JPH1076758A - 感熱転写用色素、およびこの色素を用いた感熱転写シート - Google Patents

感熱転写用色素、およびこの色素を用いた感熱転写シート

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JPH1076758A
JPH1076758A JP8235132A JP23513296A JPH1076758A JP H1076758 A JPH1076758 A JP H1076758A JP 8235132 A JP8235132 A JP 8235132A JP 23513296 A JP23513296 A JP 23513296A JP H1076758 A JPH1076758 A JP H1076758A
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JP
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thermal transfer
dye
substituent
alkyl group
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JP8235132A
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Tetsuo Ozawa
鉄男 尾澤
Junji Mizukami
潤二 水上
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 接触物への色移りがなく、均一で高濃度、且
つ、鮮明な画像が得られる感熱転写用色素及びシートの
提供。 【解決手段】 下記一般式(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱転写用色素及び
色材層を有する感熱転写シートに関するものである。本
発明の感熱転写用色素とは、熱エネルギーによって被転
写材料に色素を転写する方式に使用される色素のことで
あって、いわゆる昇華感熱転写方式の他に、例えば特開
平7−108711に記載されるような色素供与材料と
して特に支持体を使用しない方式や、特開平5−221
55に記載される様な色素を蒸気やミストの状態で被転
写材料に移行させる方式も包含される。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、複写機あるいはプリンタ
ーなどには電子写真方式、インクジェット方式、感熱転
写方式などによるカラー記録技術が検討されているが、
感熱転写記録方式は、装置の保守や、操作が容易で、装
置や消耗品が安価であるため、他の方式に比べ有利な点
が多い。
【0003】感熱転写方式には、ベースフィルム上に熱
溶融性インキ層を形成させた転写シートを、熱ヘッドに
より加熱して、該インキを溶融し、受像層上に転写記録
する溶融方式と、ベースフィルム上に熱移行性色素を含
有する色材層を形成させた感熱転写シートを熱ヘッドに
より加熱して色素を受像シート上に熱移行転写させる方
式がある。熱移行転写方式は熱ヘッドに与えるエネルギ
ーを変えることにより色素の移行量を制御することがで
きるので、階調記録が容易になり、高精細、高画質のフ
ルカラー記録には特に容易である。
【0004】熱移行転写方式で均一な画像を得るために
は、使用する感熱転写シートの色材層中で、色素が完全
に均一に溶解していることが必要である。色素の溶解性
が悪いと、色材層中で色素が結晶化して不均一となる。
このような感熱転写シートを使用して、転写画像を作成
した場合には、結晶化した部分の色素の受像層への移行
が不充分となり、均一な画像は得られない。これらの問
題を解決するため、種々の色素が検討されている。例え
ば、特開昭63−308072は、インドアニリン系色
素を提案しているが、インキ中での色素の保存安定性、
感熱転写シート上の色材層中での色素の保存安定性、受
像紙上の受像層中での色素の保存安定性、転写感度、画
像の耐光性等は必ずしも十分でなく、更に改善が望まれ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題を
克服する新しい感熱転写用色素および感熱転写シートを
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を満足する新規インドアニリン系色素を見出し本発明を
達成した。すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(I)
【0007】
【化2】
【0008】{式中、Rは置換基を有していてもよいビ
ニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基
を有していてもよい複素環基、または−OA基(Aは置
換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
てもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラル
キル基、置換基を有していてもよいアリル基を表す。)
を表す。R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。
3 、R4 はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有
していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、または−N
HCOR7 基(R7 は、水素原子、置換基を有していて
もよいアルキル基、またはアリール基を表す。)を表
す。R5 、R 6 はそれぞれ独立して、置換基を有してい
てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリル
基、または置換基を有していてもよいアリール基を表
す。}で示される感熱転写用色素及びかかる色素を用い
た感熱転写シートに存する。以下、本発明を詳細に説明
する。前記一般式(I)で示される本発明の色素は紫〜
青色系の新規色素であって、例えば下記一般式(II)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R、R1 、R2 は前記一般式
(I)におけると同意義を表す。)で示されるフェノー
ル系化合物と、下記一般式(III)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R3 〜R6 は前記一般式(I)に
おけると同意義を表す。)で表されるアニリン系化合物
を反応させることにより製造される。反応は酸化剤の存
在下、不活性溶媒中、中性〜アルカリ性で0〜25℃程
度の温度条件下で好ましく実施される。反応に使用され
る溶媒としては、水、水と混合可能なアセトン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ピリジン、アルコール類が挙げら
れる。これらの溶媒は単独、または混合して使用され
る。反応に使用される酸化剤としては、過酸化水素、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過硫酸ソーダ等の過硫
酸塩類、フェリシアン塩類、硝酸塩類等が挙げられる。
【0013】一般式(I)において、RまたはAがアリ
ール基または複素環基を示す場合、具体的には、フェニ
ル、ナフチル等の芳香族炭化水素基;ピリジル、ピリミ
ジル、トリアジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オ
キサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル等の窒素、
酸素、硫黄等を含む5〜6員の複素環基または縮合複素
環基が挙げられる。これらアリール基または複素環基の
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
原子、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基等
が挙げられる。
【0014】Rがアリール基または複素環基の場合の置
換基としてのアルキル基及びR1 〜R4 、R7 における
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、ネオ
ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−
エチルヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の
直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基が挙げられる。
またこれらアルキル基が置換されている場合の置換基と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン
原子が挙げられる。
【0015】Rがアリール基または複素環基の場合の置
換基としてのアルコキシ基、及びR 1 、R2 におけるア
ルコキシ基としては、具体的には前記アルキル基に対応
する炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、その置換
基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルコキシ
基が挙げられる。R5 、R6 がアルキル基を示す場合、
前記と同様の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、ま
た、それらの置換基としては、メタンスルホニルアミド
基、エタンスルホニルアミド基等の炭素数1〜8のアル
キルスルホニルアミド基;ヒドロキシ基;メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ
基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;フェニル
基等のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ
基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾ
イルオキシ基等のアシルオキシ基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボ
ニル基;シアノ基、テトラヒドロフリル基等が挙げられ
る。
【0016】R5 、R6 がアリール基を示す場合、具体
的にはフェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニ
ル基、p−エトキシフェニル基等のアルキル基、アルコ
キシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル
基が挙げられる。R5 、R6 がアリル基の場合、その置
換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、フェ
ニル基等のアリール基が挙げられる。R7 がアリール基
を示す場合、前記Rにおけるアリール基と同様の基が挙
げられる。前記R及びR1 〜R7 の中、好ましいものと
しては以下のものが挙げられる。
【0017】Rとしては塩素原子、メトキシ基、フェニ
ル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルコキシ
基;炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基、フ
ェニル基で置換されていてもよいビニル基;炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ニトロ基で置換されていても良いフ
ェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基またはピ
リジル基;アルキル基で置換されていてもよいフェニル
オキシ基;アリルオキシ基が挙げられる。R1、R2
しては水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはアル
コキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。R3 、R4 とし
ては水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアル
キル基またはアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、
ハロゲン原子が挙げられる。R5 、R6 としては置換基
として炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、メタンスルホニルアミド基、ヒドロキシ基、
シアノ基、塩素原子、テトラヒドロフリル基、フェノキ
シカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基;フ
ェニル基;アリル基が挙げられる。
【0018】特に好ましくはRとしてはフェニル基で置
換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;アル
キル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニ
ル基;フリル基;チエニル基;メチル基で置換されてい
てもよいビニル基;R1 、R 2 としては水素原子または
炭素数1〜4のアルキル基;R3 またはR4 としては水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R5 、R6
しては炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。一般式
(I)で示される色素の具体例としては、例えば下記表
−1のものを挙げることができるが、本発明色素はこれ
らに限定されるものではない。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】
【表12】
【0031】
【表13】
【0032】
【表14】
【0033】
【表15】
【0034】本発明の感熱転写用色素は、通常、該色素
をバインダー樹脂と共に、媒体中に溶解あるいは微粒子
状に分散させることによりインキを調製し、該インキを
支持体上に塗布、乾燥することにより、支持体上に色材
層(色素供与層)が形成された感熱転写シートを得、感
熱転写方式の画像形成に使用する。本発明の感熱転写方
式による画像形成方法でフルカラーの画像を形成するに
は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の色素を使用す
る。各々の色素は、2種以上の本発明の色素又は、本発
明の色素と公知の色素を混合して使用しても良い。3種
の色素はシート状又は、ロール状の支持体上に各々独立
な領域を形成する様に配置される。例えば、イエロー領
域、マゼンタ領域、シアン領域を面順次で配置する。
【0035】支持体としては、コンデンサー紙、グラシ
ン紙のごとき薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐
熱性の良好なプラスチックフィルムが適している。それ
らの厚さとしては3〜50μmの範囲を挙げることが出
来る。上記のベースフィルムのうち、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムが機械的強度、耐溶剤性、経済性等
を考慮すると特に有利である。しかしながら、場合によ
っては、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、必ず
しも耐熱性が充分ではなく、サーマルヘッドの走行性が
不充分であるので、色素供与層の反対面に界面活性剤、
活性の高い耐熱性高分子等を含む耐熱性樹脂の層を設け
ることにより、サーマルヘッドの走行性を改良して使用
することが出来る。
【0036】インキ調製の為のバインダー樹脂として
は、感熱転写記録時に受像層との熱融着を防ぐ為、耐熱
性の良好なものを用いるが、特に軟化点及び/又は熱変
形温度が10℃以上のものが好ましい。具体的には、セ
ルロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶性樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリスルホン、AS樹脂、ポリエーテ
ルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリエステル、エ
チルセルロース、アセチルセルロース、ポリアミド、尿
素樹脂等の有機溶剤あるいは水に可溶の樹脂等を挙げる
ことが出来る。これらの樹脂は色素100重量部に対し
て、20〜500重量部の割合で使用するのが好まし
い。
【0037】インキ調製の為の溶媒としては、水、メチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、クロルベンゼン等のハロゲン化芳香
族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、ト
リクロルエチレン等の塩素系溶剤、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等を挙げ
ることが出来る。これらは、単独又は混合して使用す
る。
【0038】上記のインキ中には、上記の成分の他に、
感熱転写シートと受像シートとの離型性を向上させる為
に離型剤を含有させることが出来る。離型性を向上させ
る方法としては色素層上に離型層を形成させる方法もあ
るが、色移り特性等、本発明の効果をより有効に達成す
る為には、インキ中に離型剤を含有させることがより好
ましい。
【0039】離型剤としては、ポリエチレンワックス、
フッ素系化合物、シリコーン系化合物等公知の離型剤の
いずれでも使用出来るが、特にシリコーン系化合物が好
ましい。シリコーン系化合物としては、カルボキシ変
性、アミノ変性又は、エポキシ変性シリコーンオイル又
は樹脂を挙げることが出来る。例えば、信越化学工業
(株)製のX−22−3710、KF−393、KF−
105等が有効である。
【0040】また、フェノール系、ハイドロキノン系、
ヒンダードアミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、チアゾリドン系等の紫外線吸
収剤を添加して使用しても良い。また、塗布性改良、剥
離性改良、帯電防止改良の目的で公知の界面活性剤、特
に好ましくは、フッ素系界面活性剤を添加してもよい。
インキをベースフィルム上に塗布する方法としては、リ
バースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコー
ター、エアドクターコーター等を使用して実施出来、イ
ンキを塗布乾燥して形成させる色素供与層の厚さは、
0.1〜5μmの範囲が好ましい。
【0041】本発明の感熱転写色素あるいは感熱転写シ
ートと組み合わせて使用する受像シートは、支持体上に
色素受像層を有する。該色素受像層はバインダー樹脂、
該樹脂に色素を受容しうる化合物を添加したものであ
る。受像層に使用するバインダー樹脂としては、前記の
インキ調製に使用するバインダー樹脂が挙げられ、該樹
脂に添加する色素を受容しうる物質としては、特開昭6
2−174754等に記載されている高沸点有機溶剤を
挙げることが出来る。受像層の厚さは0.2〜40μm
が好ましく、特に、1〜15μmが好ましい。
【0042】支持体としては、合成紙(ポリオレフィ
ン、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポ
リアミド製のフィルム等や、これらの積層体を使用出来
る。受像シートは、支持体と受像層の間にクッション
層、接着層、色素の拡散防止層の機能を有する中間層を
形成しても良い。中間層は、ゼラチン等の水溶性バイン
ダーまたは、有機可溶性バインダーが使用され、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等
の微粒子を含有しても良い。
【0043】また、受像層には、白色度を向上する機能
等を付与する為に、蛍光増白剤を添加しても良い。蛍光
増白剤としては、スチルベン系、クマリン系、ベンゾオ
キサゾリル系等を挙げることが出来る。また、感熱転写
シートと受像シートとの離型性を向上させる為に、色素
受容材料の色素受像層の表面又は、層中に離型剤を含有
させることが好ましい。また、イソシアネート系、アル
デヒド系、エポキシ系、ビニルスルホン系、N−メチロ
ール系等の硬膜剤、上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、
界面活性剤を添加して使用出来る。この場合、剥離性、
滑り性等の改良、帯電防止の目的には、フッ素系界面活
性剤を添加して使用するのが好ましい。
【0044】本発明においては、感熱転写シートを受像
シートと重ね合わせ、好ましくは感熱転写シートの裏面
から、任意の加熱手段により、画像材料に応じた熱エネ
ルギーを与えることにより、色素供与層の色素を受像シ
ートの受像層に転写し画像安定性、鮮明性、解像性の優
れた画像を形成することが出来る。加熱手段は、サーマ
ルヘッドのみならず、レーザー光、赤外線、熱ペン等の
公知のものを使用出来る。また、本発明の感熱転写用色
素は、前記の感熱転写シートと受像シートを使用する転
写方法の他、加熱液化された色素または、色素自体を加
熱液化して受像紙に転写させる加熱気化転写方式にも利
用し得る。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により何等限定される
ものではない。 色素の合成 a)NO.1の色素の合成 3−アミノフェノール3.0g、トルエチルアミン6.
2mlをテトラヒドロフラン200mlに添加し、5℃
に冷却した。この中に、ベンゾイルクロライド4.3m
lを添加し、5℃で1時間撹拌し、反応終了後、アセト
ン200ml、水200ml及び28%アンモニア水4
0mlを添加する。この溶液を0〜5℃に保ち、撹拌し
ながら、更に、2−アミノ−5−(ジエチルアミノ)ト
ルエン塩酸塩7.5g、次いで、過硫酸アンモニウム1
5.9gを添加し、0〜5℃で1時間反応させた。反応
終了後、水を添加し、析出した結晶を濾過して、目的の
NO.1の色素の粗結晶を得た。この粗結晶をクロロホ
ルムを流下溶媒としてシリカゲルによるカラム精製を行
い、表−1のNO.1の色素を0.8g得た。この色素
の極大吸収は、607nm(アセトン)であり、融点
は、155〜156℃であった。
【0046】b)NO.5の色素の合成 上記a)のNO.1の色素の合成例におけるベンゾイル
クロライドの代わりに、同モル数の2−フロイルクロラ
イドを使用し、他は同様に処理して、表−1のNO.5
の色素を合成した。この色素の極大吸収は、607nm
(アセトン)であり、融点は、153〜154℃であっ
た。
【0047】c)NO.9の色素の合成 上記a)のNO.1の色素の合成例におけるベンゾイル
クロライドの代わりに、同モル数のテノイルクロライド
を使用し、他は同様に処理して、表−1のNO.9の色
素を合成した。この色素の極大吸収は、608nm(ア
セトン)であり、融点は、180〜181℃であった。
【0048】d)NO.16の色素の合成 上記a)のNO.1の色素の合成例における3−アミノ
フェノールの代りに同モルの5−アミノ−o−クレゾー
ルを使用し、ベンゾイルクロライドの代わりに、同モル
数のアクリロイルクロライドを使用し、2−アミノ−5
(ジエチルアミノ)トルエン塩酸塩の代りに同モルの
N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン硫酸塩を使
用し、他は同様に処理して、表−1のNO.16の色素
を合成した。この色素の極大吸収は、580nm(アセ
トン)であり、融点は、131〜132℃であった。
【0049】実施例1 a)インキの調製 上記で合成したNO.1の色素8g、フェノキシ樹脂
(製品名:PKHJ、UCC製)10g、テトラヒドロ
フラン90gをペイントコンディショナーで10分間処
理し、インキの調製を行った。
【0050】b)感熱転写シートの調製 上記のインキをワイヤーバーを用いて背面が耐熱滑性処
理のされた6μm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後の膜厚が1.0μmになる様に塗布し、
乾燥して熱転写シートを得た。なお、耐熱滑性処理はポ
リエチレンテレフタレートフィルムにポリカーボネート
樹脂8g、リン酸エステル系界面活性剤1g(商品名:
プライサーフA−208B:第一工業製薬株式会社
製)、トルエン91gの割合の混合液を乾燥後の膜厚が
0.5μmになる様に塗布し、乾燥することにより行っ
た。
【0051】c)受像シートの作成 塩酢ビ樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ルの共重合体でビニルアルコールの含有量が5重量%の
樹脂)10g、シリコーン樹脂(製品名:L−700
2、日本ユニカー(株)製)0.6g、トルエン40m
l、メチルエチルケトン40mlの割合の混合液を合成
紙(製品名:ユポFPG150、王子油化(株)製)に
ワイヤーバーで、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗
布、オーブンで100℃で30分間加熱乾燥して受像シ
ートを作成した(受像紙A)。
【0052】d)熱転写 上記のようにして得られた感熱転写シートと受像シート
を色素供与層と受像層が接する様に重ね合わせ、熱転写
シートの支持体側からサーマルヘッドでサーマルヘッド
の出力0.12W/ドットの記録電力、12ドット/m
mのドット密度、10msecのヘッド加熱のパルス巾
の条件で熱印加を行い、受像層に色素を熱転写したとこ
ろ、均一な転写画像が得られた。熱転写後の受像層上で
の記録濃度を米国マクベス社製、デンシトメーターTR
−927 (SPIフィルター使用)で測定したところ、
2.4であり、高濃度の転写記録が出来た。
【0053】e)色移り試験 1.00付近の記録濃度(色移り試験前の濃度)の画像
を受像シートの受像層のない支持体面に密着させ、40
℃、湿度80%の恒温、恒湿槽中に5日間保存した後、
色素の受像シートの支持体面への色移り濃度を測定し
た。本実施例の〔色移りした濃度(OD2 )〕/〔色移
り試験前の画像濃度(OD1 )〕は、0.0であり、画
像から、受像層の無い支持体面に青色色素の移行は殆ん
どなかった。これらの結果を以下の表−2に示す。
【0054】実施例2〜16 実施例1の条件で下記の表−2の色素を使用し、実施例
1同様にして処理して、転写記録、及び色移り試験を実
施したところ、良好な結果を示した。結果を以下の表−
2に示す。
【0055】
【表16】
【0056】比較例1 下記に示す特開昭63−308072のNO.4の色素
を用い、実施例1の方法で感熱転写シートを作成した
が、この色素は、感熱転写シートの色材層中で結晶化し
てしまった。結晶化した感熱転写シートを使用して実施
例1と同様に受像紙上に熱転写したが、均一な画像は得
られなかった。
【0057】
【化5】
【0058】
【発明の効果】本発明の感熱転写材料を使用した場合、
均一、且つ、高濃度に感熱転写記録が出来、又、接触物
への色移りがなく、画像の鮮明度が良好である等の良好
な性能の感熱転写画像を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 {式中、Rは置換基を有していてもよいビニル基、置換
    基を有していてもよいアリール基、置換基を有していて
    もよい複素環基、または−OA基(Aは置換基を有して
    いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリ
    ール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換
    基を有していてもよいアリル基を表す。)を表す。
    1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を
    有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
    いアルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。R3 、R
    4 はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していて
    もよいアルキル基、ハロゲン原子、または−NHCOR
    7 基(R7 は、水素原子、置換基を有していてもよいア
    ルキル基、またはアリール基を表す。)を表す。R5
    6 はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいア
    ルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、または
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。}で示さ
    れる感熱転写用色素。
  2. 【請求項2】 支持体上に色材層を有する感熱転写シー
    トであって、該色材層が請求項1の色素を含有すること
    を特徴とする感熱転写シート。
JP8235132A 1996-09-05 1996-09-05 感熱転写用色素、およびこの色素を用いた感熱転写シート Pending JPH1076758A (ja)

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