JPH10297121A - 感熱転写用色素及びこれを使用した感熱転写シート - Google Patents

感熱転写用色素及びこれを使用した感熱転写シート

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JPH10297121A
JPH10297121A JP11210097A JP11210097A JPH10297121A JP H10297121 A JPH10297121 A JP H10297121A JP 11210097 A JP11210097 A JP 11210097A JP 11210097 A JP11210097 A JP 11210097A JP H10297121 A JPH10297121 A JP H10297121A
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JP
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group
heat
substituent
dye
sensitive transfer
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JP11210097A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Ozawa
鉄男 尾澤
Junji Mizukami
潤二 水上
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一、且つ高濃度の感熱転写記録を可能と
し、又、接触物への色移りがなく、画像の先鋭度が良好
である等、良好な性能の感熱転写画像を得る。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、
置換基を有していても良いアルキル基、アルコキシ基、
又はハロゲン原子を表し、R3 、R4 は、それぞれ独立
して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は−NHCOR7
(R7 は、水素原子、又は置換基を有していても良いア
ルキル基またはアリール基を表す。)を表す。R5 、R
6 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いア
ルキル基、置換基を有していても良いアリル基、又は置
換基を有していても良いアリール基を表す。)で示され
る感熱転写用色素及びこれを用いた感熱転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写用色素、
及びこれを用いた感熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ、複写機あるいはプ
リンターなどに電子写真方式、インクジェット方式、感
熱転写方式などによるカラー記録技術が検討されてい
る。感熱転写記録方式では、装置の保守や、操作が容易
で、装置や消耗品が安価であるため、他の方式に比べ有
利な点が多い。
【0003】感熱転写方式には、ベースフィルム上に熱
溶融性インキ層を形成させた転写シートを、熱ヘッドに
より加熱して、該インキを溶融し、受像層上に転写記録
する溶融方式と、ベースフィルム上に熱移行性色素を含
有する色材層を形成させた感熱転写シートを熱ヘッドに
より加熱して色素を受像シート上に熱移行転写させる方
式があるが、熱移行転写方式は熱ヘッドに与えるエネル
ギーを変えることにより色素の移行量を制御することが
できるので、階調記録が容易になり、高精細、高画質の
フルカラー記録には特に容易である。
【0004】熱移行転写方式で均一な画像を得るために
は、使用する感熱転写シートの色材層中で、色素が完全
に均一に溶解していることが必要である。色素の溶解性
が悪いと、色材層中で色素が結晶化して不均一となる。
このような感熱転写シートを使用して、転写画像を作成
した場合には、結晶化した部分の色素の受像層への移行
が不充分となり、均一な画像は得られない。これらの問
題を解決するため、種々の方法が検討されている。例え
ば、特開61−268493、特開昭63−30807
2等が提案されているが、インキ化溶媒に対する溶解
性、インキ中での色素の保存安定性、感熱転写シート上
の色材層中での色素の保存安定性、受像シート上の受像
層中での色素の保存安定性、転写感度、画像の耐光性等
において更に改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を克服した青色の感熱転写用色素及び感熱転写シートを
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で示されるインドアニリン系感熱転写用色素、及
び支持体上に色材層を有する感熱転写シートであって、
該色材層が下記一般式(I)で示される感熱転写用色素
を含有することを特徴とする感熱転写シートをその要旨
とする。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 、R2 は、それぞれ独立し
て、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、
アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、R3 、R
4 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してい
ても良いアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、−
NHCOR7 (R7 は、水素原子、又は置換基を有して
いても良いアルキル基またはアリール基を表す。)を表
す。R5 、R6 は、それぞれ独立に、置換基を有してい
ても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリル
基、又は置換基を有していても良いアリール基を表
す。) 以下、本発明を詳細に説明する。前記一般式(I)で示
される本発明のインドアニリン系色素は、下記一般式
(II)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、A、R1 及びR2 は前記一般式
(I)と同一の定義である。)で示されるフェノール系
化合物と、下記一般式 (III)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R3 〜R6 は前記一般式(I)に
おけると同意義を表す。)で表されるアニリン系化合物
とを酸化剤の存在下、不活性溶媒中、中性〜アルカリ性
で0〜25℃程度の温度条件下で反応させることにより
製造することができる。この反応に使用される溶媒とし
ては、水、、水と混合可能なアセトン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメチルフォルムアミド、ジメチル
スルフォキシド、ピリジン、アルコール類等が挙げられ
る。これらの溶媒は、単独、又は混合して使用される。
又、この反応で使用される酸化剤としては、過酸化水
素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過硫酸ソーダ等
の過硫酸塩類、フェリシアン塩類、硝酸塩類等が挙げら
れる。
【0013】前記一般式(I)においてR1 、R2 、R
3 、R4 及びR7 のアルキル基としては、具体的には、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネ
オペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基
等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が
挙げられる。これらアルキル基は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子等で置換されていてもよ
い。R1 、R2 のアルコキシ基を示す場合、具体的には
上記アルキル基に対応する炭素数1〜8のアルコキシ基
が挙げられ、又、ハロゲン原子を示す場合はフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられ
る。
【0014】R5 、R6 のアルキル基としては、具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキ
シル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキ
ル基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよく、
その置換基としてはメタンスルフォニルアミド基、エタ
ンスルフォニルアミド基等の炭素数1〜8、好ましくは
炭素数1〜4のアルキルスルフォニルアミド基;ヒドロ
キシ基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素
数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;フ
ッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;フェニル基等の
アリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセ
チルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等のアシルオキシ基;メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノ
キシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;シ
アノ基;テトラヒドロフリル基等が挙げられる。R5
6 、R7 がアリール基を示す場合、具体的には、フェ
ニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニ基、p−エ
トキシフェニル基等のアルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子等で置換されていても良いフェニル基が挙げら
れる。R5 、R6 のアリル基である場合、さらに置換基
として、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、フェニル基
等のアリール基等を有していてもよい。
【0015】一般式(I)で示される色素の内、好まし
いものは、R1 、R2 が、水素原子、フッ素原子で置換
されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、R3 、R4
が水素原子、フッ素原子で置換されていても良い炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、炭素数2〜5のアルキルカルボニルアミノ
基、ホルミルアミノ基であり、R5 、R6 が置換基とし
てアルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルフォン
アミド基、アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボ
ニル基、テトラヒドロフリル基、シアノ基で置換されて
いても良い炭素数1〜4のアルキル基又はアリル基であ
る。
【0016】更に好ましいのは、R1 、R2 が水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3 、R4 が水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で
あり、R5 、R6 がアルコキシ基、フェニル基又はテト
ラヒドロフリル基で置換されていても良いアルキル基で
ある色素が挙げられる。本発明で使用される色素の具体
例としては、例えば下記の表−1のものを挙げることが
出来るがこれにより、本発明が特に限定されるものでは
ない。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】本発明の感熱転写用色素は、通常、該色素
をバインダー樹脂と共に、媒体中に溶解あるいは微粒子
状に分散させることによりインキを調製し、該インキを
支持体上に塗布、乾燥することにより、支持体上に色材
層が形成された感熱転写シートを得、感熱転写方式の画
像形成に使用する。本発明の感熱転写方式による画像形
成方法でフルカラーの画像を形成するには、イエロー、
マゼンタ、シアンの3色の色素、場合によりこれにブラ
ックを加えた4色の色素を使用する。各々の色素は、2
種以上の本発明の色素又は、本発明の色素と公知の色素
を混合して使用しても良い。これらの色素はシート状又
は、ロール状の支持体上に各々独立な領域を形成する様
に配置される。例えば、イエロー領域、マゼンタ領域、
シアン領域を面順次で配置する。
【0022】支持体としては、コンデンサー紙、グラシ
ン紙のごとき薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐
熱性の良好なプラスチックフィルムが適している。それ
らの厚さとしては3〜50μmの範囲を挙げることが出
来る。上記のベースフィルムのうち、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムが機械的強度、耐溶剤性、経済性等
を考慮すると特に有利である。しかしながら、場合によ
っては、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、必ず
しも耐熱性が充分ではなく、サーマルヘッドの走行性が
不充分であるので、色材層の反対面に界面活性剤、活性
の高い耐熱性高分子等を含む耐熱性樹脂の層を設けるこ
とにより、サーマルヘッドの走行性を改良して使用する
ことが出来る。
【0023】上記のインキ調製の為のバインダー樹脂と
しては、感熱転写記録時に受像層との熱融着を防ぐ為、
耐熱性の良好なものを用いるが、特に軟化点又は熱変形
温度が10℃以上のものが好ましい。具体的には、セル
ロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶性樹脂、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリスルホン、AS樹脂、ポリエーテルス
ルフォン、ポリビニルブチラール、ポリエステル、エチ
ルセルロース、アセチルセルロース、ポリアミド、尿素
樹脂等の有機溶剤あるいは水に可溶の樹脂等が挙げるこ
とが出来る。これらの樹脂は色素100重量部に対し
て、20〜500部の割合で使用するのが好ましい。
【0024】インキ調製の為の溶媒としては、水、メチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール等のアルコール類、メチルセルソルブ、エチル
セルソルブ等のセルソルブ類、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメ
チルホルアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等
の有機溶剤を挙げることが出来る。これらは、単独又は
混合して使用する。
【0025】上記のインキ中には、上記の成分の他に、
感熱転写シートと受像シートとの離型性を向上させる為
に離型剤を含有させることが出来る。また、色材層上に
離型層を塗布するなどして形成させることも出来るが、
色移り特性等、本発明の効果をより有効に達成する為に
は、インキ中に含有させることがより好ましい。離型剤
としては、ポリエチレンワックス、フッ素系化合物、シ
リコーン系化合物等いずれの離型剤でも使用出来るが、
このうちシリコーン系化合物が好ましい。シリコーン化
合物としては、カルボキシ変性、アミノ変性又は、エポ
キシ変性シリコーンオイル又は樹脂を挙げることが出来
る。例えば、信越化学工業(株)製のX−22−371
0、KF−393、KF−105等が有効である。
【0026】また、フェノール系、ハイドロキノン系、
ヒンダードアミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、チアゾリドン系等の紫外線吸
収剤を添加して使用しても良い。また、塗布性改良、剥
離性改良、帯電防止改良の目的で公知の界面活性剤、特
に好ましくは、フッ素系界面活性剤を添加しても良い。
【0027】インキをベースフィルム上に塗布する方法
としては、リバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用し
て実施出来、インキを塗布乾燥して形成される色材層の
厚さは、0.1〜5μmの範囲が好ましい。本発明の感
熱転写シートと組み合わせて使用する受像シートは、支
持体上に受像層を有する。該受像層はバインダー樹脂、
該樹脂に色素を受容しうる化合物を添加したものであ
る。
【0028】受像層に使用するバインダー樹脂として
は、前記のインキ調製に使用するバインダー樹脂が挙げ
られ、該樹脂に添加する色素を受容しうる物質として
は、特開昭62−174754等に記載されている高沸
点有機溶剤を挙げることが出来る。受像層の厚さは0.
2〜40μmが好ましく、特に、1〜15μmが好まし
い。
【0029】支持体としては、合成紙(ポリオレフィ
ン、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポ
リアミド製のフィルム等や、これらの積層体を使用出来
る。受像シートは、支持体と受像層の間にクッション
層、接着層、色素の拡散防止層の機能を有する中間層を
形成しても良い。中間層は、ゼラチン等の水溶性バイン
ダーまたは、有機可溶性バインダが使用され、シリカ、
クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等の微
粒子を含有しても良い。
【0030】また、受像層には、白色度を向上する機能
等を付与する為に、蛍光増白剤を添加しても良い。蛍光
増白剤としては、スチルベン系、クマリン系、ベンゾオ
キサゾリル系等を挙げること出来る。また、感熱転写シ
ートと受像シートとの離型性を向上させる為に、受像シ
ートの受像層の表面又は、層中に離型剤を含有させるこ
とが好ましい。
【0031】また、イソシアネート系、アルデヒド系、
エポキシ系、ビニルスルフォン系、N−メチロ−ル系等
の硬膜剤、上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性
剤を添加して使用出来る。この場合、剥離性、滑り性、
剥離性等の改良、帯電防止の目的には、フッ素系界面活
性剤を添加して使用するのが好ましい。本発明において
は、感熱転写シートを受像シートと重ね合わせ、好まし
くは感熱転写シートの裏面から、加熱手段により、画像
材料に応じた熱エネルギーを与えることにより、色材層
の色素を受像シートの受像層に画像安定性、鮮明性、解
像性の優れた画像を転写することが出来る。加熱手段
は、サーマルヘッドのみならず、レーザー光、赤外線、
熱ペン等の公知のものを使用出来る。
【0032】また、本発明の感熱転写用色素は、前記の
感熱転写シートと受像シートを使用する転写方法の他、
特開平5−221155、特開平7−108711に記
載されているような、加熱液化された色素または、色素
自体を加熱液化して受像紙に転写させる加熱気化転写方
式にも利用し得る。また、本発明の感熱転写用色素は、
バイオレット系の色素であり、イエロー系色素、マゼン
タ系色素及びシアン系色素と混合して、ブラックの色調
を出すのに特に有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に具体的に
説明するが、本願発明は以下の実施例により何等限定さ
れるものではない。なお、以下の実施例における色素N
O.は表−1における色素NO.を表す。 色素の合成 a)NO.1の色素の合成 5−アミノ−o−クレゾール4.3g、トリエチルアミ
ン6.2mlをテトラヒドロフラン200mlに添加
し、5℃に冷却した。この中に、テトラヒドロ−2−フ
ランカルボニルクロライド4.9gを添加し、5℃で1
時間撹拌し、反応終了後、アセトン200ml、水20
0ml及び28%アンモニア水40mlを添加する。こ
の溶液中を0〜5℃に保ち、撹拌しながら、更に、N,
N−ジエチル−p−フェニレンジアミンの硫酸塩9.2
g、次いで、過硫酸アンモニウム15.9gを添加し、
0〜5℃で1時間反応させた。反応終了後、水を添加
し、析出した結晶をろ過して、目的のNO.1の色素の
粗結晶を得た。この粗結晶をクロロホルムを流下溶媒と
してシリカゲルによるカラム精製を行い、目的のNO.
1の色素を5.4g得た。この色素の極大吸収は、57
6nm(アセトン中)であり、融点は、174〜175
℃であった。
【0034】実施例1 a)インキの調製 上記で合成したNO.1の色素6g、フェノキシ樹脂
(製品名:PKHJ、UCC製)10g、テトラヒドロ
フラン90gをペイントコンディショナーで10分間処
理し、インキの調製を行った。
【0035】b)感熱転写シートの調製 上記のインキをワイヤーバーを用いて背面が耐熱滑性処
理のされた6μm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後の膜厚が1.0μmになる様に塗布し、
乾燥して感熱転写シートを得た。なお、耐熱滑性処理は
ポリエチレンテレフタレートフィルムにポリカーボネー
ト樹脂8g、リン酸エステル系界面滑性剤1g(商品
名:プライサーフA−208B:第一工業製薬株式会社
製)、トルエン91gからなる液を乾燥後の膜厚が0.
5μmになる様に塗布し、乾燥することにより行った。
【0036】c)受像シートの作成 塩酢ビ樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ルの共重合体でビニルアルコールの含有量が5重量%の
樹脂)10g、シリコーン樹脂(製品名:L−700
2、日本ユニカ−(株)製)0.6g、トルエン40m
l、メチルエチルケトン40mlからなる液を合成紙
(製品名:ユポFPG150、王子油化(株)製)にワ
イヤーバーで、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗
布、オーブンで100℃で30分間加熱処理して乾燥し
て受像シートを作成した。
【0037】d)熱転写 上記のようにして得られた感熱転写シートと受像シート
を色材層と受像層が接する様に重ね合わせ、感熱転写シ
ートの支持体側からサーマルヘッドでサーマルヘッドの
出力0.12W/ドットの記録電力、12ドット/mm
のドット密度、10msecのヘッド加熱のパルス巾の
条件で熱印加を行い、受像層に色素を熱転写した所、均
一な転写画像が得られた。熱転写後の受像層上での記録
濃度が米国マクベス社製、デンシトメーターTR−92
7(黒色用SPIフィルター使用)で測定した所、1.
34であり、高濃度の転写記録が出来た。
【0038】又、1.00付近の濃度(色移り試験前の
濃度)の画像を受像シートの受像層のない支持体面に密
着させ、40℃、湿度80%の恒温、恒湿槽中に5日間
保存し後、色素の受像シートの支持体面への色移り試験
を行った。本実施例の色移りした濃度(OD2 )/色移
り試験前の画像濃度(OD1 )は、0.0であり、画像
から、受像層の無い支持体面に青色色素の移行がわずか
であった。これらの結果を以下の表−2に示す。
【0039】実施例2〜11 実施例1で用いた色素NO.1の代わりに、下記の表−
2の色素を使用した他は、実施例1と同様にして感熱転
写シートを作成し、転写記録、及び色移り試験を実施し
た所、良好な結果を示した。結果を以下の表−2に示
す。 比較例1 特開昭63−308072においてNO.4として記載
された下記構造式の色素を用い、実施例1の方法で感熱
転写シートを作成し、実施例1と同様に評価したが、色
移り試験結果が不良であった。結果を以下の表―2に示
す。
【0040】
【化5】
【0041】
【表5】
【0042】なお、表−2において極大波長は、アセト
ン中で測定した。また、色移りの判定は、OD2 /OD
1 が0.02未満のものを○、0.02以上0.05未
満のものを△、0.05以上のものを×とした。
【0043】
【発明の効果】本発明の感熱転写色素を使用した感熱転
写シートでは、均一、且つ高濃度の感熱転写記録が出
来、又、接触物への色移りがなく、画像の先鋭度が良好
である等、良好な性能の感熱転写画像を得ることが出来
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、
    置換基を有していても良いアルキル基、アルコキシ基、
    又はハロゲン原子を表し、R3 、R4 は、それぞれ独立
    して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は−NHCOR7
    (R7 は、水素原子、又は置換基を有していても良いア
    ルキル基またはアリール基を表す。)を表す。R5 、R
    6 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いア
    ルキル基、置換基を有していても良いアリル基、又は置
    換基を有していても良いアリール基を表す。)で示され
    る感熱転写用色素。
  2. 【請求項2】 支持体上に色材層を有する感熱転写シー
    トであって、該色材層が請求項1に記載の感熱転写用色
    素を含有することを特徴とする感熱転写シート。
JP11210097A 1997-04-30 1997-04-30 感熱転写用色素及びこれを使用した感熱転写シート Pending JPH10297121A (ja)

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JP11210097A Pending JPH10297121A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 感熱転写用色素及びこれを使用した感熱転写シート

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