JP2001054387A - 改良されたrnaポリメラーゼ - Google Patents
改良されたrnaポリメラーゼInfo
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Abstract
することができるRNAポリメラーゼを提供する。 【解決手段】RNAポリメラーゼ活性を有するタンパク
質を構成するアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸
を付加、欠失、挿入もしくは置換により変異させたタン
パク質であって、改変前の該タンパク質に比して熱安定
性もしくは高温域での比活性が向上したことを特徴とす
る改変型RNAポリメラーゼ。
Description
ゼ活性を有するタンパク質を遺伝子工学的手法により改
変することにより得られる、熱安定性あるいは高温度域
での比活性が改変前の野生型RNAポリメラーゼに比し
て向上した改変型RNAポリメラーゼ、該RNAポリメ
ラーゼをコ−ドする遺伝子および該遺伝子を使用する該
RNAポリメラーゼの製造方法及びその用途に関する。
の転写発現に関するキー酵素として多くの研究がなさ
れ、様々な機能、性質が知られてきている。なかでもT
7、T3、K11及びSP6といったバクテリオファー
ジ由来のRNAポリメラーゼについては、大腸菌や高等
生物のRNAポリメラーゼとは異なり、単一のポリペプ
チド鎖のみで活性を発現することから、転写メカニズム
を解析するための格好の材料とされている。また、プロ
モーター配列を含む2本鎖DNAを鋳型に、NTPを基
質として、プロモーター下流の鋳型DNAに相補的な一
本鎖RNAを合成するという性質及びその際のプロモー
ター配列に対する認識が非常に厳密であるという性質か
ら、これらファージ由来のRNAポリメラーゼは、イン
・ヴィトロ(in vitro)でRNAを合成するための酵素
としても汎用されている。これにより合成されたRNA
は、多くの分子生物学的手法、例えばノーザンハイブリ
ダイゼーション、サザンハイブリダイゼーション時に用
いるRNAプローブ(リボプローブ)として、あるいは
細胞もしくは無細胞タンパク合成(翻訳)系に加えて、
翻訳される鋳型RNAとして利用されている。
の持つ、一定温度下にて鋳型DNAから多くのRNAコ
ピーを作り出す特性すなわち転写活性を利用して、例え
ば、NASBA法(Nucleic acid sequene-based ampli
fication method)、TMA法(Transcription mediate
d amplification method)と呼ばれる転写に基づく核酸
増幅方法や転写に基づいたシークエンス方法といった、
より複雑な系の方法が開発されている。
く核酸増幅方法は、RNAポリメラーゼ及び逆転写酵素
さらに必要によりRNA−DNA2本鎖のRNA部分の
みを分解するRNaseHを共存させ、これらの反応を
カップリングさせることにより、微量のRNAを増幅、
あるいは特定のRNAの有無を検出する方法である。こ
の方法は、DNAポリメラーゼを利用した核酸増幅反
応、いわゆるPCR法とは異なり、温度サイクルをかけ
ることなく一定温度にて、従って特別な機器を用いるこ
となく、短時間に目的核酸を増幅することが可能であ
り、これらの特徴から臨床診断用として広く用いられる
ことが期待されている。
際公開WO96/14434号公報)は、従来のいわゆ
るサンガー法あるいはダイデオキシ法と呼ばれるシーク
エンス方法において、DNAポリメラーゼ、2’−デオ
キシリボヌクレオシド−5’−トリフォスフェイト
(2’−dNTPs)及び2’、3’−ジデオキシリボ
ヌクレオシド−5’−トリフォスフェイト(2’、3’
−ddNTPs)の代わりにRNAポリメラーゼ、リボ
ヌクレオシド5’−トリフォスフェイト(rNTPs)
及び3’−デオキシリボヌクレオシド−5’−トリフォ
スフェイト(3’−dNTPs)を用いてシークエンス
を行う方法である。従来のDNAポリメラーゼを用いる
シークエンス方法では、PCR反応で得られた生成物
(DNA断片)をシークエンス反応に供する場合は、そ
の反応溶液中に存在する取り込まれなかったプライマー
及び2’dNTPsを除去することが必要であった。し
かしながら、このRNAポリメラーゼを用いた転写に基
づくシークエンス反応では、上述のプライマー及び2’
−dNTPsは反応の基質とはなり得ないため、PCR
生成物を直接シークエンス反応の鋳型として用いること
ができる。こうした理由から、この転写に基づくシーク
エンス法は、PCR反応からシークエンス反応までの工
程を自動化できる可能性を持つ画期的な方法として期待
されている。
うにRNAポリメラーゼが使用される反応系が複雑化
し、かつ用途が広がるなかで、RNAポリメラーゼの熱
安定性が低いこと及び/又は高温度域で反応することが
できないことが問題となっていた。
げることによりターゲットに対する特異性ひいては検出
感度の向上に繋がることが期待されるが、RNAポリメ
ラーゼが失活してしまうために不可能であった。また診
断に用いるキットの一構成物としての酵素の熱安定性の
向上は、輸送を容易にし、結果の再現性を向上させる意
味からも重要である。
いてもRNAポリメラーゼの熱安定性が低いために、P
CR生成物をシークエンス決定する際には、PCR反応
後にRNAポリメラーゼを追加することが必要となり、
自動機器を用いる場合における試薬の長期保存の観点か
ら、自動化する際の大きな障壁となりうることが考えら
れる。
熱安定性が高く、しかもより高い温度域で反応できるR
NAポリメラーゼが待ち望まれていた。
を達成するためにT7RNAポリメラーゼにおいて熱安
定性の向上した改変型RNAポリメラーゼを構築するこ
とを目的として鋭意検討した結果、野生型RNAポリメ
ラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を遺伝子工学的手法
により改変することで熱安定性を向上させることができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
なる。 (1)RNAポリメラーゼ活性を有するタンパク質を構
成するアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸を付
加、欠失、挿入もしくは置換により変異させたタンパク
質であって、改変前の該タンパク質に比して熱安定性も
しくは高温域での比活性が向上したことを特徴とする改
変型RNAポリメラーゼ。 (2)RNAポリメラーゼ活性を有するタンパク質が、
T7ファージ、T3ファージおよびK11ファージより
なる群から選択されるファージ由来のタンパク質である
(1)の改変型RNAポリメラーゼ。 (3)配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列の
少なくとも1個のアミノ酸を付加、欠失、挿入もしくは
置換により変異させてなる(1)の改変型RNAポリメ
ラーゼ。 (4)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、430番目のアミノ酸残基セリン、849番目のア
ミノ酸残基フェニルアラニンおよび880番目のアミノ
酸残基フェニルアラニンよりなる群から選ばれた少なく
とも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミ
ノ酸配列を有する(1)〜(3)のいずれかの改変型R
NAポリメラーゼ。 (5)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも430番目のアミノ酸残基セリンがプロ
リンに置換されたアミノ酸配列を有する(4)の改変型
RNAポリメラーゼ。 (6)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも849番目のアミノ酸残基フェニルアラ
ニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配列を有する
(4)の改変型RNAポリメラーゼ。 (7)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも880番目のアミノ酸残基フェニルアラ
ニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を有する
(4)の改変型RNAポリメラーゼ。 (8)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも430番目のアミノ酸残基セリン、84
9番目のアミノ酸残基フェニルアラニン、880番目の
アミノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、イ
ソロイシン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有す
る(4)の改変型RNAポリメラーゼ。 (9)T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、430番目のアミノ酸残基セリン、849番目のア
ミノ酸残基フェニルアラニン、880番目のアミノ酸残
基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、イソロイシ
ン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有する(4)
の改変型RNAポリメラーゼ。 (10)T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、850番目のアミノ酸残基フェニルアラニンもしく
は881番目のアミノ酸残基フェニルアラニンのうちの
少なくとも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され
たアミノ酸配列を有する(1)または(2)の改変型R
NAポリメラーゼ。 (11)T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも850番目のアミノ酸残基フェニルアラ
ニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配列を有する
(10)の改変型RNAポリメラーゼ。 (12)T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも881番目のアミノ酸残基フェニルアラ
ニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を有する(1
0)の改変型RNAポリメラーゼ。 (13)T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、少なくとも850番目のアミノ酸残基フェニルアラ
ニンがイソロイシンに置換され、かつ881番目のアミ
ノ酸残基フェニルアラニンがチロシンに置換されたアミ
ノ酸配列を有する(10)の改変型RNAポリメラー
ゼ。 (14)T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであっ
て、850番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがイソ
ロイシンに置換され、かつ881番目のアミノ酸残基フ
ェニルアラニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を
有する(10)の改変型RNAポリメラーゼ。 (15)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、453番目のアミノ酸残基セリン、872番目の
アミノ酸残基フェニルアラニンおよび903番目のアミ
ノ酸残基フェニルアラニンよりなる群から選ばれた少な
くとも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたア
ミノ酸配列を有する(1)または(2)の改変型RNA
ポリメラーゼ。 (16)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、少なくとも453番目のアミノ酸残基セリンがプ
ロリンに置換されたアミノ酸配列を有する(15)の改
変型RNAポリメラーゼ。 (17)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、少なくとも872番目のアミノ酸残基フェニルア
ラニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配列を有す
る(15)の改変型RNAポリメラーゼ。 (18)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、少なくとも903番目のアミノ酸残基フェニルア
ラニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を有する
(15)の改変型RNAポリメラーゼ。 (19)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、少なくとも453番目のアミノ酸残基セリン、8
72番目のアミノ酸残基フェニルアラニン、903番目
のアミノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、
イソロイシン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有
する(15)の改変型RNAポリメラーゼ。 (20)K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであ
って、453番目のアミノ酸残基セリン、872番目の
アミノ酸残基フェニルアラニン、903番目のアミノ酸
残基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、イソロイシ
ン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有する(1
5)の改変型RNAポリメラーゼ。 (21)(1)〜(20)のいずれかの改変型RNAポ
リメラーゼの少なくとも一部をコードする塩基配列を含
有することを特徴とするDNAフラグメント。 (22)(21)のDNAをベクタ−に挿入したことを
特徴とするDNA組換えベクタ−。 (23)(22)のDNA組換え発現ベクタ−を用いて
形質転換されたことを特徴とする組換え宿主細胞。 (24)宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)である
(23)の組換え宿主細胞。 (25)(23)または(24)の組換え宿主細胞を培
養しRNAポリメラーゼを採取することを特徴とする改
変型RNAポリメラーゼの製造方法。 (26)(1)〜(20)のいずれかの改変型RNAポ
リメラーゼを用いて恒温核酸増幅反応によりRNAを増
幅せしめることを特徴とするRNAを合成する方法。 (27)(1)〜(18)のいずれかの改変型RNAポ
リメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用試薬キッ
ト。
により使用されている一文字表記法を用いて説明する。
本発明において改変されるアミノ酸のみを記述すると、
セリン(S)、プロリン(P、フェニルアラニン(F)、チ
ロシン(Y)、イソロイシン(I)である。また、例えば、
S430Pの表記は、430番目のアミノ酸残基SをP
に置換させたことあるいは置換させた変異体(変異型酵
素)を意味し、さらにS430P+F849I+F88
0Yは、S430P、F849IおよびF880Yの3
種類の置換を含む三重変異体(三重変異型酵素)を意味
する。
ポリメラーゼ」とは、天然に存在する全てのRNAポリ
メラーゼを意味する。さらに、「野生型RNAポリメラ
ーゼ」は、対応する野生型RNAポリメラーゼの能力と
比較して、熱安定性を向上させることを目的とする改変
以外のアミノ酸の置換、挿入または欠失を、さらに有す
るものであることもできる。即ち、野生型RNAポリメ
ラーゼを人為的に上記以外の目的で改変したRNAポリ
メラーゼも、上記「野生型RNAポリメラーゼ」に含ま
れる。但し、そのようなアミノ酸の置換、挿入または欠
失は、RNAポリメラーゼとしての活性を維持する範囲
で、行われたものであることが適当である。さらに「野
生型RNAポリメラーゼ」としては、例えば、T7ファ
ージ、T3ファージ、K11ファージに由来するRNA
ポリメラーゼを挙げることができる。但し、これらのR
NAポリメラーゼに限定されるものではない。
野生型RNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸
が改変された熱安定性もしくは高温域での比活性の向上
したRNAポリメラーゼである。ここで、「熱安定性」
とは、例えば、0℃から100℃の温度下で、ある特定
の時間インキュベーションした場合に、インキュベーシ
ョン後の酵素が熱により失活せずに活性が残存している
こと、あるいは残存している酵素活性のインキュベーシ
ョン前に対する割合をいうものである。また、「高温域
での比活性」とは、例えば、37℃から100℃の温度
下で酵素活性を測定した場合における単位タンパク質重
量当たりの酵素活性をいうものである。
知の方法により実施することができる。具体的には、例
えば、付加によるタンパク質の機能を改変する方法とし
ては、Nature Biotechnology第17巻、第58〜61頁
(1999年)に記載されている。また、欠失による方
法としては、Biochem.Biophys.Res.Commun. 第248
巻、第2号、第372〜377頁、挿入による方法とし
ては、FEBS Lett.第442巻、第241〜245頁(1
999年)、置換による方法としては、NucleicAcids R
eserch 第26巻、第2号、第681〜683頁(19
98年)にそれぞれ記載されている。
ポリメラーゼ遺伝子を挿入した発現プラスミドpKKT7RNA
Pを構築し、次に、この発現プラスミドpKKT7RNAPを基に
T7RNAポリメラーゼの変異体を作製した。即ち、4
30番目のアミノ酸残基SをPに置換させた変異体S4
30Pを、また、同様に891番目のアミノ酸残基Fを
Iに置換させた変異体F849Iを、さらに同様に88
0番目のアミノ酸残基FをYに置換させた変異体F88
0Yを作製した。次にこれらの変異型酵素を精製し、そ
の熱安定性について調べた。
メラーゼのアミノ酸配列は、遺伝子配列データベースで
あるGeneBankより、accession No. M38308で登録されて
いるT7RNAポリメラーゼ遺伝子配列を若干訂正した
配列表・配列番号1及び配列番号2を基礎としている。
配列番号1及び配列番号2に示す配列の上段は塩基配
列、下段はその配列に対応するアミノ酸配列である。右
端の数字は、塩基配列の場合、開始コドンATGのAを
1として全長2652塩基よりなることを示し、またア
ミノ酸の番号は、T7RNAポリメラーゼの最初のM
(メチオニン)を1として全長883アミノ酸残基からな
っていることを示す。従って、本発明における野生型T
7RNAポリメラーゼのアミノ酸配列及び各アミノ酸に
付された番号は、この配列番号1及び配列番号2に示さ
れる配列及び番号のことである。
NAポリメラーゼは、本発明で目的とする改変以外のア
ミノ酸の置換、挿入または欠失をさらに有するものであ
ってもよい。従って、本発明の目的に基づいて変異を導
入すべき野生型RNAポリメラーゼが、野生型T7RN
Aポリメラーゼに別の変異を導入したものである場合、
特にそのような変異が、アミノ酸の挿入または欠失であ
る場合、それに応じて上記アミノ酸番号は変動し、図1
及び図2に示す番号とは異なったとしても、T7RNA
ポリメラーゼ活性を維持している限り、そのようなに挿
入または欠失を有するT7RNAポリメラーゼも本発明
の目的とする変異を導入する野生型T7RNAポリメラ
ーゼの範疇に含まれる。
ラーゼ以外のRNAポリメラーゼについてのアミノ酸配
列及び各アミノ酸に付された番号は、図1及び図2に示
されている配列及び番号である。さらに、本発明で目的
とする改変以外のアミノ酸の置換、挿入または欠失を、
さらに有するものであることもできる。従って、これら
のアミノ酸配列及びその番号に付いても、T7RNAポ
リメラーゼの場合と同様であり、アミノ酸の挿入または
欠失による変異がある場合、それに応じて上記アミノ酸
番号は変動するが、そのような一部に変異を有する野生
型のRNAポリメラーゼも本発明において本発明の目的
とする変異を導入する野生型RNAポリメラーゼの範疇
に含まれる。
ベクターは、T7ファージゲノミックDNA(シグマ
製)を鋳型にして、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子の
開始コドン領域に特異的なプライマーと終始コドン領域
に特異的なプライマーを用いてPCRを実施し、この増
幅産物を制限酵素にて消化した後、発現ベクターpKK223
-3(ファルマシア製)に導入することにより構築した。
この発現ベクターを用いて、大腸菌JM109に形質転
換することにより、T7RNAポリメラーゼ蛋白質を大
量に発現させることができる。
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)から精製したT7
RNAポリメラーゼは、in vitroでT7プロモーター
を含んだDNA存在下で充分なRNA合成活性を有して
いた。この発現プラスミドpKKT7RNAPをベースにして変
異型T7RNAポリメラーゼとして、上述のS430
P、F849I、F880Y及びそれらの置換を複数含
んだ多重変異体を構築した。これらの変異型T7RNA
ポリメラーゼを大腸菌組換え宿主より精製し、各変異型
酵素の熱安定性を野生型T7RNAポリメラーゼと比較
した。結果を表1に示す。表1に示すように、これらの
変異型酵素では、熱安定性の一つの指標である活性半減
期が野生型酵素に比べて大幅に向上していた。
T3及びK11ファージ由来のRNAポリメラーゼにお
いては、それらのアミノ酸配列は互いに極めて高いホモ
ロジーを有していることが知られている。図1及び図2
に、これら3種類のファージ由来RNAポリメラーゼの
アミノ酸配列を比較して示す。このように、T7、T
3、K11由来のRNAポリメラーゼは互いに極めて類
似しており、T7RNAポリメラーゼにおいて得られた
結果を、アミノ酸配列の類似する他のRNAポリメラー
ゼに適用することは比較的容易にできると考えられる。
即ち、図1及び図2から、T7ファージ由来のRNAポ
リメラーゼの430、849及び880番目のアミノ酸
残基に対応するアミノ酸残基は、T3ファージ由来のR
NAポリメラーゼではそれぞれ431、850及び88
1番目のアミノ酸残基であり、またK11ファージ由来
のRNAポリメラーゼではそれぞれ453、872及び
903番目のアミノ酸残基であり、従って、T3 RN
AポリメラーゼにおけるF850I及びF881Y変異
体、さらにK11 RNAポリメラーゼにおけるS45
3P、F872I及びF903Y変異体も、T7RNA
ポリメラーゼにおける変異体と同様に野生型に比べてよ
り高い熱安定性を有していることは容易に類推できる。
を製造する方法であって、RNAポリメラーゼをコード
する核酸分子を用意し、次いでその塩基配列内の1つま
たはそれ以上の部位における塩基を変異させるように該
核酸分子を改変し、次いで変異させた核酸分子により発
現される改変されたRNAポリメラーゼを回収すること
を含む方法を包含する。RNAポリメラーゼをコードす
る核酸分子の調製、核酸分子への突然変異の導入、改変
されたRNAポリメラーゼの精製はいずれも、公知の手
法を用いて行うことが出来る。
野生型T7RNAポリメラーゼ遺伝子をベースとして適
当な塩基を改変して変異型T7RNAポリメラーゼ遺伝
子を作製し、続いてこの遺伝子をベクターに導入し、発
現ベクターを構築する。次に、この発現ベクターを用い
て、宿主細胞を形質転換することにより変異型T7RN
Aポリメラーゼ蛋白質を大量に発現させることができ
る。
は、当業者がなし得る方法であればいかなる方法でもよ
いが、例えばサイトディレクテッドミュータジェネシス
法がある。
Aポリメラーゼのクローニング及び発現を可能とするも
のであればいかなるものでもよく、例えばファージ及び
プラスミドが挙げられる。プラスミドとしては、pUC
118,pUC18、pBR322、pBluescr
ipt、pLED−M1、p73、pGW7などが挙げ
られる。ファージとしては、例えばλgt11、λZA
PIIなどが挙げられる。
は、大腸菌、酵母、バチルス(Bacillus)属細菌などが
挙げられる。大腸菌としては、例えばエシェリヒア・コ
リDH5α、JM109、HB101、XL1Blu
e、PR1、BL21などが挙げられる。本発明におい
ては、上記の熱安定性の向上した改変型RNAポリメラ
ーゼをコードする遺伝子を上記ベクターに挿入して組換
え発現ベクターとし、さらにこの組換え発現ベクターに
て宿主細胞を形質転換する。
宿主細胞を培養して、熱安定性の向上した改変型RNA
ポリメラーゼを発現させる。組換え宿主細胞の培養に使
用する培地ならびに条件は常法に従う。具体例として
は、熱安定性の向上した改変型RNAポリメラーゼ遺伝
子を含むプラスミドにより形質転換された大腸菌を、例
えばTB培地にて培養する。
メラーゼの精製法としては、(a)組換え宿主を集めた
後、破砕して細胞抽出物を調製し、(b)宿主細胞由来
の不純タンパク質を除去する工程を含む。組換え宿主細
胞より産出された熱安定性の向上した改変型RNAポリ
メラーゼは、宿主菌体を培地で培養後、培養液から遠心
分離等にて分離、回収する。該菌体を緩衝液に再懸濁し
た後、超音波処理、ダイノミル・フレンチプレンス等に
より菌体を破砕する。次いでカラムクロマトグラフィー
を実施し、熱安定性の向上した改変型RNAポリメラー
ゼを回収する。カラムクロマトグラフィーは、陽イオン
交換体、例えば、フォスフォセルロース、あるいは陰イ
オン交換体、例えば、DEAEセファロース、あるいは
アフィニティー吸着体ヘパリンセファロースなどが好ま
しい。
は、例えば恒温核酸増幅反応により特定のRNAを増幅
せしめるのに特に有用である。ここで、恒温核酸増幅反
応とは、NASBA法、TMA法、3SR法(Self-sus
tained sequence replication method)、TAS法(Tr
anscription based amplification system method)な
どが挙げられる。
る。なお、以下の実施例において、T7 RNAポリメ
ラーゼ活性の測定は以下のように行なった。すなわち、
活性測定用緩衝液(40mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)、20mM塩化マグネシウム、5mMジチオス
レイトール、0.5mM rNTP、T7ゲノムDNA
(シグマD4931)、50μg/ml BSA、
[3H]rUTP(370kBq/μl))中で、酵素を3
7℃,10分間反応させたのち、合成されたRNAを酸
不溶性沈殿として回収し、シンチレーションカウンター
にて取り込まれた3H量を測定した。酵素活性の1単位
(U)は、この条件下で60分間に1ナノモルのrNTP
を酸不溶性沈殿画分に取り込ませる酵素量とした。
ゼ遺伝子のクローニングと発現プラスミドの構築 野生型RNAポリメラーゼの発現プラスミドは以下のよ
うにして構築した。すなわち、T7ファージゲノミック
DNA(シグマ製)を鋳型にして、T7RNAポリメラ
ーゼ遺伝子の開始コドン領域に特異的なプライマー(T7E
coATG : 5'-CGC GAA TTC ATG AAC ACG ATT AAC ATC GCT
-3’)、及び終始コドン領域に特異的なプライマー(T7T
erPstI: 5'-TTT CTG CAG TGG CGT TAC GCG AAC GCG AAG
-3’)を用いてPCRを実施し、T7 RNAポリメラ
ーゼをコードする遺伝子を増幅した。次に、この増幅産
物を制限酵素EcoRIとPstIにて消化した後、発
現プラスミドpKK223-3(ファルマシア製)の同制限酵素
サイトに導入しT7 RNAポリメラーゼの発現プラス
ミドを作製した。これをpKKT7RNAPと名付けた。なお、
得られたT7 RNAポリメラーゼ遺伝子の塩基配列に
関しては、発現プラスミド中の得られた遺伝子をシーク
エンス決定することにより、PCRにより増幅した際の
意図しない塩基置換が入っていないことを確認した。
ゼ遺伝子の作製 改変型T7 RNAポリメラーゼ遺伝子は、上記実施例
1で得られた野生型T7 RNAポリメラーゼ遺伝子に
点変異を導入することにより行った。点変異の導入はク
イックチェインジミュータジェネシスキット(ストラタ
ジーン社製)および点変異導入用オリゴヌクレオチドを
用いて、説明書の指示に従い行った。S430P、F8
49I及びF880Yのための点変異の導入は、変異導
入用のプライマーを変えること以外は基本的に同じ条件
にて実施できる。以下に一例として、T7 RNAポリ
メラーゼ遺伝子の1288番目の塩基であるTをCに置
換した(その結果、430番目のアミノ酸残基SがPに
置換される)変異型遺伝子S430Pを作製した際の条
件を示す。
(5'-GTT TAC GCT GTG CCA ATG TTCAAC CCG CAA-3'及び
5'-TTG CGG GTT GAA CAT TGG CAC AGC GTA AAC-3')各
125ng、上記キット添付の反応用緩衝液5μl、1
0mM dNTPmix 1μl、Pfu DNAポリ
メラーゼ2.5Uを含む50μlの溶液を、95℃で3
0秒間インキュベートした後、95℃、30秒/55
℃、1分/68℃、12分の温度サイクルを12サイク
ル実施した。温度サイクル終了後、反応液に制限酵素D
pnI 10Uを添加し、37℃で1時間インキュベー
トした。次にこの反応液1μlをエシェリヒア・コリJ
M109株コンピテントセル100μlに加え、30分
間氷冷した後、42℃で30秒間インキュベートし、9
00μlのSOC培地を加え37℃で1時間インキュベ
ートした。これに50μg/mlのアンピシリンを含む
LB寒天培地上にスプレッドし、37℃で一晩インキュ
ベートした。得られたコロニーをLB培地2.5mlに
て一晩培養した後、定法に従いプラスミドを抽出した。
最後に、これらのプラスミドの当該領域のシークエンス
を行い、1288番目のTがCに置換されているクロー
ンを取得し、pKKT7S430Pと名付けた。
ーとして5'-TTC TAC GAC CAG ATC GCT GAC CAG TTG CAC
-3'及び 5'-GTG CAA CTG GTC AGC GAT CTG GTC GTA GAA
-3'を用いることにより2545番目のTをAに置換し
た(結果として、849番目のFがIに置換される)遺
伝子を含む発現プラスミド(pKKT7F849I)、5'-TCT TAG
AGT CGG ACT ACG CGT TCG CGT AAC-3'及び 5'-GTT ACG
CGA ACG CGT AGT CCGACT CTA AGA-3'を用いることによ
り2639番目のTをAに置換した(結果として、88
0番目のFがYに置換される)遺伝子を含む発現プラス
ミド(pKKT7F880Y)を作製した。さらに、これらの3種
類の変異を複数含む変異型遺伝子に関しては、変異を含
む領域を制限酵素にて切り出し、他の変異を含む発現プ
ラスミドの同領域と入れ替えることにより作製した。
M109コンピテントセル100μlに加え、30分間
氷冷した後、42℃で30秒間インキュベートし、90
0μlのSOC培地を加え、37℃で1時間インキュベ
ートした。これを50μg/mlのアンピシリンを含む
LB寒天培地上にて37℃で一晩インキュベートし、形
質転換体を得た。
Aポリメラーゼの精製 野生型及び各種改変型T7RNAポリメラーゼは基本的
に同じ方法にて精製、調製することができる。実施例3
で得られた各形質転換体を100μg/mlのアンピシ
リンを含むTB培地100mlに植菌し、37℃で一晩
インキュベートした。得られた菌体を12,000回転
/分で5分間遠心することにより回収した。菌体約10
gをバッファー1(20mMトリス−塩酸(pH8.
0),1mM EDTA、1mMジチオスレイトール, 5
%グリセロール)20mlに懸濁し、これを超音波破砕
機で破砕した後、12000回転/分で20分間遠心す
ることにより沈殿を分離した。得られた上清に0.6%
ポリエチレンイミン溶液を0.4ml添加し、30分間
攪拌した。これを12000回転/分で10分間遠心す
ることにより沈殿を分離し、上清を回収した。この液に
硫酸アンモニウムを4.56g加え、30分間攪拌した
後、これを12000回転/分で10分間遠心すること
により沈殿を分離し回収した。得られた沈殿をバッファ
ー2(20mMトリス−塩酸(pH8.0),1mM E
DTA、1mMジチオスレイトール、20mM NaC
l、5%グリセロール)5mlに溶解し、100mlの
バッファー2に対して透析した。次に、これをDEAE
セファロースカラム(5ml)にチャージし、10ml
のバッファー2で洗浄後、NaClの0〜500mMの
グラジエントにより溶出した。得られたフラクションの
うち、RNAポリメラーゼ活性を含む画分をプールし、
100mlのバッファー2に対して透析した。次に、こ
れをフォスフォセルロースカラム(5ml)にチャージ
し、15mlのバッファー2で洗浄後、バッファー2を
ベースとしてNaCl濃度の100〜400mMのグラ
ジェントにより溶出した。得られたフラクションのう
ち、RNAポリメラーゼ活性を含む画分を回収した。以
上の操作で、SDS−PAGEによりほぼ単一なバンド
を示す10mgのT7RNAポリメラーゼタンパク質を
得た。
期の測定 熱安定性の指標の一つである活性半減期(ある温度でイ
ンキュベートした際に活性が半減するまでの時間)の測
定は以下のようにして実施した。すなわち 40mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8.0)、20mM塩化マグネシ
ウム、5mMジチオスレイトール、70mM KCl、
100μg/ml BSAからなる緩衝液中、酵素を4
8℃にてインキュベートし、一定の時間間隔ごとにサン
プリングを行い、各サンプリング時点での残存活性を測
定した。野生型および各種改変型T7 RNAポリメラ
ーゼを48℃でインキュベートした際の残存活性を経時
的に測定した結果を図3に示す。また、図3から導き出
される野生型及び各変異型酵素の活性半減期を表1に示
す。
ートした場合に、酵素活性が半減するまでの時間(mi
n)を示しており、数値が大きいほどその酵素の熱安定
性が高いことを示している。図3及び表1から、各変異
型酵素はいずれも野生型酵素に比してより高い熱安定性
を有していることがわかる。また今回作製した変異型酵
素の中では、S430P、F849I及びF880Yの
3箇所の変異を全て含む三重変異型酵素(S430P+
F849I+F880Y)が最も熱安定性に優れてい
る。
itro転写反応 野生型及び各変異型酵素のin vitro転写反応は以下のよ
うに実施した。即ち、野生型及び各変異型酵素各50U
を、40mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、20m
M塩化マグネシウム、5mMジチオスレイトール、0.
4mMrNTP、0.1%BSA、0.5μg pUC
T7−1からなる転写反応バッファー50μlに加え、
37、45、48、51℃の各温度にて1時間反応させ
た。ここでpUCT7−1は、T7プロモーターの下流
に約1.5kbpのDNAフラグメントが連結されたプ
ラスミドDNAであり、T7 RNAポリメラーゼによ
り転写されると約1.5KbpのRNAが合成されるも
のである。1時間の反応の後、反応液のうちの3μlを
0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、合成されたR
NAの有無、量を測定した。その0.7%アガロースゲ
ル電気泳動の結果を図4に示す。なお各レーンに付され
ているナンバーは上記表1における各変異体のナンバー
に相当する。図4より、変異型酵素、特にNo.8の三
重変異体(S430P+F849I+F880Y)は、
より高い反応温度でも合成された転写産物(RNA)の
バンドを確認でき、野生型に比してより高い温度下でも
活性を有していることが確認できる。
温度での比活性測定 各温度での比活性の測定は以下のようにして実施した。
すなわち、野生型及び改変型酵素を、予め以下の温度に
保った活性測定緩衝液(40mMトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)、20mM塩化マグネシウム、5mMジチ
オスレイトール、0.5mM rNTP、T7ファージ
ゲノムDNA(シグマD4931)、50ug/ml
BSA、[3H]rUTP(370kBq/ul)に加え、
37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、6
5℃にて10分間反応させ、各温度における活性を測定
した。また、各酵素のタンパク質濃度は、プロテインア
ッセイキット(バイオラッド社製)を用いて、キット付
属のイムノグロブリンガンマ(IgG)を標準タンパク
質として用いて測定した。比活性(SA)は、単位タン
パク質重量当たりの酵素活性のことであり、活性量を酵
素タンパク量で割ることにより算出できる。野生型およ
び三重変異型酵素(S430P+F849I+F880
Y)の各温度での比活性を測定した結果を図5に示す。
図5より、改変型酵素は、野生型酵素に比べて各温度全
般にわたって高い比活性を有しており、特に高温域での
比活性に優れており、とりわけ50℃での比活性は野生
型の約12倍もの値を有していることが判る。
る改変型RNAポリメラーゼは、野生型に比べて熱安定
性及び特に高温度域での比活性が向上しており、従来の
野生型RNAポリメラーゼでは使用できなかった高温度
下における反応に用いることができる。
ジ由来のRNAポリメラーゼのアミノ酸配列を比較した
図である(前半部)。各段の最下行のアスタリスク
(*)は、3種類のファージ由来のRNAポリメラーゼ
に共通しているアミノ酸であることを示している。
ジ由来のRNAポリメラーゼのアミノ酸配列を比較した
図である(後半部)。各段の最下行のアスタリスク
(*)は、3種類のファージ由来のRNAポリメラーゼ
に共通しているアミノ酸であることを示している。
異型酵素の熱安定性を比較した図である。野生型及び各
変異型酵素を48℃にてインキュベートし、経時的にサ
ンプリングして残存活性を測定したものである。
異型酵素のin vitro転写活性を反応温度を37、45、
48及び51℃の条件で測定したものである。T7プロ
モーターを含むプラスミドに野生型及び各変異型酵素を
加え、各温度にて1時間反応させた後、合成(転写)さ
れたRNAを0.7%アガロースゲル電気泳動により調
べたものである。
酵素(S430P+F849I+F880Y)の37〜
65℃での比活性を比較した図である。
Claims (27)
- 【請求項1】 RNAポリメラーゼ活性を有するタンパ
ク質を構成するアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ
酸を付加、欠失、挿入もしくは置換により変異させたタ
ンパク質であって、改変前の該タンパク質に比して熱安
定性もしくは高温域での比活性が向上したことを特徴と
する改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項2】 RNAポリメラーゼ活性を有するタンパ
ク質が、T7ファージ、T3ファージおよびK11ファ
ージよりなる群から選択されるファージ由来のタンパク
質である請求項1記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項3】 配列表・配列番号1に記載されるアミノ
酸配列の少なくとも1個のアミノ酸を付加、欠失、挿入
もしくは置換により変異させてなる請求項1記載の改変
型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項4】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、430番目のアミノ酸残基セリン、849番
目のアミノ酸残基フェニルアラニンおよび880番目の
アミノ酸残基フェニルアラニンよりなる群から選ばれた
少なくとも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され
たアミノ酸配列を有する請求項1〜3のいずれかに記載
の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項5】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、少なくとも430番目のアミノ酸残基セリン
がプロリンに置換されたアミノ酸配列を有する請求項4
記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項6】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、少なくとも849番目のアミノ酸残基フェニ
ルアラニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配列を
有する請求項4記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項7】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、少なくとも880番目のアミノ酸残基フェニ
ルアラニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を有す
る請求項4記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項8】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、少なくとも430番目のアミノ酸残基セリ
ン、849番目のアミノ酸残基フェニルアラニン、88
0番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプロ
リン、イソロイシン、チロシンに置換されたアミノ酸配
列を有する請求項4記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項9】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
であって、430番目のアミノ酸残基セリン、849番
目のアミノ酸残基フェニルアラニン、880番目のアミ
ノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、イソロ
イシン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有する請
求項4記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項10】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
ゼであって、850番目のアミノ酸残基フェニルアラニ
ンもしくは881番目のアミノ酸残基フェニルアラニン
のうちの少なくとも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に
置換されたアミノ酸配列を有する請求項1または2に記
載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項11】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
ゼであって、少なくとも850番目のアミノ酸残基フェ
ニルアラニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配列
を有する請求項10記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項12】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
ゼであって、少なくとも881番目のアミノ酸残基フェ
ニルアラニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を有
する請求項10記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項13】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
ゼであって、少なくとも850番目のアミノ酸残基フェ
ニルアラニンがイソロイシンに置換され、かつ881番
目のアミノ酸残基フェニルアラニンがチロシンに置換さ
れたアミノ酸配列を有する請求項10記載の改変型RN
Aポリメラーゼ。 - 【請求項14】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
ゼであって、850番目のアミノ酸残基フェニルアラニ
ンがイソロイシンに置換され、かつ881番目のアミノ
酸残基フェニルアラニンがチロシンに置換されたアミノ
酸配列を有する請求項10記載の改変型RNAポリメラ
ーゼ。 - 【請求項15】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、453番目のアミノ酸残基セリン、87
2番目のアミノ酸残基フェニルアラニンおよび903番
目のアミノ酸残基フェニルアラニンよりなる群から選ば
れた少なくとも1箇所のアミノ酸が他のアミノ酸に置換
されたアミノ酸配列を有する請求項1または2に記載の
改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項16】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、少なくとも453番目のアミノ酸残基セ
リンがプロリンに置換されたアミノ酸配列を有する請求
項15記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項17】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、少なくとも872番目のアミノ酸残基フ
ェニルアラニンがイソロイシンに置換されたアミノ酸配
列を有する請求項15記載の改変型RNAポリメラー
ゼ。 - 【請求項18】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、少なくとも903番目のアミノ酸残基フ
ェニルアラニンがチロシンに置換されたアミノ酸配列を
有する請求項15記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項19】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、少なくとも453番目のアミノ酸残基セ
リン、872番目のアミノ酸残基フェニルアラニン、9
03番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプ
ロリン、イソロイシン、チロシンに置換されたアミノ酸
配列を有する請求項15記載の改変型RNAポリメラー
ゼ。 - 【請求項20】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであって、453番目のアミノ酸残基セリン、87
2番目のアミノ酸残基フェニルアラニン、903番目の
アミノ酸残基フェニルアラニンがそれぞれプロリン、イ
ソロイシン、チロシンに置換されたアミノ酸配列を有す
る請求項15記載の改変型RNAポリメラーゼ。 - 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の改
変型RNAポリメラーゼの少なくとも一部をコードする
塩基配列を含有することを特徴とするDNAフラグメン
ト。 - 【請求項22】 請求項21記載のDNAをベクタ−に
挿入したことを特徴とするDNA組換えベクタ−。 - 【請求項23】 請求項22記載のDNA組換え発現ベ
クタ−を用いて形質転換されたことを特徴とする組換え
宿主細胞。 - 【請求項24】 宿主細胞が大腸菌(Escherichia col
i)である請求項23記載の組換え宿主細胞。 - 【請求項25】 請求項23または24に記載の組換え
宿主細胞を培養しRNAポリメラーゼを採取することを
特徴とする改変型RNAポリメラーゼの製造方法。 - 【請求項26】 請求項1〜20のいずれかに記載の改
変型RNAポリメラーゼを用いて恒温核酸増幅反応によ
りRNAを増幅せしめることを特徴とするRNAを合成
する方法。 - 【請求項27】 請求項1〜18のいずれかに記載の改
変型RNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増
幅用試薬キット。
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-
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- 1999-08-17 JP JP23062999A patent/JP4399684B2/ja not_active Expired - Lifetime
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