JP3046142B2 - Dnaポリメラーゼ遺伝子 - Google Patents

Dnaポリメラーゼ遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNAポリメラーゼ遺
伝子及び遺伝子工学研究用試薬として有用な酵素である
DNAポリメラーゼの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】今まで遺伝子工学研究用試薬として一般
に利用されているDNAポリメラーゼには、大腸菌DN
Aポリメラーゼ、その改変型であるクレノウ断片、T4
ファージ由来DNAポリメラーゼ、T7ファージ由来D
NAポリメラーゼ、サーマスアクアティカス由来耐熱性
DNAポリメラーゼ〔タック(Taq)ポリメラーゼ〕
等がある。これらの酵素は、その有する性質に応じて特
定のDNAの標識化や、DNA塩基配列決定法などにそ
れぞれ利用されている。一般にDNAポリメラーゼはそ
の起源による酵素特異性を有しており、その特性を生か
した利用法がある。例えばバチルス ステアロサーモフ
ィラス(Bacillus Stearothermo
philus)は生育至適温度が約65℃である好熱性
細菌である。この細菌由来のDNAポリメラーゼの単離
・精製についてはジャーナル オブ バクテリオロジー
(Journal of Bacteriolog
y)、第145巻、第21〜26頁(1981)に記載
されている。また、該DNAポリメラーゼをプロテアー
ゼであるズブチリシン(Subtilisin)で処理
して5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有する領域を
除去したラージフラグメントの調製及びそのジデオキシ
シークエンス法への応用について、サイエンティア シ
ニカ(SCIENTIA SINICA)第30巻、第
503〜506頁(1987)に記載されている。ま
た、ジデオキシシークエンス法における該DNAポリメ
ラーゼと他のDNAポリメラーゼとの比較についてはバ
イオテクニクス(Biotechniques)、第1
1巻、第76〜87頁(1991)に記載されている。
上記記載例より該DNAポリメラーゼは大腸菌由来DN
AポリメラーゼI クレノウ断片と同様の性質を高温で
示すことが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で該DNAポリメラーゼの遺伝子構造やアミノ酸配列に
ついては不明であり、遺伝子の単離及び当該遺伝子をベ
クターに結合して遺伝子工学的に発現させる方法につい
ても明らかにされていない。本発明の目的は、新規なD
NAポリメラーゼ遺伝子を特定し、該DNA断片を含有
させた組換体プラスミドを導入させた形質転換体を用い
た新規なDNAポリメラーゼの遺伝子工学的製造法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明はDNAポリメラーゼ遺伝子に関する
発明であって、配列表の配列番号5に示されるアミノ酸
配列をコードしていることを特徴とする。また、本発明
の第2の発明はDNAポリメラーゼの製造方法に関する
発明であって、第1の発明のDNAポリメラーゼ遺伝子
を組込んだプラスミドで形質転換した形質転換体を培養
し、該培養物からDNAポリメラーゼを採取することを
特徴とする。
【0005】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に使用する菌株としてはDNAポリメラーゼを産生する
菌株であれば何でもよく、例として、バチルス ステア
ロサーモフィラス IAM 11001(ATCC80
05)がある。
【0006】本発明に係る形質転換体及びDNAポリメ
ラーゼは次に例示する工程により得ることができる。 (1)バチルス・ステアロサーモフィラスから染色体D
NAを抽出する。 (2)DNAポリメラーゼに共通な領域の情報を基に配
列表の配列番号1及び配列番号2に示すDNAポリメラ
ーゼ遺伝子増幅用オリゴヌクレオチドプライマーを作成
し、(1)で得たDNAを鋳型としてポリメラーゼ チ
ェイン リアクション(PCR)を行う。 (3)(1)で得たDNAを適当な制限酵素で切断し、
これに対して(2)で得たDNA断片をプローブとして
スクリーニングを行い、目的とするDNA断片を回収す
る。 (4)ベクターを制限酵素で開裂し、この開裂部位に
(3)で得たDNA断片を結合させる。 (5)DNA断片を結合させたベクターを宿主に導入
し、目的のDNA断片を含む形質転換体を選択する。 (6)(5)で得た形質転換体からプラスミドを取出
し、目的のDNA断片を切り出して制限酵素地図を基に
目的の遺伝子全体を含む連続した一本の断片に再編成
し、これを(4)と同様の要領で発現ベクターに結合さ
せる。 (7)(6)で得た目的のDNA断片を含む発現ベクタ
ーを(5)と同じ要領で宿主に導入し、形質転換体を得
る。 (8)(7)で得た形質転換体を培養し、培養菌体より
DNAポリメラーゼを生産する。
【0007】上記DNA供与体であるバチルス ステア
ロサーモフィラス IAM 11001(ATCC80
05)由来DNAは55℃で振とう培養した該培養菌体
より抽出する。抽出、精製、制限酵素による切断等は公
知の方法を用いることができ、当該方法の詳細は198
2年 コールドスプリング ハーバー ラボラトリー発
行、T.マニアティス(T.Maniastis)ほか
著、モレキュラー クローニング、ア ラボラトリー
マニュアル(Molecular Cloning,A
Laboratory Manual)第75〜17
8頁に記載されている。
【0008】目的のDNA断片を選択する方法として
は、まず公知のDNAポリメラーゼのアミノ酸配列を比
較し、共通のアミノ酸配列を示す領域を基にしてオリゴ
デオキシリボヌクレオチドを合成する。ポリメラーゼの
アミノ酸配列については例えばジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリー(Journal of B
iological Chemistry)第264
巻、第4255〜4263頁(1989)に記載されて
いるものを参考にすることができる。
【0009】本発明者らは共通のアミノ酸配列に基づく
配列表の配列番号1及び配列番号2に示す2種のオリゴ
ヌクレオチドをプライマーとし、バチルス ステアロサ
ーモフィラスDNAを鋳型に用いて、PCR法により特
異的なDNA断片を増幅することを見出し、得られた断
片に塩基配列から推定されるアミノ酸配列が公知の他の
DNAポリメラーゼと類似していることを発見した。し
たがって、該DNA断片をプローブに用いてハイブリダ
イゼーションを行うことにより目的のDNAを選択する
ことができる。ハイブリダイゼーションによる選択の方
法自体は公知の方法、例えば前記モレキュラー クロー
ニング、ア ラボラトリー マニュアル、第309頁に
記載の方法を用いることができる。サザンハイブリダイ
ゼーション法により、目的のDNAポリメラーゼ遺伝子
がバチルス ステアロサーモフィラスDNAのどの制限
酵素断片上に存在するかを分析し、次に選択した制限酵
素例えばEcoRI、BamHI、HincII、Hi
ndIII、XhoI、PstI、PvuIIなどを用
いて分解したバチルス ステアロサーモフィラスDNA
をプラスミドベクターに組込む。プラスミドベクターと
しては公知のものが使用でき、例えばpUC18、pU
C19、pTV118Nなどが挙げられるがこれらに限
定されるものではない。また組込ませる手段についても
公知の方法が利用でき、DNAリガーゼを用いた酵素反
応で組込ませればよい。
【0010】次いで組換えプラスミドを宿主大腸菌に導
入させるが、宿主大腸菌としては、形質転換能を有する
ものであれば野生株、変異株のいずれも使用できるが、
制限系変異株で修飾系野生株(r,m)であること
が望ましい。導入の手段自体は公知の方法、例えば前記
モレキュラー クローニング、ア ラボラトリー マニ
ュアル 第250頁(1982)を用いることができ
る。このようにして目的のDNA断片を宿主に導入さ
せ、プラスミドベクターの特性、例えばpUC18の場
合アンピシリン耐性を有するコロニーを選択することに
よりクローン化されたDNAの集団を調製することがで
きる。次に上記集団の中から目的の断片を有するクロー
ンを選択する。選択の方法はベクターの種類によってコ
ロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイ
ゼーションを用いればよく、方法自体は公知のものであ
る。
【0011】選択した3種類のクローン体よりそれぞれ
が所有するHincII断片、HindIII断片、X
hoI断片について制限酵素分解により詳細な解析の結
果を基に上記3断片を試験管内で再編成し、一本の連続
したDNA断片とし、該DNA断片を発現ベクターpT
V118Nに組込んで目的のクローンを得た。該プラス
ミドをpUIF101と命名した。プラスミドpUIF
101を有する大腸菌を培養し、菌体の粗抽出液を得
た。該抽出液は60℃、20分処理後も十分量のDNA
ポリメラーゼ活性を示し、発現ベクターのみを有する大
腸菌粗抽出液ではこのような活性を有しないことより、
pUIF101上に耐熱性DNAポリメラーゼ産生情報
が存在し、かつ、大腸菌内で該情報を有する遺伝子が発
現していると結論した。
【0012】プラスミドpUIF101の構築工程を図
1に示す。DNAポリメラーゼ遺伝子はプラスミドpU
IF101の約3.5kbのNcoI断片にコードされ
ており、ジデオキシ法にて配列表の配列番号3に示され
る該NcoI断片の塩基配列を決定した。その結果、本
発明者らによって発明され平成4年4月6日に特許出願
された「DNAポリメラーゼ遺伝子」明細書に記載され
ている、バチルス カルドテナックス由来のDNAポリ
メラーゼ遺伝子の塩基配列と比べて、17箇所の塩基置
換、7塩基の欠失、及び1塩基の挿入が認められた。
【0013】pUIF101で形質転換された大腸菌で
最も増殖能のよかった宿主HB101を選択し、それは
Escherichia coli HB101/pU
IF101と表示して、工業技術院微生物工業技術研究
所に微工研菌寄第12239号(FERM P−122
39)として寄託されている。
【0014】pUIF101を保有する大腸菌を培養
し、耐熱性DNAポリメラーゼを大量に発現させた培養
菌体より耐熱性DNAポリメラーゼの採取を行うことが
できる。培養菌体より、例えば、超音波処理、熱処理、
ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロースカラムク
ロマトグラフィー、ホスホセルロースカラムクロマトグ
ラフィーの各処理を行い、DNAポリメラーゼをSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)で単一バンドを示すまで精製することができる。
【0015】得られたDNAポリメラーゼはSDS−P
AGEで約10万ダルトンの分子量を示すポリペプチド
であり、DNA合成活性、3′→5′エキソヌクレアー
ゼ活性のほかに5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有
している。
【0016】前述のバチルス カルドテナックス由来D
NAポリメラーゼ遺伝子との相同性、また分子量等より
前述NcoI断片中の配列表の配列番号4に示す翻訳可
能領域を、本発明のDNAポリメラーゼの構造遺伝子と
決定し、該DNAポリメラーゼの全アミノ酸配列を明ら
かにした。そのアミノ酸配列を配列表の配列番号5に示
す。その結果、前述のバチルス カルドテナックス由来
のDNAポリメラーゼのアミノ酸配列と比べて2アミノ
酸の置換及び1アミノ酸の欠失が認められた。
【0017】以上のようにして得られた形質転換体Es
cherichia coli HB 101/pUI
F101の培養液1mlから500単位のDNAポリメ
ラーゼが得られ、工業的な製造が可能になった。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 (1)バチルス ステアロサーモフィラス染色体DNA
の調製 バチルス ステアロサーモフィラス IAM 1100
1(ATCC8005)を1リットルのL培地(バクト
トリプトン10g/l)酵母エキス5g/l)NaCl
の5g/l、pH7.2)で65℃一夜振とう培養し、
集菌した菌体を4mlの25%ショ糖、0.05M ト
リス−HCl(pH8.0)に懸濁し、リゾチーム(5
mg/ml)を800μl加えて20℃1時間放置し
た。SET溶液〔20mM トリス−HCl(pH8.
0)、1mM EDTA、150mM NaCl〕を2
4ml加えた後、5%SDS溶液を4mlとプロティナ
ーゼK(10mg/ml)を400μl加えて37℃、
1時間放置した。フェノール抽出、クロロホルム抽出の
後、エタノールを加えて長鎖DNAを不溶化し、滅菌し
たつまようじで巻取って回収した。以上の操作により
1.7mgのDNAが得られた。
【0020】(2)PCRを用いた特異的DNA断片の
増幅 配列表の配列番号1及び配列番号2に示した2種類のオ
リゴデオキシリボヌクレオチドをそれぞれ100pmo
lとバチルス ステアロサーモフィラスDNA1ngを
用いて全量100μlで95℃30秒、55℃1分、7
2℃2分のPCRを30サイクル行った。5μlをとり
アガロースゲル電気泳動で分析した結果、600塩基対
のDNA断片が特異的に増幅していた。このDNA断片
をSmaIで開環したM13ファージmp18ベクター
に組込みジデオキシ法により塩基配列を分析した。
【0021】(3)ゲノミックサザン法による目的の遺
伝子の検索 バチルス ステアロサーモフィラスDNAを1つの酵素
につき5μg用いてEcoRI、BamHI、Hind
III、HincII、XhoI、PstI、PvuI
Iで分解し、アガロースゲル電気泳動に供した。ゲル中
のDNAをナイロン膜に移し、上記PCRにより得た6
00塩基対のDNA断片をプローブに用いてハイブリダ
イゼーションを行った。プローブはランダムプライミン
グ法により放射性標識した。ハイブリダイゼーションは
6×SSC、1%SDS、5×デンハーツ溶液、100
μg/ml子牛胸腺DNA中で65℃5時間行った。1
×SSC、0.1%SDS溶液中で1時間洗浄した後、
X線フィルムに感光し、オートラジオグラムをとった。
【0022】(4)DNAポリメラーゼ遺伝子を含むD
NA断片のクローン化 ゲノミックサザン分析で陽性を示したHindIII
(2.40kb)、HincII(1.45kb)及び
XhoI(2.1kb)DNA断片をプラスミドベクタ
ー中にクローン化するため、バチルス ステアロサーモ
フィラスDNAをそれぞれ100μgずつ、HindI
II、HincII、NXhoIで分解し、目的の大き
さのDNAをアガロースゲルより回収した。回収はガラ
スビーズ吸着法を用いた。pTV118Nプラスミドを
それぞれ同じ酵素で開環し、アルカリ性ホスファターゼ
で末端のリン酸基を除去したベクターを加えてDNAリ
ガーゼにより結合した後、大腸菌JM109に導入し
た。得られた組換体の集団の中からコロニーハイブリダ
イゼーションによって目的のクローンを選択した。ナイ
ロン膜上に生育させた組換体のコロニー50個〜200
個を0.5N 水酸化ナトリウム、1.5M 塩化ナト
リウム溶液で変性させた後、1M トリス−HCl、
1.5M 塩化ナトリウム(pH7.0)溶液で中和
し、紫外線照射でファージDNAを膜上に固定した。プ
ローブ調製及びハイブリダイゼーションの条件はゲノミ
ックサザン分析に準じた。
【0023】(5)クローン化断片に制限酵素分析及び
DNAポリメラーゼ遺伝子の再編成 得られた3種類のDNA断片について制限酵素地図を作
製した結果、上記3断片はHincII−HindII
I−XhoIの順にそれぞれ重なり合い、連続して染色
体DNA上に存在することが判明した。必要以外の連結
ができるだけ起こらないように制限酵素切断部位を選択
し、図1に示すように、3種のDNA断片とベクターp
TV118Nを同時に連結させ、DNAポリメラーゼ遺
伝子を含む約3.5kbのDNA断片を組込んだプラス
ミドを構築し、pUIF101と命名した。なお、図1
はpUIF101の構築を示す工程図である。次に該プ
ラスミドで大腸菌HB101株を形質転換し、形質転換
体Escherichia coli HB101/p
UIF101(FERM P−12239)を得た。
【0024】(6)形質転換体の培養及び粗抽出液の調
製 上記組換えプラスミドpUIF101を有する大腸菌H
B101(FERMP−12239)をアンピシリンが
100μg/mlの濃度で存在するL培地5mlに植菌
し37℃で培養した。培養液の濁度が0.6
(A600)のとき、誘導物質であるイソプロピル−β
−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加し、更に1
5時間培養を行った。培養液1mlから集菌し、50m
M トリス−HCl(pH8.0)、25%スクロース
溶液で洗浄した。同じ溶液に再溶解した後、同量のリシ
ス溶液〔50mMトリス−HCl(pH7.5)、25
%ショ糖、60mM スペルミジン・一塩酸、20mM
塩化ナトリウム、12mM DTT〕を加え、4℃で
45分間静置した。更に5%(w/v)トリトンX10
0(TritonX100)を20μl加え、37℃で
5分間静置した後、遠心分離により上清を回収し、60
℃、20分静置した後再度遠心分離した上清を回収し、
粗抽出液とした。
【0025】(7)DNAポリメラーゼ活性測定 反応溶液として67mM リン酸カリウム(pH7.
4)、6.7mM 塩化マグネシウム、1mM 2−メ
ルカプトエタノール、20μM 活性化DNA、33μ
M dATP、dCTP、dGTP、TTP、60nM
H〕TTPを用意し、この溶液150μlに対して
適当量の粗抽出液を加え、60℃、5分反応させた後、
50mM ピロリン酸、10%トリクロロ酢酸を1ml
加えて反応を停止させた。氷中で5分間静置した後、全
量をグラスフィルター上に移し、吸引ろ過した。10%
TCAで数回洗浄した後、70%エタノールで置換し、
フィルターを乾燥して液体シンチレーションカウンター
でフィルター上の放射活性を測定した。1mlの培養液
から500単位のDNAポリメラーゼが得られた。
【0026】(8)プラスミドpUIF101を導入し
た大腸菌による耐熱性DNAポリメラーゼの生産 大腸菌HB101/pUIF101の菌体3.0gより
精製を開始し、実施例1−(6)で示した方法により2
0mlの粗抽出液を得た。これらを60℃で30分間イ
ンキュベートした後、熱変性したタンパク質を遠心分離
した(12000rpm、10分)。この上清に硫酸ア
ンモニウムを加えていき、30〜80%飽和で沈殿する
画分をとってDE緩衝液〔50mM トリス−HCI
pH7.0、2mM 2−メルカプトエタノール、10
%グリセロール、4μM フェニルメタンスルホニルフ
ルオリド(PMSF)〕で透析した後、同じ緩衝液で平
衡化したDE52(ワットマン社)カラム15mlに添
加し0mM〜300mM NaClの直線濃度勾配で溶
出して分画し、実施例1−(7)に従ってDNAポリメ
ラーゼ活性を調べた。次に活性画分を集めてDE緩衝液
で透析し、DE緩衝液で平衡化したP−11(ワットマ
ン社)カラム15mlに添加した。次に0mM〜300
mM NaCl直線濃度勾配で溶出し活性画分を集め
た。P11画分の酵素標品をSDS−PAGEで分析し
たところ、分子量約10万ダルトンの単一バンドを与え
た。
【0027】実施例2 (1)DNAポリメラーゼの構造遺伝子を含むバチルス
ステアロサーモフィラス染色体DNA塩基配列の決定 ジデオキシ法により、配列表の配列番号3に示すpUI
F101のNcoI−NcoI断片の塩基配列を決定し
た。決定した塩基配列を前述のバチルス カルドテナッ
クス由来DNAポリメラーゼ遺伝子の塩基配列と比較し
構造遺伝子を推定することにより、バチルス ステアロ
サーモフィラスDNAポリメラーゼの全アミノ酸配列を
推定した。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明により
新規なDNAポリメラーゼの遺伝子構造が明らかとな
り、遺伝子工学研究用試薬として有用なDNAポリメラ
ーゼの遺伝子工学的製造法が提供された。
【0029】
【配列表】
【0030】 配列番号:1 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) アンチセンス:NO 配列の特徴:1−23 S primer 配列: GAYCCHAACY TSCARAAYAT HCC
23
【0031】 配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) アンチセンス:YES 配列の特徴:1−21 S primer 配列: KASNAKYTCR TCRTGNACYT G 2
【0032】 配列番号:3 配列の長さ:3246 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源:生物名:バチルス ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophi
lus) 株名:IAM11001(ATCC8005) 配列:
【0033】配列番号:4 配列の長さ:2628 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源:生物名:バチルス ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophi
lus) 株名:IAM11001(ATCC8005) 配列:
【0034】配列番号:5 配列の長さ:876 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【図面の簡単な説明】
【図1】pUIF101の構築を示す工程図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:07) (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 J.Bacteriol.,Vol. 145,No.1(1981)p.21−26 Abstracts of the Annual Meeting of the American Socie ty of Microbiolog y,No.90(1990)p.214 J.Biol.Chem.,Vol. 264,No.7(1989)p.4255−4263 FASEB(FED.AM.SOC. FOR EXP.BIOL.)JOUR NAL,Vol.6,No.1(1992, Jan.)p.A216 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/54 C12N 9/12 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG) Swissprot/PIR/GeneS eq

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号5に示されるアミノ酸
    配列をコードしていることを特徴とするDNAポリメラ
    ーゼ遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号4の塩基配列で示され
    る請求項1記載のDNAポリメラーゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】 プラスミドpUIF101より単離され
    請求項1記載のDNAポリメラーゼ遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のD
    NAポリメラーゼ遺伝子を組込んだプラスミドで形質転
    換した形質転換体を培養し、該培養物からDNAポリメ
    ラーゼを採取することを特徴とするDNAポリメラーゼ
    の製造方法。
JP13140092A 1992-04-27 1992-04-27 Dnaポリメラーゼ遺伝子 Expired - Fee Related JP3046142B2 (ja)

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