JP2001178453A - N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法 - Google Patents
N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法Info
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- JP2001178453A JP2001178453A JP36812799A JP36812799A JP2001178453A JP 2001178453 A JP2001178453 A JP 2001178453A JP 36812799 A JP36812799 A JP 36812799A JP 36812799 A JP36812799 A JP 36812799A JP 2001178453 A JP2001178453 A JP 2001178453A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼを可溶性タンパク質として大腸菌で発現させ、安価
に効率よく生産する方法を提供する。 【解決手段】 マルトース結合性タンパク質(MBP)
をコードするDNAおよびN−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼ(GnT)をコードするDNAがそ
れらの融合タンパク質として発現するように連結された
キメラDNAを含む発現ベクターで大腸菌を形質転換
し、該形質転換体を培養して該融合タンパク質を可溶性
タンパク質として生成させ、MBPの特異的親和性を利
用して培養物から該融合タンパク質を精製することを特
徴とするMBP−GnT融合タンパク質の製造方法。さ
らに、該融合タンパク質からMBP部分を除去してGn
Tを採取することを特徴とするGnTの製造方法。
ーゼを可溶性タンパク質として大腸菌で発現させ、安価
に効率よく生産する方法を提供する。 【解決手段】 マルトース結合性タンパク質(MBP)
をコードするDNAおよびN−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼ(GnT)をコードするDNAがそ
れらの融合タンパク質として発現するように連結された
キメラDNAを含む発現ベクターで大腸菌を形質転換
し、該形質転換体を培養して該融合タンパク質を可溶性
タンパク質として生成させ、MBPの特異的親和性を利
用して培養物から該融合タンパク質を精製することを特
徴とするMBP−GnT融合タンパク質の製造方法。さ
らに、該融合タンパク質からMBP部分を除去してGn
Tを採取することを特徴とするGnTの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖タンパク質プロ
セッシング酵素の一種であるN−アセチルグルコサミニ
ルトランスフェラーゼを安価に、効率よく生産する方法
に関する。詳細には、大腸菌体内でN−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼを融合タンパク質として製
造する方法に関する。
セッシング酵素の一種であるN−アセチルグルコサミニ
ルトランスフェラーゼを安価に、効率よく生産する方法
に関する。詳細には、大腸菌体内でN−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼを融合タンパク質として製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高等生物由来の糖タンパク質、糖
脂質などの複合糖質中の糖鎖部分の構造と機能に関する
関心が高まっており、その研究が盛んに行われている。
動物細胞において、糖タンパク質は細胞内オルガネラ成
分、細胞表層成分、分泌糖タンパク質などとして存在し
ている。糖鎖の機能として知られているものとして次の
ようなことが挙げられる。一つは、糖鎖による熱安定
性、親水性、電荷、プロテアーゼ耐性などの物理的性質
の付与である。糖タンパク質の糖鎖構造はそのタンパク
質によって異なり、さらに同一タンパク質でも種特異
的、組織特異的に異なっている。糖鎖は糖転移酵素によ
って生合成される。糖転移酵素は糖ヌクレオチドを糖供
与体として、受容体となる糖鎖に糖を転移し、糖鎖伸長
を行う酵素である。その受容体の糖鎖構造に対する特異
性は厳密であり、通常、1つのグリコシド結合は対応す
る1つの糖転移酵素によって形成されると言われてい
る。糖転移酵素は複合糖質の糖鎖部分の構造研究、特定
の糖鎖構造の簡便な合成、天然の糖鎖構造の修飾に利用
されている。
脂質などの複合糖質中の糖鎖部分の構造と機能に関する
関心が高まっており、その研究が盛んに行われている。
動物細胞において、糖タンパク質は細胞内オルガネラ成
分、細胞表層成分、分泌糖タンパク質などとして存在し
ている。糖鎖の機能として知られているものとして次の
ようなことが挙げられる。一つは、糖鎖による熱安定
性、親水性、電荷、プロテアーゼ耐性などの物理的性質
の付与である。糖タンパク質の糖鎖構造はそのタンパク
質によって異なり、さらに同一タンパク質でも種特異
的、組織特異的に異なっている。糖鎖は糖転移酵素によ
って生合成される。糖転移酵素は糖ヌクレオチドを糖供
与体として、受容体となる糖鎖に糖を転移し、糖鎖伸長
を行う酵素である。その受容体の糖鎖構造に対する特異
性は厳密であり、通常、1つのグリコシド結合は対応す
る1つの糖転移酵素によって形成されると言われてい
る。糖転移酵素は複合糖質の糖鎖部分の構造研究、特定
の糖鎖構造の簡便な合成、天然の糖鎖構造の修飾に利用
されている。
【0003】近年、糖鎖構造が明らかにされるにつれ、
その生理機能が生化学的に明らかにされてきた。糖タン
パク質の糖鎖は、動物細胞の場合は、D−マンノース、
D−ガラクトース、L−フコースなどの中性糖、N−ア
セチル−D−グルコサミン(GlcNAc)、N−アセ
チル−D−ガラクトサミンなどのアミノ糖、およびシア
ル酸を構成成分としている。これらの糖鎖は、構造的に
ポリペプチドのセリン、スレオニンあるいはヒドロキシ
リシンのヒドロキシル基にO−グリコシド結合でついた
ムチン型と、アスパラギンのアミノ基にN−グリコシド
結合でついたアスパラギン結合型に分類される。アスパ
ラギン結合型糖鎖は構造上の規則性が高く、3つのサブ
グループ(高マンノース型、複合型、混成型)に分類さ
れている。動物細胞の中でも高等真核生物では主に複合
型糖鎖が認められる。
その生理機能が生化学的に明らかにされてきた。糖タン
パク質の糖鎖は、動物細胞の場合は、D−マンノース、
D−ガラクトース、L−フコースなどの中性糖、N−ア
セチル−D−グルコサミン(GlcNAc)、N−アセ
チル−D−ガラクトサミンなどのアミノ糖、およびシア
ル酸を構成成分としている。これらの糖鎖は、構造的に
ポリペプチドのセリン、スレオニンあるいはヒドロキシ
リシンのヒドロキシル基にO−グリコシド結合でついた
ムチン型と、アスパラギンのアミノ基にN−グリコシド
結合でついたアスパラギン結合型に分類される。アスパ
ラギン結合型糖鎖は構造上の規則性が高く、3つのサブ
グループ(高マンノース型、複合型、混成型)に分類さ
れている。動物細胞の中でも高等真核生物では主に複合
型糖鎖が認められる。
【0004】N−アセチルグルコサミニルトランスフェ
ラーゼ(以下、GnTと略称する場合もある)は、糖ヌ
クレオチドのUDP−GlcNAcを糖供与体とし、受
容体基質である糖鎖にGlcNAcを転移して新たなグ
リコシド結合を生合成する酵素で、糖タンパク質の糖鎖
生合成に関与しているものだけでも10種以上あると思
われる。
ラーゼ(以下、GnTと略称する場合もある)は、糖ヌ
クレオチドのUDP−GlcNAcを糖供与体とし、受
容体基質である糖鎖にGlcNAcを転移して新たなグ
リコシド結合を生合成する酵素で、糖タンパク質の糖鎖
生合成に関与しているものだけでも10種以上あると思
われる。
【0005】アスパラギン型糖鎖の生合成に関与するN
−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとして
は、現在までに、GlcNAcが付加される位置により
GnTIからVIが知られている。このうち、これまでに
遺伝子がクローニングされているものは、GnTI、I
I、III 、IVおよびVである。これらGnT群は、非常
に多様なアスパラギン型糖鎖のコア構造の形成に不可欠
である。このようなN−アセチルグルコサミニルトラン
スフェラーゼは、動物に限らず、植物や線虫にも存在す
ることが知られている。
−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとして
は、現在までに、GlcNAcが付加される位置により
GnTIからVIが知られている。このうち、これまでに
遺伝子がクローニングされているものは、GnTI、I
I、III 、IVおよびVである。これらGnT群は、非常
に多様なアスパラギン型糖鎖のコア構造の形成に不可欠
である。このようなN−アセチルグルコサミニルトラン
スフェラーゼは、動物に限らず、植物や線虫にも存在す
ることが知られている。
【0006】N−アセチルグルコサミニルトランスフェ
ラーゼは各種動物の臓器から分離精製されている。しか
し、臓器の入手は困難であり、かつ単一のタンパク質に
まで精製しようとすると非常に手間がかかることから、
遺伝子組換えによる生産が期待されている。
ラーゼは各種動物の臓器から分離精製されている。しか
し、臓器の入手は困難であり、かつ単一のタンパク質に
まで精製しようとすると非常に手間がかかることから、
遺伝子組換えによる生産が期待されている。
【0007】該酵素をコードするcDNAは各種組織よ
り単離されている。例えば、ヒト由来β1,2−N−ア
セチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(=GnT
I)はヒト培養細胞からKumar らによって単離されてお
り(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 9948 (1990)
)、また、ウサギGnTIはウサギの肝臓からSarkar
らによって単離されている(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 88, 234 (1991))。
り単離されている。例えば、ヒト由来β1,2−N−ア
セチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(=GnT
I)はヒト培養細胞からKumar らによって単離されてお
り(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 9948 (1990)
)、また、ウサギGnTIはウサギの肝臓からSarkar
らによって単離されている(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 88, 234 (1991))。
【0008】組換えタンパク質の大量生産には、コスト
的な点を考慮すれば、細菌や酵母などの微生物で該タン
パク質を発現させる方法が有利である。Nishiuらは、ラ
ット由来GnTを大腸菌により発現させたことを報告し
ている(Biosci. Biotech. Biochem., 59(9), 1750-175
2, (1995) )。しかしながら、この発現系では、発現し
たタンパク質の多くが不溶性の封入体(inclusion bod
y)として存在することがあり、精製に先立って可溶化
・再生(renaturation)の工程を必要とするので、効率
的とは言えなかった。さらに、一部可溶性タンパク質と
して発現したGnTについても、それを高純度で得るた
めには、各種クロマトグラフィー処理を含む多くの精製
工程が必要であり、多大な時間およびコストがかかるた
めに、商業生産用の発現系としては十分ではなかった。
的な点を考慮すれば、細菌や酵母などの微生物で該タン
パク質を発現させる方法が有利である。Nishiuらは、ラ
ット由来GnTを大腸菌により発現させたことを報告し
ている(Biosci. Biotech. Biochem., 59(9), 1750-175
2, (1995) )。しかしながら、この発現系では、発現し
たタンパク質の多くが不溶性の封入体(inclusion bod
y)として存在することがあり、精製に先立って可溶化
・再生(renaturation)の工程を必要とするので、効率
的とは言えなかった。さらに、一部可溶性タンパク質と
して発現したGnTについても、それを高純度で得るた
めには、各種クロマトグラフィー処理を含む多くの精製
工程が必要であり、多大な時間およびコストがかかるた
めに、商業生産用の発現系としては十分ではなかった。
【0009】一方、目的とする遺伝子を大量に発現さ
せ、かつ、発現産物の精製を容易にする方法として、目
的タンパク質をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ
(GST)やプロテインAなどとの融合タンパク質とし
て発現させる方法がある。該方法では、GSTとの融合
タンパク質は、グルタチオンをリガンドとするアフィニ
ティーカラムクロマトグラフィーにより、また、プロテ
インAとの融合タンパク質はIgGをリガンドとするア
フィニティーカラムクロマトグラフィーにより、それぞ
れ容易に精製することができる。しかしながら、この方
法を用いた場合、前記と同様に封入体を生成する可能性
が高い。
せ、かつ、発現産物の精製を容易にする方法として、目
的タンパク質をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ
(GST)やプロテインAなどとの融合タンパク質とし
て発現させる方法がある。該方法では、GSTとの融合
タンパク質は、グルタチオンをリガンドとするアフィニ
ティーカラムクロマトグラフィーにより、また、プロテ
インAとの融合タンパク質はIgGをリガンドとするア
フィニティーカラムクロマトグラフィーにより、それぞ
れ容易に精製することができる。しかしながら、この方
法を用いた場合、前記と同様に封入体を生成する可能性
が高い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラー
ゼを大腸菌で可溶性タンパク質として、且つ容易に精製
し得る形態で発現させることにより、該酵素をより安価
に、より大量に生産する方法を提供することである。
目的は、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラー
ゼを大腸菌で可溶性タンパク質として、且つ容易に精製
し得る形態で発現させることにより、該酵素をより安価
に、より大量に生産する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、遺伝子操作により、
GnT、特にGnTIを、マルトース結合タンパク質
(以下、MBPと略称する場合もある)との融合タンパ
ク質として大腸菌で発現させると、N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼを可溶性タンパク質として
得ることができ、また、該タンパク質はMBPの特異的
親和性を利用したアフィニティークロマトグラフィーに
よって容易に精製できることを見出した。さらに、本発
明者らは、MBPとGnTとの融合部位の配列を特異的
に切断するプロテアーゼにより、該融合タンパク質から
GnTを取得して本発明を完成するに至った。
解決するために鋭意検討した結果、遺伝子操作により、
GnT、特にGnTIを、マルトース結合タンパク質
(以下、MBPと略称する場合もある)との融合タンパ
ク質として大腸菌で発現させると、N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼを可溶性タンパク質として
得ることができ、また、該タンパク質はMBPの特異的
親和性を利用したアフィニティークロマトグラフィーに
よって容易に精製できることを見出した。さらに、本発
明者らは、MBPとGnTとの融合部位の配列を特異的
に切断するプロテアーゼにより、該融合タンパク質から
GnTを取得して本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は以下の通りである。 1.以下の工程: (1) MBPをコードするDNAとGnTをコードするD
NAが、該両タンパク質の融合タンパク質として発現す
るように連結され、且つ大腸菌で機能し得るプロモータ
ーの制御下におかれた発現ベクターで大腸菌を形質転換
し、(2) 得られる形質転換体を培養して、MBPとGn
Tとの融合タンパク質を可溶性タンパク質として生成さ
せ、(3) 得られる培養物から、MBPの有する特異的親
和性を用いて該融合タンパク質を分離する、を含むMB
P−GnT融合タンパク質の製造方法。 2.GnTがGnTIである上記1の方法。 3.GnTがヒト由来である上記1または2の方法。 4.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号3
0〜425で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配
列、好ましくは配列表配列番号1に示される塩基配列
中、少なくとも塩基番号88〜1275で示される塩基
配列を含む上記2の方法。 5.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列から該タンパク質の膜貫通部位
の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除したア
ミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列表配
列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜貫通
部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコード
する塩基配列を削除した塩基配列を含む上記2の方法。 6.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、好まし
くは配列表配列番号1に示される塩基配列を含む上記4
の方法。 7.上記1〜6の方法により得られる融合タンパク質か
ら、MBP部分を除去してGnTを採取する工程を含む
GnTの製造方法。 8.MBPをコードするDNAが、MBPのC末端側に
プロテアーゼ認識配列、好ましくは血液凝固第Xa因子
(以下、第Xa因子と略称する場合もある)認識配列を
コードする塩基配列を含み、該プロテアーゼ、好ましく
は第Xa因子の作用により融合タンパク質からMBP部
分を除去することを特徴とする上記7の方法。 9.MBPをコードするDNAが、pMAL−p2ある
いはpMAL−c2に由来する上記8の方法。
NAが、該両タンパク質の融合タンパク質として発現す
るように連結され、且つ大腸菌で機能し得るプロモータ
ーの制御下におかれた発現ベクターで大腸菌を形質転換
し、(2) 得られる形質転換体を培養して、MBPとGn
Tとの融合タンパク質を可溶性タンパク質として生成さ
せ、(3) 得られる培養物から、MBPの有する特異的親
和性を用いて該融合タンパク質を分離する、を含むMB
P−GnT融合タンパク質の製造方法。 2.GnTがGnTIである上記1の方法。 3.GnTがヒト由来である上記1または2の方法。 4.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号3
0〜425で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配
列、好ましくは配列表配列番号1に示される塩基配列
中、少なくとも塩基番号88〜1275で示される塩基
配列を含む上記2の方法。 5.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列から該タンパク質の膜貫通部位
の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除したア
ミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列表配
列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜貫通
部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコード
する塩基配列を削除した塩基配列を含む上記2の方法。 6.GnTIをコードするDNAが、配列表配列番号2
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、好まし
くは配列表配列番号1に示される塩基配列を含む上記4
の方法。 7.上記1〜6の方法により得られる融合タンパク質か
ら、MBP部分を除去してGnTを採取する工程を含む
GnTの製造方法。 8.MBPをコードするDNAが、MBPのC末端側に
プロテアーゼ認識配列、好ましくは血液凝固第Xa因子
(以下、第Xa因子と略称する場合もある)認識配列を
コードする塩基配列を含み、該プロテアーゼ、好ましく
は第Xa因子の作用により融合タンパク質からMBP部
分を除去することを特徴とする上記7の方法。 9.MBPをコードするDNAが、pMAL−p2ある
いはpMAL−c2に由来する上記8の方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のGnTの製造方法は、G
nTをMBPとの融合タンパク質として大腸菌で発現さ
せることにより、GnTを可溶性タンパク質として生成
させるのを可能にしたこと、並びにMBPの有する特異
的親和性を利用してGnTを容易且つ大量に精製するの
を可能にしたことを特徴とする。
nTをMBPとの融合タンパク質として大腸菌で発現さ
せることにより、GnTを可溶性タンパク質として生成
させるのを可能にしたこと、並びにMBPの有する特異
的親和性を利用してGnTを容易且つ大量に精製するの
を可能にしたことを特徴とする。
【0014】本発明において、MBPとGnTの融合タ
ンパク質(MBP−GnT)は、MBPの有する特異的
親和性、すなわちマルトース並びにマルトース残基を有
する少糖類および多糖類に対する高親和性を保持し、且
つ少なくともMBP部分を除去した後にGnTが本来の
酵素活性、すなわち糖鎖にGlcNAcを転移する活性
を保持する限り、いかなる形態のものであってもよい。
しかしながら、好ましくは該融合タンパク質は、MBP
のC末端側にGnTが連結されたものであり、特に好ま
しくはMBPとGnTが融合部位において、酵素学的ま
たは化学的手段により容易に切断され得る構造を有する
ものである。
ンパク質(MBP−GnT)は、MBPの有する特異的
親和性、すなわちマルトース並びにマルトース残基を有
する少糖類および多糖類に対する高親和性を保持し、且
つ少なくともMBP部分を除去した後にGnTが本来の
酵素活性、すなわち糖鎖にGlcNAcを転移する活性
を保持する限り、いかなる形態のものであってもよい。
しかしながら、好ましくは該融合タンパク質は、MBP
のC末端側にGnTが連結されたものであり、特に好ま
しくはMBPとGnTが融合部位において、酵素学的ま
たは化学的手段により容易に切断され得る構造を有する
ものである。
【0015】本発明の方法において、MBP−GnT
は、MBPをコードするDNAとGnTをコードするD
NAを、結果的に上記性質を有する融合タンパク質とし
て転写・翻訳されるように−すなわちインフレームに
(in frame)−連結したキメラDNAを含む発現ベクタ
ーで大腸菌を形質転換し、得られる形質転換体を適当な
培地中で培養することにより取得される。
は、MBPをコードするDNAとGnTをコードするD
NAを、結果的に上記性質を有する融合タンパク質とし
て転写・翻訳されるように−すなわちインフレームに
(in frame)−連結したキメラDNAを含む発現ベクタ
ーで大腸菌を形質転換し、得られる形質転換体を適当な
培地中で培養することにより取得される。
【0016】本発明において、GnTをコードするDN
Aは、いかなるタイプのGnTをコードするものであっ
てもよいが、好ましくはβ1,2−N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼ、すなわちGnTIをコー
ドするDNAである。また、該DNAはいかなる生物種
由来のものであってもよいが、好ましくは哺乳動物由来
であり、より好ましくはヒト由来である。さらに、本発
明において、GnTをコードするDNAは、その転写翻
訳産物がGnT活性を保持する限りGnT遺伝子の全コ
ード領域を含む必要はなく、該コード領域の一部を含む
ものであってもよい。特に、GnTはゴルジ装置に存在
する膜貫通タンパク質であるので、MBP−GnTを可
溶性タンパク質として生成させることを考慮すれば、疎
水性の高い膜貫通ドメインをコードする領域を除いたG
nTコード配列を使用することも、本発明の好ましい実
施態様の1つである。
Aは、いかなるタイプのGnTをコードするものであっ
てもよいが、好ましくはβ1,2−N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼ、すなわちGnTIをコー
ドするDNAである。また、該DNAはいかなる生物種
由来のものであってもよいが、好ましくは哺乳動物由来
であり、より好ましくはヒト由来である。さらに、本発
明において、GnTをコードするDNAは、その転写翻
訳産物がGnT活性を保持する限りGnT遺伝子の全コ
ード領域を含む必要はなく、該コード領域の一部を含む
ものであってもよい。特に、GnTはゴルジ装置に存在
する膜貫通タンパク質であるので、MBP−GnTを可
溶性タンパク質として生成させることを考慮すれば、疎
水性の高い膜貫通ドメインをコードする領域を除いたG
nTコード配列を使用することも、本発明の好ましい実
施態様の1つである。
【0017】GnTをコードするDNAは、公知のGn
T遺伝子配列[例えば、ヒトGnTI cDNA(Kuma
r ら,上述)の配列等]に基づいて、自体公知のいかな
る手法によっても調製することができる。例えば、公知
のGnT遺伝子配列をもとに、GnTのコード領域の全
部または一部をカバーする適当なオリゴヌクレオチドプ
ライマー対を合成し、GnTを発現する細胞または組織
から抽出した全RNAもしくはポリA(+)RNAを鋳
型としてRT−PCRを行うことによりクローニングす
ることができる。このとき、その後のベクターへのクロ
ーニングを容易にするために、用いるオリゴプライマー
の末端に適当な制限酵素認識配列を付加することもでき
る。
T遺伝子配列[例えば、ヒトGnTI cDNA(Kuma
r ら,上述)の配列等]に基づいて、自体公知のいかな
る手法によっても調製することができる。例えば、公知
のGnT遺伝子配列をもとに、GnTのコード領域の全
部または一部をカバーする適当なオリゴヌクレオチドプ
ライマー対を合成し、GnTを発現する細胞または組織
から抽出した全RNAもしくはポリA(+)RNAを鋳
型としてRT−PCRを行うことによりクローニングす
ることができる。このとき、その後のベクターへのクロ
ーニングを容易にするために、用いるオリゴプライマー
の末端に適当な制限酵素認識配列を付加することもでき
る。
【0018】あるいは、公知のGnT遺伝子配列をもと
に適当なオリゴヌクレオチドプローブを合成し、これを
用いてGnTを発現する細胞または組織から常法により
調製したcDNAライブラリーをプラーク(またはコロ
ニー)ハイブリダイゼーションによりスクリーニングす
ることによってもクローニングすることができる。
に適当なオリゴヌクレオチドプローブを合成し、これを
用いてGnTを発現する細胞または組織から常法により
調製したcDNAライブラリーをプラーク(またはコロ
ニー)ハイブリダイゼーションによりスクリーニングす
ることによってもクローニングすることができる。
【0019】さらに、GnTをコードするDNAは、部
分または完全精製されたGnTの全部または一部を抗原
として常法により抗体を作製し、これを用いてGnTを
発現する細胞または組織から常法により調製したcDN
Aライブラリーを抗体スクリーニングすることによって
もクローニングすることができる。
分または完全精製されたGnTの全部または一部を抗原
として常法により抗体を作製し、これを用いてGnTを
発現する細胞または組織から常法により調製したcDN
Aライブラリーを抗体スクリーニングすることによって
もクローニングすることができる。
【0020】あるいは、当該DNAは、公知のGnT遺
伝子配列をもとにDNA/RNA自動合成機を用いて、
センス鎖の部分配列とアンチセンス鎖の部分配列を一部
がオーバーラップするように合成し、PCR法によって
より長い部分配列を二本鎖DNAとして得るという操作
を繰り返すことによって、所望のDNA配列を得ること
もできる。
伝子配列をもとにDNA/RNA自動合成機を用いて、
センス鎖の部分配列とアンチセンス鎖の部分配列を一部
がオーバーラップするように合成し、PCR法によって
より長い部分配列を二本鎖DNAとして得るという操作
を繰り返すことによって、所望のDNA配列を得ること
もできる。
【0021】本発明の好ましい態様においては、GnT
をコードするDNAは、ヒト由来β1,2−N−アセチ
ルグルコサミニルトランスフェラーゼ(hGnTI)を
コードするDNAの全部または一部を含むものである。
例えば、配列表配列番号2に示されるアミノ酸配列中、
少なくともアミノ酸番号30〜425で示されるアミノ
酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列表配列番
号1に示される塩基配列中、少なくとも塩基番号88〜
1275で示される塩基配列を含むDNAである。ある
いは、hGnTIをコードするDNAは、配列表配列番
号2に示されるアミノ酸配列から該タンパク質の膜貫通
部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除し
たアミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列
表配列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜
貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列を削除した塩基配列を含むDNAであ
る。hGnTIの膜貫通ドメインは、疎水性プロット分
析の結果から、配列表配列番号2に示されるアミノ酸配
列中、アミノ酸番号7〜29で示される部分であると推
定されている。したがって、該ドメインをコードするD
NAは、好ましくは配列表配列番号1に示される塩基配
列中、塩基番号19〜84で示される塩基配列である。
もちろん、hGnTIをコードするDNAは、配列表配
列番号2に示されるアミノ酸配列の全部をコードする塩
基配列を含むDNA、好ましくは配列表配列番号1に示
される塩基配列の全部を含むDNAであってもよい。
をコードするDNAは、ヒト由来β1,2−N−アセチ
ルグルコサミニルトランスフェラーゼ(hGnTI)を
コードするDNAの全部または一部を含むものである。
例えば、配列表配列番号2に示されるアミノ酸配列中、
少なくともアミノ酸番号30〜425で示されるアミノ
酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列表配列番
号1に示される塩基配列中、少なくとも塩基番号88〜
1275で示される塩基配列を含むDNAである。ある
いは、hGnTIをコードするDNAは、配列表配列番
号2に示されるアミノ酸配列から該タンパク質の膜貫通
部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除し
たアミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列
表配列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜
貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列を削除した塩基配列を含むDNAであ
る。hGnTIの膜貫通ドメインは、疎水性プロット分
析の結果から、配列表配列番号2に示されるアミノ酸配
列中、アミノ酸番号7〜29で示される部分であると推
定されている。したがって、該ドメインをコードするD
NAは、好ましくは配列表配列番号1に示される塩基配
列中、塩基番号19〜84で示される塩基配列である。
もちろん、hGnTIをコードするDNAは、配列表配
列番号2に示されるアミノ酸配列の全部をコードする塩
基配列を含むDNA、好ましくは配列表配列番号1に示
される塩基配列の全部を含むDNAであってもよい。
【0022】本発明において、MBPをコードするDN
Aは、いかなる生物種由来のものであってもよいが、好
ましくは細菌などの原核生物由来であり、より好ましく
は大腸菌由来である。また、該DNAは、マルトースま
たはマルトース残基を有する少糖類もしくは多糖類(例
えば、アミロース等)に対して特異的親和性を有する翻
訳産物をコードする限り、必ずしもコード領域の全部を
含む必要はなく、該コード領域の一部を含むものであっ
てもよい。
Aは、いかなる生物種由来のものであってもよいが、好
ましくは細菌などの原核生物由来であり、より好ましく
は大腸菌由来である。また、該DNAは、マルトースま
たはマルトース残基を有する少糖類もしくは多糖類(例
えば、アミロース等)に対して特異的親和性を有する翻
訳産物をコードする限り、必ずしもコード領域の全部を
含む必要はなく、該コード領域の一部を含むものであっ
てもよい。
【0023】大腸菌由来のMBPはペリプラズムに存在
する分泌タンパク質であり、初期翻訳産物はそのN末端
にシグナルペプチドを含む。本発明のMBPをコードす
るDNAは、宿主大腸菌で機能し得るシグナルペプチド
をコードする塩基配列(シグナルコドン)を含むもので
あってもよいし、含まないものであってもよい。大腸菌
は細胞壁の外側に外膜を有するグラム陰性菌であるか
ら、MBPをコードするDNAがシグナルコドンを含む
場合であっても、発現したMBP−GnTが培地中にま
で分泌される可能性は低い。しかしながら、MBP−G
nTがペリプラズム空間に蓄積すれば、菌体を完全に破
砕せずにスフェロプラスト化することにより該融合タン
パク質を回収することができるので、その後の精製をよ
り容易に行うことができる。但し、この場合には、特に
GnTの膜貫通ドメインを削除しておくことが好まし
い。該ドメインが存在すると、MBP−GnTはペリプ
ラズム空間に到達せずに内膜にとどまる可能性があり、
該融合タンパク質の回収が煩雑になるからである。
する分泌タンパク質であり、初期翻訳産物はそのN末端
にシグナルペプチドを含む。本発明のMBPをコードす
るDNAは、宿主大腸菌で機能し得るシグナルペプチド
をコードする塩基配列(シグナルコドン)を含むもので
あってもよいし、含まないものであってもよい。大腸菌
は細胞壁の外側に外膜を有するグラム陰性菌であるか
ら、MBPをコードするDNAがシグナルコドンを含む
場合であっても、発現したMBP−GnTが培地中にま
で分泌される可能性は低い。しかしながら、MBP−G
nTがペリプラズム空間に蓄積すれば、菌体を完全に破
砕せずにスフェロプラスト化することにより該融合タン
パク質を回収することができるので、その後の精製をよ
り容易に行うことができる。但し、この場合には、特に
GnTの膜貫通ドメインを削除しておくことが好まし
い。該ドメインが存在すると、MBP−GnTはペリプ
ラズム空間に到達せずに内膜にとどまる可能性があり、
該融合タンパク質の回収が煩雑になるからである。
【0024】本発明のMBPをコードするDNAは、該
タンパク質のC末端側に配列特異性の高いプロテアーゼ
によって認識され切断されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列を含むことが特に好ましい。そのようなプロテ
アーゼとしては、第Xa因子、トロンビン、レニン等が
挙げられるが、好ましくは、該プロテアーゼ認識配列は
第Xa因子認識配列、すなわち、Ile-Glu-Gly-Arg (配
列表配列番号3)である。このようなプロテアーゼ認識
配列をMBPのC末端側に導入することにより、MBP
−GnTの精製後に該プロテアーゼを作用させて、MB
P部分を容易に除去することができる。
タンパク質のC末端側に配列特異性の高いプロテアーゼ
によって認識され切断されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列を含むことが特に好ましい。そのようなプロテ
アーゼとしては、第Xa因子、トロンビン、レニン等が
挙げられるが、好ましくは、該プロテアーゼ認識配列は
第Xa因子認識配列、すなわち、Ile-Glu-Gly-Arg (配
列表配列番号3)である。このようなプロテアーゼ認識
配列をMBPのC末端側に導入することにより、MBP
−GnTの精製後に該プロテアーゼを作用させて、MB
P部分を容易に除去することができる。
【0025】より好ましい態様においては、MBPをコ
ードするDNAは、MBPコード領域とプロテアーゼ認
識部位の間に5〜15アミノ酸残基程度のスペーサー配
列をコードする塩基配列を含む。該スペーサー配列の存
在により、MBPはGnTから遠ざかるために融合タン
パク質の分子内相互作用の可能性が減じ、融合タンパク
質のMBP部分のマルトースやアミロースに対する特異
的親和性が増大する。
ードするDNAは、MBPコード領域とプロテアーゼ認
識部位の間に5〜15アミノ酸残基程度のスペーサー配
列をコードする塩基配列を含む。該スペーサー配列の存
在により、MBPはGnTから遠ざかるために融合タン
パク質の分子内相互作用の可能性が減じ、融合タンパク
質のMBP部分のマルトースやアミロースに対する特異
的親和性が増大する。
【0026】MBPをコードするDNAは、公知のMB
P遺伝子配列[例えば、大腸菌由来MBP(Duplay, P.
et al., J. Biol. Chem., 259: 10606-10613 (1984))
等]をもとに、GnTをコードするDNAについて例示
したと同様の自体公知の手段を用いてクローニングする
ことができ、また、常法によりMBPのC末端側に上記
のプロテアーゼ認識配列およびスペーサー配列を導入す
ることができる。また、大腸菌由来MBPをコードする
DNAは、例えば、New England Biolab社製のpMAL
−p2(シグナルコドンを含む)あるいはpMAL−c
2(シグナルコドンを欠失する)のような市販のベクタ
ーから得ることができる。
P遺伝子配列[例えば、大腸菌由来MBP(Duplay, P.
et al., J. Biol. Chem., 259: 10606-10613 (1984))
等]をもとに、GnTをコードするDNAについて例示
したと同様の自体公知の手段を用いてクローニングする
ことができ、また、常法によりMBPのC末端側に上記
のプロテアーゼ認識配列およびスペーサー配列を導入す
ることができる。また、大腸菌由来MBPをコードする
DNAは、例えば、New England Biolab社製のpMAL
−p2(シグナルコドンを含む)あるいはpMAL−c
2(シグナルコドンを欠失する)のような市販のベクタ
ーから得ることができる。
【0027】MBP−GnT融合タンパク質をコードす
るキメラDNAの構築を容易にするために、MBPをコ
ードするDNAの末端に、常法により適当な制限酵素認
識部位を付加することができる。GnTをコードするD
NAをベクター中にクローニングする際に、GnTのN
末端側に制限酵素認識部位を付加した場合は、MBPを
コードするDNAにも同じ制限酵素認識部位(もしくは
同じ粘着末端を生じる別の制限酵素認識部位)を導入す
ればよい。
るキメラDNAの構築を容易にするために、MBPをコ
ードするDNAの末端に、常法により適当な制限酵素認
識部位を付加することができる。GnTをコードするD
NAをベクター中にクローニングする際に、GnTのN
末端側に制限酵素認識部位を付加した場合は、MBPを
コードするDNAにも同じ制限酵素認識部位(もしくは
同じ粘着末端を生じる別の制限酵素認識部位)を導入す
ればよい。
【0028】本発明の発現ベクターは、上記のMBP−
GnTをコードするキメラDNAが大腸菌で機能し得る
プロモーターの制御下におかれた、任意の発現ベクター
である。該プロモーター領域には、RNAポリメラーゼ
の結合位置を決定するコンセンサス配列である−35領
域および−10領域が含まれる。所望の組換えタンパク
質を大量に発現させる系として、誘導酵素のプロモータ
ー領域を使用することがより望ましい。このようなプロ
モーター領域としてtrpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、lppプロモーター、
tacプロモーター等が挙げられる。これらのプロモー
ター領域は、リプレッサータンパク質が結合するオペレ
ーターをさらに含む。誘導物質(例えば、lacプロモ
ーターではラクトースやIPTG)を添加するとリプレ
ッサータンパク質のオペレーターへの結合が抑制され、
プロモーターの制御下におかれた遺伝子が大量に発現す
る。また、該発現ベクターは、翻訳開始コドンの上流に
コンセンサスなShine-Dalgarno(SD)配列を含む。さ
らに、該発現ベクターは、MBP−GnTをコードする
キメラDNAの下流に転写終結シグナル、すなわちター
ミネーター領域を含有する。ターミネーター領域として
は、通常使用されている天然または合成のターミネータ
ーを用いることができる。
GnTをコードするキメラDNAが大腸菌で機能し得る
プロモーターの制御下におかれた、任意の発現ベクター
である。該プロモーター領域には、RNAポリメラーゼ
の結合位置を決定するコンセンサス配列である−35領
域および−10領域が含まれる。所望の組換えタンパク
質を大量に発現させる系として、誘導酵素のプロモータ
ー領域を使用することがより望ましい。このようなプロ
モーター領域としてtrpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、lppプロモーター、
tacプロモーター等が挙げられる。これらのプロモー
ター領域は、リプレッサータンパク質が結合するオペレ
ーターをさらに含む。誘導物質(例えば、lacプロモ
ーターではラクトースやIPTG)を添加するとリプレ
ッサータンパク質のオペレーターへの結合が抑制され、
プロモーターの制御下におかれた遺伝子が大量に発現す
る。また、該発現ベクターは、翻訳開始コドンの上流に
コンセンサスなShine-Dalgarno(SD)配列を含む。さ
らに、該発現ベクターは、MBP−GnTをコードする
キメラDNAの下流に転写終結シグナル、すなわちター
ミネーター領域を含有する。ターミネーター領域として
は、通常使用されている天然または合成のターミネータ
ーを用いることができる。
【0029】本発明の発現ベクターは、上記のプロモー
ター領域およびターミネーター領域に加えて、宿主大腸
菌内で自律複製し得る複製起点を含む必要がある。この
ような複製起点としては、ColE1 ori、M13
ori等が挙げられる。
ター領域およびターミネーター領域に加えて、宿主大腸
菌内で自律複製し得る複製起点を含む必要がある。この
ような複製起点としては、ColE1 ori、M13
ori等が挙げられる。
【0030】本発明の発現ベクターは、形質転換体選択
のための選択マーカー遺伝子をさらに含有していること
が好ましい。選択マーカー遺伝子としては、テトラサイ
クリン、アンピシリン、カナマイシン等の各種薬剤に対
する耐性遺伝子を用いることができる。また、宿主大腸
菌が栄養要求性変異株の場合には、選択マーカー遺伝子
として当該栄養要求性を相補する野生型遺伝子を用いる
こともできる。
のための選択マーカー遺伝子をさらに含有していること
が好ましい。選択マーカー遺伝子としては、テトラサイ
クリン、アンピシリン、カナマイシン等の各種薬剤に対
する耐性遺伝子を用いることができる。また、宿主大腸
菌が栄養要求性変異株の場合には、選択マーカー遺伝子
として当該栄養要求性を相補する野生型遺伝子を用いる
こともできる。
【0031】本発明の形質転換体は、本発明の発現ベク
ターで宿主大腸菌を形質転換することにより調製するこ
とができる。宿主の菌株は特に限定されず、例えば、市
販のXL1−Blue株、BL−21株、JM107
株、TB1株、JM109株、C600株、DH5α、
HB101株等が挙げられる。
ターで宿主大腸菌を形質転換することにより調製するこ
とができる。宿主の菌株は特に限定されず、例えば、市
販のXL1−Blue株、BL−21株、JM107
株、TB1株、JM109株、C600株、DH5α、
HB101株等が挙げられる。
【0032】発現ベクターの宿主細胞への導入は, 従来
公知の方法を用いて行うことができる。例えば、Cohen
らの方法(塩化カルシウム法)[Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 69: 2110 (1972)] 、プロトプラスト法 [Mol.
Gen. Genet., 168: 111 (1979)]、コンピテント法 [J.
Mol. Biol., 56: 209 (1971)]、エレクトロポレーショ
ン法等が挙げられる。
公知の方法を用いて行うことができる。例えば、Cohen
らの方法(塩化カルシウム法)[Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 69: 2110 (1972)] 、プロトプラスト法 [Mol.
Gen. Genet., 168: 111 (1979)]、コンピテント法 [J.
Mol. Biol., 56: 209 (1971)]、エレクトロポレーショ
ン法等が挙げられる。
【0033】MBP−GnTは、上記のMBP−GnT
をコードするキメラDNAを含む発現ベクターを発現す
る形質転換体を、適当な培地中で培養し、得られる培養
物からMBP−GnTを回収することにより得ることが
できる。
をコードするキメラDNAを含む発現ベクターを発現す
る形質転換体を、適当な培地中で培養し、得られる培養
物からMBP−GnTを回収することにより得ることが
できる。
【0034】用いられる培地としては、炭素源としてグ
ルコース、フルクトース、グリセロール、スターチなど
の炭水化物を含有するものである。また無機もしくは有
機窒素源(例えば硫酸アンモニウム,塩化アンモニウ
ム,カゼインの加水分解物,酵母抽出物,ポリペプト
ン,バクトトリプトン,ビーフ抽出物等)を含んでいて
もよい。これらの炭素源および窒素源は純粋な形で使用
する必要はなく、純度の低いものも微量の生育因子や無
機栄養素を豊富に含んでいるので有利である。さらに所
望により、他の栄養源〔例えば、無機塩(例えば、二リ
ン酸ナトリウムまたは二リン酸カリウム,リン酸水素二
カリウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,塩化
カルシウム)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1 )、
抗生物質(例えば、アンピシリン,カナマイシン)な
ど〕を培地中に添加してもよい。
ルコース、フルクトース、グリセロール、スターチなど
の炭水化物を含有するものである。また無機もしくは有
機窒素源(例えば硫酸アンモニウム,塩化アンモニウ
ム,カゼインの加水分解物,酵母抽出物,ポリペプト
ン,バクトトリプトン,ビーフ抽出物等)を含んでいて
もよい。これらの炭素源および窒素源は純粋な形で使用
する必要はなく、純度の低いものも微量の生育因子や無
機栄養素を豊富に含んでいるので有利である。さらに所
望により、他の栄養源〔例えば、無機塩(例えば、二リ
ン酸ナトリウムまたは二リン酸カリウム,リン酸水素二
カリウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,塩化
カルシウム)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1 )、
抗生物質(例えば、アンピシリン,カナマイシン)な
ど〕を培地中に添加してもよい。
【0035】形質転換体の培養は、通常pH5.5〜
8.5、好適にはpH6〜8、通常18〜40℃、好適
には20〜35℃で、1〜150時間行われるが、これ
らは培養条件および培養規模によって適宜変更すること
ができる。
8.5、好適にはpH6〜8、通常18〜40℃、好適
には20〜35℃で、1〜150時間行われるが、これ
らは培養条件および培養規模によって適宜変更すること
ができる。
【0036】培養を大型タンク内で行う場合は、目的タ
ンパク質の生産工程における生育遅延を回避するため
に、菌体を少量の培地に接種して1〜24時間前培養し
た後、得られた種培養を大型タンク中に接種するのが好
ましい。
ンパク質の生産工程における生育遅延を回避するため
に、菌体を少量の培地に接種して1〜24時間前培養し
た後、得られた種培養を大型タンク中に接種するのが好
ましい。
【0037】MBP−GnTの発現が、誘導タンパク質
遺伝子のプロモーター系によって制御される場合、誘導
物質は培養開始時から添加しておいてもよいが、対数増
殖期初期に添加するのがより好ましい。菌の増殖は、培
養液の660nmにおける吸光度を測定することによっ
てモニタリングできる。例えば、lacプロモーターや
tacプロモーターを使用する場合、660nmにおけ
る吸光度が0.4〜0.6になった時点で、誘導物質と
してイソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPT
G)を、例えば0.1〜1.0mMとなるように添加す
ることができる。誘導物質の添加時期や添加濃度は、培
養条件、培養規模、誘導物質の種類等によって適宜変更
することができる。
遺伝子のプロモーター系によって制御される場合、誘導
物質は培養開始時から添加しておいてもよいが、対数増
殖期初期に添加するのがより好ましい。菌の増殖は、培
養液の660nmにおける吸光度を測定することによっ
てモニタリングできる。例えば、lacプロモーターや
tacプロモーターを使用する場合、660nmにおけ
る吸光度が0.4〜0.6になった時点で、誘導物質と
してイソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPT
G)を、例えば0.1〜1.0mMとなるように添加す
ることができる。誘導物質の添加時期や添加濃度は、培
養条件、培養規模、誘導物質の種類等によって適宜変更
することができる。
【0038】本発明の方法では、MBP−GnTの精製
は、該融合タンパク質の存在する画分を、マルトース残
基を含むリガンドを結合した不溶性担体を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーに付すことにより、一段階
で達成することができる。MBPをコードするDNAが
シグナルコドンを欠失している場合、MBP−GnTは
菌体の可溶性画分に局在するので、その場合、培養終了
後に培養物を濾過もしくは遠心分離して菌体を回収し、
リゾチーム処理および界面活性剤処理、超音波処理、あ
るいは浸透圧ショック等によって細胞を破砕して、得ら
れる菌体抽出液をアフィニティークロマトグラフィーに
用いる。一方、MBPをコードするDNAがシグナルコ
ドンを有する場合、発現したMBP−GnTは分泌され
てペリプラズム空間に蓄積している可能性が高い。した
がって、その場合、リゾチーム処理等によって菌体をス
フェロプラスト化してMBP−GnTを溶液中に遊離さ
せ、濾過もしくは遠心分離して菌体を除去した後、得ら
れる上清をアフィニティークロマトグラフィーに用い
る。
は、該融合タンパク質の存在する画分を、マルトース残
基を含むリガンドを結合した不溶性担体を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーに付すことにより、一段階
で達成することができる。MBPをコードするDNAが
シグナルコドンを欠失している場合、MBP−GnTは
菌体の可溶性画分に局在するので、その場合、培養終了
後に培養物を濾過もしくは遠心分離して菌体を回収し、
リゾチーム処理および界面活性剤処理、超音波処理、あ
るいは浸透圧ショック等によって細胞を破砕して、得ら
れる菌体抽出液をアフィニティークロマトグラフィーに
用いる。一方、MBPをコードするDNAがシグナルコ
ドンを有する場合、発現したMBP−GnTは分泌され
てペリプラズム空間に蓄積している可能性が高い。した
がって、その場合、リゾチーム処理等によって菌体をス
フェロプラスト化してMBP−GnTを溶液中に遊離さ
せ、濾過もしくは遠心分離して菌体を除去した後、得ら
れる上清をアフィニティークロマトグラフィーに用い
る。
【0039】アフィニティークロマトグラフィーの吸着
体としては、例えば、アミロースをアガロースビーズに
固定化したアミロース樹脂(例えば、New England Biol
ab社製のAmylose resin column等)を使用することがで
きるが、他のMBPに対するリガンドおよび他の不溶性
マトリックス基(例えばセルロース、デキストラン、合
成ポリマー等)を使用してもよい。MBP−GnTは、
上記のように調製されたそれを含む画分に該吸着体を加
えて適当な時間攪拌した後濾過して、吸着体を洗浄し、
さらに適当な濃度のマルトースを含む溶離液を加えて適
当な時間攪拌した後濾過することにより、濾液中に精製
される。あるいは、該吸着体をカラムに充填してMBP
−GnT含有画分をアプライし、適当な緩衝液で洗浄し
た後、適当な濃度のマルトースを含む溶離液をアプライ
してカラムに吸着したMBP−GnTを溶出させること
によって得ることもできる。
体としては、例えば、アミロースをアガロースビーズに
固定化したアミロース樹脂(例えば、New England Biol
ab社製のAmylose resin column等)を使用することがで
きるが、他のMBPに対するリガンドおよび他の不溶性
マトリックス基(例えばセルロース、デキストラン、合
成ポリマー等)を使用してもよい。MBP−GnTは、
上記のように調製されたそれを含む画分に該吸着体を加
えて適当な時間攪拌した後濾過して、吸着体を洗浄し、
さらに適当な濃度のマルトースを含む溶離液を加えて適
当な時間攪拌した後濾過することにより、濾液中に精製
される。あるいは、該吸着体をカラムに充填してMBP
−GnT含有画分をアプライし、適当な緩衝液で洗浄し
た後、適当な濃度のマルトースを含む溶離液をアプライ
してカラムに吸着したMBP−GnTを溶出させること
によって得ることもできる。
【0040】上述のように、本発明の好ましい態様にお
いては、MBP−GnTはその融合部位に配列特異的な
プロテアーゼによって認識切断されるアミノ酸配列を含
むので、上記のようにして精製されたMBP−GnT
に、該プロテアーゼを作用させることによりMBP部分
が除去されて、所望のGnTが生成する。好ましくは、
該プロテアーゼは第Xa因子である。MBP−GnTに
プロテアーゼを作用させる際の反応温度、溶液のpH、
反応時間等は、使用するプロテアーゼの種類に応じて適
宜選択することができるが、例えば、第Xa因子の場
合、中性緩衝液中、4〜40℃で1〜25時間反応させ
ることにより、MBPとGnTとを開裂させることがで
きる。反応終了後、反応液に上記の吸着体を加えて適当
な時間攪拌することにより、遊離したMBPのみが該吸
着体に吸着するので、該吸着体を濾去することによりG
nTのみを精製することができる。あるいは、該吸着体
を充填したカラムに反応液をアプライして素通り画分を
回収することによってもGnTを精製することができ
る。
いては、MBP−GnTはその融合部位に配列特異的な
プロテアーゼによって認識切断されるアミノ酸配列を含
むので、上記のようにして精製されたMBP−GnT
に、該プロテアーゼを作用させることによりMBP部分
が除去されて、所望のGnTが生成する。好ましくは、
該プロテアーゼは第Xa因子である。MBP−GnTに
プロテアーゼを作用させる際の反応温度、溶液のpH、
反応時間等は、使用するプロテアーゼの種類に応じて適
宜選択することができるが、例えば、第Xa因子の場
合、中性緩衝液中、4〜40℃で1〜25時間反応させ
ることにより、MBPとGnTとを開裂させることがで
きる。反応終了後、反応液に上記の吸着体を加えて適当
な時間攪拌することにより、遊離したMBPのみが該吸
着体に吸着するので、該吸着体を濾去することによりG
nTのみを精製することができる。あるいは、該吸着体
を充填したカラムに反応液をアプライして素通り画分を
回収することによってもGnTを精製することができ
る。
【0041】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の
範囲はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の
範囲はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】実施例1 PCRによるhGnTI cD
NA断片の取得 配列表配列番号1記載のヒトβ1,2−N−アセチルグ
ルコサミニルトランスフェラーゼ(hGnTI)cDN
Aの塩基配列をもとに、配列表配列番号4および5に示
されるオリゴヌクレオチドを合成した。前者は配列表配
列番号1に示される塩基配列中塩基番号88〜96で示
される塩基配列の5’末端にEcoRI認識部位が付加
された配列を含み、後者は配列表配列番号1に示される
塩基配列中塩基番号1252〜1276で示される塩基
配列の3’末端にXbaI認識部位が付加された配列に
相補的な配列を含む。これらのオリゴヌクレオチドをプ
ライマーに用い、ヒト腎臓由来のcDNA(Clontech社
製)を鋳型として、以下の条件でPCR反応を行った
[プライマー濃度:各25pmole;PCR用試薬:
HOT Tub DNA ポリメラーゼ(Amersham 製);反応液量:
50μl;反応温度(時間):変性94℃(1分間),
アニーリング50℃(2分間),伸長68℃(6分
間);サイクル数:28サイクル]。PCR反応後、反
応液をアガロースゲル電気泳動にかけ、PCR産物であ
るDNA断片の確認を行った。該DNA断片のヌクレオ
チド配列を常法に従って決定したところ、配列表配列番
号1に示される塩基配列中塩基番号88〜1275で示
される塩基配列と一致することが分かり、所望のhGn
TI cDNAが得られたことが確認された。
NA断片の取得 配列表配列番号1記載のヒトβ1,2−N−アセチルグ
ルコサミニルトランスフェラーゼ(hGnTI)cDN
Aの塩基配列をもとに、配列表配列番号4および5に示
されるオリゴヌクレオチドを合成した。前者は配列表配
列番号1に示される塩基配列中塩基番号88〜96で示
される塩基配列の5’末端にEcoRI認識部位が付加
された配列を含み、後者は配列表配列番号1に示される
塩基配列中塩基番号1252〜1276で示される塩基
配列の3’末端にXbaI認識部位が付加された配列に
相補的な配列を含む。これらのオリゴヌクレオチドをプ
ライマーに用い、ヒト腎臓由来のcDNA(Clontech社
製)を鋳型として、以下の条件でPCR反応を行った
[プライマー濃度:各25pmole;PCR用試薬:
HOT Tub DNA ポリメラーゼ(Amersham 製);反応液量:
50μl;反応温度(時間):変性94℃(1分間),
アニーリング50℃(2分間),伸長68℃(6分
間);サイクル数:28サイクル]。PCR反応後、反
応液をアガロースゲル電気泳動にかけ、PCR産物であ
るDNA断片の確認を行った。該DNA断片のヌクレオ
チド配列を常法に従って決定したところ、配列表配列番
号1に示される塩基配列中塩基番号88〜1275で示
される塩基配列と一致することが分かり、所望のhGn
TI cDNAが得られたことが確認された。
【0043】実施例2 発現ベクターpMGNT−1の
構築 実施例1で得られたPCR産物を制限酵素EcoRIお
よびXbaIで切断し、アガロースゲルから約1.2k
bの断片を回収した。一方、プラスミドpMAL−c2
(New England Biolab社製)を制限酵素EcoRIおよ
びXbaIで切断し、アガロースゲルから約6.6kb
の断片を回収した。これらの断片をT4DNAリガーゼ
を用いてライゲーションさせ、新規なプラスミドpMG
NT−1を得た。
構築 実施例1で得られたPCR産物を制限酵素EcoRIお
よびXbaIで切断し、アガロースゲルから約1.2k
bの断片を回収した。一方、プラスミドpMAL−c2
(New England Biolab社製)を制限酵素EcoRIおよ
びXbaIで切断し、アガロースゲルから約6.6kb
の断片を回収した。これらの断片をT4DNAリガーゼ
を用いてライゲーションさせ、新規なプラスミドpMG
NT−1を得た。
【0044】実施例3 組換え大腸菌を用いたMBP−
hGnTI融合タンパク質の調製 常法を用いて、実施例2で得た発現ベクターpMGNT
−1で大腸菌BL21株を形質転換した。得られた組換
え大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培
地5mlの入った試験管に一白金耳植菌し、37℃で一
晩振盪培養した。得られた培養液を2.5mlずつ上記
培地250mlの入った坂口フラスコに植菌した。37
℃で振盪培養し、培養液の660nmにおける吸光度が
0.5に達した時点で、終濃度1mMのイソプロピルチ
オ−β−D−ガラクトシドを加えた。さらに、37℃で
培養を4時間続けた。
hGnTI融合タンパク質の調製 常法を用いて、実施例2で得た発現ベクターpMGNT
−1で大腸菌BL21株を形質転換した。得られた組換
え大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培
地5mlの入った試験管に一白金耳植菌し、37℃で一
晩振盪培養した。得られた培養液を2.5mlずつ上記
培地250mlの入った坂口フラスコに植菌した。37
℃で振盪培養し、培養液の660nmにおける吸光度が
0.5に達した時点で、終濃度1mMのイソプロピルチ
オ−β−D−ガラクトシドを加えた。さらに、37℃で
培養を4時間続けた。
【0045】菌体を遠心分離して集め、20mM 塩化
マンガン、50mM 塩化ナトリウム、1mM β−メ
ルカプトエタノール、100mM MES緩衝液(pH
6.1)を含むカラム緩衝液6mlで再懸濁した。懸濁
液を超音波破砕装置にて処理した後、遠心分離し、その
上清を粗酵素液とした。予め上記緩衝液で平衡化してお
いたアミロースレジン(New England Biolab社製)カラ
ムに、上記緩衝液で5倍希釈した粗酵素液を通液するこ
とにより、MBP−hGnTI融合タンパク質を吸着さ
せた。上記緩衝液でカラムを洗浄した後、マルトースを
10mM含む上記緩衝液で、吸着した融合タンパク質を
溶出させた。溶出画分を集め、融合タンパク質溶液とし
た。
マンガン、50mM 塩化ナトリウム、1mM β−メ
ルカプトエタノール、100mM MES緩衝液(pH
6.1)を含むカラム緩衝液6mlで再懸濁した。懸濁
液を超音波破砕装置にて処理した後、遠心分離し、その
上清を粗酵素液とした。予め上記緩衝液で平衡化してお
いたアミロースレジン(New England Biolab社製)カラ
ムに、上記緩衝液で5倍希釈した粗酵素液を通液するこ
とにより、MBP−hGnTI融合タンパク質を吸着さ
せた。上記緩衝液でカラムを洗浄した後、マルトースを
10mM含む上記緩衝液で、吸着した融合タンパク質を
溶出させた。溶出画分を集め、融合タンパク質溶液とし
た。
【0046】実施例4 hGnTIの調製 実施例3で得た融合タンパク質溶液5mlに、融合タン
パク質の1%に相当する量の第Xa因子(New England
Biolad社製) を加え、25℃で24時間反応させた。反
応終了後、反応液を透析膜に入れ、上記のカラム緩衝液
を外液として用いて透析を行った。透析終了後、予め前
記緩衝液で平衡化したQセファロース(ファルマシア社
製)カラムに該透析液を通液し、目的タンパク質を吸着
させた。3〜5カラム分の前記緩衝液でカラムを洗浄し
た後、前記緩衝液中の塩化ナトリウム濃度を20mMか
ら500mMまでグラジェントすることにより、吸着し
たタンパク質を溶出させた。各画分のタンパク濃度を測
定するとともにSDS−PAGE電気泳動することによ
り、hGnTI画分を集めた。
パク質の1%に相当する量の第Xa因子(New England
Biolad社製) を加え、25℃で24時間反応させた。反
応終了後、反応液を透析膜に入れ、上記のカラム緩衝液
を外液として用いて透析を行った。透析終了後、予め前
記緩衝液で平衡化したQセファロース(ファルマシア社
製)カラムに該透析液を通液し、目的タンパク質を吸着
させた。3〜5カラム分の前記緩衝液でカラムを洗浄し
た後、前記緩衝液中の塩化ナトリウム濃度を20mMか
ら500mMまでグラジェントすることにより、吸着し
たタンパク質を溶出させた。各画分のタンパク濃度を測
定するとともにSDS−PAGE電気泳動することによ
り、hGnTI画分を集めた。
【0047】実施例5 GnTI活性の確認 実施例4で得たhGnTI23μl、308mM ウリ
ジン−5’−ジホスホアセチルグルコサミン1μl、並
びに下記化1、化2または化3で表されるピリジルアミ
ノ化オリゴ糖10pmolを含む3種の反応液50μl
を37℃で反応させた。
ジン−5’−ジホスホアセチルグルコサミン1μl、並
びに下記化1、化2または化3で表されるピリジルアミ
ノ化オリゴ糖10pmolを含む3種の反応液50μl
を37℃で反応させた。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】反応後、沸騰水中で2分間インキュベート
することにより反応を停止させた。これらの反応液をH
PLCで分析することにより、アセチルグルコサミンが
転移した生成物を確認した。結果を図1〜3に示す。図
1Aは標準の高マンノース型の分析結果であり、図1B
は化1を基質として0時間反応させた結果であり、図1
Cは化1を4時間反応させた結果である。図1CのGl
cNAc−M5のピークがhGnTIによって生成した
ものである。図2Aは標準の高マンノース型およびGl
cNAc−M3の分析結果であり、図2Bは化2を基質
として0時間反応させた結果であり、図2Cは化2を6
時間反応させた結果である。図2CのGlcNAc−M
3のピークがhGnTIによって生成したものである。
図3Aは標準の高マンノース型の分析結果であり、図3
Bは化3を基質として0時間反応させた結果であり、図
3Cは化3を12時間反応させた結果である。図3Cの
GlcNAc−M6のピークがhGnTIによって生成
したものである。これらの結果をもとに、本酵素の各マ
ンノース型糖鎖構造基質における酵素活性を算出した。
結果を表1に示す。以上の結果から、本発明の方法で得
られたhGnTIは本来の酵素活性を保持することが確
認された。
することにより反応を停止させた。これらの反応液をH
PLCで分析することにより、アセチルグルコサミンが
転移した生成物を確認した。結果を図1〜3に示す。図
1Aは標準の高マンノース型の分析結果であり、図1B
は化1を基質として0時間反応させた結果であり、図1
Cは化1を4時間反応させた結果である。図1CのGl
cNAc−M5のピークがhGnTIによって生成した
ものである。図2Aは標準の高マンノース型およびGl
cNAc−M3の分析結果であり、図2Bは化2を基質
として0時間反応させた結果であり、図2Cは化2を6
時間反応させた結果である。図2CのGlcNAc−M
3のピークがhGnTIによって生成したものである。
図3Aは標準の高マンノース型の分析結果であり、図3
Bは化3を基質として0時間反応させた結果であり、図
3Cは化3を12時間反応させた結果である。図3Cの
GlcNAc−M6のピークがhGnTIによって生成
したものである。これらの結果をもとに、本酵素の各マ
ンノース型糖鎖構造基質における酵素活性を算出した。
結果を表1に示す。以上の結果から、本発明の方法で得
られたhGnTIは本来の酵素活性を保持することが確
認された。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の方法では、N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼを可溶性タンパク質として
容易に効率よく大量に生産することができる。また、得
られたN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ
を利用することにより、糖鎖合成や診断等に有用なN−
アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ抗体を容易
に得ることができる。
サミニルトランスフェラーゼを可溶性タンパク質として
容易に効率よく大量に生産することができる。また、得
られたN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ
を利用することにより、糖鎖合成や診断等に有用なN−
アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ抗体を容易
に得ることができる。
【0054】
【配列表のフリーテキスト】配列番号3:第Xa因子に
よって認識されるアミノ酸配列。 配列番号4:ヒトN−アセチルグルコサミニルトランス
フェラーゼI cDNAの増幅用プライマーとして作用
するように設計されたオリゴヌクレオチド。 配列番号5:ヒトN−アセチルグルコサミニルトランス
フェラーゼI cDNAの増幅用プライマーとして作用
するように設計されたオリゴヌクレオチド。
よって認識されるアミノ酸配列。 配列番号4:ヒトN−アセチルグルコサミニルトランス
フェラーゼI cDNAの増幅用プライマーとして作用
するように設計されたオリゴヌクレオチド。 配列番号5:ヒトN−アセチルグルコサミニルトランス
フェラーゼI cDNAの増幅用プライマーとして作用
するように設計されたオリゴヌクレオチド。
【0055】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Toyo Boseki Kabushiki Kaisha; Fujiyama, Kazuhito <120> Process for producing N-acetylglucosaminyltransferase <130> A-4125 <160> 5 <210> 1 <211> 1335 <212> DNA <213> Homo sapiens <300> <301> Kumar, Ravindra; Yang, Jing; Larsen, Robert D.; Stanley, Pamela <302> Cloning and expression of N-acetylglucosaminyltransferase I, the medial Golgi transferase that initiates complex N-linked carbohydrate formation <303> Proc. Natl. Acad. Sci. USA <304> 87 <306> 9948-9952 <307> 1990-12 <308> M55621 <400> 1 atg ctg aag aag cag tct gca ggg ctt gtg ctg tgg ggc gct atc ctc 48 Met Leu Lys Lys Gln Ser Ala Gly Leu Val Leu Trp Gly Ala Ile Leu 5 10 15 ttt gtg gcc tgg aat gcc ctg ctg ctc ctc ttc ttc tgg acg cgc cca 96 Phe Val Ala Trp Asn Ala Leu Leu Leu Leu Phe Phe Trp Thr Arg Pro 20 25 30 gca cct ggc agg cca ccc tca gtc agc gct ctc gat ggc gac ccc gcc 144 Ala Pro Gly Arg Pro Pro Ser Val Ser Ala Leu Asp Gly Asp Pro Ala 35 40 45 agc ctc acc cgg gaa gtg att cgc ctg gcc caa gac gcc gag gtg gag 192 Ser Leu Thr Arg Glu Val Ile Arg Leu Ala Gln Asp Ala Glu Val Glu 50 55 60 ctg gag cgg cag cgt ggg ctg ctg cag cag atc ggg gat gcc ctg tcg 240 Leu Glu Arg Gln Arg Gly Leu Leu Gln Gln Ile Gly Asp Ala Leu Ser 65 70 75 80 agc cag cgg ggg agg gtg ccc acc gcg gcc cct ccc gcc cag ccg cgt 288 Ser Gln Arg Gly Arg Val Pro Thr Ala Ala Pro Pro Ala Gln Pro Arg 85 90 95 gtg cct gtg acc ccc gcg ccg gcg gtg att ccc atc ctg gtc atc gcc 336 Val Pro Val Thr Pro Ala Pro Ala Val Ile Pro Ile Leu Val Ile Ala 100 105 110 tgt gac cgc agc act gtt cgg cgc tgc ctg gac aag ctg ctg cat tat 384 Cys Asp Arg Ser Thr Val Arg Arg Cys Leu Asp Lys Leu Leu His Tyr 115 120 125 cgg ccc tcg gct gag ctc ttc ccc atc atc gtt agc cag gac tgc ggg 432 Arg Pro Ser Ala Glu Leu Phe Pro Ile Ile Val Ser Gln Asp Cys Gly 130 135 140 cac gag gag acg gcc cag gcc atc gcc tcc tac ggc agc gcg gtc acg 480 His Glu Glu Thr Ala Gln Ala Ile Ala Ser Tyr Gly Ser Ala Val Thr 145 150 155 160 cac atc cgg cag ccc gac ctg agc agc att gcg gtg ccg ccg gac cac 528 His Ile Arg Gln Pro Asp Leu Ser Ser Ile Ala Val Pro Pro Asp His 165 170 175 cgc aag ttc cag ggc tac tac aag atc gcg cgc cac tac cgc tgg gcg 576 Arg Lys Phe Gln Gly Tyr Tyr Lys Ile Ala Arg His Tyr Arg Trp Ala 180 185 190 ctg ggc cag gtc ttc cgg cag ttt cgc ttc ccc gcg gcc gtg gtg gtg 624 Leu Gly Gln Val Phe Arg Gln Phe Arg Phe Pro Ala Ala Val Val Val 195 200 205 gag gat gac ctg gag gtg gcc ccg gac ttc ttc gag tac ttt cgg gcc 672 Glu Asp Asp Leu Glu Val Ala Pro Asp Phe Phe Glu Tyr Phe Arg Ala 210 215 220 acc tat ccg ctg ctg aag gcc gac ccc tcc ctg tgg tgc gtc tcg gcc 720 Thr Tyr Pro Leu Leu Lys Ala Asp Pro Ser Leu Trp Cys Val Ser Ala 225 230 235 240 tgg aat gac aac ggc aag gag cag atg gtg gac gcc agc agg cct gag 768 Trp Asn Asp Asn Gly Lys Glu Gln Met Val Asp Ala Ser Arg Pro Glu 245 250 255 ctg ctc tac cgc acc gac ttt ttc cct ggc ctg ggc tgg ctg ctg ttg 816 Leu Leu Tyr Arg Thr Asp Phe Phe Pro Gly Leu Gly Trp Leu Leu Leu 260 265 270 gcc gag ctc tgg gct gag ctg gag ccc aag tgg cca aag gcc ttc tgg 864 Ala Glu Leu Trp Ala Glu Leu Glu Pro Lys Trp Pro Lys Ala Phe Trp 275 280 285 gac gac tgg atg cgg cgg ccg gag cag cgg cag ggg cgg gcc tgc ata 912 Asp Asp Trp Met Arg Arg Pro Glu Gln Arg Gln Gly Arg Ala Cys Ile 290 295 300 cgc cct gag atc tca aga acg atg acc ttt ggc cgc aag ggt gtg agc 960 Arg Pro Glu Ile Ser Arg Thr Met Thr Phe Gly Arg Lys Gly Val Ser 305 310 315 320 cac ggg cag ttc ttt gac cag cac ctc aag ttt atc aag ctg aac cag 1008 His Gly Gln Phe Phe Asp Gln His Leu Lys Phe Ile Lys Leu Asn Gln 325 330 335 cag ttt gtg cac ttc acc cag ctg gac ctg tct tac ctg cag cgg gag 1056 Gln Phe Val His Phe Thr Gln Leu Asp Leu Ser Tyr Leu Gln Arg Glu 340 345 350 gcc tat gac cga gat ttc ctc gcc cgc gtc tac ggt gct ccc cag ctg 1104 Ala Tyr Asp Arg Asp Phe Leu Ala Arg Val Tyr Gly Ala Pro Gln Leu 355 360 365 cag gtg gag aaa gtg agg acc aat gac cgg aag gag ctg ggg gag gtg 1152 Gln Val Glu Lys Val Arg Thr Asn Asp Arg Lys Glu Leu Gly Glu Val 370 375 380 cgg gtg cag tat acg ggc agg gac agc ttc aag gct ttc gcc aag gct 1200 Arg Val Gln Tyr Thr Gly Arg Asp Ser Phe Lys Ala Phe Ala Lys Ala 385 390 395 400 ctg ggt gtc atg gat gac ctt aag tcg ggg gtt ccg aga gct ggc tac 1248 Leu Gly Val Met Asp Asp Leu Lys Ser Gly Val Pro Arg Ala Gly Tyr 405 410 415 cgg ggt att gtc acc ttc cag ttc cgg ggc cgc cgt gtc cac ctg gcg 1296 Arg Gly Ile Val Thr Phe Gln Phe Arg Gly Arg Arg Val His Leu Ala 420 425 430 ccc cca ctg acg tgg gag ggc tat gat cct agc tgg aat 1335 Pro Pro Leu Thr Trp Glu Gly Tyr Asp Pro Ser Trp Asn 435 440 445 <210> 2 <211> 445 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> TRANSMEM <222> (7)...(29) <300> <301> Kumar, Ravindra; Yang, Jing; Larsen, Robert D.; Stanley, Pamela <302> Cloning and expression of N-acetylglucosaminyltransferase I, the medial Golgi transferase that initiates complex N-linked carbohydrate formation <303> Proc. Natl. Acad. Sci. USA <304> 87 <306> 9948-9952 <307> 1990-12 <400> 2 Met Leu Lys Lys Gln Ser Ala Gly Leu Val Leu Trp Gly Ala Ile Leu 5 10 15 Phe Val Ala Trp Asn Ala Leu Leu Leu Leu Phe Phe Trp Thr Arg Pro 20 25 30 Ala Pro Gly Arg Pro Pro Ser Val Ser Ala Leu Asp Gly Asp Pro Ala 35 40 45 Ser Leu Thr Arg Glu Val Ile Arg Leu Ala Gln Asp Ala Glu Val Glu 50 55 60 Leu Glu Arg Gln Arg Gly Leu Leu Gln Gln Ile Gly Asp Ala Leu Ser 65 70 75 80 Ser Gln Arg Gly Arg Val Pro Thr Ala Ala Pro Pro Ala Gln Pro Arg 85 90 95 Val Pro Val Thr Pro Ala Pro Ala Val Ile Pro Ile Leu Val Ile Ala 100 105 110 Cys Asp Arg Ser Thr Val Arg Arg Cys Leu Asp Lys Leu Leu His Tyr 115 120 125 Arg Pro Ser Ala Glu Leu Phe Pro Ile Ile Val Ser Gln Asp Cys Gly 130 135 140 His Glu Glu Thr Ala Gln Ala Ile Ala Ser Tyr Gly Ser Ala Val Thr 145 150 155 160 His Ile Arg Gln Pro Asp Leu Ser Ser Ile Ala Val Pro Pro Asp His 165 170 175 Arg Lys Phe Gln Gly Tyr Tyr Lys Ile Ala Arg His Tyr Arg Trp Ala 180 185 190 Leu Gly Gln Val Phe Arg Gln Phe Arg Phe Pro Ala Ala Val Val Val 195 200 205 Glu Asp Asp Leu Glu Val Ala Pro Asp Phe Phe Glu Tyr Phe Arg Ala 210 215 220 Thr Tyr Pro Leu Leu Lys Ala Asp Pro Ser Leu Trp Cys Val Ser Ala 225 230 235 240 Trp Asn Asp Asn Gly Lys Glu Gln Met Val Asp Ala Ser Arg Pro Glu 245 250 255 Leu Leu Tyr Arg Thr Asp Phe Phe Pro Gly Leu Gly Trp Leu Leu Leu 260 265 270 Ala Glu Leu Trp Ala Glu Leu Glu Pro Lys Trp Pro Lys Ala Phe Trp 275 280 285 Asp Asp Trp Met Arg Arg Pro Glu Gln Arg Gln Gly Arg Ala Cys Ile 290 295 300 Arg Pro Glu Ile Ser Arg Thr Met Thr Phe Gly Arg Lys Gly Val Ser 305 310 315 320 His Gly Gln Phe Phe Asp Gln His Leu Lys Phe Ile Lys Leu Asn Gln 325 330 335 Gln Phe Val His Phe Thr Gln Leu Asp Leu Ser Tyr Leu Gln Arg Glu 340 345 350 Ala Tyr Asp Arg Asp Phe Leu Ala Arg Val Tyr Gly Ala Pro Gln Leu 355 360 365 Gln Val Glu Lys Val Arg Thr Asn Asp Arg Lys Glu Leu Gly Glu Val 370 375 380 Arg Val Gln Tyr Thr Gly Arg Asp Ser Phe Lys Ala Phe Ala Lys Ala 385 390 395 400 Leu Gly Val Met Asp Asp Leu Lys Ser Gly Val Pro Arg Ala Gly Tyr 405 410 415 Arg Gly Ile Val Thr Phe Gln Phe Arg Gly Arg Arg Val His Leu Ala 420 425 430 Pro Pro Leu Thr Trp Glu Gly Tyr Asp Pro Ser Trp Asn 435 440 445 <210> 3 <211> 4 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Amino acid sequence recognized by factor Xa. <400> 3 Ile Glu Gly Arg <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide designed to act as primer for amplifying human N-acetylglucosaminyltransferase I cDNA. <400> 4 ctcctcttcg aattcacgcg ccca 24 <210> 5 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide designed to act as primer for amplifying human N-acetylglucosaminyltransferase I cDNA. <400> 5 ggtctagacc cggaactgga aggtgacaat ac 32
【図1】化1に示される糖鎖を基質として用いた時の、
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
【図2】化2に示される糖鎖を基質として用いた時の、
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
【図3】化3に示される糖鎖を基質として用いた時の、
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラ
ーゼ反応生成物のHPLCクロマトグラフィーの結果を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 ダニエル・ジー・モラン 兵庫県西宮市戸田町4−7−801 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA03 AA11 BA10 BA63 CA01 CA07 DA06 FA02 FA17 HA03 4B050 CC05 DD11 LL01 4H045 AA20 BA10 CA40 DA50 FA70 FA74
Claims (13)
- 【請求項1】 以下の工程: (1) マルトース結合タンパク質をコードするDNAとN
−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコード
するDNAが、該両タンパク質の融合タンパク質として
発現するように連結され、且つ大腸菌で機能し得るプロ
モーターの制御下におかれた発現ベクターで大腸菌を形
質転換し、(2) 得られる形質転換体を培養して、マルト
ース結合タンパク質とN−アセチルグルコサミニルトラ
ンスフェラーゼとの融合タンパク質を可溶性タンパク質
として生成させ、(3) 得られる培養物から、マルトース
結合タンパク質の有する特異的親和性を用いて該融合タ
ンパク質を分離する、を含むマルトース結合タンパク質
−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ融合
タンパク質の製造方法。 - 【請求項2】 N−アセチルグルコサミニルトランスフ
ェラーゼがβ1,2−N−アセチルグルコサミニルトラ
ンスフェラーゼである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 N−アセチルグルコサミニルトランスフ
ェラーゼがヒト由来である請求項1または2記載の方
法。 - 【請求項4】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸
番号30〜425で示されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列を含む請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号1に示される塩基配列中、少なくとも塩基番号88
〜1275で示される塩基配列を含む請求項4記載の方
法。 - 【請求項6】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号2に示されるアミノ酸配列から該タンパク質の膜貫
通部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除
したアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む請求項2
記載の方法。 - 【請求項7】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜貫通部
位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコードす
る塩基配列を削除した塩基配列を含む請求項6記載の方
法。 - 【請求項8】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号2に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を
含む請求項4記載の方法。 - 【請求項9】 β1,2−N−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼをコードするDNAが、配列表配列
番号1に示される塩基配列を含む請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法
により得られる融合タンパク質から、マルトース結合タ
ンパク質部分を除去してN−アセチルグルコサミニルト
ランスフェラーゼを採取する工程を含む、N−アセチル
グルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法。 - 【請求項11】 マルトース結合タンパク質をコードす
るDNAが、該タンパク質のC末端側にプロテアーゼ認
識配列をコードする塩基配列を含み、該プロテアーゼの
作用により融合タンパク質からマルトース結合タンパク
質部分を除去することを特徴とする請求項10記載の方
法。 - 【請求項12】 プロテアーゼが血液凝固第Xa因子で
ある請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 マルトース結合タンパク質をコードす
るDNAが、pMAL−p2あるいはpMAL−c2に
由来する請求項12記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36812799A JP2001178453A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法 |
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JP36812799A JP2001178453A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001178453A true JP2001178453A (ja) | 2001-07-03 |
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Family Applications (1)
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JP36812799A Withdrawn JP2001178453A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2001178453A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1371732A4 (en) * | 2001-02-26 | 2004-08-25 | Toyo Boseki | FUSION PROTEIN WITH BETA 1,2-N-ACETYLGLUCOSAMINYL TRANSFERASE II ACTIVITY AND PRODUCTION METHOD THEREFOR |
US8137928B2 (en) | 2005-03-24 | 2012-03-20 | BioGeneriX | Expression of soluble, active eukaryotic glycosyltransferases in prokaryotic organisms |
CN111334485A (zh) * | 2018-12-19 | 2020-06-26 | 江南大学 | 一种人源n-乙酰葡糖胺转移酶ii的原核表达方法及其产品 |
CN111534495A (zh) * | 2020-05-14 | 2020-08-14 | 江南大学 | 一种提高重组n-乙酰葡糖胺转移酶ii可溶性表达的方法 |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36812799A patent/JP2001178453A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
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CN111334485B (zh) * | 2018-12-19 | 2022-08-30 | 江南大学 | 一种人源n-乙酰葡糖胺转移酶ii的原核表达方法及其产品 |
CN111534495A (zh) * | 2020-05-14 | 2020-08-14 | 江南大学 | 一种提高重组n-乙酰葡糖胺转移酶ii可溶性表达的方法 |
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