JPH093678A - 金属の乾燥方法 - Google Patents

金属の乾燥方法

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JPH093678A
JPH093678A JP15030695A JP15030695A JPH093678A JP H093678 A JPH093678 A JP H093678A JP 15030695 A JP15030695 A JP 15030695A JP 15030695 A JP15030695 A JP 15030695A JP H093678 A JPH093678 A JP H093678A
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metal
drying
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water
carbon atoms
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JP15030695A
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English (en)
Inventor
Yukiya Masuda
幸哉 増田
Hironori Yamazaki
博紀 山崎
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は水系金属表面処理や洗浄分野におい
て乾燥ムラ、シミの発生がなく、清浄な金属表面を得る
金属の乾燥方法提供する。 【構成】 下記式(1)で表される化合物を含有する水
溶液で処理した後、水洗することなく乾燥を行う。 【効果】 フロンまたは塩素系溶剤等の水切り置換を必
要とせず、水分が付着したままで乾燥しても乾燥ムラ、
シミの発生がなく、清浄な金属表面を得ことができる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水系金属表面処理や洗浄
分野において、乾燥ムラ、シミの発生を防止するための
乾燥方法に関するものである。さらに詳しくは、式
(1)で示される化合物を含有する水溶液からなる処理
剤で処理、乾燥する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水系金属表面処理や洗浄分野にお
いて、乾燥ムラやシミを防止するための乾燥工程におけ
る金属の酸化防止方法としては、溶剤による水切り置換
法、真空乾燥、窒素雰囲気での乾燥などが挙げられる。
しかし真空乾燥法は設備費が高価になり、作業能率も低
い。また窒素雰囲気での乾燥は設備費が高価であり、さ
らに多くの窒素を使用することからコストが高くなり、
これらの乾燥方法は特殊な製品の場合に適用され一般的
には溶剤による水切り置換法が工業的には採用されてい
る。
【0003】水が付着したまま乾燥すると多くの場合、
金属表面の酸化による変色が発生し製品価値が落ちる。
溶剤による水切り置換法はリンス(最終仕上げ)水洗後
フロン、又は塩素系溶剤で処理し、金属表面の水を置換
除去する方法である。
【0004】しかし上記溶剤による水切り置換法で、使
用される溶剤であるフロンは環境破壊を引き起こすこと
から、これらの使用は世界的に規制されてきており、こ
れに代わる代替技術が強く求められている。 代替技術
として、イソプロピルアルコール等の低毒性溶剤の使用
が提案されているが、これら溶剤はフロン又は塩素系溶
剤に較べ安全性に問題があり、設備費が高価になる欠点
がある。
【0005】また、水洗工程での金属酸化が問題となる
場合、金属酸化防止法として水洗工程で、脱酸素剤(溶
存酸素の除去)、腐食抑制剤、不動態皮膜の形成剤等を
使用する方法が知られており、例えば特開昭53ー55
427号公報には脱酸素剤を使用し溶存酸素を除去して
加熱された金属材を水溶液に浸漬する金属材の酸化防止
方法が、特開平2ー125887号公報ではヒドラジ
ン、さらにオキシカルボン酸を添加した洗浄水で処理す
る鋼鈑変色防止方法等多数検討されている。
【0006】これら特開昭53ー55427号公報や特
開平2ー125887号公報に記載の技術は、水洗工程
での金属酸化を防止する方法であり、水洗工程における
金属酸化の防止、又は還元洗浄にに際して洗浄水中の溶
存酸素を除去する脱酸素剤としてヒドラジン等が使用さ
れているもので、溶剤を用いた水切り置換法による乾燥
工程における金属酸化防止については何ら開示されてい
ない。従来乾燥工程における金属酸化防止には溶剤を用
いた水切り置換法は金属を還元又は洗浄する能力はな
く、水洗工程以降、即ち乾燥工程における金属酸化を防
止することにある。
【0007】しかし、溶剤を用いた水切り置換による乾
燥法を適用する一般的な金属表面処理工程では水洗工程
における金属酸化は極く少なく、多くの場合、特別の手
段を採用しなくとも、これら工程で発生する金属酸化量
では、最終製品の変色、ムラ等の現象まで結びつかな
い。しかし乾燥工程における金属酸化量は大きく、前述
のように溶剤による水切り置換を実施しないで乾燥する
と、変色が発生し欠陥製品となる。
【0008】したがって、水洗工程における酸化は水に
溶解した酸素に起因し、したがって水中の溶存酸素をで
きるだけ除去することにより水中での金属酸化を防止す
ることができる。しかしながら、乾燥工程における金属
酸化は、金属表面に付着した水が水膜を形成しており、
乾燥初期段階では金属酸化速度は遅い。しかし乾燥が進
むに伴って金属表面の水膜が破壊され直接金属表面が露
出し、且つ湿った雰囲気での乾燥であり大気中の酸素が
連続的に充分なる量で供給され、金属温度も高いため、
金属の酸化速度は急激に進む。
【0009】通常、乾燥工程は大気中で行われることか
ら絶えず酸素が存在する雰囲気であり存在する酸素を脱
酸素剤等で除去して金属酸化を防止することは困難であ
り、水洗工程において生ずる酸化を防止する溶存酸素を
除去する手段を適用することは不可能である。従って溶
剤による水切り置換を行い水分を除去することにより、
充分なる酸素が供給されても乾燥ムラ、シミの発生を防
止する乾燥法が採用される。また脱酸素剤等を含んだ水
洗水が付着したまま、乾燥すると脱酸素剤成分が金属表
面に析出(蒸発乾固)し乾燥ムラ、シミの原因となるば
かりでなく、析出した脱酸素剤成分が次工程に悪影響を
及ぼすため、リンス水洗の水は出来るだけ清浄に保つこ
とが不可欠である。
【0010】腐食抑制剤を用いた金属酸化の防止法は、
防錆処理後に水洗して乾燥すると、防錆効果が不充分に
なる場合が多い。防錆処理後水洗することなしに直接乾
燥した場合、防錆効果は満足できても、金属に吸着した
腐食抑制剤以外に、水中に含まれる腐食抑制剤も析出
(蒸発乾固)し乾燥ムラ、シミの原因になる。
【0011】腐食抑制剤の作用は金属表面に均一に吸着
被覆し、金属と酸素の接触を断つことで金属酸化を防止
する。このため金属酸化を防止できても、金属表面には
腐食抑制剤が存在し、乾燥ムラ、シミにならなくとも清
浄な金属表面を得ることは不可能である。従って後加工
工程にて吸着した腐食抑制剤の悪影響が生じる場合があ
り、次工程の処理直前に腐食抑制剤を除去する必要が生
じる。
【0012】不動態皮膜形成剤の使用は乾燥ムラ、シミ
のない外観の良好な製品を得ることはできる。しかし金
属表面は均一な酸化膜(不動態皮膜)で被覆されるた
め、腐食抑制剤の場合と同様に清浄な金属表面を得るこ
とは不可能である。従って後加工工程にて均一な酸化膜
の悪影響が生じ、次工程にて酸化膜(不動態皮膜)を除
去する必要が生じる。
【0013】一方水切り、置換法を用いた乾燥の場合、
水分の除去にて金属の酸化を防止する。使用した溶剤は
乾燥工程で蒸発飛散し、金属表面に残らない。従って乾
燥ムラ、シミの発生しない良好な外観得ると同時に、金
属は清浄な表面が得られる理想的な乾燥方法である。
【0014】しかしこれら溶剤の使用は環境を破壊する
ため、代替技術が強く求められている。代替技術として
水洗工程で金属酸化防止技術を直接利用しても、前記の
様に種々なる欠陥を有し、満足し得る金属の乾燥を実施
することは困難である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は環境破壊を起
こす溶剤類による水切り置換工程を格別必要とせず水が
付着したまま、乾燥しても乾燥ムラ、シミの発生を防止
すると同時に、清浄な金属表面を得る金属の乾燥方法を
提供することである。
【0016】
【問題を解決するための手段】環境破壊を起こすフロ
ン、塩素系溶剤等を用いた水切り置換による乾燥法の代
替技術が現在強く望まれている。そこで本発明者等は鋭
意研究した結果、前記化1で示される化合物を含有する
水溶液を用いた乾燥前処理剤は、金属酸化を効果的に防
止できると同時に、乾燥した金属表面に乾燥前処理剤の
成分が付着することなく、清浄な金属表面が得られるこ
とを見い出した。
【0017】水系金属表面処理や洗浄分野で用いられて
いる各種プロセスにおいて、金属に水が付着したまま乾
燥すると、多くの場合、金属酸化に起因する変色が発生
し乾燥ムラ、シミとなる。しかし本発明は乾燥工程に先
立ち、式(1)で示される化合物を含有する水溶液を用
い、金属を処理することにより、水が付着したまま乾燥
しても、乾燥工程における金属酸化を防止し、乾燥ム
ラ、シミの発生を抑制すると共に清浄な金属表面を得る
乾燥方法に関する。すなわち、本発明は、下記(1)示
される化合物を含有する水溶液からなる処理剤で処理し
た後、水洗することなく乾燥することを特徴とする金属
の乾燥方法に関する。
【0018】
【化2】
【0019】(式中R1 、R2 、R3 、R4 は、水素、
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4の低級アルケ
ニル基、炭素数1〜4の低級アルキニル基、シクロアル
キル基、炭素数1〜4の低級アルコキシルアルキル基、
置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよ
いアラルキル基、またはハロゲン化アルキル基であ
る。)
【0020】本発明に用いられる水系表面処理プロセス
としては、無電解メッキ、電気メッキ、陽極酸化、酸
洗、アルカリ洗、化学研磨、電解研磨、機械研磨、金属
着色処理、エッチング、化成処理等のプロセスが挙げら
れ、水系金属洗浄プロセスとしては、脱脂、酸洗浄、ア
ルカリ洗浄、電解洗浄等のプロセスが挙げられる。
【0021】これら各種金属表面処理及び/又は金属洗
浄プロセスにおいて、リンス水洗後、乾燥に先立ち金属
を式(1)で示される化合物を含有した水溶液で処理す
るか、又はリンス水洗の水に式(1)で示される化合物
を添加した水溶液で、水洗を兼ねた処理をした後、金属
を乾燥させる。これにより乾燥ムラ、シミの発生を抑制
し外観の良好でかつ清浄な金属を得ることができる。
【0022】本発明に使用する式(1)で示される化合
物の沸点又は分解温度は乾燥条件で異なるが、一般的に
は室温〜250℃の範囲の沸点又は分解温度を有する化
合物が好ましく、通常は室温〜150℃の範囲であり、
さらには室温〜100℃程度の沸点又は分解温度を示す
化合物が最適である。 沸点又は分解温度が室温以下の
化合物は、金属酸化による乾燥ムラ、シミ発生の防止効
果は良好であるが、取り扱いが困難になる。
【0023】一方、沸点又は分解温度が250℃以上の
化合物は、金属酸化の防止効果は高いが、乾燥した金属
表面に乾燥前処理剤の成分が付着し、乾燥ムラ、シミの
原因となると同時に清浄な金属表面を得ることが困難に
なる。乾燥温度を高くすれば、この欠陥を防止できる
が、取り扱い性、経済性の観点から好ましくない。15
0〜250℃の沸点又は分解温度を示す化合物は、金属
酸化の防止効果は高く、外観の良好な金属製品を得るこ
とが出来るが、金属表面の清浄度が劣る傾向にある。室
温〜150℃、さらには室温〜100℃の沸点又は分解
温度を有する化合物が、入手のし易さ取扱いの点ならび
に金属酸化の防止効果も高く、乾燥ムラ、シミのない良
好な外観を得ると同時に清浄な金属表面を確保でき最適
である。
【0024】式(1)で示される化合物について、好ま
しい化合物を具体的に例示すると、1, 1−ジエチルヒ
ドラジン、1, 2−ジエチルヒドラジン、フェニルヒド
ラジン、1−メチル−2−フェニルヒドラジン、1−エ
チル−2−フェニルヒドラジン、メチルヒドラジン、エ
チルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2
−ジメチルヒドラジン、1, 2−ジイソプロピルヒドラ
ジン、ヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、アリル
ヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、等が挙げられ
る。これらのうちヒドラジン、メチルヒドラジン、1,
1−ジメチルヒドラジン、1, 2−ジメチルヒドラジ
ン、エチルヒドラジン、アリルヒドラジン、イソプロピ
ルヒドラジン、1, 2−ジイソプロピルヒドラジン、
1, 1−ジエチルヒドラジン、1, 2−ジエチルヒドラ
ジン等が好適である。特にメチルヒドラジン、1, 1−
ジエチルヒドラジン、1, 2−ジエチルヒドラジンなど
が仕上がり金属表面の光輝性の点から最適である。
【0025】本発明の実施に際して、水溶液中における
式(1)で示される化合物の濃度は一般的には、少なく
とも1ppm以上である。1ppm以下でも、効果はあ
るが金属の種類、形状、水質、乾燥方法によっては、乾
燥ムラ、シミが発生する場合がある。したがって、乾燥
ムラ、シミに関し上限濃度は一般的には、取り扱い性、
経済性等、などを考慮して決められるが、50,000
ppm以上の濃度を用いることは不適当である。実際的
には、取り扱い性、経済性等、さらには被処理金属の種
類、形状、水質、乾燥方法などを考慮し、通常、20p
pm以上、好ましくは100−5,000ppmに保持
することが好適である。
【0026】式(1)で示される化合物を含有する水溶
液による処理方法は浸漬、噴霧等の手段で処理する。処
理工程が多段の場合、最終水洗槽において式(1)で示
される化合物濃度が少なくとも1ppmであれば、その
他の水洗槽の濃度は上記の範囲内で特に制限はなく任意
である。
【0027】処理時間は金属の種類、形状、あるいは処
理方法などにより異なり特に制限はない。しかし実用的
には10〜600秒が好ましい。10秒以下の場合製品
に乾燥ムラ、シミが発生する場合がある。600秒を越
えても、処理効果それ自体には問題はないが生産性、経
済性の観点より不適当である。式(1)で示される化合
物を含有する水溶液の処理温度も特に制限はなく、室温
以上が好ましい。また、乾燥効率を上げるため、80℃
以上の湯洗をしても処理効果それ自体に問題はなく、む
しろ優れた外観の金属を得ることができる利点がある。
【0028】本発明に用いられる金属としては、鉄、
銅、ニッケル、クロム、コバルト、鉛、亜鉛、アルミニ
ウム、チタン、スズ、金、銀等及び(又は)これらの合
金及び(又は)樹脂、ガラス、セラミックス等の表面に
接着、圧着、メッキ、蒸着、イオンプレーティング、等
の手段により金属化した製品に適用できる。
【0029】本発明の方法において、式(1)で示され
る化合物の乾燥工程における金属酸化防止機構それ自体
は解明されていないが、以下のような挙動を示すものと
推測される。
【0030】すなわち、式(1)で示される化合物は金
属表面に吸着し均一な被覆膜を形成し、金属と酸素の接
触を防止する。金属に吸着した成分は水及び非吸着成分
に較べ、蒸発飛散が起こり難く、乾燥工程の終期段階ま
で均一な被覆膜を形成している。
【0031】水及び非吸着成分が蒸発飛散した後、金属
に吸着した成分も蒸発飛散するが、この段階では金属の
置かれた雰囲気が乾いているため、溶剤による水切り置
換の場合と同様に、金属と酸素が接触しても実用上問題
となるほど金属の酸化は起こらず乾燥ムラ、シミを防止
し外観の良好な乾燥品を得ることが出来る。
【0032】又金属との吸着が強く、蒸発飛散が起こり
難い場合でも、本発明で使用される化合物は自己分解性
を有するため、最終的には分解飛散し清浄な金属表面を
得ることができる。式(1)で示される化合物はそれ自
身は勿論、酸素との酸化生成物、及び自己分解生成物は
全てが乾燥工程にて、蒸発飛散可能な物質でありフロ
ン、塩素系溶剤と同様に蒸発残分は発生しない。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 テストース(鉄鋼系、SS−41)を化学研磨しバリ取
り、光輝化処理する。次いで500ppmジメチルヒド
ラジン含有水溶液を用い室温で120秒間水洗処理し、
エアーブローにて液切りした後、80℃の箱型乾燥機中
で乾燥する。
【0035】実施例2 実施例1に使用した500ppmジメチルヒドラジン含
有水溶液の代わりに、500ppmヒドラジン含有水溶
液を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0036】実施例3 実施例1に使用した500ppmジメチルヒドラジン含
有水溶液の代わりに、500ppmエチルヒドラジン含
有水溶液を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0037】実施例4 実施例1に使用した500ppmジメチルヒドラジン含
有水溶液の代わりに、500ppmアリルヒドラジン含
有水溶液を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0038】実施例5 銅張り積層板を整面後、水溶性ドライフイルムを圧着
し、パターンフイルムを重ね露光する。次いで連続コン
ベアーラインにて1%炭酸ソーダで現像し、未硬化部の
ドライフイルムを溶解除去して、不要部の金属銅を露出
させる。次いで塩化銅エッチング溶液にて、露出した金
属銅を溶解除去した後3%苛性ソーダで硬化部のドライ
フイルムを溶解除去する。次いでスプレー水洗機で10
00ppmジメチルヒドラジン含有水溶液を室温で20
秒間噴霧水洗する。次いで絞りロール及びエアーナイフ
で液切りした後、ジメチルヒドラジン含有水溶液が付着
した状態でコンベアー式熱風乾燥機で乾燥する。この様
にして印刷配線回路基板を製造した。
【0039】実施例6 テストピース(鉄ーニッケル合金)を化学研磨しバリ取
り、光輝化処理する。次いで室温で100ppmジイソ
プロピルヒドラジン含有水溶液で10秒間水洗する。こ
れをエアーブローにて液切りした後、若干のジイソプロ
ピルヒドラジン溶液が付着したまま80℃の箱形乾燥機
で乾燥する。
【0040】実施例7 潤滑油の付着した熱間工具鋼をアルカリ洗浄した後水洗
する。次いで5,000ppmのジメチルヒドラジン含
有水溶液に80℃、30秒間浸漬した後、これを100
℃に保持した乾燥機で乾燥した。
【0041】実施例8 無機フィラ−を含有する液晶ポリマ−(ポリプラスッチ
ックス社製ベクトラ C-820)を用い、射出成形により部
品搭載用凹みを有する成形基板を得た。この成形品全面
に無電解メッキを施す。次に、電着型フォトレジストを
用いて、メッキレジストパタ−ンを形成した。こうして
得られた基板に光沢ニッケルメッキを10〜30μm付け回
路パタ−ンを形成し、更に金ストライクメッキを行った
後、ワイヤボンディング用金メッキにて 0.3μm付け
た。この後、基板から、メッキレジスト、非回路部の無
電解銅メッキを除去した。最後に、500ppmヒドラ
ジン水溶液にて室温で30秒間超音波洗浄を行い、エア
−ブロ−した後、80℃の熱風乾燥器にて乾燥した。こ
れにより部品実装用凹みを有する成型品表面に配線パタ
ーンを形成した表面実装基板を製造した。
【0042】実施例9 ベアリング部品(鉄鋼系、SS−41)を化学研磨しバ
リ取り、光輝化処理後水洗する。次いで40ppmジメ
チルヒドラジン含有水溶液を用い室温で120秒間浸漬
処理を施し、遠心脱水機で液切りし、80℃の箱型乾燥
機中で乾燥する。
【0043】比較例1 実施例1において、水洗水にジメチルヒドラジンを添加
しなかった以外は、実施例1と同様に行った。
【0044】比較例2 実施例5において、水洗水にジメチルヒドラジンを添加
しなかった以外は、実施例5と同様に行った。
【0045】比較例3 実施例6において、水洗水にエチルヒドラジンを添加し
なかった以外は、実施例6と同様に行った。
【0046】比較例4 実施例7において、5,000ppmジメチルヒドラジ
ン含有水溶液による乾燥前処理を実施しなかった以外
は、実施例7と同様に行った。
【0047】比較例5 実施例8において、ヒドラジン含有水溶液による乾燥前
処理を実施しなかった以外は、実施例8と同様に行っ
た。
【0048】比較例6 実施例9において、ジメチルヒドラジン含有水溶液によ
る乾燥前処理を実施しなかった以外は、実施例9と同様
に行った。
【0049】上記各種処理後の金属製品を目視観察し、
乾燥ムラ、シミ等の外観を下記基準で4段階に評価し
た。 ◎乾燥ムラ、シミ等の外観の欠陥はなく、非常に優れる ○乾燥ムラ、シミ等の外観の欠陥は殆どなく、優れる △乾燥ムラ、シミ等の外観の欠陥が、若干発生しやや劣
る。 ×乾燥ムラ、シミ等の外観の欠陥が、目立ち劣る
【0050】金属表面の光沢度は、スガ試験機(株)製
デジタル変角光沢計 UGV−4Dを使用し、JIS
Z 8741 鏡面光沢度測定法に従い、60度鏡面光
沢を測定した。金属表面の評価、および光沢度を表−1
に示す。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば金属乾燥品は、フ
ロン又は塩素系溶剤を用いた水切り置換法による乾燥品
と、同様に金属表面が清浄で、且つ乾燥ムラ、シミのな
い良好な外観が得られる。従って環境を破壊するフロン
又は塩素系溶剤の使用を廃止可能とする。
【0052】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、水素、炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数1〜4の低級アルケニル基、炭素
数1〜4の低級アルキニル基、シクロアルキル基、炭素
数1〜4の低級アルコキシルアルキル基、置換基を有し
てもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル
基、またはハロゲン化アルキル基である。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水系金属表面処理や洗浄
分野において、乾燥ムラ、シミの発生を防止するための
乾燥方法に関するものである。さらに詳しくは、金属表
面処理剤、或いは、金属洗浄剤で処理した後、式(1)
で示される化合物を含有する水溶液からなる処理剤で処
理、乾燥する方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】水系金属表面処理や洗浄分野で用いられて
いる各種プロセスにおいて、金属に水が付着したまま乾
燥すると、多くの場合、金属酸化に起因する変色が発生
し乾燥ムラ、シミとなる。しかし、本発明は、金属表面
処理剤、或いは、金属洗浄剤で処理した後、乾燥工程に
先立ち、式(1)で示される化合物を含有する水溶液を
用い、金属を処理することにより、水が付着したまま乾
燥しても、乾燥工程における金属酸化を防止し、乾燥ム
ラ、シミの発生を抑制すると共に清浄な金属表面を得る
乾燥方法に関する。すなわち、本発明は、金属表面処理
剤、或いは、金属洗浄剤で処理した後、次いで、下記式
(1)で示される化合物を含有する水溶液からなる処理
剤で処理した後、水洗することなく乾燥することを特徴
とする金属の乾燥方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明の実施に際して、水溶液中における
式(1)で示される化合物の濃度は一般的には、少なく
とも1ppmである。1ppm以下でも、効果はあるが
金属の種類、形状、水質、乾燥方法によっては、乾燥ム
ラ、シミが発生する場合がある。したがって、乾燥ム
ラ、シミに関し上限濃度は一般的には、取り扱い性、経
済性等、などを考慮して決められるが、50,000p
pm以上の濃度を用いることは不適当である。実際的に
は、取り扱い性、経済性等、さらには被処理金属の種
類、形状、水質、乾燥方法などを考慮し、通常、20p
pm以上、好ましくは100−5,000ppmに保持
することが好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で示される化合物を含有する
    水溶液からなる処理剤で処理した後、水洗することなく
    乾燥することを特徴とする金属の乾燥方法。 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、水素、炭素数1〜8
    のアルキル基、炭素数1〜4の低級アルケニル基、炭素
    数1〜4の低級アルキニル基、シクロアルキル基、炭素
    数1〜4の低級アルコキシルアルキル基、置換基を有し
    てもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル
    基、またはハロゲン化アルキル基である。)
  2. 【請求項2】式(1)で示される化合物がアルキル置換
    ヒドラジン、アリル置換ヒドラジンから選ばれる一種で
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】アルキル置換ヒドラジンがメチルヒドラジ
    ン、エチルヒドラジン、1, 1- 又は、1, 2- ジメチ
    ルヒドラジン、1,1−又は1,2−ジエチルヒドラジ
    ンである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】式(1)で示される化合物を少なくとも1
    ppm含有する処理剤で処理する請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102575360A (zh) * 2009-10-02 2012-07-11 三菱瓦斯化学株式会社 用于抑制金属微细结构体的图案倒塌的处理液和使用其的金属微细结构体的制造方法

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