JPH1078625A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその撮影方法と処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその撮影方法と処理方法

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JPH1078625A
JPH1078625A JP8233080A JP23308096A JPH1078625A JP H1078625 A JPH1078625 A JP H1078625A JP 8233080 A JP8233080 A JP 8233080A JP 23308096 A JP23308096 A JP 23308096A JP H1078625 A JPH1078625 A JP H1078625A
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silver halide
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halide photographic
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JP8233080A
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Hideki Takiguchi
秀樹 滝口
Kanji Kashiwagi
寛司 柏木
Nobuaki Tsuji
宣昭 辻
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で残色汚染がなく、かつ画像銀の色調
が優れたX線用ハロゲン化銀写真感光材料とその撮影方
法及び処理方法の提供。 【解決手段】 ハロゲン化銀乳剤層に含有される増感色
素の30〜100重量%が、特定のベンズイミダゾロカ
ルボシアニ色素の少なくとも1種であり、かつ該ハロゲ
ン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理
した際の現像開始点の総数の60〜100%が、ハロゲ
ン化銀粒子の頂点(角)及びその近傍に形成し得る平板
状粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料、及び該感光材料を自動現像機で処理する際の全
処理時間が、5〜30秒である処理方法、及びエリソル
ビン酸類を含有する現像液で処理する処理方法、及び該
感光材料を高感度増感紙で挟み、X線撮影する撮影方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高感度で色素汚染が
なく、かつ銀画像の色調が優れたハロゲン化銀写真感光
材料に関し、特にX線医療用ハロゲン化銀写真感光材料
とその撮影方法及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料に対す
る迅速処理化への要求は、益々、高まってきており、例
えば医療用フィルムの場合、救急患者は勿論のこと、受
診者に診察結果をより早く知らせる必要もあって、撮影
後の現像処理の超迅速化が要求されることになる。迅速
処理化と併せて、環境保全のために処理廃液の低減化も
同様に強く望まれている。
【0003】処理の迅速化のためには、現像、定着、水
洗、乾燥等の各処理工程の処理時間の短縮化が必要であ
るが、それぞれの処理での負荷が大きくなり、例えば単
に現像時間を短くすると、従来の感光材料材では画像濃
度の低下、即ち感度の低下や階調の劣化を伴う。また、
定着時間を短くすると、ハロゲン化銀の定着が不完全に
なり画質劣化の原因となる。更に、各処理過程の時間の
短縮は、現像、定着、水洗の各処理での増感色素の溶出
が十分でなくなるため、残留色素(残色)による汚染が
発生し画質の劣化となる。
【0004】従って、このような問題を解決するために
は、感光材料自体の現像速度や定着速度を速めたり、色
素量を低減し、かつ色素の溶出、或いは脱色の促進化な
どが必要となる。
【0005】一方、処理廃液の低減化のためには、処理
液の疲労の低減、或いは低補充化が必要であるが、上記
の迅速処理化と共通の問題を伴い容易でない。
【0006】従来より、これらの対応技術として、例え
ばEP0506584号、特開平5−88293号、同
5−93975号等には、分光増感色素として脱色性能
の良いベンズイミダゾロカルボシアニン類を用いた技術
が開示されている。また、特開平5−61148号には
沃化銀含有率が1モル%以下のハロゲン化銀乳剤に分光
増感色素としてオキサカルボシアニン類とベンズイミダ
ゾロカルボシアニン類を特定の比率で併用し、更にセレ
ン化合物及び/又はテルル化合物による化学増感を施す
技術が開示されている。
【0007】また色素による残色汚染性を改良するため
に、色素の添加量を減少すると同時にハロゲン化銀吸着
物質を添加する技術が知られている。しかしながら、こ
れらの開示技術では、写真性能を含めた最近の要望レベ
ルを満たすにはまだ不十分であった。
【0008】一方、処理の超迅速化と廃液の低減化を達
成する手段として、粒径が小さく、且つ、平板状である
ハロゲン化銀粒子を使用して塗設銀量を少なくすること
が考えられる。しかしながら平板状ハロゲン化銀粒子は
現像によって得られる銀画像の色調が、黄色味を帯びる
という欠点を有し、且つ、小粒径化に伴う受光面積の低
減により写真感度が低下してしまうという問題がある。
【0009】銀画像の色調はX線用感光材料の場合、画
像診断上から黒色若しくは青黒色調であることが好まし
く、黄色味を帯びた銀画像は観察者にとって見にくく、
且つ、不快であるなどの欠点を有する。
【0010】従来より銀色調改良技術としては、感光材
料および現像処理サイドから多くの検討が報告されてお
り、例えば代表的色調剤としては特定のメルカプト化合
物がよく知られているが減感性が著しい欠点を有する。
さらに最近では特開平5−165147号に記載されて
いるような水不溶性高沸点有機溶媒に特定の色素を溶解
し、水溶媒中で微少サイズに分散し感光材料に含有させ
る技術が開示された。
【0011】しかし、該技術は感光材料の生保存にて感
度の変動が大きい欠点を有し、さらに医用X線感光材料
に適用した場合、露光時に感光材料に接触させる増感紙
に、汚れが付くという問題があった。また当該技術では
未露光部にも露光部と同量の染料が含まれるため、カブ
リ濃度が上昇するという欠点も合わせ持っていた。
【0012】この欠点を解消するために特開平3−15
7645号では銀画像に対応し拡散性染料を放出する耐
拡散性化合物による技術が提案されているが、画像銀の
色調改良効果とカブリの低減効果は不十分であった。
【0013】さらに特開平3−153234号では銀画
像に対応した青色画像を与えるロイコ染料を用いる技術
が提案されている。当該技術では現像液によるフィルム
のステインは改良されるが、青色染料は色調が長波長で
あり緑色味を帯びているため銀画像の黒色度改良の効果
は不十分であった。また処理済みの感光材料の未露光部
に残存するロイコ染料が経時で発色しやすく、カブリ上
昇の原因になる欠点も有していた。
【0014】なお、黒白感光材料用現像液には従来よ
り、現像主薬としてジヒドロキシベンゼン系であるハイ
ドロキノン類が使用されてきた。しかし作業上の安全性
改善及び環境保全の上から、現像主薬をアスコルビン酸
類に替える提案が最近なされており、例えば米国特許
5,236,816号にアスコルビン酸を用いた現像液
が開示されている。
【0015】しかし、アスコルビン酸類を用いた現像液
はハイドロキノンを用いた現像液より経時による劣化が
大きいため、活性度が低くなり易く、一定の写真特性を
得にくいという欠点を有していた。現像主薬としてアス
コルビン酸類を用いた際にも優れた現像性を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料及びその処理方法が望まれてい
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は高感度で色素汚染がなく、現像後の銀画像の色調が純
黒色で優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
にある。更に環境保全に適した現像液に於いても迅速現
像処理性を有し、上記の性能を有したハロゲン化銀写真
感光材料を提供することである。更に本発明の目的は感
光材料を高感度増感紙で挟み、X線撮影することにより
上記の性能を得られるハロゲン化銀写真感光材料の撮影
方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記により
解決された。
【0018】(1)支持体上に少なくとも1層の感光性
ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、該ハロゲン化銀乳剤層に含有される増感色素
の30〜100重量%が、下記一般式(I)で表される
分光増感色素の少なくとも1種であり、かつ該ハロゲン
化銀乳剤層は、ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理し
た際の現像開始点の総数の60〜100%が、ハロゲン
化銀粒子の頂点(角)及びその近傍に形成し得る平板状
粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。
【0019】
【化3】
【0020】式中、R1及びR3は各々、置換または無置
換のアルキル基又はアルケニル基を表し、R2及びR4
置換または無置換の低級アルキル基を表し、R2とR4
少なくとも1つは親水性基を置換したアルキル基を表
す。Z1、Z2、Z3及びZ4は水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリフル
オロメチル基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アシル基、スルホニル基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アセチルアミノ基、アセチルオ
キシ基、アリール基を表す。Xは分子内の電荷を中和す
るに必要なイオンを表し、nは1または2を表す。但
し、分子内塩を形成するときはnは1である。
【0021】(2)前記ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン
化銀粒子が、前記一般式(I)で表される分光増感色素
とそれ以外のハロゲン化銀吸着物質の存在下で化学増感
を施されていることを特徴とする(1)項記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0022】(3)上記(1)又は(2)項記載のハロ
ゲン化銀感光材料を像様露光後、現像工程、定着工程を
含む処理工程で処理することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法。
【0023】(4)上記(1)又は(2)項記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料を像様露光後、自動現像機で連続
処理する方法であって、各処理工程の処理液に固体状処
理剤を連続処理しながら供給することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0024】(5)上記(3)又は(4)項記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法において、現像液が実
質的にジヒドロキシベンゼン系現像主薬を含有しないで
下記一般式(II)で表わされる化合物を含有する現像液
で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0025】
【化4】
【0026】式中、R5、R6はそれぞれヒドロキシ基、
アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ
基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、メルカプト基またはアルキルチオ基を表
す。P、Qはヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、ス
ルホ基、スルホアルキル基、アミノ基、アミノアルキル
基、メチルカプト基、アルキル基またはアリール基を表
すか、又はPとQは結合して、5〜8員環を形成する原
子群を表す。Yは=O、または=N−R7を表す。R7
水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アシル基、ヒド
ロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアル
キル基を表す。
【0027】(6)上記(1)又は(2)項記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料を高感度増感紙で挟み、X線撮影
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の撮影
方法。以下、本発明を詳述する。
【0028】本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはハ
ロゲン化銀として臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、沃塩化
銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀等を用いることができ、これ
らのうち沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀が
好ましい。
【0029】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀粒子としては、塩化銀含有率が20モル%以上
であることが好ましく、50モル%以上含有することが
より好ましく、90モル%以上含有することが更に好ま
しい。沃化銀を含有するハロゲン化銀粒子の場合は、沃
化銀含有率として0.05〜1.0モル%であることが
好ましく、0.1〜0.5モル%が更に好ましい。塩臭
化銀の場合の臭化銀含有率は0.1〜80モル%が好ま
しく、0.2〜50モル%が更に好ましい。
【0030】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は平板状粒子である。平板状ハロゲン化銀粒子の平均
アスペクト比は2〜20で、好ましくは3〜10であ
り、最も好ましくは3〜8である。平板状ハロゲン化銀
粒子の平均粒径は0.15〜5.0μmで、好ましくは
0.3〜3.0μmで、最も好ましくは0.4〜2.0
μmである。本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚
さは0.01〜1.0μmで、より好ましくは0.02
〜0.40μmであって更に好ましくは0.02〜0.
30μmである。
【0031】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は粒径分
布の狭い単分散粒子であって具体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき、20%以下のもの
であり、好ましくは18%以下、更に好ましくは15%
以下のものである。
【0032】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は厚さの
分布が狭いことが好ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0033】尚、双晶面を有する平板状ハロゲン化銀粒
子を使用する場合には、平板状ハロゲン化銀粒子は六角
形であることが好ましい。六角形の平板状粒子(以下、
「六角平板粒子」と記す場合もある)とは、その主平面
((111)面)の形状が六角形であり、その最大隣接
比率が1.0〜2.0であることを言う。ここで最大隣
接辺比率とは、六角形を形成する最小の長さを有する辺
の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比であ
る。
【0034】六角平板粒子は最大隣接辺比率が1.0〜
2.0であれば、その角が丸みを帯びていることも好ま
しい。角が丸味を帯びている場合の辺の長さは、その辺
の直線部分を延長し、隣接する辺の直線部分を延長した
線との交点との間の距離で表される。又、更に角がと
れ、略、円形の平板粒子となっていることも好ましい。
【0035】六角平板粒子の六角形を形成する各辺は、
その1/2以上が実質的に直線からなることが好まし
い。隣接辺比率が1.0〜1.5であることがより好ま
しい。
【0036】本発明のハロゲン化銀粒子乳剤の製造工程
において、ハロゲン化銀溶剤を用いることが好ましい。
好ましいハロゲン化銀溶剤としては(a)有機チオエー
テル類、(b)チオ尿素誘導体、(c)酸素又は硫黄原
子と窒素原子とに挟まれたチオカルボニル基を有するハ
ロゲン化銀溶剤、(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸
塩、(f)チオシアナートなどの他に、特開昭57−1
96228号に記載されるハロゲン化銀溶剤等が挙げら
れる。
【0037】以下、これらの具体的化合物例を示す。
【0038】
【化5】
【0039】特に好ましい溶剤としてはチオシアナート
及びテトラメチルチオ尿素が挙げられる。チオシアナー
トとしてはチオシアン酸金属塩やチオシアン酸アンモニ
ウム等の水溶性塩を一般に用いることができるが、金属
塩の場合には、写真性能に悪影響を及ぼさない金属元素
を用いるよう注意すべきであり、カリウム塩やナトリウ
ム塩などが好ましい。又、チオシアン酸銀のような難溶
性塩を微粒子の形態で添加してもよい。
【0040】ハロゲン化銀溶剤の添加位置としては乳剤
調製中のどの位置でもよいが、脱塩工程前と化学増感時
の両方に添加するのが好ましい。
【0041】用いられる溶剤の添加量は種類によっても
異なるが、例えばチオシアナートの場合、粒子形成時か
ら化学増感終了時迄の総添加量として、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-3モル〜5×10-2モルの範囲が好
ましい。
【0042】又、平板状ハロゲン化銀粒子において、ハ
ロゲン化銀溶剤の存在下で沃化銀を形成する際、沃化銀
は1.0モル%以下であるが、0.5モル%以下が好ま
しく、更に好ましくは0.4モル%以下である。又、
0.4モル%以下を脱塩工程前にハロゲン化銀溶剤存在
下で形成し、更に0.6モル%以下を化学熟成時に形成
させる方法も好ましい。
【0043】本発明において、(100)面を主平面と
する平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合、平板状ハロ
ゲン化銀粒子の主平面の形状は直角平行四辺形又は直角
平行四辺形の角が丸まった形状である。該直角平行四辺
形の隣接辺比は10未満であるが、好ましくは5未満、
更に好ましくは2未満である。又、角が丸みを帯びてい
る場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接
する辺の直線部分を延長した線との交点との間の距離で
表される。又、塩化銀の含有率は20モル%以上である
が、30〜70モル%が好ましい。沃化銀の含有率は
1.0モル%以下が好ましいが、0.5モル%以下が更
に好ましい。
【0044】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は転位を
有していてもよい。転位は例えばJ.F.Hamilt
on:Phot.Sci.Eng.,57(1967)
や、T.Shiozawa:J.Soc.Phot.S
ci.Japan,35,213(1972)に記載の
低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により
観察することができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発
生する程の圧力を掛けないよう注意して取り出したハロ
ゲン化銀粒子を、電子顕微鏡観察用のメッシュに載せ、
電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試
料を冷却した状態で透過法により観察を行う。この時、
粒子の厚みが厚い程、電子線が透過し難くなるので、高
圧型(0.25μmの厚さの粒子に対して200kV以
上)の電子顕微鏡を用いた方が、より鮮明に観察するこ
とができる。
【0045】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
製造工程に酸化剤を使用ことができる。酸化剤としては
下記のものが挙げられる。
【0046】過酸化水素(水)及びその付加物:H
22,NaBO2,H22−3H22,Na427−2
22,2Na2SO4−H22−2H2Oなど。ペルオ
キシ酸塩:K223,K223,K423,K2〔T
i(O2)C24〕−3H2O等。その他に過酢酸、オゾ
ン、沃素、臭素、チオスルホン酸系化合物などが挙げら
れる。これら酸化剤の添加時期は、ハロゲン化銀乳剤製
造工程中であれば何処でもよい。
【0047】本発明に用いるハロゲン化銀粒子には重金
属イオンを含有させると好ましい性能が得られる。例え
ば、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロ
ジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の周期表
第VIII族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀等の周期表第
II族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングス
テン、クロム等の各イオンが挙げられるが、中でも鉄、
イリジウム、白金、ルテニウム、オスミウムの遷移金属
イオンが好ましい。
【0048】これらの重金属イオンは、塩や錯塩の形で
ハロゲン化銀乳剤に添加することができる。中でも錯塩
の形で乳剤に添加される方がハロゲン化銀乳剤中に組み
込まれ易く、本発明の効果が大きくなり好ましい。
【0049】重金属イオンが錯体を形成する場合には、
その配位子としてシアン化物、チオシアン酸、イソチオ
シアン酸、シアン酸、塩化物、臭化物、沃化物、カルボ
ニル、アンモニア等の各イオンを挙げることができる。
中でも、チオシアン酸、イソチオシアン酸、シアン酸イ
オンが好ましい。
【0050】以下に本発明に好ましく用いられる重金属
化合物を示すが、これらに限定されるものではない。
【0051】(1)FeCl2,(2)FeCl3
(3)(NH4)Fe(SO42,(4)K3〔Fe(C
N)6〕,(5)K4〔Fe(CN)6〕,(6)K2〔I
rCl6〕,(7)K3〔IrCl6〕,(8)K2〔Pt
Cl6〕,(9)K2〔Pt(SCN)4〕,(10),
(11)K2〔PdCl6〕,(12)K3〔PdC
6〕,(13)CdCl2,(14)ZnCl2,(1
5)K2〔Mo(CO)4(CNO)2〕,(16)K
3〔Re(CNO)6〕,(17)K3〔Mo(CN
O)6〕,(18)K4〔Fe(CNO)6〕,(19)
2〔W(CO)4(CNO)2〕,(20)K2〔Cr
(CO)4(CNO)2〕,(21)K4〔Ru(CN
O)6〕,(22)K2〔Ni(CN)4〕,(23)P
bCl2,(24)K3〔Co(NH36〕,(25)K
5〔CO2(CNO)11〕,(26)K3〔Re(CN
O)6〕,(27)K4〔Os(CNO)6〕,(28)
2〔Cd(CNO)4〕,(29)K2〔Pt(CN
O)4〕,(30)K3〔IrBr6〕 ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるには、該
重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化
銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子形成後の物理熟成中
の各工程の任意の場所で添加すればよい。このためには
例えば重金属化合物を水溶液として置き、所望のタイミ
ングで添加すればよい。又、ハロゲン化銀物と一緒に溶
解して粒子形成工程の間に亘って連続的に添加してもよ
い。
【0052】重金属イオンのハロゲン化銀乳剤中への添
加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×1
-2モルが好ましく、特に1×10-8〜1×10-3モル
が好ましい。
【0053】ハロゲン化銀粒子の保護コロイド用分散媒
としてはゼラチンを用いることが好ましく、ゼラチンと
してアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、低分子量
ゼラチン(分子量が2万〜10万)、フタル化ゼラチン
等の修飾ゼラチンが用いられる。又、これ以外の親水性
コロイドも使用できる。具体的にはリサーチ・ディスク
ロージャ誌(以下、RDと言う)17643(1978
年12月)のIX項に記載されるものが挙げられる。
【0054】ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
成長時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あるい
は含有させたままでもよい。該塩類を除去する場合に
は、RD17643のII項に記載の方法に基づいて行う
ことができる。
【0055】本発明で用いられる分光増感色素は、前記
一般式(I)の色素を含めて分光増感機能を有するもの
なら任意に用いることができるが、分光増感色素をハロ
ゲン化銀乳剤粒子に吸着させ、反射スペクトルを測定し
たときに、J凝集帯の最大吸収波長が555nm以下で
あることが好ましい。
【0056】尚、緑色光を発する蛍光体を利用するX線
医療用感光材料への適用においては、本発明の分光増感
色素をハロゲン化銀乳剤粒子に吸着させ、その反射スペ
クトルを測定したときに蛍光体からの緑色光と同じ波長
域にJ−バンドが形成されるようにすることが好まし
い。即ち、最大吸収波長は好ましくは520〜555n
mの領域に於いて吸収が最大となるJ−バンドが形成さ
れるように分光増感色素を選択し組み合わせることが好
ましい。更に好ましくは530〜553nmで、最も好
ましくは540〜550nmである。
【0057】本発明の一般式(I)で表される分光増感
色素は本発明のハロゲン化銀写真乳剤層中に含有される
全分光増感色素量の30〜100重量%を占めることが
必要である。さらに高感度で、且つ、残色汚染の少ない
感光材料を得るには、分光増感色素の比率を感光材料中
の全分光増感色素量の40重量%以上含有させることが
好ましく、50重量%以上含有させることが更に好まし
い。
【0058】なお、本発明の分光増感色素の添加時の乳
剤PHは、3〜7であることが好ましい。本発明の分光
増感色素は有機溶媒で溶かして添加してもよいが、好ま
しくは固体微粒子として、若しくは酸性水溶液として添
加することである。
【0059】本発明の前記一般式(I)で表される分光
増感色素において、R1及びR3は置換もしくは非置換の
炭素数1〜3のアルキル基又はアルケニル基を表し、例
えばメチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル基等が
挙げられる。これら基への置換基の例としては例えば1
個以上のスルホン、スルフィド、カルボキシ、フルオ
ロ、アミド類、エステル類、シアノ、置換もしくは非置
換のアリール類及び分光増感色素に通常用いられる他の
置換基が挙げられる。
【0060】R2及びR4は置換もしくは非置換の炭素数
1〜6のアルキル基で例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基等が挙げられる。
2及びR4の置換アルキル基の例としては例えばスルホ
プロピル、スルホブチル、トリフルオロエチル、アリ
ル、2−ブチニル、N,N−ジメチルカルバモイルメチ
ル、メチルスルホニルカルバモイルメチル、シアノメチ
ル、シアノエチル、エトキシカルボニルメチル等が挙げ
られる。
【0061】Z1、Z2、Z3およびZ4で表される置換基
としては、例えば水素原子、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキル基
(例えばメチル、エチル、t−ブチル等の基)、アルコ
キシ基(例えばメトキシ基)、アルキルチオ基(例えば
メチルチオ基)、トリフルオロメチル基、シアノ基、カ
ルボキシ基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル基等)、アシル基(例
えばアセチル基)、スルホニル基(例えばメタンスルホ
ニル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル,N,
N−ジメチルカルバモイル、N−モルホリノカルボニル
基等)、スルファモイル基(例えばスルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル基等)、アセチルアミ
ノ基、アセチルオキシ基、アリール基等の基が挙げられ
る。
【0062】R2及びR4の置換基次第で、対イオンXは
色素分子の電荷を中和するために必要な場合がある。例
えば色素分子が2個のアニオン性置換基(例えば、スル
ホン基)で置換されるならば、Xはカチオンとなるであ
ろう。
【0063】色素分子が唯一のアニオン性置換基で置換
されるならば、対イオンX1は存在せず、色素分子がア
ニオン性置換基になるであろう。
【0064】斯かる対イオンは、当該技術分野において
周知であり、その例としてはカチオン類として例えばナ
トリウム、カリウム、トリエチルアンモニウム等、及び
アニオン類として例えば、クロール、ブローム、ヨウ
素、p−トルエンスルホネート、メタンスルホネート、
メチルサルフェート、エチルサルフェート、パークロレ
ート、フルオロボレート等が挙げられる。
【0065】次に本発明に使用される上記一般式(I)
で表される分光増感色素の具体例を挙げるが本発明に使
用できる化合物はこれらに限定されるものではない。
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】
【化8】
【0069】
【化9】
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】本発明に用いられ上記一般式(I)で表さ
れる分光増感色素は、オキサカルボシアニン色素と併用
することにより分光増感効果を更に高めることができ
る。併用できるオキサカルボシアニン色素の具体例を下
記に示す。
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】本発明の分光増感色素は他の分光増感色素
を併用して用いてもよい。用いられる色素としては、例
えばシアニン、メロシアニン、複合シアニン、複合メロ
シアニン、ホロポーラーシアニン、ヘミシアニン、スチ
リル及びヘミオキソノール類などの色素が包含される。
このうち特に有用な色素はシアニン、メロシアニン及び
複合メロシアニンに属する色素である。これらの色素類
は通常利用されている核のいずれをも適用できる。即
ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロ
ール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール
核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核など
で、これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核、即ち
インドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール
核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベ
ンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナ
ゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが適
用できる。これらの核は炭素原子上に置換基を有してい
てもよい。
【0076】メロシアニン色素又は複合メロシアニン色
素には、ケトメチン構造を有する核として、ピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオ
ン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜
6員異節環核を適用することができる。
【0077】なお、これらの分光増感色素とともにそれ
自身、分光増感性を持たない色素或いは可視光を実質的
に吸収しない物質であって、強色増感作用を示す物質を
乳剤層中に添加してもよい。
【0078】本発明における分光増感色素の添加量は、
色素の種類及びハロゲン化銀の構造、組成、熟成条件、
目的、用途などによって異なるが、ハロゲン化銀乳剤中
の各感光性粒子の表面の単分子層被覆率が30〜90%
になるようにすることが好ましく、更に40〜80%が
特に好ましい。単分子層被覆率は50℃にて吸着等温線
を作成したときの飽和吸着量を、被覆率100%に相当
する量として、相対的に決めることにする。
【0079】なおハロゲン化銀1モル当たりの適量とし
ては、乳剤中のハロゲン化銀粒子の総表面積により変化
するが、通常は50〜1000mgの範囲でよく、20
0〜600mgが特に好ましい。
【0080】増感色素の溶剤としては、従来用いられて
いる水混和性の有機溶剤が使用できる。例えば、アルコ
ール類、ケトン類、ニトリル類、アルコキシアルコール
類等が用いられてきた。具体例として、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、アセトン、アセトニトリ
ル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール
などがある。
【0081】また分光増感色素の分散剤として、従来界
面活性剤が用いられてきた。界面活性剤には、アニオン
型、カチオン型、ノニオン型、両イオン性型の界面活性
剤があるが、本発明においては、これらいずれの界面活
性剤も使用できる。
【0082】しかし本発明においては、有機溶媒の溶液
として添加する場合よりも、分光増感色素を固体微粒子
状の分散物として添加することにより効果が増大する。
特に、分光増感色素の少なくとも1種が実質的に有機溶
媒及び/又は界面活性剤が存在しない水系中に分散させ
た実質的に水に難溶性の固体微粒子分散物の状態で添加
されることが好ましい。
【0083】実質的に有機溶剤及び/又は界面活性剤が
存在しない水系とは、ハロゲン化銀写真乳剤に悪影響を
及ぼさない程度以下の不純物を含有する水であり、より
好ましくはイオン交換水及び蒸留水を指す。
【0084】本発明に係る分光増感色素の添加時期は化
学熟成工程時、特に好ましくは化学熟成開始時に行うこ
ともでき、また、本発明に係るハロゲン化銀乳剤の核形
成工程時から脱塩工程終了までに添加することによっ
て、分光増感効率の優れた高感度ハロゲン化銀乳剤が得
られるが、更に脱塩工程終了後から化学熟成工程を経て
塗布工程直前までのいずれかの時期に前記の工程(核形
成工程時から脱塩工程終了まで)に添加した色素と同一
もしくは別種の本発明に係る分光増感色素を追加して添
加しても良い。
【0085】本発明の効果を有効に利用するためには、
乳剤製造工程中の化学増感の際に前記一般式(I)の増
感色素と、その増感色素以外のハロゲン化銀吸着性物質
を共存させることが好ましい。
【0086】この増感色素と、増感色素以外のハロゲン
化銀吸着性物質は粒子形成中、粒子形成直後、後熟開始
前後などの何れの時期に添加してもよい。各々の添加時
期は別々でもかまわないが、化学増感剤(例えば金、硫
黄、セレン増感剤等)の添加されるより前、もしくは化
学増感剤と同時に添加されることが好ましく、少なくと
も化学増感が進行する過程で存在していることが必要で
ある。
【0087】ハロゲン化銀吸着性物質の添加条件として
は温度は30〜80℃の任意の温度でよいが、吸着性を
強化する目的で、30〜60℃の範囲が好ましい。乳剤
のpH、pAgも任意でよく、当業界で一般に行われて
いる条件で行うことができる。ここで言う増感色素以外
のハロゲン化銀吸着性物質とは、当業界では写真性能安
定剤及び抑制剤として使用されている化合物類で、例え
ば下記に示す化合物類が挙げられる。
【0088】アゾール類(例えばベンゾチアゾリウム
塩、ベンズイミダゾリウム塩、イミダゾール類、ベンズ
イミダゾール類、ニトロインダゾール類、トリアゾール
類、ベンゾトリアゾール類、テトラゾール類、トリアジ
ン類など):メルカプト化合物類(例えメルカプトチア
ゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプト
イミダゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メ
ルカプトベンゾオキサゾール類、メルカプトチアジアゾ
ール類、メルカプトオコサジアゾール類、メルカプトテ
トラゾール類、メルカプトトリアゾール類、メルカプト
ピリミジン類、メルカプトトリアジン類など):オキサ
ゾリンチオンのようなチオケト化合物:アザインデン類
(例えばトリアザインデン類、テトラザインデン類〔特
に4−ヒドロキシ置換の1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン類〕、ペンタザインデン類など):複素環基を有
するジスルフィド類などのようなカブリ防止剤、安定
剤、安定化剤として知られた多くの化合物をハロゲン化
銀吸着性物質として使用することができる。さらにプリ
ン類又は核酸類或いは特公昭61−36213号、特開
昭59−90844号などに記載の高分子化合物なども
利用し得る吸着性物質である。なかでも特にアザインデ
ン類とプリン類、核酸類は本発明に好ましく用いること
ができる。これら化合物の添加量はハロゲン化銀1モル
当たり0.1〜5.0ミリモルで、好ましくは0.5〜
3.0ミリモルである。下記に有効な化合物の具体例を
示す。
【0089】
【化14】
【0090】
【化15】
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】
【化19】
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、現像
開始点が粒子の頂点(角)及びその近傍に形成される平
板状粒子である。
【0099】本発明で言う頂点(角)とは、結晶学上実
質的に頂点(角)と判断される部位をいう。また、頂点
(角)及びその近傍とは、頂点(角)から平板状粒子の
主平面の最短辺の長さの1/4の距離以内を意味する。
【0100】平板状粒子の辺が直線でない粒子の場合に
は、その曲線の曲率から、頂点(角)に相当する位置を
推定し、同様な評価を行うことが可能である。
【0101】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の頂点(角)及びその近傍に現像開始点が形成されるよ
うにするためには、上記の化学増感剤による化学増感核
形成過程を物理的乃至化学的に制御することが必要であ
る。
【0102】尚、本発明において現像開始点の総数の6
0%以上が平板状ハロゲン化銀粒子の頂点(角)及びそ
れらの近傍に形成されるように化学増感を制御するため
には、ハロゲン化銀粒子乳剤に含有されている平板状ハ
ロゲン化銀粒子の個々のハロゲン化銀粒子の各頂点
(角)が構造及び組成の点において実質的に均一であ
り、かつ粒子間でも均一であるハロゲン化銀粒子乳剤を
使用することが望ましい。
【0103】更に、個々のハロゲン化銀粒子の各頂点
(角)において、有効な化学増感核が選択的にかつ一様
に形成されるよう制御することが望ましい。
【0104】物理的制御の具体的方法としては、化学増
感を施す工程の前または途中において、ハロゲン化銀粒
子に吸着する化合物、例えば、分光増感色素または/お
よび抑制剤或いは安定剤によりハロゲン化銀粒子の頂点
(角)及びその近傍以外の大部分を占める表面を被覆し
頂点(角)及びその近傍のみで化学増感剤が化学反応す
るように制御する方法が好ましい。
【0105】また、化学的制御の方法としては、化学増
感剤に反応サイトの選択性を持たせ、ハロゲン化銀粒子
の角及びその近傍で選択的に反応させる制御することが
好ましい。またこのような選択的反応を促進するため
に、ハロゲン化銀粒子の頂点(角)及びその近傍の化学
的組成、例えば、ハロゲンの種類または/及び含有率を
他の大部分の表面と異なるものにしておく方法も好まし
い。
【0106】更に、分光増感色素及び/または化学増感
剤の吸着状態乃至化学増感核形成の均一性および選択性
を増す効果的な制御方法の一つとして、該増感剤等の添
加時のハロゲン化銀粒子乳剤の温度は45℃以下、好ま
しくは、40℃以下にすることが良い。
【0107】尚、本発明における現像開始点は次のよう
に定義される。
【0108】まず、本発明の乳剤を使用する感材を実用
する際の通常の露光を施し、通常使用する現像液または
その希釈液を使用して、現像開始点が観察できる程度の
極短時間現像処理を行う。極短時間現像した後、直ちに
酢酸溶液に浸漬して現像を完全に停止させ、暗室中で感
材を乾燥させる。その後、ゼラチン分解酵素溶液にて粒
子を剥離し、遠心分離処理して電子顕微鏡観察用サンプ
ルを作製する。これを電子顕微鏡にて直接観察する。
尚、電子顕微鏡による観察時は光分解銀の生成を出来る
限り防止するために−160℃程度の極低温で観察する
ことが望ましい。
【0109】上記の現像開始点の観察において、露光を
施された任意の面積の感材のハロゲン化銀粒子乳剤層か
ら剥離されたハロゲン化銀粒子の総数(少なくとも10
00個)に対して少なくとも10%の粒子が現像開始点
を有することが観察できる程度の現像を施したときに、
観察された現像開始点の総数に対して頂点(角)及びそ
の近傍に形成された現像開始点の総数の比率(百分率)
が60%以上であることが好ましい。更に80%以上で
あることが好ましい。
【0110】尚、未現像粒子と現像が完了してしまった
粒子及びアスペクト比2未満の粒子は除外して確認しう
る現像開始点を有する全ハロゲン化銀粒子上の現像開始
点数を数えその総計を総数とする。
【0111】本発明において化学増感の工程の条件、例
えばpAg、温度、時間等については当業界で一般に行
われている条件で行うことができる。化学増感のために
銀イオンと反応しうる硫黄を含む化合物や活性ゼラチン
を用いる硫黄増感法、セレン化合物を用いるセレン増感
法、テルル化合物を用いるテルル増感法、還元性物質を
用いる還元増感法、金その他、貴金属を用いる貴金属増
感法等を単独または組み合わせて用いることができる
が、なかでも、セレン増感法、テルル増感法、還元増感
法等が好ましく用いられ、特に硫黄増感法、金増感法、
セレン増感法が好ましく用いられる。
【0112】化学増感に用いられるセレン増感剤は広範
な種類のセレン化合物を含む。有用なセレン増感剤とし
ては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類
(例えばアリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素
類(例えばN,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′
−トリエチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−
N′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリ
メチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレ
ノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロ
フェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類
(例えばセレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、
セレノアミド類(例えばセレノアセトアミド、N,N−
ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類
及びセレノエステル類(例えば2−セレノプロピオン
酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォス
フェート類(例えばトリ−p−トリセレノフォスフェー
ト等)、セレナイド類(ジエチルセレナイド、ジエチル
ジセレナイド、トリフェニルホスフィンセレナイド等)
が挙げられる。特に好ましいセレン増感剤は、セレノ尿
素類、セレノアミド類、セレンケトン類及びセレナイド
類である。しかし有機溶媒の溶液として添加する場合よ
りも、セレン増感剤を固体微粒子状の分散物として添加
することにより効果が増大する。
【0113】化学増感に用いられるテルル増感剤の例と
しては、テルロ尿素類(例えば、N,N−ジメチルテル
ロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキシエチ
ル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−ジメチ
ル−N′フェニルテルロ尿素)、ホスフィンテルリド類
(例えば、トリブチルホスフィンテルリド、トリシクロ
ヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフ
ィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテル
リド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、テルロ
アミド類(例えば、テルロアセトアミド、N,N−ジメ
チルテルロベンズアミド)、テルロケトン類、テルロエ
ステル類、イソテルロシアナート類などが挙げられる。
【0114】テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤
の使用技術に準じる。
【0115】本発明に於いては、還元増感を併用するこ
とも好ましい。該還元増感はハロゲン化銀粒子の成長途
中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法としては、
ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感を施
す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断した
状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハロゲ
ン化銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0116】本発明ではセレン化合物やテルル化合物で
増感することができるが、更に硫黄化合物や金塩のごと
き貴金属塩による増感もできる。また還元増感すること
もできるし、またこれらの方法を組み合せて増感するこ
ができる。
【0117】本発明において適用できる硫黄増感剤とし
ては例えば1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチ
オ尿素、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素
などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチアカル
バミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体など
が好ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体としては
斜方晶系に属するα硫黄が好ましい。
【0118】金増感剤としては塩化金酸、チオ硫酸金、
チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン類、
その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0119】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4モル〜1×10-9モルでよく、好
ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。
【0120】硫黄増感剤及び金増感剤の添加方法は、水
或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒に溶解
し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の溶媒或
いは、ゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散させ
て得られる分散物の形態で添加してもよい。硫黄増感及
び金増感の両者を同時に施してもよく、また、別々にか
つ段階的に施してもよい。後者の場合、硫黄増感を適度
に施した後に、或いはその途中に於いて、金増感を施す
と好ましい結果が得られることがある。
【0121】還元増感はハロゲン化銀乳剤のハロゲン化
銀粒子の内部に施されるように、ハロゲン化銀粒子の製
造工程にて還元剤及び/又は水溶性銀塩を添加すること
によって行われることが好ましい。尚、ハロゲン化銀製
造後に、該ハロゲン化銀粒子の表面に還元増感を施した
場合にも好ましい性能が得られることもある。
【0122】還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ
尿素およびアスコルビン酸およびそれらの誘導体が挙げ
られる。また別の好ましい還元剤としてはヒドラジン、
ジエチレントリアミンの如きポリアミン類、ジメチルア
ミンボラン類、亜硫酸塩類等が挙げられる。還元剤の添
加量は還元増感剤の種類、ハロゲン化銀粒子の粒径、組
成及び晶癖、反応系の温度、pH、pAgなどの環境条
件によって変化させることが好ましいが、例えば二酸化
チオ尿素の場合は、大凡の目安としてハロゲン化銀1モ
ル当たり約0.01〜2mgを用いると好ましい結果が
得られる。
【0123】アスコルビン酸の場合は、ハロゲン化銀1
モル当たり約50mg〜2gの範囲が好ましい。還元増
感の条件としては温度は約40〜70℃、時間は約10
〜200分、pHは約5〜11、pAgは約1〜10の
範囲が好ましい(尚ここで、pAg値はAg+イオン濃
度の逆数である)。
【0124】水溶性銀塩としては硝酸銀が好ましい。水
溶性銀塩の添加により、還元増感技術の一種であるいわ
ゆる銀熟成が行われる。銀熟成時のpAgは1〜6が適
当であり、好ましくは2〜4である。温度、pH、時間
などの条件は上記の還元増感条件範囲が好ましい。
【0125】還元増感を施されたハロゲン化銀粒子を含
むハロゲン化銀乳剤の安定剤としては一般的な安定剤を
用いることが出来るが、特開昭57−82831号に開
示されている酸化防止剤及びV.S.Gahler著の
論文[Zeitshriftfur wissensc
haftliche PhotographieBd.
63,133(1969)]及び特開昭54−1019
号に記載されているチオスルフォン酸類を併用するとし
ばしば良好な結果が得られる。尚、これらの化合物の添
加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの乳剤製造
工程のどの過程でもよい。
【0126】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有す
る層ないし該乳剤層以外の構成層のいずれか任意の少な
くとも1層に現像処理中に脱色及び/又は流出可能な染
料を含有させると高感度、高鮮鋭度で、かつ色素ステイ
ンの少ない感光材料が得られる。染料としては感光材料
に応じて、所望の波長を吸収して該波長の影響を除くこ
とにより、鮮鋭性を向上させ得るような染料から適宜に
選択して使用することが出来る。該染料は感光材料の現
像処理中に脱色若しくは流出し、画像完成時には着色が
視認出来ない状態となっていることが好ましい。
【0127】感光材料に用いられる染料は、pH7以下
で実質的に水に不溶性でpH8以上で、且つ実質的に水
溶性なものが好ましい。
【0128】本発明のハロゲン化銀感光材料には、各種
の写真用添加剤を用いることができる。公知の添加剤と
しては例えばRDNo.17643(1978年12
月)、同No.18716(1979年11月)及び同
No.308119(1989年12月)に記載された
化合物が挙げられる。これら三つのRDに示されている
化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0129】
【表1】
【0130】尚、本発明のハロゲン化銀乳剤は、乳剤層
またはその他の層のある層に現像薬、例えばアミノフェ
ノール、アスコルビン酸、ピロカテコール、ハイドロキ
ノン、フェニレンジアミンまたは3−ピラゾリドンを含
んでもよい。
【0131】感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD−17643の28頁及びRD
−308119の1009頁に記載されているものが挙
げられる。好ましい支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートなどでどれを施してもよい。また下塗層に酸化
スズゾルなどの帯電防止改良剤を含有することが好まし
い。
【0132】本発明の写真感光材料は支持体の両面にハ
ロゲン化銀乳剤層及びクロスオーバーカット層を設ける
と、高感度、高鮮鋭性で、かつ処理性の優れる感光材料
を得られる。ハロゲン化銀乳剤層、表面保護層、その他
の層のゼラチン量は、支持体の片側の合計で0.5〜
3.5g/m2の範囲であることが好ましく、特に1.
5〜3.0g/m2の範囲が好ましい。
【0133】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は固体
処理剤を用いて連続処理される。ここで言う固体処理剤
とは、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤
であり、必要に応じ防湿加工を施したものである。粉末
とは微粒結晶の集合体のことで、顆粒とは、粉末に造粒
工程を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物
のことをいう。又、錠剤とは粉末又は顆粒を一定の形状
に圧縮成型したもののことを言う。
【0134】写真性能の変動原因として、自動現像機中
の現像液の開口係数を小さくすることが有効である。特
に開口係数が80cm2/リットル以下が好ましい。
【0135】即ち、開口係数が80cm2/リットルを
超えると未溶解の固体処理剤や溶解した直後の濃厚な液
が空気酸化を受け易くその結果、不溶物やスカムが発生
し、自動現像機あるいは処理される感光材料を汚染する
などの問題を発生するが、開口係数が80m2/リット
ル以下であると、これらの問題が解決される。
【0136】なお、ここで言う開口係数は、処理液単位
体積当たりの空気との接触面積で表され、単位は(cm
2/リットル)である。開口係数は80cm2/リットル
以下が好ましく、より好ましくは50〜3cm2/リッ
トルであり、さらに好ましくは35〜10cm2/リッ
トルである。
【0137】開口係数は一般に空気遮断する樹脂等を浮
きブタとすることで小さくしたり、また、特開昭63−
131138号、同63−216050号、同63−2
35940号とに記載のスリット型現像装置によって小
さくできる。
【0138】また、本発明の自現機においては、感光材
料の現像処理が終了して感光材料搬送手段の駆動停止が
行われても、その停止のときから処理剤が溶解するのに
必要な所定の時間ポンプの駆動が継続されて処理液の循
環が行われることが好ましい。現像処理終了からポンプ
を駆動させている時間としては2時間以内が好ましく、
特に好ましいのは10〜70分の範囲であり、この範囲
の中でも特に15分〜50分の範囲が好ましい。この時
間は、あまり長いと使い勝手、省エネ、処理液の劣化や
フィルター目詰まり等種々の観点から好ましくない。逆
にあまり短いと固体処理剤の溶解が不充分となる。
【0139】写真処理剤を固体化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる。
【0140】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0141】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μm
のものを用いることが好ましく、より好ましくは200
〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の6
0%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが
好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公
知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロー
タリー式打錠機、ブリケッテングマシンを用いることが
出来る。加圧圧縮されて得られる固形処理剤は任意の形
状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点
から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題か
らは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0142】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0143】固体処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点
と、効果の点から錠剤である場合1.0〜2.5g/c
3が好ましい。1.0g/cm3より大きいと得られる
固形物の強度の点で好ましく、2.5g/cm3より小
さいと得られる固形物の溶解性の点でより好ましい。固
体処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.40〜
0.95g/cm3のものが好ましい。
【0144】固体処理剤は現像剤、定着剤、リンス剤等
写真用処理剤に用いられるが、本発明の効果、とりわけ
写真性能を安定化させる効果が大きいのは現像剤であ
る。
【0145】本発明に用いられる固体処理剤は、ある処
理剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に
入るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されてい
ることである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0146】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機
に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点から
も好ましい。
【0147】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。
又、2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら
複数の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好まし
い。
【0148】本発明において固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば、固体処理剤が錠剤であ
る場合、実開昭63−137783号、同63−975
22号、実開平1−85732号等に記載の公知の方法
があるが、要は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低
限付与されていればいかなる方法でも良い。又固体処理
剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−8196
4号、同63−84151号、特開平1−292375
号、記載の重力落下方式や実開昭63−105159
号、同63−195345号等記載のスクリュー又はネ
ジによる方式が公知の方法としてあるが、これらに限定
されるものではない。
【0149】好ましい方法としての固体処理剤を処理槽
に供給する供給手段としては、例えば予め秤量し分割包
装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理量に応じ
て包装体を開封、取出す方法が考えられる。具体的に
は、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の補充量
ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される包装体
に挟持収納されており、包装体を2方向に分離もしくは
包装体の一部を開封することにより取出し可能状態にす
る。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下により容易
に濾過手段を有する処理槽に供給することができる。所
定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との通気性
が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に収納さ
れているため開封しなければ防湿が保証されている。
【0150】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0151】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0152】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。又供給停止信号は所定量の供給が完了し
た情報を検出することにより得る。また、処理剤が分包
されていて開封が必要な場合には得た供給開始信号に基
づき分離又は開封するための駆動手段が動作し、供給停
止信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が停止
するよう制御できる。
【0153】上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手
段を有しており、本発明においては重要な要件である。
すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成
分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させる為に必要
である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、
処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量
あるいは、処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理
量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量
に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接
的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入さ
れる前、後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミン
グで検出されても良い。さらに、処理液中の組成の濃度
あるいは濃度変化やpHや比重などの物理的パラメータ
ーであってもよい。又処理液の乾燥後、外部に出た量で
もよい。
【0154】固体処理剤を投入する場所は処理槽中であ
ればよいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部
と連通し、該処理部との間を処理液が流通している場所
であり、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり
溶解した成分が処理部に移動する構造が好ましい。固体
処理剤は温調されている処理液中に投入されることが好
ましい。
【0155】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は実質
的にジヒドロキシベンゼン系主薬を含有しないで、前記
一般式(II)で表される化合物を主薬とした現像液で処
理されることが好ましい。なお、ここで実質的にジヒド
ロキシベンゼン系主薬を含有しないとは、現像能力を有
する量を含有しないことを指す。
【0156】前記一般式(II)で表される化合物は、現
像液1リットル当たり0.005〜0.5モルを用いる
のが好ましく、より好ましくは0.02〜0.4モルで
ある。
【0157】前記一般式(II)の具体的化合物例として
は下記に示すものが挙げられるが本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0158】
【化23】
【0159】
【化24】
【0160】
【化25】
【0161】本発明に於ける現像液の保恒剤としては亜
硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いることがで
きる。現像液にはアミン化合物を添加することもでき、
米国特許4,269,929号記載の化合物が特に好ま
しい。
【0162】現像液には、緩衝剤を用いることが必要
で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウ
ム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナト
リウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ
酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナト
リウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息
香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナ
トリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−ス
ルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサ
リチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0163】又、現像促進剤としては、チオエーテル系
化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモ
ニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合
物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−
3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて
添加することができる。
【0164】カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使
用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニ
トロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾー
ル、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベン
ゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾー
ル、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、イン
ダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如
き含窒素ヘテロ環化合物などが挙げられ、代表例として
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを挙げるこ
とができる。
【0165】さらに、本発明に用いられる現像剤組成物
には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノール、
アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン
化合物、その他現像主薬の溶解度を上げるための有機溶
剤を使用することができる。さらに、現像液にはステイ
ン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加
剤を用いることができる。
【0166】本発明に使用される定着剤は定着剤として
公知の化合物を添加できる。定着主薬やキレート剤、p
H緩衝剤、硬膜剤、保恒剤などが添加できる。
【0167】現像液には処理に先立ち、スターターを添
加することも好ましく、スターターを固形化して添加す
ることも好ましい。スターターとしてはポリカルボン酸
化合物の如き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金
属のハロゲン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられ
る。
【0168】本発明において現像処理温度は、好ましく
は25〜50℃で、より好ましくは30〜40℃であ
る。現像時間は3〜15秒であり、より好ましくは4〜
10秒である。全処理時間はDry to Dryで好
ましくは10〜30秒、より好ましくは15〜30秒で
ある。全処理時間とは、感光材料を現像、定着及び乾燥
工程を含む処理時間である。
【0169】本発明における現像処理液補充は、処理剤
疲労と酸化疲労相当分を補充する。補充法としては、
幅、送り速度による補充、面積補充でもよく、好ましい
補充量は50〜150ml/m2である。
【0170】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は高感
度増感紙で挟みX線撮影することができる。
【0171】本発明で言う高感度増感紙(放射線増感ス
クリーンとも言う)は、蛍光体層中における蛍光体の充
填率が68%以上であって、好ましくは70%以上であ
り、さらに好ましくは72%以上であるものを言う。
【0172】また蛍光体層の厚みは150μm以上、2
50μm以下である。ここで蛍光体層の厚みが150μ
m未満であると鮮鋭性が急激に劣化する。
【0173】増感スクリーンは、傾斜粒径構造で蛍光体
を充填することが好ましい。特に表面保護層側に大粒径
の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子
を塗布することが好ましく、小粒径のものは0.5〜
2.0μmで、大粒径のものは10〜30μmの範囲が
好ましい。
【0174】本発明に使用する放射線増感スクリーン
は、蛍光体粒子の充填率を高めることでそれぞれの放射
線増感スクリーンのX線吸収が蛍光体層の厚み100μ
m当たりX線吸収率は30%以上であることが好まし
い。なおX線吸収量は次のようにして求めた。即ち、3
相の電力供給で固有濾過がアルミニウム2.2mm相当
のX線発生装置から80kVpで運転されるタングステ
ン・ターゲットから生じたX線を厚さ3mmの純度99
%以上のアルミニウム板を透過させ、ターゲット管のタ
ングステンアノードから200cmの位置に固定した放
射線増感スクリーンに到着させ、次いでその放射線増感
スクリーンの蛍光体層から50cm後の位置で電離型線
量計を用いて測定しX線吸収量を求めた。基準としては
増感スクリーンを透過させないで測定した上記測定位置
でのX線量を用いた。
【0175】放射線増感スクリーンに用いられる好まし
い結合剤としては熱可塑性エラストマーが挙げられる。
具体的にはポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチ
レン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴ
ム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−
ブタジエンゴム及びシリコンゴムからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。なお蛍光体の充填率は、支持体上に形成された蛍光
体層の空隙率から通常の方法で求めることができる。
【0176】本発明に係る放射線増感スクリーンに用い
られる好ましい蛍光体としては以下に示すものが挙げら
れる。
【0177】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土
類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:T
b、La22S:Tb、(Y、Gd)22S:Tb、T
m等〕、テルビウム賦活希土類隣酸塩系蛍光体(YPO
4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テ
ルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体LaO
Br:Tb、LaOBr:Tb、Tm、LaOCl:T
b、LaOCl:Tb、TmGdOBr:Tb、GdO
Cr:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化
物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm
等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、BaSO4:E
2+、(Ba、Sr)SO4:Eu2+等〕、2価のユー
ロビウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体〔Ba3
(PO42:Eu2+、(Ba、Sr)3、(PO42
Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaFCl:Eu2+、Ba
FBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+、Tb、BaFB
r:Eu2+、Tb、BaF2、BaCl2、XBaS
4、KCl:Eu2+、(Ba、Mg)F2、BaC
2、KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CSI:
Na、CSI:Tl、NaI、KI:Tl等)硫化物系
蛍光体〔ZnS:Ag、(Zn、Cd)S:Ag、(Z
n、Cd)S:Cu、(Zn、Cd)S:Cu、Al
等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP2O7:Cu
等)、ただし本発明に用いられる蛍光体はこれらに限ら
れものではなく、放射線の照射により可視または近紫外
領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0178】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが本発明
はこれらによって限定されるものではない。
【0179】実施例1 乳剤−1(沃臭化銀六角平板状粒子)の調製 A1 オセインゼラチン 75.5g 界面活性剤(A)※の10%エタノール水溶液 6.78ml 臭化カリウム 64.7g 水で10800mlに仕上げる B1 0.7N硝酸銀水溶液 1340ml C1 2.0N硝酸銀水溶液 1500ml D1 1.3N臭化カリウム水溶液 410ml E1 2.0N臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 オセインゼラチン 125g 水 4000ml G1 KSCN水溶液(2N) 30ml H1 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm) から成る微粒子乳剤(※) 0.008モル相当 界面活性剤(A)※:ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネ ート・ナトリウム塩 微粒子乳剤(※):0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン 水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸銀と7.06モルの沃化カリウ ムを含む水溶液、それぞれ2リットルを10分間かけて添加した。微粒子形成中 のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸 ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調整した。
【0180】55℃で特公昭58−58288号、同5
8−58289号に示される混合撹拌機を用いて溶液
(A1)に溶液(B1)を400ml及び溶液(D1)
全量を同時混合法により40秒を要して添加し、核形成
を行った。
【0181】溶液(B1)及び溶液(D1)の添加終了
後、溶液(F1)を添加し、70℃まで昇温し熟成を行
う。更に溶液(B1)の残量を25分かけて添加した
後、28%アンモニア水溶液を用いて10分間熟成を行
い、酢酸にてpHを中性に戻す。溶液(C1)と(E
1)をpAg=7.8に保ちながら、臨界成長速度に見
合った速度で同時添加混合し、(C1)を全量添加した
後に(G1)と(H1)を添加した。5分間撹拌した
後、沈降法にて可溶性塩類を脱塩除去した。
【0182】この乳剤は、ハロゲン化銀粒子の全投影面
積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角
平板粒子より成り、六角平板粒子の平均厚さは0.20
μm、平均粒径(円直径換算)は0.80μmであるこ
とを電子顕微鏡にて確認した。また、円相当径の分布は
15%であった。
【0183】引き続き、上記の乳剤Em−1を所定量に
分割し、温度を55℃にし、下記の3種類の増感処方に
より分光増感及び化学増感増感を施した。
【0184】増感処方A:ハロゲン化銀に吸着する化合
物として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン(TAI)及び下記化合物Y−1
を添加した後、表2に示したように分光増感色素の所定
量、下記のチオシアン酸アンモニウム水溶液、塩化金酸
水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液、トリフェニルホス
フィンセレナイド及びブチル−ジイソプロピルホスフィ
ンテルリドの固体微粒子状分散物を加え20分間撹拌
し、その後、沃化銀微粒子乳剤を0.2mol%添加し
て、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤と
して1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール(PM
T)及び(TAI)を添加した。
【0185】増感処方B:上記処方Aにおいて化合物
(Y−5)及びTAIを添加しなかった以外は同様の条
件で行った。
【0186】増感処方C:上記処方Bにおいて分光増感
色素添加を硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤及
び金増感剤などによる化学増感工程の終了20分前を添
加した。下記に添加した化合物の量(ハロゲン化銀1モ
ル当たり)を示す。
【0187】 化合物(例示Y−5) 1.5mg 分光増感色素 表2に示す (TAI) 200mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸 18.5mg チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15.0mg トリフェニルホスフィンセレナイド 3.0mg ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド 0.5mg 沃化銀微粒子 0.1モル% 安定剤(PMT) 10mg 安定剤(TAI) 100mg 尚、分光増感色素は固体微粒子状分散物として、分光増
感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え、高速
撹拌機(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜
120分間にわたって撹拌することによって得たものを
使用した。
【0188】得られた乳剤に後記した添加剤を加え乳剤
層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液も調製
し、両塗布液を用いて塗布量が片面当たり銀量が1.6
g/m2、ゼラチン付き量は2.5g/m2となるように
2台のスライドホッパー型コーターを用い毎分80mの
スピードで支持体上に両面同時塗布を行い、2分20秒
で乾燥し試料No.1〜21を得た。支持体としてはグ
リシジメタクリレート50wt%、メチルアクリレート
10wt%、ブチルメタクリレート40wt%の3種モ
ノマーからなる共重合体の濃度が10wt%になるよう
に希釈して得た共重合体水性分散液及びコロイド状酸化
スズ分散液(特願平7−231445号記載)の混合液
を下引き液とした175μmのX線フィルム用の濃度
0.15に青色着色したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムベースを用いた。
【0189】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はm2当たりの量で示した。
【0190】 第1層(染料層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg ゼラチン 0.2g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg 化合物(I) 5mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0191】 化合物(G) 0.5mg 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 5mg t−ブチル−カテコール 130mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg トリメチロールプロパン 350mg ジエチレングリコール 50mg ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg 化合物(H) 0.5mg n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg 化合物(M) 5mg 化合物(N) 5mg コロイダルシリカ 0.5g ラテックス(L) 0.2g デキストリン(平均分子量約1000) 0.1g デキストラン(平均分子量約40000) 0.1g 但し、ゼラチンの塗設量が0.8g/m2になるように
調整した。
【0192】 第3層(保護層) 固体微粒子分散体染料 50mg ゼラチン 0.8g (TAI) 表2に示す量 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤 (面積平均粒径7.0μm) 50mg ホルムアルデヒド 20mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンンナトリウム 10mg ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg ラテックス(L) 0.2g ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g ポリアクリル酸ナトリウム 30mg ポリシロキサン(SI) 20mg 化合物(I) 12mg 化合物(J) 2mg 化合物(S−1) 7mg 化合物(K) 15mg 化合物(O) 50mg 化合物(S−2) 5mg C919−O−(CH2CH2O)11−H 3mg C817SO2N−(C37)(CH2CH2O)15−H 2mg C817SO2N−(C37)(CH2CH2O)4−(CH24SO3Na 1mg
【0193】
【化26】
【0194】
【化27】
【0195】
【化28】
【0196】得られた試料No.1〜21を用いて写真
特性を評価した。まず試料を2枚の蛍光増感紙(コニカ
〔株〕製、KO−250)で挟み、アルミウエッジを介
して管電圧80kVp、管電流100mA、0.05秒
間のX線を照射し露光した。
【0197】次いで自動現像機(コニカ〔株〕製、SR
X−502)を用い下記処方の現像液及び定着液で処理
した。
【0198】尚、以下の操作(A,B)に従って現像補
充用錠剤を作成した。
【0199】操作(A) 比較例として、現像主薬のハイドロキノン3000gを
市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム3000g、亜
硫酸カリウム2000g、ジメゾンS1000gを加え
ミル中で30分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温に
て約10分間、30mlの水を添加することにより造粒
した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥
して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにし
て調製した造粒物にポリエチレングリコール6000の
100gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で
混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混
合物を菊水製作所〔株〕製タフプレストコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を
3.84gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補
充用錠剤A剤を作成した。
【0200】操作(B) DTPA100g、炭酸カリウム4000g、5−メチ
ルベンゾトリアゾール10g、1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール7g、2−メルカプトヒポキサンチ
ン5g、KOH200g、N−アセチル−D,L−ペニ
シラミンを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添
加量は30.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して得られた混合物を上記と同様の打錠機により1錠当
たりの充填量を1.73gにして圧縮打錠を行い、25
00個の現像補充用錠剤B剤を作成した。
【0201】次に以下の操作で定着用補充用錠剤を作成
した。
【0202】操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/3
0重量比)14000g、亜硫酸ナトリウム1500g
を(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合
する。次に(A)と同様にして、水の添加量を500m
lにして造粒を行う。造粒後、造粒物を60℃で30分
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして、調整した造粒物にN−ラウロイルアラニンナ
トリウム4gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿
された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に得ら
れた混合物を上記と同様の打錠機により1錠当たりの充
填量を6.202gにして圧縮打錠を行い、2500個
の定着補充用錠剤A剤を作成した。
【0203】操作(D) ほう酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩150
0g、酢酸水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウムを
等モル混ぜ乾燥させたもの)3000g、酒石酸200
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
100mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調
整したものにN−ラウロイルアラニンナトリウム4gを
添加し、3分間混合した後、得られた混合物を上記と同
様の打錠機により1錠当たりの充填量を4.562gに
して圧縮打錠を行い、1250個の定着補充用錠剤B剤
を作成した。
【0204】現像液 スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 水を加えて1Lとした。
【0205】現像液の処理開始(ランニング開始)時に
は現像用錠剤を希釈水で希釈調製した現像液16.5リ
ットルに対してスターター330mlを添加した液をス
タート液として現像槽を満たして処理を開始した。尚、
スターターを添加した現像液のpHは10.45であっ
た。
【0206】先に調製した感光材料に現像処理後の光学
濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを行
った。ランニングには自動現像機SRX−502に固体
処理剤の投入部材をつけ処理速度が15秒で処理できる
ように改造したものを用いた。
【0207】ランニング中は現像液には感光材料0.6
2m2当たり上記A、B剤が各2個と水を76mlを添
加して行った。A、B各々を38mlの水に溶解したと
きのpHは10.70であった。定着液には感光材料
0.62m2当たり上記C剤を2個とB剤を1個及び水
を74ml添加した。各処理剤1個に対して水の添加速
度は処理剤の添加とほぼ同時に開始し処理剤の溶解速度
におよそ比例して10分間等速で添加した。
【0208】 処理条件 現 像 39℃ 6.0秒 定 着 36℃ 4.5秒 水 洗 35℃ 4.5秒 スクイズ 1.5秒 乾燥 50℃ 2.5秒 計 19.0秒 現像液 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 30g ジメゾンS 10g ジエチレントリアミンペンタアセティックアシッド・5Na 1g (DTPA) 臭化カリウム 1g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.1g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.07g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.05g 亜硫酸ナトリウム 30.g 亜硫酸カリウム 25g KOH 2g ジエチレングリコール 50g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.1g これらを300mlの水に溶解し最後に純水で400m
lに仕上げた。この濃縮液を水で1リットルに希釈して
補充液とした。この補充液のpHは10.70であっ
た。
【0209】定着液 チオ硫酸ナトリウム 42.0g チオ硫酸カリウム 98.0g 亜硫酸ナトリウム 15.0g ホウ酸 10.0g 酢酸水素ナトリウム 30.0g 氷酢酸 17.3g 酢酸ナトリウム 12.7g 酒石酸 2.0g これらを400mlの水に溶解し最後に純水で500m
lに仕上げた。この濃縮液を水で1リットルに希釈して
補充液とした。この補充液のpHは4.50であった。
【0210】(感度の評価)同種の分光増感色素を併用
した試料No.1〜7、8〜14、15〜21の各群に
おいて、試料No.1、8及び15の試料の感度をそれ
ぞれ100として相対的に表した。
【0211】(銀色調の評価)銀画像の色調の評価は、
35cm×43cmの各試料を、透過光黒化濃度が1.
0になるようにタングステン光で均一に露光した後、上
記の現像処理を行い、処理後のフィルム試料を下記の5
段階評価で黄色味の程度を目視評価した。尚、残色性は
同じ試料の未露光部分の赤色味を銀画像の評価と同様の
方法により評価した。
【0212】評価ランク 1:黄色味又は赤色味が強く、明らかに実用に耐えない 2:黄色味又は赤色味が幾らか認められ、実用上問題に
なる懸念がある 3:黄色味又は赤色味が少し認められるが、通常の条件
下では実用できる 4:黄色味又は赤色味が殆ど認められず実用上問題にな
らない 5:黄色味又は赤色味が全く認められない (現像開始点の評価)現像開始点は上記現像液を50倍
に希釈し、6秒間の現像処理を施した後、氷酢酸の5%
水溶液槽に移して停止し、その後、ハロゲン化銀粒子の
電子顕微鏡写真により観察して評価した。表中の現像開
始点要件とは、観察された現像開始点の総数に対しての
平板状粒子の頂点(角)ないしその近傍に形成された現
像開始点の比率を示す。
【0213】得られた結果を下記の表2、3に示す。
【0214】
【表2】
【0215】
【表3】
【0216】この結果から、本発明に係る試料は高感度
であり、かつ銀画像の色調及び残色性において優れてい
ることが分かる。
【0217】尚、現像主薬としてハイドロキノンの代わ
りにエリソルビン酸ナトリウムを用いての現像処理条件
(実施例2参照)においても同様な効果が得られ、本発
明の感材は現像処理条件の影響を受けにくいことが確認
された。
【0218】実施例2 乳剤−2(塩沃化銀平板状粒子)の調製 A2 オセインゼラチン 75.0g 沃化カリウム 1.25g 塩化ナトリウム 33.0g 蒸留水で15000mlとする B2 硝酸銀 410g 蒸留水で684mlとする C2 硝酸銀 11590g 蒸留水で19316mlとする D2 沃化カリウム 4g 塩化ナトリウム 140g 蒸留水で684mlとする E2 塩化ナトリウム 3980g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを8×10-6
モル 蒸留水で19274mlとする 40℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号に示される混合撹拌機中の溶液(A2)に
溶液(B2)と(D2)の全量を1分間かけて添加し
た。EAgを149mVに調整し、20分間オストワル
ド熟成した後に溶液(C2)と(E2)の全量を320
分かけて添加した。その間、EAgは149mVに制御
した。
【0219】添加終了後、直ちに脱塩、水洗を行った。
このように作製した乳剤−2は、ハロゲン化銀粒子の全
投影面積の65%が(100)面を主平面とする平板状
粒子より成り、平均厚さ0.14μm、平均直径1.0
μm、変動係数は25%であることが電子顕微鏡観察に
より判明した。
【0220】引き続き、上記の乳剤Em−21を所定量
に分割し、温度を55℃にし、下記の3種類の増感処方
により分光増感及び化学増感増感を施した。
【0221】増感処方A:ハロゲン化銀に吸着する化合
物として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン(TAI)及び前記の化合物Y−
1を添加した後、表4に示したように分光増感色素の所
定量、下記のチオシアン酸アンモニウム水溶液、塩化金
酸水溶液、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿
素、トリフェニルホスフィンセレナイド及びブチル−ジ
イソプロピルホスフィンテルリドの固体微粒子状分散物
を加え20分間撹拌し、その後、臭化銀微粒子乳剤を
0.1モル%添加して、総計2時間の熟成を施した。熟
成終了時に安定剤として1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾール(PMT)及び(TAI)を添加した。
【0222】増感処方B:上記処方Aにおいて前記の化
合物Y−5及びTAIを添加しなかった以外は同様の条
件で行った。
【0223】増感処方C:上記処方Bにおいて分光増感
色素添加を硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤及
び金増感剤などによる化学増感工程の終了20分前を添
加した。
【0224】下記に添加した化合物の量(ハロゲン化銀
1モル当たり)を示す。
【0225】 化合物(Y−5) 10.0mg 分光増感色素 表4に示す (TAI) 50mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸(金増感剤) 25.5mg 1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素(硫黄増感剤) 5.0mg トリフェニルホスフィンセレナイド(セレン増感剤) 3.0mg ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド(テルル増感剤) 0.5mg 臭化銀微粒子 0.1モル% 安定剤(PMT) 10mg 安定剤(TAI) 100mg 尚、分光増感色素は固体微粒子状分散物として分光増感
色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え高速撹拌
機(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜12
0分間にわたって撹拌することによって得た。
【0226】このようにして実施例1と同様にして横断
光遮光層塗布液、保護層塗布液も調製し、得られた塗布
液を実施例1と同じ支持体を用い同様に両面塗布して乾
燥し、表4に示す感光材料試料を作製した。
【0227】
【表4】
【0228】 (高感度増感紙(SP−2)の製造) 蛍光体Gd22S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合剤ポリウレタン系熱可塑性エラストマーデモラックTPKL−5−2625 〈固形分40%〉(住友バイエルウレタン〔株〕製) 20g ニトロセルロース(消化度11.5%) 2g 上記にメチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサ
ーで分散させて粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形
成用塗布液を調製した(結合剤/蛍光体比=1/2
2)。
【0229】また、別途に下塗層形成用塗布液として軟
質アクリル樹脂固形分90g、ニトロセルロース50g
をメチルエチルケトンに加え分散、混合して粘度が3〜
6PS(25℃)の分散液を調製した。
【0230】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い、支持
体上に下塗層を形成した(塗布膜の厚さ15μm)。
【0231】この上に上記の蛍光体層形成用塗布液をド
クターブレードを用いて膜厚240μmの厚みで均一に
塗布乾燥し次いで圧縮を行った。圧縮はカレンダーロー
ルを用いて300kgW/cm2の厚力、80℃の温度
で行った。この圧縮の後、特開平6−75097号の実
施例1記載の方法で厚さ3μmの透明保護膜を形成し
た。得られたスクリーンの特性は蛍光体厚み160μ
m、蛍光体充填率68%、鮮鋭度(CTF)48%であ
った。
【0232】各試料を上記の方法により製造した蛍光増
感紙で挟み、実施例1と同様に露光・現像処理を行い同
様の評価をした。但し、現像処理は以下の方法によって
行った。
【0233】以下の操作に従って現像用錠剤を作成し
た。
【0234】操作(A) 現像主薬のエリソルビン酸ナトリウム13000gを市
販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕
する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム4877g、フェ
ニドン975g、DTPA(ジエチレントリアミン五酢
酸・5ナトリウム)1635gを加え、ミル中で30分
間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、
30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0235】調製した造粒物に、ポリエチレングリコー
ル6000の2167gを、25℃・40%RH以下に
調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合し
た後、混合物を菊水製作所製タフプレストコレクト15
27HUを改造した打錠機により、1錠当たりの充填量
を8.715gにして圧縮・打錠を行い、2500個の
現像補充用錠剤E剤を作成した。
【0236】操作(B) 炭酸カリウム19500g、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール8.15g、炭酸水素ナトリウム3.
25g、グルタルアルデヒド亜硫酸付加物650g、ポ
リエチレングリコール6000の1354gを、操作
(A)と同様にして粉砕、造粒する。水の添加量は3
0.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。得られた混合物を上
記と同様の打錠機により、1錠当たりの充填量を9.9
0gにして圧縮・打錠を行い、2500個の現像補充用
錠剤F剤を作成した。
【0237】次に、以下の操作で定着用錠剤を作成し
た。
【0238】操作(C) チオ硫酸アンモニウム18560g、亜硫酸ナトリウム
1392g、水酸化ナトリウム580g、エチレンジア
ミン四酢酸2ナトリウム2.32gを、操作(A)と同
様にして粉砕、造粒する。水の添加量は500mlと
し、造粒後、60℃で30分間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。得られた混合物を上記と同様の打
錠機により、1錠当たりの充填量を8.214gにして
圧縮・打錠を行い、2500個の定着補充用錠剤G剤を
作成した。
【0239】操作(D) 硼酸1860g、硫酸アルミニウム・18水塩6500
g、氷酢酸1860g、硫酸(50wt%)928g
を、操作(A)と同様にして粉砕、造粒する。水の添加
量は100mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥し
て造粒物の水分をほぼ完全に除去する。得られた混合物
を上記と同様の打錠機により、1錠当たりの充填量を
4.459gにして圧縮・打錠を行い、2500個の定
着補充用錠剤H剤を作成した。
【0240】現像液スターター 実施例1に同じ 現像液の処理開始(ランニング開始)時には、現像用錠
剤を希釈水で希釈調製した現像液16.5リットルに対
してスターター330mlを添加した液をスタート液と
して現像槽を満たして処理を開始した。尚、スターター
を添加した現像液のpHは10.45であった。
【0241】先に作製した感光材料に、現像処理後の光
学濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを
行った。ランニングには自動現像機SRX−502に固
体処理剤の投入部材をつけ、処理速度が15秒で処理で
きるよう改造したものを用いた。
【0242】ランニング中は現像液には感光材料1.m
2当たり上記E剤を1個、F剤を2個と水を20ml添
加して行った。E、F各々を20mlの水に溶解した時
のpHは10.70であった。
【0243】定着液には、感光材料1m2当たり上記G
剤を4個、H剤を2個と水を50mlを添加した。各処
理剤1個に対して、水の添加速度は処理剤の添加とほぼ
同時に開始し処理剤の溶解速度にほぼ比例して10分間
等速で添加した。
【0244】 処理条件 現 像 39℃ 5.0秒 定 着 36℃ 3.5秒 水 洗 常 温 2.5秒 スクイズ 1.5秒 乾 燥 50℃ 2.5秒 計 15.0秒 現像液(水1リットル当たり) 炭酸カリウム 120.0 g エリソルビン酸ナトリウム 40.0 g DTPA 5.0 g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g 炭酸水素ナトリウム 20.0 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.0 g 亜硫酸ナトリウム 15.0 g ポリエチレングリコール 15.0 g グルタルアルデヒト亜硫酸付加物 4.0 g 定着液(水1リットル当たり) チオ硫酸アンモニウム 160.0 g 亜硫酸ナトリウム 12.0 g 硼酸 10.0 g 水酸化ナトリウム 5.0 g 氷酢酸 10.0 g 硫酸アルミニウム・18水塩 35.0 g 硫酸(50wt%) 5.0 g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム・2水塩 0.02g 処理済みの各試料について実施例1と同様の評価を行っ
た。
【0245】
【表5】
【0246】表4、5から明かなように、本発明に係る
試料は高感度であり、かつ銀画像の色調及び残色性にお
いて優れていることが分かる。
【0247】尚、現像主薬としてエリソルビン酸ナトリ
ウムの代わりにハイドロキノンを用いての現像処理(実
施例1において使用した現像処理液)においても同様な
効果が得られた。
【0248】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によれ
ば、高感度で、かつ残色汚染がなく、画像銀の色調が優
れたハロゲン化銀写真感光材料を得られた。さらに本発
明によれば高感度、高画質のX線用ハロゲン化銀写真感
光材料の撮影方法および処理方法を得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/18 G03C 1/18 5/17 5/17 5/26 520 5/26 520 5/30 5/30 G21K 4/00 G21K 4/00 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀乳剤層に含有される増感色素の3
    0〜100重量%が、下記一般式(I)で表される分光
    増感色素の少なくとも1種であり、かつ該ハロゲン化銀
    乳剤層は、ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理した際
    の現像開始点の総数の60〜100%が、ハロゲン化銀
    粒子の頂点(角)及びその近傍に形成し得る平板状粒子
    を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。 【化1】 式中、R1及びR3は各々、置換または無置換のアルキル
    基又はアルケニル基を表し、R2及びR4は置換または無
    置換の低級アルキル基を表し、R2とR4の少なくとも1
    つは親水性基を置換したアルキル基を表す。Z1、Z2
    3及びZ4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、
    シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
    シル基、スルホニル基、カルバモイル基、スルファモイ
    ル基、アセチルアミノ基、アセチルオキシ基、アリール
    基を表す。Xは分子内の電荷を中和するに必要なイオン
    を表し、nは1または2を表す。但し、分子内塩を形成
    するときはnは1である。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀
    粒子が、前記一般式(I)で表される分光増感色素とそ
    れ以外のハロゲン化銀吸着物質の存在下で化学増感を施
    されていることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀感光
    材料を像様露光後、現像工程、定着工程を含む処理工程
    で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料を像様露光後、自動現像機で連続処理する方法
    であって、各処理工程の処理液に固体状処理剤を連続処
    理しながら供給することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載のハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法において、現像液が実質的にジヒド
    ロキシベンゼン系現像主薬を含有しないで下記一般式
    (II)で表わされる化合物を含有する現像液で処理する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。 【化2】 式中、R5、R6はそれぞれヒドロキシ基、アミノ基、ア
    シルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリール
    スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、
    メルカプト基またはアルキルチオ基を表す。P、Qはヒ
    ドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ
    アルキル基、カルボキシアルキル基、スルホ基、スルホ
    アルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、メチルカプ
    ト基、アルキル基またはアリール基を表すか、又はPと
    Qは結合して、5〜8員環を形成する原子群を表す。Y
    は=O、または=N−R7を表す。R7は水素原子、ヒド
    ロキシ基、アルキル基、アシル基、ヒドロキシアルキル
    基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基を表す。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料を高感度増感紙で挟み、X線撮影することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の撮影方法。
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