JP2002223762A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JP2002223762A
JP2002223762A JP2001022507A JP2001022507A JP2002223762A JP 2002223762 A JP2002223762 A JP 2002223762A JP 2001022507 A JP2001022507 A JP 2001022507A JP 2001022507 A JP2001022507 A JP 2001022507A JP 2002223762 A JP2002223762 A JP 2002223762A
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present
salt
partial peptide
dna
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JP2001022507A
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English (en)
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Atsushi Nakanishi
淳 中西
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リガンド作動性カチオンチャネル活性を有す
る新規タンパク質、該タンパク質をコードするDNA、
該タンパク質の活性を促進または阻害する化合物のスク
リーニング方法、該スクリーニング方法で得られる化合
物などの提供。 【解決手段】 新規セロトニン3型(5−HT3)受容
体タンパク質(ヒト5−HT3受容体ホモログ)及びそ
れをコードするDNA等を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規セロトニン3
型(5-HT3)受容体タンパク質(5-HT3受容体ホモロ
グ)、該タンパク質をコードするDNA、該タンパク質
の活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方
法、該スクリーニング方法で得られる化合物などを提供
する。
【0002】
【従来の技術】セロトニン(5-HT)の受容体は、少なく
とも7つのファミリー(5-HT1〜5-HT7)からなる。この
中で、5-HT3はNa+とCa+を細胞内へ流入させK+を細胞外
に流出させる活性を持つリガンド作動性カチオンチャネ
ルである。その他の受容体はGタンパク共有型受容体で
ある。5-HT3受容体は、現在までに、2種のサブユニット
5-HT3Aと5-HT3Bがクローニングされている(Nature 39
7: 359-363, 1999)。5-HT3AはN末とC末が細胞外に存在
する4回膜貫通型の膜タンパク質である。5-HT3B受容体
は、2番目の膜貫通ドメインに特徴があり、より複雑な
構造をしていると考えられている。基本的には、これら
分子が5個集まりホモ5量体を形成してイオンチャネル機
能を発揮すると考えられている。5-HT3受容体は、リガ
ンド作動性の非選択的カチオンチャネルであり、生理的
条件下では一過性の内向き電流と膜の脱分極を引き起こ
す。中枢神経系においては、5-HT3受容体の機能的な性
質はシナプス前末端とシナプス後部において異なってい
る。線条体シナプトソームのシナプス前末端に存在する
5-HT3受容体は、Ca2+透過性のチャンネルであり、5-HT
の刺激によりCa2+の流入が起こり、細胞内Ca2+濃度の上
昇が引き起こされる。海馬の介在ニューロンのシナプス
後部に存在する5-HT3受容体はCa2+により膜電位が負に
調節される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】リガンド作動性のチャ
ネルである5-HT3受容体は、シナプスにおける神経伝達
物質の分泌を制御し、神経伝達に重要な役割を果たして
いる。5-HT3受容体のサブユニットが会合してチャネル
を形成する詳しいメカニズムや受容体の活性化によるイ
オン透過がシグナル伝達に結びつく詳しいメカニズムは
不明である。類似のリガンド作動性チャネルの中から、
厳密に5-HT3に選択性を持つアゴニスト・アンタゴニス
トの創生が、5-HT3受容体の性質を解明するのに役立つ
とともに、各種神経疾患の治療に結びつく。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、新規セロト
ニン3型(5-HT3)受容体タンパク質(ヒト5-HT3受容体
ホモログ)を見出した。該ヒト5-HT3受容体ホモログ は
アミノ酸レベルで、ヒト5-HT3A受容体と部分的に47%
の相同性を示し、4回膜貫通型の構造を有しており、5-
HTの受容体として機能し得るものである。5-HT3受容体
ホモログを抑制する方法としては、例えば、5-HTと5-HT
3受容体ホモログとの結合を阻害したり、5-HT3受容体ホ
モログによるリガンド作動性カチオンチャネル活性を阻
害したり、5-HT3受容体ホモログの転写を抑制して発現
レベルを低下させることが考えられる。5-HT3受容体ホ
モログを賦活化する方法としては、例えば、5-HT3受容
体ホモログによるリガンド作動性カチオンチャネル活性
を促進したり、5-HT3受容体ホモログのプロモーターを
活性化したり、mRNAを安定化することで発現レベルを亢
進することが考えられる。本発明者らは、これらの知見
に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
(2)上記(1)項記載のタンパク質の部分ペプチドま
たはその塩、(3)上記(1)項記載のタンパク質また
は上記(2)項記載の部分ペプチドをコードするDNA
を含有するDNA、(4)配列番号:2で表わされる塩
基配列を有する上記(3)項記載のDNA、(5)上記
(4)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(6)上記(5)項記載の組換えベクターで形質転換さ
れた形質転換体、(7)上記(6)項記載の形質転換体
を培養し、上記(1)項記載のタンパク質または上記
(2)項記載の部分ペプチドを生成、蓄積せしめ、これ
を採取することを特徴とする上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩の製造法、(8)上記(1)項記載のタンパク質も
しくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはその塩を
含有してなる医薬、(9)上記(3)項記載のDNAを
含有してなる医薬、(10)上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩に対する抗体、(11)上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩を用いることを特徴とする、上記(1)項記載のタ
ンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまた
はその塩の活性を促進または阻害する化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(12)上記(1)項記載の
タンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドま
たはその塩を含有してなる、上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
スクリーニング用キット、(13)上記(11)項記載
のスクリーニング方法または上記(12)項記載のスク
リーニング用キットを用いて得られる、上記(1)項記
載のタンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチ
ドまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物また
はその塩、(14)上記(11)項記載のスクリーニン
グ方法または上記(12)項記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られる上記(1)項記載のタンパク質も
しくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはその塩の
活性を促進または阻害する化合物またはその塩を含有し
てなる医薬、(15)中枢神経疾患、頭痛、うつ病の予
防・治療剤である上記(8)項または(9)項記載の医
薬、(16)中枢神経疾患、頭痛、うつ病の予防・治療
剤である上記(14)項記載の医薬などを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタ
ンパク質または本発明で用いられるタンパク質と称する
こともある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊
維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファ
ージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)もしくはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来す
るタンパク質であってもよく、合成タンパク質であって
もよい。
【0007】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約6
0%以上、より好ましくは約70%以上、特に好ましく
は約80%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性
を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質としては、例えば、前記の配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を含有し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタン
パク質などが好ましい。実質的に同質の活性としては、
例えば、リガンド作動性カチオンチャネル活性などが挙
げられる。実質的に同質とは、それらの性質が性質的に
(例、生理学的に、または薬理学的に)同質であること
を示す。したがって、リガンド作動性カチオンチャネル
活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約
0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)である
ことが好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質の
分子量などの量的要素は異なっていてもよい。リガンド
作動性カチオンチャネル活性などの活性の測定は、公知
の方法に準じて行うことが出来るが、例えば、J. Biol.
Chem. 275: 5620-5625, 2000 に記載の方法またはそれ
に準じる方法に従って測定することができる。
【0008】また、本発明で用いられるタンパク質とし
ては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付
加したアミノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ
酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数
(1〜5)個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質などのいわゆるムテインも含まれる。上記のように
アミノ酸配列が挿入、欠失または置換されている場合、
その挿入、欠失または置換の位置は、とくに限定されな
い。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端が通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。こ
こでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどの
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基、ピバロイル
オキシメチル基などが用いられる。本発明で用いられる
タンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明で用い
られるタンパク質に含まれる。この場合のエステルとし
ては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられ
る。さらに、本発明で用いられるタンパク質には、N末
端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が
保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC 1-6
アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されて
いるもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタ
ミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)
で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆ
る糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
本発明で用いられるタンパク質の具体例としては、例え
ば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するヒ
ト肝臓由来のタンパク質などがあげられる。
【0010】本発明で用いられるタンパク質の部分ペプ
チドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質
の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明
で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであ
ればいずれのものでもよい。例えば、本発明で用いられ
るタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20
個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70
個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは
200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用
いられる。また、本発明で用いられる部分ペプチドは、
そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)の
アミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に
1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程
度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程
度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよ
い。本発明の部分ペプチドとしては、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列において例えば第176番目〜201番
目、第471番目〜491番目のアミノ酸配列が好ましい。
【0011】また、本発明で用いられる部分ペプチドは
C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカル
ボキシレート(−COO-)であるが、前記した本発明
で用いられるタンパク質のごとく、C末端がアミド(−
CONH2)またはエステル(−COOR)であっても
よい。さらに、本発明で用いられる部分ペプチドには、
前記した本発明で用いられるタンパク質と同様に、C末
端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を
有しているもの、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニ
ン残基)のアミノ基が保護基で保護されているもの、N
端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピロ
グルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の
置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチド
なども含まれる。本発明で用いられる部分ペプチドは抗
体作成のための抗原としても用いることができる。たと
えば、後述する本発明の抗体を調製する目的には、例え
ば配列番号:1で表されるアミノ酸配列において第399
〜417番目, 第500〜649番目のアミノ酸配列を有するペ
プチドなどがあげられる。
【0012】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から公
知のタンパク質の精製方法によって製造することもでき
るし、タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場
合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズし
た後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロ
マトグラフィーを組み合わせることにより精製単離する
ことができる。
【0013】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成に
は、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合
させる。反応の最後に樹脂からタンパク質または部分ペ
プチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに
高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施
し、目的のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはそれ
らのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合
に関しては、タンパク質合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプ
ロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミ
ノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これら
による活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,
HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかま
たは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBt
エステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行な
った後に樹脂に添加することができる。
【0014】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなリガンド作動性カチオン捕捉剤
の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール
保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオ
フェノール処理により除去され、トリプトファンのイン
ドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2-
エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下
の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶
液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。
【0017】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0018】本発明で用いられる部分ペプチドまたはそ
れらの塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明で用いられるタンパク質を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。ペプチ
ドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法
のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用いられ
る部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミ
ノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する
場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製
造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離と
しては、例えば、以下の〜に記載された方法が挙げ
られる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0019】本発明で用いられるタンパク質をコードす
るDNAとしては、前述した本発明で用いられるタンパ
ク質をコードする塩基配列を含有するものであればいか
なるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノム
DNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDN
A、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、
合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用する
ベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミ
ド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前
記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分
を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Po
lymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称
する)によって増幅することもできる。本発明で用いら
れるタンパク質をコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:2で表される塩基配列を含有するDNA、ま
たは配列番号:2で表される塩基配列とハイストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、
本発明で用いられるタンパク質と実質的に同質の性質を
有するタンパク質をコードするDNAであれば何れのも
のでもよい。
【0020】配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:2で表される塩基配列と
約50%以上、好ましくは約60%以上、より好ましく
は約70%以上、特に好ましくは約80%以上、最も好
ましくは約90%以上の相同性を有する塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼーション
は、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd
(J. Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Lab. Pres
s, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができ
る。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の
使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って
行なうことができる。ハイストリンジェントな条件と
は、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ま
しくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好
ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウ
ム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ま
しい。より具体的には、配列番号:1で表されるアミノ
酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAとして
は、配列番号:2で表される塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。
【0021】本発明で用いられる部分ペプチドをコード
するDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分
ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであれば
いかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のc
DNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。本発明で用いられる
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:2で表される塩基配列を有するDNAの一部分
を有するDNA、または配列番号:2で表される塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を含有し、本発明のタンパク質と実質的に同
質の活性を有するタンパク質をコードするDNAの一部
分を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:2で
表される塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前
記と同意義を示す。ハイブリダイゼーションの方法およ
びハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用
いられる。
【0022】本発明で用いられるタンパク質、部分ペプ
チド(以下、これらをコードするDNAのクローニング
および発現の説明においては、これらを単に本発明のタ
ンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク
質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプ
ライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または
適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク
質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換
は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM-superExp
ress Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))
等を用いて、ODA-LAPCR法やGapped duplex法やKunkel法
等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行
なうことができる。クローン化されたタンパク質をコー
ドするDNAは目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0023】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0024】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
【0025】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0026】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69
巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行なうことが
できる。
【0027】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。動物細
胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細
胞工学実験プロトコール.263−267(1995)
(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,
456(1973)に記載の方法に従って行なうことがで
きる。このようにして、タンパク質をコードするDNA
を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を
得ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス
属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される
培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質
転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が
含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0028】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆
虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grac
e's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Natur
e),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の
添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpH
は約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通
常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や
撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養
する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛
血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),12
2巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジ
ー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
メディカル・アソシエーション(The Journal of the A
merican Medical Association)199巻,519(19
67)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソ
サイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
内、細胞膜または細胞外に本発明のタンパク質を生成せ
しめることができる。
【0029】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行な
うことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。
【0030】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊
離体または他の塩に変換することができる。なお、組換
え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適
当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾
を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもで
きる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キ
モトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテ
インキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かく
して生成する本発明のタンパク質の存在は、特異抗体を
用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロッテ
ィングなどにより測定することができる。
【0031】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明で用いられ
るタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、抗体の説明においては、これらを単に本発明のタン
パク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明
のタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血
清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0032】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0033】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0034】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質と
の複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法
と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発
明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造することができる。温
血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア
ー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類お
よびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに
架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くで
きれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブ
リン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
われる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドをコードするDNA(以下、アンチセンスヌク
レオチドの説明においては、これらのDNAを本発明の
DNAと略記する場合がある)の塩基配列に相補的な、
または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンス
ヌクレオチドとしては、本発明のDNAの塩基配列に相
補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該D
NAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、い
ずれのアンチセンスヌクレオチドであってもよいが、ア
ンチセンスDNAが好ましい。本発明のDNAに実質的
に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相
補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)
の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
などが挙げられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全
塩基配列うち、本発明のタンパク質のN末端部位をコー
ドする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基
配列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80
%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは
約95%以上の相同性を有するアンチセンスヌクレオチ
ドが好適である。具体的には、配列番号:2で表わされ
る塩基配列を有するDNAの塩基配列に相補的な、もし
くは実質的に相補的な塩基配列、またはその一部分を有
するアンチセンスヌクレオチド、好ましくは例えば、配
列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAの塩基
配列に相補な塩基配列、またはその一部分を有するアン
チセンスヌクレオチドなどが挙げられる。アンチセンス
ヌクレオチドは通常、10〜40個程度、好ましくは1
5〜30個程度の塩基から構成される。ヌクレアーゼな
どの加水分解酵素による分解を防ぐために、アンチセン
スDNAを構成する各ヌクレオチドのりん酸残基(ホス
フェート)は、例えば、ホスホロチオエート、メチルホ
スホネート、ホスホロジチオネートなどの化学修飾りん
酸残基に置換されていてもよい。これらのアンチセンス
ヌクレオチドは、公知のDNA合成装置などを用いて製
造することができる。
【0036】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスヌクレオチド(以下、本発明のアンチセンス
ヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を説明す
る。
【0037】本発明のタンパク質の活性を阻害する化合
物もしくはその塩を含有する医薬は、例えば、リガンド
作動性カチオンチャネル活性を抑制することで、神経伝
達シグナルを抑制することができるので例えば、中枢神
経疾患、頭痛、うつ病などの治療・予防剤として使用す
ることができる。一方、本発明のタンパク質の活性を促
進する化合物もしくはその塩を含有する医薬は、例え
ば、リガンド作動性カチオンチャネル活性を促進するこ
とで、神経伝達シグナルを活性化するすることができる
ので生体防御能を向上につながり、例えば、中枢神経疾
患、頭痛、うつ病などの治療・予防剤として使用するこ
とができる。
【0038】〔1〕本発明のタンパク質が関与する各種
疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質は、リガンド作動性カチオンチャネ
ル活性を有し、神経伝達に重要な役割を果たしている。
したがって、本発明のタンパク質をコードするDNAに
異常があったり、欠損している場合あるいは本発明のタ
ンパク質の発現量が減少している場合には、例えば、中
枢神経疾患、頭痛、うつ病などの種々の疾患が発症す
る。したがって、本発明のタンパク質および本発明のD
NAは、例えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病などの疾
患の治療・予防剤などの医薬として使用することができ
る。例えば、生体内において本発明のタンパク質が減少
あるいは欠損しているために、リガンド作動性カチオン
チャネル活性が十分に、あるいは正常に発揮されない患
者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与
し、生体内で本発明のタンパク質を発現させることによ
って、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明の
タンパク質を発現させた後に、該細胞を患者に移植する
ことによって、または(ハ)本発明のタンパク質を該患
者に投与することなどによって、該患者における本発明
のタンパク質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させ
ることができる。本発明のDNAを上記の治療・予防剤
として使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロ
ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウ
イルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当な
ベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは
温血動物に投与することができる。本発明のDNAは、
そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生
理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃や
ハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投
与できる。本発明のタンパク質を上記の治療・予防剤と
して使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは9
5%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましく
は99%以上に精製されたものを使用するのが好まし
い。
【0039】本発明のタンパク質等は、例えば、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、本発明のタンパク質等を生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラ
ガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロー
スのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギ
ン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムの
ような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような
甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのよ
うな香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセル
である場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のよう
な液状担体を含有することができる。注射のための無菌
組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻
油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解また
は懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ
とができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアル
コール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート80TM、HCO−50など)などと併用し
てもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油な
どが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベ
ンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤
(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液な
ど)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当
なアンプルに充填される。本発明のDNAが挿入された
ベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に
使用される。
【0040】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のタンパク
質等の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、中枢神経疾患の治療目的
で本発明のタンパク質等を経口投与する場合、一般的に
成人(60kgとして)においては、一日につき該タン
パク質等を約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該タンパク質等
の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異な
るが、例えば、中枢神経疾患の治療目的で本発明のタン
パク質等を注射剤の形で成人(体重60kgとして)に
投与する場合、一日につき該タンパク質等を約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部に注射す
ることにより投与するのが好都合である。他の動物の場
合も、60kg当たりに換算した量を投与することがで
きる。
【0041】〔2〕疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質の活性を促
進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
のための試薬として有用である。すなわち、本発明は、
(1)本発明のタンパク質を用いることを特徴とする本
発明のタンパク質の活性(例えば、リガンド作動性カチ
オンチャネル活性など)を促進または阻害する化合物ま
たはその塩(以下、それぞれ促進剤、阻害剤と略記する
場合がある)のスクリーニング方法を提供し、より具体
的には、例えば、(2)(i)本発明のタンパク質を産
生する能力を有する細胞のリガンド作動性カチオンチャ
ネル活性と(ii)本発明のタンパク質を産生する能力を
有する細胞と試験化合物の混合物のリガンド作動性カチ
オンチャネル活性の比較を行なうことを特徴とする促進
剤または阻害剤のスクリーニング方法を提供する。具体
的には、上記スクリーニング方法においては、例えば、
(i)と(ii)の場合において、リガンド作動性カチオ
ンチャネル活性をパッチ・クランプ法で測定し、リガン
ド作動性カチオンチャネル活性の指標として比較するこ
とを特徴とするものである。
【0042】試験化合物としては、例えば、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。上記のスクリーニン
グ方法を実施するには、本発明のタンパク質を産生する
能力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファー
に浮遊して調製する。バッファーには、pH約4〜10
(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、ほ
う酸バッファーなどの、本発明のタンパク質のリガンド
作動性カチオンチャネル活性を阻害しないバッファーで
あればいずれでもよい。本発明のタンパク質を産生する
能力を有する細胞としては、例えば、前述した本発明の
タンパク質をコードするDNAを含有するベクターで形
質転換された宿主(形質転換体)が用いられる。宿主と
しては、例えば、CHO細胞などの動物細胞が好ましく
用いられる。該スクリーニングには、例えば、前述の方
法で培養することによって、本発明のタンパク質を細胞
膜上に発現させた形質転換体が好ましく用いられる。
【0043】本発明のタンパク質のリガンド作動性カチ
オンチャネル活性は、公知の方法、例えば、J. Biol. C
hem. 275: 5620-5625, 2000 に記載の方法あるいはそれ
に準じる方法に従って測定することができる。例えば、
上記(ii)の場合におけるリガンド作動性カチオンチャ
ネル活性を、上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上促進する試験化合物を本発明のタンパク質の活性を促
進する化合物またはその塩として選択することができ
る。また、例えば、上記(ii)の場合におけるリガンド
作動性カチオンチャネル活性を、上記(i)の場合に比
べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ま
しくは約50%以上阻害(または抑制)する試験化合物
を本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物またはそ
の塩として選択することができる。また、本発明のタン
パク質5-HT3受容体ホモログ遺伝子のプロモーター下流
に分泌型アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼなど
の遺伝子を挿入し、上記の各種細胞に発現させ、該細胞
に上記試験化合物を接触させた場合における酵素活性を
賦活化または阻害する化合物またはその塩を探索するこ
とによって本発明のタンパク質(5-HT3受容体ホモロ
グ)の発現を促進または抑制(すなわち、本発明のタン
パク質の活性を促進または阻害)する化合物またはその
塩をスクリーニングすることができる。
【0044】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。
【0045】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク
質の活性(例、リガンド作動性カチオンチャネル活性な
ど)を促進または阻害する化合物またはその塩である。
該化合物の塩としては、前記した本発明のタンパク質の
塩と同様のものが用いられる。本発明のタンパク質の活
性を促進する化合物またはその塩は、例えば、中枢神経
疾患、頭痛、うつ病に対する治療・予防剤などの医薬と
して有用である。また、本発明のタンパク質の活性を阻
害する化合物またはその塩は、例えば、中枢神経疾患、
頭痛、うつ病に対する治療・予防剤などの医薬として有
用である。
【0046】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセ
ル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶
液、懸濁液剤などとすることができる。このようにして
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒト
または温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チ
ンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経口的に投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどに
より差異はあるが、例えば、中枢神経疾患治療の目的で
本発明のタンパク質の活性を促進する化合物またはその
塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgと
して)においては、一日につき該化合物またはその塩を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物またはその塩の1回投
与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例
えば、中枢神経疾患治療の目的で本発明のタンパク質の
活性を促進する化合物またはその塩を注射剤の形で通常
成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日につ
き該化合物またはその塩を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0047】〔3〕本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0048】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0049】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0050】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0051】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、(1)
本発明のタンパク質の濃度の減少が検出された場合、例
えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病などの可能性が高い
と診断することができる。(2)反対に、例えば、本発
明のタンパク質の濃度の上昇が検出された場合、中枢神
経疾患、頭痛、うつ病の可能性が高いと診断することが
出来る。また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検
体中に存在する本発明のタンパク質を検出するために使
用することができる。また、本発明のタンパク質を精製
するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画
中の本発明のタンパク質の検出、被検細胞内における本
発明のタンパク質の挙動の分析などのために使用するこ
とができる。
【0052】〔4〕遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of t
heNational Academy of Sciences of the United State
s of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現増加が
検出された場合、中枢神経疾患、頭痛、うつ病の可能性
が高いと診断することが出来る。反対に、発現低下が検
出された場合やPCR−SSCP法によりDNAの突然
変異が検出された場合は、例えば、中枢神経疾患、頭
痛、うつ病である可能性が高いと診断することができ
る。
【0053】〔5〕アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスヌクレオチド
は低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質ま
たは本発明のDNAの機能(例、リガンド作動性カチオ
ンチャネル活性)を抑制することができるので、例え
ば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病などの治療・予防剤と
して使用することができる。上記アンチセンスヌクレオ
チドを上記の治療・予防剤として使用する場合、公知の
方法に従って製剤化し、投与することができる。例え
ば、該アンチセンスヌクレオチドを用いる場合、該アン
チセンスヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルスベ
クター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソ
シエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに
挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは哺乳動物
(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与す
ることができる。該アンチセンスヌクレオチドは、その
ままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学
的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイ
ドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与で
きる。該アンチセンスヌクレオチドの投与量は、対象疾
患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例
えば、中枢神経疾患の治療の目的で本発明のアンチセン
スヌクレオチドを肝臓に局所投与する場合、一般的に成
人(体重60kg)においては、一日につき該アンチセ
ンスヌクレオチドを約0.1〜100mg投与する。さ
らに、該アンチセンスヌクレオチドは、組織や細胞にお
ける本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるため
の診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用するこ
ともできる。
【0054】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0055】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0056】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒトTCH066タンパク質のアミノ酸配列
を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するTCH066タンパク質をコードするDNAの塩基配
列を示す。
【0057】
【発明の効果】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
パク質は中枢神経疾患、頭痛、うつ病の診断マーカー等
として有用であり、該タンパク質を用いるスクリーニン
グ法により得られる該タンパク質の活性を促進または阻
害する化合物は、例えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病
などの疾病の予防・治療剤として使用することができ
る。
【0058】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Protein and its DNA <130> P2001-012 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 267 <212> PRT <213> Human <400> 1 Val Trp Asp Asn Pro Phe Ile Ser Trp Asn Pro Glu Glu Cys Glu Gly 1 5 10 15 Ile Thr Lys Met Ser Met Ala Ala Lys Asn Leu Trp Leu Pro Asp Ile 20 25 30 Phe Ile Ile Glu Leu Cys Val Ser Arg Ala Gly Gln Arg Glu Val Pro 35 40 45 Ser Pro Gly Ser His Arg Asp His Ser Leu Pro Leu Gly Pro Leu Met 50 55 60 Asp Val Asp Lys Thr Pro Lys Gly Leu Thr Ala Tyr Val Ser Asn Glu 65 70 75 80 Gly Arg Ile Arg Tyr Lys Lys Pro Met Lys Val Asp Ser Ile Cys Asn 85 90 95 Leu Asp Ile Phe Tyr Phe Pro Phe Asp Gln Gln Asn Cys Thr Leu Thr 100 105 110 Phe Ser Ser Phe Leu Tyr Thr Val Asp Ser Met Leu Leu Asp Met Glu 115 120 125 Lys Glu Val Trp Glu Ile Thr Asp Ala Ser Arg Asn Ile Leu Gln Thr 130 135 140 His Gly Glu Trp Glu Leu Leu Gly Leu Ser Lys Ala Thr Ala Lys Leu 145 150 155 160 Ser Arg Gly Gly Asn Leu Tyr Asp Gln Ile Val Phe Tyr Val Ala Ile 165 170 175 Arg Arg Arg Pro Ser Leu Tyr Val Ile Asn Leu Leu Val Pro Ser Gly 180 185 190 Phe Leu Val Ala Ile Asp Ala Leu Ser Phe Tyr Leu Pro Val Lys Ser 195 200 205 Gly Asn Arg Val Pro Phe Lys Ile Thr Leu Leu Leu Gly Tyr Asn Val 210 215 220 Phe Leu Leu Met Met Ser Asp Leu Leu Pro Thr Ser Gly Thr Pro Leu 225 230 235 240 Ile Gly Val Tyr Phe Ala Leu Cys Leu Ser Leu Met Val Gly Ser Leu 245 250 255 Leu Glu Thr Ile Phe Ile Thr His Leu Leu His 260 265 <210> 2 <211> 801 <212> DNA <213> Human <400> 2 GTTTGGGATA ACCCATTTAT CAGCTGGAAC CCAGAGGAAT GTGAGGGCAT CACGAAGATG 60 AGTATGGCAG CCAAGAACCT GTGGCTCCCA GACATTTTCA TCATTGAACT GTGCGTATCA 120 AGGGCTGGTC AGAGGGAAGT CCCATCTCCT GGTAGCCACA GAGATCACAG TTTACCATTG 180 GGGCCACTCA TGGATGTGGA TAAGACCCCA AAAGGCCTCA CAGCATATGT AAGTAATGAA 240 GGTCGCATCA GGTATAAGAA ACCCATGAAG GTGGACAGTA TCTGTAACCT GGACATCTTC 300 TACTTCCCCT TCGACCAGCA GAACTGCACA CTCACCTTCA GCTCATTCCT CTACACAGTG 360 GACAGCATGT TGCTGGACAT GGAGAAAGAA GTGTGGGAAA TAACAGACGC ATCCCGGAAC 420 ATCCTTCAGA CCCATGGAGA ATGGGAGCTC CTGGGCCTCA GCAAGGCCAC CGCAAAGTTG 480 TCCAGGGGAG GCAACCTGTA TGATCAGATC GTGTTCTATG TGGCCATCAG GCGCAGGCCC 540 AGCCTCTATG TCATAAACCT TCTCGTGCCC AGTGGCTTTC TGGTTGCCAT CGATGCCCTC 600 AGCTTCTACC TGCCAGTGAA AAGTGGGAAT CGTGTCCCAT TCAAGATAAC GCTCCTGCTG 660 GGCTACAACG TCTTCCTGCT CATGATGAGT GACTTGCTCC CCACCAGTGG CACCCCCCTC 720 ATCGGTGTCT ACTTCGCCCT GTGCCTGTCC CTGATGGTGG GCAGCCTGCT GGAGACCATC 780 TTCATCACCC ACCTGCTGCA C 801
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61P 25/24 4C086 25/04 43/00 111 4H045 25/24 C07K 14/705 43/00 111 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 C12P 21/08 G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB20 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA63 CA02 DA01 DA02 DA05 DA11 GA11 4B064 AG20 AG27 CA02 CA05 CA10 CA11 CA19 CA20 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA58X AA72X AA88X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA13 AA17 NA14 ZA022 ZA082 ZA122 4C086 AA01 EA16 NA14 ZA02 ZA08 ZA12 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質またはその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
    ドまたはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のタンパク質または請求項
    2記載の部分ペプチドをコードするDNAを含有するD
    NA。
  4. 【請求項4】 配列番号:2で表わされる塩基配列を有
    する請求項3記載のDNA。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組換えベクターで形質転
    換された形質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のタンパク質または請求項2記載の部分ペプ
    チドを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
    する請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2記載の
    部分ペプチドまたはその塩の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のタンパク質もしくは請求
    項2記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる医
    薬。
  9. 【請求項9】 請求項3記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを
    特徴とする、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    2記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してな
    る、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2記載の
    部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する
    化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のスクリーニング方法
    または請求項12記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    2記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩。
  14. 【請求項14】 請求項11記載のスクリーニング方法
    または請求項12記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2
    記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻
    害する化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】 中枢神経疾患、頭痛、うつ病などの予
    防・治療剤である請求項8または請求項9記載の医薬。
  16. 【請求項16】 中枢神経疾患、頭痛、うつ病などの予
    防・治療剤である請求項14記載の医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1307551A2 (en) * 2000-07-05 2003-05-07 PHARMACIA &amp; UPJOHN COMPANY Human ion channels
JP2012503765A (ja) * 2008-09-26 2012-02-09 サノフイ ナトリウム−プロトン−交換体リガンド効率の測定方法

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