JPH1189574A - β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子 - Google Patents

β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子

Info

Publication number
JPH1189574A
JPH1189574A JP9252441A JP25244197A JPH1189574A JP H1189574 A JPH1189574 A JP H1189574A JP 9252441 A JP9252441 A JP 9252441A JP 25244197 A JP25244197 A JP 25244197A JP H1189574 A JPH1189574 A JP H1189574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activity
acetylgalactosaminidase
polypeptide
dna
ile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9252441A
Other languages
English (en)
Inventor
Riyouko Kobayashi
亮子 小林
Atsushi Tanaka
淳 田中
Kazuhito Fujiyama
和仁 藤山
Tatsuji Seki
達治 関
Toshiomi Yoshida
敏臣 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Kasei KK
Original Assignee
Daiwa Kasei KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Kasei KK filed Critical Daiwa Kasei KK
Priority to JP9252441A priority Critical patent/JPH1189574A/ja
Publication of JPH1189574A publication Critical patent/JPH1189574A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖タンパク質および糖脂質などの構造解析な
どに有用なβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ活性
を有するポリペプチドを工業的に有利に製造する方法を
提供すること。 【解決手段】 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ
活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含有する単離されたDNA、このDNAを含む組換えDNA
および発現ベクター、この発現ベクターにより形質転換
た形質転換体ならびにこの形質転換体を用いて前記ポリ
ペプチドを製造する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−N−アセチル
ガラクトサミニダーゼ(以下、β-GalNAcaseと略記す
る)活性を有するポリペプチドをコードするDNA、およ
びこのDNAを用いるβ-GalNAcase活性を有するポリペプ
チドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複合糖質と呼ばれる分子(例え
ば、糖タンパク質および糖脂質など)の糖鎖部分が有す
る種々の生理的機能が注目されている。糖鎖の構造およ
びその生物活性を解明するために、糖質分解酵素は非常
に有用な研究手段ととして利用されている。中でも、エ
キソグリコシダーゼ(これは、糖鎖の非還元末端に存在
するグリコシド結合に作用して非還元末端の糖を糖鎖か
ら切り離す反応を触媒する)は、糖タンパク質の構造ま
たは機能の解析に用いられている。
【0003】複合糖質の糖鎖にはN−アセチル−β−ガ
ラクトサミニド結合が存在することがある。これを分析
するために、従来は、β−N−アセチルヘキソサミニダ
ーゼが利用されていた。この酵素は、N−アセチル−β
−ガラクトサミニド結合のみならず、N−アセチル−β
−グルコサミニド結合をも分解する。従って、このβ−
N−アセチルヘキソサミニダーゼを用いて糖鎖の非還元
末端の糖を切断する場合、切断された結合がN−アセチ
ル−β−ガラクトサミニド結合またはN−アセチル−β
−グルコサミニド結合のいずれであるかは不明であっ
た。
【0004】最近、N−アセチル−β−ガラクトサミニ
ド結合のみに対して高い特異性を有するβ-GalNAcase
が、バシラスsp.(Bacillus sp.)AT173-1(FERM P-1539
0)により産生されることが見い出された(特願平8-1231
1、およびJ. Biochem, 122,330-336 (1997))。この酵
素が有する上記のような特異性から、この酵素により切
断され得る糖鎖の非還元末端の糖が有する結合が、N−
アセチル−β−ガラクトサミニド結合であることが決定
され得る。従って、バシラスsp.AT173-1由来のβ-GalNA
caseは、糖鎖の構造およびその生物活性を解明するため
に非常に有用な酵素である。
【0005】バシラスsp.AT173-1を培養してβ-GalNAca
seを取得する場合、非常に多量のβ-GalNAcase以外のタ
ンパク質が生産される。それゆえ、これらとβ-GalNAca
seを分離精製するためには、何回ものカラムクロマトグ
ラフィー操作などの工程が必要とされるので、収率が非
常に低かった。β-GalNAcaseをバシラスsp.AT173-1から
精製する方法は、J. Biochem, 122,330-336 (1997)に記
載されている。
【0006】しかし、β-GalNAcaseを遺伝子工学技術を
用いて製造する方法についてはまったく知られていなか
った。すなわち、β-GalNAcaseをコードする遺伝子の単
離もその構造解析も行われていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、β-Gal
NAcaseのアミノ酸配列ならびにこれをコードするヌクレ
オチド配列を明らかにするため、β-GalNAcaseを産生す
る細菌菌株であるバシラスsp.AT173-1のβ-GalNAcase遺
伝子について鋭意研究を進めた結果、ついにその全ヌク
レオチド配列を確定するとともに、それから推定される
β-GalNAcaseのアミノ酸配列を初めて明らかにすること
に成功した。さらにβ-GalNAcase遺伝子を用いてβ-Gal
NAcaseを工業的に有利に製造する方法をも開発すること
に成功した。本発明はかかる事実に基づいて完成するに
至ったものである。
【0008】従って、本発明の目的は、β-GalNAcase活
性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を有するDNAを提供することにある。本発明の別の目的
は、このDNAを含む組換えDNAを提供することにある。本
発明のさらに別の目的は、前記DNAを含む発現ベクター
を提供することにある。本発明のなお別の目的は、この
発現ベクターにより形質転換された形質転換体を提供す
ることにある。本発明のなおさらに別の目的は、この形
質転換体を用いてβ-GalNAcase活性を有するポリペプチ
ドを製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、β−N
−アセチルガラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ
−N−アセチルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の
活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含む単離されたDNAであって、このポリペプチド
は、糖鎖の非還元末端にあるβ−グリコシド結合したN
−アセチル−D−ガラクトサミンを遊離させるが、非還
元末端にあるβ−グリコシド結合したN−アセチル−D
−グルコサミンは遊離させない、DNAが提供される。1
つの実施態様において、前記ポリペプチドは、バシラス
(Bacillus)属に属する細菌に由来する。1つの実施態
様において、前記細菌は、バシラスsp.(Bacillus sp.)A
T173-1(FERM P-15390)である。1つの実施態様におい
て、前記ポリペプチドは、配列表の配列番号1に記載の
アミノ酸配列を有する。1つの実施態様において、前記
ポリペプチドは、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸
配列において、1または数個のアミノ酸残基が欠失、置
換、または付加されたアミノ酸配列を含み、かつβ−N
−アセチルガラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ
−N−アセチルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の
活性を有する。
【0010】1つの実施態様において、前記DNAは、配
列表の配列番号2に記載のヌクレオチド配列を含む。
【0011】1つの実施態様において、前記DNAは、配
列表の配列番号2に記載のヌクレオチド配列において、
1または数個のヌクレオチドが欠失、置換、または付加
されたヌクレオチド配列を含み、かつβ−N−アセチル
ガラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセ
チルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0012】1つの実施態様において、前記DNAは、配
列表の配列番号2に記載のヌクレオチド配列を有するDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得、
かつβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ活性を有す
るまたはβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼと機能
的に同等の活性を有するポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列を含む。
【0013】本発明により、前記DNAを含む組換えDNAが
提供される。
【0014】1つの実施態様において、前記組換えDNA
は、宿主細胞においてβ−N−アセチルガラクトサミニ
ダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチルガラクトサ
ミニダーゼと機能的に同等の活性を有するポリペプチド
を発現する能力を有する発現ベクターである。
【0015】1つの実施態様において、前記宿主細胞
は、微生物細胞、動物細胞、植物細胞または昆虫細胞で
ある。
【0016】本発明によれば、前記ベクターにより形質
転換された形質転換体が提供される。
【0017】本発明によれば、前記形質転換体を培養す
る工程、得られる培養物よりβ−N−アセチルガラクト
サミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチルガラ
クトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有するポリペ
プチドを採取する工程を包含する、β−N−アセチルガ
ラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチ
ルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有する
ポリペプチドの製造方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本明細書において、「β−N−ア
セチルガラクトサミニダーゼ(β-GalNAcase)」とは、
J. Biochem, 122,330-336 (1997)に記載のように、以下
の理化学的性質を有する酵素をいう。すなわち、本発明
のβ-GalNAcaseは、糖鎖の非還元末端のN−アセチル−
β−ガラクトサミニド結合を加水分解して、N−アセチ
ルガラクトサミンを遊離させるが、糖鎖の非還元末端の
N−アセチル−β−グルコサミニド結合には実質的に作
用せず、従ってN−アセチルグルコサミンを遊離させな
い。
【0019】β-GalNAcase活性を有するポリペプチド
は、天然型のβ-GalNAcaseのみならず、β-GalNAcase活
性を有する限り、天然型のβ-GalNAcaseが有するアミノ
酸配列において、1または数個のアミノ酸の欠失、置
換、付加などによりアミノ酸配列が改変されたポリペプ
チドをも包含する。天然型のβ-GalNAcaseとしては、例
えば、バシラス属に属する細菌由来の酵素が挙げられる
が、これに限定されるものではない。天然型のβ-GalNA
caseは、例えば、細菌、酵母、放線菌、糸状菌、子嚢
菌、または坦子菌などの微生物、あるいは植物または動
物などの生物に由来し得る。
【0020】本明細書における「機能的に同等の活性を
有するポリペプチド」は、天然型のポリペプチドとは構
造的差異を有するにもかかわらず、天然型のポリペプチ
ドと同等な機能を有すると認められるものをいう。
【0021】天然に生じる機能的に同等の活性を有する
ポリペプチドとしては、それをコ−ドする遺伝子の多形
および/または変異により、そのアミノ酸配列に変化が
生じたポリペプチド、あるいは生成後のタンパク質の生
体内および/または精製中の修飾反応などによって、そ
のアミノ酸配列中にアミノ酸の欠失、置換、付加などの
変異が生じたポリペプチドであり、かつ変異を有しない
ポリペプチドと実質的に同等の生理的、および/または
生物学的活性を示すものが挙げられる。
【0022】人為的に作製される機能的に同等の活性を
有するポリペプチドの場合には、天然に生じるポリペプ
チドの場合よりも多様な変異が導入され得る。このよう
なポリペプチドは、当業者に周知の遺伝子組換え技術を
用いて(例えば、制限酵素での消化、リガーゼでの連
結、エキソヌクレアーゼでの消化、または部位特異的変
異誘発などにより)目的のポリペプチドをコードするDN
Aを改変し、この改変されたDNAを発現させることにより
得られ得る。得られたポリペプチドが天然型のポリペプ
チドと同等の活性を有するか否かは、その活性を測定す
ることにより容易に決定され得る。
【0023】例えば、機能的に同等の活性を有するポリ
ペプチドは、融合タンパク質であり得る。融合タンパク
質は、目的のポリペプチドに、それが本来有する機能に
加えて、新たな機能を与える目的で作製され得る。例え
ば、目的のタンパク質のN未端に他のタンパク質由来の
N未端ペプチド鎖を付加することにより、目的のタンパ
ク質の発現を増加させることが出来る。あるいは、目的
のタンパク質のN未端またはC未端に適当なペプチド鎖
を付加することにより、この付加したペプチド鎖に対す
る親和性を利用して目的のタンパク質の精製を容易にす
ることができる。
【0024】機能的に同等の活性を有するポリペプチド
は、目的のタンパク質の部分であり得る。特定のタンパ
ク質において、その活性および/または機能にために必
要とされる部分は、例えば、同様の活性/機能を有する
ポリペプチドについて得られている機能/活性に関与す
る部分に関する知見に基づいて推定され得る。あるい
は、この部分は、目的のポリペプチドの種々の変異体を
上記のような当該分野において周知の技術を用いて作製
し、それらの活性/機能を検討することにより決定され
得る。
【0025】また、機能的に同等の活性を有するポリペ
プチドは、天然型のポリペプチドのアミノ酸配列におい
て1または数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加
されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであり得る。
このようなポリペプチドは、当該分野において周知の技
術を用いて、容易に作製し得る。
【0026】本発明のポリペプチドをコードするヌクレ
オチド配列を含むDNAは、たとえこのポリペプチドが同
じアミノ酸配列を有する場合でも、以下の理由から、多
様なヌクレオチド配列を有し得る。なぜなら、当業者に
周知なように、各アミノ酸に対して1〜6種類づつのコ
ドン(3つのヌクレオチドの組合せ)が存在するからで
ある。
【0027】天然の生物または組換え体おいて、例え
ば、増殖中に自然に生じる変異が、それによりコードさ
れるアミノ酸配列に変化を与えない場合、この変異はサ
イレント変異と呼ばれる。
【0028】遺伝子工学技術を用いてタンパク質を生産
するときに、目的のタンパク質をコードする本来の遺伝
子上で使用されているコドンが、使用される宿主におい
ては使用頻度が低いものであるので、タンパク質の発現
が低いことがある。このような場合には、コードされて
いるアミノ酸配列に変化を与えることなく、コドンをそ
の宿主において使用頻度が高いものに人為的に変更する
ことにより、目的のタンパク質の発現を上昇させ得る。
このような同じアミノ酸配列をコードするが異なるヌク
レオチド配列を有する遺伝子は、当該分野に周知の技術
を用いて容易に作製され得る。
【0029】さらに、本発明のDNAは、上記のような機
能的に同等の活性を有するポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含むDNAであり得る。
【0030】一般に、機能的に同等の活性を有するポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、天然型のポ
リペプチドをコードするヌクレオチド配列と高い相同性
を有し得る。従って、天然型のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列を有するDNAとハイブリダイズし
得、かつβ-GalNAcase活性を有するポリペプチドをコー
ドするDNAが本発明に含まれることが意図される。ま
た、高い相同性を有するヌクレオチド配列を有するDNA
は、天然型のポリペプチドコードするヌクレオチド配列
に基づいて設計されたPCR反応用のプライマーを用いてP
CR反応を行うことによっても得られ得る。
【0031】上記DNAを、当該分野で周知の方法を用い
て、遺伝子工学技術を用いて加工することにより組換え
DNAを得ることができる。組換えDNAは例えば、上記DNA
を、他のDNAと連結することにより、あるいは改変(欠
失、置換または付加など)することにより作製され得
る。他のDNAの例としては、プラスミドベクターおよび
ファージベクターなどのベクターDNAならびに合成オリ
ゴヌクレオチドなどが挙げられる。このようにして得ら
れた組換えDNAは、例えば、単離されたDNAを増幅するた
めに、同一のまたは類似のヌクレオチド配列を有する核
酸を検出するためのプローブとして、あるいは単離され
たDNAの細胞内での機能を解析するために有用であり得
る。特に、コードされるポリペプチドが発現されるよう
に構築された発現ベクターは、目的のポリペプチドの産
生のために有用である。
【0032】以下、バシラスsp.AT173-1株由来のβ-Gal
NAcaseを例として、本発明を具体的に説明する。この菌
株は、バシラスsp. AT173‐lとして表示され、通商産業
省工技術院生命工学工業技術研究所に、寄託番号FERM P
‐15390のもとに、平成8年1月12日付けで寄託されて
いる。
【0033】まず、特願平8‐12311号およびJ. Bioch
em, 122,330-336 (1997)に記載の方法に従ってバシラス
sp.AT173‐l株を培養し、次いで、その培養液からβ-Ga
lNAcaseを単離する。
【0034】次に、精製されたβ-GalNAcaseのN末端
アミノ酸配列を決定する。N末端アミノ酸配列は、例え
ば精製β-GalNAcaseをエドマン分解法によるアミノ酸配
列分析(例えば、プロテインシーケンサ492、アプライ
ドバイオシステムズ社製を使用する)に供することによ
り決定される。この方法を用いて、通常10〜20アミノ酸
残基が決定される。
【0035】こうして得られるN末端アミノ酸配列の
情報に基づいて、ハイブリダイゼーション法のためのプ
ローブまたはPCR法のためのプライマーを設計して、β-
GalNAcase遺伝子をクローニングする。ハイブリダイゼ
ーション法による遺伝子のクローニングは、例えば以下
の工程を包含する。
【0036】a)N末端アミノ酸配列の情報に基づき、サ
ザンハイブリダイゼーション用のプローブとしての合成
オリゴヌクレオチドを設計し、そして合成する。
【0037】b)バシラスsp.AT173-1株のゲノムDNAを適
当な制限酵素で完全に消化し、アガロースゲル電気泳動
に供して分離し、次いでゲル中のDNAを常法に従いナイ
ロンメンブレンにブロッテイングする。
【0038】c)ブロッティングされたDNAフラグメント
と、上記合成オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリ
ダイゼーションを、当該分野において一般的に使用され
る条件下で行う。例えば、サケ精子DNAを含むプレハイ
ブリダイゼーション溶液中でナイロンメンブレンをブロ
ッキングし、次いでこれに32Pまたは非放射性ラベリン
グキットを用いて標識した合成オリゴヌクレオチドプロ
ーブを添加して、一晩インキュベートする。インキュベ
ート後、このナイロンメンブレンを洗浄し、次いでX線
フィルムに曝露してオートラジオグラフィーをとる。合
成オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズするDN
Aを検出して、ハイブリダイズするバンドのサイズに相
当するDNAフラグメントをゲルから抽出および精製す
る。
【0039】d)得られたDNAフラグメントを当業者に周
知の方法によって、プラスミドベクターまたはファージ
ベクターなどのベクターに組み込む。プラスミドベクタ
ーとしては、例えばpUC18、pUC19、pUC119、pTV118N な
どが好適に使用され得るが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0040】e)組換えプラスミドを宿主細胞に導入する
ことにより、宿主を形質転換する。宿主として大腸菌を
使用する場合、形質転換能を有するものであれば野生
株、変異株にかかわらず任意の大腸菌が使用可能であ
る。プラスミドの導入は、当業者に周知の方法(例え
ば、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」T.Ma
niatisら著、Cold Spring Harbor Laboratory(1982), p
p.250に記載の方法)を用いることにより実施され得る。
【0041】f)ベクターを含む形質転換体を選別する。
任意に、スクリーニングするべきクローン数を減少させ
るために、プラスミドベクターの特性を利用することに
よって、挿入されたDNAフラグメントを有する形質転換
体を選別し得る。例えば、ベクターとしてpUC19を使用
する場合、アンピシリンを含むプレート上でアンピシリ
ン耐性を示すコロニーを選別し得る。あるいは、挿入フ
ラグメントを有するクローンは、アンピシリン、5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクト
シド(X-Gal)およびイソプロピル−β−D−チオガラクト
ピラノシド (IPTG)を含むプレート上で、アンピシリン
耐性を示しかつ白色を呈するコロニーを選別することに
より選別され得る。
【0042】g)上記集団のなかから、目的のDNAフラグ
メントを含むベクターを有するクローンを選択する。ク
ローンの選択は、使用されるベクターの種類によって、
コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダ
イゼーションなどによりおこなわれ得る。PCR法を用い
て選択することも可能である。
【0043】g')あるいは、β-GalNAcase活性の発現を
プレート上で直接検出することができる。検出は、4−
メチル−ウンベリフェリル−N−アセチル−β−ガラク
トサミニド (MUF-GalNAc) を含むプレート上にコロニー
を生育させ、UVを照射した際に蛍光を発するコロニーを
選別することにより実施され得る。
【0044】h)選別されたクローン中に挿入されている
DNAフラグメントのヌクレオチド配列を、通常の方法
(例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463 (19
77)に記載のジデオキシチェーンターミネーター法)に
より決定する。決定されたヌクレオチド配列から推定さ
れるコードされるポリペプチドのアミノ酸配列およびそ
れから算出される分子量と、以前に決定したβ-GalNAca
seのN末端アミノ酸配列およびこの酵素の分子量とを比
較することなどによって、得られたDNAフラグメントが
目的のβ-GalNAcase遺伝子の全部またはその一部を含む
か否かを決定する。こうして得られるβ-GalNAcase遺伝
子を含むDNAフラグメントのヌクレオチド配列から、β-
GalNAcase遺伝子の構造およびこれによりコードされる
β-GalNAcaseの全アミノ酸配列を決定する。
【0045】h')目的のDNAフラグメントを含むベクター
がβ-GalNAcase遺伝子の全長を含まない場合は、得られ
たDNAフラグメントの全部または一部をプローブとして
用い、バシラスsp.AT173-1株のゲノムDNAを他の制限酵
素で消化したものについて上記のように再度スクリーニ
ングして、残りの部分を得、これを既に得られていた部
分と連結することにより、目的のβ-GalNAcase遺伝子の
全長を得ることができる。
【0046】以上のようにして得られる、バシラスsp.A
T173-1株の産生するβ-GalNAcaseをコードする遺伝子の
全ヌクレオチド配列およびこのヌクレオチド配列から推
定されるβ-GalNAcaseのアミノ酸配列を、配列番号2お
よび配列番号1にそれぞれ示す。本発明のDNAが有する
ヌクレオチド配列およびそれによりコードされるポリペ
プチドが有するアミノ酸配列が、配列番号1および配列
番号2に記載の配列を含むが、これらに限定されないこ
とは、上記から明らかである。
【0047】本発明のβ-GalNAcase活性を有するポリペ
プチドは、β-GalNAcase活性を有するポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列(すなわち、β-GalNAcase遺
伝子)を含むDNAを用いて、例えば以下のように生産さ
れ得る。
【0048】まず、β-GalNAcase遺伝子を含む発現ベク
ターを構築する。発現ベクターとしては、使用される宿
主に適合性の任意のものが使用され得る。発現ベクター
は、プラスミド、ファージ、またはウイルスなどに由来
し得る。発現ベクターにおいて、使用される宿主中で機
能し得るプロモーターが、β-GalNAcaseをコードするヌ
クレオチド配列を含むDNAに作動可能に連結され得る。
β-GalNAcase遺伝子が本来有するプロモーターが、使用
される宿主中で機能し得る場合は、これを使用し得る。
発現ベクターは、転写調節配列、転写ターミネーター、
翻訳調節配列、選択マーカー、複製起点などをさらに有
し得る。
【0049】上記発現ベクターを用いて適切な宿主を形
質転換し、得られる形質転換体を通常用いられている条
件で培養し、そして培養物からβ-GalNAcase活性を有す
るポリペプチドを回収することによって、β-GalNAcase
活性を有するポリペプチドを生産させることができる。
大腸菌などを宿主として使用する場合、このポリペプチ
ドは、封入体(inclusion body)の形で生産され得る。ま
た、宿主としては微生物細胞、動物細胞、植物細胞な
ど、遺伝子組換えの宿主として使用可能な任意の宿主を
用いることができる。
【0050】発現は、例えば、β-GalNAcase活性を測定
することにより確認され得る。活性の測定は、例えば、
形質転換細胞の抽出液を酵素液として、J. Biochem, 12
2,330-336 (1997)に記載の方法により行うことができ
る。あるいは、発現の確認は、β-GalNAcaseに対する抗
体を用いても行われ得る。一旦目的のβ-GalNAcaseの発
現が確認されれば、培地組成、培地のpH、培養温度、イ
ンデューサーの使用量および使用時間、培養時間などに
ついてβ-GalNAcaseの発現のための最適条件を決定する
ことによって、効率良くβ-GalNAcaseを生産させること
ができる。
【0051】β-GalNAcaseは、形質転換体の培養物か
ら、通常の方法を用いて精製される。形質転換体が大腸
菌である場合、β-GalNAcaseは細胞内に蓄積され得る。
細胞内に蓄積されたポリペプチドは、以下のように精製
される。培養終了後遠心分離によって形質転換体を集
め、これを超音波処理などにより破砕した後、これを遠
心分離することなどによって、無細胞抽出液を得る。こ
れを、塩析、あるいはイオン交換、ゲル濾過、疎水、ま
たはアフィニテイーなどの各種クロマトグラフィーなど
の一般的なタンパク質精製法の組合せに供すことによ
り、目的のポリペプチドを精製することができる。用い
る形質転換体によっては発現産物が形質転換体外に分泌
される。このような場合は、ポリペプチドは、細胞を除
去した培養上清から同様に精製され得る。
【0052】形質転換体によるβ-GalNAcaseの発現量が
高い場合は、たとえこのポリペプチドが菌体内に生産さ
れ、かつ菌体内の種々の他のポリペプチドと共存して
も、これらは目的のβ-GalNAcaseの量に比べて微量であ
るので、β-GalNAcaseの精製は容易である。また、β-G
alNAcaseが菌体外に分泌される場合は、培養上清中には
培地成分(および宿主細胞により分泌される通常少量の
タンパク質)などが含まれるが、これにはβ-GalNAcase
の精製の妨げとなるようなタンパク質成分が極めて少量
しか含まれないので、分泌生産は、この酵素の本来の生
産株であるバシラスsp.AT173-1株の培養物からβ-GalNA
caseを精製するためには必要とされる繁雑な分離精製操
作を必要としないという利点を与える。
【0053】また、例えば宿主が大腸菌などである場
合、発現産物は不溶性の封入体として形成され得る。こ
の場合には、培養終了後遠心分離によって菌体を集め、
これを超音波処理などによって破砕した後、遠心分離な
どを行うことにより、封入体を含む不溶性画分を集め
る。封入体を洗浄した後、これを通常用いられるタンパ
ク質可溶化剤(例えば、尿素またはグアニジン塩酸な
ど)で可溶化し、必要に応じてこれをイオン交換、ゲル
濾過、疎水、アフィニテイーなどの各種クロマトグラフ
ィーにより精製した後、透析法あるいは希釈法などを用
いるリフォールディング操作を行うことによって、活性
を有するポリペプチドを得ることができる。必要に応じ
てこの標品を更に各種クロマトグラフィーによって精製
すれば、高純度のβ-GalNAcase活性を有するポリペプチ
ドを得ることができる。
【0054】目的のポリペプチドがアフィニティー精製
を可能にするような融合タンパク質の形態で発現される
場合、発現産物の精製はアフィニティーカラムを使用し
て容易に実施され得る。
【0055】以上で詳細に説明したように、本発明によ
り、バシラスsp.AT173-1株由来のβ-GalNAcaseの一次構
造およびこれをコードする遺伝子の構造が提供される。
これにより、β-GalNAcase活性を有するポリペプチドの
遺伝子工学技術を用いる製造が可能となる。本発明の遺
伝子工学技術を用いる製造法を用いることにより、安価
に高純度なβ-GalNAcase活性を有するポリペプチドを得
ることが可能となる。
【0056】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0057】
【実施例】
(実施例1:β-GalNAcase遺伝子のクローニング) (1)ゲノムDNAの抽出精製 β-GalNAcaseの生産菌株であるバシラスsp.AT173-1株
(FERM P-15390) を Nutrient broth(Difco社製) 液体培
地5mlに接種し、37℃で16時間培養した後、この培養液
を、同培地50 mlを含む坂口フラスコあたり1mlずつ接
種し、そしてさらに8時間振とう培養した。培養終了
後、培養液を遠心分離して菌体を集め、得られた菌体を
1xSSC (0.15M NaCl、 0.015M Na3citrate pH7.0) で1
回、salineEDTA (0.15M NaCl, 0.1M EDTA pH8.0) で
2回洗浄した。
【0058】菌体を25 mlのsaline EDTA 溶液に懸濁
後、これにリゾチーム溶液(saline EDTA 溶液中10 mg/
ml) を1 ml添加し、37℃で10分間振とうした。次いで、
これに25%SDSを1ml加え、37℃でさらに10分間振とう
した後 、5M NaClO4 を6.2ml 加えた。この溶液に等容
のフェノール/クロロホルムを加えて、室温にて穏やか
に撹拌し、次いで、10,000 rpm で10分間遠心分離し、
そして上の水層を回収した。(上記の操作を、以下「フ
ェノール/クロロホルム処理」と略記する)。さらにこ
のフェノール/クロロホルム処理を2回繰り返した後、
回収した上の水層に2倍容量の冷エタノールをゆっくり
加えてDNAを析出させた。これをガラス棒に巻き取り、7
0%の冷エタノール溶液で洗浄後、風乾した(上記の操
作を、以下「エタノール沈殿」と略記する)。乾燥した
DNAを 0.1×SSC 25mlを加えることにより溶解し、これ
にさらに 10×SSC を5ml、RNaseA(5 mg/ml) を250 μl
(終濃度50 μg/ml)を添加し、そして37℃で30分間保
温した。保温後、この液に対して、フェノール/クロロ
ホルム処理およびそれに続くエタノール沈殿を行った。
得られた沈澱を5 mlの0.1×SSCに溶解して、この溶液
をTE緩衝液(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH8.0)に対
して48時間透析を行った後、この液に対してフェノール
/クロロホルム処理およびそれに続くエタノール沈殿を
行った。遠心分離によりDNA を回収し、沈澱をTE緩衝液
に溶解してゲノムDNA溶液とした。
【0059】この操作により得られたゲノムDNAの濃度
はその吸光度から 161 μg/ml と算出された。
【0060】(2)β-GalNAcaseのN末端アミノ酸配列
の決定 J. Biochem, 122,330-336 (1997)に記載の方法に従って
精製したβ−GalNAcaseを、ドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)
により分離後、PVDFメンブレン(Bio-Rad社製)にトラン
スファーし、このメンブレンをペプチドシークエンサー
(プロテインシーケンサ492、アプライドバイオシステム
ズ社製)に供して N末端アミノ酸配列を決定した。決
定したN末端アミノ酸配列を配列番号4に示す。
【0061】(3)DNAプローブの作製および標識 上記(2)で決定したN末端アミノ酸配列(配列番号
4)に基づいて2種類のDNA プローブ、プローブ1(配列
番号5)およびプローブ2(配列番号6)を設計した。
合成されたオリゴヌクレオチド300 pmolをDIGオリゴヌ
クレオチド3'末端標識キット(ベーリンガーマンハイム
社製)を用いて、添付のマニュアルに従って標識した。
【0062】(4)バシラスsp.AT173-1株のDNAのサザ
ンブロッテイング 上記(1)で調製した約0.36 μgのバシラスsp.AT173-1
株のゲノムDNAを各々10単位の制限酵素EcoRI、HindII
I、およびPstI(それぞれ、宝酒造社製)を用いて37℃
で一晩反応させ完全に消化した。反応液に対してフェノ
ール/クロロホルム処理およびエタノール沈殿を行った
後、遠心分離によりDNAの沈澱を回収した。これをTE緩
衝液に溶解し、1%のアガロースゲル(ニッポンジーン
社製)を用いて電気泳動することにより分離した。この
ゲルをエチジウムブロマイドで染色した後、0.25 M のH
Cl中で約15分間、次いで変性溶液 (1.5M NaCl、0.5M Tr
is-HCl pH7.2、 1mM EDTA)中で15分ずつ2回振とうし
た。変性したDNAを、このゲルから、20×SSCをトランス
ファーバッファーとしてHybond-Nナイロンメンブレン
(Amersham 社製)に一晩ブロッテイングした。ブロッ
テイング後、メンブレンを60℃で30分間乾燥させ、UV
トランスイルミネーターで5分間照射することにより、
DNAをメンブレンに固定した。
【0063】(5)サザンハイブリダイゼーション 上記(4)で調製したメンブレンを、20 mlのハイブリ
ダイゼーション液(5×SSC、1 %ブロッキング液(Ame
rsham社製)、0.1 %ラウロイルサルコシン、0.02 % SD
S)中、68℃で1時間プレハイブリダイゼーションし
た。その後、この液に上記(3)で作製した標識プロー
ブを10 pmol/ml になるように加え、37℃で一晩ハイ
ブリダイズさせた。
【0064】(6)β-GalNAcase遺伝子を含むDNAフラ
グメントの検出 ハイブリダイゼーション後のメンブレンを37℃で、2×S
SC、0.1 % SDS 中で5分間、続いて0.1×SSC、0.1 %SDS
中で5分間、それぞれ2回ずつ洗浄し、その後DIG発
光検出キット(ベーリンガーマンハイム社製)を用いて
検出反応を行った。反応後、約4時間、FUJI X-RAYFILM
(富士フィルム社製)に露光した。プローブ2を用いた
時、EcoRI処理したDNAについては4kb付近、HindIII処
理したDNAについては3.5 kb付近、 PstI処理したDNAに
ついては0.7kb付近にシグナルが検出された。
【0065】(7)バシラスsp.AT173-1株の遺伝子ライ
ブラリーの作製 上記(1)で調製したゲノムDNA(1.61 μg/ml)を制限酵
素EcoRIおよびHindIIIのそれぞれで上記(4)と同様に
消化し、次いで電気泳動により分離した。エチジウムブ
ロマイドによる染色後、上記(6)でシグナルが得られ
た付近の分子量を有するDNAをゲルから切り出し、GENE
CLEAN KIT II(BIO 101社製)を用いて精製した。
【0066】約3μgのpUC18および19をそれぞれ、制限
酵素EcoRIおよびHindIIIのそれぞれで上記(4)と同様
に反応させた。反応液に対してフェノール/クロロホル
ム処理およびエタノール沈殿を行なった。遠心分離によ
りDNAの沈澱を回収し、これを10μlのTE緩衝液に溶解し
た。次にこの10μlのpUC18およびpUC19の溶液に27単位
のCalf intestine alkaline phosphatase (宝酒造社
製)を添加して37℃で30分間処理し、フェノール/クロ
ロホルム処理およびエタノール沈殿を行ない、そして遠
心分離によりDNAを回収して10μlのTE緩衝液に溶解し
た。
【0067】上記で得られたベクター溶液2μlとDNAフ
ラグメント4μlとを混合し、DNA Ligation Kit (宝酒造
社製)を用いて、16℃で一晩反応を行った。反応液10μ
l を用いて E.coli JM109 Competent cell (宝酒造社
製)を形質転換した。形質転換された細菌の懸濁液を、
X-galアンピシリン LB寒天培地(1% Bacto tryptone (D
ifco社製), 0.5% Yeast extract (Difco社製), 1% NaC
l, 40 μg/ml X-gal, 40μg/ml IPTG, 50 μg/ml Ampi
cillin, 1.2% Agar) 上に播き、そして37℃で20時間培
養した。
【0068】(8)コロニーハイブリダイゼーション 上記(7)で得られたプレート上のコロニーを、1枚の
Hybond-N Gridded membrane (Amersham社製)と1分間、
別のメンブレンと同様にして2分間、それぞれ接触させ
て、2枚のメンブレンに移し取った。その後、これら
を、変性溶液を含んだ濾紙上で5分間、次いで中和溶液
を含んだ濾紙上で5分間放置し、風乾させ、次いでこの
メンブレンにUVを1分間照射することによりコロニー中
のDNAを固定した。メンブレンを2×SSC, 0.1% SDS中
で、60℃で30分間保温して、メンブレンに付着した菌
体を洗浄した後、上記(5)および(6)と同様にハイ
ブリダイゼーションおよび検出を行った。プローブとし
ては、プローブ2のみを用いた。
【0069】19個のポジテイブクローンが得られたの
で、それらをそれぞれ、40 μg/mlの4-metyl-umbellife
ryl-N-acetyl-galactosamide(MUF-GalNAc)を含むアンピ
シリンLB寒天培地上で培養した。その結果、EcoRIフラ
グメントが挿入されたコロニーの1つがUVを照射した場
合に蛍光を発したので、これを3mlのアンピシリンLB液
体培地に植菌し、一晩培養して、常法によりプラスミド
DNAを抽出した。
【0070】(9)挿入フラグメントの縮小化 上記(8)で抽出したプラスミドDNA約3μgを制限酵素
EcoRIで上記(4)と同様に消化し、電気泳動したとこ
ろ、約4.3 kbおよび約3.5 kbの2つの挿入DNAフラグ
メントが確認された。そこで、アガロースゲルからこれ
ら2つのDNA含むゲルを別々に切り出し、GENE CLEAN
KIT IIを用いて精製し、これをEcoRI消化したpUC19と
ライゲーションした。この反応液を用いて上記(7)と
同様に形質転換し、MUF-GalNAcアンピシリンLB寒天培地
上で37℃、12時間培養した。次いで、プレートにUVを照
射して、活性を検出したところ、約4.3kbの挿入DNAフラ
グメントを有するクローン(p1943)に活性が見られた。
この4.3 kbのEcoRIフラグメントをHpaIおよびPvuIIで制
限酵素処理したところ、それぞれ約2.4 kbおよび約1.9
kbの2つのフラグメント、ならびに約2.2 kbおよび約2.
1 kbの2つのフラグメントが生じた。これらのフラグメ
ントをEcoRIおよびHincIIで二重消化したpUC19とライゲ
ーションし、形質転換し、そしてMUF-GalNAcアンピシリ
ンLB寒天培地上で、37℃、12時間培養した後、UVを照射
して、活性を検出した。その結果、PvuIIで消化した際
に生じた約2.2kbのフラグメントを有するクローン(p192
0)にのみ活性が検出された。プラスミドp1920の構造を
図1に示す。
【0071】(10)ヌクレオチド配列の決定 上記(9)で活性のを示したクローンが有する約2.2 kb
のEcoRI-PvuIIフラグメントをEcoRIおよびSmaIで消化し
たpUC19とライゲーションし、プラスミド(p1920S)を得
た。次いで、これを制限酵素XbaIおよびPstIで消化し、
Kilo-Sequence用 Deletion Kit (宝酒造社製)を用い
て、添付のマニュアルに従って処理し、そして挿入フラ
グメントがPvuII側から欠失された各種クローンを得
た。これらの中から適当な長さのフラグメントを有する
クローンをいくつか選択し、それらについてA.L.F. DN
A Sequencer Express(ファルマシア社製)を用いてヌ
クレオチド配列を決定した。あるいは配列決定は、適当
な制限酵素切断部位からも実施した。配列決定の手順を
図2および3に模式的に示す。
【0072】(11)β-GalNAcase遺伝子構造 上記(10)で決定したヌクレオチド配列を、配列番号
3に示す。β-GalNAcaseをコードすると考えられる最大
のオープンリーデイングフレーム(ORF)に対応する領域
のヌクレオチド配列を配列番号2に示す。配列番号のOR
Fにコードされるポリペプチドの推定アミノ酸配列を、
配列番号1および配列番号3に示す。上記(2)で決定
したN末端アミノ酸配列(配列番号4)と上記推定アミノ
酸配列を比較したところ、このN末端アミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列のすぐ5'側に、翻訳開始コド
ンと考えられるATGが(配列番号3、ヌクレオチド219〜
221位)、さらにその上流にリボソーム結合部位であるS
hine-Dalgarno配列(配列番号3、ヌクレオチド216〜22
0位)、ならびにプロモーター配列 (−35および−1
0領域、それぞれ配列番号3、ヌクレオチド61〜66位お
よび91〜96位)と考えられる配列が存在した。
【0073】(実施例2:β-GalNAcaseの発現) (1)プロモーター活性 pUC19のlacプロモーターに対して正方向でβ-GalNAcase
遺伝子が挿入されているプラスミドp1920および、lacプ
ロモーターに対して逆方向でこの遺伝子が挿入されてい
るプラスミドp1820(図1)を保持するE.coli JM109/p1
920およびE.coli JM109/p1820の両方が酵素活性を示し
たので、β-GalNAcase遺伝子自体のプロモーター、また
はこの遺伝子を含むDNAフラグメントに存在するプロモ
ーター様配列が、大腸菌の中で認識されて、転写および
翻訳が起こったと考えられた。
【0074】(2)IPTGによる発現の誘導 E.coli JM109/p1920に対するIPTGの添加の影響を、IPTG
を添加するかまたは添加しないで培養した菌体を破砕し
て、SDS-PAGEを行うことにより検討した。IPTGを添加し
て培養した菌体由来のサンプルについては、β-GalNAca
seタンパク質と考えられる約63kDaの位置のバンドの強
度が、添加していない場合に比較して特異的に濃くなっ
ていた。このことから、IPTGによるβ-GalNAcaseタンパ
ク質の発現の誘導が示された。一方、E.coli JM109/p18
20についても同様の実験を行った。その結果、E.coli J
M109/p1920を培養した時と同じ位置のタンパク質の発現
が、E.coli JM109/p1820についても観察されたが、IPTG
の添加による発現量の増加は見られなかった。
【0075】(3)β-GalNAcase活性の測定 大腸菌E.coli JM109/p1920の無細胞抽出液中の酵素活性
を、p-nitrophenyl-β-N-acetyl-galactosaminideまた
はp-nitrophenyl-β-N-acetyl-glucosaminideを基質と
して測定した。結果を表1に示す。p-nitrophenyl-β-
N-acetyl-glucosaminideを基質として用いた際に示され
るβ−N−アセチルグルコサミニダーゼ(β-GlcNAcas
e)としての活性は、p-nitrophenyl-β-N-acetyl-gala
ctosaminideを基質として用いた際に示されるβ-GalNAc
aseとしての活性の約0.12 %であった。このことから、
クローン化されたDNAフラグメントにコードされるポリ
ぺプチドが、目的のβ-GalNAcaseであることが判明し
た。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明により、β−N−アセチルガラク
トサミニダーゼのアミノ酸配列およびこの酵素をコード
するヌクレオチド配列が初めて明らかとなり、これによ
り、遺伝子工学技術を用いてβ−N−アセチルガラクト
サミニダーゼ活性を有するポリペプチドを工業的に有利
に製造することが可能になった。
【0078】
【配列表】
【0079】
【配列番号1】 配列の長さ:546 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Met Ala Asn Ile Asp Phe Gln Leu Ser Asp Ser Leu Glu Lys Ile Phe 1 5 10 15 Pro Asp Thr Pro Pro Asn Thr Ile Pro Met Asn Asp Ile Ser Ile Phe 20 25 30 Gln Asn Glu Gln Phe Ser Phe Gln Leu Ala Tyr Arg Ser Asn Asp Asn 35 40 45 Lys Lys Ile His Ile Lys Val Gly Ala Asp Asp Thr Leu Leu Thr Ser 50 55 60 Ile Ser His Val Lys Lys Val Pro Ser Asn Leu Pro Ala Tyr Pro Asp 65 70 75 80 Ser His Asp Glu Asn Tyr Leu Ser Thr Glu Pro Gly Leu Phe Pro Asp 85 90 95 Leu Leu Glu Pro Val Thr Ala Glu Gly Ile Asp Leu Glu Thr Asp Gly 100 105 110 Trp Asn Ser Ile Trp Ile Asp Val Cys Pro Ser Val Gly Ala Val Gly 115 120 125 Glu Lys Thr Leu Thr Leu His Ile Thr Asp Glu Ser His Gln Ser Ile 130 135 140 Tyr Glu Gln Ser Leu Ser Ile Arg Val Ile Pro His Asn Leu Pro Glu 145 150 155 160 Gln Lys Leu Ile His Thr Gln Trp Phe His Thr Asp Cys Leu Ala Asn 165 170 175 Tyr Tyr Asn Ala Glu Val Phe Ser Glu Glu His Trp Arg Ile Ile Glu 180 185 190 Asn Phe Ile Arg Thr Ala Ser Glu Asn Gly Ile Asn Met Ile Leu Thr 195 200 205 Pro Ile Phe Thr Pro Pro Leu Asp Thr Lys Val Gly Gly Glu Arg Thr 210 215 220 Thr Val Gln Leu Val Gln Ile Ser Tyr Glu Asn Gly Lys Tyr Glu Phe 225 230 235 240 Asp Phe Ser Leu Leu Arg Lys Trp Leu Asp Ile Cys Lys Arg Asn Gly 245 250 255 Ile Asn Tyr Ile Glu Ile Ala His Leu Phe Thr Gln Trp Gly Ala Glu 260 265 270 Phe Thr Pro Lys Ile Met Val Met Glu Asp Gly Val Leu Phe Arg Lys 275 280 285 Phe Gly Trp Asp Val Ala Ala Asp Ser Lys Glu Tyr Arg Leu Leu Leu 290 295 300 Glu Ser Phe Leu Pro Ala Leu Thr Glu Phe Leu Lys Ala Asn Trp Glu 305 310 315 320 Ser Glu Lys Val Tyr Phe His Ile Ser Asp Glu Pro Asn Glu Ser Asn 325 330 335 Val Val Thr Tyr Ser Lys Ala Lys Lys Leu Ala Glu Pro Tyr Leu Lys 340 345 350 Asp Phe Ile Ile Ile Asp Ala Leu Ser Asp Tyr Ser Phe Tyr Gln Lys 355 360 365 Gly Ile Val Thr Lys Pro Ile Val Ala Asn Asp His Ile Gln Thr Tyr 370 375 380 Ile Asp His Asn Glu Pro Asn Leu Trp Thr Tyr Tyr Cys Cys Ala Gln 385 390 395 400 Asn Gln Lys Val Ser Asn Arg Phe Met Ala Met Pro Ser Ala Arg Asn 405 410 415 Arg Ile Ile Ala Thr Gln Leu Phe Lys Tyr Asp Ile Glu Gly Phe Leu 420 425 430 His Trp Gly Tyr Asn Phe Tyr Asn Ser Gln Tyr Ser Ile Glu Pro Ile 435 440 445 Asp Pro Tyr Val Ile Thr Asp Ala Lys Asn Ala Phe Pro Ser Gly Asp 450 455 460 Thr Phe Leu Val Tyr Pro Gly Lys Asp Gly Glu Ala Ile Pro Ser Ile 465 470 475 480 Arg Ser Arg Val Phe Tyr His Ala Leu Gln Asp Leu Arg Ala Phe Gln 485 490 495 Trp Leu Glu Gln Leu Lys Gly Lys Asp Phe Val Leu Asn Ile Ile Glu 500 505 510 Lys Tyr Gln Thr Ile Thr Phe Ser Asp Tyr Pro Lys Glu Lys Glu Tyr 515 520 525 Ile Phe Gln Ile Arg Glu Glu Ile Asn Arg Glu Ile Glu Lys Ala Leu 530 535 540 Ser Glu 545
【0080】
【配列番号2】 配列の長さ:1641 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: ATGGCTAATA TTGATTTTCA ATTATCGGAT TCA
TTAGAAA AAATATTTCC TGATACCCCA 60 CCAAATACGA TACCTATGAA TGATATTTCT ATT
TTTCAAA ATGAACAATT TTCATTTCAA 120 CTCGCGTATC GATCTAATGA TAATAAAAAG ATA
CACATTA AAGTAGGAGC GGATGATACA 180 CTCCTAACAT CCATAAGCCA TGTGAAAAAG GTG
CCTTCTA ATCTACCAGC CTATCCCGAT 240 TCACACGATG AGAATTACCT TTCGACTGAA CCA
GGGTTAT TTCCCGATTT ACTGGAGCCT 300 GTAACCGCTG AAGGGATTGA CCTAGAAACA GAT
GGCTGGA ACTCTATATG GATTGATGTT 360 TGTCCAAGTG TAGGTGCTGT GGGAGAAAAG ACG
TTAACAT TACATATTAC TGATGAAAGT 420 CATCAATCCA TTTACGAACA ATCTTTATCA ATT
CGAGTCA TCCCTCACAA TTTACCTGAA 480 CAAAAACTAA TACATACTCA ATGGTTTCAT ACA
GATTGTT TAGCGAATTA TTATAATGCA 540 GAAGTTTTTT CAGAAGAACA TTGGCGAATC ATC
GAAAATT TCATTCGTAC AGCAAGTGAG 600 AATGGAATCA ATATGATCCT TACTCCAATT TTT
ACTCCTC CATTAGATAC GAAAGTTGGA 660 GGCGAGCGAA CAACGGTTCA ACTCGTGCAA ATT
TCTTATG AAAATGGTAA GTATGAGTTT 720 GATTTTTCAT TACTGAGAAA ATGGCTAGAT ATA
TGTAAAC GCAACGGAAT TAATTACATT 780 GAGATCGCCC ATCTATTTAC ACAATGGGGT GCC
GAGTTTA CTCCTAAAAT AATGGTGATG 840 GAAGATGGGG TTCTTTTTAG AAAATTCGGT TGG
GATGTAG CTGCTGATAG CAAAGAATAT 900 CGATTGTTAT TAGAATCGTT TCTCCCTGCT TTG
ACTGAGT TTTTAAAAGC AAATTGGGAG 960 TCGGAGAAAG TTTATTTTCA TATATCCGAT GAA
CCAAACG AATCAAATGT AGTTACTTAT 1020 TCAAAAGCGA AAAAATTGGC AGAACCGTAT CTG
AAAGATT TTATAATTAT AGATGCATTA 1080 AGTGATTATT CATTCTACCA AAAAGGCATT GTA
ACGAAGC CTATAGTCGC AAATGACCAT 1140 ATTCAAACAT ATATCGATCA TAATGAACCA AAT
TTATGGA CCTATTATTG CTGTGCCCAA 1200 AATCAAAAAG TAAGCAATCG ATTTATGGCG ATG
CCTTCAG CAAGAAATCG AATTATCGCT 1260 ACACAATTAT TCAAATACGA CATCGAAGGA TTT
CTTCATT GGGGATATAA TTTTTACAAC 1320 AGTCAGTACT CGATAGAGCC AATTGATCCT TAT
GTCATAA CGGATGCAAA AAATGCTTTT 1380 CCTTCAGGTG ATACATTCCT CGTCTATCCT GGG
AAAGATG GAGAAGCAAT TCCGTCCATA 1440 CGCTCCCGAG TCTTTTATCA CGCTTTGCAA GAT
TTGCGCG CGTTTCAATG GCTAGAACAA 1500 TTAAAAGGAA AAGATTTTGT TTTGAATATA ATT
GAAAAAT ATCAAACAAT CACTTTCTCT 1560 GATTATCCAA AAGAGAAGGA ATATATTTTC CAG
ATTAGAG AAGAGATTAA TAGGGAAATA 1620 GAAAAAGCGC TAAGTGAATA A
1641
【0081】
【配列番号3】 配列の長さ:2231 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: CATGAATGGC TTCAGCACCT TTTCATACAG TTTTGTAGGT TTTATTTCTT TGTATTTCAA 60 TTGACAGTCA CCCTTTTTTC ATCACTTTTT TATATTTTTC CCAATTGCTA AAAATCTTCA 120 AAGGAATTAA TATGTTTTTA TCACACTATT TTACTATGTG AACGAATCAA ACTAGTTTTT 180 ACTATAACAT CAATAGATAG AAATTGGAGG ACTTTATA ATG GCT AAT ATT GAT TTT 236 Met Ala Asn Ile Asp Phe 1 5 CAA TTA TCG GAT TCA TTA GAA AAA ATA TTT CCT GAT ACC CCA CCA AAT 284 Gln Leu Ser Asp Ser Leu Glu Lys Ile Phe Pro Asp Thr Pro Pro Asn 10 15 20 ACG ATA CCT ATG AAT GAT ATT TCT ATT TTT CAA AAT GAA CAA TTT TCA 332 Thr Ile Pro Met Asn Asp Ile Ser Ile Phe Gln Asn Glu Gln Phe Ser 25 30 35 TTT CAA CTC GCG TAT CGA TCT AAT GAT AAT AAA AAG ATA CAC ATT AAA 380 Phe Gln Leu Ala Tyr Arg Ser Asn Asp Asn Lys Lys Ile His Ile Lys 40 45 50 GTA GGA GCG GAT GAT ACA CTC CTA ACA TCC ATA AGC CAT GTG AAA AAG 428 Val Gly Ala Asp Asp Thr Leu Leu Thr Ser Ile Ser His Val Lys Lys 55 60 65 70 GTG CCT TCT AAT CTA CCA GCC TAT CCC GAT TCA CAC GAT GAG AAT TAC 476 Val Pro Ser Asn Leu Pro Ala Tyr Pro Asp Ser His Asp Glu Asn Tyr 75 80 85 CTT TCG ACT GAA CCA GGG TTA TTT CCC GAT TTA CTG GAG CCT GTA ACC 524 Leu Ser Thr Glu Pro Gly Leu Phe Pro Asp Leu Leu Glu Pro Val Thr 90 95 100 GCT GAA GGG ATT GAC CTA GAA ACA GAT GGC TGG AAC TCT ATA TGG ATT 572 Ala Glu Gly Ile Asp Leu Glu Thr Asp Gly Trp Asn Ser Ile Trp Ile 105 110 115 GAT GTT TGT CCA AGT GTA GGT GCT GTG GGA GAA AAG ACG TTA ACA TTA 620 Asp Val Cys Pro Ser Val Gly Ala Val Gly Glu Lys Thr Leu Thr Leu 120 125 130 CAT ATT ACT GAT GAA AGT CAT CAA TCC ATT TAC GAA CAA TCT TTA TCA 668 His Ile Thr Asp Glu Ser His Gln Ser Ile Tyr Glu Gln Ser Leu Ser 135 140 145 150 ATT CGA GTC ATC CCT CAC AAT TTA CCT GAA CAA AAA CTA ATA CAT ACT 716 Ile Arg Val Ile Pro His Asn Leu Pro Glu Gln Lys Leu Ile His Thr 155 160 165 CAA TGG TTT CAT ACA GAT TGT TTA GCG AAT TAT TAT AAT GCA GAA GTT 764 Gln Trp Phe His Thr Asp Cys Leu Ala Asn Tyr Tyr Asn Ala Glu Val 170 175 180 TTT TCA GAA GAA CAT TGG CGA ATC ATC GAA AAT TTC ATT CGT ACA GCA 812 Phe Ser Glu Glu His Trp Arg Ile Ile Glu Asn Phe Ile Arg Thr Ala 185 190 195 AGT GAG AAT GGA ATC AAT ATG ATC CTT ACT CCA ATT TTT ACT CCT CCA 860 Ser Glu Asn Gly Ile Asn Met Ile Leu Thr Pro Ile Phe Thr Pro Pro 200 205 210 TTA GAT ACG AAA GTT GGA GGC GAG CGA ACA ACG GTT CAA CTC GTG CAA 908 Leu Asp Thr Lys Val Gly Gly Glu Arg Thr Thr Val Gln Leu Val Gln 215 220 225 230 ATT TCT TAT GAA AAT GGT AAG TAT GAG TTT GAT TTT TCA TTA CTG AGA 956 Ile Ser Tyr Glu Asn Gly Lys Tyr Glu Phe Asp Phe Ser Leu Leu Arg 235 240 245 AAA TGG CTA GAT ATA TGT AAA CGC AAC GGA ATT AAT TAC ATT GAG ATC 1004 Lys Trp Leu Asp Ile Cys Lys Arg Asn Gly Ile Asn Tyr Ile Glu Ile 250 255 260 GCC CAT CTA TTT ACA CAA TGG GGT GCC GAG TTT ACT CCT AAA ATA ATG 1052 Ala His Leu Phe Thr Gln Trp Gly Ala Glu Phe Thr Pro Lys Ile Met 265 270 275 GTG ATG GAA GAT GGG GTT CTT TTT AGA AAA TTC GGT TGG GAT GTA GCT 1100 Val Met Glu Asp Gly Val Leu Phe Arg Lys Phe Gly Trp Asp Val Ala 280 285 290 GCT GAT AGC AAA GAA TAT CGA TTG TTA TTA GAA TCG TTT CTC CCT GCT 1148 Ala Asp Ser Lys Glu Tyr Arg Leu Leu Leu Glu Ser Phe Leu Pro Ala 295 300 305 310 TTG ACT GAG TTT TTA AAA GCA AAT TGG GAG TCG GAG AAA GTT TAT TTT 1196 Leu Thr Glu Phe Leu Lys Ala Asn Trp Glu Ser Glu Lys Val Tyr Phe 315 320 325 CAT ATA TCC GAT GAA CCA AAC GAA TCA AAT GTA GTT ACT TAT TCA AAA 1244 His Ile Ser Asp Glu Pro Asn Glu Ser Asn Val Val Thr Tyr Ser Lys 330 335 340 GCG AAA AAA TTG GCA GAA CCG TAT CTG AAA GAT TTT ATA ATT ATA GAT 1292 Ala Lys Lys Leu Ala Glu Pro Tyr Leu Lys Asp Phe Ile Ile Ile Asp 345 350 355 GCA TTA AGT GAT TAT TCA TTC TAC CAA AAA GGC ATT GTA ACG AAG CCT 1340 Ala Leu Ser Asp Tyr Ser Phe Tyr Gln Lys Gly Ile Val Thr Lys Pro 360 365 370 ATA GTC GCA AAT GAC CAT ATT CAA ACA TAT ATC GAT CAT AAT GAA CCA 1388 Ile Val Ala Asn Asp His Ile Gln Thr Tyr Ile Asp His Asn Glu Pro 375 380 385 390 AAT TTA TGG ACC TAT TAT TGC TGT GCC CAA AAT CAA AAA GTA AGC AAT 1436 Asn Leu Trp Thr Tyr Tyr Cys Cys Ala Gln Asn Gln Lys Val Ser Asn 395 400 405 CGA TTT ATG GCG ATG CCT TCA GCA AGA AAT CGA ATT ATC GCT ACA CAA 1484 Arg Phe Met Ala Met Pro Ser Ala Arg Asn Arg Ile Ile Ala Thr Gln 410 415 420 TTA TTC AAA TAC GAC ATC GAA GGA TTT CTT CAT TGG GGA TAT AAT TTT 1532 Leu Phe Lys Tyr Asp Ile Glu Gly Phe Leu His Trp Gly Tyr Asn Phe 425 430 435 TAC AAC AGT CAG TAC TCG ATA GAG CCA ATT GAT CCT TAT GTC ATA ACG 1580 Tyr Asn Ser Gln Tyr Ser Ile Glu Pro Ile Asp Pro Tyr Val Ile Thr 440 445 450 GAT GCA AAA AAT GCT TTT CCT TCA GGT GAT ACA TTC CTC GTC TAT CCT 1628 Asp Ala Lys Asn Ala Phe Pro Ser Gly Asp Thr Phe Leu Val Tyr Pro 455 460 465 470 GGG AAA GAT GGA GAA GCA ATT CCG TCC ATA CGC TCC CGA GTC TTT TAT 1676 Gly Lys Asp Gly Glu Ala Ile Pro Ser Ile Arg Ser Arg Val Phe Tyr 475 480 485 CAC GCT TTG CAA GAT TTG CGC GCG TTT CAA TGG CTA GAA CAA TTA AAA 1724 His Ala Leu Gln Asp Leu Arg Ala Phe Gln Trp Leu Glu Gln Leu Lys 490 495 500 GGA AAA GAT TTT GTT TTG AAT ATA ATT GAA AAA TAT CAA ACA ATC ACT 1772 Gly Lys Asp Phe Val Leu Asn Ile Ile Glu Lys Tyr Gln Thr Ile Thr 505 510 515 TTC TCT GAT TAT CCA AAA GAG AAG GAA TAT ATT TTC CAG ATT AGA GAA 1820 Phe Ser Asp Tyr Pro Lys Glu Lys Glu Tyr Ile Phe Gln Ile Arg Glu 520 525 530 GAG ATT AAT AGG GAA ATA GAA AAA GCG CTA AGT GAA TAAATTAAAA 1866 Glu Ile Asn Arg Glu Ile Glu Lys Ala Leu Ser Glu 535 540 545 AGGCGATGGG ATTTTTATCC TTCGCCTTTT TTGTCCTTTT GCTAAGGCTC TGAACATGGA 1926 TGTTGATTTC CGCTCCAGGC GCTCGTTTTC CGCGGGGAGT TCGGGAGCTT CCTCGCTGCG 1986 TGCCTGTGGG ATCTCCCGGA GACTCTTCTT CCCGCAGGAG TCTTGCGCCT TCCTCTACAA 2046 TCAACAGAGT AGAAAAATCA GCAATGAGCT TTAACTATAG TCTTATAAAA ATAATAATTG 2106 ATATTTCCTG TTTTTAATCA TCTCAATTTC AATTAATCCA TCAACTGGCT CTACCATTTT 2166 GTCCTCTTTT TCTTTTTCTT TTTCACGAAC GATGACAGGT TTATTGGATT TTAGAATAAA 2226 TGAAT 2231
【0082】
【配列番号4】 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端フラグメント 配列: Ala Asn Ile Asp Phe Gln Leu Ser Asp Ser Leu Glu Lys Ile Phe Pro 1 5 10 15 Asp Thr Pro
【0083】
【配列番号5】 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GCNAAYATYG AYTTYCA
17
【0084】
【配列番号6】 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GARAARATHT TYCCNGA 17
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プラスミドp1820およびp1920の構造
を示す図である。
【図2】 図2は、欠失変異誘発法を用いたβ-GalNAca
se遺伝子 のヌクレオチド配列の決定の方法を示す図で
ある。
【図3】 図3は、ヌクレオチド配列配列決定のストラ
テジーを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/24 C12R 1:19) (72)発明者 関 達治 大阪府豊中市新千里西町2−1 A24− 108 (72)発明者 吉田 敏臣 大阪府吹田市山田西2−4 A−1−505

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ
    活性を有するまたはβ−N−アセチルガラクトサミニダ
    ーゼと機能的に同等の活性を有するポリペプチドをコー
    ドするヌクレオチド配列を含む単離されたDNAであっ
    て、該ポリペプチドは、糖鎖の非還元末端にあるβ−グ
    リコシド結合したN−アセチル−D−ガラクトサミンを
    遊離させるが、非還元末端にあるβ−グリコシド結合し
    たN−アセチル−D−グルコサミンは遊離させない、DN
    A。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドがバシラス(Bacillu
    s)属に属する細菌に由来する、請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 前記細菌がバシラスsp.(Bacillus sp.)A
    T173-1(FERM P-15390)である、請求項2に記載のDNA。
  4. 【請求項4】 前記ポリペプチドが配列表の配列番号1
    に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1〜3のいずれ
    かに記載のDNA。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドが、配列表の配列番号
    1に記載のアミノ酸配列において、1または数個のアミ
    ノ酸残基が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列
    を含み、かつβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ活
    性を有するまたはβ−N−アセチルガラクトサミニダー
    ゼと機能的に同等の活性を有する、請求項1に記載のDN
    A。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号2に記載のヌクレオチ
    ド配列を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のDNA。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号2に記載のヌクレオチ
    ド配列において、1または数個のヌクレオチドが欠失、
    置換、または付加されたヌクレオチド配列を含み、かつ
    β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ活性を有するま
    たはβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼと機能的に
    同等の活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列を含む、請求項1に記載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号2に記載のヌクレオチ
    ド配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイ
    ブリダイズし得、かつβ−N−アセチルガラクトサミニ
    ダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチルガラクトサ
    ミニダーゼと機能的に同等の活性を有するポリペプチド
    をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載
    のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のDNAを
    含む、組換えDNA。
  10. 【請求項10】 宿主細胞においてβ−N−アセチルガ
    ラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチ
    ルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有する
    ポリペプチドを発現する能力を有する発現ベクターであ
    る、請求項9に記載の組換えDNA。
  11. 【請求項11】 前記宿主細胞が、微生物細胞、動物細
    胞、植物細胞または昆虫細胞である、請求項10に記載
    の組換えDNA。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載のベクタ
    ーにより形質転換された形質転換体。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の形質転換体を培養
    する工程、得られる培養物よりβ−N−アセチルガラク
    トサミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセチルガ
    ラクトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有するポリ
    ペプチドを採取する工程を包含する、β−N−アセチル
    ガラクトサミニダーゼ活性を有するまたはβ−N−アセ
    チルガラクトサミニダーゼと機能的に同等の活性を有す
    るポリペプチドの製造方法。
JP9252441A 1997-09-17 1997-09-17 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子 Withdrawn JPH1189574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9252441A JPH1189574A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9252441A JPH1189574A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1189574A true JPH1189574A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17237426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9252441A Withdrawn JPH1189574A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1189574A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1081221A1 (en) * 1998-05-22 2001-03-07 Kirin Beer Kabushiki Kaisha ENDO-$g(b)-N-ACETYLGLUCOSAMINIDASE GENE
CN105794782A (zh) * 2016-04-18 2016-07-27 齐鲁工业大学 一种提高作物耐热性的复合制剂及其制备方法与应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1081221A1 (en) * 1998-05-22 2001-03-07 Kirin Beer Kabushiki Kaisha ENDO-$g(b)-N-ACETYLGLUCOSAMINIDASE GENE
EP1081221A4 (en) * 1998-05-22 2002-10-30 Kirin Brewery ENDO-BETA-N-acetylglucosaminidase
US6815191B1 (en) 1998-05-22 2004-11-09 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Endo-β-N-acetylglucosaminidase gene
CN105794782A (zh) * 2016-04-18 2016-07-27 齐鲁工业大学 一种提高作物耐热性的复合制剂及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU716692B2 (en) Esterases
JP4306802B2 (ja) アミダーゼ
JPH04228079A (ja) セファロスポリン・アセチルハイドロラーゼ遺伝子および該遺伝子にコードされるタンパク質
JP3419811B2 (ja) コンドロイチナーゼ遺伝子
US6326477B1 (en) Process for modifying glucose repression
JPH1189574A (ja) β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ遺伝子
JP3364972B2 (ja) 魚由来トランスグルタミナーゼ遺伝子
JPH0670768A (ja) ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子
JPH0638771A (ja) ヒトプロテインジスルフィドイソメラーゼ遺伝子の発現方法および該遺伝子との共発現によるポリペプチドの製造方法
JP3325128B2 (ja) 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna及びクレアチンアミジノハイドロラーゼの製造法
JP4052605B2 (ja) α−1,3/4−フコシダーゼ遺伝子
JP3709422B2 (ja) ニトリラーゼ遺伝子発現に関わる調節因子およびその遺伝子
JP2000175698A (ja) ピラノースオキシダーゼを含有するピラノース測定用試薬
JP3107977B2 (ja) 新規セルラーゼおよびその遺伝子
JP2729045B2 (ja) サルコシンオキシダーゼおよびその製造法
JP2898640B2 (ja) ムタロターゼの発現
JPH06292584A (ja) 変異型ピルビン酸脱水素酵素複合体のe1蛋白質 遺伝子及び変異型ピルビン酸脱水素酵素複合体のe1蛋白質
JPH10174585A (ja) 安定なクレアチンアミジノヒドロラーゼ
JPH0824573B2 (ja) キチナーゼ、キチナーゼ遺伝子及びキチナーゼの製法
AU688310B2 (en) Recombinant alpha-N-acetylgalactosaminidase enzyme and cDNA encoding said enzyme
JPH08126492A (ja) 新規セルラーゼ成分nce2およびそれを用いた育種法
JPH09173083A (ja) エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼA遺伝子
JPH10248574A (ja) 新規な乳酸酸化酵素
JPH11225769A (ja) 糖類変換酵素をコードするdna、それを含む組換えdna並びに形質転換体
CN115261363A (zh) Apobec3a的rna脱氨酶活性测定方法及rna高活性的apobec3a变体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207