JP2005046030A - I分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有する融合タンパク質及びその製造方法 - Google Patents

I分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有する融合タンパク質及びその製造方法 Download PDF

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周作 柳谷
Kazunori Inamori
和紀 稲森
Shigeo Shibatani
滋郎 柴谷
Izumi Inohara
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Abstract

【課題】I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有する融合タンパク質を可溶性タンパク質として生産すること、また、融合タンパク質から上記酵素そのものも容易に得ることを可能とする。
【解決手段】糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの組換え融合タンパク質、及び、以下の工程(1)〜(3)を含む組換え融合タンパク質の製造方法。(1)大腸菌で機能し得るプロモーターの制御下に、糖結合性タンパク質をコードするDNAと上記酵素をコードするDNAを、該両タンパク質の融合タンパク質として発現するように連結した発現ベクターを用いて、大腸菌を形質転換し、(2)得られた形質転換体を培養して、糖結合性タンパク質と上記酵素との融合タンパク質を生成させ、(3)得られた培養物から、該融合タンパク質を分離する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糖タンパク質プロセッシング酵素の一種である、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを、安価に効率よく生産する方法に関する。詳細には、マルトース結合タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼタンパク質との融合タンパク質及び該タンパク質を大腸菌体内で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の単糖がグリコシド結合により連結した糖鎖は、細胞において、細胞内オルガネラ成分、細胞表層成分、分泌糖タンパク質などとして存在している。これら糖鎖の構造は生物種や組織特異的に異なっているが、同一生物種や同一組織内でも発生時期や疾病等によっても異なることから、従来考えられていたタンパク質の熱安定性、親水性、電荷、プロテアーゼ耐性等のタンパク質に対する物理的性質の付与といった機能の他に、発生・分化、神経系、免疫系、癌の転移等の細胞間認識に糖鎖が関与していることが明らかになり、医薬品等の種々の分野への応用という点から近年非常に注目されるようになった。
【0003】
これら糖鎖は、生体内においては糖転移酵素によって合成されている。糖転移酵素は、糖ヌクレオチドを糖供与体として、受容体となる糖鎖に糖を転移し、糖鎖伸長を行う酵素であり、また、その糖受容体の糖鎖構造に対する特異性は厳密であり、通用、1つのグリコシド結合は1つの糖転移酵素によって形成されるといわれている。これら糖転移酵素は糖鎖研究、特に有用糖鎖の簡便な合成、天然の糖鎖の修飾に利用されるという点で重要な酵素である。しかしながら、天然に存在する糖転移酵素の量は、極僅かであり大量且つ安定に供給することは事実上困難であった。
【0004】
β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼは糖蛋白質或いは糖脂質の糖鎖の形成に関与する重要な酵素であり、UDP−GlcNAcを糖供与体として、糖受容体である糖蛋白質或いは糖脂質の糖鎖にβ1−6結合で、N−アセチルグルコサミンを転移する酵素である。現在、β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(以下、GnTVと省略する場合もある)、core2形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(以下、C2GnTIと省略する場合もある)、core2形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼII(以下、C2GnTIIと省略する場合もある)、core2形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(以下、C2GnTIIIと省略する場合もある)、I分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(以下、I−GnTと省略する場合がある)の5種類のβ1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが知られている(非特許文献1参照)。
【0005】
GnTVは糖蛋白質のN結合型糖鎖のα1−6マンノースにβ1−6結合でN−アセチルグルコサミンを転移し、[GlcNAcβ1−2(GlcNAcβ1−6)Manα1−6](GlcNAcβ1−2Manα1−3)Manβ1−4GlcNAcβ1−4GlcNAc−Rを合成する酵素である。C2GnTI及びC2GnTIIIは糖蛋白質のO結合型糖鎖(ムチン型糖鎖)のコア1構造のN−アセチルがラクトサミンにβ1−6結合でN−アセチルグルコサミンを転移し、Galβ1−3(GlcNAcβ1−6)GalNAc−R(コア2構造)を合成する酵素である。
【0006】
本発明のI−GnTは、ポリN−アセチルラクトサミン(Galβ1−4GlcNAcβ1−3)n構造のガラクトースにβ1−6結合でN−アセチルグルコサミンを転移し、I−抗原分岐を形成させる酵素である。GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを基質とした場合、GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを合成し、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを基質とした場合、Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを合成する。さらに、GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを基質とした場合、GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−R(主反応物)及びGlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを合成し、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを基質とした場合、Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc/Glc−R(主反応産物)、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−R、Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc/Glc−Rを合成するという基質特異性を有する。I−GnTにより合成された分岐に、さらにβ1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼが作用し、I−抗原すなわち、Galβ1−4GlcNAcβ1−3(Galβ1−4GlcNAcβ1−6)Gal−R構造が合成される。このI抗原のGalβ1−4GlcNAc糖鎖にα2,3−シアリルトランスフェラーゼやα1,3−フコシルトランスフェラーゼが作用し、LeX、sLeX等のルイス構造が形成される。
【0007】
最後の、C2GnTIIはコア2合成活性、コア4合成活性、すなわち、GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)GalNAc−R合成活性、及びI−分岐合成活性を有するユニークな酵素である。
以上のように、I−GnTはルイス構造形成のための基本骨格を合成するという点で、重要な酵素の一つであると考えられている。ルイス構造は癌の転移や、免疫系に深く関与していると考えられている糖鎖構造で、これらを合成し用いることで医薬品など種々の用途への応用が期待されている。また、I抗原構造は多価のルイス構造を形成することが可能であり、より強力な効果が期待されている。
I−GnTはこの多価ルイス構造糖鎖の合成のために必須な酵素であり、その安定した供給が望まれていた。
【0008】
この、I−GnTは、各種動物の臓器に存在することが知られているが、大量且つ安定した臓器の入手は困難であり、かつ、単一のタンパク質にまで精製しようとすると非常に手間のかかることから、遺伝子組換えによる生産が期待されている。
【0009】
該酵素をコードするcDNAは、ヒト由来(例えば、非特許文献2参照)、マウス由来(例えば、非特許文献3参照)のものが既に単離されている。
【0010】
組換えタンパク質の大量生産には、コスト的な点を考慮すれば、細菌や酵母などの微生物で該タンパク質を発現させる方法が有利である。しかしながら、微生物の発現系では、発現したタンパク質の多くが不溶性の封入体(inclusion body)として存在することがあり、精製に先立って可溶化・再生(renaturation)の工程を必要とするので、効率的とは言えなかった。さらに、一部可溶性タンパク質として発現した酵素についても、それを高純度で得るためには、各種クロマトグラフィー処理を含む多くの精製工程が必要であり、多大な時間及びコストがかかるため、商業生産用の発現としては十分ではなかった。
【0011】
一方、目的とする遺伝子を大量に発現させ、かつ、発現産物の精製を容易にする方法として、目的タンパク質をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)やプロテインAなどとの融合タンパク質として発現させる方法がある。該方法では、GSTとの融合タンパク質は。グルタチオンをリガンドとするアフィニティカラムムロマトグラフィーにより、また、プロテインAとの融合タンパク質はIgGをリガンドとするアフィニティクロマトグラフィーにより、それぞれ容易に精製することができる。しかしながら、この方法を用いた場合、前期と同様に封入体を生成する可能性が高い。このような理由から、I−GnTを大量且つ安定に供給することは事実上困難であった。
【0012】
【非特許文献1】
「ハンドブック オブ グリコシルトランスフェラーゼ アンド リレイティッド ジーンズ(Handbook of Glycosyltransferase and Related Genes)」,スプリンガー
【0013】
【非特許文献2】
「ジーンズ アンド ディベロップメント(Genes & Development)」,7巻,p468,1993年
【0014】
【非特許文献3】
「グライコバイオロジー(Glycobiology)」,7巻,p285,1997年
【0015】
【非特許文献4】
「ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(The Journal of Biologycal Chemistry)」,259巻,p10606,1984年
【0016】
【非特許文献5】
「プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンス オブザ ユナイティッド ステイツ オブ アメリカ(Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America)」,69巻,p2110,1972年
【0017】
【非特許文献6】
「モレキュラー ジェネティクス アンド ゲノミクス(Molecular Genetics and genomics)」,168巻,p111,1979年
【0018】
【非特許文献7】
「ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(Journal of Molecular Biology)」,56巻,p209,1971年
【0019】
【非特許文献8】
「細胞工学別冊 実験プロトコールシリーズ グライコバイオロジー実験プロトコール 糖タンパク質・糖脂質・プロテオグリカン」,秀潤社,1996年
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、遺伝子操作によりI−GnTを、マルトース結合タンパク質(以下、MBPと省略する場合もある)等の糖結合性タンパク質との融合タンパク質として大腸菌で発現させると、I−GnTを可溶性タンパク質として得ることができ、また、該タンパク質は糖結合性タンパク質の特異的親和性を利用したアフィニティクロマトグラフィーによって容易に精製でき、得られた融合タンパク質がI−GnT活性を有する事を見いだした。
【0021】
さらに、本発明者らは、糖結合タンパク質とI−GnTとの融合部位の配列を特異的に切断するプロテアーゼにより、該融合タンパク質からI−GnTも取得できることを見いだした。
【0022】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
【0023】
項1.糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの組換え融合タンパク質。
項2.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼがヒト由来である項1〜4のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
項3.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、(a)または(b)に記載されるタンパク質である項1又は2に記載の組換え融合タンパク質。
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)(a)において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
項4.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号29〜400で示されるアミノ酸配列を含む、項3に記載のタンパク質。
項5.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、該タンパク質の膜貫通領域の全部又は一部に相当するアミノ酸を削除したアミノ酸配列を含む項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。
項6.糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの間にプロテアーゼ認識配列を含む項1〜5のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
項7.糖結合性タンパク質がマルトース結合性タンパク質である項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
項8.プロテアーゼが血液凝固第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼIからなる群から選択されるプロテアーゼである項6記載の組換え融合タンパク質。
項9.項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質をコードするDNA。
項10.項9記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
項11.項10記載の発現ベクターにより形質転換された形質転換体。
項12.以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質の製造方法。
(1)大腸菌で機能し得るプロモーターの制御下に、糖結合性タンパク質をコードするDNAとI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAを、該両タンパク質の融合タンパク質として発現するように連結した発現ベクターを用いて、大腸菌を形質転換し、
(2)得られた形質転換体を培養して、糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの融合タンパク質を生成させ、
(3)得られた培養物から、該融合タンパク質を分離する
項13.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼがヒト由来である項12記載の方法。
項14.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号29〜400で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む項13記載の方法。
項15.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸を削除したアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む項12〜14のいずれかに記載の方法。
項16.I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、配列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸をコードする塩基配列を削除した塩基配列を含む項12〜15のいずれかに記載の方法。
項17.糖結合タンパク質が、マルトース結合タンパク質である項12〜16のいずれかに記載の方法。
項18.マルトース結合性タンパク質をコードするDNAが、pMAL p2、pMAL p2X、pMAL p2E、pMAL p2G、pMAL c2、pMAL c2X、pMAL c2E、pMAL c2Gからなる群から選択されるベクターにに由来する項17に記載の方法。
項19.項12〜18のいずれかに記載の方法により得られる融合タンパク質から、糖結合タンパク質部分を除去してI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを採取する工程を含む、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法。
項20.糖結合タンパク質をコードするDNAが、該タンパク質のC末端側にプロテアーゼ認識配列をコードする塩基配列を含み、該プロテアーゼの作用により融合タンパク質から糖結合タンパク質部分を除去する事を特徴とする請求項19記載の方法。
項21.プロテアーゼが血液凝固第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼIからなる群から選択されるプロテアーゼである項20記載の方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、I−GnT活性を有するタンパク質を、I−GnTと糖結合タンパク質との融合タンパク質としたこと、該融合タンパク質は可溶性タンパク質であることを特徴とするものである。
【0025】
さらに、本発明は、I−GnTを糖結合タンパク質との融合タンパク質として大腸菌で発現させることにより、I−GnTを可溶性融合タンパク質として生成させるのを可能にしたこと、並びに糖結合タンパク質の有する特異的親和性を利用して融合タンパク質及びI−GnTを容易且つ大量に精製するのを可能にしたことを特徴とする。
【0026】
本発明の融合タンパク質
本発明において、MBPなどの糖結合タンパク質とI−GnTとの融合タンパク質(以下、マルトース結合タンパク質との融合タンパク質の場合には、「MBP−I−GnT」と省略する場合もある)は、糖結合タンパク質の有する特異的親和性、すなわちMBPの場合にはマルトース並びにマルトース残基を有する少糖類および多糖類に対する高親和性を保持し、且つI−GnTが有する酵素活性を保持する限り、いかなる形態のものであってもよい。さらに、図1に示すごとく、少なくとも糖結合タンパク質部分を除去した後に得られるI−GnTが本来の酵素活性を保持するものがよい。
【0027】
好ましくは、該融合タンパク質は、糖結合タンパク質のC末端側にI−GnTが連結されたものであり、特に好ましくは糖結合タンパク質とI−GnTが融合部位において、酵素学的または化学的手段により容易に切断され得る構造を有するものである。
【0028】
糖結合タンパク質とは、糖並びに糖残基を有する少糖類および多糖類に対する高親和性を保持するタンパク質であって、例えば、各種レクチン、マルトース結合タンパク質、セルロース結合タンパク質、キチン結合タンパク質などが例示できる。好ましくは、マルトース結合タンパク質、セルロース結合タンパク質、キチン結合タンパク質などであり、より好ましくは、マルトース結合タンパク質(以下、MBPと省略することがある。)である。
【0029】
糖結合タンパク質は、いかなる生物種由来のものであっても良いが、このましくは細菌などの原核生物由来であり、より好ましくは大腸菌由来である。
【0030】
また、該MBPは、マルトースまたはマルトース残基を有する少糖類(例えば、マルトトリオース等)もしくは多糖類(例えば、アミロース等)に対して特異的親和性を有する部位を有する限り、必ずしも全配列を含む必要はなく、該配列の一部を含むものであっても良い。公知のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸からなり、マルトースまたはマルトース残基を有する少糖類(例えば、マルトトリオース等)もしくは多糖類(例えば、アミロース等)に対して特異的親和性を有する部位を有するタンパク質が例示できる。
【0031】
本発明においては、MBPをコードする遺伝子としてpMAL p2或いはpMAL p2X或いはpMAL p2E或いはpMAL p2G或いはpMAL c2或いはpMAL c2X或いはpMAL c2E或いはpMAL c2G(全てNew England Biolabs社製)に由来するものを使用することができる。
【0032】
本発明の糖結合タンパク質は、該タンパク質のC末端側に配列特異性の高いプロテアーゼによって認識され切断されるアミノ酸配列を含むことが特に好ましい。そのようなプロテアーゼとしては、第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼI、トロンビン、レニンなどが挙げられるが、好ましくは、該プロテアーゼは第Xa因子認識配列、すなわち、Ile−Glu−Gly−Arg(配列番号3)又はIle−Asp−Gly−Arg(配列番号4)、エンテロキナーゼ認識配列、すなわち、Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号5)、ゲネナーゼI認識配列、すなわち、His−Tyr(配列番号6)又はTyr−His(配列番号7)であり、より好ましくは第Xa因子認識配列又はエンテロキナーゼ認識配列である。このようなプロテアーゼ認識配列を糖結合タンパク質のC末端側に導入することにより、例えば、MBP−I−GnTの精製後に該プロテアーゼを作用させて、MBP部分を容易に除去することができる。
【0033】
また、より好ましい態様においては、糖結合タンパク質は、糖結合タンパク質部位とプロテアーゼ認識部位の間に5〜15アミノ酸残基程度のスペーサー配列を含む。該スペーサー配列の存在により、糖結合タンパク質はI−GnTから遠ざかるために融合タンパク質の分子内相互作用の可能性が減じ、MBP−ST3GalI融合タンパク質の場合、MBP部分のマルトースやアミロースに対する特異的親和性が増大する。本発明の場合には、配列番号9(Ser−Ser−Ser−Asn− Asn− Asn− Asn− Asn− Asn− Asn− Asn− Asn− Asn)のスペーサー配列を含むpMAL p2或いはpMAL p2X或いはpMAL p2E或いはpMAL p2G或いはpMAL c2或いはpMAL c2X或いはpMAL c2E或いはpMAL c2G(全てNew England Biolabs社製)を使用することができる。
【0034】
I−GnTも、いかなる生物種由来のものであってよいが、好ましくは哺乳動物由来であり、より好ましくはヒト由来である。さらに、本発明において、I−GnTは、I−GnT活性を保持する限りI−GnT全長配列を含む必要はなく、該配列の一部を含むものであっても良い。例えば、(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質や(b)上記(a)において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質であってよい。
【0035】
特に、I−GnTはゴルジ装置に存在する膜貫通タンパク質であるので、MBP−I−GnTを可溶性タンパク質として生成させることを考慮すれば、疎水性の高い膜貫通ドメイン領域の全部又は一部を除いたI−GnTの一部を使用することも、本発明の好ましい実施態様の1つである。具体的には、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも29〜400で示されるアミノ酸配列を含んでいることが好ましい。
【0036】
また、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも29〜400で示されるアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸からなり、I−GnT活性を有するタンパク質であってもよい。
【0037】
本発明の融合タンパク質の製造方法
本発明において、糖結合タンパク質―I−GnTは、糖結合タンパク質をコードするDNAとI−GnTをコードするDNAを、結果的に上記性質を有する融合タンパク質として転写・翻訳されるように−すなわちインフレームに(in frame)−連結したキメラDNAを含む発現ベクターで大腸菌を形質転換し、得られる形質転換体を適当な培地中で培養することにより取得される。
【0038】
本発明において、I−GnTをコードするDNAは、いかなる生物種由来のものであっても良いが、好ましくは哺乳動物由来であり、より好ましくはヒト由来である。さらに、本発明において、I−GnTをコードするDNAは、その転写翻訳産物がI−GnT活性を保持する限りI−GnT遺伝子の全コード量IIを含む必要はなく、該コード領域に一部を含むものであっても良い。特に、I−GnTはゴルジ装置に存在する膜貫通タンパク質であるので、糖結合タンパク質―I−GnTを可溶性タンパク質として生成させることを考慮すれば、疎水性の高い膜貫通ドメインをコードする領域を除いたI−GnTコード配列を使用することも、本発明の好ましい実施態様の1つである。
【0039】
I−GnTをコードするDNAは、公知のI−GnT遺伝子配列(例えば、非特許文献2或いは3参照)の配列等に基づいて、自体公知のいかなる手法によっても調製することができる。例えば、公知のI−GnT遺伝子配列を基に、I−GnTのコード領域の全部または一部をカバーする適当なオリゴヌクレオチドプライマー対を合成し、I−GnTを発現する細胞又は組織から抽出した全RNAもしくはポリA(+)RNA或いは染色体DNAを鋳型としてRT−PCRを行うことによりクローニングすることができる。このとき、その後ろのベクターへのクローニングを容易にするために、用いるオリゴプライマーの末端に適当な制限酵素認識配列を付加することもできる。
【0040】
あるいは、公知のI−GnT遺伝子配列を基に適当なオリゴヌクレオチドプローブを合成し、これを用いてI−GnTを発現する細胞または組織から常法により調製したcDNAライブラリーをプラーク(またはコローニー)ハイブリダイゼーションによりスクリーニングすることによってもクローニングすることができる。
【0041】
さらに、I−GnTをコードするDNAは、部分または完全精製されたI−GnTの全部又は一部を抗原として常法により抗体を作成し、これを用いてI−GnTを発現する細胞または組織から常法により調製したcDNAライブラリーを抗体スクリーニングすることによってもクローニングすることができる。
【0042】
あるいは、当該DNAは、公知のI−GnT遺伝子配列を基にDNA/RNA自動合成装置を用いて、センス鎖の部分配列とアンチセンス鎖の部分配列を一部がオーバーラップするように合成し、PCR法によってより長い部分配列を二本鎖DNAとして得るという操作を繰り返すことによって、所望のDNA配列を得ることもできる。
【0043】
本発明の好ましい態様においては、ヒト由来I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(以下、hI−GnTと省略する場合もある)をコードするDNAの全部または一部を含むものである。例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号29〜400で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは配列番号1に示される塩基配列中、少なくとも塩基番号85〜1200で示される塩基配列を含むDNAである。或いは、hI−GnTをコードするDNAは、該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列を削除したアミノ酸配列をコードする塩基配列、好ましくは該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸配列をコードする塩基配列を削除した塩基配列を含むDNAである。hI−GnTの膜貫通ドメインは、疎水性プロット分析の結果から、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、アミノ酸番号7〜25で示される部分であると推定されている。したがって、該ドメインをコードするDNAは、好ましくは配列番号1に示される塩基配列中、塩基番号19〜75で示される塩基配列である。
【0044】
もちろん、hI−GnTをコードするDNAは、配列番号2に示されるアミノ酸配列の全部をコードする塩基配列を含むDNA、好ましくは配列番号1に示される塩基配列の全部を含むDNAであってもよい。
【0045】
本発明において、糖結合タンパク質をコードするDNAは、上述の各種タンパク質をコードするDNAが例示され、好ましくは、マルトース結合タンパク質、セルロール結合タンパク質またはキチン結合タンパク質をコードするDNAであり、より好ましくは、マルトース結合タンパク質をコードするDNAである。
【0046】
また、該DNAは、いかなる生物種由来のものであってもよいが、好ましくは細菌などの原核生物由来であり、より好ましくは大腸菌由来である。
【0047】
また、該MBPをコードするDNAは、マルトースマルトース残基を有する少糖類(例えば、マルトトリオース等)もしくは多糖類(例えば、アミロース等)に対して特異的親和性を有する翻訳産物をコードする限り、必ずしもコード領域の全部を含む必要はなく、該コード領域の一部を含むものであってもよい。
【0048】
大腸菌由来のMBPは、ペリプラズムに存在する分泌タンパク質であり、初期翻訳産物はそのN末端にシグナルペプチドを含む。本発明のMBPをコードするDNAは、宿主大腸菌で機能し得るシグナルペプチドをコードする塩基配列(シグナル配列)を含むものであってもよいし、含まないものであってもよい。大腸菌は細胞壁の外側に外膜を有するグラム陰性菌であるから、MBPをコードするDNAがシグナル配列を含む場合であっても、発現したMBP−I−GnTが培地中にまで分泌される可能性は低い。しかしながら、MBP−I−GnTがペリプラズム空間に蓄積すれば、菌体を完全に破砕せずにスフェロプラスト化することにより該融合タンパク質を回収することができるので、その後の精製をより容易に行うことができる。但し、この場合には、特にI−GnTの膜貫通ドメインを削除しておくことが好ましい。該ドメインが存在すると、MBP−I−GnTはペリプラズム空間に到達せずに内膜にとどまる可能性があり、該融合タンパク質の回収が煩雑になるからである。
【0049】
本発明のMBPをコードするDNAは、該タンパク質のC末端側に配列特異性の高いプロテアーゼによって認識され切断されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むことが特に好ましい。そのようなプロテアーゼとしては、第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼI、トロンビン、レニンなどが挙げられるが、好ましくは、該プロテアーゼは第Xa因子認識配列、すなわち、Ile−Glu−Gly−Arg(配列番号3)又はIle−Asp−Gly−Arg(配列番号4)、エンテロキナーゼ認識配列、すなわち、Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号5)、ゲネナーゼI認識配列、すなわち、His−Tyr(配列番号6)又はTyr−His(配列番号7)であり、より好ましくは第Xa因子認識配列又はエンテロキナーゼ認識配列である。このようなプロテアーゼ認識配列を糖結合タンパク質のC末端側に導入することにより、例えば、MBP−I−GnTの精製後に該プロテアーゼを作用させて、MBP部分を容易に除去することができる。
【0050】
より好ましい態様においては、糖結合タンパク質をコードするDNAは、糖結合タンパク質コード領域とプロテアーゼ認識部位の間に5〜15アミノ酸残基程度のスペーサー配列を含む。該スペーサー配列の存在により、糖結合タンパク質はI−GnTから遠ざかるために融合タンパク質の分子内相互作用の可能性が減じ、MBP−ST3GalI融合タンパク質の場合、MBP部分のマルトースやアミロースに対する特異的親和性が増大する。
【0051】
MBPをコードするDNAは、公知のMBP遺伝子配列[例えば、大腸菌由来MBP(非特許文献4)を基に、I−GnTをコードするDNAについて例示したと同様の自体公知の手段を用いてクローニングすることができ、また、常法によりMBPのC末端側に上記のプロテアーゼ認識配列およびスペーサー配列を導入することができる。本発明の場合には、配列番号8のスペーサー配列を含む。
【0052】
また、大腸菌由来MBPをコードするDNAは、例えば、New England Biolabs社製のpMAL p2(シグナル配列を含む)或いはpMAL p2X(シグナル配列を含む)或いはpMAL p2E(シグナル配列を含む)或いはpMAL p2G(シグナル配列を含む)或いはpMAL c2(シグナル配列を欠失する)或いはpMAL c2X(シグナル配列を欠失する)或いはpMAL c2E(シグナル配列を欠失する)或いはpMAL c2G(シグナル配列を欠失する)のような市販のベクターから得ることができる。
【0053】
糖結合タンパク質−I−GnT融合タンパク質をコードするキメラDNAの構築を容易にするために、糖結合タンパク質をコードするDNAの末端に、常法により適当な制限酵素認識部位を付加することができる。I−GnTをコードするDNAをベクター中にクローニングする際に、I−GnTのN末端側に制限酵素認識部位を付加した場合は、糖結合タンパク質をコードするDNAにも同じ制限酵素認識部位(もしくは同じ粘着末端を生じる別の制限酵素認識部位)を導入すればよい。
【0054】
本発明の発現ベクターは、上記の糖結合タンパク質−I−GnTをコードするキメラDNAが、大腸菌で機能し得るプロモーターの制御下におかれた、任意の発現ベクターである。該プロモータ領域には、RNAポリメラーゼの結合位置を決定するコンセンサス配列である−35領域および−10領域が含まれる。所望の組換えタンパク質を大量に発現させる系として、誘導酵素のプロモーター領域を使用することがより望ましい。このようなプロモーター領域としてtrpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、lppプロモーター、tacプロモーター等が挙げられる。これらのプロモーター領域は、リプレッサータンパク質が結合するオペレーターをさらに含む。誘導物質(例えば、lacプロモーターではラクトースやIPTG)を添加するとリプレッサータンパク質のオペレーターへの結合が抑制され、プロモーターの制御下におかれた遺伝子が大量に発現する。また、該発現ベクターは、翻訳開始コドンの上流にコンセンサスなShine−Dalgarno(SD)配列を含む。さらに、該発現ベクターは、糖結合タンパク質−I−GnTをコードするキメラDNAの下流に転写終結シグナル、すなわちターミネーター領域を含有する。ターミネーター領域としては、通常使用されている天然または合成のターミネーターを用いることができる。本発明の発現ベクターは、上記のプロモーター領域およびターミネーター領域に加えて、宿主大腸菌内で自立複製し得る複製起点を含む必要がある。このような複製起点としては、ColE1 ori、M13 oriなどが挙げられる。
【0055】
本発明の発現ベクターは、形質転換体選択のための選択マーカー遺伝子をさらに含有していることが好ましい。選択マーカー遺伝子としては、テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン等の各種薬剤に対する耐性遺伝子を用いることができる。また、宿主大腸菌が栄養要求性変異株の場合には、選択マーカー遺伝子として当該栄養要求性を相補する野生型遺伝子を用いることもできる。
【0056】
本発明の形質転換体は、本発明の発現ベクターで宿主大腸菌を形質転換することにより調製することができる。宿主の菌株は特に限定されず、例えば、市販のXL1−Blue株、BL−21株、JM107株、TB1株、JM109株、C600株、DH5α株、HB101株等が挙げられる。
【0057】
発現ベクターの宿主細胞への導入は、従来公知の方法を用いて行うことができる。例えば、Cohenらの方法(塩化カルシウム法)(非特許文献5参照)、プロトプラスト法(非特許文献6参照)、コンピテント法(非特許文献7参照)、エレクトロポレーション法等が挙げ有られる。
【0058】
糖結合タンパク質−I−GnTは、上記の糖結合タンパク質−I−GnTをコードするキメラDNAを含む発現ベクターを発現する形質転換体を、適当な培地中で培養し、得られる培養物から糖結合タンパク質−I−GnTを回収することにより得ることができる。
【0059】
用いられる培地としては、炭素源としてグルコース、フルクトース、グリセロール、スターチなどの炭水化物を含有するものである。また無機もしくは有機窒素源(例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、カゼインの加水分解物、酵母抽出物、ポリペプトン、バクトトリプトン、ビーフ抽出物等)を含んでいてもよい。これらの炭素源および窒素源は、純粋な形で使用する必要はなく、純度の低いものも微量の生育因子や無機栄養を豊富に含んでいるので有利である。さらに所望により、多の栄養源[例えば、無機塩(例えば、二リン酸ナトリウムまたは二リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1)、抗生物質(例えば、アンピシリン、カナマイシン)など]を培地中に添加しても良い。
【0060】
形質転換体の培養は、通常pH5.5〜8.5、好適にはpH6〜8、通常18〜40℃、好適には20〜35℃で、1〜150時間行われるが、これらは培養条件および培養規模によって適宜変更することができる。
【0061】
培養を大型タンク内で行う場合は、目的タンパク質の生産工程における生育遅延を回避するために、菌体を少量の培地に接種して1〜24時間前培養した後、得られた種培養液を大型タンク中に接種するのが好ましい。
【0062】
糖結合タンパク質−I−GnTの発現が、誘導タンパク質遺伝子のプロモーター系によって制御される場合、誘導物質は誘導開始時から添加しておいてもよいが、対数増殖期初期に添加するのがより好ましい。菌の増殖は、培養液の660nmにおける吸光度を測定することによってモニタリングできる。例えば、lacプロモーターやtacプロモーターを使用する場合、660nmにおける吸光度が0.4〜0.6になった時点で、誘導物質としてイソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(以下、IPTGと省略する場合もある)を、例えば0.1〜1.0mMとなるように添加することができる。誘導物質の添加時期や添加速度は、培養条件、培養規模、誘導物質の種類によって適宜変更することができる。
【0063】
本発明の方法では、糖結合タンパク質−I−GnTの精製は、該融合タンパク質の存在する画分を、その糖結合タンパク質と特異的に結合する各種糖残基を含むリガンドを結合した不溶性担体をを用いたアフィニティクロマトグラフィーに付することにより、一段階で達成することができる。
【0064】
例えば、糖結合タンパク質がMBPの場合、MBPをコードするDNAが、シグナル配列を欠失している場合、MBP−I−GnTは菌体の可溶性画分に局在するので、その場合、培養終了後に培養物を濾過もしくは遠心分離して菌体を回収し、リゾチーム処理および界面活性剤処理、超音波処理、あるいは浸透圧ショック等によって細胞を破砕して、得られる菌体抽出液をアフィニティクロマトグラフィーに用いる。
【0065】
一方、MBPをコードするDNAがシグナル配列を有する場合、発現したMBP−I−GnTは分泌されたペリプラズム空間に蓄積している可能性が高い。したがって、その場合、リゾチーム処理等によって菌体をスフェロプラスト化してMBP−I−GnTを溶液中に遊離させ、濾過もしくは遠心分離して菌体を除去した後、得られる上清をアフィニティクロマトグラフィーに用いる。
【0066】
アフィニティクロマトグラフィーの吸着体としては、例えば、MBPの場合には、アミロースをアガロースビーズに固定化したアミロース樹脂(例えば、New England Biolabs社製のAmylose resin等)を使用することができるが、他のMBPに対するリガンド及び他の不溶性マトリックス基(例えばセルロース、デキストラン、合成ポリーマー等)を使用してもよい。
【0067】
糖結合タンパク質−I−GnTは、上記のように調製されたそれを含む画分に該吸着体を加えて適当な時間撹拌した後濾過して、吸着体を洗浄し、さらに適当な濃度の糖結合タンパク質と吸着体の結合を阻害する糖(例えば、MBPの場合にはマルトース)を含む溶離液を加えて適当な時間撹拌した後濾過することにより、濾液中に精製される。あるいは、該吸着体をカラムに充填して糖結合タンパク質−I−GnT含有画分をアプライし、適当な緩衝液で洗浄した後、適当な濃度の上記溶離液をアプライしてカラムに吸着した糖結合タンパク質−I−GnTを溶出することによって得ることもできる。
【0068】
このようにして得られた本発明のMBP−I−GnTは、I−GnT活性を有するので、このまま、酵素として使用することができる。
【0069】
I−GnT の調製
上述のように、本発明の好ましい態様においては、糖結合タンパク質―I−GnTはその融合部位に配列特異的なプロテアーゼによって認識切断されるアミノ酸配列を含むので、上記のようにして精製された糖結合タンパク質−I−GnTに該プロテアーゼを作用させることにより糖結合タンパク質部分が除去されて、所望のI−GnTが生成する。好ましくは、該プロテアーゼは第Xa因子である。本発明においては配列番号3の第Xa因子認識配列を含むpMAL p2、pMAL p2X、pMAL c2、或いはpMAL c2X(New England Biolabs社製)を使用することができる。糖結合タンパク質―I−GnTにプロテアーゼを作用させる際の反応温度、溶液のpH、反応時間等は、使用するプロテアーゼの種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、第Xa因子の場合、中性緩衝液中、4〜40℃で1〜25時間反応させることにより、糖結合タンパク質とI−GnTとを開裂させることができる。反応終了後、反応液に上記の吸着体を加えて適当な時間撹拌することにより、遊離した糖結合タンパク質のみが吸着体に吸着するので、該吸着体を濾過することによりI−GnTのみを精製することができる。あるいは、該吸着体を充填したカラムに反応液をアプライして素通り画分を回収することによってもI−GnTを精製することができる。
【0070】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
【0071】
実施例1 PCR による hI−GnT cDNA 断片の取得及び発現ベクターの構築
(1)PCRプライマーの設計
配列番号1記載のヒトI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)cDNAの塩基配列をもとに、配列番号10及び11に示されるオリゴヌクレオチドを合成した。前者は配列番号1に示される塩基配列中塩基番号85〜104で示される塩基配列であり、後者は配列番号1に示される塩基配列中塩基番号1183〜1203で示される塩基配列である。
【0072】
(2)ヒトテトラカルシノーマ細胞PA−1株由来RNAからの逆転写反応
ヒトテトラカルシノーマ細胞PA−1株からRNA抽出キット(RNeasy:QIAGEN社製品)により抽出した5μgのTotal RNAを鋳型として、ランダムプライマーを用いたRT PCR high(RT PCR high:東洋紡社製)による逆転写反応を行った。得られた反応液をPA−1 1sscDNA溶液とした。
【0073】
(3)PCR反応
上記PA−1 1sscDNA及び上記合成オリゴヌクレオチドを用いて、以下の条件によりPCR反応を行った。
[PA−1 1sscDNA 2.5μl、2mM dNTPs(東洋紡社製)2.5μl、X10KOD Buffer No.1(東洋紡社製)2.5μl、25mM MgCl(東洋紡社製)1.0μl、10pmole/μlの配列番号10に記載のオリゴヌクレオチド1.0μl、10pmole/μlの配列番号11に記載のオリゴヌクレオチド1.0μl、0.3U/μl KOD DNA Polymerase(東洋紡社製)0.5μl、反応液容量25μl、98℃(30秒間)−61℃(30秒間)−74℃(30秒間)を4サイクル後、 98℃(30秒間)−64℃(30秒間)−74℃(30秒間)を31サイクル]。
PCR反応後、反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、PCR産物であるDNA断片の確認を行った。
【0074】
(4)塩基配列の確認及び発現ベクターの構築
該DNA断片を制限酵素EcoRI及びBamHIにて切断した後、予め同制限酵素にて切断しておいたpMAL c2或いはpMAL p2(New England Biolabs社製)とLigation High(東洋紡社製)を用いて連結し、大腸菌JM109株を形質転換、50μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート培地で選抜した。
大腸菌より該DNA断片を保持するプラスミドを調製、該DNA断片のヌクレオチド配列を常法に従って決定した結果、配列番号1に記載の塩基配列中塩基番号85〜1203で示される塩基配列と一致することが分かり、所望のhI−GnTのcDNA断片が得られたことが確認された。また、pMAL c2にPCR断片を連結して構築されたベクターをpMLIGN−C101、pMAL p2にPCR断片を連結して構築されたベクターをpMLIGN−P101と命名し、発現ベクターの構築も同時に完了した。
【0075】
実施例2 I−GnT の発現確認
(1)組換え大腸菌を用いたMBP−hI−GnT融合タンパク質の調製
実施例1で得られた発現ベクターpMLIGN−C101或いはpMLIGN−P101で形質転換された大腸菌 JM109株を50μg/ml アンピシリン、及び0.2%グルコースを含むLB培地5mlの入った試験管に一白金耳植菌し、37℃にて一晩振とう培養を行った。得られた培養液500μlを、同培地50mlの入った500ml培養フラスコに植菌した。37℃にて振とう培養を行った後、OD660=3.0〜4.0に達した時点で、培養温度を25℃に低下させ、そのまま25℃にて30分間培養を行った後、最終濃度0.3mMのIPTGを加え、さらに25℃にて培養を16時間続けた。培養後、菌体を遠心分離により集め、緩衝液1(20mM HEPES pH7.5 0.2M NaCl 1mM EDTA 1mM Benzamidine HCl 10mM 2メルカプトエタノール)20mlに懸濁、超音波破砕装置にて菌体を破砕した後、遠心分離により得られた上清を粗酵素液とした。予め緩衝液1で平衡化しておいたアミロースレジン(New England Biolabs社製)カラム(5ml)に、該粗酵素液を通過することにより、MBP−hI−GnT融合タンパク質を吸着させた。緩衝液1でカラムを洗浄した後、10mMマルトースを含む緩衝液1で吸着したMBP−hI−GnT融合タンパク質を溶出させた。溶出画分を集め、脱塩カラムPD−10(Pharmacia社製)にてマルトースを除去したものをMBP−hI−GnT融合タンパク質溶液とした。
【0076】
(2)I−GnT基質の調製
LNnT糖鎖(Glyko社製:Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc−OH)(化1)2.0mgを常法に従い(非特許文献8参照)、2アミノピリジンにより蛍光標識・ゲル濾過精製し、LNnT−PA(Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc−PA)を616nmoleを得た。
【0077】
(3)I−GnT活性測定
0.5M MES緩衝液pH8.0を4μl、1mM LNnT−PA(上記(2)で得られたもの)を1μl、306mM UDP−GlcNAc(Sigma社製)を1μl、上記(1)で得られたMBP−hI−GnT融合タンパク質溶液を5μlからなる反応液20μlを37℃にて15分間反応後、1分間の煮沸により反応を停止した。該反応液にMilliQ水80μlを添加、混合後、遠心分離よって得られ上清20μlをHPLCにより分析し、反応産物のGM1a−PAの量を測定した。その結果、pMLIGN−C101で形質転換された大腸菌JM109が高いI−GnT活性を示した(図2)。しかし、pMLIGN−P101で形質転換された大腸菌JM109ではI−GnT活性は検出されなかった。I−GnT活性を上記反応条件により、一分間当たりに1μmoleのN−アセチルグルコサミンをLNnT−PAに転移する酵素量と定義した場合、pMLIGN−C101で形質転換された大腸菌JM109のI−GnTの生産性は、10mU/L−Brothと算出された。
【0078】
【発明の効果】
本発明の方法では、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)活性を有する融合タンパク質を可溶性タンパク質として容易に効率よく大量に生産することができる。また、融合タンパク質からI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)そのものも容易に得ることができる。
【0079】
本発明によって得られるI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)は、自体糖鎖工学研究用試薬として有用で有るだけでなく、得られたI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)を利用することにより、研究用途或いは医薬用途として有用な種々のルイス構造糖鎖、或いはルイス構造糖鎖類似体等の糖鎖合成が容易になる。さらに、種々の有用タンパク質や種々の糖鎖含有化学物質の糖鎖修飾にも利用が可能となる。また、研究用途或いは医薬用途として有用なI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(I−GnT)抗体を容易に得ることが可能となる。
【0080】
【配列表】
Figure 2005046030
Figure 2005046030
Figure 2005046030
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【図面の簡単な説明】
【図1】本図は、I−GnT が触媒する反応を示した図である。詳しくは、糖ヌクレオチドであるUDP−N−アセチルグルコサミン(UDP−GlcNAc)をN−アセチルグルコサミン供与体として、糖受容体であるGalβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc−Rにフコースをα1−3結合で転移し、Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc−Rを生成せしめる反応を示した図である。
【図2】本図は、大腸菌で発現させたMBP−I−GnT融合タンパク質のI−GnT活性測定の結果を示 した図である。

Claims (21)

  1. 糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの組換え融合タンパク質。
  2. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼがヒト由来である請求項1〜4のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
  3. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、(a)または(b)に記載されるタンパク質である請求項1又は2に記載の組換え融合タンパク質。
    (a)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b)(a)において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
  4. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号29〜400で示されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のタンパク質。
  5. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが、該タンパク質の膜貫通領域の全部又は一部に相当するアミノ酸を削除したアミノ酸配列を含む請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。
  6. 糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの間にプロテアーゼ認識配列を含む請求項1〜5のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
  7. 糖結合性タンパク質がマルトース結合性タンパク質である請求項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質。
  8. プロテアーゼが血液凝固第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼIからなる群から選択されるプロテアーゼである請求項6記載の組換え融合タンパク質。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質をコードするDNA。
  10. 請求項9記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
  11. 請求項10記載の発現ベクターにより形質転換された形質転換体。
  12. 以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組換え融合タンパク質の製造方法。
    (1)大腸菌で機能し得るプロモーターの制御下に、糖結合性タンパク質をコードするDNAとI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAを、該両タンパク質の融合タンパク質として発現するように連結した発現ベクターを用いて、大腸菌を形質転換し、
    (2)得られた形質転換体を培養して、糖結合性タンパク質とI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとの融合タンパク質を生成させ、
    (3)得られた培養物から、該融合タンパク質を分離する
  13. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼがヒト由来である請求項12記載の方法。
  14. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、配列番号2に示されるアミノ酸配列中、少なくともアミノ酸番号29〜400で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む請求項13記載の方法。
  15. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸を削除したアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
  16. I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするDNAが、配列番号1に示される塩基配列から該タンパク質の膜貫通部位の全部または一部に相当するアミノ酸をコードする塩基配列を削除した塩基配列を含む請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 糖結合タンパク質が、マルトース結合タンパク質である請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
  18. マルトース結合性タンパク質をコードするDNAが、pMAL p2、pMAL p2X、pMAL p2E、pMAL p2G、pMAL c2、pMAL c2X、pMAL c2E、pMAL c2Gからなる群から選択されるベクターにに由来する請求項17に記載の方法。
  19. 請求項12〜18のいずれかに記載の方法により得られる融合タンパク質から、糖結合タンパク質部分を除去してI 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを採取する工程を含む、I 分岐形成β1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造方法。
  20. 糖結合タンパク質をコードするDNAが、該タンパク質のC末端側にプロテアーゼ認識配列をコードする塩基配列を含み、該プロテアーゼの作用により融合タンパク質から糖結合タンパク質部分を除去する事を特徴とする請求項19記載の方法。
  21. プロテアーゼが血液凝固第Xa因子、エンテロキナーゼ、ゲネナーゼIからなる群から選択されるプロテアーゼである請求項20記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8137928B2 (en) 2005-03-24 2012-03-20 BioGeneriX Expression of soluble, active eukaryotic glycosyltransferases in prokaryotic organisms

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