JPH10297112A - 感熱転写用色素及びそれを使用した熱転写シート - Google Patents

感熱転写用色素及びそれを使用した熱転写シート

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JPH10297112A
JPH10297112A JP9107328A JP10732897A JPH10297112A JP H10297112 A JPH10297112 A JP H10297112A JP 9107328 A JP9107328 A JP 9107328A JP 10732897 A JP10732897 A JP 10732897A JP H10297112 A JPH10297112 A JP H10297112A
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JP
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group
thermal transfer
dye
alkyl group
coloring matter
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JP9107328A
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Tetsuo Ozawa
鉄男 尾澤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一かつ高濃度な転写が可能な感熱転写用色
素及びシートを提供する。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Aは、置換基を有していても良いアルキル基、
置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有し
ていても良いアリール基、置換基を有していても良い複
素環基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表
し、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換
基を有していても良いアルキル基、アルコキシ基、又は
ハロゲン原子を表し、R3 、R4 は、それぞれ独立し
て、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又
はハロゲン原子を表す。R5 、R6 は、置換基を有して
いても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリ
ル基又は置換基を有していても良いアリール基を表
す。)で示される感熱転写用色素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写用色素及び色
材層を有する感熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ、複写機あるいはプ
リンタ−などに電子写真方式、インクジェット方式、感
熱転写方式などによるカラ−記録技術が検討されてい
る。感熱転写記録方式では、装置の保守や、操作が容易
で、装置や消耗品が安価であるため、他の方式に比べ有
利な点が多い。
【0003】感熱転写方式には、ベ−スフィルム上に熱
溶融性インキ層を形成させた転写シ−トを、熱ヘッドに
より加熱して、該インキを溶融し、受像層上に転写記録
する溶融方式と、ベ−スフィルム上に熱移行性色素を含
有する色材層を形成させた感熱転写シートを熱ヘッドに
より加熱して色素を受像シート上に熱移行転写させる方
式があるが、熱移行転写方式は熱ヘッドに与えるエネル
ギ−を変えることにより色素の移行量を制御することが
できるので、階調記録が容易になり、高精細、高画質の
フルカラ−記録には特に容易である。
【0004】熱移行転写方式で均一な画像を得るために
は、使用する感熱転写シートの色材層中で、色素が完全
に均一に溶解していることが必要である。色素の溶解性
が悪いと、色材層中で色素が結晶化して不均一となる。
このような感熱転写シートを使用して、転写画像を作成
した場合には、結晶化した部分の色素の受像層への移行
が不充分となり、均一な画像は得られない。これらの問
題を解決するため、種々の方法が検討されている。例え
ば、特開昭63−308072、特開昭64−2479
2等が提案されているが、転写感度、インキ化溶媒に対
する溶解性、インキ中での色素の保存安定性、感熱転写
シート上の色材層中での色素の保存安定性、受像紙上の
受像層中での色素の保存安定性、画像の耐光性等におい
て更に改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を克服した青色の感熱転写用色素及び感熱転写シートを
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式(
I) で示されるインドアニリン系感熱転写用色素及び支
持体上に色材層を有する感熱転写シートであって、該色
材層が下記一般式(I)の色素を含有することを特徴と
する感熱転写シートをその要旨とする。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Aは、置換基を有していても良い
アルキル基、置換基を有していても良いアラルキル基又
は置換基を有していても良いアリール基、置換基を有し
ていても良い複素環基、アルキルアミノ基又はジアルキ
ルアミノ基を表し、R1 、R2は、それぞれ独立して、
水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、アル
コキシ基、又はハロゲン原子を表し、R3 、R4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良い
アルキル基又はハロゲン原子を表す。R5 、R6は、そ
れぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル
基、置換基を有していても良いアリル基又は置換基を有
していても良いアリール基を表す。)で示される感熱転
写用色素。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(I)で示される本発明のインドアニリン系
色素は、下記一般式(II)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、A、R1 、R2 は前記一般式
(I)におけると同意義を表す。)で示されるフェノー
ル系化合物と、下記一般式(III)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R3 〜R6 は前記一般式(I)に
おけると同意義を表す。)で表されるアニリン系化合物
とを酸化剤の存在下、不活性溶媒中、中性〜アルカリ性
で0〜25℃程度の温度条件下で反応させることにより
製造することができる。この反応に使用される溶媒とし
ては、水、水と混合可能なアセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルス
ルフォキシド、ピリジン、アルコール類等が挙げられ
る。これらの溶媒は、単独、又は混合して使用される。
又、この反応で使用される酸化剤としては、過酸化水
素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過硫酸ソーダ等
の過硫酸塩類、フェリシアン塩類、硝酸塩類等が挙げら
れる。
【0014】前記一般式(I)において置換基Aのアル
キル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−
エチルヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、置換アル
キル基としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、
トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロ
ロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリ
フルロエチル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン原
子で置換されたアルキル基が挙げられ、アラルキル基と
しては、ベンジル基、p−メチルベンジル基、フェネチ
ル基等が挙げられる。
【0015】アリール基としては、フェニル基、o −メ
チルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフ
ェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、p−エチフェ
ニル基、p−n−プロピルフェニル基、p−i−プロピ
ルフェニル基等のアルキル基で置換されたフェニル基、
p―メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基等の
アルコキシ基で置換されたフェニル基、o−クロロフェ
ニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル
基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル
基、p−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェ
ニル基等のハロゲン原子で置換されたフェニル基、o−
トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチ
ルフェニルキ基、p−トリフルオロメチルフェニル基等
のハロゲン原子置換アルキル基で置換されたフェニル
基、p−ニトロフェニル基、o−メトキシカルボニルフ
ェニル基、o−エトキシカルボニルフェニル基、1−ナ
フチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0016】アルキルアミノ基としては、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチ
ルアミノ基等の炭素数1〜8のアルキルアミノ基が挙げ
られ、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ
−n−ブチルアミノ基等の炭素数1〜8のジアルキルア
ミノ基が挙げられる。
【0017】置換基を有していても良い複素環基として
は、窒素原子、酸素原子、イオウ原子等を含有する5又
は6員の複素環基が挙げられ、具体例としては2−チア
ゾリル基、2−フリル基、2−チアゾリル基、2−チエ
ニル基等が挙げられる。R1 、R2 、R3 及びR4 がア
ルキル基を示す場合、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8の
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。アルキ
ル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子等のハロゲン原子が挙げられる。R1 、R2 がアルコ
キシ基を示す場合、具体的には上記アルキル基に対応す
る炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、又、ハロゲ
ン原子を示す場合はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等
のハロゲン原子が挙げられる。
【0018】R5 、R6 がアルキル基を示す場合、具体
的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキ
シル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキ
ル基が挙げられ、その置換基としてはメタンスルフォニ
ルアミド基、エタンスルフォニルアミド基等の炭素数1
〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルキルスルフォニル
アミド基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基等の炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4の
アルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原
子;フェニル基等のアリール基;フェノキシ基等のアリ
ールオキシ基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ
基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基等の総炭素数2〜
8のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基
等のアリールオキシカルボニル基;シアノ基;テトラヒ
ドロフリル基等が挙げられる。
【0019】R5 、R6 がアリール基を示す場合、具体
的には、フェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェ
ニ基、p−エトキシフェニル基等の炭素数1〜4のアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されてい
ても良いフェニル基が挙げられる。R5 、R6 のアリル
基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0020】一般式(I)で示される色素の内、好まし
いものは、Aとしては、フッ素原子で置換されていても
良い炭素数1〜8のアルキル基;ベンジル基;炭素数1
〜4のアルキル基、ハロアルキル基又はフッ素原子で置
換されていても良いフェニル基又は、炭素数1〜8のジ
アルキルアミノ基が挙げられる。R1 、R2 としては、
水素原子、フッ素原子で置換されていても良い炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子が挙げられ、R 3 、R4 としては水素原子、フ
ッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキ
ル基、ハロゲン原子が挙げられ、R5 、R6 としては、
置換基としてアルコキシ基、アシルオキシ基、アルキル
スルフォンアミド基、アルコキシカルボニル基、フェノ
キシカルボニル基、テトラヒドロフリル基、シアノ基で
置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基が挙げ
られる。
【0021】更に好ましいのは、R1 、R2 が水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3 、R4 が水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素、塩素原
子であり、R5 、R6 がアルコキシ基、テトラヒドロフ
リル基又はフェニル基で置換されていても良い炭素数1
〜4のアルキル基である色素が挙げられる。本発明で使
用される色素の具体例としては、例えば下記の表−1の
ものを挙げることが出来るがこれにより、本発明が特に
限定されるものではない。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】本発明の感熱転写用色素は、通常、該色素
をバインダ−樹脂と共に、媒体中に溶解あるいは微粒子
状に分散させることによりインキを調製し、該インキを
支持体上に塗布、乾燥することにより、支持体上に色材
層(色素供与層)が形成された感熱転写シートを得、感
熱転写方式の画像形成に使用する。本発明の感熱転写方
式による画像形成方法でフルカラ−の画像を形成するに
は、イエロ−、マゼンタ、シアンの3色の色素を使用す
る。各々の色素は、2種以上の本発明の色素又は、本発
明の色素と公知の色素を混合して使用しても良い。3種
の色素はシ−ト状又は、ロ−ル状の支持体上に各々独立
な領域を形成する様に配置される。例えば、イエロ−領
域、マゼンタ領域、シアン領域を面順次で配置する。
【0030】支持体としては、コンデンサ−紙、グラシ
ン紙のごとき薄葉紙、ポリエステル、ポリカ−ボネ−
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐
熱性の良好なプラスチックフィルムが適している。それ
らの厚さとしては3〜50μmの範囲を挙げることが出
来る。上記のベースフィルムのうち、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムが機械的強度、耐溶剤性、経済性等
を考慮すると特に有利である。しかしながら、場合によ
っては、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、必ず
しも耐熱性が充分ではなく、サーマルヘッドの走行性が
不充分であるので、色素供与層の反対面に界面活性剤、
活性の高い耐熱性高分子等を含む耐熱性樹脂の層を設け
ることにより、サーマルヘッドの走行性を改良して使用
することが出来る。
【0031】上記のインキ調製の為のバインダ−樹脂と
しては、感熱転写記録時に受像層との熱融着を防ぐ為、
耐熱性の良好なものを用いるが、特に軟化点及び/又は
熱変形温度が10℃以上のものが好ましい。具体的に
は、セルロ−ス系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶
性樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリカ−ボネ−ト、ポリスルホン、AS樹脂、ポリ
エ−テルスルフォン、ポリビニルブチラ−ル、ポリエス
テル、エチルセルロ−ス、アセチルセルロ−ス、ポリア
ミド、尿素樹脂等の有機溶剤あるいは水に可溶の樹脂等
が挙げることが出来る。これらの樹脂は色素100重量
部に対して、20〜500部の割合で使用するのが好ま
しい。
【0032】インキ調製の為の溶媒としては、水、メチ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、イソブチルア
ルコ−ル等のアルコ−ル類、メチルセルソルブ、エチル
セルソルブ等のセルソルブ類、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類、N,N−ジメ
チルホルアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等
の有機溶剤を挙げることが出来る。これらは、単独又は
混合して使用する。
【0033】上記のインキ中には、上記の成分の他に、
感熱転写シートと受像シートとの離型性を向上させる為
に離型剤を含有させることが出来る。また、色素層上に
離型層を塗布するなどして形成させることも出来るが、
色移り特性等、本発明の効果をより有効に達成する為に
は、インキ中に含有させることがより好ましい。離型剤
としては、ポリエチレンワックス、フッ素系化合物、シ
リコ−ン系化合物等いずれの離型剤でも使用出来るが、
このうちシリコ−ン系化合物が好ましい。シリコ−ン化
合物としては、カルボキシ変性、アミノ変性又は、エポ
キシ変性シリコ−ンオイル又は樹脂を挙げることが出来
る。例えば、信越化学工業(株)製のX−22−371
0、KF−393、KF−105等が有効である。
【0034】また、フェノ−ル系、ハイドロキノン系、
ヒンダ−ドアミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾ−
ル系、ベンゾフェノン系、チアゾリドン系等の紫外線吸
収剤を添加して使用しても良い。また、塗布性改良、剥
離性改良、帯電防止改良の目的で公知の界面活性剤、特
に好ましくは、フッ素系界面活性剤を添加しても良い。
インキをベ−スフィルム上に塗布する方法としては、リ
バ−スロ−ルコ−タ−、グラビアコ−タ−、ロッドコ−
タ−、エアドクタ−コ−タ−等を使用して実施出来、イ
ンキを塗布乾燥して形成される色素供与層の厚さは、
0.1〜5μm の範囲が好ましい。
【0035】本発明の感熱転写シートと組み合わせて使
用する受像シートは、支持体上に色素受像層を有する。
該色素受容層はバインダ−樹脂、該樹脂に色素を受容し
うる化合物を添加したものである。受容層に使用するバ
インダ−樹脂としては、前記のインキ調製に使用するバ
インダ−樹脂が挙げられ、該樹脂に添加する色素を受容
しうる物質としては、特開昭62−174754等に記
載されている高沸点有機溶剤を挙げることが出来る。受
容層の厚さは0.2〜40μm が好ましく、特に、1〜
15μm が好ましい。
【0036】支持体としては、合成紙、(ポリオレフィ
ン、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポ
リアミド製のフィルム等や、これらの積層体を使用出来
る。受像シートは、支持体と受像層の間にクッション
層、接着層、色素の拡散防止層のの機能を有する中間層
を形成しても良い。中間層は、ゼラチン等の水溶性バイ
ンダ−または、有機可溶性バインダが使用され、シリ
カ、クレ−、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等
の微粒子を含有しても良い。
【0037】また、受像層には、白色度を向上する機能
等を付与する為に、蛍光増白剤を添加しても良い。蛍光
増白剤としては、スチルベン系、クマリン系、ベンゾオ
キサゾリル系等を挙げること出来る。また、感熱転写シ
ートと受像シートとの離型性を向上させる為に、色素受
容材料の色素受容層の表面又は、層中に離型剤を含有さ
せることが好ましい。
【0038】また、イソシアネ−ト系、アルデヒド系、
エポキシ系、ビニルスルフォン系、N−メチロ−ル系等
の硬膜剤、上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性
剤を添加して使用出来る。この場合、剥離性、滑り性、
剥離性等の改良、帯電防止の目的には、フッ素系界面活
性剤を添加して使用するのが好ましい。本発明において
は、感熱転写シートを受像シートと重ね合わせ、好まし
くは感熱転写シートの裏面から、加熱手段により、画像
材料に応じた熱エネルギ−を与えることにより、色素供
与層の色素を受像シートの受像層に画像安定性、鮮明
性、解像性の優れた画像を転写することが出来る。加熱
手段は、サ−マルヘッドのみならず、レ−ザ−光、赤外
線、熱ペン等の公知のものを使用出来る。
【0039】また、本発明の感熱転写用色素は、前記の
感熱転写シートと受像シートを使用する転写方法の他、
特開平5−221155、特開平7−108711に記
載されているような、加熱液化された色素または、色素
自体を加熱液化して受像紙に転写させる加熱気化転写方
式にも利用し得る。また、本発明の感熱転写用色素は、
バイオレット系の色素であり、イエロー系色素、マゼン
タ系色素及びシアン系色素と混合して、ブラックの色調
を出すのに特に有用である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に具体的に
説明するが、本願発明は以下の実施例により何等限定さ
れるものではない。 色素の合成 a)N0.1の色素の合成 5−アミノ−o−クレゾール4.3g、トリエチルアミ
ン6.2mlをテトラヒドロフラン200mlに添加
し、5℃に冷却した。この中に、メタンスルフォニルク
ロライド4.4gを添加し、5℃で1時間攪拌し、反応
終了後、アセトン200ml、水200ml及び28%
アンモニア水40mlを添加する。この溶液中を0〜5
℃に保ち、攪拌しながら、更に、2−アミノ−5−(ジ
エチルアミノ)トルエンの硫酸塩9.2g、次いで、過
硫酸アンモニウム15.9gを添加し、0〜5℃で1時
間反応させた。反応終了後、水を添加し、析出した結晶
をろ過して、目的のNO.1の色素の粗結晶を得た。こ
の粗結晶をクロロホルムを流下溶媒としてシリカゲルに
よるカラム精製を行い、目的のNO.1の色素を3.0
g得た。この色素の極大吸収は、559nm(アセト
ン)であり、融点は、160℃であった。
【0041】b)N0.3の色素の合成 上記a)のNO.1の色素の合成例における2−アミノ
−5−(ジエチルアミノ)トルエンの塩酸塩7.5gの
代わりに、同モル数のN,N−ジエチル−p−フェニレ
ンジアミンの硫酸塩を使用し、他は同様に処理して、目
的NO.3の色素を合成した。この色素の極大吸収は、
540nm(アセトン)であり、融点は、150℃であ
った。
【0042】実施例1 a)インキの調製 上記で合成したNO.1の色素6g、フェノキシ樹脂
(製品名:PKHJ、UCC製)10g、テトラヒドロ
フラン90gをペイントコンディショナ−で10分間処
理し、インキの調製を行った。
【0043】b)感熱転写シートの調製 上記のインキをワイヤ−バ−を用いて背面が耐熱滑性処
理のされた6μm 厚のポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルム上に乾燥後の膜厚が1.0μm になる様に塗布し、
乾燥して熱転写シートを得た。なお、耐熱滑性処理はポ
リエチレンテレフタレ−トフィルムにポリカ−ボネ−ト
樹脂8g、リン酸エステル系界面滑性剤1g(商品名:
プライサ−フA−208B:第一工業製薬株式会社
製)、トルエン91gからなる液を乾燥後の膜厚が0.
5μm になる様に塗布し、乾燥することにより行った。
【0044】c)受像シートの作成 塩酢ビ樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−
ルの共重合体でビニルアルコ−ルの含有量が5重量%の
樹脂)10g、シリコ−ン樹脂 (製品名:L−700
2、日本ユニカ−(株)製)0.6g、トルエン40m
l、メチルエチルケトン40mlからなる液を合成紙
(製品名:ユポFPG150、王子油化(株)製)にワ
イヤ−バ−で、乾燥後の膜厚が5μm になるように塗
布、オ−ブンで100℃で30分間加熱処理して乾燥し
て受像シートを作成した。
【0045】d)熱転写 上記のようにして得られた感熱転写シートと受像シート
を色素供与層と受像層が接する様に重ね合わせ、熱転写
シートの支持体側からサ−マルヘッドでサ−マルヘッド
の出力0.12W/ドットの記録電力、12ドット/m
mのドット密度、10msecのヘッド加熱のパルス巾
の条件で熱印加を行い、受像層に色素を熱転写した所、
均一な転写画像が得られた。熱転写後の受像層上での記
録濃度が米国マクベス社製、デンシトメ−タ−TR−9
27(黒色用SPIフィルタ−使用)で測定した所、
1.66であり、高濃度の転写記録が出来た。この結果
を以下の表−2に示す。
【0046】実施例2〜13 実施例1の条件で下記の表−2の色素を使用し、実施例
1同様にして処理して、転写記録、及び色移り試験を実
施した所、良好な結果を示した。結果を以下の表−2に
示す。
【0047】比較例1 特開昭63−308072に包含される下記の色素を用
い、実施例1の方法で感熱転写シートを作成し、実施例
1と同様に評価したが、転写感度が不良であった。結果
を以下の表―2に示す。
【0048】
【化5】
【0049】
【表8】 *1極大波長は、アセトン中で測定した。
【0050】
【発明の効果】本発明の感熱転写材料を使用した場合、
均一、且つ、高濃度に感熱転写記録が出来、又、接触物
への色移り少なく、画像の先鋭度が良好である等の良好
な性能の感熱転写画像を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Aは、置換基を有していても良いアルキル基、
    置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有し
    ていても良いアリール基、置換基を有していても良い複
    素環基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表
    し、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換
    基を有していても良いアルキル基、アルコキシ基、又は
    ハロゲン原子を表し、R3 、R4 は、それぞれ独立し
    て、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又
    はハロゲン原子を表す。R5 、R6 は、それぞれ独立し
    て、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有
    していても良いアリル基又は置換基を有していても良い
    アリール基を表す。)で示される感熱転写用色素。
  2. 【請求項2】 支持体上に色素層を有する熱転写シート
    であって、該色素層が請求項1に記載の色素を含有する
    ことを特徴とする熱転写シート。
JP9107328A 1997-04-24 1997-04-24 感熱転写用色素及びそれを使用した熱転写シート Pending JPH10297112A (ja)

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