JPH05317055A - 新規なウリカーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna及び ウリカーゼの製造法 - Google Patents
新規なウリカーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna及び ウリカーゼの製造法Info
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Abstract
伝子の単離・構造決定し、これをベクターDNAに挿入
した組み換え体DNAを得、この組み換え体をエッシェ
リシア属微生物を含ませたウリカーゼ生産能を有する菌
株を培養してウリカーゼを製造する。 【効果】 培地中に尿酸を添加することなく、ウリカー
ゼを効率よく生産できる。
Description
規な組み換え体DNA及びウリカーゼの製造法に関す
る。
ントイン、過酸化水素及び炭酸ガスの生成作用を触媒す
る酵素であり、血中又は尿中尿酸の定量用試薬として使
用され、生化学的診断に重要な役割を果たしている。従
来、ウリカーゼは、例えば、キャンディダ・ウチリス
(Candida utilis) を尿酸含有培地に接種、培養し、培
養物からウリカーゼを採取することにより製造されてい
る (特公昭42-5192号公報) 。
ウリカーゼの製造法によるときには、ウリカーゼの収率
が不充分である等の問題点があった。
上記問題点を解決すべく種々検討した結果、キャンディ
ダ・ウチリス由来のウリカーゼ遺伝子を初めて単離及び
構造決定することに成功し、また更に、ウリカーゼをコ
ードする遺伝子をベクターDNAに挿入した組み換え体
DNAを得、この組み換え体をエッシェリシア (Escher
ichia)属に属する菌株に含ませたウリカーゼ生産能を有
する菌株を培地に培養すると、培地中に尿酸を添加する
ことなく効率よくウリカーゼが生産されること等を知
り、本発明を完成した。
2のアミノ酸配列をコードする新規なウリカーゼ遺伝子
であり、本発明の第2は、前記本発明の第1の新規なウ
リカーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入したことを特徴
とする新規な組み換え体DNAであり、また、本発明の
第3は、前記本発明の第2の新規な組み換え体DNAを
含み、ウリカーゼ生産能を有するエッシェリシア属に属
する微生物を培地に培養し、培養物よりウリカーゼを採
取することを特徴とするウリカーゼの製造法である。
ウリカーゼ遺伝子は、例えば、次のようにして得ること
ができる。先ず、キャンディダ・ウチリス(Candida uti
lis)ATCC9950( ブタペスト条約に基づく国際寄託 No.AT
CC74151)を、例えばCurrent Protocols in Molecular B
iology (WILEY Interscience, 1989) unit 13.11記載の
方法等により培養して得た菌株から染色体DNAを得
る。
部分分解し、染色体DNA断片混合物を得る。このよう
にして得たDNA断片混合物から、例えば、通常のアガ
ロースゲル電気泳動法により、好ましくは10〜20kbの大
きさのDNA断片混合物を得、これに必要によりアルカ
リ性ホスファターゼ処理等を行なった後、更に、必要に
より例えばフェノール抽出等の精製手段により精製し、
また更に、例えば、エタノール沈澱等の手段により濃縮
し、純化されたDNA断片混合物 (この中にウリカーゼ
をコードする遺伝子を含有するDNA断片が含まれ
る。) を得る。
ベクターDNAとしては、例えば、バクテリオファージ
ベクターDNA、プラスミドベクターDNA等が挙げら
れるが、具体的にはλEMBL4DNA (STRATAGENE社より
入手)等が好ましい。上記バクテリオファージベクター
DNAを、Sau3AI断片取り込み可能な状態にするため、
例えばBamHI (宝酒造社製) を作用させて消化し、更
に、必要によりエタノール沈澱処理等を行なうことによ
り、Sau3AI断片取り込み可能なバクテリオファージベク
ターDNAを得る。
ATCC9950由来でウリカーゼをコードする遺伝子を含有す
るDNA断片と、同じく上記のようにして得たSau3AI断
片取り込み可能なバクテリオファージベクターDNAを
混合し、これに、例えばT4DNAリガーゼ (ベーリン
ガーマンハイム社製) を作用させて組み換えファージD
NAを得る。このようにして得られた組み換えファージ
DNAについては、通常のインビトロパッケージング法
により、ファージ粒子を形成させることができ、更に、
該ファージは、例えば大腸菌 (E.coli) P2 392 (STRATA
GENE社より入手) に感染させ、種々のDNA断片を保有
する組み換えファージのプラークを得ることができる。
リカーゼ遺伝子を含むDNA断片を保有する組み換えフ
ァージを検索するには、例えば[γ‐32P]ATP (ア
マシャム・ジャパンより入手) で標識したオリゴヌクレ
オチドをプロープとして、前記 Current Protocols in
Molecular Biology (WILEY Interscience, 1989)unit6.
3 記載の方法によりプラークハイブリダイゼーションを
行なうことができる。
ジ (その中にウリカーゼ遺伝子を含むDNA断片を含有
している。) より、純化されたファージDNAを得るに
は、例えば、Molecular Cloning p.77-85(Cold Spring
Harbor Laboratory, 1982)記載の方法を用いることがで
きる。以上のようにして得られ、かつ純化された組み換
え体ファージDNAの中にはウリカーゼをコードする遺
伝子以外に不用なDNAが大量に存在するので、以下の
操作により該不用なDNAを除去する。
み換えDNAに、ウリカーゼ遺伝子上に切断部位を有し
ていない制限酵素、例えば、StuI、EcoT22I を作用させ
て消化し、DNA断片混合物を得る。このようにして得
たDNA断片混合物中の、いずれのDNA断片にウリカ
ーゼをコードする遺伝子が含有されているかは、上述の
放射性オリゴヌクレオチドプローブを用いたサザンハイ
ブリダイゼーションにより判定できる。次いで、上記の
ように消化して得られたDNA断片混合物について、通
常のアガロースゲル電気泳動を行ない、例えば、上記の
ようにウリカーゼをコードする遺伝子を含有するものと
判定されたDNA断片のみを、GENECLEAN II( フナコシ
(株) より入手) を用いて精製し、純化されたStuI-Eco
T22I消化断片 (この中にウリカーゼをコードする遺伝子
が含有されている。) を得る。
ベクターDNAとしては、如何なるものでもよく、例え
ば、プラスミドベクターDNA、バクテリオファージベ
クターDNA等が挙げられ、プラスミドpUC118、 pUC11
9 DNA等が好ましい。上記ベクターDNAに制限酵
素、例えばSmaI、PstI等 (宝酒造社製) を作用させて消
化し、切断されたベクターDNAを得る。
ATCC9950由来でウリカーゼをコードする遺伝子を含有す
るDNA断片と切断されたベクターDNAを混合し、こ
れに例えばT4 DNAリガーゼ (ベーリンガーマンハイ
ム社製) を作用させて組み換えDNAを得る。この組み
換えDNAを用いて、例えば大腸菌K-12、好ましくは大
腸菌JM109(宝酒造より入手) 、XLl-Blue (フナコシ
(株) より入手) 等を形質転換して夫々の菌株を得る。
この形質転換は D.M.Morrison の方法 (Methods in Enz
ymology,68, 326-331, 1979)により行なうことができ
る。
用いて、実施例の項目 (4) に示すような方法によっ
て、ウリカーゼ遺伝子の全塩基配列の解析を行ない、次
いで前記塩基配列を有する遺伝子によって翻訳されるポ
リペプチドのアミノ酸配列を確定する。このようにして
確定されたアミノ酸配列をコードする遺伝子が本発明の
ウリカーゼ遺伝子である。
ゼ遺伝子は、大腸菌で発現するためのプロモーターを持
たないので、組み換えDNAを保有する形質転換株は、
ウリカーゼを生産しない、そこで、以下の操作によりウ
リカーゼ生産株を得る。上記の操作で得られた塩基配列
に基づき、ウリカーゼ遺伝子のN末端及びC末端各10ア
ミノ酸に対応する30塩基のオリゴヌクレオチド (C末端
側は相補鎖である。) を合成して、これをプライマーと
し、更に上記で得られた組み換えプラスミドの EcoRI切
断消化物を鋳型として、ポリメラーゼ連鎖反応法 (以下
「PCR法」と略す。)を行ないウリカーゼをコードする
領域のみからなるDNAを得る。得られたDNAを大腸
菌ラクトースオペロン等に由来するプロモーター、オペ
レーター及びリボソーム結合部位等の発現調節領域を含
むDNA配列 (The Operon, p.227, Cold Spring Harbo
r Laboratory, 1980年を参照) を保有するベクターDN
Aに挿入する。用いられるベクターDNAはプラスミド
DNAでもバクテリオファージDNAでもよい。得られ
た組み換えDNAを用いて、例えば大腸菌K-12、好まし
くは大腸菌JM109(宝酒造より入手) 、大腸菌XLl-Bleu、
大腸菌DH1 (ATCC33849)等を形質転換又は形質導入して
夫々の菌株を得る。この形質転換は、D.M.Morrisonの方
法(Methods in Enzymology, 68, 326-331, 1979)により
行なうことができる。また形質導入はB.Hohnの方法(Met
hods in Enzymology, 68, 299-309, 1979)により行なう
ことができる。
ゼ生産能を有するエッシェリシア属に属する菌株を用い
てウリカーゼを生産するには、下記のように培養し培養
物を得る。上記微生物を培養するには、通常の固体培養
法で培養してもよいが、なるべく液体培養法を採用して
培養するのが好ましい。
は、例えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンス
ティープリカーあるいは大豆もしくは小麦麹の浸出液等
の1種以上の窒素源に、リン酸二水素カリウム、リン酸
水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸
第二鉄あるいは硫酸マンガン等の無機塩類の1種以上を
添加し、更に必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添
加したものが用いられる。
が適当がある。また培養は、30〜42℃、好ましくは37℃
前後で6〜24時間、通気攪拌深部培養、振盪培養、静置
培養等により実施するのが好ましい。培養終了後、該培
養物よりウリカーゼを採取するには、通常の酵素採取手
段を用いることができる。このようにして得られたウリ
カーゼの理化学的性質は、 Agr. Biol. Chem.,Vol.31,
No.11, p.1256-1264, 1967記載のものと同様である。
明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるも
のではない。 実施例 (1) C.utilis ATCC9950(ブタペスト条約に基づく国際
寄託 No.ATCC 74151) 染色体DNAの調製 C.utilis ATCC9950(ブタペスト条約に基づく国際寄託 N
o.ATCC 74151) をYPD培地 (1%酵母エキス、2%ペ
プトン、2%グルコース) 200ml に接種し、30℃で40時
間振盪培養し、 3000rpmで10分間遠心分離することによ
り集菌した。この菌体を25mlのソルビトール溶液 (0.9
M ソルビトール、0.1M トリス塩酸 pH8.0、0.1M EDTA)
に懸濁した後、Current Protocols in Molecular Biolo
gy (WILEY Interscience, 1989) unit 13.11記載の方法
に従い、染色体DNA約300μgを得た。
社製) により部分分解した後、アガロースゲル電気泳動
により10〜20kb画分のDNA断片を10μg 得た。バクテ
リオファージベクターλEMBL4DNA(STRATAGENE社よ
り入手) 1μgのBamHI 消化物と上記で得られたC.utili
s染色体DNA Sau3AI 消化物2μg とを、T4 DNA
リガーゼ (ベーリンガーマイハイム社製) 1ユニットで
連結し、invitro packaging kit (Gigapack Gold, STRA
TAGENE 社製) でパッケージングを行ない、大腸菌 (E.c
oli) P2 392 (STRATAGENE社より入手) に感染させ、約
50000個のプラークを得た。得られたプラークをナイロ
ンメンブレンフィルター Hybond-N+( アマシャム社製)
に、アマシャム社のプロトコールに従いブロッティング
した。
よるウリカーゼ遺伝子の単離 C.utilis ATCC9950 の培養菌体からDEAEセルロー
ス、ヒドロキシアパタイトHPLC及び逆相HPLCを
使用して精製したウリカーゼを、 GrossとWitkopの方法
(Journal of Biological Chemistry, 237, 1856, 196
2) に従い、臭化シアン処理して、ペプチド断片化し
た。これを逆相HPLCで分取した後、プロテインシー
ケンサー (アプライドバイオシステム社製、モデル470
A) により、アミノ酸配列を決定した。得られたアミノ
酸配列 Pro Gln Asn Pro Lys Lysに対応するポリヌクレ
オチドCCNCAA/GAAT/CCCNAAA/GA
A (Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tは
チミン、A/Gはアデニン又はグアニン、T/Cはチミ
ン又はシトシンを示し、Nは、A、T、G、Cのいずれ
でもよい) をDNAシンセサイザー (アプライドバイオ
システム社製、モデル392)で合成した。この合成DNA
1μg を[γ‐32P]ATP (アマシャム・ジャパン社
製) とT4 ポリヌクレオチドキナーゼ (宝酒造社製) で
末端標識し、プラークハイブリダイゼーションのプロー
ブとした。 Current Protocols in MolecularBiology
(WILEY Inter-science, 1989) unit 6.3に記載の方法に
従いプラークハイブリダイゼーションを行ない、ポジテ
ィブクローン1株を得た。
(Molecular Cloning,ed. Maniatis et al., p.77 〜85,
Cold Spring Harbor Laboratory, USA, 1982) に従っ
て調製し、上記合成オリゴヌクレオチドをプローブとし
てサザンハイブリダイゼーション (J. Mol. Biol, 98,
503, 1975)を行なったところ、StuIとEcoT22I で切り出
される約1.6kbのDNA断片上にウリカーゼ遺伝子が含
まれることがわかったので、この断片をアガロースゲル
電気泳動後、GENECLEAN II ( フナコシ (株) より購
入) により精製し、PstIとSmaIで切断したpUC118及びpU
C119に挿入した。得られた組み換えプラスミドをKilo-S
equence 用deletion kit (宝酒造より購入) 及び 370 D
NA Sequencing System (アプライドバイオシステム社よ
り購入) を用いて塩基配列の決定を行なった。決定した
塩基配列を配列番号1に、また、該DNAから翻訳され
るポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号2に夫々示し
た。ウリカーゼ遺伝子は 909塩基のコーティング領域を
もち、 303個のアミノ酸をコードしていた。
切断消化後、DNA Blunting kit (宝酒造 (株) から
購入) で平滑末端とした後、常法に従いアガロースゲル
電気泳動を行ない、GENECLEAN II (フナコシ (株) より
購入) により複製起点を含む約3.4kbのDNA断片を取
得した。得られたDNA断片はT4 DNAリガーゼによ
り環状にした後、 EcoRI切断を行ない直鎖にした。次い
で、以下に示すような大腸菌ラクトースオペロン等に由
来するプロモーター、オペレーター及びリボソーム結合
部位等の発現調節領域及びHpaI切断部位を含むDNA配
列(The Operon, p.227, Cold Spring Harbor Laborator
y, 1980年を参照) :
Biosystems社製) で合成し、上記で得られたEcoRI 断片
と連結して発現ベクターpUTE100 を作製した。ウリカー
ゼのN末端及びC末端アミノ酸配列に対応するそれぞれ
配列番号3及び配列番号4の塩基配列のオリゴヌクレオ
チドをDNA Synthesizer Model 392(Applied Biosystems
社製) で合成してプライマーとし、上記で得られた組み
換えプラスミドDNAのEcoRI 消化物を鋳型にして、Ge
neAmp DNA Amplification Reagent Kit with AmpliTaq
(宝酒造より購入) を用いたPCR法によりウリカーゼ
遺伝子のコーティング領域のみを合成した後、上記発現
プラスミドベクターpUTE100 DNAのHpaI部位に挿入
し、組み換え体プラスミドpUOX101 DNAを得た。D.M.
Morrison の方法 (Methods in Enzymology, 68, 326-
331, 1979)に従い、組み換え体プラスミドpUOX101 DN
Aで大腸菌JM109 を形質転換し、形質転換株、大腸菌JM
109 (pUOX101) を得た。なお、該株は工業技術院微生物
工業技術研究所に微工研条寄第3842号 (FERM BP-3842)
として寄託されている。得られた組み換え体大腸菌JM10
9 (pUOX101) を、1mM イソプロピル−β−D−ガラクト
シドを含むTY培地 (1%バクト−トリプトン、0.5%
バクト−イースト・エキストラクト、0.5% NaCl 、pH
7.0) にて37℃で16時間振盪培養した後、ウリカーゼ活
性を Agri. Biol. Chem., Vol.31, No.11, p.1256-126
4, 1967記載の方法により測定したところ、0.165U/ml
であった。
ることなく、ウリカーゼを効率よく生産することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 配列表の配列番号2のアミノ酸配列をコ
ードする新規なウリカーゼ遺伝子。 - 【請求項2】 請求項1記載のウリカーゼ遺伝子をベク
ターDNAに挿入したことを特徴とする新規な組み換え
体DNA。 - 【請求項3】 請求項2記載の新規な組み換え体DNA
を含み、ウリカーゼ生産能を有するエッシェリシア属に
属する微生物を培地に培養し、培養物よりウリカーゼを
採取することを特徴とするウリカーゼの製造法。
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DE19934316505 DE4316505A1 (de) | 1992-05-15 | 1993-05-17 | Uricase-Gen, rekombinante DNA und Verfahren zur Erzeugung der Uricase |
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---|---|---|---|---|
JPH08173170A (ja) * | 1994-05-25 | 1996-07-09 | Kirin Brewery Co Ltd | キャンディダ・ユティリス酵母の形質転換系、およびそれによる異種遺伝子の発現 |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP4123898A patent/JP2984143B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1993
- 1993-05-17 DE DE19934316505 patent/DE4316505A1/de not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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