JP3343239B2 - 感熱転写記録材料 - Google Patents

感熱転写記録材料

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JP3343239B2
JP3343239B2 JP2000183810A JP2000183810A JP3343239B2 JP 3343239 B2 JP3343239 B2 JP 3343239B2 JP 2000183810 A JP2000183810 A JP 2000183810A JP 2000183810 A JP2000183810 A JP 2000183810A JP 3343239 B2 JP3343239 B2 JP 3343239B2
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勝徳 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属イオン含有色素化
合物を用いた感熱転写記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術と本発明が解決しようとする技術的課題】
レーザーを用いた画像記録は、高密度の情報記録保存、
再生手段(たとえば光ディスク)および高密度の画像記
録手段(たとえばレーザーをヒートモードとする感熱転
写記録材料)として近年特にその開発が進められいる。
【0003】感熱転写記録材料がレーザ光で露光される
と、レーザー光が熱エネルギーに変換されて露光された
近傍の色材が加熱され、その加熱に応じた色材が熱転写
して受像材料中に画像が形成される。
【0004】感熱転写記録材料中には、レーザ波長を強
く吸収する物質(レーザ吸収物質)が含有されており、
このレーザ吸収物質が光エネルギーを吸収し、効率よく
熱エネルギーに変換する。
【0005】前記レーザー吸収物質としては、炭素や特
定の赤外線吸収色素が用いられている。しかしながら、
炭素を用いた場合は、炭素を微粒子で添加しているの
で、炭素粒子の凝集が生じ易く、それが故に色材の転写
による画像の質が低下しやすいという問題点がある。
【0006】また、赤外吸収性のシアニン色素を用いた
場合には,赤外吸収色素自身の安定性が悪いために、感
熱転写記録材料の保存時に、熱や湿度あるいは光等によ
り赤外線吸収色素の濃度が低下してしまい、これがため
に感熱転写記録材料のレーザー光による記録感度が劣化
するという問題があった。
【0007】すなわち、本発明の目的は、定着性と保存
安定性(耐光性、耐熱性)と溶剤に対する溶解性とに優
れた金属イオン含有色素化合物を用いた感熱転写記録媒
体を提供することにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】前記目的を達成するた
めの請求項1に記載の発明は、熱により転写可能な色材
を含有する色材層および/またはこの色材層と隣接する
層が、下記一般式(化1)で示される金属イオン含有色
素化合物を含有することを特徴とする感熱転写記録材料
であり、
【0009】
【化1】
【0010】[ただし、式中M2+はキレート化可能な金
属イオンをあらわし、X11およびY11はそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、または一価の有機基を表す。
lおよびmは1〜4の整数を、Z- は陰イオンをそれぞ
れ表わす。R0 は隣接する窒素原子および芳香族環の二
重結合と共に6員の含窒素芳香族複素環を表す。Jは、
−NR1112(ただし、R11およびR12はそれぞれ独立
に水素原子、およびアルキル基を表し、またこのR11
よびR12は隣接する窒素原子と共に5員または6員の環
を形成する非金属原子群を表す。)、または−OR
13(ただし、R13は水素原子または置換基を有していて
も良いアルキル基を表す。)を表わす。]
【0011】請求項2に記載の発明は、前記金属イオン
含有色素化合物は、下記一般式(化2)で示される金属
イオン含有インドアニリン系色素化合物であることを特
徴とする請求項1の感熱転写記録材料であり、
【化2】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
らわし、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子または一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜
4の整数を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。また、
Bは隣接する窒素原子と共に5員または6員の環を形成
する非金属原子群を表す。]
【0012】請求項3に記載の発明は、前記金属イオン
含有色素化合物は、下記一般式(化3)で示される金属
イオン含有インドアニリン系色素化合物であることを特
徴とする請求項1の感熱転写記録材料であり、
【化3】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
らわし、Yはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子ま
たは一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜4の整数
を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。X1 は、−CO
OR、−CONRR1 、−SO2 NRR1 、−NHCO
NRR1 、−NHCOOR、−CN、および−NO2
りなる群から選択される少なくとも一種の基である(た
だし、Rはアルキル基、またはアリール基を表し、R1
は前記Rとは独立して水素原子、アルキル基またはアリ
ール基を表す。)。また、R1 およびR2 はそれぞれ独
立して水素原子またはアルキル基を表わす。]
【0013】請求項4に記載の発明は、前記金属イオン
含有色素化合物は、下記一般式(化4)で示される金属
イオン含有インドフェノール系色素化合物であることを
特徴とする請求項1の感熱転写記録材料である。
【化4】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
らわし、Yはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子ま
たは一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜4の整数
を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。X2 は、水素原
子、またはアシルアミノ基を除く一価の基を表す。]
【0014】本発明について、さらに詳しく説明する。
【0015】−感熱転写記録材料− 本発明の感熱転写記録材料は、支持体上に形成された、
色材を含有する色材層またはこの色材層に隣接する層
に、前記した一般式(化1)で示される金属イオン含有
色素化合物が含まれている。
【0016】本発明の感熱転写記録材料に使用される金
属イオン含有色素化合物を示す前記一般式(化1)にお
いて、M2+はキレート化可能な金属イオンを表わす。こ
の金属イオンの好適例としては、2価の遷移金属イオン
を挙げることができ、特にNi2+、Cu2+、Fe2+、C
2+、Cr2+、Zn2+を挙げることができる。これらの
中でも好ましいのは、Ni2+、Cu2+、Co2+であり、
特に好ましいのはNi 2+である。
【0017】前記X11およびY11は各々独立に水素原
子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子)、一価の有機基を表わす。
【0018】この一価の有機基の好適例としては、アル
キル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、
n−ブチル基等の炭素原子数1〜12の直鎖または分岐
のアルキル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば
フェニル基、ナフチル基等)、アルケニル基(例えば2
−プロペニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル
基、2−フェネチル基等)、アルコキシ基(例えばメト
キシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ
基等の炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルコキ
シ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基
等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基等の例えば炭素数1〜12
の直鎖または分岐のアルキルカルボニルアミノ基、フェ
ニルカルボニルアミノ基等)、アリールアミノ基(例え
ばフェニルアミノ基)、アルキルチオ基(例えばメチル
チオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基等)、アリー
ルチオ基(例えばフェニルチオ基)、スルホニルアミノ
基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホ
ニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレ
イド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチ
ルウレイド基等)、カルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモ
イル基等の炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアル
キルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例え
ばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基
等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカ
ルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スル
ホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニ
ル基等の炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキ
ルスルホニ基、フェニルスルホニル基等)、アシル基
(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基
等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジ
メチルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等を挙げるこ
とができる。
【0019】前記アルキル基またはフェニル基はさらに
置換基を有していても良く、置換基としては前記一価の
基が挙げられる。
【0020】R0 は、隣接する窒素原子および芳香族環
の二重結合と共に6員の含窒素芳香族複素環(ただし、
環上置換基を有していても良い。)を表す。好ましいR
0 は、下記式(化5、化6、化7)で表される複素環を
形成する。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】Jは、−NR1112(ただし、R11および
12はそれぞれ独立に水素原子、およびアルキル基を表
し、またこのR11およびR12は隣接する窒素原子と共に
5員または6員の環を形成する非金属原子群を表
す。)、−OR13(ただし、R13は置換基を有していて
も良いアルキル基を表す。)またはヒドロキシ基を表わ
す。R13における置換基としては、アリール基(例えば
フェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エ
トキシ基等)、アミノ基(例えばメチルアミノ基、エチ
ルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えばアセチル基
等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基等)、
アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素
原子、フッ素原子等)、アルキルスルホニルアミノ基
(例えばメタンスルホニルアミノ基)、ヒドロキシ基等
が挙げられる。
【0025】Z- は陰イオンを表わす。この陰イオンと
しては、Cl- 、Br- 、ClO4 -、R14COO- 、R
14SO3 -、R14 4- 、SO4 2- が好ましい。ただし、
14はアルキル基、シクロアルキル基、およびアリール
基を表わす。
【0026】R14で表わされるアルキル基としては、た
とえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基等を挙げることがで
き、これらのアルキル基はハロゲン原子を置換していて
も良い。R14で表わされる好ましいアルキル基として
は、ハロゲン原子が置換していても良い炭素数が1〜4
であるアルキル基である。
【0027】R14で表わされるシクロアルキル基として
は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基等を挙げることができる。好ましいシクロアルキ
ル基としてはシクロヘキシル基を挙げることができる。
【0028】R14で表わされるアリール基としては、フ
ェニル基、アルキル基等の置換基を有するフェニル基、
ナフチル基、アルキル基等の置換基を有するナフチル基
等を挙げることができる。
【0029】この感熱転写記録材料に好適な金属イオン
含有色素化合物の具体例として、一般式(化8)におけ
るM2+、X11、m、Y11、JおよびZが表1および表2
で示される化合物(1)〜(18)および(化9)で示
される化合物(19)および(化10)で示される化合
物(20)を挙げることができる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】なお、この一般式(化1)で示される金属
イオン含有色素化合物は、下記の一般式(化2)、(化
3)および(化4)で示される金属イオン含有色素化合
物を包含する。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】一般式(化2)において、M2+はキレート
化可能な金属イオンを表す。この金属イオンの好適例と
しては、2価の遷移金属イオンを挙げることができ、特
にNi2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Cr2+、Zn2+
挙げることができる。これらの中でも、Ni2+およびC
2+が好適である。
【0040】XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ま
たは一価の有機基を表わす。この一価の有機基の例とし
ては、前記一般式(化1)におけるX11で示される有機
基の例と同様である。好ましいXは水素原子、アルキル
基、アルキルカルボニルアミノ基、およびアセトキシカ
ルボニル基であり、好ましいYは水素原子、アルキル基
およびアルコキシ基である。
【0041】lおよびmは1〜4の整数であり、好まし
いlは1、好ましいmは1である。Bは隣接する窒素原
子とともに5員または6員の環を形成する非金属原子群
を表わし、Bと隣接する窒素原子とで形成される好まし
い複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、モル
ホリノ基を挙げることができる。Z- は陰イオンを表わ
し、好ましい例としてはテトラフェニルホウ素アニオ
ン、酢酸アニオン、p−メチルフェニルスルホン酸アニ
オン、過塩素酸アニオン等を挙げることができる。
【0042】一般式(化2)で示される金属イオン含有
インドアニリン系化合物の具体例を以下に挙げる。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
【化18】
【0051】
【化19】
【0052】
【化20】
【0053】
【化21】
【0054】
【化22】
【0055】
【化23】
【0056】
【化24】
【0057】
【化25】
【0058】
【化26】
【0059】
【化27】
【0060】
【化28】
【0061】
【化29】
【0062】
【化30】
【0063】一般式(化3)において、M2+、Y、l、
mおよびZ- は前記一般式化2におけるのと同様の意味
を有する。
【0064】好ましいM2+としてはNi2+、およびCu
2+を挙げることができる。X1 は、−COOR、−CO
NRR1 、−SO2 NRR1 、−NHCONRR 1 、−
NHCOOR、−CN、および−NO2 よりなる群から
選択される少なくとも一種の基である(ただし、Rはア
ルキル基、またはアリール基を表し、R1は前記Rとは
独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表
す。)。また、R1 およびR2 はそれぞれ独立して水素
原子またはアルキル基を表わす。
【0065】好ましいX1 としては、アルキル基、N−
アルキルアミノカルボニル基、アセトキシカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、アルキルカルバモイルアミノ基、ジアルキルア
ミノカルボニル基、アリーロイルオキシアミノ基、ピロ
リジルスルホニル基、アルキルスルホニル基などがあ
り、好ましいYとしては水素原子、アルキル基、アセト
キシ基、およびアセトキシアミノ基などがある。好まし
いlは1であり、好ましいmは1および2である。好ま
しいR1 およびR2 としては、置換基例えば水酸基を有
することがある炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を挙げ
ることができる。
【0066】好ましいZ- としてはテトラフェニルホウ
素アニオン、酢酸アニオン、p−メチルフェニルスルホ
ン酸アニオン、過塩素酸アニオン等を挙げることができ
る。
【0067】一般式(化3)で示される金属イオン含有
インドアニリン系化合物の具体例を以下に挙げる。
【0068】
【化31】
【0069】
【化32】
【0070】
【化33】
【0071】
【化34】
【0072】
【化35】
【0073】
【化36】
【0074】
【化37】
【0075】
【化38】
【0076】
【化39】
【0077】
【化40】
【0078】
【化41】
【0079】
【化42】
【0080】
【化43】
【0081】
【化44】
【0082】
【化45】
【0083】
【化46】
【0084】
【化47】
【0085】
【化48】
【0086】
【化49】
【0087】
【化50】
【0088】一般式(化4)において、M2+、Y、l、
mおよびZ- は前記一般式(化2)におけるのと同様の
意味を有する。X2 は、水素原子、またはアシルアミノ
基を除く一価の基を表す。好ましいM2+としてはN
2+、およびCu2+を挙げることができる。好ましいX
2 としては水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、N−
アルキルアミノカルボニル基、アセトキシカルボニル
基、アルコキシカルボニルアミノ基などがあり、好まし
いYとしては水素原子、アルキル基、アセトキシ基、お
よびアセトキシアミノ基などがある。好ましいlは1で
あり、好ましいmは1および2である。
【0089】好ましいZ- としてはテトラフェニルホウ
素アニオン、酢酸アニオン、p−メチルフェニルスルホ
ン酸アニオン、過塩素酸アニオン等を挙げることができ
る。一般式(化4)で示される金属イオン含有インドフ
ェノール系化合物の具体例を以下に挙げる。
【0090】
【化51】
【0091】
【化52】
【0092】
【化53】
【0093】
【化54】
【0094】
【化55】
【0095】
【化56】
【0096】
【化57】
【0097】
【化58】
【0098】
【化59】
【0099】
【化60】
【0100】
【化61】
【0101】
【化62】
【0102】−金属イオン含有色素化合物の製造法− 前記一般式(化2)で示される金属イオン含有インドア
ニリン系化合物の一般的な合成例を述べる。
【0103】(合成例)原料化合物として、一般式(化
63)、一般式(化64)、一般式(化65)、一般式
(化66)、一般式(化67)で示される化合物を使用
する。
【0104】
【化63】
【0105】
【化64】
【0106】
【化65】
【0107】
【化66】
【0108】
【化67】
【0109】一般式(化63)で示される化合物に、一
般式(化64)で示される化合物を、アルカリ性条件下
に酸化剤を用いて酸化カップリングすることにより、一
般式(化65)で示される色素を容易に得ることができ
る。次いで、一般式(化65)で示される色素と一般式
(化66)又は一般式(化67)で示される金属塩とを
反応させることによって、一般式(化1)で示される化
合物を製造することができる。一般式中のM2+、Z-
X、Y、l、m、Bは、前述のとおりである。
【0110】Aは、金属イオンと配位結合可能な配位化
合物を表わし、これらの配位化合物としては例えばキレ
ート化学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物
から選択することができる。
【0111】次に、前記一般式(化3)で示される金属
イオン含有インドアニリン系化合物の一般的な合成例を
述べる。 (合成例)原料化合物として、一般式(68)、一般式
(69)、一般式(70)、一般式(66)および一般
式(化67)、で示される化合物を使用する。
【0112】
【化68】
【0113】
【化69】
【0114】
【化70】
【0115】一般式(化68)で示される化合物に、一
般式(化69)で示される化合物を、アルカリ性条件下
に酸化剤を用いて酸化カップリングすることにより、一
般式(化70)で示される色素を容易に得ることができ
る。次いで、一般式(化70)で示される色素と一般式
(66)又は一般式(67)で示される金属塩とを反応
させることによって、一般式(化2)で示される化合物
を製造することができる。一般式中のM2+、Z- 、X
1 、Y、l、m、R1 、およびR2は前述の通りであ
る。
【0116】更に、前記一般式(化4)で示される金属
イオン含有インドフェノール系化合物の一般的合成例を
述べる。 (合成例)原料化合物として、一般式(化71)、一般
式(72)、一般式(73)、一般式(66)および一
般式(67)で示される化合物を使用する。
【0117】
【化71】
【0118】
【化72】
【0119】
【化73】
【0120】一般式(化71)で示される化合物に、一
般式(化72)で示される化合物を、アルカリ性条件下
に酸化剤を用いて酸化カップリングすることにより、一
般式(73)で示される色素を容易に得ることができ
る。次いで、一般式(73)で示される色素と一般式
(66)又は一般式(67)で示される金属塩とを反応
させることによって、一般式(化4)で示される化合物
を製造することができる。一般式中のM2+、Z-
2、Y、l、mは、前述のとおりである。
【0121】上記色材層中に含まれる色材としては、感
熱転写記録方式、すなわち熱溶融転写方式かまたは昇華
転写方式かにより選択されるが、本発明では昇華転写方
式に適した色材が好ましい。したがって、色材としては
熱拡散性色素(昇華性色素)が好ましく、たとえばシア
ン色素としては特開昭59−78896号、同59−2
27948号、同60−24996号、同60−535
63号、同60−130735号、同60−13129
2号、同60−239289号、同61−19396
号、同61−22993号、同61−31292号、同
61−31467号、同61−35994号、同61−
49893号、同61−148269号、同62−19
1191号、同63−91288号、同63−9128
7号、同63−290793号等の各公報に記載されて
いるナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾ
メチン系色素等が挙げられる。
【0122】マゼンタ色素としては、特開昭59−78
896号、特開昭60−30392号、特開昭60−3
0394号、特開昭60−253595号、特開昭61
−262190号、特開昭63−5992号、特開昭6
3−205288号、特開昭64−159号、特開昭6
4−63194号等の各公報に記載されているアントラ
キノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げら
れる。
【0123】イエロー色素としては、特開昭59−78
896号、特開昭60−27594号、特開昭60−3
1560号、特開昭60−53565号、特開昭61−
12394号、特開昭63−122594号等の各公報
に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタ
ロン系色素、アントライソチアゾール系色素等が挙げら
れる。
【0124】色材としては特に好ましいのは、開鎖型ま
たは閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物と、p−フ
ェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェ
ノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得ら
れるアゾメチン色素およびフェノール、またはナフトー
ル誘導体とp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体また
はp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリン
グ反応により得られるインドアニリン色素である。これ
らの色材の場合、特に本発明の構成において高感度化と
色再現性の良さが達成される。
【0125】また、下記一般式(化74)または下記一
般式(化75)で表わされるキレート化可能な色素も好
ましく用いることができる。
【0126】
【化74】
【0127】[ただし、式中、X3 は少くとも一つの環
が5〜7個の原子から構成されている芳香族の炭素環ま
たは複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わ
し、かつ、アゾ結合に結合する炭素の隣接位の少なくと
も1つが(a)窒素原子であるか、または(b)窒素原
子、酸素原子もしくはイオウ原子で置換された炭素原子
であり、X4 は少なくとも1つの環が5〜7個の原子か
ら構成されている芳香族の炭素環または複素環を完成す
るのに必要な原子の集まりを表わし、Gはキレート化基
を表わす。]
【0128】
【化75】
【0129】[式中、X3 は前記一般式(化74)で定
義されたものと同義であり、Z1 は電子吸引基を表わ
し、Z2 はアルキル基またはアリール基を表わす。]上
記一般式(化74)または一般式(化75)で表わされ
るキレート化可能な色素を用いた感熱転写記録材料で
は、前記色素が受像材料の受像層中等に添加された金属
イオンと反応してキレート色素を形成することにより定
着性や耐候性にすぐれた画像を得ることができる。
【0130】本発明において色材層の一形成成分である
バインダーとしては、セルロース系、ポリアクリル酸
系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系
等の水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アセタール、ニトロセルロース、エチルセルロース等の
有機溶媒に可溶のポリマーを挙げることができる。
【0131】また、本発明における色材層に隣接する層
としては、色材層と支持体の間に設けられた層(下引き
層)や色材層の上層に設けられた層(保護層)等が挙げ
られる。下引き層としては、色材層と支持体との接着性
を高める目的で設けられた接着層や色材の支持体側への
拡散を防止する為に設けられた拡散防止層が挙げられ
る。
【0132】これらの層は、前記バインダーを形成する
ポリマーを主成分として構成されており、必要に応じて
種々の添加剤(例えば離型剤、接着剤、熱溶融性物質
等)が添加される。また、拡散防止層の場合には、前記
バインダーの他にゼラチンも好ましく用いられる。
【0133】本発明に用いられる金属イオン含有色素化
合物の使用量は、通常、支持体1m 2 当り0.01〜1
0gであり、より好ましくは0.05〜5.0gであ
る。また、前記色材の使用量は、通常、支持体1m2
り0.05〜5gであり、より好ましくは0.1〜2.
0gである。色材層およびその層に隣接する層に使用さ
れるバインダーの使用量は、通常、支持体1m2 当り
0.1g〜50gであり、好ましくは0.2〜5gであ
る。
【0134】また、色材層の厚みは、乾燥膜厚で0.1
μm〜5μm、好ましくは0.5〜3μmである。
【0135】前記支持体としては、寸法安定性がよく、
感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐えるものならば、何で
もよいが、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉
紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカ
ーボネートのような耐熱性のプラスチックフィルムを用
いることができる。この支持体の厚さは、2〜30μm
が好ましく、また支持体にはバインダーとの接着性の改
良や色素の支持体側への転写、染着を防止する目的で下
引層を有していてもよい。
【0136】さらに支持体の裏面(インク層と反対側)
には、ヘッドが支持体に粘着するのを防止する目的でス
リッピング層を有していてもよい。前記色材層は、一般
に前記色材の一種または二種以上をバインダーと更に必
要に応じて金属イオン含有色素化合物と共に溶媒中に溶
解あるいは微粒子状に分散させて色材層形成用塗料を調
製し、この色材層形成用塗料を支持体上に塗布、乾燥す
ることによって得られる。
【0137】なお、バインダーとして有機溶媒に可溶の
ポリマーを用いる場合、バインダーは有機溶媒に溶解し
て用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用しても
良い。色材層形成用塗料を調製するための溶媒として
は、水、アルコール類(例えばエタノール、プロパノー
ル)、セロソルブ類(例えばメチルセルソルブ)、エス
テル類(例えば酢酸エチル)、芳香族類(例えばトルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン)、ケトン類(例えばア
セトン、メチルエチルケトン)、エーテル類(例えばテ
トラヒドロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えば
クロロホルム、トリクロルエチレン)などが挙げられ
る。
【0138】このようにして得られた色材層形成用塗料
は、バーコーター、ロールコーター、リバースロールコ
ーター、ナイフコーター、ロッドコーター、エアドクタ
ーコーター、スクリーン印刷、グラビヤ印刷などを用い
て支持体上に塗布される。本発明の感熱転写記録材料
は、基本的には、(1)支持体上に、前記一般式(化
1)で示される本発明に係る金属イオン含有色素化合
物、色材およびバインダーからなる色材層を設けてなる
構造、(2)支持体上に、色材およびバインダーからな
る色材層を設け、さらにその色材層の上に、前記一般式
(化1)で示される本発明に係る金属イオン含有色素化
合物を含有する層を積層してなる構造、あるいは(3)
支持体上に、色材とバインダーとを含有する色材層とそ
の色材層に隣接する層とを形成し、その両層に、前記一
般式(化1)で示される本発明に係る金属イオン含有色
素化合物を含有させてなる構造を有するが、前記色材層
上に特開昭59−106,997号公報に記載されてい
るような熱溶融性化合物を含有する熱溶融性層を設けて
も良い。
【0139】この熱溶融性化合物としては、65〜13
0℃の融点を有する無色もしくは白色の化合物が好まし
く用いられ、たとえばカルナバロウ、密ロウ、カンデリ
ワックス等のワックス類、ステアリン酸、ベヘン酸等の
高級脂肪酸、キシリトール等のアルコール類、アセトア
ミド、ベンゾアミド等のアミド類、フェニルウレア、ジ
エチルウレア等の尿素類等を挙げることができる。
【0140】なお、これらの熱溶融性層には、色素の保
持性を高めるために、たとえばポリビニルピロリドン、
ポリビニルブチラール、飽和ポリエステル等のポリマー
が含有されていても良い。本発明の感熱転写記録材料
は、前記色材層に一種の色材を含有させることにより一
色の画像を形成することができるが、フルカラー画像を
記録する場合には、シアン色素を含有するシアン色材
層、マゼンタ色素を含有するマゼンタ色材層、イエロー
色素を含有するイエロー色材層の、合計3層が支持体の
同一表面上に順次に繰り返して塗設されていることが好
ましい。このような場合にあっても前記三層には、前記
一般式(化1)で示される本発明に係る金属イオン含有
色素化合物を含有する。
【0141】また必要に応じてイエロー色材層、マゼン
タ色材層、シアン色材層の他に黒色画像形成物質を含む
色材層の、合計4層が支持体の同一表面上に順次に繰り
返して塗設されていてもよい。本発明の感熱転写記録材
料は、次のようにして受像材料に画像を形成することが
できる。
【0142】たとえば、図1に示すように、受像材料3
が受像基体1と受像層2とからなり、感熱転写記録材料
6が支持体4と金属イオン含有色素化合物を含む色材層
5とからなるとき、感熱転写記録材料6と受像材料3と
を色材層5と受像層2とが接触するように重ねて支持体
4側からたとえば画像情報に応じた光たとえばレーザー
光を照射すると、色材層5中の、前記一般式(化1)で
示される本発明に係る金属イオン含有色素化合物はレー
ザー光の光エネルギーを熱エネルギーに変換して発熱
し、この発熱により、色材層5中の色材(昇華性色素)
が受像材料3に拡散移行し、その受像層2において前記
色材による画像が形成される。
【0143】前記受像基体としては、一般に紙、プラス
チックフィルム、または紙−プラスチックフィルム複合
体で形成することができる。受像層は、ポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニールと他のモノマー
(例えば酢酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート
等の一種または二種以上のポリマー層で形成することが
できる。
【0144】この受像層には塩基性化合物および/また
は媒染剤を含有するのが好ましい。前記塩基性化合物と
しては、特に制限ないが、無機または有機の塩基性化合
物が用いられ、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、アルキルアミン等が挙げられる。
【0145】前記媒染剤としては、3級アミノ基を有す
る化合物、含窒素複素環基を有する化合物およびこれら
の4級カチオン基を有する化合物が挙げられる。さらに
前記受像層には必要に応じてシリコンオイル等の離型剤
や酸化防止剤、UV吸収剤等の画像安定剤が含有されて
いても良い。また、前記色材層中に、前記一般式(化7
4)で表わされる昇華性色素あるいは前記一般式(化7
5)で表わされる昇華性色素が含有されているときに
は、金属イオンを受像材料中あるいは熱溶融性層に存在
させるのが望ましい。
【0146】前記金属イオンとしては、周期律表の第I
〜第VIII族に属する2価および多価の金属が挙げら
れるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、
Mn、Mo、Ni、Sn、TiおよびZnが好ましく、
特にNi、Cu、Cr、CoおよびZnが好ましい。こ
れらの金属イオンを供給する化合物(以下、メタルソー
スと称することがある。)としては、該金属の無機また
は有機の塩および該金属の錯体が挙げられ、中でも有機
酸の塩および錯体が好ましい。
【0147】具体例を挙げると、Ni2+、Cu2+、Cr
2+、Co2+およびZn2+と酢酸等との低級脂肪酸の塩、
ステアリン酸のような高級脂肪酸の塩、あるいは安息香
酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸の塩などが挙げ
られる。また、下記一般式で表わされる錯体も好ましく
用いることができる。[M’(Q1 )l(Q2m (Q
3np+(W -pただし、上式中、M’は金属イオ
ン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn
2+を表わす。
【0148】Q1 、Q2 、Q3 は各々M’で表わされる
金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表わし、互い
に同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化
合物としては、たとえばキレート化学(5)(南江堂)
に記載されている配位化合物から選択することができ
る。Wは有機アニオンを表わし、具体的にはテトラフェ
ニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニ
オン等を挙げることができる。
【0149】l(アルファベットのエル)は1、2また
は3の整数を表わし、mは1、2または0を表わし、n
は1または0を表わすが、これらは前記一般式で表わさ
れる錯体が4座配位か、6座配位かによって決定される
か、あるいはQ1 、Q2 、Q 3 の配位子の数により決定
される。pは1または2を表わすが、好ましくは2であ
る。
【0150】pが2である場合は、Q1 、Q2 、Q3
表わされる配位化合物の配位基はアニオン化されている
ことはない。また前記の他に、特公昭36−11535
号、特開昭55−48210号、同55−129346
号の各公報に記載されている錯体化合物もメタルソース
として使用することができる。
【0151】メタルソースの添加量は、通常、受像材料
あるいは熱溶融性層に対し、0.5〜20g/m2 が好
ましく、1〜20g/m2 がより好ましい。次に、好適
な受像材料の一例を図2に示す。図2に示すように、受
像材料は、紙10の両面にポリエチレン層11a、11
bを積層し、その片側のポリエチレン層11aに、受像
層であるポリ塩化ビニル層12をさらに積層してなる構
成を有する。
【0152】本発明の他の好ましい態様として、感熱転
写記録材料が、支持体とその上に形成した色材層と、こ
の色材層に隣接して設けられると共に、前記一般式(化
1)で示される本発明に係る金属イオン含有色素化合物
を含有する層とから構成されるとき、この感熱転写記録
材料と受像材料とを重ねて支持体側からたとえば画像情
報に応じたレーザー光を照射すると、色材層に隣接する
層中に含まれているところの、前記一般式(化1)で示
される本発明に係る金属イオン含有色素化合物はレーザ
ー光の光エネルギーを熱エネルギーに変換して発熱し、
この発熱により色材層中の色材が受像材料に拡散移行
し、その受像層において前記色材による画像が形成され
る。
【0153】また、感熱転写記録材料の他の態様として
図3に示すように、感熱転写記録材料10が、支持体4
とその表面に設けられると共に、前記一般式(化1)で
示される本発明に係る金属イオン含有色素化合物を含有
する色材層5と、その表面に設けられた熱溶融性層9と
から構成されるとき、この感熱転写記録材料10と受像
材料3とを重ねて支持体4側からたとえば画像情報に応
じたレーザー光を照射すると、色材層5中に含まれてい
るところの、前記一般式(化1)で示される本発明に係
る金属イオン含有色素化合物はレーザー光の光エネルギ
ーを熱エネルギーに変換して発熱し、この発熱により、
色材層5中の前記色材は熱溶融性層9に拡散移行し、次
いでこの色材を含む熱溶融性物質9aが凝集破壊もしく
は界面剥離を起こして受像材料3に移行する。
【0154】この受像材料3は、図1に示したような、
支持体上に色材層を有してなる感熱転写記録材料に使用
される受像材料であっても、また受像基体のみからなる
構成であっても良い。いずれにせよ、受像材料3として
は、剥離した熱溶融性層をその上に保持可能である限り
その材質に特に制限がない。以上に詳述したように、本
発明の感熱転写記録材料を用いる画像形成時において
は、本発明の金属イオン含有色素化合物が、画像情報に
応じた光エネルギーを熱エネルギーに変換する。そし
て、この変換された熱エネルギーにより色材層から色素
を受像材料に拡散移動させて受像材料表面に画像を形成
するか、あるいは変換された熱エネルギーにより色材層
を溶融し、この色素を含有する溶融層を凝集破壊もしく
は界面破壊させて受像材料に画像を形成する。
【0155】
【実施例】以下に、本発明の金属イオン含有色素化合物
を用いた具体的な実施例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0156】(実施例1)<感熱転写記録材料の作成>
ゼラチンで下塗りをした厚み100μmのポリエチレン
テレフタレートベース上に、下記の組成の塗布液を色素
の付量が1.0g/m2 となるように塗設して、感熱転
写記録材料1を作成した。
【0157】 塗布液: シアン色素(注1)・・・・・・・・・・・・・・・5g 本発明の金属イオン含有色素化合物(注2)・・・・3g ニトロセルロース樹脂・・・・・・・・・・・・・10g メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・200ml 注1:シアン色素の構造を化76で表わす。
【0158】
【化76】
【0159】注2:本発明の金属イオン含有色素化合物
は化77で示される。
【0160】
【化77】
【0161】<受像材料の作成>ポリエチレンで両面を
ラミネート[ポリ塩化ビニル塗設側に白色顔料(二酸化
チタン)および青味剤を含む。]した紙のポリエチレン
層上に、受像層であるポリ塩化ビニル(付き量10g/
2 )を塗設して、受像材料を作成した。
【0162】なお、受像層にはシリコンオイル0.15
g/m2 を含有させた。
【0163】<画像形成>次に、この受像材料をドラム
上に巻きつけ、さらに受像材料の受像層面と前記感熱転
写記録材料1の色材層面とを重ねてから、ドラムを16
0rpmで回転させながらスポット径40μm、露光時
間5ミリ秒で830nmのレーザー光線を照射して、シ
アン色素を受像材料上に転写させた。
【0164】なお、照射エネルギーは約45マイクロワ
ット/μm2であった。受像材料上には濃度1.64の
シアン像が得られた。
【0165】(比較例1〜3)前記塗布液から本発明の
金属イオン含有色素化合物(化77)を除いた以外は実
施例1と同様にして形成した感熱転写記録材料A(比較
例1)、赤外吸収化合物として、本発明の金属イオン含
有色素化合物(化77)の代りにカーボンを添加した以
外は実施例1と同様にして形成した感熱転写記録材料B
(比較例2)、および赤外吸収化合物として、本発明の
金属イオン含有色素化合物(化77)の代りに下記赤外
線吸収色素(化78)を添加した以外は実施例1と同様
にして形成した[赤外線吸収色素の添加量は化合物(化
77)と同じ。]感熱転写記録材料C(比較例3)を作
成した。
【0166】これらの感熱転写記録材料A、B、Cに対
して、感熱転写記録材料1の場合と同様の方法でシアン
画像を形成させたが、感熱転写記録材料Aではほとんど
転写画像が得られず、感熱転写記録材料Bでは、濃度
1.24のムラのある転写画像しか得られなかった。な
お、感熱転写記録材料Cでは感熱転写記録材料1とほぼ
同様の濃度(1.59)の画像が得られた。
【0167】赤外色素
【0168】
【化78】
【0169】一方、感熱転写記録材料1および感熱転写
記録材料Cを、86℃および相対湿度50%の環境に3
日間放置して、材料の保存性評価を行なった。保存後の
感熱転写記録材料1および比較感熱転写記録材料Cにつ
いて前記と同じ条件で画像記録をおこなったところ、感
熱転写記録材料1では濃度1.62のシアン画像が得ら
れたが、感熱転写記録材料Cでは濃度が0.92に低下
した。
【0170】これは、保存中に感熱転写記録材料Cにお
ける赤外線吸収色素が分解し、赤外濃度が低下して、レ
ーザー光の熱エネルギー変換効率が低下したことによる
と推定される。一方、本発明の感熱転写記録材料1は、
レーザー記録により良好な画像が得られ、かつ保存性も
良好である。
【0171】(実施例2)感熱転写記録材料1における
金属イオン含有色素化合物(化77)の代りに、表1お
よび表2中の番号(2)、(3)、(4)、(6)、
(9)、(10)、(12)、(19)、および(2
0)で示される金属イオン含有色素化合物を用いた以外
(添加量は金属イオン含有色素化合物(化77)と等モ
ル量)は感熱転写記録材料1と同じ感熱転写記録材料2
〜10を作製した。これらの感熱転写記録材料に対して
実施例1の場合と同様の方法で画像記録を実施したとこ
ろ、感熱転写記録材料1の場合とほぼ同様のシアン画像
を得ることができた。
【0172】(実施例3)感熱転写記録材料1のシアン
色素の代わりに、下記色素(化79)、(化80)、
(化81)、(化82)を用いた以外は、感熱転写記録
材料1と同じ感熱転写記録材料11〜14を作成した。
得られた感熱転写記録材料11〜14に対しても、実施
例1と同じ方法で画像形成をおこなった。
【0173】なお、感熱転写記録材料13、感熱転写記
録材料14に対する受像材料には、受像層にさらに下記
化合物(メタルソース−付き量5g/m2 )を含む。
【0174】メタルソース;[Ni(C25 NHCH
2 CH2 NH2 )]2+[(C654 B]2 -
【0175】
【化79】
【0176】
【化80】
【0177】
【化81】
【0178】
【化82】
【0179】感熱転写記録材料11〜14に対して、そ
れぞれ表3に示す濃度のイエローまたはマゼンタの画像
が得られた。
【0180】
【表3】
【0181】本発明の感熱転写材料を用いれば、イエロ
ー、マゼンタおよびシアンの画像が得ることができ、従
って、フルカラーの画像が得られる。
【0182】なお、感熱転写記録材料13、感熱転写記
録材料14で得られた画像は他の画像に比べて画像の定
着性が良好であった。
【0183】(実施例4)実施例1で用いた本発明の金
属イオン含有色素化合物(化78)を(化13)、(化
34)、(化54)に変更したこと以外は実施例1と同
様にして感熱転写記録材料15、16、17を作成し、
画像を形成した。さらに、これらの材料を86℃、相対
湿度50%の環境に3日間放置して、材料の保存性の評
価を行なった。
【0184】保存後の感熱転写記録材料15、16、1
7について画像記録を行なったところ、感熱転写記録材
料15では濃度1.58(保存前1.60)、感熱転写
記録材料16では、濃度1.60(保存前1.62)、
感熱転写記録材料17では濃度1.58(保存前1.5
9)であった。
【0185】以上により、これらの感熱転写記録材料1
5、16、17は、前記感熱転写記録材料1と同様にレ
ーザー記録により良好な画像が得られ、かつ保存性も良
好であった。
【発明の効果】本発明で用いた金属イオン含有色素化合
物は、耐光性や耐熱性などの保存安定性に優れており、
しかも有機溶媒に対する溶解性が高い。したがって、感
熱転写記録材料を作成する際、この金属イオン含有色素
化合物を含む塗布液の調製を、円滑かつ迅速に行なうこ
とができるとともに、得られた本発明の感熱転写記録材
料は、記録層や画像の保存安定性に優れている。
【0186】なお、本発明の感熱転写記録材料は、画像
情報に応じた光を照射することにより、受像材料に定着
性の良好な鮮明な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱転写記録材料による画像形成原理
を示す説明図である。
【図2】受像材料の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の感熱転写記録材料の態様における画像
形成原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 受像層 3 受像材料 4 支持体 5 感熱層 6 感熱転写記録材料 9 熱溶融性層 10 感熱転写記録材料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09B 55/00 B41M 5/26 Q (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱により転写可能な色材を含有する色材
    層および/またはこの色材層と隣接する層が、下記一般
    式(化1)で示される金属イオン含有色素化合物を含有
    することを特徴とする感熱転写記録材料。 【化1】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
    らわし、X11およびY11はそれぞれ独立に水素原子、ハ
    ロゲン原子、または一価の有機基を表す。lおよびmは
    1〜4の整数を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。R
    0 は隣接する窒素原子および芳香族環の二重結合と共に
    6員の含窒素芳香族複素環を表す。Jは、−NR1112
    (ただし、R11およびR12はそれぞれ独立に水素原子、
    およびアルキル基を表し、またこのR11およびR12は隣
    接する窒素原子と共に5員または6員の環を形成する非
    金属原子群を表す。)、または−OR13(ただし、R13
    は水素原子または置換基を有していても良いアルキル基
    を表す。)を表わす。]
  2. 【請求項2】 前記金属イオン含有色素化合物は、下記
    一般式(化2)で示される金属イオン含有インドアニリ
    ン系色素化合物であることを特徴とする請求項1の感熱
    転写記録材料。 【化2】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
    らわし、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子または一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜
    4の整数を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。また、
    Bは隣接する窒素原子と共に5員または6員の環を形成
    する非金属原子群を表す。]
  3. 【請求項3】 前記金属イオン含有色素化合物は、下記
    一般式(化3)で示される金属イオン含有インドアニリ
    ン系色素化合物であることを特徴とする請求項1の感熱
    転写記録材料。 【化3】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
    らわし、Yはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子ま
    たは一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜4の整数
    を、Z-は陰イオンをそれぞれ表わす。X1 は、−CO
    OR、−CONRR1 、−SO2NRR1 、−NHCO
    NRR1 、−NHCOOR、−CN、および−NO2
    りなる群から選択される少なくとも一種の基である(た
    だし、Rはアルキル基、またはアリール基を表し、R1
    は前記Rとは独立して水素原子、アルキル基またはアリ
    ール基を表す。)。また、R1 およびR2 はそれぞれ独
    立して水素原子またはアルキル基を表わす。]
  4. 【請求項4】 前記金属イオン含有色素化合物は、下記
    一般式(化4)で示される金属イオン含有インドフェノ
    ール系色素化合物であることを特徴とする請求項1の感
    熱転写記録材料。 【化4】 [ただし、式中M2+はキレート化可能な金属イオンをあ
    らわし、Yはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子ま
    たは一価の有機基を表わす。lおよびmは1〜4の整数
    を、Z- は陰イオンをそれぞれ表わす。X2 は、水素原
    子、またはアシルアミノ基を除く一価の基を表す。]
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