎症,子球体腎炎
などの腎疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維症、椎間
板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛、大理石病など
の細胞外マトリックスの蓄積を伴う疾病などの各種疾病
に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として
有用である。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、前述した本発明のタンパ
ク質等を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、
懸濁液剤などの製剤とすることができる。得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えばヒトまたは温血動物
(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与
ルートなどにより差異はあるが、例えば、慢性関節リウ
マチ治療の目的で本発明のタンパク質等の機能を阻害す
る化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60
kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.
1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、慢性関節リウマ
チ治療の目的で本発明のタンパク質等の機能を阻害する
化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投
与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30m
g程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ま
しくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与す
るのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当た
りに換算した量を投与することができる。
【0051】(3)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量 本発明の抗体は、本発明のタンパク質等を特異的に認識
することができるので、被検液中の本発明のタンパク質
等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量など
に使用することができる。すなわち、本発明は、(i)
本発明の抗体と、被検液および標識化された本発明のタ
ンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化された本発明のタンパク質等の割合を測定すること
を特徴とする被検液中の本発明のタンパク質等の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の抗体とを同時あるいは
連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性
を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパ
ク質等の定量法を提供する。上記(ii)の定量法におい
ては、一方の抗体が本発明のタンパク質等のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質等のC
端部に反応する抗体であることが望ましい。
【0052】また、本発明のタンパク質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
称する場合がある)を用いて本発明のタンパク質等の定
量を行なえるほか、組織染色等による本発明のタンパク
質等の検出を行なうこともできる。これらの目的には、
抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF
(ab')2 、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよ
い。本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質等の定量
法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中
の抗原量(例えば、タンパク質量)に対応した抗体、抗
原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的
手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を
用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、
いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリ
ー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法
が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述する
サンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を
用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放
射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いら
れる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、
131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記
酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、
例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、
アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ
酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例
えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシア
ネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、
ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲ
ニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標
識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもで
きる。
【0053】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質等の測
定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発
明のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質等の結
合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すな
わち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例
えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク
質等のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗
体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する
抗体が用いられる。
【0054】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少量の沈降
物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレ
ーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0055】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。
【0056】さらには、本発明のタンパク質抗体を用い
て本発明のタンパク質等の濃度を定量することによっ
て、本発明のタンパク質が関与する疾病の診断を行なう
ことができる。本発明のタンパク質等の濃度の減少が検
出された場合は、例えば、糖尿病性腎症,子球体腎炎な
どの腎疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維症、椎間板
ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛、大理石病などの
疾病である可能性が高いと診断できる。一方、本発明の
タンパク質等の濃度の増加が検出された場合は、例え
ば、慢性関節リウマチ,変形性関節炎などの関節炎、骨
粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイマー病な
どの神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの筋消耗性
疾患、角膜疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維症、水
疱泡症などの皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、早産、分娩遅
延などの疾病の可能性が高いと診断することができる。
このように、本発明の抗体は、上記疾病の診断剤として
有用である。また、本発明の抗体は、体液や組織などの
被検体中に存在する本発明のタンパク質等を検出するた
めに使用することができる。また、本発明のタンパク質
等を精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時
の各分画中の本発明のタンパク質等の検出、被検細胞内
における本発明のタンパク質の挙動の分析などのために
使用することができる。
【0057】(4)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼー
ションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomic
s),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロ
シージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceeding
s ofthe Natinal Academy of Sciences of the United
States of America),第86巻,2766〜2770
頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションにより該mR
NAの発現低下が検出された場合は、例えば、糖尿病性
腎症,子球体腎炎などの腎疾患、肝繊維症などの肝疾
患、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神
経痛、大理石病などの各種疾病等である、または将来罹
患する可能性が高いと診断することができる。一方、該
mRNAの発現過多が検出された場合は、例えば、慢性
関節リウマチ,変形性関節炎などの関節炎、骨粗鬆症、
腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイマー病などの神経
変成疾患、筋ジストロフィー症などの筋消耗性疾患、糖
尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、角膜疾患、肝繊
維症などの肝疾患、肺繊維症、水疱泡症などの皮膚疾
患、歯周病、天疱瘡、早産、分娩遅延などの各種疾病等
である、または将来罹患する可能性が高いと診断するこ
とができる。また、PCR−SSCP法によりDNAの
突然変異が検出された場合は、例えば、糖尿病性腎症,
子球体腎炎などの腎疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊
維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛、大
理石病、慢性関節リウマチ,変形性関節炎などの関節
炎、骨粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイマ
ー病などの神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの筋
消耗性疾患、糖尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、
角膜疾患、水疱泡症などの皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、
早産、分娩遅延などの各種疾病等である、または将来罹
患する可能性が高いと診断することができる。
【0058】(5)アンチセンスDNA 前記のとおり、本発明のタンパク質等は、プロ酵素の活
性化、酵素の不活化、抗原提示、ホルモン成熟化、骨吸
収、組織の再構成などの生理活性を発揮し、例えば、慢
性関節リウマチ,変形性関節炎などの関節炎、骨粗鬆
症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイマー病などの
神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの筋消耗性疾
患、糖尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、角膜疾
患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊維症、水疱泡症などの
皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、早産、分娩遅延などの各種
疾病に関与している。したがって、本発明のDNAに相
補的に結合し、該DNAの発現を抑制することができる
アンチセンスDNAは、生体内における本発明のタンパ
ク質等またはDNAの機能を抑制することができるの
で、例えば、慢性関節リウマチ,変形性関節炎などの関
節炎、骨粗鬆症、腫瘍転移・浸潤、肺気腫、アルツハイ
マー病などの神経変成疾患、筋ジストロフィー症などの
筋消耗性疾患、角膜疾患、肝繊維症などの肝疾患、肺繊
維症、水疱泡症などの皮膚疾患、歯周病、天疱瘡、早
産、分娩遅延などの各種疾病の治療・予防剤などの医薬
として使用することができる。上記アンチセンスDNA
を上記の医薬として使用する場合、前記した本発明のD
NAを含有する医薬と同様にして実施することができ
る。
【0059】(6)本発明のタンパク質をコードするD
NAを有する非ヒト動物の作製 本発明のDNAを用いて、本発明のタンパク質等を発現
するトランスジェニック非ヒト動物を作製することがで
きる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)(以下、動物と略記する)が挙げれる
が、特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発明の
DNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNA
を動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合し
た遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有利で
ある。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを転移させ
る場合、これと相同性が高い動物由来のプロモーターで
あって、本発明のDNAを動物細胞で発現させうる各種
プロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクト
を、例えば、ウサギ受精卵へマイクロインジェクション
することによって本発明のタンパク質等を高産生するD
NA転移動物を作出できる。このプロモーターとして
は、例えば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネ
イン等のユビキタスな発現プロモーターも使用すること
ができる。
【0060】受精卵細胞段階におけるDNAの転移は、
対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するよう
に確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞にお
いて本発明のタンパク質等が存在することは、作出動物
の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全てに本発明の
タンパク質等を有することを意味する。遺伝子を受け継
いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の
全てに本発明のタンパク質等を有する。本発明のDNA
転移動物は、交配により遺伝子を安定に保持することを
確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で飼
育継代を行うことができる。さらに、目的DNAを保有
する雌雄の動物を交配することにより、導入遺伝子を相
同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、こ
の雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該D
NAを有するように繁殖継代することができる。本発明
のDNAが転移された動物は、本発明のタンパク質等が
高発現させられているので、本発明のタンパク質等のプ
ロテアーゼ活性を促進または阻害する化合物またはその
塩のスクリーニング用の動物などとして有用である。本
発明のDNA転移動物を、組織培養のための細胞源とし
て使用することもできる。例えば、本発明のDNA転移
マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分析する
かあるいは遺伝子により発現された本発明のタンパク質
等が存在する組織を分析することにより、本発明のタン
パク質等について分析することができる。本発明のタン
パク質等を有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、例えば、脳や末梢組織由来
のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究
することができる。また、その細胞を用いることによ
り、例えば、各種組織の機能を高めるような医薬の選択
も可能である。また、高発現細胞株があれば、そこか
ら、本発明のタンパク質等を単離精製することも可能で
ある。
【0061】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0062】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基
【0063】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0064】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒト脾臓由来システインプロ
テアーゼのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のヒト脾臓由来システインプロ
テアーゼの部分ペプチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト脾臓由来システインプロテアー
ゼをコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:2で表されるアミノ酸配列
を有する本発明のヒト脾臓由来システインプロテアーゼ
の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕本発明のタンパク質をコードするDN
Aのクローニングに使用した合成プライマーの塩基配列
を示す。 〔配列番号:6〕本発明のタンパク質をコードするDN
Aのクローニングに使用した合成プライマーの塩基配列
を示す。
【0065】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH10B/pT
B1920は、平成8年4月22日から通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号
FERM BP−5515として、平成8年4月19日
から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO
15949として寄託されている。
【0066】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular cloning)に記載され
ている方法に従った。
【0067】
【実施例1】ヒト脾臓由来システインプロテアーゼをコ
ードする遺伝子のクローニング cDNAのクローニングは、ジーントラッパーポジティ
ブ選択システム(ギブコビーアールエル社)を用いて行
った。ヒト脾臓由来のcDNAライブラリー(ギブコビ
ーアールエル社)の大腸菌DH12S株をTerrific Bro
th(12g/l bacto−tryptone(ディフコ社),24
g/l bacto−yeast extract(ディフコ社),2.3g/
l リン酸一カリウム,12.5g/l リン酸二カリウ
ム)で30℃で16時間培養し、キアジェンプラスミド
キット(キアジェン社)を用いて、プラスミドcDNA
ライブラリーを精製抽出した。精製したプラスミドcD
NAライブラリーをGeneII,ExoIII(いずれも
ギブコビーアールエル社)によって消化し、一本鎖cD
NAライブラリーを作成した。一方、プローブとして、
合成オリゴヌクレオチド(配列番号:5)をcDNAラ
イブラリーのスクリーニングに用いた。プローブは、T
dT,ビオチン−14−dCTP(ギブコビーアールエ
ル社)を用いて、3'末端をビオチン化することで標識
した。一本鎖cDNAライブラリーを95℃で1分間処
理した後、氷中で急冷し、ビオチン化したプローブを加
えて37℃で1時間、室温でハイブリダイゼーションを
行った。ハイブリダイゼーション後、ジーントラッパー
ポジティブ選択システム・マグネットビーズ(ギブコビ
ーアールエル社)を加えて、室温で2分ごとに撹拌しな
がら30分間放置した。その後、ジーントラッパーポジ
ティブ選択システム・マグネットラック(ギブコビーア
ールエル社)中に入れ、2分間放置した。上清を捨て、
マグネットビーズをジーントラッパーポジティブ選択シ
ステム・ウオッシュバッファーで洗浄した。このウオッ
シュバッファーによる洗浄を3回行った。その後、マグ
ネットラックに入れて放置し、上清を捨て、ジーントラ
ッパーポジティブ選択システム・溶出バッファーを加
え、5分間室温で放置した。マグネットラックに入れて
5分間放置した後、その上清のDNA溶液を回収した。
【0068】取得したDNA溶液にプライマーとして合
成オリゴヌクレオチド(配列番号:5)を入れ、95℃
で1分間放置した。ジーントラッパーポジティブ選択シ
ステム・修復酵素を加え、70℃で15分間放置して二
本鎖DNAを合成した。合成した二本鎖DNAをエレク
トロポレーション装置(バイオ・ラッド社)により、大
腸菌DH10B株に導入した。得られた形質転換株を用
いて2本のオリゴヌクレオチド(配列番号:5、配列番
号:6)をプライマーとしてコロニーPCRによるスク
リーニングを行った。PCRにより108bpの増幅断
片が形成されたコロニーを陽性クローンとして2株選択
した。選択した大腸菌を培養後、DNAを抽出し、Ta
qダイデオキシターミネーターサイクルシーケンシング
キット(パーキンエルマー社)を用いて反応を行い、3
77 DNAシーケンサー(パーキンエルマー社)によ
り、cDNA断片の塩基配列を決定した。取得したクロ
ーンは、poly(A)+鎖および配列番号:3で表わされる
1176個の塩基配列を含有する1740個の塩基配列
を有していた。このcDNA断片には、配列番号:1で
表される392個のアミノ酸からなる新規システインプ
ロテアーゼがコードされており、活性中心であるシステ
イン,ヒスチジン,アスパラギン残基も保存されてい
た。また、ヒト由来カテプシンLとのアミノ酸レベルで
の相同性は40%、マンソン住血吸虫由来システインプ
ロテアーゼとのアミノ酸レベルでの相同性は49%しか
なかった。本発明のヒト脾臓由来システインプロテアー
ゼをコードするDNAを保持するプラスミドpTB19
20を大腸菌(Escherichia coli)DH10Bに導入し
て、形質転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH10
B/pTB1920を得た。
【0069】
【実施例2】本発明のヒト脾臓由来システインプロテア
ーゼの一過性発現と細胞抽出液の調製 実施例1で得たpTB1920はすでに発現プラスミド
pCMV・SPORT(ギブコビーアールエル社)に組
み込まれており、動物細胞における発現に用いられる。
COS−7細胞(財団法人発酵研究所より購入)を血清
含有DMEM培地で培養し、遺伝子導入の前日に継代し
50%コンフルエントとなったCOS−7細胞を血清不
含DMEM培地で洗浄後、2.5mlの無血清培地を添
加し、そこに5μgのpTB1920を含むTANSF
ECTAM(ニッポンジーン社)混合液を加えた。37
℃,5%CO2の条件で4時間培養した後、20%牛血
清含有DMEM培地を加え、さらに20時間培養した。
血清不含DMEM培地に交換し、3日後に細胞を回収し
た。細胞はGuo-Ping Shiらの方法(ジャーナル・バイオ
ロジカル・ケミストリー、267巻、7258-7262頁、1992
年)に従って、lysisbuffer(40mM 酢酸ナトリウム、
1mM EDTA、1% Triton X−100、pH5.5)
に懸濁し、37℃で1時間静置後、遠心(1,500rp
m,10分)し、新規システインプロテアーゼを含む細
胞抽出液を得た。また、TRANSFECTAM溶液の
みを加え同様の処理を行なった細胞抽出液をコントロー
ルとして用いた。
【0070】
【実施例3】ヒト脾臓由来システインプロテアーゼによ
るアゾカゼインの分解 実施例2で得た0.05mlの細胞抽出液を0.15mlの
酵素反応液(終濃度5mg/ml アゾカゼイン{シグマ社
製}、100mM 酢酸ナトリウム、1mM EDTA、2mM
DTT、pH5.5)に混合し、37℃,1時間反応さ
せた。0.2mlの10% トリクロロ酢酸溶液を加え、4
℃で5分静置後、遠心し(1,000rpm,10分)、得
られた上清の366nmの吸光度を測定した。コントロー
ルのmockの細胞抽出液にくらべ、新規システインプ
ロテアーゼを含む細胞抽出液を用いた場合、吸光度が
0.1上昇した。このことから、実施例2で得た細胞抽
出液に含まれるヒト脾臓由来システインプロテアーゼ
が、アゾカゼインを分解することが分かった。
【0071】
【実施例4】阻害剤探索系の設定 96穴プレート(フルオロBプレート、大日本製薬製)
に実施例2で得られた細胞破砕液10μLと0.1% B
rij35(シグマ社)15μLおよび50μLの緩衝液
〔0.2M 酢酸ナトリウム(pH5.5),4mM 1,
4−ジチオスレイトール,2.5mM エチレンジアミ
ンテトラ酢酸,0.05% トリトンX−100〕を加
え、37℃にて5分間プレインキュベーションした後、
20μMの基質〔Z−Leu−Arg−MCA〕を25μL添
加することによって酵素反応を開始した。37℃にて1
0分反応後、マイクロプレートリーダー(MTP−3
2、CORONA ELECTRONIC製)を用いて、励起波長365
nm、吸収波長460nmで反応液中の蛍光強度を測定
した。細胞破砕液無添加の場合の蛍光強度(86)に対
し、細胞破砕液を添加した場合は、1520の蛍光強度
を示した。この反応にシステインプロテアーゼ阻害剤で
あるE−64(ペプチド研究所)を各種濃度添加するこ
とによりプロテアーゼ活性が阻害され、E−64は約2
5nMでこの酵素反応を50%阻害した。このことか
ら、本アッセイ系を用いて、システインプロテアーゼ阻
害剤の探索が可能であることを確認した。
【0072】
【実施例5】抗システインプロテアーゼポリクローナル
抗体の取得 実施例1でpTB1920を得た際に同時に得られたシ
ステインプロテアーゼ遺伝子の82番目のグアニンから
以降を含むプラスミドを制限酵素SalI,NotIで切断し、
その挿入部分を同様に処理したpGEX4T−3(ファ
ルマシア)にライゲーションした。このライゲーション
液を用いて大腸菌JM109(宝酒造(株))を形質転
換し、大腸菌(Escherichia coli)JM109/pGE
X4T−3/Cysを得た。次に、この大腸菌を用い
て、本発明の組換え型ヒト脾臓由来システインプロテア
ーゼを取得した。大腸菌での発現・精製は、Bulk and R
ediPack GST Purification Modules(ファルマシア)添
付のプロトコールに準じて行なった。その結果、目的の
グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパ
ク質は、1Lの大腸菌培養液から1.8mg取得でき
た。得られた組換え型ヒト脾臓由来システインプロテア
ーゼ(200μg)を完全フロイントアジュバントに懸
濁し、日本白色ウサギに初回免疫を行なった。以後、2
週間毎4回、400μgの組換え型ヒト脾臓由来システ
インプロテアーゼを不完全フロイントアジュバントに懸
濁後免疫した。最終免疫の1週後に全採血することによ
り、約50mlの血清が取得できた。抗体価の測定は以
下のように行なった。組換え型ヒト脾臓由来システイン
プロテアーゼを0.5μg/ウェルとなるように固定化
した後、BSAでブロッキングした96穴プレートに、
希釈したウサギ血清を添加し、室温で2時間静置した。
0.1% Tween−20を含むPBSで洗浄後、抗ウ
サギIgG−パーオキシダーゼ(Capel製)を加え2時
間静置した。洗浄後、o−フェニレンジアミンと過酸化
水素を含むクエン酸一リン酸緩衝液を加え、20分間発
色させた。反応を1M硫酸で停止させた後、プレートリ
ーダーを用いて492nmの発色を測定した。その結
果、非免疫ウサギの約1万倍の抗体価を示す抗血清が得
られた。
【0073】
【発明の効果】本発明のタンパク質等またはDNAは、
例えば、糖尿病性腎症,子球体腎炎などの腎疾患、肝繊
維症などの肝疾患、肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄す
べり症、坐骨神経痛、大理石病などの種々の疾病の治療
・予防剤として使用することができる。また、本発明の
タンパク質等は、本発明のタンパク質等のプロテアーゼ
活性を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング用試薬として有用である。さらに、本発明の
タンパク質等に対する抗体は、本発明のタンパク質等を
特異的に認識することができるので、被検液中の本発明
のタンパク質等の定量などに使用することができる。
【0074】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:392 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク 配列 Met Val Cys Arg Leu Pro Val Ser Lys Lys Thr Leu Leu Cys Ser Phe 1 5 10 15 Gln Val Leu Asp Glu Leu Gly Arg His Val Leu Leu Arg Lys Asp Cys 20 25 30 Gly Pro Val Asp Thr Lys Val Pro Gly Ala Gly Glu Pro Lys Ser Ala 35 40 45 Phe Thr Gln Gly Ser Ala Met Ile Ser Ser Leu Ser Gln Asn His Pro 50 55 60 Asp Asn Arg Asn Glu Thr Phe Ser Ser Val Ile Ser Leu Leu Asn Glu 65 70 75 80 Asp Pro Leu Ser Gln Asp Leu Pro Val Lys Met Ala Ser Ile Phe Lys 85 90 95 Asn Phe Val Ile Thr Tyr Asn Arg Thr Tyr Glu Ser Lys Glu Glu Ala 100 105 110 Arg Trp Arg Leu Ser Val Phe Val Asn Asn Met Val Arg Ala Gln Lys 115 120 125 Ile Gln Ala Leu Asp Arg Gly Thr Ala Gln Tyr Gly Val Thr Lys Phe 130 135 140 Ser Asp Leu Thr Glu Glu Glu Phe Arg Thr Ile Tyr Leu Asn Thr Leu 145 150 155 160 Leu Arg Lys Glu Pro Gly Asn Lys Met Lys Gln Ala Lys Ser Val Gly 165 170 175 Asp Leu Ala Pro Pro Glu Trp Asp Trp Arg Ser Lys Gly Ala Val Thr 180 185 190 Lys Val Lys Asp Gln Gly Met Cys Gly Ser Cys Trp Ala Phe Ser Val 195 200 205 Thr Gly Asn Val Glu Gly Gln Trp Phe Leu Asn Gln Gly Thr Leu Leu 210 215 220 Ser Leu Ser Glu Gln Glu Leu Leu Asp Cys Asp Lys Met Asp Lys Ala 225 230 235 240 Cys Met Gly Gly Leu Pro Ser Asn Ala Tyr Ser Ala Ile Lys Asn Leu 245 250 255 Gly Gly Leu Glu Thr Glu Asp Asp Tyr Ser Tyr Gln Gly His Met Gln 260 265 270 Ser Cys Asn Phe Ser Ala Glu Lys Ala Lys Val Tyr Ile Asn Asp Ser 275 280 285 Val Glu Leu Ser Gln Asn Glu Gln Lys Leu Ala Ala Trp Leu Ala Lys 290 295 300 Arg Gly Pro Ile Ser Val Ala Ile Asn Ala Phe Gly Met Gln Phe Tyr 305 310 315 320 Arg His Gly Ile Ser Arg Pro Leu Arg Pro Leu Cys Ser Pro Trp Leu 325 330 335 Ile Asp His Ala Val Leu Leu Val Gly Tyr Gly Asn Arg Ser Asp Val 340 345 350 Pro Phe Trp Ala Ile Lys Asn Ser Trp Gly Thr Asp Trp Gly Glu Lys 355 360 365 Gly Tyr Tyr Tyr Leu His Arg Gly Ser Gly Ala Cys Gly Val Asn Thr 370 375 380 Met Ala Ser Ser Ala Val Val Asp 385 390
【0075】
【配列番号:2】 配列の長さ:214 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Pro Pro Glu Trp Asp Trp Arg Ser Lys Gly Ala Val Thr Lys Val 1 5 10 15 Lys Asp Gln Gly Met Cys Gly Ser Cys Trp Ala Phe Ser Val Thr Gly 20 25 30 Asn Val Glu Gly Gln Trp Phe Leu Asn Gln Gly Thr Leu Leu Ser Leu 35 40 45 Ser Glu Gln Glu Leu Leu Asp Cys Asp Lys Met Asp Lys Ala Cys Met 50 55 60 Gly Gly Leu Pro Ser Asn Ala Tyr Ser Ala Ile Lys Asn Leu Gly Gly 65 70 75 80 Leu Glu Thr Glu Asp Asp Tyr Ser Tyr Gln Gly His Met Gln Ser Cys 85 90 95 Asn Phe Ser Ala Glu Lys Ala Lys Val Tyr Ile Asn Asp Ser Val Glu 100 105 110 Leu Ser Gln Asn Glu Gln Lys Leu Ala Ala Trp Leu Ala Lys Arg Gly 115 120 125 Pro Ile Ser Val Ala Ile Asn Ala Phe Gly Met Gln Phe Tyr Arg His 130 135 140 Gly Ile Ser Arg Pro Leu Arg Pro Leu Cys Ser Pro Trp Leu Ile Asp 145 150 155 160 His Ala Val Leu Leu Val Gly Tyr Gly Asn Arg Ser Asp Val Pro Phe 165 170 175 Trp Ala Ile Lys Asn Ser Trp Gly Thr Asp Trp Gly Glu Lys Gly Tyr 180 185 190 Tyr Tyr Leu His Arg Gly Ser Gly Ala Cys Gly Val Asn Thr Met Ala 195 200 205 Ser Ser Ala Val Val Asp 210
【0076】
【配列番号:3】 配列の長さ:1176 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGTGTGCC GGCTCCCCGT GTCCAAGAAA ACCCTGCTCT GCAGCTTCCA AGTCCTGGAT 60 GAGCTCGGAA GACACGTGCT GCTGCGGAAG GACTGTGGCC CAGTGGACAC CAAGGTTCCA 120 GGTGCTGGGG AGCCCAAGTC AGCCTTCACT CAGGGCTCAG CCATGATTTC TTCTCTGTCC 180 CAAAACCATC CAGACAACAG AAACGAGACT TTCAGCTCAG TCATTTCCCT GTTGAATGAG 240 GATCCCCTGT CCCAGGACTT GCCTGTGAAG ATGGCTTCAA TCTTCAAGAA CTTTGTCATT 300 ACCTATAACC GGACATATGA GTCAAAGGAA GAAGCCCGGT GGCGCCTGTC CGTCTTTGTC 360 AATAACATGG TGCGAGCACA GAAGATCCAG GCCCTGGACC GTGGCACAGC TCAGTATGGA 420 GTCACCAAGT TCAGTGATCT CACAGAGGAG GAGTTCCGCA CTATCTACCT GAATACTCTC 480 CTGAGGAAAG AGCCTGGCAA CAAGATGAAG CAAGCCAAGT CTGTGGGTGA CCTCGCCCCA 540 CCTGAATGGG ACTGGAGGAG TAAGGGGGCT GTCACAAAAG TCAAAGACCA GGGCATGTGT 600 GGCTCCTGCT GGGCCTTCTC AGTCACAGGC AATGTGGAGG GCCAGTGGTT TCTCAACCAG 660 GGGACCCTGC TCTCCCTCTC TGAACAGGAG CTCTTGGACT GTGACAAGAT GGACAAGGCC 720 TGCATGGGCG GCTTGCCCTC CAATGCCTAC TCGGCCATAA AGAATTTGGG AGGGCTGGAG 780 ACAGAGGATG ACTACAGCTA CCAGGGTCAC ATGCAGTCCT GCAACTTCTC AGCAGAGAAG 840 GCCAAGGTCT ACATCAATGA CTCCGTGGAG CTGAGCCAGA ACGAGCAGAA GCTGGCAGCC 900 TGGCTGGCCA AGAGAGGCCC AATCTCCGTG GCCATCAATG CCTTTGGCAT GCAGTTTTAC 960 CGCCACGGGA TCTCCCGCCC TCTCCGGCCC CTCTGCAGCC CTTGGCTCAT TGACCATGCG 1020 GTGTTGCTTG TGGGCTACGG CAACCGCTCT GACGTTCCCT TTTGGGCCAT CAAGAACAGC 1080 TGGGGCACTG ACTGGGGTGA GAAGGGTTAC TACTACTTGC ATCGTGGGTC CGGGGCCTGT 1140 GGCGTGAACA CCATGGCCAG CTCGGCGGTG GTGGAC 1176
【0077】
【配列番号:4】 配列の長さ:642 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GCCCCACCTG AATGGGACTG GAGGAGTAAG GGG
GCTGTCA CAAAAGTCAA AGACCAGGGC 60 ATGTGTGGCT CCTGCTGGGC CTTCTCAGTC ACA
GGCAATG TGGAGGGCCA GTGGTTTCTC 120 AACCAGGGGA CCCTGCTCTC CCTCTCTGAA CAG
GAGCTCT TGGACTGTGA CAAGATGGAC 180 AAGGCCTGCA TGGGCGGCTT GCCCTCCAAT GCC
TACTCGG CCATAAAGAA TTTGGGAGGG 240 CTGGAGACAG AGGATGACTA CAGCTACCAG GGT
CACATGC AGTCCTGCAA CTTCTCAGCA 300 GAGAAGGCCA AGGTCTACAT CAATGACTCC GTG
GAGCTGA GCCAGAACGA GCAGAAGCTG 360 GCAGCCTGGC TGGCCAAGAG AGGCCCAATC TCC
GTGGCCA TCAATGCCTT TGGCATGCAG 420 TTTTACCGCC ACGGGATCTC CCGCCCTCTC CGG
CCCCTCT GCAGCCCTTG GCTCATTGAC 480 CATGCGGTGT TGCTTGTGGG CTACGGCAAC CGC
TCTGACG TTCCCTTTTG GGCCATCAAG 540 AACAGCTGGG GCACTGACTG GGGTGAGAAG GGT
TACTACT ACTTGCATCG TGGGTCCGGG 600 GCCTGTGGCG TGAACACCAT GGCCAGCTCG GCG
GTGGTGG AC 642
【0078】
【配列番号:5】 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGACCGTGGC ACAGCTCAGT ATG
23
【0079】
【配列番号:6】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTGTTGCCAG GCTCTTTTCT CAGG 24
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒト脾臓由来システインプロテアーゼ
(プロ領域+成熟体)のアミノ酸配列を示す。
【図2】本発明のヒト脾臓由来システインプロテアーゼ
の活性部位(成熟体)のアミノ酸配列を示す。
【図3】本発明のヒト脾臓由来システインプロテアーゼ
をコードするDNAを含むDNAの塩基配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 ABJ A61K 48/00 ABL ABL ACD ACD ACK ACK ACS ACS ACV ACV ADA ADA ADP ADP ADT ADT ADU ADU AED AED C07H 21/04 B C07H 21/04 C12N 1/21 C12N 1/21 9/50 5/10 C12P 21/08 9/50 G01N 33/53 D C12P 21/08 33/577 B G01N 33/53 A61K 37/54 33/577 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/50 C12R 1:19) (C12N 9/50 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその塩。
  2. 【請求項2】システインプロテアーゼ活性を有する請求
    項1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質をコードする塩
    基配列を有するDNAを含有するDNA。
  5. 【請求項5】配列番号:3で表わされる塩基配列を有す
    る請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】請求項4記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  7. 【請求項7】請求項6記載の組換えベクターを保持する
    形質転換体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載のタンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取
    することを特徴とする請求項1記載のタンパク質または
    その塩の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1記載のタンパク質、請求項3記載
    の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医薬。
  10. 【請求項10】糖尿病性腎症、子球体腎炎、肝繊維症、
    肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛
    または大理石病の治療・予防剤である請求項9記載の医
    薬。
  11. 【請求項11】請求項4記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】糖尿病性腎症、子球体腎炎、肝繊維症、
    肺繊維症、椎間板ヘルニア、脊髄すべり症、坐骨神経痛
    または大理石病の治療・予防剤である請求項11記載の
    医薬。
  13. 【請求項13】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。
  14. 【請求項14】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする請求項1記載のタンパク質、請求項3記載の部分
    ペプチドまたはそれらの塩のプロテアーゼ活性を促進ま
    たは阻害する化合物のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる請求
    項1記載のタンパク質、請求項3記載の部分ペプチドま
    たはそれらの塩のプロテアーゼ活性を促進または阻害す
    る化合物のスクリーニング用キット。
  16. 【請求項16】請求項14記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる請求項1記載のタンパク質、請求項3記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩のプロテアーゼ活性を促進
    または阻害する化合物またはその塩。
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WO2004058296A1 (ja) * 2002-12-25 2004-07-15 Komori, Hiromichi 椎間板変性治療剤
US7034132B2 (en) 2001-06-04 2006-04-25 Anderson David W Therapeutic polypeptides, nucleic acids encoding same, and methods of use

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