JPH108279A - 金属の乾燥方法 - Google Patents

金属の乾燥方法

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JPH108279A
JPH108279A JP16464796A JP16464796A JPH108279A JP H108279 A JPH108279 A JP H108279A JP 16464796 A JP16464796 A JP 16464796A JP 16464796 A JP16464796 A JP 16464796A JP H108279 A JPH108279 A JP H108279A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水系の金属表面処理や金属洗浄の分野におい
て、乾燥ムラ、シミを防止するための乾燥方法を提供す
る。 【解決手段】 金属の乾燥前処理工程において、乾燥前
処理剤を含有する水溶液をイオン交換樹脂に通液して循
環させ、電気伝導度を50μS/cm以下に維持した水
溶液で処理した後、水洗することなく乾燥することを特
徴とする金属の乾燥方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系の金属表面処理
や金属洗浄の分野において、乾燥ムラ・シミを防止する
ための乾燥方法に関するものである。更に詳しくは、乾
燥前処理剤を含有する水溶液で処理した後、水洗するこ
となく乾燥する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水系の金属表面処理や金属洗浄の
分野において、乾燥ムラ・シミを防止するためには、溶
剤による水切り置換法、遠心脱水法等の乾燥が行われて
いる。しかし、遠心脱水法は金属の種類、形状により製
品を変形させる場合があると同時に、完全に乾燥ムラ・
シミを防止することが困難である。従って、一般的には
溶剤による水切り置換法が工業的に採用されている。
【0003】水が付着したまま乾燥すると、多くの場
合、乾燥ムラ・シミによる変色が発生し、製品価値を低
下させる。溶剤による水切り置換法はリンス(最終仕上
げ)水洗後、フロン、又は塩素系溶剤で処理し、金属表
面の水を置換除去する方法である。
【0004】しかし、上記の水切り置換法で使用される
溶剤であるフロンや塩素系溶剤は環境破壊を引き起こす
ことから、これらの使用は世界的に規制されてきてお
り、これに代わる技術が強く求められている。代替技術
として、イソプロピルアルコール等の低毒性溶剤の使用
が提案されているが、これらの溶剤は引火性(可燃性)
があるため、フロン又は塩素系溶剤に比べ安全性に問題
があり、設備費が高価になる欠点がある。
【0005】溶剤による水切り置換を用いた乾燥は、乾
燥ムラ・シミの発生しない理想的な乾燥方法であるが、
環境破壊、安全性に欠陥があり、種々なる代替技術が検
討されている。現在、各種代替技術が提案されている
が、乾燥ムラ・シミの発生に関して満足し得る技術が完
成されているとは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
破壊を起こす溶剤類による水切り置換工程を必要とせ
ず、水が付着したまま乾燥してもムラ・シミの発生を防
止すると同時に、清浄な金属表面を得る金属の乾燥方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、乾燥前処
理剤を含有する水溶液をイオン交換樹脂に通液して循環
させ、電気伝導度を50μS/cm以下に維持した該水
溶液で金属を処理した後、水洗することなく乾燥すれ
ば、乾燥ムラ・シミが発生しないことを見い出した。
【0008】即ち、本発明は、式(1)、式(2)で示
される化合物の内、少なくとも一種を含有する水溶液か
らなる乾燥前処理剤で処理した後、水洗することなく、
乾燥することを特徴とする金属の乾燥方法において、該
水溶液をイオン交換樹脂に通液して循環させ、電気伝導
度を50μS/cm以下に維持し、乾燥ムラ・シミの発
生を抑制すると共に、清浄な金属表面を得る乾燥方法に
関するものである。
【0009】
【化3】 (式中R1 、R2 、R3 は、水素、アルキル基、アルケ
ニル基、、シクロアルキル基、又はフェニル基であり、
これらの基は置換基を有してもよい。)
【0010】
【化4】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、水素、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であ
り、これらの基は置換基を有してもよい。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水系金属表面
処理プロセスとしては、無電解メッキ、電気メッキ、陽
極酸化、酸洗、アルカリ洗、化学研磨、電解研磨、機械
研磨、金属着色処理、エッチング、化成処理等のプロセ
スが挙げられ、水系金属洗浄プロセスとしては、脱脂、
酸洗浄、アルカリ洗浄、電解洗浄等のプロセスが挙げら
れる。
【0012】これら各種金属表面処理、及び金属洗浄プ
ロセスにおいて、リンス水洗後、乾燥に先立ち、金属を
50μS/cm以下の電気伝導度を維持した乾燥前処理
剤で処理した後、金属を乾燥させる。これにより乾燥ム
ラ・シミの発生を抑制し外観の良好でかつ清浄な金属を
得ることができる。
【0013】乾燥ムラ・シミを大別すると、水質に起因
するものと金属酸化に起因するものとに分類できる。金
属酸化に起因する乾燥ムラ・シミは、本発明の乾燥前処
理剤、即ち、式(1)又は式(2)で示される化合物を
含有する水溶液で処理し、水洗することなく乾燥するこ
とにより、式(1)又は式(2)の化合物の作用で金属
酸化に起因する乾燥ムラ・シミを防止することができ
る。
【0014】一方、水質に起因するムラ・シミとは、乾
燥前処理剤の建浴に用いる水又は乾燥前処理剤そのもの
に含まれる非蒸発成分が原因となるものであり、非蒸発
成分量が限度を超えると、乾燥後の金属表面における蒸
発残渣が顕著となり、ムラ・シミとして発現する。又、
建浴に用いる水及び乾燥前処理剤に含まれる非蒸発成分
の濃度が限度以下の場合でも、乾燥前処理の直前の水洗
工程の水質によっては、金属に付着して水洗工程から持
ち込まれる非蒸発成分が乾燥前処理工程に蓄積し、その
濃度が限度を超えると蒸発残渣により乾燥ムラ・シミが
発現する。
【0015】一般的に、各種金属表面処理及び金属洗浄
プロセスにおいては、リンス水洗工程の前工程では、各
種の鉱酸、有機酸、アルカリ金属塩、又は金属塩が多量
に使用されているため、これら非蒸発成分が金属に付着
してリンス水洗工程に持ち込まれ、リンス水洗工程の水
質が本発明における乾燥前処理剤の使用に不向きとなる
場合が多い。従って、リンス水洗工程の水質を満足させ
るには、非蒸発成分の少ない清浄な水を多量に用い、非
蒸発成分を希釈する必要が生じる。
【0016】又、他に、本発明の乾燥前処理工程に非蒸
発成分が蓄積される原因としては、使用中の乾燥前処理
剤、即ち、式(1)又は式(2)で示される化合物から
の分解等の化学反応が考えられ、これにより非蒸発成分
が生成し、ムラ・シミの原因になる場合もある。
【0017】水洗工程で多量の清浄な水を用いれば、乾
燥前処理工程への水洗工程からの非蒸発成分の持込は抑
制することが出来る。しかし、乾燥前処理剤自身の分解
等の化学反応により生成する非蒸発成分を除去すること
は不可能であるため、非蒸発成分は乾燥前処理工程に蓄
積し、限度を超えると乾燥ムラ・シミが発生するため、
乾燥前処理工程の浴を更新する必要が生じ不経済にな
る。又、水洗工程で多量の清浄な水を用いることも、水
処理設備や排水処理設備の負荷が増大し、望ましくな
い。
【0018】ここで本発明における乾燥前処理剤を含有
する水溶液をイオン交換樹脂に通液して循環させること
により、乾燥前処理工程における非蒸発成分の蓄積を防
止でき、乾燥ムラ・シミの発生の抑制が可能となる。該
工程での工程管理としては、処理液の電気伝導度を所定
範囲に管理することが有用である。管理基準としては、
乾燥前処理剤の濃度、種類によって異なるが、イオン交
換樹脂に通液することにより、該水溶液の電気伝導度を
50μS/cm以下に維持することが好ましく、通常
は、30μS/cm以下に維持することが最適である。
【0019】本発明の乾燥前処理剤、即ち、式(1)又
は式(2)で示される化合物は水と反応して陽イオンと
なり、その水溶液は塩基性を示す。式(1)の化合物の
例としてヒドロキシルアミン、式(2)の化合物の例と
してヒドラジンを考えてみると、それぞれの化合物と水
との平衡式は、式a)及び式b)で表される。 NH2 OH+H2 O→NH3 OH+ +OH- a) N24 +H2 O→N25 + +OH- b)
【0020】NH3 OH+ 及びN25 + は陽イオンで
あるので、陽イオン交換樹脂に捕捉され得る。しかし、
これらのイオンが捕捉されるのは、専ら、陽イオン交換
樹脂の再生直後、即ち、陽イオン交換樹脂がH型の時で
あって、これらのイオンは、Na+ 、K+ 、Ca2+、M
2+、Fe3+、Cu2+、Ni2+、Ag+ 等の金属表面処
理或いは金属洗浄のプロセスで一般的に存在するような
陽イオン類に比較すると、陽イオン交換樹脂への結合力
は弱く、従って、Na+ 等の陽イオンが水溶液中に存在
する場合には、交換樹脂上においてこれらイオンと容易
に交換され、NH3 OH+ 或いはN25 + として水溶
液中に溶離する。これらの現象は、ヒドロキシルアミン
やヒドラジンのみならず、これらの置換体、即ち、式
(1)或いは式(2)で示される化合物全体について発
生するものであると考えられる。
【0021】即ち、再生直後の陽イオン交換樹脂に本発
明の乾燥前処理剤を含有する水溶液を通液すると、式
(1)又は式(2)で示される処理剤成分はイオンとし
て陽イオン交換樹脂に捕捉され、乾燥前処理工程におけ
る処理剤濃度の低下が起こる。しかし、陽イオン交換樹
脂中の全てのH+ が交換され脱離した後には処理剤の濃
度低下は停止する。従って、処理剤成分がイオン交換樹
脂に捕捉され、処理剤濃度が低下している間は、処理剤
を補充し、乾燥前処理工程の処理剤濃度を所定濃度に維
持することが必要である。
【0022】しかし、イオン交換樹脂に捕捉された処理
剤成分は、乾燥前処理工程に不純物としてNa+
+ 、Ca2+、Mg2+、Fe3+、Cu2+、Ni2+、Ag
+ 等の陽イオンが持ち込まれると、イオン交換樹脂上で
これらのイオンと交換され、再度、乾燥前処理液中に溶
離してくるため、乾燥前処理剤を含有する水溶液をイオ
ン交換樹脂に通液することで処理剤成分が失われること
はない。又、式(1)或いは式(2)で示される処理剤
成分はイオン交換樹脂に通液されている間、或いはイオ
ン交換樹脂に捕捉されている間においても、分解等の化
学反応による変化は殆ど起こらず、安定に存在する。
【0023】従って、乾燥前処理剤を含有する水溶液を
イオン交換樹脂に通液することで、処理剤成分を失うこ
となく、水洗工程から持ち込まれるイオン性非蒸発成
分、及び乾燥前処理剤自身の分解等の反応によって生成
するイオン性非蒸発成分を効率的に除去でき、これら非
蒸発成分の蓄積による乾燥前処理工程の浴更新を不要に
することが出来るようになる。
【0024】本発明において、使用するイオン交換樹脂
の種類に特に制限はなく、強酸性陽イオン交換樹脂、弱
酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱
塩基性陰イオン交換樹脂、キレート樹脂等が挙げられ
る。又、水に溶解している成分の種類によっては合成吸
着剤等も利用できる。
【0025】強酸性陽イオン交換樹脂としては、スルホ
ン酸基を有するスチレン系陽イオン交換樹脂、架橋ポリ
スチレン系陽イオン交換樹脂。弱酸性陽イオン交換樹脂
としては、カルボン酸基を有するメタクリル系陽イオン
交換樹脂、アクリル系陽イオン交換樹脂。強塩基性陰イ
オン交換樹脂としては、4級アンモニウム基を有するス
チレン系陰イオン交換樹脂。弱塩基性陰イオン交換樹脂
としては、アミノ基を有するスチレン系イオン交換樹
脂、メタクリル系イオン交換樹脂、アクリル系イオン交
換樹脂等が例示できる。
【0026】キレート樹脂としては、イミノジ酢酸基を
有する架橋ポリスチレン系キレート樹脂、ポリアミン基
を有する架橋ポリスチレン系キレート樹脂。合成吸着剤
としては、スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤、
メタクリル系合成吸着剤等が例示できる。
【0027】本発明の乾燥前処理剤を含有する水溶液の
処理方式についても特に制約はなく、単床単塔式、2床
2塔式、2床3塔式、複層床式、混床式等のいずれの方
式を用いても良く、又、再生方式についても特に制約は
ない。
【0028】本発明に使用する式(1)で示されるヒド
ロキシルアミン類、及び、式(2)で示されるヒドラジ
ン類の沸点又は分解温度は乾燥条件で異なるが、250
℃以下であることが好ましく、通常は、150℃以下で
あることが最適である。沸点又は分解温度が250℃を
超える化合物は、金属酸化の防止効果は高いが、乾燥し
た金属表面に乾燥前処理剤の成分が付着し、乾燥ムラ・
シミの原因となると同時に清浄な金属表面を得ることが
困難になる。乾燥温度を高くすれば、この欠陥を防止で
きるが、取り扱い性、経済性の観点から好ましくない。
150℃以下の沸点又は分解温度を有する化合物が、金
属酸化の防止効果も高く、乾燥ムラ・シミのない良好な
外観を得ると同時に清浄な金属表面を確保でき、取り扱
いの点からも最適である。
【0029】式(1)で示されるヒドロキシルアミン化
合物について、好ましい化合物を具体的に例示すると、
ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、
O−エチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシ
ルアミン、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,
O−ジメチルヒドロキシルアミン、N−エチルヒドロキ
シルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、
N,O−ジエチルヒドロキシルアミン、O,N,N−ト
リメチルヒドロキシルアミン、N−(2−メトキシエチ
ル)ヒドロキシルアミン、N−アリルヒドロキシルアミ
ン、N,O−ジアリルヒドロキシルアミン、O−シクロ
ヘキシル−N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N−
フェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。これらの
うちヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシ
ルアミン等が最適である。
【0030】式(2)で示されるヒドラジン化合物につ
いて、好ましい化合物を具体的に例示すると、1,1−
ジエチルヒドラジン、1,2−ジエチルヒドラジン、メ
チルヒドラジン、エチルヒドラジン、1,1−ジメチル
ヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、1,2−ジ
イソプロピルヒドラジン、ヒドラジン、シクロヘキシル
ヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−メチル−2−フ
ェニルヒドラジン、アリルヒドラジン、イソプロピルヒ
ドラジン等が挙げられる。これらのうち、特に、ヒドラ
ジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジ
ン、1,2−ジメチルヒドラジン、エチルヒドラジン、
1,1−ジエチルヒドラジン、1,2−ジエチルヒドラ
ジン等が最適である。
【0031】本発明の実施に際して、水溶液中における
式(1)もしくは式(2)で示される処理剤成分の濃度
は、一般的には、少なくとも1ppmである。1ppm
未満でも効果はあるが、金属の種類、形状、水質、乾燥
方法等によっては、乾燥ムラ・シミが発生する場合があ
る。又、乾燥ムラ・シミに関しての上限濃度は特にはな
いが、一般的には、取り扱い性、経済性等を考慮して5
0,000ppmを超える濃度で用いることは不適当で
ある。実際的には、取り扱い性、経済性等、更には、被
処理金属の種類、形状、水質、乾燥方法等を考慮し、通
常20ppm以上、好ましくは、50〜10,000p
pmに保持することが好適である。
【0032】式(1)或いは式(2)で示される化合物
を含有する水溶液による処理方法は、浸漬、撹拌、揺
動、噴霧、超音波照射等の手段による。処理工程が多段
の場合、最終処理槽に処理剤成分濃度が少なくとも1p
pmあれば、その他の処理槽の濃度は特に制限はなく任
意である。
【0033】処理時間は、金属の種類、形状、処理方法
等により異なり特に制限はない。しかし、実用的には1
0〜600秒が好ましい。10秒未満の場合、製品に乾
燥ムラ・シミが発生する場合があり、又、600秒を超
えても、処理効果それ自体に問題はないが、生産性、経
済性の観点より不適当である。処理温度も特に制限はな
いが、室温以上が好ましい。乾燥効率を上げるため、8
0℃以上の湯洗をしても処理効果に問題はなく、むしろ
優れた外観の金属を得ることができる利点がある。
【0034】本発明に用いられる金属としては、鉄、
銅、ニッケル、クロム、コバルト、鉛、亜鉛、アルミニ
ウム、チタン、スズ、金、銀等、及び、これらの合金、
及び、樹脂、ガラス、セラミックス等の表面に接着、圧
着、メッキ、蒸着、イオンプレーティング等の手段によ
り金属化した製品に適用できる。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0036】実施例1 ベアリング部品(SS400製)を化学研磨しバリ取り
・光輝化処理後、水洗する。次いで、イオン交換水を用
いて調製した100ppmヒドロキシルアミン水溶液に
室温で120秒間浸漬処理を施し、100℃の送風乾燥
器中で乾燥する。これら一連の処理を200回実施し
た。この間、100ppmヒドロキシルアミン含有水溶
液をイオン交換樹脂塔(三菱化学(株)製ダイヤイオン
SK102及びダイヤイオンSA10Aを用いた混床1
塔式)に通液し、該水溶液の電気伝導度を10〜15μ
S/cmに維持した。
【0037】実施例2 実施例1におけるベアリング部品及び100ppmヒド
ロキシルアミン水溶液の代わりに、テストピース(鉄−
ニッケル合金:42アロイ)及び500ppmヒドラジ
ン水溶液を用い、該水溶液の電気伝導度を30μS/c
mに維持した以外は実施例1と同様に行った。
【0038】実施例3 実施例2の500ppmヒドラジン水溶液の代わりに、
1,000ppmN、N−ジエチルヒドロキシルアミン
水溶液を用いた以外は実施例2と同様に行った。
【0039】実施例4 無機フィラ−を含有する液晶ポリマ−(ポリプラスチッ
クス社製ベクトラ C−820)を用い、射出成形によ
り部品搭載用凹みを有する成形基板を得た。この成形品
全面に無電解メッキを施す。次に、電着型フォトレジス
トを用いて、メッキレジストパタ−ンを形成した。こう
して得られた基板に光沢ニッケルメッキを20μm付け
回路パタ−ンを形成し、更に金ストライクメッキを行っ
た後、ワイヤボンディング用金メッキを0.3μm付け
た。この後、基板から、メッキレジスト、非回路部の無
電解銅メッキを除去した。最後に、イオン交換水を用い
て調製した5,000ppm1,1−ジメチルヒドラジ
ン水溶液にて室温で30秒間超音波洗浄を行うことによ
り、乾燥前処理とした。次いで、80℃の熱風乾燥器に
て乾燥した。これら一連の処理を200回実施した。こ
の間、5,000ppm1,1−ジメチルヒドラジン水
溶液をイオン交換樹脂塔(三菱化学(株)製ダイヤイオ
ンWK40及びダイヤイオンSA11Aを用いた混床1
塔式)に通液し該水溶液の電気伝導度を20μS/cm
に維持した。
【0040】比較例1 実施例1において、100ppmヒドロキシルアミン水
溶液をイオン交換樹脂塔に通液しなかった以外は実施例
1と同様に行った。
【0041】比較例2 実施例2において、500ppmヒドラジン水溶液をイ
オン交換樹脂塔に通液しなかった以外は実施例2と同様
に行った。
【0042】比較例3 実施例3において、1,000ppmN,N−ジエチル
ヒドロキシルアミン水溶液をイオン交換樹脂塔に通液し
なかった以外は実施例3と同様に行った。
【0043】比較例4 実施例4において、5,000ppm1,1−ジメチル
ヒドラジン水溶液をイオン交換樹脂塔に通液しなかった
以外は実施例4と同様に行った。
【0044】上記各処理後の金属製品を目視観察し、乾
燥ムラ・シミ等の外観を下記基準で4段階に評価した。 ◎:乾燥ムラ・シミ等の外観の欠陥はなく、非常に優れ
る ○:乾燥ムラ・シミ等の外観の欠陥は殆どなく、優れる △:乾燥ムラ・シミ等の外観の欠陥が若干発生し、やや
劣る ×:乾燥ムラ・シミ等の外観の欠陥が目立ち、劣る
【0045】上記の結果を表1に示す。 表1 処理回数 1〜50 51〜100 101〜150 151〜200 実施例1 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例2 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例3 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例4 ◎ ◎ ◎ ◎ 比較例1 ◎ ○〜△ × × 比較例2 ◎ ○〜△ × × 比較例3 ◎ ○〜△ × × 比較例4 ◎ ○〜△ × ×
【0046】
【発明の効果】本発明の方法により、金属表面が清浄
で、且つ乾燥ムラ・シミのない良好な外観が得られ、さ
らに乾燥前処理剤水溶液からイオン性非蒸発成分を効率
よく除去でき、乾燥前処理工程の浴更新を長期間不要に
することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の乾燥前処理工程において、乾燥前
    処理剤を含有する水溶液をイオン交換樹脂に通液して循
    環させ、電気伝導度を50μS/cm以下に維持した水
    溶液で処理した後、水洗することなく乾燥することを特
    徴とする金属の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 乾燥前処理剤が下記式(1)である請求
    項1記載の方法。 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 は、水素、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であり、こ
    れらの基は置換基を有してもよい。)
  3. 【請求項3】 乾燥前処理剤が下記式(2)である請求
    項1記載の方法。 【化2】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、水素、アルキル基、
    アルケニル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であ
    り、これらの基は置換基を有してもよい。)
  4. 【請求項4】 式(1)で示される化合物がヒドロキシ
    ルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンである
    請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 式(2)で示される化合物がヒドラジ
    ン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、1,1−ま
    たは1,2−ジメチルヒドラジン、1,1−または1,
    2−ジエチルヒドラジンである請求項3記載の方法。
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