JPH11225769A - 糖類変換酵素をコードするdna、それを含む組換えdna並びに形質転換体 - Google Patents

糖類変換酵素をコードするdna、それを含む組換えdna並びに形質転換体

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JPH11225769A
JPH11225769A JP10054433A JP5443398A JPH11225769A JP H11225769 A JPH11225769 A JP H11225769A JP 10054433 A JP10054433 A JP 10054433A JP 5443398 A JP5443398 A JP 5443398A JP H11225769 A JPH11225769 A JP H11225769A
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dna
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polypeptide
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seq
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JP10054433A
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English (en)
Inventor
Toshiya Ota
俊也 太田
Masaaki Yamagishi
政昭 山岸
Kazuo Oishi
一男 大石
Kazuo Mochizuki
一男 望月
Atsushi Higashiya
篤志 東谷
Koichi Yoshinaga
光一 吉永
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Shizuoka Prefecture
Original Assignee
Shizuoka Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルトースをトレハロースに変換する組み換え
型酵素をコードするDNA、当該DNAを含む組み換え
DNA並びに形質転換体を提供すること。 【解決手段】 本発明により、マルトースをトレハロー
スに変換する活性を有する酵素またはポリペプチドをコ
ードするDNAが提供される。またこれらのDNA断片
を含有する組み換えDNAおよびこれらを含む形質転換
体も提供される。さらに、上記組み換えDNAを使用す
るトレハロース合成酵素の製造方法、並びに当該トレハ
ロース合成酵素を使用するマルトースをトレハロースに
変換する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルトースをトレ
ハロースに変換するトレハロース合成酵素活性又は該活
性と機能的に同等の活性を有するポリペプチドをコード
するDNA、これらのDNAを含む組み換えDNA、並
びにこれらの組み換えDNAを含む形質転換体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トレハロースはグルコース2分子がα
(1、1)結合した非還元性の二糖類で、天然界では昆
虫、酵母、カビ、細菌、担子菌、紅藻、地衣類、植物等
に広く分布している。このトレハロースは、水分子が重
なった構造と類似しているため、生体内では生命に不可
欠な水の代わりとなり、細胞や蛋白質、核酸等を乾燥や
凍結から守る生体保護機能を有している。また、トレハ
ロースは分子中に還元性基を持たないので、アミノ酸類
の存在下で加熱しても褐変反応いわゆるメーラード反応
を起こすこさないので、着色や変質の心配がなく飲食物
を甘味付けできる利点がある。従って、トレハロース
は、医薬品、診断薬、ホルモン、受精卵、精子、生理活
性物質、酵素、微生物等の有用物質や食品、化粧品に用
いることができる。しかしながら、従来の方法では所望
量のトレハロースを入手するのが難しかった。
【0003】従来から存在するトレハロースの製造法と
しては、酵母等の微生物から抽出する方法、微生物を用
いた発酵による方法、また酵素によりトレハロースを合
成する方法等が知られている。その中でも、特に酵素に
よりトレハロースを合成する方法が安価な大量生産法と
して注目されている。酵素法としてはラクトバチルスブ
レビス(Lactobacillusbrevis )由来のマルトースフォ
スフォリラーゼ及びユーグレナグラチリス(Euglena gr
acilis)由来のトレハロースフォスフォリラーゼにより
マルトースから生成する方法(特開昭63−60998
号公報)、α−グルコース−1−リン酸及びグルコース
にトレハロースフォスフォリラーゼを作用させてトレハ
ロースを生成する方法(特開平6−189779号公
報)などが知られている。しかし、上記の酵素による合
成法においては、複数の微生物による複数の酵素が関与
しており、反応が非常に煩雑で、酵素の大量供給を行う
上でも問題があった。
【0004】また、バイオテクノロジーレターVOL1
2、No.6 431−432頁(1990年発行)や
BFE VOL8,No4,(1991年4月),20
1−203頁などに報告されているような、でんぷんに
微生物が有する複数の酵素系を作用させてトレハロース
を生産する方法がある。また、マルトースを直接トレハ
ロースに変換する酵素としては、ピメロバクター(Pime
lobacter)sp.strainR48由来の酵素、並びにサーマ
ス アクアティリス(Thermus aquaticus)ATCC33
923由来の酵素が既に知られている(蛋白質核酸酵素
Vol.42, No.6(1997) 、834〜841頁)。しかし
ながら、前者は反応至適温度20℃、温度安定性30℃
以下であり、後者は反応至適温度65℃、温度安定性8
0℃以下であり、工業的に利用する場合にはエネルギー
効率や取り扱いが容易ではないという欠点を有すること
が予測された。すなわち、温度管理の容易な温度である
37℃付で効率よく利用できるマルトースを直接トレハ
ロースに変換する酵素はこれまでに報告されていない。
【0005】そこで、本発明者らがマルトースを直接ト
レハロースに変換する酵素につき以前に鋭意検索した結
果、シュードモナス属に属するある種の微生物が、マル
トースに作用してトレハロースを生成する新規な酵素を
産生することを見い出した(特願平9−98779号明
細書を参照;この明細書の内容は全て引用により本明細
書中に取り込まれる)。この酵素を利用することによ
り、大量かつ安価に入手し得るマルトースを原料にして
トレハロースを製造することが可能になると考えられ、
これによりトレハロース合成に関する前記課題は解決さ
れることが期待される。
【0006】しかしながら、この酵素を産生するシュー
ドモナス属に属する微生物は、酵素の産生能が充分でな
く、トレハロースを大規模に製造することを意図する場
合、微生物を大量に培養しなければならないという問題
がある。
【0007】一方、近年の組換えDNA技術の進歩には
目覚ましいものがある。今日では、全アミノ酸配列が解
明されていない酵素であっても、これをコードする遺伝
子を単離し、その塩基配列を解明できれば、その酵素を
コードするDNAを含む組換えDNAを作製し、これを
細菌等の微生物や動植物の細胞に導入して得られる形質
転換体を培養することにより、比較的容易に所望量の酵
素を取得することが可能になっている。そこで、上記の
トレハロース合成酵素をコードする遺伝子を単離し、そ
の塩基配列を解明することにより、所望量のトレハロー
ス合成酵素を容易に得ることができるようになることが
期待される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、トレハ
ロース合成酵素の生産菌であるシュードモナス sp.
F1株に対して培養方法の検討による生産性の向上を試
みたが、本酵素を工業的に有利に実生産するためには、
更にその生産性を向上させることが必要であった。ま
た、近年、遺伝子工学の手法を用いて酵素の生産量を向
上せさることや、蛋白質工学的手法によって当該酵素の
遺伝子を改変して当該酵素の改良を行うことも可能とな
っている。そのためには当該酵素の遺伝子を単離するこ
とが必要であるが、シュードモナス sp.F1株のト
レハロース合成酵素活性をコードする遺伝子は未だ単離
・同定されていなかった。
【0009】従って、本発明の目的の一つは、トレハロ
ース合成酵素活性をコードするDNAを提供することで
ある。本発明の別の目的は、上記DNAを含有する組み
換えベクター、発現ベクター並びに上記ベクターを保持
する形質転換体を提供することである。
【0010】本発明のさらに別の目的は、本発明のDN
Aを含有する組み換えベクターを保持する形質転換体を
培養することによって、トレハロース合成酵素又は該酵
素活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチドの製
造方法を提供することである。 本発明のさらに別の目
的は、本発明のDNAによってコードされるトレハロー
ス合成酵素または該酵素活性と機能的に同等の活性を有
するポリペプチドを使用する、マルトースからトレハロ
ースに酵素的に変換する方法を提供することである。本
発明のさらに別の目的は、本発明のDNA配列を有する
遺伝子の発現の調節のための配列を含むDNA断片を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは、シュードモナス属細菌の染色体DNA
からトレハロース合成酵素活性をコードする遺伝子を含
むDNA断片を単離すべく、ハイブリダイゼーションク
ローニング法とPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を併
用することによってトレハロース合成酵素活性を有する
ポリペプチドをコードするDNA断片を単離することに
成功した。さらに、単離されたこのDNA断片を適当な
ベクターに連結して宿主微生物に導入したところ、得ら
れた形質転換体がトレハロース合成酵素を生産すること
が確認できた。
【0012】さらにまた、上記のDNAによりコードさ
れるトレハロース合成酵素活性を有するポリペプチドの
アミノ酸配列が、これまでに知られている他のサーマス
属由来の酵素のアミノ酸配列およびピメロバクター属由
来の酵素のアミノ酸配列とは異なる配列であることが明
らかになった。本発明は上記の知見に基づいて完成した
ものである。
【0013】すなわち、本発明の一つの側面によれば、
トレハロース合成酵素活性又はその活性と機能的に同等
の活性を有するポリペプチドをコードするDNAが提供
される。本発明のDNAがコードするポリペプチドは、
好ましくは、シュードモナス属由来のものである。本発
明のDNAがコードするポリペプチドは、好ましくは3
7℃付近の温度において酵素として効率的に利用できる
ものである。本発明のDNAは、例えば、配列表の配列
番号:1に記載したアミノ酸配列をコードする。本発明
のDNAは、例えば、配列表の配列番号:2に記載した
DNA配列を有する。
【0014】本発明の別の側面によれば、配列表の配列
番号:1に記載したアミノ酸配列の一部を含むトレハロ
ース合成酵素活性を有するポリペプチド又はその活性と
機能的に同等の活性を有するポリペプチドをコードする
DNAが提供される。本発明のさらに別の側面によれ
ば、配列表の配列番号:2に記載したDNA配列の一部
を含むDNAであって、かつトレハロース合成酵素活性
を有するポリペプチド又はその活性と機能的に同等の活
性を有するポリペプチドをコードするDNAが提供され
る。本発明のさらに別の側面によれば、配列表の配列番
号:1に記載したアミノ酸配列に対して、1個もしくは
複数のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入もしくは置換の
少なくとも1つがされてできるポリペプチドをコードす
るDNAであって、上記ポリペプチドがトレハロース合
成酵素活性又はその活性と機能的に同等の活性を有して
いる、上記DNAが提供される。
【0015】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
たいずれかの本発明のDNAとハイブリダイズすること
ができる、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプ
チド又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペ
プチドをコードするDNAが提供される。本発明のさら
に別の側面によれば、上記したいずれかの本発明のDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするこ
とができる、トレハロース合成酵素活性を有するポリペ
プチド又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリ
ペプチドをコードするDNAが提供される。
【0016】本発明のさらに別の側面によれば、配列表
の配列番号:2に記載のDNA配列と少なくとも70%
以上、好ましくは少なくとも80%以上、より好ましく
は少なくとも90%以上の相同性を有するDNAであっ
て、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチド又
はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチド
をコードするDNAが提供される。
【0017】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
たいずれかの本発明のDNAを含む、組み換えDNAが
提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記し
たいずれかの本発明のDNAを含む、発現ベクターが提
供される。本発明の発現ベクターは、例えば宿主として
細菌、動物細胞または植物細胞の形質転換のために使用
することができるものである。
【0018】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
た本発明の発現ベクターを保持する形質転換体が提供さ
れる。本発明の形質転換体において、宿主は特に限定さ
れないが、特に好ましくは大腸菌である。
【0019】本発明のさらに別の側面によれば、本発明
のDNAと自律複製可能なベクターとを含む組み換えD
NAを適宜宿主に導入することによって得られる形質転
換体を培養し、培養物から、トレハロース合成酵素又は
該酵素活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチド
を回収することを含む、トレハロース合成酵素又は該酵
素活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチドの製
造方法が提供される。
【0020】本発明のさらに別の側面によれば、本発明
のDNAによってコードされるトレハロース合成酵素ま
たは該酵素活性と機能的に同等の活性を有するポリペプ
チドをマルトースに作用させることによってトレハロー
スを生成させることを含む、マルトースをトレハロース
に酵素的に変換する方法が提供される。
【0021】本発明のさらに別の側面によれば、配列表
の配列番号3に記載のDNA配列を有する遺伝子の発現
の調節のための配列を含むDNA断片が提供される。
【0022】本発明によるトレハロース合成酵素遺伝子
の供与体となる微生物としては、例えばショウドモナス
属の1種、シュードモナス sp.F1株を用いること
ができる。本菌株は、本発明者らがマルトースをトレハ
ロースに変換する活性を有するマルトースをトレハロー
スに変換する酵素を生産する菌株として静岡県静岡市の
土壌より分離したものであり、通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に、平成7年1月30日に受託番
号FERM P−14747号として寄託されている。
【0023】
【発明の実施の形態】本明細書において、トレハロース
合成酵素とは、マルトースに作用しα,α−1,4−結
合をα,α−1,1−結合に変換する分子内転移様の活
性あるいはその逆の活性を有する酵素のことを言う。ま
た、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチドと
は、トレハロース合成酵素活性を有することを条件にし
て、天然型のアミノ酸配列に対して一以上のアミノ酸の
欠失、置換、挿入、付加等を施すことによりアミノ酸配
列が改変されたポリペプチドを意味し、本発明の範囲内
には、天然型のトレハロース合成酵素のみならず、これ
らのアミノ酸配列が改変されたポリペプチドをも含まれ
ることが意図される。また、本明細書で使用される天然
型トレハロース合成酵素の例としては、例えばシュード
モナス sp.F1由来のものが挙げられるが、本発明
においてはこれに限定されるものではなく、その他の種
のシュードモナスはもちろん、細菌類、酵母類、糸状菌
類、子嚢菌類、担子菌類等の微生物由来のもの、あるい
は植物、動物等の生物体由来のものも使用できる。
【0024】本明細書において、機能的に同等の活性を
有するポリペプチドとは、以下のようなものを言う。一
般的に、天然に存在するタンパク質の中には、それをコ
ードする遺伝子の多形や変異の他に、生成後のタンパク
質の生体内および精製中の修飾反応などによって、その
アミノ酸配列中にアミノ酸残基の欠失、付加、挿入、置
換等の変異が起こりうるが、それにも関わらず変異を有
しないタンパク質と実質的に同等の生理、生物学的活性
を示すものが存在することが知られている。このように
構造的に差異があっても、その機能については実質的に
大きな相違が認められないものを、本明細書中において
は機能的に同等の活性を有するポリペプチドと称する。
【0025】人為的にタンパク質のアミノ酸配列に上記
のような変異を導入した場合でも同様であり、この場合
はさらに多種多様の変異体を作製することが可能である
が、変異を有しないものと実質的に同等の生理活性を示
す限り、これらの変異体は機能的に同等の活性を有する
ポリペプチドと解釈される。
【0026】さらに、遺伝子工学的にタンパク質の生産
を行う際には、融合タンパク質として発現させることが
しばしば行われる。例えば、目的のタンパク質の発現量
を増加させるために、目的のタンパク質のN末端に他の
タンパク質由来のN末端ペプチド鎖を付加したり、目的
タンパク質のN末端、あるいはC末端に適当なペプチド
鎖を付加して発現させ、この付加したペプチド鎖に親和
性を持つ担体を使用することにより、目的タンパク質の
精製を容易にすることなどが行われている。本発明は、
このような付加的な配列を含む融合タンパク質をコード
するDNAをも包含することを意図する。
【0027】また、遺伝子上でアミノ酸を指定するコド
ン(3つの塩基の組み合わせ)は、アミノ酸の種類ごと
に1〜6種類ずつが存在することが知られている。した
がって、アミノ酸配列をコードする遺伝子はそのアミノ
酸配列にもよるが、多数存在することができる。遺伝子
は自然界において決して安定に存在しているものではな
く、その核酸に変異が起こることはまれではない。遺伝
子上に起こった変異がコードされるアミノ酸配列には変
化を与えない場合(サイレント変異と呼ばれる)もあ
り、この場合には同じアミノ酸配列をコードする異なる
遺伝子が生じたといえる。したがって、ある特定のアミ
ノ酸配列をコードする遺伝子が単離されても、それを含
有する生物が継代されていくうちに同じアミノ酸配列を
コードする多種類の遺伝子ができていく可能性は否定で
きない。本発明は、このような他種類の遺伝子の全てを
包含することを意図する。
【0028】さらに、同じアミノ酸配列をコードする多
種類の遺伝子を人為的に作製することは、種々の遺伝子
工学的手法を用いれば困難なことではない。例えば、遺
伝子工学的なタンパク質生産において、目的のタンパク
質をコードする本来の遺伝子上で使用されているコドン
が、使用している宿主中では使用頻度の低いものであっ
た場合、タンパク質の発現量が低いことがある。このよ
うな場合には、コードされているアミノ酸配列に変化を
与えることなく、コドンを宿主で繁用されているものに
人為的に変換することにより、目的のタンパク質の高発
現を図ることが行われている。このように特定のアミノ
酸配列をコードする遺伝子を、人為的に多種類作製する
ことが可能なことは言うまでもない。したがって、これ
らの人為的に作製された異なるポリヌクレオチドであっ
ても、本発明に開示されたアミノ酸配列がコードされて
いる限り、本発明に包含される。
【0029】さらに、目的のタンパク質のアミノ酸配列
に1個もしくは複数個のアミノ酸残基を欠失、付加、挿
入、もしくは置換の少なくとも1つを行ったポリペプチ
ドも目的のタンパク質と機能的に同等の活性を有する場
合が少なくない。このようなポリペプチドをコードする
遺伝子も、天然由来の単離されたものであれ人為的に作
製されたものであれ、本発明に包含される。
【0030】一般的に、あるポリペプチドと機能的に同
等の活性を有するポリペプチドとは、それらをコードす
る遺伝子が互いに相同性を有することが多い。したがっ
て、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチドを
コードする限りは、本発明のDNAと適当な条件下でハ
イブリダイズすることができる、ポリペプチドをコード
するDNAも本発明に包含される。ハイブリダイゼーシ
ョンの条件は、一般的なハイブリダイゼーションの条
件、例えば、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,
T. マニアティス (T. Maniatis)他著、コールドスプリ
ングハーバーラボラトリー社、1982年発行、などに記載
されている条件などを使用することができる。一般に、
より相同性の高いDNAを単離するためには、よりスト
リンジェントな条件を使用してハイブリダイゼーション
を行えばよい。
【0031】また一般的に、1アミノ酸をコードする3
塩基の組み合わせが複数存在するために塩基配列の変化
がアミノ酸配列の変化に現れない場合があること、また
塩基配列の変化によりアミノ酸配列が変化したとしても
そのアミノ酸の変化がポリペプチドの生理学的活性に実
質的に影響を生じないか、生じても僅かにすぎない場合
があること等の理由のために、DNAの塩基配列が若干
相違していてもコードされるポリペプチドの生理学的活
性においては実質的に有意な相違が生じないことがある
ことはよく知られている。従って、本発明は、コードさ
れるポリペプチドがトレハロース合成酵素活性を有する
限りは、本発明のDNA配列と一定以上の相同性、例え
ば少なくとも70%以上、好ましくは少なくとも80%
以上、より好ましくは少なくとも90%以上の相同性を
有するDNA配列をも包含するものである。
【0032】以上のように、本発明のDNAには、配列
表の配列番号:1に記載したアミノ酸配列をコードする
DNA、あるいは配列表の配列番号:2に記載した塩基
配列を有するDNAに加えて、上記DNAに対して欠
失、付加、挿入若しくは置換を施したDNA、上記DN
Aと適当な条件下でハイブリダイズするDNA、並びに
上記DNAと一定以上の相同性を有するDNAが含まれ
るが、これらのDNAは全てトレハロース合成酵素活性
あるいは該酵素活性と機能的に同等の活性を有すること
を特徴とするものであり、この酵素活性の有無を指標に
することにより当業者により容易に得ることができる。
なお、この酵素活性の測定法は当業者に公知であり、例
えば本明細書の下記実施例に記載した方法を使用でき
る。
【0033】以下にシュードモナス sp.F1株に由
来するトレハロース合成酵素遺伝子をクローニングし
て、塩基配列を解析し発現する例を挙げて、本発明を詳
細に説明する。
【0034】供与菌株から染色体DNAを得る方法とし
ては、例えばマーマーの方法〔Marmur,J.,
J.Mol.Biol.,3,208(1961)〕や
斉藤と三浦の方法〔Saito,H.andMiur
a,K.,Biochem.Biophys.Act
a,72,619(1963)〕等が挙げられるが、他
の類似な方法を用いることもできる。
【0035】かくして得られた染色体DNAを好適な制
限酵素で切断することによって、トレハロース合成酵素
遺伝子を含むDNA断片を調製することができるが、用
いる制限酵素の種類としては、当該遺伝子を分断しない
ものであれば、いかなるものでも使用できる。
【0036】トレハロース合成酵素産生菌の培養は、好
気条件下で十分な炭素源、窒素源を有する培地で行うこ
とが好ましい。好適な方法に従って、シュードモナス
sp.F1を培養する。次に、その培養液から、例えば
ジャーナル オブ ファメンション アンド バイオエ
ンジニアリング VOL.84,No.4,358−3
60ページに記載の方法などで、シュードモナス s
p.F1の産生したトレハロース合成酵素を単離精製す
る。
【0037】次に、精製されたトレハロース合成酵素に
ついて、その部分アミノ酸配列に関する情報を得る。部
分アミノ酸配列を決定するには、例えば精製トレハロー
ス合成酵素を直接常法に従ってエドマン分解法によるア
ミノ酸配列分析(プロテインシーケンサPQQS−1
0,島津製作所社製)に供することにより、トレハロー
ス合成酵素のN末端アミノ酸配列の10〜30残其を決
定する。あるいは、特異性の高い蛋白質加水分解酵素、
例えばステフィロコッカス アウラ プロテアーゼ(V
8プロテアーゼ)やアクロモバクター(Achromobacter)
プロテアーゼI、N−トシル−L−フェニルアラニルク
ロロメチルケトン(TPCK)−トリプシン等を作用さ
せて限定加水分解を行い、得られたペプチド断片を逆相
系HPLCを用いて分離精製した後、精製ペプチド断片
についてアミノ酸配列分析を行ったり、あるいは、SD
S−PAGE後にPVDF膜にエレクトロブロッテイン
グを行うのが効果的である。
【0038】こうして得られる部分アミノ酸配列の情報
をもとにトレハロース合成酵素遺伝子をクローニングす
る。そのためには、一般的に用いられるPCR法あるい
はハイブリダイゼーション法を利用する。クローニング
から形質転換の手順の一例は以下の通りである。
【0039】a)N末端および内部アミノ酸配列の情報
をもとに、PCR用のプローブとして合成オリゴヌクレ
オチドを設計する。 b)このプローブを用いてPCRを行い、特異的に増幅
したPCR産物であるDNA断片を直接配列分析し、N
末端あるいは内部アミノ酸配列の一部をコードする塩基
配列を含むPCR産物を得る。
【0040】c)一方、シュードモナス sp.F1の
ゲノムDNAを適当な制限酵素で完全消化し、アガロー
スゲル電気泳動で分離した後、常法に従いナイロン膜に
ブロッティングする。分離されたDNA断片と、b)で
得られたPCR産物とのハイブリダイゼーションは、一
般的に用いられる条件で行う。例えば鮭精子DNAを含
むプレハイブリダイゼーション溶液中でナイロン膜をブ
ロッキングし、32Pまたは蛍光色素、あるいは化学発光
試薬でラベルしたPCR産物を加えて一晩保温する。こ
のナイロン膜を洗浄した後、オートラジオグラフィーを
とってPCR産物オリゴヌクレオチドプローブとハイブ
リダイズするDNA断片を検出する。検出されたバンド
に相当するDNA断片をゲルから抽出、精製する。
【0041】d)こうして得られたPCR産物オリゴヌ
クレオチドプローブとハイブリダイズするDNA断片を
通常用いられる方法によってクローニングベクターに組
み込む。クローニングベクターとしては pUC18、pUC19
、pUC119、Bluescript II SK(+) 、Charomid DNA な
どが好適に使用できるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0042】e)次いで組換えクローニングベクターを
宿主に導入し、宿主を形質転換する。宿主の種類は特に
は限定されないが、例えば大腸菌を使用する場合、宿主
大腸菌としては形質転換能を有するものであれば野生
株、変異株の何れも使用できる。導入の方法は通常用い
られる方法であるコンピテントセルを用いる方法、例え
ばモレキュラークローニングラボラトリーマニュアル
(Molecular Cloning,A Laboratory Manual) [T.マニア
ティス (T. Maniatis)他著、コールドスプリングハーバ
ーラボラトリー社、1982年発行] 第 250頁に記載の方法
を用いることができる。また、Charomid DNAなどラム
ダーファージベクターとしての機能をもつものはインビ
トロパッケージングによる方法も用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1:使用菌株、ベクターDNA、お
よび増菌用培地 静岡県静岡市の土壌より採取されたシュードモナス s
p.F1株(Pseudomonas sp. F1)を遺伝子供試菌株
として使用した。F1株は、大きさは0.7〜1.4μ
mの短桿菌で短鞭毛をもち運動性がある。OFテストが
酸性、蛍光色素を生成、キノン−9、GC含量が60.
2%でグラム陰性の細菌である。この菌株の増菌用培地
としては、少量の試験管・フラスコ培養の場合にはLB
培地(ポリペプトン10g、酵母エキス5g、塩化ナト
リウム5gを含むpH7.0 の水溶液)を用いた。しか
し、酵素精製などで必要な大量の菌体の培養にはジャー
ハメンタで廃糖蜜・カツオエキスを成分とする安価な培
地を用いたが、通常この分野で使用される培地であれば
何れのものでもよく、炭素源としては、グルコース、ラ
クトース、マルトース、澱粉、粗糖、廃糖蜜等を単独又
は混合して用いることができる。窒素源としては、ペプ
トン、肉エキス、酵母エキス、コンスティーブリカー、
尿素等の有機窒素源のほか、硫酸、硝酸、リン酸等のア
ンモニウム塩などの無機窒素源を単独又は混合して用い
ることができる。無機塩としては、カリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の硫酸
塩、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、をそれぞれ単独で又は
組み合わせて用いることが出来る。なお、培養温度は3
0℃で24時間行なった。酵素を精製するためには菌体
をさらに45℃で一昼夜置いた。
【0045】遺伝子ライブラリー作製の際の宿主菌とし
て大腸菌DH5α株を、クローン化した遺伝子のサブク
ローニングの際の宿主菌として大腸菌JM109株を使
用した。これらの菌株はLB培地を用いて増菌し、37
℃で培養した。遺伝子ライブラリーの作製にはコスミド
系ベクターのcharomid9-36(Saito & Stark) を、サブク
ローニングあるいは塩基配列決定用にはpUC18を使
用した。なお、charomid 9-36、pUC18を用いる場
合、アンピシリンを最終濃度100μg/mlになるよ
うに培地に添加した。
【0046】実施例2:トレハロース合成酵素遺伝子の
クローニング(クローニング戦略の概念図を図1に示
す。なお、遺伝子供与株である、シュードモナス s
p.F1株は、GC含量が高いため、目的の遺伝子を取
り出すことは極めて困難であることが予想されたため、
このように複数のクローニング戦略をたて、また塩基配
列分析する必要があった。さらに、安藤他編、遺伝子工
学、共立出版(株)、p107(1987)に記載され
ているように大腸菌での発現は一般に低いとされており
困難が予想された。) (1)染色体DNAの抽出 共試菌を50mlの培地の入ったフラスコを24時間振
盪培養し、8,000rpmで10分間遠心して菌体を
回収した。回収した菌(約0.5g)を1.5mlの遠
心チューブ10本に移し、各々に菌体を80μlのリゾ
チーム液(50mMグルコース、25mMTris、1
0mMEDTA、pH8.0)と25mg/mlリゾチ
ーム20μlに懸濁し10分間室温に置いた。次に20
0μlの1%SDSを加え氷温で30秒放置した。7.
5mMの酢酸アンモニウムを加え15,000rpmで
遠心し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノー
ル沈殿し、RNase処理した。湿重量約2.5gの菌
体から約10mgのDNAを抽出できた。
【0047】(2)部分アミノ酸配列分析 シュードモナス sp.F1株から単離精製されたトレ
ハロース合成酵素をV8プロテアーゼで限定分解しSD
S電気泳動後PVDF膜にセミドライブロットし、メン
ブレンを順次切り出し、気相式プロテインシケンサー、
島津PQQS−10と和光純薬の専用試薬を用いてアミ
ノ酸配列を分析した。切り出したバンドの11サンプル
を順次アミノ酸配列分析したところ、下記に示す配列が
主に分析できた。 サンプル番号2(配列番号4) MDPIVPRQPGDKPLA サンプル番号3(配列番号5) LVQMSRMAAAH サンプル番号11(配列番号6) ANQMKAMTFPHN
【0048】(3)内部アミノ酸情報によるプライマー
設計とPCR法によるDNA増幅 トレハロース合成酵素のN末端と内部の部分アミノ酸配
列分析より推定される塩基配列とPseudomonas属におけ
る使用コドンを考慮して設計したオリゴヌクレオチドを
プライマーとして使用して、p.putidaの全DNAを鋳型
としてPCR法によりトレハロース合成酵素遺伝子を部
分的に増幅した。増幅物はアクリルアミドゲル電気泳動
により分離し、目的の領域を切り出しTE緩衝液に抽出
し、フェノール/クロロフォルム抽出、エタノール沈殿
により精製した。用いたプライマーの配列は以下のとお
りである。 NF-7(配列番号7) 5'-GT(G/C)AA(A/G)TGG(T/C)TGGA(A/G)GA(T/C)CG(T/C)GC
(G/C)ATG-3' NF-9(配列番号8) 5'-AC(G/C)CAGCC(C/G)GATCC(G/C)(A/T)(G/C)(G/C)TATGT
(G/C)AAGTGG-3' NF-11 (配列番号9) 5'-TG(G/C)GC(G/C)GC(G/C)GCCATGCGGCTCATCTG(G/C)AC-
3'
【0049】0.1μg/μl全DNA1μlと試薬
(各2mMdNTPsMix5μl,10×reaction b
uffer5μl,各プライマー1μl、水37μl)及び
酵素(5U,タカラTaq)を混合してPCR反応液を
調製した。サーマルサイクラーシステム2400(パー
キンエルマー社)を用いて、PCR反応を行った。95
℃ 30秒(変性)、55℃ 1分(アニーリング)、
72℃ 1分(伸長)を30サイクル行うことによりD
NAを増幅し、5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を
行い、DNAのバンドを切り出して、TEに抽出し、フ
ェノール/クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノー
ル沈殿をした。精製したDNAはDNAシーケンサーに
より配列分析したところ、配列表の配列番号2の塩基配
列の19番目〜422番目に対応する塩基配列であるこ
とが判明した。
【0050】(4)サザンハイブリダイゼーション A.フィルターの処理 全ゲノムDNAを、制限酵素EcoRI,HindIII, PstI, Bam
HI,XhoI, ClaI, KpnIで完全消化し、0.7%アガロー
ス電気泳動を行った。泳動後、ゲルを臭化エチジウムで
染色し、泳動パターンを写真撮影した。ハイブリダイゼ
ーションに必要な部分だけを残し、他の部分は切り取っ
た。次に、ゲルの洗浄およびDNAの変性を行うため
に、以下の操作を行った。
【0051】200mlの0.25Nの塩酸にゲルを浸
し、10分間ゆるやかに振盪した(脱プリン化)。次い
で、塩酸を捨て、100mlの滅菌蒸留水を加え2分間
ゆるやかに振盪した。塩酸を中和するために、200m
lの1.5M塩化ナトリウムおよび0.5N水酸化ナト
リウムの混合溶液でゲルを30分間ゆるやかに振盪した
(アルカリ変性)。この溶液を捨て、100mlの滅菌
蒸留水を加えゆるやかに振盪した。次に100mlの1
Mのトリス/塩酸および1.5M塩化ナトリウム混合溶
液で10分間ゆるやかに振盪した(中和)。
【0052】ゲル中のDNAをフィルターに転写するた
め、ブロッティング操作を行った(Southern ,1975)。ろ
紙、ゲル、転写メンブレン、ろ紙の順に下から積み上げ
て最下層のろ紙を2×SSCに浸し、セミドライブロテ
ィング装置を利用して150mAで60分間かけて、D
NAを転写した。転写後、フィルターを2×SSCでゆ
るやかに振盪しながら洗浄した。ポリ容器にフィルター
と約50mlのハイブリダイゼーション緩衝液(50%
フォルムアミド、5×SSC、1%SDS、1×デンハ
ーツ、1mM EDTA、50μg/ml さけ精子、2
5mM KPO4)を入れ、42℃で2時間以上プレハイ
ブリダイゼーションを行った。
【0053】B.プローブの調製 DNAプローブの放射性同位元素による標識は、DNA
ラベリングキット(TAKARA)を用いてランダムプライマー
法により次のように行った。プローブとして用いるDN
Aをアガロース電気泳動し、実施例2の(3)に示した
方法でDNAを抽出、精製した。得られたDNA溶液3
μlにランダムプライマー2μlを加え、3分間95℃
で熱変性後, 氷中で急冷した。10×反応緩衝液とdN
TP混合溶液をそれぞれ2.5μlおよびCTPP(α−
32P、50μCi)を5μl加え、蒸留水で全量を24
μlにして反応溶液とした。この反応液にKlenow frag
ment酵素液を1μl加え、37℃で10分間DNA鎖の
伸長反応を行った。反応後、65℃で5分間放置して酵
素を失活させ、ハイブリダイゼーションに用いた。
【0054】C.ハイブリダイゼーション 上記Aで処理したフィルターに上記Bで作製したDNA
プローブを5μl入れ、シールした。42℃で6時間ゆ
っくりと振盪しながらハイブリダイゼーションを行っ
た。反応後、フィルターを200mlの洗浄液I(2×
SSC、0.1%SDS)に浸し、50℃で30分間ゆ
っくりと振盪しながらフィルターを洗浄した。この操作
をもう一度繰り返し行った。次に、洗浄液II(0.5
×SSC、0.1%SDS)で1回および洗浄液III
(0.1×SSC、0.1%SDS)で2回ずつフィル
ターの洗浄を行った。洗浄後、フィルターをろ紙上に置
き、洗浄液を吸い取り、風乾した。このフィルターを一
晩オートラジオグラフィーをBAS2000システム
(フジフイルム)で行い、専用の読みとり機で読み取っ
た。結果を図2に示す。EcoRI 断片では7〜9kbp、
PstI 断片では2.2kbpにハイブリダイズしたが、
HindIII, BamHI,XhoI, ClaI, KpnI 断片では20kbp
より大きな領域であった。
【0055】(5)染色体DNAの部分消化物のセルフ
ライゲーションによるPCR増幅(Inverse-PCR)
(戦略の概念図を図3に示す) 上記(4)の情報を基にして染色体DNAをEcoR1及び
Pst1で完全消化し、セルフライゲーションを行い、環
状のDNAを作成した。この環状DNAをテンプレート
にし、上記(3)の部分配列より設計したオリゴヌクレ
オチドをプライマーとして、PCRによる遺伝子増幅を
試みた。ここで増幅したDNAは精製し、DNAシーケ
ンサーによる配列分析に供した。
【0056】(6)カセットプライマーとカセットを用
いるPCRによるクローニング A.アガロースゲルからのDNAの回収 クローニングに適した分子サイズと思われたEcoR1 DN
A断片(7から10kb)は制限酵素による染色体DN
A消化を至的条件各反応液で37℃で3時間反応させ、
フェノール/クロロホルム(1:1)抽出し、エタノー
ル沈殿を行い、再度、TE30μlに溶解し、このうち
5μlに電気泳動用ローディング緩衝液を2μl加え、
0.7%アガロースゲルを用いて電気泳動を行い、泳動
距離を測定した。電気泳動の際、DNA分子サイズマー
カーとしてλファージDNAをHind IIIで消化したもの
を用いた。このサイズマーカーと比較して約7から10
kbのDNA断片をサイズによる分画を行った。
【0057】操作は、EcoRI DNA断片(7から10k
b)を含むアガロースゲルと一緒に切り出し、透析チュ
ーブに入れた。これにTE400μlを入れ電気泳動を
行い、DNAをゲルから抽出した。このDNA溶液を回
収した後、フェノール/クロロホルム抽出を行った。上
清を別の微量遠心チューブに移した後、上清を除きDN
Aを70%エタノールで洗浄後(以下リンスとする)、
真空乾燥した。得られたDNAを20μlの滅菌蒸留水
に溶かした。この分画したDNAも上記(5)の方法で
セルフライゲーションを行いPCRのテンプレートに供
し、通常用いられる方法で塩基配列を決定した。
【0058】B.カセットプライマーとカセットを用い
るPCR(Vectorette-PCR)(戦略の概念図を図3に示
す) 続いて、EcoRI サイトに接続するオリゴDNAカセット
をライゲーションしたDNAを鋳型とし、カセットの配
列に相補的なプライマーと、既知の配列に相補的なプラ
イマーを用いて、一回目のPCRを行った。次に、この
PCR産物を鋳型に一回目より内側のプライマーを用い
て、2回目のPCRを行った。なお、2kbp以上の増
幅には、タカラのLA PCRキットを用いた。(以下
の実験を(株)タカラのプロトコールに従って行っ
た。) 増幅したDNA断片についてアガロースゲル電気泳動で
反応液を分析し、また、通常用いられる方法で塩基配列
の一部を分析し遺伝子の位置の特定に用いた。
【0059】(7) Charomidベクターへの結合および
パッケージング サザンハイブリダイゼーションの結果より、PstIでの消
化では、構造遺伝子の全長が入らない可能性が高く、制
限酵素EcoRI で消化した場合約8kbとやや大きいものの
遺伝子すべてを含むものと思われた。そこで、制限酵素
EcoRI で消化した染色体DNA0.1μgをBAP(Ta
kara)で5’末端を脱リン酸化処理したベクターcharom
id9-36(ニッポンジーン社)の1μgと混合し、T4D
NAリガーゼを用いて16℃で一晩反応させ連結した。
このDNA溶液をパッケージングキット(Stratagene社
Gigapack II packaging extract )を用いてファージ
粒子にパッケージングした。E. coli DH5α株をSO
B培地で37℃にて一晩培養した。
【0060】(8)遺伝子ライブラリーのクローン数の
測定 E. coli DH5α株をSOB培地で37℃にて一晩培養
した。培養液を8,000rpmで15秒間遠心して集
菌し、上清を除いた後、菌体を0.4mlの10mMの
MgCl2 に懸濁した。この懸濁液を4本の微量遠心チ
ューブに分注し、そのうちの一本にパッケージングした
ファージ粒子10μlを加え、十分混合し、10μlを
別の微量遠心チューブに加え1/10に希釈した。同じ
希釈操作を3回繰返し、37℃で15分間感染させた。
感染後、1mlのアンピシリン含有LB培地を加え、3
7℃で30分間培養した。この溶液を8,000rpm
で15秒間遠心して集菌し、アンピシリン含有のLB寒
天培地に塗抹し、37℃にて一晩培養した。培養後、コ
ロニー数を測定し、遺伝子ライブラリーの濃度を算出し
た。
【0061】(9)トレハロース合成酵素遺伝子クロー
ンのスクリーニング ファージ感染させた大腸菌をLB寒天培地で約16時間
培養した。寒天培地にHybond−Nメンブレン(Am
ersham)を重ね1分後にはがした、あらかじめラップに
0.75mlの変性溶液を用意しておき、コロニーが付
着した面を上にしてメンブレンを溶液に7分間浸した。
次に、ラップ上に0.75mlの中和溶液を用意し、メ
ンブレンを3分間浸した。中和過程は再度繰り返した。
メンブレンを30分以上乾燥後、濾紙ではさみアルミ箔
で包んだ。これを、80℃で2時間加熱し、変性したD
NAをメンブレンに固定した。
【0062】ハイブリダイゼーションは、Gene Images
ラベリング・検出システム(Amersham)を使用し、この
プロトコールに従って行った。ハイブリダイゼーション
のプローブは、前述の(3)のPCR法と同様の方法で
増幅したDNA断片を用いた。
【0063】(10)ドット、サザンハイブリダイゼー
ションによるトレハロース合成酵素遺伝子のスクリーニ
ング 上記(9)のコロニーハイブリダイゼーションの結果、
トレハロース合成酵素を含んでいると思われるものがあ
ったので、そのプラスミド24種を回収し、ドットハイ
ブリダイゼーション並びにサザンハイブリダイゼーショ
ンを以下の操作により行った。なお、ハイブリダイゼー
ションは、Gene Images ラベリング・検出システム(Am
ersham社製)を使用し、このプロトコールに従って行っ
た。ハイブリダイゼーションのプローブは、前述のPC
R法で増幅したDNA断片を用いた。
【0064】A.ドットハイブリダイゼーション ファージを感染させた大腸菌から得られたプラスミドD
NAを、95℃で5分間加熱した後、氷中で急冷した。
サンプルを2μlずつHybond-Nメンブレンにスポットし
風乾させた。このメンブレンを変性溶液に5分間浸した
後、中和溶液に1分間浸した。風乾したメンブレンを濾
紙にはさみ、アルミ箔で包んで80℃で2時間加温する
ことにより変性されたDNAをメンブレンに固定した。
このメンブレンを用いてハイブリダイゼーションを行っ
た。
【0065】B.サザンハイブリダイゼーション ドットハイブリダイゼーションによりトレハロース合成
酵素遺伝子を含むと予想されたクローンからプラスミド
を調製して、制限酵素EcoRI, SacI, SmaI, PstI, SphI
で消化し、0.5%アガロースゲル電気泳動で分析し
た。電気泳動後のゲルを変性溶液に30分、その後中和
溶液に30分浸し穏やかに振盪した。その後ゲル中のD
NA断片を吸引し Hybond-N メンブレンにトランスファ
ーした。メンブレンを30分以上風乾し、80℃で2時
間加温しDNAをメンブレン上に固定させた。このメン
ブレンでハイブリダイゼーションを行い、目的のDNA
断片を同定した。
【0066】上記のドットハイブリダイゼーション並び
にサザンハイブリダイゼーションの結果から、最も強い
シグナルが得られたクローンpFCE31を実験材料と
して使用することにした(図4を参照)。pFCE31
は、インサート部分が約9kbpと相当長いので、この
ままではシークエンシングすることができない。そこ
で、制限酵素SacI, SmaI, PstI, SalI, SphI, EcoR1 で
消化し、サザンハイブリダイゼーションを行い、トレハ
ロース合成酵素遺伝子を含むDNA断片を同定した。Sa
cIで消化したものは約2.6kbpの断片に、SmaI, Ps
tI, SalI, SphIで消化したものは約2.3kbp付近の
断片に、それぞれトレハロース合成酵素遺伝子を含むこ
とが分かった。
【0067】(11)プラスミドの調製 コロニーハイブリダイゼーションの結果よりトレハロー
ス合成酵素遺伝子を含むと予想されたクローンからプラ
スミドを調製した。Boiling lysis 法(Tsusaki, K.,
他、Biochem. Biophys. Acta. Gene Struct.Expr. 129
0:1-3 (1996))に従って、ファージ感染あるいは形質転
換した大腸菌からプラスミドDNAを回収した。大腸菌
株は Escherichia coli DH5αを使用した。寒天培地
からコロニーを単離し、100μg/mlのアンピシリ
ン15μlを加えたLB培地2.5mlに懸濁して37
℃で約16時間振盪培養した。培養した菌液1.5ml
をマイクロチューブに移し12,000rpm(室温)
で1分間遠心し、菌を沈殿させ、STET250μlに
懸濁した。これに10mg/mlのリゾチーム20μl
を加えて、1分間沸騰水中で加熱した後に12,000
rpm(室温)で10分間遠心した。上清に3M酢酸ナ
トリウム(pH5.2)25μlとイソプロパノール2
50μlを加えて、十分に撹拌し、5分間室温で放置し
た。12,000rpm(室温)で5分間遠心してDN
Aを沈殿させた。沈殿を80%エタノールで洗浄した
後、エタノールを除去し、デシケーターで減圧乾燥し、
適量のTE緩衝液に溶解した。これに1mg/mlのR
Nase(DNaseフリー)1μlを加えて、37℃
で30分間保温し、混在するRNAを消化した。フェノ
ール/クロロホルム(1:1)抽出した後、エタノール
沈殿によりDNAを沈殿させ、適量のTE緩衝液に再び
溶解した。このようにして調製したプラスミドDNAを
ドット、サザンハイブリダイゼーション(上記(10)
に記載)またはシークエンシングに使用した。
【0068】実施例3:トレハロース合成酵素遺伝子の
塩基配列決定 (1)サブクローンの作成 目的のDNA断片を増幅して、その構造を分析するため
に、λクローンから調製したプラスミドを適当な制限酵
素で処理し、自己連結を防ぐためBAP(TaKaRa)また
はCIP(TaKaRa)により脱リン酸化したpUC18ベ
クターにライゲーションした。即ち、トレハロース合成
酵素遺伝子を含むプラスミドpFCE31を、制限酵素
EcoR1, Sac1, Sma1, Pst1 で消化し、それぞれの断片を
シークエンシングするためにサブクローニングした(図
4を参照)。また、インサートの大きなサブクローンに
ついては、制限酵素Sal1, Sph1で消化してさらにサブク
ローニングを行ったほか、欠失変異体を作製してシーク
エンシングを行った。欠失変異体は、Kilo-Sequence用D
eletion kit(TaKaRa)を用い、このプロトコールに従
い作製した。また、下記に示すようにN末端上流からと
C末端下流の配列を基にしたプライマーを作製し、トレ
ハロース合成酵素の構造遺伝子を増幅し、シークエンシ
ングを行った。
【0069】(2)トランスフォーメーション プラスミドを増幅するために大腸菌E.coliDH5αにラ
イゲーションしたDNAを導入した。この際、塩化カル
シウムによりコンピテント化した大腸菌を使用する方法
(Maniatis.T,他 Molecular Cloning 2nd., Cold Spr
ing Harbar Laboratory press(1989))などを用いた。
導入後、37℃で1時間振盪培養した大腸菌50μlに
次の組成の溶液(100mMIPTG 10μl、50
mg/ml X−Gal、10mg/ml、アンピシリ
ン125μl、0.6%SOBソフトアガー2.5m
l)を加えSOB寒天培地(1.5%寒天)に広げて3
7℃で約16時間培養し、形質転換菌のコロニーを得
た。
【0070】(3)PCRによるDNAサンプルの調製 N末端上流からとC末端下流の配列を基に下記のプライ
マーを作製し、トレハロース合成酵素の構造遺伝子を増
幅したところ、予想される2.5kbpが特異的に増幅
した。この増幅産物を、シーケンシングのサンプルに供
した。なお、プライマーの除去には、ファルマシア社の
カートリッジゲル濾過を用いた。 プライマー(配列番号10): Xho-F1 5'-GGT CTC GAG ACG CAA AGA GGA CGC GAA ATG プライマー(配列番号11): Hind-R1 5'-CCG AAG CTT CAA TGT TGA CCC CCT GGC CCG ここで作製したDNAは、pGEM-T Easy Vecteor Syste
m(Promrga社)を用いTAクローニングを行った。方法
は付属のマニュアルに従った。
【0071】(4)塩基配列の決定 A.サンプルの調製 アルカリ法にてプラスミドの少量抽出を、精製度を上げ
るため改変して行った。抽出DNA沈殿物を乾燥後、5
0μlのTEに溶解し、2μlのRNaseA酵素液を
加えて十分混合し、37℃で30分間反応させた。反応
後、20%ポリエチレングリコール/2.5MのNaC
lを0.6倍量加え、十分混合して氷中に1時間放置し
た。15,000rpmで10分間4℃にて遠心し、D
NAを回収した。DNAを乾燥後、400μlのTEに
再溶解した。さらにもう一度フェノール抽出し、エタノ
ール沈殿およびリンスを行い、32μlの滅菌蒸留水に
溶解した。これをシークエンス反応の試料とした。
【0072】塩基配列の分析はパーキンエルマー社のア
プライドシステムABI377、310または日立SQ-5
500オートシーケンサーを用い、各社のプロトコールに
従ってシークエンシングを行った。サンプルの調製は、
それぞれのシステムに応じて、ABI377、310は
Dye terminater cyclesequencing kit(ハ゜ーキンエルマー
社)を用い、日立ではThermo Sequenase pre-mixed cyc
le sequencing kit(Amersham)を用いて調製した。
【0073】(5)塩基配列の解析 塩基配列およびアミノ酸配列の解析は遺伝情報処理ソフ
トGenetyx.ver8(ソフトウェアー開発株式会社)を用い
て行った。また、DNAのデータベース検索は国立遺伝
学研究所生命情報研究センターの日本DNAデータバン
ク(DDBJ)、農水省農業生物資源研究所の農水省DNA
バンク(DISC)、及び東大医科研(Genome net)など
にインターネットで接続して調べた。
【0074】 DDBJ http://www.ddbj.nig.ac.jp/ DISC http://www.dna.afffrc.go.jp/ Genome net http://www.genome.ad.jp/
【0075】シークエンシングの結果、トレハロース合
成酵素遺伝子を含む3612bpの配列(配列表の配列
番号2と配列番号3を参照)を決定することができた。
トレハロース合成酵素遺伝子は2064bpから成り
(配列表の配列番号2に記載)、GC含量は、63.1
%であった。この遺伝子は687のアミノ酸残基(配列
表の配列番号1に記載)を含むポリペプチドをコードし
ており、分子量は75,098Daであった。開始コド
ンATGの8塩基上流には、Shine-Dargaron配列(SD
配列)AAGAGGが存在し、同じ130塩基上流に
は、−10領域と推定されるCCCCTGGTGC領域
および151塩基上流には−35領域と推定されるGG
CTAGTTGAAが存在した。アミノ酸組成は、親水
性アミノ酸25.76%、疎水性アミノ酸52.84%
および中性アミノ酸21.40%であった。全てのコド
ン使用に偏りが見られ、GCT、GTA、ATA、AG
A、ACG、TGT、TTAのコドン使用頻度は少な
く、TTA、TCTは使用されていなかった。
【0076】また、トレハロース合成酵素の塩基配列と
アミノ酸配列とをデータベースでホモロジー検索を行っ
たが、いずれも高い相同性を示す配列はなかった。しか
し、他のトレハロースに作用する酵素やα−アミラーゼ
ファミリー酵素との比較を行った結果、4つの非常に保
存された領域が存在することが判明した(図5)。
【0077】また、トレハロース合成酵素遺伝子のN末
端の上流領域配列には、通常の原核生物に典型的なプロ
モーター配列は存在しなかったが、翻訳開始点の約10
0bp上流に大腸菌のヒートショックプロモーターda
nKP2と類似した配列が存在した(図6を参照)。F
1株のトレハロース合成酵素発現が菌体培養後に45℃
での一昼夜処理により活性発現が顕著になることから
も、F1株の性質と一致し、プロモーター配列として機
能していると考えられる。
【0078】実施例4:トレハロース合成酵素を発現す
る発現プラスミドの構築 次にトレハロース合成酵素を発現するプラスミドを構築
するために合成オリゴヌクレオチドプライマーをデザイ
ンし、次のXho−F1とHind−R1合成した。 Xho-F1:5'-GGTCTCGAGACGCAAAGAGGACGCGAAATG (配列番
号12)〔配列番号10と同じ〕 Hind-R1:5'-CCGAAGCTTCAATGTTGACCCCCTGGCCCG(配列番
号13)〔配列番号11と同じ〕
【0079】これを、常法に従いPCRによりトレハロ
ース合成酵素遺伝子を増幅し発現ベクターに組み込ん
だ。具体的には、染色体DNAまたは、Charomid DN
Aもしくは、プラスミドDNAを鋳型として、10ng
程度を用い、10μlのPCR増幅用10×緩衝液と2
0pmolの合成オリゴヌクレオチドプライマーXho-F
1、Hind-R1を各々1μl、2.5ユニットのTaqポリ
メラーゼ(Takara Taq、宝酒造社製)を入れ、脱イオ
ン蒸留水を加えて合計10μlとしPCR増幅反応に供
した。PCR反応は、95℃で1分間の変性、60℃で
2分30秒間のプライマーアニリング、72℃で1分間
の合成反応のサイクルを30サイクル行った。反応液の
10μlを0.7%アガロース電気泳動を行った後、エ
チジウムブロマイドでDNAを染色し、予想される約2
500bpの増幅を確認した。PCR反応液の残りをエ
タノール沈殿し、制限酵素Xho1、HindIIIにより消化
し、発現ベクターであるplacUV5.BIO−aの
Xho1、HindIIIサイトに挿入しpOT1からpOT10
などを作製し、大腸菌DH5αを宿主として形質転換し
た。ジャーナル オブ ファメンション アンド バイ
オエンジニアリング VOL.84,No.4,358
−360頁記載の方法などで測定して、最も高い活性を
示したトレハロース合成酵素の発現プラスミドをpOT
2と命名した。この発現プラスミドの制限酵素地図を図
7に示す。
【0080】実施例5:トレハロース合成酵素の発現 実施例4で得られた大腸菌 Escherichia coli DH5α
/pOT2を100μg/mlのアンピシリンを含むL
培地5mlに接種して37℃で振盪培養し、濁度が0.
D.600=0.5付近の段階で、終濃度1mMのIP
TGを加え、37℃で一晩振盪培養を行った。培養終了
後、培養液1mlを遠心分離して菌体を集め、50mM
リン酸カリ緩衝液(pH7.0)で洗浄した。次に、同
緩衝液0.5mlに懸濁し、超音波処理により菌体を破
砕した。これを遠心分離して上清を回収し、大腸菌抽出
液とした。ジャーナル オブ ファメンション アンド
バイオエンジニアリング VOL.84,No.4,
358−360頁記載の方法に準じて酵素の活性を測定
した。酵素の活性は次の方法により測定した活性値(単
位)で表示する。
【0081】酵素活性の測定法は以下の通りである。菌
体0.02gに最終濃度が100mMマルトース、10
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)、5mMのEDTA
になるように混合した反応液を作成し、37℃で反応を
行った。反応終了後、反応液の一部を高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)により分析し、生成したトレハ
ロースを定量した。HPLCの分析条件は以下のように
して行った。
【0082】 カラム:リクロソルブNH2(メルク社製) 溶媒:アセトニトリル:水=80:20 流速:1ml/分 温度:40℃ 検出器:示差屈折計 なお、トレハロース合成酵素活性は37℃、pH7.0
においてマルトースを基質とし1分間に1μmolのト
レハロースを生成する酵素力価を1U(ユニット)とし
た。
【0083】トレハロース生成の程度は、基質とこの生
成物のピーク面積を対応するトレハロース標準品のピー
ク面積と比較することにより計算した。この溶液中トレ
ハロース合成酵素活性は27.2U/mlであることが
分かった。すなわち、元株であるシュードモナス s
p.F1は0.23U/ml程度であったので、本発明
の遺伝子を持つ大腸菌 Escherichia coli DH5α/p
OT2が非常に高い酵素活性を示すことが実証された。
【0084】
【発明の効果】本発明によりシュードモナス sp.F
1由来のトレハロース合成酵素のアミノ酸配列及び塩基
配列が明らかとなり、これによりトレハロース合成酵素
活性を有するポリペプチド又はその活性と機能的に同等
の活性を有するポリペプチドの工業的に有利な遺伝子工
学的製造方法が提供される。
【0085】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:687 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の記載:配列番号1 Met Thr Gln Pro Asp Pro Ser Tyr Val Lys Trp Leu Glu Asp Arg 1 5 10 15 Ala Met Leu Lys Ala Ser Gln Ala Arg Ala Ser Leu Tyr Ser Gly 20 25 30 Gln Ser Arg Leu Trp Ser Ser Pro Thr Arg Ser Pro Ala Pro Pro 35 40 45 Arg His Arg Asn Cys Leu Gly Leu Val Asp Arg Val Pro Arg Arg 50 55 60 His His Arg Pro Ala Arg Leu Leu Arg Thr Trp Arg Pro Gly Ser 65 70 75 Arg Ser Thr Val Glu Thr Leu Ser Glu Ile Gly Ile Gln Gly Val 80 85 90 His Thr Gly Pro Ile Lys Leu Ser Gly Gly Ile Arg Gly Arg Glu 95 100 105 Leu Thr Pro Ser Val Asp Gly Asn Phe Asp Arg Ile Ser Phe Asp 110 115 120 Ile Asp Pro Leu Tyr Gly Ser Glu Gln Glu Leu Val Gln Met Ser 125 130 135 Arg Met Ala Ala Ala His Asn Ala Val Thr Ile Asp Asp Leu Ile 140 145 150 Pro Ser His Thr Gly Lys Gly Ala Asp Phe Arg Leu Ala Glu Met 155 160 165 Pro Thr Gly Pro Thr Arg Gly Cys Thr Thr Trp Ser Lys Ser Ala 170 175 180 Arg Arg Thr Gly Arg Cys Cys Leu Arg Cys Pro Pro Ala Ala Ile 185 190 195 Arg Ser Thr Cys Cys Gln Pro Ser Ala Thr Ser Ser Lys Pro Ala 200 205 210 Ile Thr Ser Ser Ala Ser Cys Asn Gly Val Ile Phe Phe Glu Pro 215 220 225 Gly Val Lys Glu Thr Asp Trp Ser Val Thr Pro Pro Ile Thr Gly 230 235 240 Val Asp Gly Lys Thr Arg Arg Trp Val Tyr Leu His Tyr Phe Lys 245 250 255 Asp Gly Gln Pro Ser Leu Asn Trp Leu Asp Pro Thr Phe Ala Ala 260 265 270 Gln Gln Met Ile Ile Gly Asp Ala Leu His Ala Leu Asp Cys Leu 275 280 285 Gly Ala Arg Gly Leu Arg Leu Asp Ala Asn Gly Phe Leu Gly Val 290 295 300 Glu Thr Arg Ala Ser Gly Thr Ala Trp Ser Glu Ser His Pro Leu 305 310 315 Ser Ile Val Gly Asn Gln Leu Ile Gly Gly Met Ile Arg Lys Ala 320 325 330 Gly Gly Phe Ser Phe Gln Glu Leu Asn Leu Thr Leu Asp Asp Ile 335 340 345 Ala Gln Met Ser Lys Gly Gly Ala Asp Leu Ser Tyr Asp Phe Ile 350 355 360 Thr Arg Pro Ala Tyr Gln His Ala Leu Leu Thr Gly Asp Thr Glu 365 370 375 Phe Leu Arg Leu Met Leu Lys Glu Met His Ala Phe Gly Ile Asp 380 385 390 Pro Ala Ser Leu Ile His Ala Leu Gln Asn His Asp Glu Leu Thr 395 400 405 Val Glu Leu Val His Phe Trp Thr Leu His Ala His Asp Met Tyr 410 415 420 Leu Tyr Lys Gly Gln Thr Leu Pro Gly Ser Ile Leu Arg Glu His 425 430 435 Ile Arg Glu Glu Ile Tyr Glu Arg Leu Ser Gly Glu His Ala Pro 440 445 450 Tyr Asn Leu Arg Phe Val Thr Asn Gly Ile Ala Cys Thr Thr Ala 455 460 465 Ser Leu Ile Ala Ala Ala Leu Gly Ile Arg Asp Leu Glu Gln Ile 470 475 480 Gly Ala Ala Glu Ile Glu Leu Ile Gln Lys Val His Leu Leu Leu 485 490 495 Val Met Tyr Asn Ala Met Gln Pro Gly Val Val Ala Leu Ser Gly 500 505 510 Trp Asp Leu Val Gly Ala Leu Pro Leu Pro Ala Glu Ala Val Ala 515 520 525 Gln Arg Met Leu Asp Gly Asp Thr Arg Trp Ile His Arg Gly Gly 530 535 540 Tyr Asp Leu Ala Gly Leu Ala Pro Gln Ala Glu Glu Ser Val Arg 545 550 555 Gly Met Pro Arg Ala Arg Ala Leu Tyr Gly Ser Leu Asp Ser Gln 560 565 570 Leu Glu Gln Gly Asp Ser Phe Ala Cys Lys Val Lys Lys Leu Leu 575 580 585 Ala Val Arg Gln Ala Tyr Gly Ile Ala Thr Ser Arg Gln Val Leu 590 595 600 Val Pro Glu Val Ser Ser Pro Gly Leu Leu Val Met Val His Glu 605 610 615 Leu Pro Ser Gly Arg Gly Ile Gln Ile Ser Ala Leu Asn Phe Gly 620 625 630 Gln Glu Val Ile Ala Glu Glu Leu Gln Leu Thr Gly Phe Thr Pro 635 640 645 Gly Pro Val Val Asp Met Ile Asn Glu Thr Val Glu Gly Asp Leu 650 655 660 Thr Glu Asp Gly Arg Leu Leu Val Asn Leu Asp Pro Tyr Glu Ala 665 670 675 Leu Cys Leu Arg Ile Val Asn Ser Ser Gly His Val 680 685
【0086】配列番号:2 配列の長さ:2064 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノミックDNA 起源 生物名:シュードモナス sp. 株名:F1 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1...2064 特徴を決定した方法:E 配列の記載:配列番号2 ATG ACC CAG CCC GAC CCG TCA TAT GTC AAA TGG CTC GAA GAC CGC GCC 48 ATG CTC AAG GCT TCC CAG GCG CGC GCC AGC CTG TAC TCA GGG CAG TCA 96 CGC CTG TGG AGC AGC CCT ACG CGA AGC CCA GCC CCG CCG CGC CAC CGA 144 AAT TGC CTC GGT CTG GTT GAC CGT GTA CCC CGA CGC CAT CAT CGC CCC 192 GCA AGA CTG CTC CGT ACT TGG CGC CCT GGC TCA CGA AGC ACT GTG GAA 240 ACG CTG TCG GAG ATC GGC ATC CAG GGG GTG CAC ACT GGC CCG ATC AAG 288 CTG TCC GGC GGT ATC CGT GGC CGC GAA CTC ACC CCC AGT GTG GAC GGT 336 AAC TTC GAC CGC ATC AGC TTC GAT ATC GAC CCG CTG TAC GGC AGC GAA 384 CAA GAG CTG GTC CAG ATG AGC CGC ATG GCC GCC GCA CAC AAC GCC GTT 432 ACC ATC GAC GAC CTG ATT CCC TCG CAC ACG GGC AAG GGC GCC GAC TTC 480 CGC TTG GCC GAG ATG CCC ACG GGC CCT ACC CGG GGC TGT ACC ACA TGG 528 TCG AAA TCC GCG AGG AGG ACT GGC CGC TGC TGC CTG AGG TGC CCG CCG 576 GCC GCG ATT CGG TCA ACC TGC TGC CAG CCC AGT GCG ACG AGC TCA AAG 624 CCC GCC ATT ACA TCG TCG GCC AGT TGC AAC GGG GTG ATC TTC TTC GAG 672 CCC GGT GTG AAG GAA ACC GAC TGG AGC GTC ACG CCG CCC ATC ACC GGT 720 GTC GAC GGC AAA ACC CGT CGC TGG GTT TAC CTG CAC TAT TTC AAG GAC 768 GGC CAA CCC TCA CTG AAC TGG CTA GAC CCG ACC TTC GCC GCC CAG CAA 816 ATG ATC ATT GGC GAT GCC TTG CAC GCC CTT GAC TGC CTG GGC GCG CGC 864 GGT CTG CGC CTG GAC GCC AAT GGC TTT CTG GGG GTG GAA ACG CGG GCC 912 AGC GGC ACC GCC TGG TCA GAA AGC CAC CCG CTG TCG ATC GTC GGC AAT 960 CAG TTG ATC GGC GGG ATG ATA CGC AAG GCG GGT GGC TTC AGC TTC CAG 1008 GAA CTG AAC CTG ACC CTG GAC GAC ATC GCG CAG ATG TCC AAA GGG GGG 1056 GCG GAC CTG TCC TAT GAC TTC ATC ACC CGA CCG GCC TAT CAG CAT GCG 1104 CTG CTG ACC GGT GAT ACC GAG TTC CTG CGC CTG ATG CTC AAG GAA ATG 1152 CAC GCC TTC GGC ATC GAC CCC GCC TCG CTG ATC CAT GCC CTG CAG AAC 1200 CAC GAC GAG CTG ACG GTG GAG CTG GTG CAT TTC TGG ACC CTG CAC GCC 1248 CAC GAC ATG TAC CTG TAC AAG GGC CAG ACC TTG CCA GGG AGT ATT TTG 1296 CGT GAG CAT ATC CGT GAA GAA ATC TAC GAA CGC CTC TCG GGC GAG CAC 1344 GCC CCC TAC AAC CTG CGC TTC GTC ACC AAT GGC ATT GCC TGC ACC ACG 1392 GCC AGC CTG ATC GCC GCA GCG TTG GGC ATC CGC GAC CTT GAG CAA ATC 1440 GGT GCG GCC GAA ATC GAG CTG ATT CAG AAA GTG CAT CTG CTG CTG GTC 1488 ATG TAC AAC GCC ATG CAG CCT GGG GTG GTC GCG CTG TCC GGC TGG GAC 1536 CTG GTC GGC GCC CTG CCC TTG CCC GCC GAA GCG GTC GCG CAG CGG ATG 1584 CTG GAT GGC GAT ACC CGC TGG ATT CAT CGA GGC GGT TAC GAC CTG GCC 1632 GGG CTC GCC CCA CAG GCG GAG GAG TCA GTG CGC GGA ATG CCG CGG GCT 1680 CGG GCA TTG TAT GGC AGC CTC GAC AGC CAG CTG GAA CAG GGT GAT TCG 1728 TTT GCC TGC AAA GTG AAG AAG CTG CTG GCC GTG CGG CAG GCC TAT GGC 1776 ATC GCC ACC AGC CGC CAG GTG CTG GTG CCT GAG GTC AGT AGC CCG GGG 1824 TTG CTG GTC ATG GTT CAT GAA CTG CCA TCC GGG CGC GGT ATC CAG ATC 1872 AGC GCA CTG AAC TTT GGC CAG GAA GTT ATT GCC GAG GAG TTG CAG TTG 1920 ACC GGG TTT ACG CCG GGG CCG GTC GTG GAC ATG ATC AAC GAA ACG GTC 1968 GAA GGG GAC CTG ACC GAA GAC GGG CGA TTG CTG GTG AAC CTG GAC CCG 2016 TAC GAG GCA CTG TGC CTG CGA ATC GTC AAC AGC AGT GGA CAT GTG TAA 2064
【0087】配列番号:3 配列の長さ:3607 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノミックDNA 起源 生物名:シュードモナス sp. 株名:F1 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:191...2255 特徴を決定した方法:E 配列の記載:配列番号3 ACCCGCTCCC ACAGTTAGTG CACCGGCCTT GAGGACAGTG GCTAGTTGAA TAAGCCACCG 60 CCCCTGGTGC GACGCGGTCA ATGTGGGAGC GGGTTTACCC GCGAAGAGGC CATCACAGGT 120 TTCAGCCGAA CGATCAGGCC ACAATGCCGT CATAACCTGA GCCGGTGCCG ACACGCAAAG 180 AGGACGCGAA ATG ACC CAG CCC GAC CCG TCA TAT GTC AAA TGG CTC GAA GAC 232 CGC GCC ATG CTC AAG GCT TCC CAG GCG CGC GCC AGC CTG TAC TCA GGG 280 CAG TCA CGC CTG TGG AGC AGC CCT ACG CGA AGC CCA GCC CCG CCG CGC 328 CAC CGA AAT TGC CTC GGT CTG GTT GAC CGT GTA CCC CGA CGC CAT CAT 376 CGC CCC GCA AGA CTG CTC CGT ACT TGG CGC CCT GGC TCA CGA AGC ACT 424 GTG GAA ACG CTG TCG GAG ATC GGC ATC CAG GGG GTG CAC ACT GGC CCG 472 ATC AAG CTG TCC GGC GGT ATC CGT GGC CGC GAA CTC ACC CCC AGT GTG 520 GAC GGT AAC TTC GAC CGC ATC AGC TTC GAT ATC GAC CCG CTG TAC GGC 568 AGC GAA CAA GAG CTG GTC CAG ATG AGC CGC ATG GCC GCC GCA CAC AAC 616 GCC GTT ACC ATC GAC GAC CTG ATT CCC TCG CAC ACG GGC AAG GGC GCC 664 GAC TTC CGC TTG GCC GAG ATG CCC ACG GGC CCT ACC CGG GGC TGT ACC 712 ACA TGG TCG AAA TCC GCG AGG AGG ACT GGC CGC TGC TGC CTG AGG TGC 760 CCG CCG GCC GCG ATT CGG TCA ACC TGC TGC CAG CCC AGT GCG ACG AGC 808 TCA AAG CCC GCC ATT ACA TCG TCG GCC AGT TGC AAC GGG GTG ATC TTC 856 TTC GAG CCC GGT GTG AAG GAA ACC GAC TGG AGC GTC ACG CCG CCC ATC 904 ACC GGT GTC GAC GGC AAA ACC CGT CGC TGG GTT TAC CTG CAC TAT TTC 952 AAG GAC GGC CAA CCC TCA CTG AAC TGG CTA GAC CCG ACC TTC GCC GCC 1000 CAG CAA ATG ATC ATT GGC GAT GCC TTG CAC GCC CTT GAC TGC CTG GGC 1048 GCG CGC GGT CTG CGC CTG GAC GCC AAT GGC TTT CTG GGG GTG GAA ACG 1096 CGG GCC AGC GGC ACC GCC TGG TCA GAA AGC CAC CCG CTG TCG ATC GTC 1144 GGC AAT CAG TTG ATC GGC GGG ATG ATA CGC AAG GCG GGT GGC TTC AGC 1192 TTC CAG GAA CTG AAC CTG ACC CTG GAC GAC ATC GCG CAG ATG TCC AAA 1240 GGG GGG GCG GAC CTG TCC TAT GAC TTC ATC ACC CGA CCG GCC TAT CAG 1288 CAT GCG CTG CTG ACC GGT GAT ACC GAG TTC CTG CGC CTG ATG CTC AAG 1336 GAA ATG CAC GCC TTC GGC ATC GAC CCC GCC TCG CTG ATC CAT GCC CTG 1384 CAG AAC CAC GAC GAG CTG ACG GTG GAG CTG GTG CAT TTC TGG ACC CTG 1432 CAC GCC CAC GAC ATG TAC CTG TAC AAG GGC CAG ACC TTG CCA GGG AGT 1480 ATT TTG CGT GAG CAT ATC CGT GAA GAA ATC TAC GAA CGC CTC TCG GGC 1528 GAG CAC GCC CCC TAC AAC CTG CGC TTC GTC ACC AAT GGC ATT GCC TGC 1576 ACC ACG GCC AGC CTG ATC GCC GCA GCG TTG GGC ATC CGC GAC CTT GAG 1624 CAA ATC GGT GCG GCC GAA ATC GAG CTG ATT CAG AAA GTG CAT CTG CTG 1672 CTG GTC ATG TAC AAC GCC ATG CAG CCT GGG GTG GTC GCG CTG TCC GGC 1720 TGG GAC CTG GTC GGC GCC CTG CCC TTG CCC GCC GAA GCG GTC GCG CAG 1768 CGG ATG CTG GAT GGC GAT ACC CGC TGG ATT CAT CGA GGC GGT TAC GAC 1816 CTG GCC GGG CTC GCC CCA CAG GCG GAG GAG TCA GTG CGC GGA ATG CCG 1864 CGG GCT CGG GCA TTG TAT GGC AGC CTC GAC AGC CAG CTG GAA CAG GGT 1912 GAT TCG TTT GCC TGC AAA GTG AAG AAG CTG CTG GCC GTG CGG CAG GCC 1960 TAT GGC ATC GCC ACC AGC CGC CAG GTG CTG GTG CCT GAG GTC AGT AGC 2008 CCG GGG TTG CTG GTC ATG GTT CAT GAA CTG CCA TCC GGG CGC GGT ATC 2056 CAG ATC AGC GCA CTG AAC TTT GGC CAG GAA GTT ATT GCC GAG GAG TTG 2104 CAG TTG ACC GGG TTT ACG CCG GGG CCG GTC GTG GAC ATG ATC AAC GAA 2152 ACG GTC GAA GGG GAC CTG ACC GAA GAC GGG CGA TTG CTG GTG AAC CTG 2200 GAC CCG TAC GAG GCA CTG TGC CTG CGA ATC GTC AAC AGC AGT GGA CAT 2248 GTG TAA ACGGCGCCGG GCCAGGGCAG TGCAGCAGAG GGGCAGGTCG GTCTTGCAAT 2304 TAGAGCGCTA CGGGCATAGC GTTCGGGAGA TTTCTTTTCC GTGCCCAGGA GCAACTCCAT 2364 GTACACCGGC ATCGTTCAGG CCGTCCGCCC TCTGCTTGAT GTGACCACCT ACCCGGGCCA 2424 CAACCAGTTC ACGATCGACC TCACCCCGGA ACTGCTCGAC GAATTGAAGA TCGGCGCCAG 2484 CGTCAGTGTC GAAGGCACCT GCCTGTCGGT CACCGAAATC GCCGGCACCC AAGTCAGGTT 2544 CGACGCCATG ACCGCCACGC TCGAACGCAC CAACCTACGC TTCTTCAAGG CGGGCCAGGG 2604 GGTCAACATT GAACGTTCGG CGAAAATGAA CGCCGAAGTC GGTGGCCACC TGATGGCCGG 2664 CCATATCGCC ACCACCGCCG AAATCGTCGA ACTGTCGATC AAGGAAACCG GCGCCTTCAT 2724 CAAGTTCCGC ATGCCCCCGG AATGGGGCAA GTACGTGTTC CCACGCGGTT TCATCGGGGT 2784 CAATGGCTGC AGCCTGACCG TCGCCGATGT CGACGACAAC GTCATCACCA TCAACCTGAT 2844 CCCGGAAACC CTGCGCCAGA CCACTTTTGC CAGCTACAAG GCCGGCGATC AGCTCAATAT 2904 CGAGGTCGAT CACCAGACCA TGGTGCTGGT TGATGTGGTA GAACGCACCA TCAAAGGCAC 2964 CCTGGCCCGC GAAAAACTGC TGCCCTGAGG CCTGGCCATG CTGCCCAACG CCCTTCCCGC 3024 GCGCACGGCC AGGCGGCTAC GCTGCATAGT GTTGCGTGGC CGTGTCGGCT TGGCCTGGTC 3084 GCTGGTTTGT CAGTGCTGGC TGGCATGACC GATGCCATCG GCCTGCTGGC GTTGGGCGAC 3144 TTCGTGTCGT TCATGAGTGG CAATACCACA CGCCTGGCCG TGGCCATCAG TGAGGCAGAC 3204 CTTGCGCTGG TGCTGCGCCT GAGTGGCGCG ATACTGGGCT TCGTCGCTGG CAATGCGCTG 3264 GGCGTGCTGC TGGCCCGTGG CTTGCGCCGC CGGGCCTGGC CCGTGTTGCT GATGGTTGCG 3324 GTACTGCTGG CGTTCGCAGC GGCGTGGCCG TTGGCGGCCA CCTTCCCGGC ATTGTTGGCC 3384 GCCACGCTGG CCATGGGCAT GATCAATGCC GTGGTTGAAC AGGTGAACGG CCTCCTATCG 3444 GCCTACTTAC GTCACCGGCG CCCTGTCCCG CTTCGGCCGT GGCCTGGGCC GTTGGCTGAT 3504 GGGCGAACGG CGCAACGGCT GGCGGGTGCA GCTGGTGCCC TGGGCCGGCA TGCTGCTGGG 3564 GGCCGCGTTG GGCGCCTGGT TGCAGCAGCG CCTGGGCCTG CAG 3607
【0088】配列番号:4 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の記載:配列番号4 Met Asp Pro Ile Val Pro Arg Gln Pro Gly Asp Lys Pro Leu Ala 5 10 15
【0089】配列番号:5 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0090】配列番号:6 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0091】配列番号:7 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号7 GTSAARTGGY TGGARGAYCG YGCSATG 27
【0092】配列番号:8 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号8 ACSCAGCCSG ATCCSWSSTA TGTSAAGTGG 30
【0093】配列番号:9 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号9 TGSGCSGCSG CCATGCGGCT CATCTGSAC 29
【0094】配列番号:10 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号10 GGTCTCGAGA CGCAAAGAGG ACGCGAAATG 30
【0095】配列番号:11 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号11 CCGAAGCTTC AATGTTGACC CCCTGGCCCG 30
【0096】配列番号:12 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号12 GGTCTCGAGA CGCAAAGAGG ACGCGAAATG 30
【0097】配列番号:13 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の記載:配列番号13 CCGAAGCTTC AATGTTGACC CCCTGGCCCG 30
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によるクローニングとシーク
エンシングの戦略の概略図である。
【図2】 図2は、サザンハイブリダイゼーションの結
果を示す図である。
【図3】 図3は、inverse PCRとVectorettePCR
の概念図である。
【図4】 図4は、プラスミドpFCE31の制限酵素
地図とサブクローンの位置を示す。
【図5】 図5は、トレハロース合成酵素と他の酵素と
の共通領域を示す表である。
【図6】 図6は、細菌のヒートショックプロモーター
の構造を示す。
【図7】 図7は、本発明による組換えDNAであるp
OT2の制限酵素地図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/90 C12R 1:19) (72)発明者 東谷 篤志 宮城県仙台市青葉区西花苑2−21−14 (72)発明者 吉永 光一 静岡県焼津市坂本411−6

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレハロース合成酵素活性又はその活性
    と機能的に同等の活性を有するポリペプチドをコードす
    るDNA。
  2. 【請求項2】 ポリペプチドがシュードモナス属由来の
    ものである請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 コードされるポリペプチドが37℃付近
    の温度において酵素として効率的に利用できることを特
    徴とする、請求項1又は請求項2に記載にDNA。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号:1に記載したアミノ
    酸配列をコードすることを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれか1項に記載のDNA。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号:2に記載したDNA
    配列を有することを特徴とする請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号:1に記載したアミノ
    酸配列の一部を含むトレハロース合成酵素活性を有する
    ポリペプチド又はその活性と機能的に同等の活性を有す
    るポリペプチドをコードするDNA。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号:2に記載したDNA
    配列の一部を含むDNAであって、かつトレハロース合
    成酵素活性を有するポリペプチド又はその活性と機能的
    に同等の活性を有するポリペプチドをコードするDN
    A。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号:1に記載したアミノ
    酸配列に対して、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠
    失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つがされて
    できるポリペプチドをコードするDNAであって、上記
    ポリペプチドがトレハロース合成酵素活性又はその活性
    と機能的に同等の活性を有している、上記DNA。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか1項記
    載のDNAとハイブリダイズすることができる、トレハ
    ロース合成酵素活性を有するポリペプチド又はその活性
    と機能的に同等の活性を有するポリペプチドをコードす
    るDNA。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項8のいずれか1項
    記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダ
    イズすることができる、トレハロース合成酵素活性を有
    するポリペプチド又はその活性と機能的に同等の活性を
    有するポリペプチドをコードするDNA。
  11. 【請求項11】 配列表の配列番号:2に記載のDNA
    配列と少なくとも70%以上の相同性を有するDNAで
    あって、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチ
    ド又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペプ
    チドをコードするDNA。
  12. 【請求項12】 配列表の配列番号:2に記載のDNA
    配列と少なくとも80%以上の相同性を有するDNAで
    あって、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチ
    ド又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペプ
    チドをコードする請求項11に記載のDNA。
  13. 【請求項13】 配列表の配列番号:2に記載のDNA
    配列と少なくとも90%以上の相同性を有するDNAで
    あって、トレハロース合成酵素活性を有するポリペプチ
    ド又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペプ
    チドをコードする請求項11又は12に記載のDNA。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項13のいずれか1
    項に記載のDNAを含む、組み換えDNA。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の組み換えDNAを
    含む、発現ベクター。
  16. 【請求項16】 宿主が細菌、動物細胞または植物細胞
    である、請求項15に記載の発現ベクター。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16に記載の
    発現ベクターを保持する形質転換体。
  18. 【請求項18】 宿主が大腸菌である請求項17に記載
    の形質転換体。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項13に記載のDN
    Aと自律複製可能なベクターとを含む組み換えDNAを
    適宜宿主に導入することによって得られる形質転換体を
    培養し、培養物から、トレハロース合成酵素又は該酵素
    活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチドを回収
    することを含む、トレハロース合成酵素又は該酵素活性
    と機能的に同等の活性を有するポリペプチドの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜請求項13に記載のDNA
    によってコードされるトレハロース合成酵素または該酵
    素活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチドをマ
    ルトースに作用させることによってトレハロースを生成
    させることを含む、マルトースをトレハロースに酵素的
    に変換する方法。
  21. 【請求項21】 配列表の配列番号3に記載のDNA配
    列を有する遺伝子の発現の調節のための配列を含むDN
    A断片。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509629A (ja) * 2003-10-29 2007-04-19 バイオアレイ ソリューションズ リミテッド 二本鎖dnaの切断による複合核酸分析
CN114075583A (zh) * 2021-12-02 2022-02-22 湖北德安府糖业股份有限公司 一种利用生物发酵法制备功能型葡萄糖浆的工艺

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