JPH1077294A - 新規アスパルチルジペプチドアミド誘導体及び甘味剤 - Google Patents

新規アスパルチルジペプチドアミド誘導体及び甘味剤

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JPH1077294A
JPH1077294A JP9072969A JP7296997A JPH1077294A JP H1077294 A JPH1077294 A JP H1077294A JP 9072969 A JP9072969 A JP 9072969A JP 7296997 A JP7296997 A JP 7296997A JP H1077294 A JPH1077294 A JP H1077294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性が高く、安全性、甘味に優れた低カロ
リー甘味剤を提供する。 【解決手段】 α−L−アスパルチル−D−イソロイシ
ン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミド等の新
規アスパルチルジペプチドアミド誘導体及び該誘導体叉
はその塩を有効成分として含有する甘味剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規アスパルチルジ
ペプチドアミド誘導体及びその塩並びにこれを有効成分
として含有する甘味剤に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、食生活の高度化に伴い特に糖分の
摂取過多による肥満及びこれに伴う各種の疾病が問題と
なっており、砂糖に替わる低カロリー甘味剤の開発が望
まれている。現在、広汎に使用されている甘味剤とし
て、安全性と甘味の質の面で優れているアスパルテーム
があるが安定性に問題があった。そこで安定性を改善し
甘味強度を向上させる試みの1つとして、エステル結合
を持たないアスパルチル−D−アミノ酸のアミド誘導体
が研究され、例えば米国特許4411925、或いは5
286509に記載の化合物が見いだされた。一方、ア
スパルチルジペプチド誘導体のアミノ基にアルキル基を
導入したものの甘味倍率が著しく向上する事がフランス
特許2697844に記載されているが、これらは安定
性の点で満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明の課題は、安定性
が高く、安全性に優れ、容易に入手可能なアミノ酸成分
及びアミン成分を用いた、新規アスパルチルジペプチド
アミド誘導体及びその塩並びにこれらを有効成分として
含有してなる低カロリー甘味剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、安定性の点で満足できる種々のアスパル
チルジペプチドアミドのアミン成分について鋭意研究を
行った結果、甘味倍率の点で従来のアスパルチルジペプ
チドアミドを上回るものがあることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【化2】 R1-NHC1H(CH2COOH)CO−X−NH−C2234 (I) 式中、R1はH或いは炭素数1〜13までの飽和、不飽
和、直鎖、環状叉はその混合の炭化水素を表す。R2
3は炭素数1〜3のアルキル基、C2とR2及びR3を含
めて炭素数3〜6のシクロアルキル基、或いはR2がH
の時R3は炭素数2〜7のアルキルチオアルキル基、ア
ルキルスルフィニルアルキル基、アルキルスルフォニル
アルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を表す。R
4はフェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘキシルメチル基、或いは2、3叉は4位にF、C
l、Br、I、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキ
シ基、シアノ基、ニトロ基、アセチル基、アミノ基、ア
セチルアミノ基から選ばれる置換基を有するフェニル
基、或いは2、3叉は3、4位にメチレンジオキシ基、
トリメチレン基叉はテトラメチレン基を有するフェニル
基、或いは2、3叉は4−ピリジル基、或いは2叉は3
−フリル基、或いは2叉は3−チエニル基を表す。C1
位の炭素を含むアスパラギン酸の構造は(S)を、C2
位の炭素を含む構造は(R)、(S)叉は(RS)を表
す。XはD−アラニン、D−α−アミノ酪酸、D−ノル
バリン、D−バリン、D−ノルロイシン、D−ロイシ
ン、D−イソロイシン、D−アロイソロイシン、D−t
−ロイシン、D−セリン、D−O−メチルセリン、D−
トレオニン、D−O−メチルトレオニン、D−アロトレ
オニン、D−O−メチルアロトレオニン、D−S−メチ
ルシステイン、D−メチオニン、D−フェニルグリシ
ン、D−或いはDL−フリルグリシン等のD−α−アミ
ノ酸残基或いはDL−α−アミノ酸残基、炭素数が3〜
6の環状或いは非環状α,α−ジアルキルアミノ酸残基
を表す。
【0006】
【発明実施の形態】本発明の新規アスパルチルジペプチ
ドアミド誘導体は上記一般式(I)で表される化合物及
びその塩である。
【0007】本発明の化合物の塩としては例えばナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、
マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩,モノエタノ
ールアミン等のアミン塩,塩酸,硫酸等の無機酸との塩
あるいはクエン酸、酢酸等の有機酸との塩があげられ
る。
【0008】本発明のアスパルチルジペプチドアミド誘
導体は通常のペプチド合成法(泉屋ら ペプチド合成の
基礎と実験:丸善 1985.1.20 発行)に従って得ること
ができる。即ち、先ずアミノ基を保護したα−アミノ酸
を対応するアミンと縮合し、しかる後に保護基を除去す
る。得られたアミノ酸アミドとβ位のカルボン酸及びア
ミノ基を保護したL−アスパラギン酸とを縮合してジペ
プチドアミドを得た後、保護基を除去する。或いは、β
位のカルボン酸及びアミノ基を保護したL−アスパラギ
ン酸を活性エステル化し、α−アミノ酸と反応し、しか
る後に対応するアミンと縮合してジペプチドアミドを得
た後に保護基を除去することにより目的とするα−L−
アスパルチル−α−アミノ酸アミドを得ることができ
る。また、N−アルキル−α−L−アスパルチル−α−
アミノ酸アミドはα−L−アスパルチル−α−アミノ酸
アミドをアルデヒドと還元剤(例えばNaB(OAc)
3H)とで還元的にアルキル化(A.F.Abdel-Magidら Te
trahedoron Letters,31,5595(1990))するか、或いはア
スパラギン酸のβ位のカルボン酸を保護したα−L−ア
スパルチル−α−アミノ酸アミドをアルデヒドと還元剤
とで還元的にアルキル化した後に保護期を除去すること
によって得ることができるが、本発明の化合物の合成法
はこれらに限るものではない。本発明の化合物に用いら
れるβ−アルキルチオアミンは文献記載の方法(B.G.Do
nner「Tetrahedron Letters,36,1223,(1995)」或いはG.A.
Cranら「Tetrahedron Asymmetry,6,1553,(1995)」)によ
って得ることができるが、合成法はこれらに限るもので
はない。本発明の化合物に用いられるβ−フェニル−β
−アラニンはベンズアルデヒド、酢酸アンモニウム及び
マロン酸から公知の方法によって合成され、文献記載の
方法(E.Fischerら「Chem.Ber.43,2020(1910)或いはH.H.
Wassermanら「Tetrahedron,39,2459(1983)」)によって光
学活性体に分割することができるが、合成法はこれに限
るものではない。
【0009】本発明の化合物及びその塩は官能試験の結
果、砂糖に類似した甘味質で強い甘味を持つことが解っ
た。例えばα−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸
(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミドの甘味度
は約4000倍(対砂糖)、α−L−アスパルチル−D
−バリン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミド
の甘味度は約3000倍(対砂糖)、α−L−アスパル
チル−D−イソロイシン(R)−α−メチルチオメチル
ベンジルアミドの甘味度は約5000倍(対砂糖)、N
−3,3−ジメチルブチル−α−L−アスパルチル−D
−バリン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミド
の甘味度は約5000倍(対砂糖)、α−L−アスパル
チル−D−バリン(S)−α−メトキシカルボニルメチ
ルベンジルアミドの甘味度は約1500倍(対砂糖)、
α−L−アスパルチル−D−バリン−α−フェニルシク
ロペンチルアミドの甘味度は約1200倍(対砂糖)で
あった。また、α−L−アスパルチル−D−バリン
(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミド、α−L
−アスパルチル−D−イソロイシン(R)−α−メチル
チオメチルベンジルアミド及びα−L−アスパルチル−
D−バリン(S)−α−メトキシカルボニルメチルベン
ジルアミドの酸性水溶液中での半減期(pH=3のリン
酸バッファー中、70°C)は約220時間、650時
間及び139時間であり、アスパルテーム(同条件下で
の半減期約23時間)に比べてはるかに安定であった。
合成したいくつかのアスパルチルジペプチド誘導体につ
いて構造と官能試験の結果を表1に示す。
【0010】
【化3】 R1-NHC1H(CH2COOH)CO−X−NH−C2234 (I)
【0011】
【表1】
【0012】なお、本発明の化合物またはその塩を甘味
剤として使用する場合、特別の支障のない限り、他の甘
味剤と併用してもよいことはもちろんである。
【0013】(実施例1) α−L−アスパルチル−D−バリン(R)−α−メチル
チオメチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−(R)−α−メチルチオ
メチルベンジルアミン2.65g(10.0ミリモル)
に4N−HCl/ジオキサン溶液35mlを加え室温で
1時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣にエー
テル30mlを加えて濃縮し(R)−α−メチルチオメ
チルベンジルアミン塩酸塩を定量的な収率で得た。N−
t−ブトキシカルボニル−D−バリン2.39g(1
1.0ミリモル)と上記(R)−α−メチルチオメチル
ベンジルアミン塩酸塩(10.0ミリモル)とを塩化メ
チレン60mlに溶解し、0゜Cに冷却下、トリエチル
アミン1.53ml(11.0ミリモル)、水溶性カル
ボジイミド塩酸塩2.11g(11.0ミリモル)及び
HOBt1.49g(11.0ミリモル)を加え冷却下
に1時間、その後室温で1夜攪拌した。反応混合物を減
圧下に濃縮した後、残渣に水100mlを加え、酢酸エ
チル100mlで2回抽出した。有機層を5%クエン酸
水溶液50mlで2回、飽和食塩水50ml、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液50mlで2回及び飽和食塩水5
0mlで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、N−t−ブトキ
シカルボニル−D−バリン(R)−α−メチルチオメチ
ルベンジルアミドを固体として定量的な収率で得た。
【0014】上記N−t−ブトキシカルボニル−D−バ
リン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミド(1
0.0ミリモル)に4N−HCl/ジオキサン溶液35
mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下に
濃縮し残渣にエーテル30mlを加え更に濃縮した。残
渣に塩化メチレン60mlを加えて溶解後、N−t−ブ
トキシカルボニル−L−アスパラギン酸−β−t−ブチ
ルエステル・ジシクロヘキシルアミン塩5.18g(1
1.0ミリモル)を加えた。0゜Cに冷却下、水溶性カ
ルボジイミド塩酸塩2.11g(11.0ミリモル)と
HOBt1.49g(11.0ミリモル)を加え冷却下
に1時間、その後室温で1夜攪拌した。反応混合物を減
圧下に濃縮した後、残渣に水100mlを加え、酢酸エ
チル100mlで2回抽出した。有機層を5%クエン酸
水溶液50mlで2回、飽和食塩水50ml、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液50mlで2回及び飽和食塩水5
0mlで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、PTLCで精製
してN−t−ブトキシカルボニル−β−O−t−ブチル
−α−L−アスパルチル−D−バリン(R)−α−メチ
ルチオメチルベンジルアミド5.09g(9.47ミリ
モル)を粘ちょうな油状物として得た。
【0015】N−t−ブトキシカルボニル−β−O−t
−ブチル−α−L−アスパルチル−D−バリン(R)−
α−メチルチオメチルベンジルアミド5.09g(9.
47ミリモル)に4N−HCl/ジオキサン溶液45m
lを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下に濃
縮し、エーテル50mlを加えて攪拌した後に上澄みを
デカンテーションにより除き、残渣を減圧下に乾燥し
た。残渣に水50mlを加えて溶かし、不溶物を濾過し
て除いた。濾液にメタノール50mlと28%アンモニ
ア水2mlを加えて減圧下に濃縮した。残渣を少量の水
とメタノール300mlに溶解し、活性炭2gを加えて
50°Cでしばらく攪拌した。活性炭を濾過して除き、
濾液を約4分の1まで濃縮し、析出した結晶を濾過して
集め、少量の水で洗浄し、減圧乾燥しα−L−アスパル
チル−D−バリン(R)−α−メチルチオメチルベンジ
ルアミド2.80g(7.34ミリモル)を固体として
得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.86(d,3
H),0.90(d,3H),2.03(s,3H),
2.00−2.10(m,1H),2.20(dd,1
H),2.42(dd,1H),2.72−2.84
(m,2H),3.75(dd,1H),4.27(b
rt,1H),4.96(q,1H),7.20−7.
40(m,5H),8.43(brd,1H),8.5
9(d,1H). ESI−MS 382.2(MH+
【0016】甘味度(対砂糖) 3000倍
【0017】(実施例2) α−L−アスパルチル−D−アラニン(R)−α−メチ
ルチオメチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリンの替わりにN
−t−ブトキシカルボニル−D−アラニンを用いる以外
は実施例1と同様にしてα−L−アスパルチル−D−ア
ラニン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミドを
総収率40.0%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:1.30(d,3
H),2.06(s,3H),2.29(dd,1
H),2.49(dd,1H),2.74−2.88
(m,2H),3.69(q,1H),4.32−4.
41(m,1H),4.94−5.02(m,1H),
7.25−7.41(m,5H),8.50(brd,
1H),8.55(d,1H). ESI−MS 354.3(MH+
【0018】甘味度(対砂糖) 1000倍
【0019】(実施例3) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(R)−α
−メチルチオメチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリンの替わりにN
−t−ブトキシカルボニル−D−α−アミノ酪酸を用い
る以外は実施例1と同様にしてα−L−アスパルチル−
D−α−アミノ酪酸(R)−α−メチルチオメチルベン
ジルアミドを総収率53.4%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.87(t,3
H),1.52−1.68(m,1H),1.68−
1.72(m,1H),2.03(s,3H),2.2
5(dd,1H),2.44(dd,1H),2.72
−2.85(m,2H),3.72(dd,1H),
4.27(brq,1H),4.95(q,1H),
7.20−7.38(m,5H),8.46(brd,
1H),8.58(d,1H). ESI−MS 368.3(MH+
【0020】甘味度(対砂糖) 4000倍
【0021】(実施例4) α−L−アスパルチル−D−イソロイシン(R)−α−
メチルチオメチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリンの替わりにN
−t−ブトキシカルボニル−D−イソロイシンを用いる
以外は実施例1と同様にしてα−L−アスパルチル−D
−イソロイシン(R)−α−メチルチオメチルベンジル
アミドを総収率62.8%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.84(t,3
H),0.90(d,3H),1.04−1.17
(m,1H),1.39−1.49(m,1H),1.
78−1.87(m,1H),2.04(s,3H),
2.20(dd,1H),2.44(dd,1H),
2.80(d,2H),3.75(dd,1H),4.
30(brt,1H),4.97(dd,1H),7.
23−7.40(m,5H),8.48(brd,1
H),8.64(d,1H). ESI−MS 396.3(MH+
【0022】甘味度(対砂糖) 5000倍
【0023】(実施例5) α−L−アスパルチル−D−バリン(S)−α−メトキ
シカルボニルメチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリン5.34g
(24.6ミリモル)と(RS)−α−メトキシカルボ
ニルメチルベンジルアミン・塩酸塩(S:R=2:1)
5.31g(24.6ミリモル)を塩化メチレン100
mlに懸濁し0゜Cに保った。トリエチルアミン3.7
8ml(27.1ミリモル)、水溶性カルボジイミド塩
酸塩5.20g(27.1ミリモル)、HOBt3.6
6g(27.1ミリモル)を加え冷却下に1時間、その
後室温で1夜攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した
後、残渣に水150mlを加え、酢酸エチル100ml
で2回抽出した。有機層を5%クエン酸水溶液100m
lで2回、飽和食塩水100ml、5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液100mlで2回及び飽和食塩水100ml
で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
硫酸マグネシウムを濾過により除き、濾液を減圧下に濃
縮し、固体としてN−t−ブトキシカルボニル−D−バ
リン(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジル
アミド9.27g(24.5ミリモル)を得た。
【0024】N−t−ブトキシカルボニル−D−バリン
(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ド9.27g(24.5ミリモル)を4N−塩酸/ジオ
キサン溶液60mlを加え、室温で1時間攪拌した。反
応液を減圧下に濃縮し残渣にエーテル50mlを加えさ
らに濃縮した。残渣に塩化メチレン100mlとN−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸−β−ベ
ンジルエステル8.75g(24.5ミリモル)を加え
た後、0゜Cに保った。トリエチルアミン3.75ml
(26.9ミリモル)、水溶性カルボジイミド塩酸塩
5.16g(26.9ミリモル)及びHOBt3.64
g(26.9ミリモル)を加え、冷却下に1時間、室温
で1夜攪拌した。反応混合物に水100mlを加え、酢
酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を5%クエ
ン酸水溶液100mlで2回、飽和食塩水100ml、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで2回及び飽
和食塩水100mlで洗浄した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、硫酸マグネシウムを濾過により除
き、濾液を減圧下に濃縮し、固体としてN−ベンジルオ
キシカルボニル−β−O−ベンジル−L−アスパルチル
−D−バリン(RS)−α−メトキシカルボニルメチル
ベンジルアミド13.6g(22.0ミリモル)を得
た。
【0025】N−ベンジルオキシカルボニル−β−O−
ベンジル−L−アスパルチル−D−バリン(RS)−α
−メトキシカルボニルメチルベンジルアミド13.6g
(22.0ミリモル)をメタノール150mlと水5m
lの混合溶媒に懸濁し、含水率50%の5%Pd−炭素
3.0gを加え水素気流下に50゜Cで5時間還元し
た。触媒を濾過により除き、濾液を減圧下で濃縮した
後、得られた残渣をメタノール−水から再結晶し乾燥し
てα−L−アスパルチル−D−バリン(S)−α−メト
キシカルボニルメチルベンジルアミド3.18g(8.
08ミリモル)を得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.81(d,3
H),0.83(d,3H),1.90−2.00
(m,1H),2.19(dd,1H),2.40(d
d,1H),2.70−2.83(m,2H),3.5
5(s,3H),3.69−3.75(m,1H),
4.18(brs,1H),7.20−7.35(m,
5H),8.39(brs,1H),8.64(d,1
H). ESI−MS 394.3(MH+
【0026】甘味度(対砂糖) 1500倍
【0027】(実施例6) α−L−アスパルチル−D−バリン(RS)−α−シク
ロヘキシル−β−メトキシカルボニルエチルアミドの合
成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)−α−シクロヘキシル−β−メト
キシカルボニルエチルアミンを用いる以外は実施例5と
同様にしてα−L−アスパルチル−D−バリン(RS)
−α−シクロヘキシル−β−メトキシカルボニルエチル
アミドを総収率54.6%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.79(d,3
H),0.82(d,3H),0.80−1.75
(m,13H),1.85−2.03(m,1H),
2.20−2.58(m,4H),3.54(s,3
H),3.73−3.80(m,1H),3.97(b
rs,1H),4.18(brs,1H),7.85
(d,0.5H),7.89(d,0.5H),8.3
2(brs,1H). ESI−MS 400.3(MH+
【0028】甘味度(対砂糖) 400倍
【0029】(実施例7) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸 α−フェ
ニルシクロペンチルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリンの替わりにN
−t−ブトキシカルボニル−D−α−アミノ酪酸を、
(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりにα−フェニルシクロペンチルアミンを用い
る以外は実施例5と同様にしてα−L−アスパルチル−
D−α−アミノ酪酸 α−フェニルシクロペンチルアミ
ドアミドを総収率54.9%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.79(t,3
H),1.45−1.57(m,2H),1.55−
1.93(m,6H),2.18−2.50(m,4
H),3.69(m,1H),4.25(brd,1
H),7.10−7.35(m,5H),8.12
(s,1H),8.30(brd,1H). ESI−MS 362.3(MH+
【0030】甘味度(対砂糖) 750倍
【0031】(実施例8) α−L−アスパルチル−D−バリン α−フェニルシク
ロペンチルアミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりにα−フェニルシクロペンチルアミンを用い
る以外は実施例5と同様にしてα−L−アスパルチル−
D−バリン α−フェニルシクロペンチルアミドを総収
率61.9%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.76(d,3
H),0.80(d,3H),1.65−2.00
(m,7H),2.15−2.50(m,4H),3.
73(m,1H),4.23(brs,1H),7.1
0−7.35(m,5H),8.14(s,1H),
8.25(brd,1H). ESI−MS 376.3(MH+
【0032】甘味度(対砂糖) 1200倍 (実施例9) α−L−アスパルチル−D−イソロイシン α,α−ジ
メチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−バリンの替わりにN
−t−ブトキシカルボニル−D−イソロイシンを、(R
S)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミンの
替わりにα,α−ジメチルベンジルアミンを用いる以外
は実施例5と同様にしてα−L−アスパルチル−D−イ
ソロイシン α,α−ジメチルベンジルアミドを総収率
55.8%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.82(t,3
H),0.83(d,3H),0.96−1.11
(m,1H),1.29−1.41(m,1H),1.
53(s,3H),1.56(s,3H),1.69−
1.80(m,1H),2.29(dd,1H),2.
48(dd,1H),3.79(dd,1H),4.2
8(brt,1H),7.13−7.33(m,5
H),8.24(s,1H),8.32(brd,1
H). ESI−MS 364.3(MH+
【0033】甘味度(対砂糖) 250倍
【0034】(実施例10) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ン・塩酸塩216mg(1.0ミリモル)とN−ベンジ
ルオキシカルボニル−β−O−ベンジル−L−アスパル
チル−D−α−アミノ酪酸443mg(1.0ミリモ
ル)を塩化メチレン20mlに溶解し、0゜Cに冷却
下、水溶性カルボジイミド塩酸塩211mg(1.1ミ
リモル)、HOBt149mg(1.1ミリモル)及び
トリエチルアミン0.153ml(1.1ミリモル)を
加え冷却下に1時間、その後室温で1夜攪拌した。反応
混合物を減圧下に濃縮した後、残渣に水50mlを加
え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を5%
クエン酸水溶液25mlで2回、飽和食塩水25ml、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液25mlで2回及び飽和
食塩水25mlで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下に濃縮してN−ベ
ンジルオキシカルボニル−β−O−ベンジル−L−アス
パルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシ
カルボニルメチルベンジルアミド603mg(0.99
7ミリモル)を固体として得た。
【0035】N−ベンジルオキシカルボニル−β−O−
ベンジル−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(R
S)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミド6
03mg(0.997ミリモル)をメタノール30ml
及び水2mlに懸濁させ、含水率50%の5%Pd−炭
素200mgを加え水素気流下に室温で2時間還元し
た。触媒を濾過により除き、濾液を減圧下に濃縮して、
析出した固体を濾過して集め乾燥してα−L−アスパル
チル−D−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカル
ボニルメチルベンジルアミド289mg(0.76ミリ
モル)を得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.73(t,1.
5H),0.82(t,1.5H),1.40−1.7
0(m,2H),2.15−2.30(m,1H),
2.39−2.50(m,1H),2.70−2.85
(m,2H),3.54(s,3H),4.19(br
s,1H),5.15−5.28(m,1H),7.2
0−7.40(m,5H),8.35(brs,1
H),8.58(brd,1H). ESI−MS 380.3(MH+
【0036】甘味度(対砂糖) 800倍
【0037】(実施例11) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−メトキシカルボニルメチル−4−メトキシベンジル
アミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)α−メトキシカルボニルメチル−
4−メトキシベンジルアミンを用いる以外は実施例10
と同様にしてα−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪
酸(RS)−α−メトキシカルボニルメチル−4−メト
キシベンジルアミドを総収率44.0%で固体として得
た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.72(t,1.
5H),0.81(t,1.5H),1.40−1.6
5(m,2H),2.22−2.34(m,1H),
2.45−2.53(m,1H),2.68−2.82
(m,2H),3.54(s,3H),3.72(s,
3H),3.69−3.77(m,1H),4.16−
4.20(m,1H),5.10−5.20(m,1
H),6.86(d,1H),6.87(d,1H),
7.21(d,1H),7.24(d,1H),8.3
9(brd,1H),8.51(d,1H). ESI−MS 410.3(MH+
【0038】甘味度(対砂糖) 200倍
【0039】(実施例12) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−メトキシカルボニルメチル−2,3−メチレンジオ
キシベンジルアミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)−α−メトキシカルボニルメチル
−2,3−メチレンジオキシベンジルアミンを用いる以
外は実施例10と同様にしてα−L−アスパルチル−D
−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメ
チル−2,4−メチレンジオキシベンジルアミドを総収
率53.4%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.73(t,1.
5H),0.81(t,1.5H),1.40−1.7
0(m,2H),2.15−2.30(m,1H),
2.40−2.55(m,1H),2.66−2.82
(m,2H),3.55(s,3H),3.67(br
s,1H),4.18(brs,1H),5.05−
5.18(m,1H),5.98(s,2H),6.7
3−6.92(m,3H),8.34(brs,1
H),8.47(brd,1H). ESI−MS 424.3(MH+
【0040】甘味度(対砂糖) 250倍
【0041】(実施例13) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−メトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシベンジ
ルアミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)α−メトキシカルボニルメチル−
4−ベンジルオキシベンジルアミンを用いる以外は実施
例10と同様にしてα−L−アスパルチル−D−α−ア
ミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメチル−4
−ヒドロキシベンジルアミドを総収率37.4%で固体
として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.72(t,1.
5H),0.81(t,1.5H),1.40−1.7
0(m,2H),2.24−2.38(m,1H),
2.45−2.56(m,1H),2.65−2.82
(m,2H),3.53(s,3H),3.70−3.
80(m,1H),4.19(brs,1H),5.0
3−5.15(m,1H),6.67(d,1H),
6.69(d,1H),7.09(d,1H),7.1
2(d,1H),8.37(brs,1H),8.45
(d,0.5H),8.48(d,0.5H). ESI−MS 396.3(MH+
【0042】甘味度(対砂糖) 200倍
【0043】(実施例14) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−メトキシカルボニルメチル−4−メチルベンジルア
ミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)α−メトキシカルボニルメチル−
4−メチルベンジルアミンを用いる以外は実施例10と
同様にしてα−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸
(RS)−α−メトキシカルボニルメチル−4−メチル
ベンジルアミドを総収率61.4%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.73(t,1.
5H),0.82(t,1.5H),1.40−1.7
0(m,2H),2.16−2.30(m,1H),
2.26(s,3H),2.40−2.50(m,1
H),2.65−2.84(m,2H),3.54
(s,3H),3.66−3.74(m,1H),4.
20(brd,1H),5.10−5.23(m,1
H),7.08−7.24(m,4H),8.37(b
rs,1H),8.53(brd,1H). ESI−MS 394.3(MH+
【0044】甘味度(対砂糖) 200倍
【0045】(実施例15) α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−
α−シクロヘキシル−β−メトキシカルボニルエチルア
ミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)α−シクロヘキシル−β−メトキ
シカルボニルエチルアミンを用いる以外は実施例10と
同様にしてα−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸
(RS)−α−シクロヘキシル−β−メトキシカルボニ
ルエチルアミドを総収率87.2%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.80(t,3
H),0.82−1.75(m,13H),2.23−
2.35(m,2H),2.45−2.60(m,2
H),3.53(s,3H),3.71−3.77
(m,1H),3.95(brs,1H),4.19
(brs,1H),7.82(d,1H),8.35
(brd,1H). ESI−MS 386.3(MH+
【0046】甘味度(対砂糖) 700倍
【0047】(実施例16) α−L−アスパルチル−D−バリン α,α−ジメチル
ベンジルアミドの合成 N−ベンジルオキシカルボニル−β−O−ベンジル−L
−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸の替わりにN−ベ
ンジルオキシカルボニル−β−O−ベンジル−L−アス
パルチル−D−バリンを、(RS)−α−メトキシカル
ボニルメチルベンジルアミンの替わりにα,α−ジメチ
ルベンジルアミンを用いる以外は実施例10と同様にし
てα−L−アスパルチル−D−バリン α,α−ジメチ
ルベンジルアミドを総収率27.6%で固体として得
た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.80(d,3
H),0.85(d,3H),1.54(s,3H),
1.57(s,3H),1.94−2.07(m,1
H),2.22(dd,1H),2.44(dd,1
H),3.74(dd,1H),4.25(brs,1
H),7.13−7.34(m,5H),8.23
(s,1H),8.33(brd,1H). ESI−MS 350.3(MH+
【0048】甘味度(対砂糖) 500倍
【0049】(実施例17) N−3,3−ジメチルブチル−α−L−アスパルチル−
D−バリン(R)−α−メチルチオメチルベンジルアミ
ドの合成 α−L−アスパルチル−D−バリン(R)−α−メチル
チオメチルベンジルアミド381mg(1.0ミリモ
ル)をTHF20mlに懸濁し、3,3−ジメチルブチ
ルアルデヒド0.13ml(1.0ミリモル)と酢酸
0.06ml(1.0ミリモル)を加えた。溶液を0°
Cに保ち、NaB(OAc)3H318mg(1.5ミ
リモル)を加え、0°Cで1時間、さらに室温で1夜攪
拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に5%炭酸水素
ナトリウム水溶液を加えて中和した。反応液を濃縮した
後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:クロロホルム:メタノール=3:1:1.5で溶
出)で精製してN−3,3−ジメチルブチル−α−L−
アスパルチル−D−バリン(R)−α−メチルチオメチ
ルベンジルアミド180mg(0.39ミリモル)を固
体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.79(s,9
H),0.80−0.89(m,6H),1.26−
1.36(m,2H),2.01(s,3H),2.0
1−2.08(m,1H),2.21(dd,1H),
2.35(dd,1H),2.41−2.44(m,2
H),2.72−2.80(m,2H),3.40(d
d,1H),4.23(brt,1H),4.96
(q,1H),7.20−7.35(m,5H),8.
26(d,1H),8.62(d,1H). ESI−MS 466.4(MH+
【0050】甘味度(対砂糖) 5000倍
【0051】(実施例18) N−3,3−ジメチルブチル−α−L−アスパルチル−
D−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニル
メチルベンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−α−アミノ酪酸・ジ
シクロヘキシルアミン塩769mg(2.0ミリモル)
と(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルア
ミン・塩酸塩431mg(2.0ミリモル)を塩化メチ
レン25mlに溶解し、0゜Cに冷却下、水溶性カルボ
ジイミド塩酸塩383mg(2.2ミリモル)とHOB
t297mg(2.2ミリモル)を加え冷却下に1時
間、その後室温で1夜攪拌した。反応混合物を減圧下に
濃縮した後、残渣に水50mlを加え、酢酸エチル50
mlで2回抽出し、5%クエン酸水溶液25mlで2
回、飽和食塩水25ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液25mlで2回及び飽和食塩水25mlで洗浄した。
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液
を減圧下に濃縮し、N−t−ブトキシカルボニル−D−
α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメチ
ルベンジルアミド730mg(2.0ミリモル)を固体
として得た。
【0052】N−t−ブトキシカルボニル−D−α−ア
ミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベン
ジルアミド730mg(2.0ミリモル)に4N−HC
l/ジオキサン溶液10mlを加え、室温で1時間攪拌
した。反応液を減圧下に濃縮し残渣にエーテル30ml
を加え更に濃縮した。残渣に塩化メチレン25ml及び
トリエチルアミン0.31ml(2.2ミリモル)を加
えて溶解後、N−t−ブトキシカルボニル−L−アスパ
ラギン酸−β−ベンジルエステル647mg(2.0ミ
リモル)を加えた。冷却下に水溶性カルボジイミド塩酸
塩383mg(2.2ミリモル)とHOBt297mg
(2.2ミリモル)を加え冷却下に1時間、その後室温
で1夜攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した後、残
渣に水50mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出
し、5%クエン酸水溶液25mlで2回、飽和食塩水2
5ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶液25mlで2回
及び飽和食塩水25mlで洗浄した。有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下に濃縮し
てN−t−ブトキシカルボニル−β−O−ベンジル−L
−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−α−メ
トキシカルボニルメチルベンジルアミド742mg
(2.0ミリモル)を固体として得た。
【0053】N−t−ブトキシカルボニル−β−O−ベ
ンジル−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(R
S)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミド7
42mg(2.0ミリモル)に4N−HCl/ジオキサ
ン溶液10mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液
を減圧下に濃縮し、残渣に5%炭酸水素ナトリウム水溶
液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗い無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、濾過し、濾液を減圧下に濃縮してβ−O−ベン
ジル−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)
−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミド893
mg(1.90ミリモル)を粘ちょうな油状物として得
た。
【0054】β−O−ベンジル−L−アスパルチル−D
−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメ
チルベンジルアミド893mg(1.90ミリモル)を
THF15mlに溶解し0°Cに保った。これに酢酸
0.11ml(1.90ミリモル)、3,3−ジメチル
ブチルアルデヒド0.24ml(1.90ミリモル)及
びNaB(OAc)3H605mg(2.85ミリモ
ル)を加え0°Cで1時間更に室温で1夜攪拌した。反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを加え酢
酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗い無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を
減圧下に濃縮した。残渣をPTLCで精製してN−3,
3−ジメチルブチル−β−O−ベンジル−L−アスパル
チル−D−α−アミノ酪酸(RS)−α−メトキシカル
ボニルメチルベンジルアミド820mg(1.48ミリ
モル)を固体として得た。
【0055】N−3,3−ジメチルブチル−β−O−ベ
ンジル−L−アスパルチル−D−α−アミノ酪酸(R
S)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミド8
20mg(1.48ミリモル)をメタノール35mlと
水2mlの混合溶媒に溶解し、含水率50%の5%Pd
−炭素400mgを加え水素気流下に2時間還元した。
水10mlを加えた後、触媒を濾過により除き、濾液を
減圧下に濃縮した。残渣を減圧乾燥してN−3,3−ジ
メチルブチル−α−L−アスパルチル−D−α−アミノ
酪酸(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジル
アミド604mg(1.30ミリモル)を固体として得
た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.70−0.85
(m,3H),0.79(s,4.5H),0.87
(s,4.5H),1.30−1.70(m,4H),
2.55−2.85(m,6H),3.54(s,1.
5H),3.56(s,1.5H),3.81(br
s,1H),4.18−4.23(m,1H),5.1
3−5.30(m,1H),7.20−7.35(m,
5H),8.48(d,0.5H),8.52(d,
0.5H),8.63(d,1H). ESI−MS 464.4(MH+
【0056】甘味度(対砂糖) 1250倍
【0057】(実施例19) N−3,3−ジメチルブチル−α−L−アスパルチル−
D−バリン(RS)−α−メトキシカルボニルメチルベ
ンジルアミドの合成 N−t−ブトキシカルボニル−D−α−アミノ酪酸の替
わりにN−t−ブトキシカルボニル−D−バリンを用い
る以外は実施例18と同様にしてN−3,3−ジメチル
ブチル−α−L−アスパルチル−D−バリン(RS)−
α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミドを総収率
75.7%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.70−0.80
(m,6H),0.76(s,4.5H),0.87
(s,4.5H),1.28−1.53(m,2H),
1.90−2.00(m,1H),2.50−2.85
(m,6H),3.53(s,1.5H),3.55
(s,1.5H),3.85−3.92(m,1H),
4.15−4.22(m,1H),5.15−5.30
(m,1H),7.20−7.35(m,5H),8.
43(d,0.5H),8.46(d,0.5H),
8.66(brd,1H). ESI−MS 478.5(MH+
【0058】甘味度(対砂糖) 1250倍
【0059】(実施例20) N−3,3−ジメチルブチル−α−L−アスパルチル−
D−α−アミノ酪酸(RS)−α−シクロヘキシル−β
−メトキシカルボニルエチルアミドの合成 (RS)−α−メトキシカルボニルメチルベンジルアミ
ンの替わりに(RS)−α−シクロヘキシル−β−メト
キシカルボニルエチルアミンを用いる以外は実施例18
と同様にしてN−3,3−ジメチルブチル−α−L−ア
スパルチル−D−α−アミノ酪酸(RS)−α−シクロ
ヘキシル−β−メトキシカルボニルエチルアミドを総収
率65.7%で固体として得た。1 HNMR(DMSO−d6) δ:0.75−0.85
(m,3H),0.87(s,9H),0.90−1.
75(m,13H),2.25−2.42(m,1
H),2.50−2.80(m,5H),3.54
(s,3H),3.80−4.00(m,2H),4.
10−4.23(m,1H),7.89(d,1H),
8.47(d,0.5H),8.54(d,0.5
H). ESI−MS 470.4(MH+
【0060】甘味度(対砂糖) 1250倍

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される新規アスパ
    ルチルジペプチド誘導体及びその塩。 【化1】 R1-NHC1H(CH2COOH)CO−X−NH−C2234 (I) 式中、R1はH或いは炭素数1〜13までの飽和、不飽
    和、直鎖、環状叉はその混合の炭化水素を表す。R2
    3は炭素数1〜3のアルキル基、C2とR2及びR3を含
    めて炭素数3〜6のシクロアルキル基、或いはR2がH
    の時R3は炭素数2〜7のアルキルチオアルキル基、ア
    ルキルスルフィニルアルキル基、アルキルスルフォニル
    アルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を表す。R
    4はフェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シク
    ロヘキシルメチル基、或いは2、3叉は4位にF、C
    l、Br、I、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキ
    シ基、シアノ基、ニトロ基、アセチル基、アミノ基、ア
    セチルアミノ基から選ばれる置換基を有するフェニル
    基、或いは2、3叉は3、4位にメチレンジオキシ基、
    トリメチレン基叉はテトラメチレン基を有するフェニル
    基、或いは2、3叉は4−ピリジル基、或いは2叉は3
    −フリル基、或いは2叉は3−チエニル基を表す。C1
    位の炭素を含むアスパラギン酸の構造は(S)を、C2
    位の炭素を含む構造は(R)、(S)叉は(RS)を表
    す。XはD−アラニン、D−α−アミノ酪酸、D−ノル
    バリン、D−バリン、D−ノルロイシン、D−ロイシ
    ン、D−イソロイシン、D−アロイソロイシン、D−t
    −ロイシン、D−セリン、D−O−メチルセリン、D−
    トレオニン、D−O−メチルトレオニン、D−アロトレ
    オニン、D−O−メチルアロトレオニン、D−S−メチ
    ルシステイン、D−メチオニン、D−フェニルグリシ
    ン、D−或いはDL−フリルグリシン等のD−α−アミ
    ノ酸残基或いはDL−α−アミノ酸残基、炭素数が3〜
    6の環状或いは非環状α,α−ジアルキルアミノ酸残基
    を表す。
  2. 【請求項2】 R1がH、XがD−アラニン残基であっ
    てR2がH、R3がメチルチオメチル基、R4がフェニル
    基、C1位の炭素を含む構造が(S)、C2位の炭素を含
    む構造が(R)叉は(RS)である請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 R1がH、XがD−α−アミノ酪酸残基
    であって、R2がH、R3がメチルチオメチル基、R4
    フェニル基、C1位の炭素を含む構造が(S)、C2位の
    炭素を含む構造が(R)叉は(RS)である請求項1記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1がH、XがD−バリン残基であっ
    て、R2がH、R3がメチルチオメチル基、R4がフェニ
    ル基、C1位の炭素を含む構造が(S)、C2位の炭素を
    含む構造が(R)叉は(RS)である請求項1記載の化
    合物。
  5. 【請求項5】 R1がH、XがD−イソロイシン残基で
    あって、R2がH、R3がメチルチオメチル基、R4がフ
    ェニル基、C1位の炭素を含む構造が(S)、C2位の炭
    素を含む構造が(R)叉は(RS)である請求項1記載
    の化合物。
  6. 【請求項6】 R1が3,3−ジメチルブチル、XがD
    −バリン残基であってR2がH、R3がメチルチオメチル
    基、R4がフェニル基、C1位の炭素を含む構造が
    (S)、C2位の炭素を含む構造が(R)叉は(RS)
    である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R1がH、XがD−α−アミノ酪酸残基
    であって、R2がH、R3がメトキシカルボニルメチル
    基、R4がフェニル基、C1位の炭素を含む構造が
    (S)、C2位の炭素を含む構造が(S)または(R
    S)である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R1がH、XがD−バリン残基であっ
    て、R2がH、R3がメトキシカルボニルメチル基、R4
    がフェニル基、C1位の炭素を含む構造が(S)、C2
    の炭素を含む構造が(S)叉は(RS)である請求項1
    記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R1がH、XがD−α−アミノ酪酸残基
    であって、R2がH、R3がメトキシカルボニルメチル
    基、R4がシクロヘキシル基、C1位の炭素を含む構造が
    (S)、C2位の炭素を含む構造が(S)または(R
    S)である請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】 R1がH、XがD−バリン残基であっ
    て、R2がH、R3がメトキシカルボニルメチル基、R4
    がシクロヘキシル基、C1位の炭素を含む構造が
    (S)、C2位の炭素を含む構造が(S)叉は(RS)
    である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】 R1が3,3−ジメチルブチル、Xが
    D−α−アミノ酪酸残基であってR2がH、R3がメトキ
    シカルボニルメチル基、R4がフェニル基、C1位の炭素
    を含む構造が(S)、C2位の炭素を含む構造が(S)
    叉は(RS)である請求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R1が3,3−ジメチルブチル、Xが
    D−バリン残基であってR2がH、R3がメトキシカルボ
    ニルメチル基、R4がフェニル基、C1位の炭素を含む構
    造が(S)、C2位の炭素を含む構造が(S)叉は(R
    S)である請求項1記載の化合物。
  13. 【請求項13】 R1が3,3−ジメチルブチル、Xが
    D−α−アミノ酪酸残基であってR2がH、R3がメトキ
    シカルボニルメチル基、R4がシクロヘキシル基、C1
    の炭素を含む構造が(S)、C2位の炭素を含む構造が
    (S)叉は(RS)である請求項1記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R1がH、XがD−バリン残基であっ
    て、R2、R3がメチル基、R4がフェニル基、C1位の炭
    素を含む構造が(S)である請求項1記載の化合物。
  15. 【請求項15】 R1がH、XがD−α−アミノ酪酸残
    基であって、C2を含めたR2、R3がシクロペンチル
    基、R4がフェニル基、C1位の炭素を含む構造が(S)
    である請求項1記載の化合物。
  16. 【請求項16】 R1がH、XがD−バリン残基であっ
    て、C2を含めたR2、R3がシクロペンチル基、R4がフ
    ェニル基、C1位の炭素を含む構造が(S)である請求
    項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】 上記一般式(I)で表される新規アス
    パルチルジペプチドアミド誘導体またはその塩を有効成
    分として含有する甘味剤。
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