JPH1084975A - ヒト由来α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子 - Google Patents
ヒト由来α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子Info
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- JPH1084975A JPH1084975A JP9159692A JP15969297A JPH1084975A JP H1084975 A JPH1084975 A JP H1084975A JP 9159692 A JP9159692 A JP 9159692A JP 15969297 A JP15969297 A JP 15969297A JP H1084975 A JPH1084975 A JP H1084975A
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Abstract
を遺伝子組換え法により大量に生産する方法を開発し、
糖鎖構造解析、糖鎖工学用試薬、診断薬として安価、か
つ、安定供給可能とする。 【解決手段】配列表・配列番号2に示されるアミノ酸配
列をコードする遺伝子を含むヒト由来のα−1,6−フ
コシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、該遺伝
子を含んでなる発現ベクター、該発現ベクターにより宿
主細胞を形質転換した形質転換細胞、該細胞を使用する
組換えα−1,6−フコシルトランスフェラーゼの製造
方法。
Description
析や、糖鎖構造の修飾、糖鎖の合成などの糖鎖工学ある
いは診断用途に有用なヒトα−1,6−フコシルトラン
スフェラーゼをコードする遺伝子に関する。
等の複合糖質中の糖鎖部分の構造と機能に関する関心が
高まっており、その研究が盛んに行われている。糖鎖は
糖加水分解酵素及び糖転移酵素の作用により形成される
が、その中でも糖転移酵素が寄与するところが大きい。
糖転移酵素は糖ヌクレオチドを糖供与体として、受容体
となる糖鎖に糖を転移し、糖鎖伸長を行う酵素である。
その受容体の糖鎖構造に対する特異性は厳密であり、通
常、1つのグリコシド結合は対応する1つの転移酵素に
よって形成される。それ故、糖転移酵素は複合糖質の糖
鎖部分の構造研究、特定の糖鎖構造の簡便な合成、天然
の糖鎖構造の修飾に利用されている。また、糖鎖の人工
的な改変による複合糖質あるいは細胞の性質の改変への
利用が期待されている。これらのことから、基質特性の
明らかな種々の糖転移酵素の開発が望まれている。
は細胞内小器官のゴルジ体に存在する酵素であり、アス
パラギン結合型糖鎖のプロセッシングを制御する酵素の
うちの一つであると考えられる重要な酵素である。該酵
素をアスパラギン結合型糖鎖に作用させることで、その
制御機構の解明、糖鎖構造形成の制御等に役立つと考え
られる。また、肝臓癌や嚢胞性線維症などのいくつかの
疾病におけるα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ
活性の上昇、及び本酵素反応生成物の割合の増加が知ら
れており、該酵素活性を測定することによる、あるいは
α−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードする
cDNAを用いたノーザンブロット法によるこれらの疾
病の診断法の早急なる開発が望まれている。
は、各種動物の体液あるいは臓器中、各種動物の培養細
胞にその活性は検出されているものの、精製された酵素
標品としては、ヒト嚢胞性線維症細胞破砕物[ジャーナ
ル オブ バイオロジカルケミストリー (Journal of
Biological Chemistry)、第266巻、第21572〜
21577頁(1991)]由来の酵素以外には知られ
ていない。したがって、該酵素標品を安定に供給するこ
とは事実上困難であった。
6−フコシルトランスフェラーゼを単一に精製し、その
理化学的性質を明らかにした(特願平8-10365 号)。さ
らに、ブタ由来α−1,6−フコシルトランスフェラー
ゼ遺伝子を特定し(特願平8-162823号) 、該酵素標品の
安定供給を可能にした。このように、ブタ由来のα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼの安定供給は可能
になったわけであるが、人間への該酵素の応用を考えた
場合、ヒト由来のα−1,6−フコシルトランスフェラ
ーゼの開発が必須となる。さらに、本発明者らはヒト由
来のα−1,6−フコシルトランスフェラーゼを単一に
精製し、その理化学的性質を明らかにし(特願平 8-161
648 号) 、該酵素標品の安定供給を可能にしたが、大量
生産までにはいたっていない。
鑑みてなされたものであり、その目的はヒト由来α−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子を用いてヒ
ト由来α−1,6−フコシルトランスフェラーゼを大量
に生産する方法を開発することにより、糖鎖構造解析、
糖鎖工学用試薬、診断薬として安価且つ安定供給可能な
当該酵素を提供するものである。また、当該遺伝子を特
定することにより、当該酵素をコードするDNAを用い
たノーザンブロット法による疾病の診断法の開発を目的
とするものである。
細胞よりα−1,6−フコシルトランスフェラーゼを単
一に精製し、このタンパク質のアミノ酸分析を行い、そ
の部分アミノ酸配列をもとにクローニングを行い、本発
明に到達した。
−フコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子であ
る。
コシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含んで
なる発現ベクターである。
フコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含ん
でなる発現ベクターにより宿主細胞を形質転換した形質
転換細胞である。
ルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含んでなる
発現ベクターにより宿主細胞を形質転換した形質転換細
胞を培養し、該培養物からα−1,6−フコシルトラン
スフェラーゼを採取することを特徴とする組換えα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼの製造方法であ
る。
コシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子であり、
その一実施態様は配列表・配列番号2に示されるアミノ
酸配列をコードする遺伝子を含むα−1,6−フコシル
トランスフェラーゼをコードする遺伝子である。また、
別な態様は配列表・配列番号1に示される塩基配列を含
むα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードす
る遺伝子である。さらに、別な態様は配列表・配列番号
1に示される198番目のアデニンから1919番目の
グアニンまでに示される塩基配列を含むα−1,6−フ
コシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子である。
に示されるアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸
が、置換、挿入、削除、又は付加されているアミノ酸配
列をコードする遺伝子を含むα−1,6−フコシルトラ
ンスフェラーゼをコードする遺伝子である。また、本発
明の別の実施態様は、配列表・配列番号1に示される塩
基配列の少なくとも1つが置換、挿入、削除、又は付加
されている塩基配列を含むα−1,6−フコシルトラン
スフェラーゼをコードする遺伝子である。さらに、本発
明の実施態様は、配列表・配列番号1に示される塩基配
列を含むα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコ
ードする遺伝子の少なくとも一部にハイブリダイズする
遺伝子である。
6−フコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を
含んでなる発現ベクターである。また、本発明の形質転
換細胞は、上記した発現ベクターにより宿主細胞を形質
転換したものである。宿主細胞としては、微生物、例え
ば大腸菌、酵母、細菌などの細胞が挙げられる。動物細
胞、例えば昆虫細胞、COS−1、CHO細胞などが挙
げられる。また、植物細胞、例えば綿植物細胞、アラビ
ドプシス細胞などが挙げられる。ベクターとしては、形
質転換する宿主に応じて、様々なものが使用できる。例
えば、大腸菌では、pMAL−p2、pUC19など、
酵母では、pYEUra3TMなど、昆虫細胞では、p
BLUE Bac4など、COS−1細胞では、pSV
K3など、綿植物細胞、アラビドプシス細胞では、pB
Iなどが挙げられる。
シルトランスフェラーゼの製造方法は上記した形質転換
細胞を培養し、該培養物からα−1,6−フコシルトラ
ンスフェラーゼを採取する方法である。
−1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するヒ
ト培養細胞の培養液がある。培養細胞の具体例として
は、例えば、ヒト胃癌細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒトミエ
ローマ細胞などが挙げられる。
1,6−フコシルトランスフェラーゼを単一に精製し、
このタンパク質のアミノ酸分析を行い、その部分アミノ
酸配列を決定し、そのアミノ酸配列より、PCR用のプ
ライマーを調製する。このプライマーを用い、ヒト胃癌
細胞由来のcDNAを鋳型としてPCRをおこない、α
−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードする遺
伝子を増幅して、プローブを作成する。続いて、該プロ
ーブを用いてヒト胃癌細胞由来のcDNAライブラリー
中よりα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコー
ドするcDNAを含有するクローン体を検索し、α−
1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードするcD
NAを単離し、次いで、該cDNAを用いてα−1,6
−フコシルトランスフェラーゼの発現を行う。
ランスフェラーゼを精製する方法としては、例えばヒト
胃癌細胞MKN45を無血清培養し、得られた培養液か
ら該酵素を精製する。この場合、ヒト胃癌細胞MKN4
5のα−1,6−フコシルトランスフェラーゼは、細胞
の蛋白質分解酵素によって酵素活性に影響のない部分で
切断され、可溶型α−1,6−フコシルトランスフェラ
ーゼとして培養液中に放出されるために、細胞の破砕、
界面活性剤による酵素の可溶化などの操作なしに、細胞
培養液をそのまま粗酵素溶液として使用することができ
る。さらに、この粗酵素溶液から公知の精製手段を組み
合わせて、精製酵素標品を得ることができる。
培養液を限外濾過膜により濃縮、緩衝液交換を行ったに
後、Q−セファロース、GDPヘキサノールアミンセフ
ァロース、(GlcNAcβ1−2Manα1−6)
(GlcNAcβ1−2Manα1−3)Manβ1−
4GlcNAcβ1−4GlucNAc−アスパラギン
セファロース等のカラムクロマトグラフィーに供し、活
性画分を集めて、本発明のフコシルトランスフェラーゼ
を精製することができる。
ンスフェラーゼを用い、アミノ酸配列の解析を行う。例
えばSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、
エレクトロブロッティング法によりPVDF膜に転写し
た後、約60kDaのバンドを含有するPVDF膜を切
り出し、プロテインシークエンサーにより配列決定を行
う。配列表・配列番号3で示されるα−1,6−フコシ
ルトランスフェラーゼのアミノ末端のアミノ酸配列を得
る。
フェラーゼをプロテアーゼ、例えばリジルエンドペプチ
ダーゼと共にSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
に供し、電気泳動により分離されたペプチド断片をエレ
クトロブロッティング法によりPVDF膜に転写した後
ペプチド断片を含むバンドを切り出し、プロテインシー
クエンサーにより配列決定を行う。配列表・配列番号4
及び5で示されるα−1,6−フコシルトランスフェラ
ーゼの部分アミノ酸配列を得る。
用のミックスプライマーを作成する。例えば、配列番号
4のアミノ酸配列より、配列番号6で示される塩基配列
を有するミックスプライマー、配列番号5のアミノ酸配
列より、配列番号7で示される塩基配列を有するミック
スプライマーをそれぞれDNA合成機で合成し、α−
1,6−フコシルトランスフェラーゼcDNAの検索に
使用する。
型とし、配列番号6のミックスプライマーと配列番号7
のミックスプライマーを使用し、94℃(30秒間
間)、46℃(30秒間)、72℃(1分30秒間)を
1サイクルとして36サイクル行うことにより、約20
0bpのDNA断片を増幅する。
用い、プラークハイブリダイゼイション法により、ヒト
胃癌細胞由来のcDNAライブラリー中よりα−1,6
−フコシルトランスフェラーゼをコードするcDNAを
含有するクローン体を検索する。これらのクローン体か
らα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードす
るcDNAの単離を行うことができる。得られた該cD
NAの塩基配列および該塩基配列から推測されるアミノ
酸配列を配列番号1および2に示す。
pSVK3にサブクローニングされる。サブクローニン
グされた該プラスミドにより形質転換された宿主細胞、
例えばCOS−1細胞を培養し、該培養物からα−1,
6−フコシルトランスフェラーゼを得ることができる。
し、該培養物からα−1,6−フコシルトランスフェラ
ーゼを採取することにより、組換えα−1,6−フコシ
ルトランスフェラーゼを製造する。培養物から該酵素を
採取する方法は、通常の方法に従う。
トランスフェラーゼをコードする遺伝子およびその分解
物であるDNA断片は、α−1,6−フコシルトランス
フェラーゼの生体中での発現過程の測定に使用すること
もでき、肝臓癌や嚢胞性線維症などのいくつかの疾病の
遺伝子診断においても有用である。また、これらの遺伝
子がコードするポリペプチドを用いて、種々の抗体を免
疫学的に作成することもでき、これらの抗体も診断用途
や、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼの精製な
どに有用である。
明する。本発明では、酵素活性を下記のようにして測定
する。 糖鎖末端のアスパラギンを4−(2−ピリジルアミノ)
ブチルアミン[PABA:−NH−(CH2)4−NH
−pyridine]で蛍光標識してある下記化1で示
される化合物を酵素活性の測定基質として用いた。該基
質を用いることにより、フコースがα1−6結合で転移
した酵素反応の生成物の高速液体クロマトグラフィーに
よる蛍光検出が可能となる。
受容体蛍光標識基質62.5μM、供与体基質(GDP
フコース)625μMを含む250mMメス(MES)
緩衝液、pH7.5、40μlに酵素液10μlを加え
て混合し、37℃で1時間反応させた。5分間の煮沸に
より反応を停止させた後、反応液を高速液体クロマトグ
ラフィーに供し、生成物のピークを蛍光検出器で定量す
る。酵素量1単位は、この条件下で、1分間に1pmo
leのGlcNAcβ1→2Manα1→6(GlcN
Acβ1→2Manα1→3)Manβ1→4GlcN
Acβ1→4(Fucα1−6)GlucNAc−R
〔RはAsn−NH−(CH2 )4 −PA〕生じるもの
とした。
列の決定 1μgの精製α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した
後、エレクトロブロッティング法によってPVDF膜
(ミリポア社製)タンパク質を転写した。該PVDF膜
をクーマシーブリリアントブルーG250により染色
し、約60kDaの位置に単一のα−1,6−フコシル
トランスフェラーゼのバンドを検出した。次に該バンド
を含むPVDF膜を切り取り50%メタノールで脱染色
した後、バイオシステム473Aプロテインシークエン
サー(アプライドバイオシステム社製)に供しα−1,
6−フコシルトランスフェラーゼのアミノ末端アミノ酸
配列を決定した。決定されたアミノ酸配列は配列表の配
列番号3に示す。
酸配列の決定 約5μgの精製α−1,6−フコシルトランスフェラー
ゼをリジルエンドペプチダーゼと混合後、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動に供した後、エレクトロブ
ロッティング法によりPVDF膜(ミリポア社製)にペ
プチド断片をを転写した。該PVDF膜をクーマシーブ
リリアントブルーG250により染色し2本のメインバ
ンドを含む数本のペプチド断片を含むバンドを検出し
た。次にメインの2本の該バンドを含むPVDF膜を切
り取り50%メタノールで脱染色した後、バイオシステ
ム473Aプロテインシークエンサー(アプライドバイ
オシステム社製)に供しα−1,6−フコシルトランス
フェラーゼの内部アミノ酸配列を決定した。決定された
アミノ酸配列は配列表の配列番号4および5に示す。
配列番号6および7に示されるミックスプライマーを合
成した。配列表の配列番号6で表されるミックスプライ
マーはセンスプライマーとして、配列表の配列番号7で
表されるミックスプライマーはアンチセンスプライマー
として使用した。PCR反応は2μgヒト由来cDN
A、25pmole センスプライマー(配列表の配列
番号6で示されるミックスプライマー)、25pmol
e アンチセンスプライマー(配列表の配列番号7で示
されるミックスプライマー)、及び2.5単位TaqD
NAポリメラーゼを含む50mM塩化カリウム−10m
Mトリス・塩酸緩衝液(pH8.3)−1.5mM塩化
マグネシウム−0.001%ゼラチン−200μMdN
TP反応溶液50μl中、94℃(30秒間間)、46
℃(30秒間)、72℃(1分30秒間)を1サイクル
として36サイクル行うことにより行った。
%アガロースゲル電気泳動に供することにより、PCR
反応産物であるDNA断片の確認を行った。その結果、
アガロースゲル電気泳動において約200bpの大きさ
のDNA断片が確認された。該DNA断片をプラスミド
pT7BLUEt−Vector(ノバジェン社製)に
サブクローニングし、塩基配列の確認を行った結果、配
列表の配列番号4および5に記載のアミノ酸配列をコー
ドしていることが明らかとなり、該DNA断片がα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の一部分で
あることが確認された。
(3000Ci/mmol、アマシャム社製)でラベル
したものをプローブとして用い、ヒト胃癌細胞MKN4
5由来λZAPcDNAライブラリーからプラークハイ
ブリダイゼイション法により、α−1,6−フコシルト
ランスフェラーゼをコードするcDNAを含有するクロ
ーン体の検索を行った。約200万個のプラークを検索
した結果、8個の陽性クローン体c1〜c8が得られ
た。該クローン体c1〜c7は制限酵素制限酵素切断パ
ターンおよびその長さから全長のα−1,6−フコシル
トランスフェラーゼ遺伝子含んでいると推測されたの
で、c1及びc2の塩基配列の決定を行った結果、配列
表の配列番号1に示される配列が得られた。
ラーゼをコードするcDNAを含むクローン体よりα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子のコード領
域を発現ベクターpSVK3にサブクローニンした。該
α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子を含む
発現ベクターをCOS−1細胞に導入し、48時間培養
後培養細胞を集め、該細胞を破砕し、得られた破砕物の
α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ酵素活性を測
定した。コントロールとして、mockpSVK3を導
入したCOS−1細胞の破砕物のα−1,6−フコシル
トランスフェラーゼ酵素活性を測定した。コントロール
ではほとんど活性が検出されなかったのに対し、該α−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子を含む発現
ベクターを導入されたCOS−1細胞では2130nm
ole/h/mg蛋白質と高い活性を示した。
発現 実施例4で得られたα−1,6−フコシルトランスフェ
ラーゼをコードするcDNAを含むクローン体よりα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子のコード領
域を発現ベクターpMAL−p2(ニューイングランド
バイオラブズ社製)にサブクローニングした。該α−
1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子を含む発現
ベクターを大腸菌JM109株に形質転換した。得られ
たクローンを50μg/mlアンピシリンおよび0.2
Mグルコースを含むLB培地10ml中で37℃にて一
晩培養し、培養液1mlを50μg/mlアンピシリン
および0.2Mグルコースを含むLB培地100ml中
に接種し、37℃にて培養し、OD600が10以上に
達する程度に6時間増殖させた。引き続き、イソプロピ
ルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)を添加し、組換
えタンパクの発現を誘導した。誘導開始2時間後に菌体
を集め、超音波処理により菌体を破砕した。菌体破砕物
を遠心分離し、破砕物抽出液の蛋白質濃度をOD280
の吸収により測定した。破砕抽出液のポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により、発現蛋白質を検出したところ、
該α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子を含
む発現ベクターを導入された大腸菌の破砕抽出液中には
マルトース結合蛋白質とα−1,6−フコシルトランス
フェラーゼとの融合蛋白質のバンドが検出された。な
お、コントロールとして、pMAL−p2を形質転換し
たコントロールの大腸菌の破砕抽出液中には融合蛋白質
のバンドは検出されなかった。さらに、得られた破砕物
抽出液のα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ酵素
活性を測定した。コントロールではほとんど活性が検出
されなかったのに対し、該α−1,6−フコシルトラン
スフェラーゼ遺伝子を含む発現ベクターを導入された大
腸菌の破砕物抽出液は1630nmol/h/mg蛋白
質と高い活性を示した。
学試薬として有用なヒト由来α−1,6−フコシルトラ
ンスフェラーゼの大量かつ安価な供給が可能になる。ま
た、本発明のα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ
遺伝子を特定することにより癌などの疾病の診断方法の
開発が可能になる。
Claims (10)
- 【請求項1】 ヒト由来α−1,6−フコシルトランス
フェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項2】 配列表・配列番号2に示されるアミノ酸
配列をコードする遺伝子を含む請求項1記載のα−1,
6−フコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項3】 配列表・配列番号1に示される塩基配列
を含む請求項1記載のα−1,6−フコシルトランスフ
ェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項4】 配列表・配列番号1に示される198番
目のアデニンから1919番目のグアニンまでに示され
る塩基配列を含む請求項1記載のα−1,6−フコシル
トランスフェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項5】 配列表・配列番号2に示されるアミノ酸
配列の少なくとも1つのアミノ酸が、置換、挿入、削
除、又は付加されているアミノ酸配列をコードする遺伝
子を含む請求項1記載のα−1,6−フコシルトランス
フェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項6】 配列表・配列番号1に示される塩基配列
の少なくとも1つが置換、挿入、削除、又は付加されて
いる塩基配列を含む請求項1記載のα−1,6−フコシ
ルトランスフェラーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項7】 配列表・配列番号1に示される塩基配列
を含むα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコー
ドする遺伝子の少なくとも一部にハイブリダイズする遺
伝子。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載され
るα−1,6−フコシルトランスフェラーゼをコードす
る遺伝子を含んでなる発現ベクター。 - 【請求項9】 請求項8に記載の発現ベクターにより宿
主細胞を形質転換した形質転換細胞。 - 【請求項10】 請求項9または10に記載の形質転換
細胞を培養し、該培養物からα−1,6−フコシルトラ
ンスフェラーゼを採取することを特徴とする組換えα−
1,6−フコシルトランスフェラーゼの製造方法。
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Cited By (2)
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JP2001333787A (ja) * | 2000-03-22 | 2001-12-04 | Naoyuki Taniguchi | 動物型糖鎖付加機能をもつ植物細胞 |
EP2078455A1 (en) | 2001-03-06 | 2009-07-15 | The Dow Chemical Company | Plant cell having animal-type sugar chain adding function |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP15969297A patent/JP3785745B2/ja not_active Expired - Fee Related
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