JPH05221931A - 熱染料昇華転写により使用するための染料供与体材料 - Google Patents

熱染料昇華転写により使用するための染料供与体材料

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JPH05221931A
JPH05221931A JP4262793A JP26279392A JPH05221931A JP H05221931 A JPH05221931 A JP H05221931A JP 4262793 A JP4262793 A JP 4262793A JP 26279392 A JP26279392 A JP 26279392A JP H05221931 A JPH05221931 A JP H05221931A
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hetero
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JP4262793A
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Geert Henri Defieuw
ジェール・アンリ・デヒュー
Herman Jozef Uytterhoeven
エルマン・ジョゼフ・イッテルオーヴェン
Rolf Wehrmann
ロルフ・ヴェールマン
Wolfgang Ebert
ヴォルフガング・エーバルト
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
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    • B41M5/392Additives, other than colour forming substances, dyes or pigments, e.g. sensitisers, transfer promoting agents

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一側上に染料層を有し、熱溶媒を含有する支
持体を含む熱染料昇華転写により使用するための染料供
与体材料において、前記熱溶媒が下記一般式 〔式中R〜R10は同じか又は異なり、水素、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル
基、アミド基、アミン基、エーテル基、カーボネート基
(これらは置換されていてもよい)、ハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、ニトリル基からなる群から選択する、但し
〜R10の少なくとも一つは水素を表わさない〕等
の置換ジ(ヘテロ)アリールカーボネートである染料供
与体材料。 【効果】 特に染料転写効率を改良するため染料供与体
材料に加えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は熱染料昇華転写印刷により使用す
るための染料供与体材料に関する、特に染料転写効率を
改良するため染料供与体材料に加えることができる材料
に関する。
【0002】熱染料拡散転写とも称される熱染料昇華転
写は、熱転写性を有する昇華性染料を含有する染料層を
設けた染料供与体材料を、受容体シートと接触状態にも
たらし、多数と並列熱発生抵抗器を設けた熱印刷ヘッド
で、パターン情報信号に従って選択的に加熱し、これに
よって染料供与体材料の選択的に加熱された部域から染
料を受容体シートに転写し、その上にパターンを形成す
る記録法であり、その形及び濃度は、染料供与体材料に
適用された熱の強度及びパターンに従う。
【0003】熱染料昇華転写により使用するための染料
供与体材料は、通常非常に薄い支持体例えばポリエステ
ル支持体を含み、その一側は、印刷染料を含有する染料
層で被覆されている。通常支持体と染料層の間には接着
剤層又は下塗層が設けられている。通常反対側は、熱印
刷ヘッドが摩耗に悩まされることなく通過できる滑性化
面を提供する滑性層で被覆される。接着剤層を支持体と
滑性層の間に設けることができる。
【0004】染料層は単色染料層であることができる、
又はそれは例えばシアン、マゼンタ、黄及び所望によっ
て黒色相の如き異なる着色染料の逐次反復部域を含むこ
とができる。3原色以上の染料を含有する染料供与体材
料を使用するとき、各色に対して染料転写法工程を逐次
的に行うことによって多色像を得ることができる。
【0005】前記熱染料昇華転写法において、最低の熱
エネルギーでできる限り多くの染料を転写することが常
に望まれている。熱染料転写により染料供与体材料から
受容材料へ転写できる染料の量は、染料転写効率によっ
て決る。染料転写効率を増大させ、従って増強された染
料転写濃度を得るため、染料供与体材料にいわゆる熱溶
媒を加えることが知られている。熱溶媒は、常温では固
体であるが高温で溶融する非加水分解性有機化合物であ
る。それらは40℃〜300℃、好ましくは40℃〜1
50℃の融点を有する。溶融状態で、それらは、それら
が含有される材料内で溶媒として作用する。これらの化
合物は、熱溶媒、溶融形成剤、溶融変性剤、共融形成
剤、可塑剤、軟化剤、及び熱現像兼拡散促進剤の如く異
なる名称の下に知られている。
【0006】熱染料転写供与体材料に使用するため各種
の熱溶媒が発表されている、例えばEP318944、
EP318945、EP390044、特開昭56−8
9985号、特開昭59−222391号、特開昭60
−44392号、特開昭60−56590号、特開昭6
1−286199号、特開昭62−108086号、特
開昭62−283176号、特開平2−3384号、特
開平2−25387号、特開平2−151485号及び
特開平3−10891号に記載されている。
【0007】二つのフェニル基の間に種々の結合基を有
するジフェニル化合物も染料供与体材料における熱溶媒
として記載されている。記載されている結合基の例には
エステル(EP318945及び特開昭61−2861
99号参照)、ケトン(EP318944参照)、(ス
ルホン)アミド(EP318944参照)及びエーテル
(特開平2−3384及び特開平2−25387号参
照)がある。
【0008】EP318945においては、染料供与体
材料中の熱溶媒として非置換ジフェニルカーボネートが
使用されている。これらの化合物は染料転写時には有利
な効果を有するが、それらは供与体材料の安定性に悪影
響を与える。熱溶媒として非置換ジフェニルカーボネー
トを含有するかかる染料層を有する染料供与体材料を、
供与体材料の一部の裏被覆を別の部分の染料被覆に対し
て保持するようにして或る長さの時間巻き上げて貯蔵し
たとき、裏被覆の染料被覆への粘着が発生し、染料の移
行が生じ、究極的にその染料供与体を用いて作ったプリ
ントの濃度損失をもたらす。更に前記熱溶媒は染料の結
晶化を生ぜしめる。
【0009】従って本発明の目的は前述した欠点を有し
ない染料供与体材料に導入するための熱溶媒を提供する
ことにある。
【0010】本発明によれば、一側上に染料層を有し、
熱溶媒を含有する支持体を含む熱染料昇華転写により使
用するための染料供与体材料を提供し、前記熱溶媒が置
換ジ(ヘテロ)アリールカーボネートであることを特徴
とする。
【0011】(ヘテロ)アリールによってアリール又は
ヘテロアリールを意味する。
【0012】本発明による熱溶媒を含有する染料供与体
材料は染料転写効率の増大を与える。更にこれらの化合
物は、巻いた形又は折り曲げた形で貯蔵した供与体材料
の安定性に有害な効果を有しない。
【0013】本発明による熱溶媒は、(ヘテロ)アリー
ル基が、フェニル基、ナフチル基、チオフエン基及びピ
リジン基からなる群から選択される置換ジ(ヘテロ)ア
リールカーボネートである。二つの(ヘテロ)アリール
基は同じであることができ、又は異なることができる。
(ヘテロ)アリール基上の置換基には、アルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アミ
ド基、アミン基、エーテル基、カーボネート基(これら
は置換されていてもよい)、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、ニトリル基を含む。
【0014】本発明の好ましい実施態様によれば置換ジ
(ヘテロ)アリールカーボネートは下記式に相当する:
【0015】
【化2】
【0016】式中R1 〜R10は同じであっても異なって
もよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシル基、エステル基、アミド基、アミン基、エー
テル基、カーボネート基(これらは置換されていてもよ
い)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトリル基を表わ
す、但しR1 〜R10の少なくとも一つは水素を表わさな
い。
【0017】好ましくはR1 〜R5 の一つだけ(好まし
くはR3 )及びR6 〜R10の一つだけ(好ましくはR
8 )は水素を表わさず、好ましくはこれら置換基の両者
は同じである。好ましい置換基はアルキル基(例えばt
−ブチル基、メチル基、エチル基及び1−エチルヘキシ
ル基)、シクロアルキル基(例えばシクロヘキシル
基)、アリール基及びアラルキル基(例えば2−フェニ
ル−2−プロピル基)である。好ましくは置換基の分子
量の合計は30〜300である。
【0018】前述した熱溶媒は直接染料供与体材料の染
料層中に混入できる、又はそれらが転写処理中染料層と
有効に接触状態にある隣接層中に混入できる。それらは
意図する用途に有効である任意の量で使用するとよい。
一般に良好な結果は、0.05〜0.3g/m2 の被覆
量で、又は染料層結合剤の1〜50重量%又は被覆され
る染料の30〜300重量%の濃度で得られた。
【0019】本発明による熱溶媒は、熱染料転写供与体
材料に使用するため知られている他の熱溶媒と組合せて
使用できる。かかる熱溶媒の例にはUS343877
6、DE3339810、EP119615、EP32
7318に記載された熱溶媒があり、更にカルボン酸及
びそのエステル例えばグルタル酸、セバチン酸、クエン
酸もしくは無水クエン酸、アルコルビン酸、安息香酸、
トルイル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸;脂
肪酸例えばステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、メチルステアレート、ビフェニルスベレート;スル
ホン酸例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸;アルコール例えば1−オクタデカノール、1,6
−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
10−デカンジオール;糖例えばフラクトース、ソルビ
トール;フェノール及びそれらの誘導体例えばレゾルシ
ノール、α−ナフトール、2,3−ジメチルフェノー
ル、p−デシルフェノール、p−メトキシフェノール、
p−(2−フェニルエトキシ)フェノール;スルホンア
ミド例えばスルファミド、メチルスルホンアミド、N,
N′−ジシクロヘキシルスルホンアミド;アミド例えば
アセタミド、N−メチルアセタミド、ステアラミド;イ
ミド例えばスクシンイミド、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド;アミン例えばα−ナフチルアミン、トリフェニル
アミン;尿素例えば尿素、メチル尿素、N,N′−ジメ
チル尿素、N,N′−ジシクロヘキシル尿素、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N′−ジメチル
−N,N′−プロピレン尿素、チオ尿素、ヒダントイ
ン;ナフタレン誘導体例えば2−メトキシナフタレン;
ハイドロキノン誘導体例えばハイドロキノンジクロロメ
チルエステルがある。
【0020】染料が熱の作用によって染料受容層に転写
しうるならば、本発明の染料供与体材料の染料層中で任
意の染料を使用できる。特に良好な結果は、EP432
829、EP432313、EP432314、EP4
00706、EP485665、ヨーロッパ特許出願第
91200218.5号及びEP453020に記載さ
れている如き昇華性染料を用いて得られた。これらの染
料の触媒的褪色を最小にするため、それらは例えばUS
5024990及びUS5026679に記載されてい
る如くインドアニリン染料と組合せて使用することがで
きる。
【0021】他の好適な染料には下記式に相当する染料
がある。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】これらの染料はEP362808に記載さ
れている方法と同様の方法で合成できる。
【0026】本発明による熱染料昇華転写供与体材料の
染料層は、好ましくは好適な溶媒又は溶媒混合物に染
料、重合体結合剤媒体、置換ジ(ヘテロ)アリールカー
ボネート熱溶媒及び他の任意成分を加え、各成分を溶解
又は分散して被覆組成物を形成し、これを接着剤層又は
下塗層を初めに設けてあってもよい支持体に付し、乾燥
して形成する。通常層は、使用した溶媒によって約90
℃〜約130℃、好ましくは100℃〜120℃の温度
を有する空気中で乾燥する。
【0027】かくして形成した層は約0.2〜5.0μ
m、好ましくは0.4〜2.0μmの厚さを有し、染料
又は染料混合物対結合剤の量比は、重量で9:1〜1:
3、好ましくは3:1〜1:2である。
【0028】重合体結合剤としては下記のものを使用で
きる:セルロース誘導体例えばエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテートホルメート、セルロースアセ
テート水素フタレート、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート、セルロースアセテートペンタノエート、セ
ルロースアセテートベンゾエート、セルローストリアセ
テート;ビニル系樹脂及び誘導体例えばポリビニルアル
コール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラー
ル、コポリビニルブチラール−ビニルアセタール−ビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリアクリルアミド;アクリレート及び
アクリレート誘導体から誘導された重合体及び共重合体
例えばポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート及び
スリチレン−アクリレート共重合体;ポリエステル樹
脂;ポリカーボネート;コポリスチレン−アクリロニト
リル;ポリスルホン;ポリフェニレンオキサイド;オル
ガノシリコーン例えばポリシロキサン;エポキシ樹脂及
び天然樹脂例えばアラビヤゴムを使用できる。好ましく
は本発明の染料層のための結合剤としてセルロースアセ
テートブチレート又はポリ(スチレン−コ−アクリロニ
トリル)を使用する。
【0029】被覆層は又他の添加剤、例えば安定剤、硬
化剤、防腐剤、有機もしくは無機微細粒子、分散剤、帯
電防止剤、脱泡剤、粘度制御剤等も含有できる、これら
の及び他の成分はEP133011、EP13301
2、EP111004及びEP279467に更に完全
に記載されている。
【0030】染料層又は染料層に隣接する層は更に、染
料転写の操作温度範囲内で分解し、発熱反応を受けるい
わゆる加熱増幅剤(heat amplication agent)を含有で
きる。熱パルスの付与は発熱化合物に局部的な熱を発生
させる単なる開始剤であり、これは染料を転写するのを
助け、かくして転写された像の染料濃度の増大を助け
る。発泡剤とも称されるかかる加熱増幅剤の例は例えば
EP113017、EP150383、US45257
22、及びロンドンのButterworths発行、Handbook of
Reactive Chemical Hazards 第3版、1461〜146
2頁に記載されている。他の好適な加熱増幅剤には、
2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)、2,2′−
アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)
プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス〔2−メチル
−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プ
ロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス〔2−メチル−
N−(1,1−ビス−(ヒドロキシメチル)−2−ヒド
ロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビ
ス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)、
2,2′−アゾビス〔N−(4−クロロフェニル)−2
−メチルプロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
〔N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピ
オンアミジン〕、2,2′−アゾビス〔N−(4−アミ
ノフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン〕、2,
2′−アゾビス〔2−メチル−N−(フェニルメチル)
プロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス(2−メチ
ル−N−2−プロペニルプロピオンアミジン)、2,
2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)、
2,2′−アゾビス〔N−(2−ヒドロキシエチル)−
2−メチルプロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミジン〕、
2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミジン〕、
2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)、2,2′−アゾビ
ス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル 2,2′−
アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−ア
ゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2′−アゾビ
ス〔2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル〕、
1,1′−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル、ジベンゾイルパーオキサイド、ベンゼンスルホン酸
ヒドラジド、3−ドデシルスルホンアミドベンゼンスル
ホン酸ヒドラジド、4−(1,1−ジメチルデシル)ス
ルホンアミドベンゼンスルホン酸ヒドラジド、3−メチ
ルカルボニルアミノ−4−ヘキサデシルスルホベンゼン
スルホン酸ヒドラジド、デシルスルホン酸ヒドラジド及
び英国ケンブリッジのFBC Industrial Chemicalsによっ
て商標GENITRON OB で市販され市場で入手しうるスルホ
ンヒドラジドがある。
【0031】支持体が20ミリ秒までの時間で、400
℃以下の温度に耐えることができかつ寸法的に安定であ
り、更にかかる短時間、代表的には1〜10ミリ秒内
で、受容体シートに転写を行うため、一側上に付与した
熱を他側上の染料にそれを通して伝達するのに充分な薄
さであるならば、任意の材料が染料供与体材料のための
支持体として使用できる。かかる材料にはポリエチレン
テレフタレートの如きポリエステル、ポリアミド、ポリ
アクリレート、ポリカーボネート、セルロースエステ
ル、弗素化重合体、ポリエーテル、ポリアセタール、ポ
リオレフィン、ポリイミド、グラシン紙及びコンデンサ
ー紙を含む。ポリエチレンテレフタレートを含む支持体
が好ましい。支持体は所望により接着剤層又は下塗層で
被覆してもよい。好適な下塗層の例は例えばEP433
496、EP311841、EP268179、US4
727057、US4695288に記載されている。
【0032】染料供与体材料の染料層は支持体上に被覆
することができる、又はグラビヤ法の如き印刷法でその
上に印刷することができる。
【0033】染料層の上に、かぶりを減少又は防止する
ため、即ち受容材料に対して供与体材料を押圧すること
により誘起される非加熱部域への染料の転写を減少又は
防止するための層を設けることができる。かかる層に使
用するための重合体結合剤は、染料透過性でなければな
らず、充分に高いガラス転移温度を有していなければな
らず、そして層が剥離中受容材料に粘着しないよう充分
に接着性でなければならない。更に重合体結合剤は、上
層の被覆中下にある染料層を溶解しない溶媒に充分に可
溶性でなければならない。好適な重合体結合剤の例に
は、ニトロセルロース、ポリ(ビニルブチラール−コ−
ビニルアセテート−コ−ビニルアルコール)(Wackerに
よって市販されているPIOLOFORM BL 16)及びテレフ
タル酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム
塩とエチレングリコールのコポリエステルがある。層は
充分に薄くなければならず、一般に重合体結合剤は0.
1〜0.3g/m2 の被覆量で被覆する。
【0034】染料の支持体の方に向う悪い方向での転写
を防止することによって染料転写濃度を改良するため、
染料供与体材料中で、その支持体と染料層の間で、親水
性重合体を含有する染料バリヤー層も使用できる。染料
バリヤー層は、意図する目的に有用である任意の親水性
材料を含有できる。一般に良好な結果は、ゼラチン、ポ
リアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、
ブチルメタクリレートグラフト化ゼラチン、エチルメタ
クリレートグラフト化ゼラチン、エチルアクリレートグ
ラフト化ゼラチン、セルロースモノアセテート、メチル
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミ
ン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールとポリビニ
ルアセテートの混合物、ポリビニルアルコールとポリア
クリル酸の混合物又はセルロースモノアセテートとポリ
アクリル酸の混合物を用いて得られた。好適なバリヤー
層は例えばEP227091及びEP228065に記
載されている。或る種の親水性重合体、例えばEP22
7091に記載されているものは、支持体及び染料層へ
の適切な接着性も有する、従って別の接着剤もしくは下
塗層の必要を省略する。供与体材料中で単一層で使用す
るこれらの特定の親水性重合体は従って二重の機能を果
す、ここではこれを染料バリヤー/下塗層と称する。
【0035】好ましくは染料供与体材料の反対側は、染
料供与体材料に印刷ヘッドが粘着することを防止するた
め滑性層で被覆できる。かかる滑性層は、重合体結合剤
を用い又は用いずに、界面活性剤、液体滑剤、固体滑剤
又はそれらの混合物の如き滑性材料を含有する。界面活
性剤は当業者に知られている任意の界面活性剤、例えば
カルボキシレート、スルホネート、ホスフェート、脂肪
族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、フルオロアルキルC2 〜C20脂肪族酸であ
ることができる。液体滑剤の例にはシリコーン油、合成
油、飽和炭化水素及びグリコールを含む。固体滑剤の例
にはステアリルアルコールの如き種々の高級アルコー
ル、脂肪酸及び脂肪酸エステルを含む。好適な滑性層は
例えばEP138483、EP227090、US45
67113、US4572860、US4717711
に記載されている。好ましくは滑性層は、結合剤とし
て、スチレン−アクリロニトリル共重合体又はスチレン
−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体又はそれらの
混合物又はセルロースエステルを含有し、滑剤として、
結合剤(混合物)の0.1〜10重量%の量で、ポリシ
ロキサン−ポリエーテル共重合体又はポリテトラフルオ
ロエチレン又はそれらの混合物を含有する。
【0036】染料供与体材料と共に用いる受容体シート
のための支持体は、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、セルロースエ
ステル又はポリビニルアルコール−コ−アセタールの透
明フィルムであることができる。支持体は又バライタ被
覆紙、ポリエチレン被覆紙又は白色ポリエステル即ち白
色顔料化ポリエステルの如き反射性支持体であることも
できる。青色着色ポリエチレンテレフタレートフィルム
も支持体として使用できる。
【0037】受容体シートの支持体への転写された染料
の悪い吸着を避けるため、この支持体は、特殊な面、染
料がより容易に拡散できる染料像受容層で被覆するとよ
い。染料受容層は例えばポリカーボネート、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルクロライ
ド、ポリスチレン−コ−アクリロニトリル、ポリカプロ
ラクトン又はそれらの混合物を含有できる。好適な染料
受容層は例えばEP133011、EP133012、
EP144247、EP227094、EP22806
6に記載されている。染料像受容層は又硬化した結合剤
例えばポリ(ビニルクロライド−コ−ビニルアセテート
−コ−ビニルアルコール)及びポリイソシアネートの熱
硬化生成物も含有できる。
【0038】記録された像の耐光性及び他の安定性を改
良するため、UV吸収剤、一重項酸素消去剤例えば HAL
S 化合物(Hindered Amine Light Stabilizers)及び/
又は酸化防止剤を受容層中に混入できる。
【0039】染料受容層は支持体上に任意の好適な被覆
法により、例えばバー被覆により被覆できる。層は続い
て約90℃〜約120℃の温度を有する空気中で乾燥す
る。
【0040】染料供与体材料の染料層及び受容体シート
の染料像受容層は、転写後染料受容材料から染料供与体
材料を分離するのを助ける剥離剤も含有できる。剥離剤
は、受容層又は染料層の少なくとも一部上に別の層の形
で付与することもできる。剥離剤として、固体ワック
ス、弗素もしくはホスフェート含有界面活性剤及びシリ
コーン油を使用する。好適な剥離剤は例えばEP133
012、特開昭60−19138号、EP227092
に記載されている。
【0041】熱染料昇華転写印刷法は、受容体シートの
染料受容層と面対面関係で供与体材料の染料層を置き、
供与体材料の後から像に従って加熱することを含む。染
料の転写は約400℃の温度で約数ミリ秒の間加熱する
ことによって達成される。
【0042】この方法を単一色のみについて行うとき、
単色染料転写像が得られる。多色像は3原色以上の染料
を含有する供与体材料を用い、続いてそれぞれの色に対
して前述した処理工程を行うことによって得ることがで
きる。熱を熱印刷ヘッドによって付与するとき、その時
間の間、供与体材料と受容体シートの前記サンドイッチ
を三つの場合について形成する。第一の染料が転写され
た後、各材料を剥離する。次に第二の染料供与体材料
(又は異なる染料部域を有する供与体材料の別の部域)
を整合させて染料受容材料と置き、方法を繰返す。第三
の色及び所望によってそれ以外の色は同じ方法で得られ
る。
【0043】熱エネルギーを供給するための熱源とし
て、熱ヘッドの外に、レーザー光、赤外フラッシュ、又
は加熱ペンを使用できる。本発明の染料供与体材料から
受容体シートへ染料を転写するため使用できる熱印刷ヘ
ッドは市場で入手できる。レーザー光を使用する場合、
染料材料の染料層又は別の層は、レーザーによって放出
される光を吸収し、それを熱に変える化合物、例えばカ
ーボンブラックを含有しなければならない。
【0044】或いは、染料供与体材料の支持体は、例え
ば薄いアルミニウムフィルムで被覆した炭素充填ポリカ
ーボネートの多層構造からなる電気抵抗リボンであるこ
とができる。電流をプリントヘッド電極を電気的に目標
にして抵抗リボン中に注入し、対応する電極の下にリボ
ンの高度に局在された加熱を生ぜしめる。この場合、熱
は抵抗リボン中で直接発生し、それが熱くなるリボンで
あるという事実が、熱ヘッドの各種素子が熱くなり、ヘ
ッドを次の印刷位置に動かすことができる前に冷却しな
ければならない熱ヘッド法に比較して抵抗リボン/電極
ヘッド法を用いると印刷速度に固有の利点をもたらす。
【0045】下記実施例は本発明を更に詳細に示すが、
これに限定するものではない。
【0046】実施例 熱染料昇華転写により使用する染料供与体材料を次の如
く作った:
【0047】5重量%の染料A、3重量%の染料B(B
1又はB2)、3重量%の染料C、6重量%の結合剤と
してのポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)及び下
掲の表1に示す種類及び量(重量%)の熱溶媒を、溶媒
としてのメチルエチルケトン中に含有する溶液を作っ
た。この溶液から、厚さ6μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に湿潤厚さ10μmを有する層を被覆
した。形成された溶媒の蒸発によって乾燥した。
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏
側には、滑剤としてのポリシロキサン−ポリエーテル共
重合体1重量%及びポリ(スチレン−コ−アクリトニト
リル)結合剤13重量%を含有する溶液から被覆した滑
性層を設けた。
【0053】受容体材料(A) として、三菱より市販され
市場で入手できる材料タイプCP100TSを使用し
た。
【0054】熱染料昇華転写により使用する受容体材料
(B) は次の如く作った。
【0055】厚さ170μmの青色着色ポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に、7.2g/m2 のポリ(ビ
ニルクロライド−コ−ビニルアセテート−コ−ビニルア
ルコール)(Union Carbide より供給されたVINYLITE V
AGD)、0.72g/m2 のジイソシアネート(Bayer AG
により供給されたDESMODUR VL)及び0.2g/m2 のヒ
ドロキシ変性ポリジメチルシロキサン(Goldschmidt に
より供給されたTEGOMER H SI 2111)を含有する受
容層を設けた。
【0056】染料供与体材料は三菱カラービデオプリン
ターCP100Eで受容体材料(A又はB)と組合せて
印刷した。
【0057】受容体シートを染料供与体材料から分離
し、下記式によって染料転写効率を測定した。
【0058】効率=(D0 −D1 )/D0 ×100
【0059】式中D0 は非印刷供与体材料の透過色濃度
であり、D1 は印刷後の供与体材料の透過色濃度であ
る。色濃度は、ラッテンフィルター92,93及び94
を備えたマクベスTD102濃度計により赤、緑及び青
帯域で測定する。
【0060】巻いた形又は折り曲げた形で非印刷供与体
材料中で生ずる滑性層の染料層への粘着を、60℃で1
時間巻いた形で供与体材料を貯蔵してチェックした(供
与体材料の安定性)。
【0061】この実験を、下掲の表1に示した染料供与
体材料及び受容材料の各組合せについて繰返した。結果
を下掲の表1に示す。
【0062】 表 1 熱溶媒 染 料 転 写 効 率 受容体A 受容体B 種類 染 料 安定性 ナシ − A,B1,C 29 47 39 36 52 47 良 I 1 A,B1,C 40 58 52 44 60 57 悪 I 2.5 A,B1,C 45 63 58 50 66 64 悪 II 1 A,B1,C 44 61 55 44 59 56 良 II 2.5 A,B1,C 44 60 54 51 66 63 良 III 1 A,B1,C 37 55 54 48 63 60 良 III 2.5 A,B1,C 42 59 53 49 64 62 良 IV 1 A,B1,C 39 56 50 41 56 53 良 IV 2.5 A,B1,C 37 52 47 50 64 61 良 V 1 A,B1,C 36 54 48 46 61 59 良 V 2.5 A,B1,C 50 63 59 54 65 64 良 VI 1 A,B1,C 41 59 52 46 61 58 良 VI 2.5 A,B1,C 36 54 47 39 55 50 良 ナシ − A,B2,C 58 59 66 63 65 69 良 VII 1 A,B2,C 62 65 68 67 70 70 良 VIII 1 A,B2,C 62 64 68 69 71 74 良 IX 1 A,B2,C 62 64 66 69 72 72 良
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】
【化13】
【0067】
【化14】
【0068】
【化15】
【0069】
【化16】
【0070】
【化17】
【0071】
【化18】
【0072】これらの結果は本発明による熱溶媒が、ジ
フェニルカーボネート(化合物I、比較例)に対し比較
して供与体材料の高い染料転写効率及び改良された安定
性を生ぜしめることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エルマン・ジョゼフ・イッテルオーヴェン ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ロルフ・ヴェールマン ドイツ連邦共和国デー 5090 レヴェルク ーセン 1 バイエル・アクチエンゲゼル シャフト内 (72)発明者 ヴォルフガング・エーバルト ドイツ連邦共和国デー 5090 レヴェルク ーセン 1 バイエル・アクチエンゲゼル シャフト内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側上に染料層を有し、熱溶媒を含有す
    る支持体を含む熱染料昇華転写により使用するための染
    料供与体材料において、前記熱溶媒が置換ジ(ヘテロ)
    アリールカーボネートであることを特徴とする染料供与
    体材料。
  2. 【請求項2】 (ヘテロ)アリール基を、フェニル基、
    ナフチル基、チオフエン基及びピリジン基からなる群か
    ら選択することを特徴とする請求項1の染料供与体材
    料。
  3. 【請求項3】 二つの(ヘテロ)アリール基が同じであ
    ることを特徴とする請求項1又は2の染料供与体材料。
  4. 【請求項4】 (ヘテロ)アリール基上の置換基を、ア
    ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エス
    テル基、アミド基、アミン基、エーテル基、カーボネー
    ト基(これらの基は置換されていてもよい)、ハロゲン
    原子、ヒドロキシ基、ニトリル基からなる群から選択す
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項の染料供
    与体材料。
  5. 【請求項5】 置換ジ(ヘテロ)アリールカーボネート
    が、下記一般式 【化1】 〔式中R1 〜R10は同じか又は異なり、水素、アルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル
    基、アミド基、アミン基、エーテル基、カーボネート基
    (これらは置換されていてもよい)、ハロゲン原子、ヒ
    ドロキシ基、ニトリル基からなる群から選択する、但し
    1 〜R10の少なくとも一つは水素を表わさない〕に相
    当することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項の染
    料供与体材料。
  6. 【請求項6】 置換基R1 〜R10の分子量の合計が30
    〜300であることを特徴とする請求項5の染料供与体
    材料。
  7. 【請求項7】 R3 及びR8 の両者がアルキル基又はシ
    クロアルキル基又はアリール基又はアラルキル基を表わ
    し、R1 、R2 、R4 〜R7 、R9 及びR10が水素を表
    わすことを特徴とする請求項5又は6の染料供与体材
    料。
  8. 【請求項8】 ジ(ヘテロ)アリールカーボネートが染
    料層中に含有されることを特徴とする請求項1〜7の何
    れか1項の染料供与体材料。
  9. 【請求項9】 ジ(ヘテロ)アリールカーボネートの量
    が、染料層結合剤の1〜50重量%であることを特徴と
    する請求項8の染料供与体材料。
  10. 【請求項10】 結合剤がポリ(スチレン−コ−アクリ
    ロニトリル)であることを特徴とする請求項9の染料供
    与体材料。
JP4262793A 1991-09-10 1992-09-04 熱染料昇華転写により使用するための染料供与体材料 Pending JPH05221931A (ja)

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