JPH10315637A - 感熱転写用色素及びそれを使用した熱転写シート - Google Patents

感熱転写用色素及びそれを使用した熱転写シート

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JPH10315637A
JPH10315637A JP9133284A JP13328497A JPH10315637A JP H10315637 A JPH10315637 A JP H10315637A JP 9133284 A JP9133284 A JP 9133284A JP 13328497 A JP13328497 A JP 13328497A JP H10315637 A JPH10315637 A JP H10315637A
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JP
Japan
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group
dye
thermal transfer
substituent
alkyl group
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JP9133284A
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Tetsuo Ozawa
鉄男 尾澤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写感度に優れ、インキ中で安定で、均一且
つ高濃度で鮮明な画像を与え、接触物への色移りが無
い、感熱転写用材料を提供する。 【解決手段】 下記、一般式(I) 【化1】 (式中、Rは、炭素数5〜10のアルキル基を表し、R
1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有
していても良いアルキル基又はアルコキシ基を表し、R
3 、R4 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有
していても良いアルキル基、又はアルコキシ基或いはハ
ロゲン原子を表す。R5 、R6 は、それぞれ独立して置
換基を有していても良いアルキル基、置換基を有してい
ても良いアルケニル基又は置換基を有していても良いア
リール基を表す。)で示される感熱転写用色素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写用色素及
びかかる色素を含有する色素層を有する感熱転写シート
に関する。本発明の色素は、熱転写シートと受像シート
を組み合わせて使用する通常の感熱転写方式に用いる色
素として好適に使用されるばかりでなく、加熱液化され
た色素又は色素自体を加熱液化して受像紙に転写させる
加熱気化転写方式にも利用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ、複写機あるいはプ
リンターなどには電子写真方式、インクジェット方式、
感熱転写方式などによるカラー記録技術が検討されてい
る。感熱転写記録方式は、装置の保守や、操作が容易
で、装置や消耗品が安価であるため、他の方式に比べ有
利な点が多い。
【0003】感熱転写方式には、ベースフィルム上に熱
溶融性インキ層を形成させた転写シートを、熱ヘッドに
より加熱して、該インキを溶融し、受像層上に転写記録
する溶融方式と、ベースフィルム上に熱移行性色素を含
有する色素層を形成させた感熱転写シートを熱ヘッドに
より加熱して色素を受像シート上に熱移行転写させる方
式があるが、熱移行転写方式は熱ヘッドに与えるエネル
ギーを変えることにより色素の移行量を制御することが
できるので、階調記録が容易になり、高精細、高画質の
フルカラー記録には特に有利である。
【0004】熱移行転写方式で均一な画像を得るために
は、使用する感熱転写シートの色素層中で、色素が完全
に均一に溶解していることが必要である。色素の溶解性
が悪いと、色素層中で色素が結晶化して不均一となる。
このような感熱転写シートを使用して、転写画像を作成
した場合には、結晶化した部分の色素の受像層への移行
が不充分となり、均一な画像は得られない。これらの問
題を解決するため、種々の方法が検討されている。例え
ば、特開昭61−35994等には特定の色素の使用が
提案されているが、この場合も、転写感度、インキ化溶
媒に対する溶解性、インキ中での色素の保存安定性、感
熱転写シート上の色素層中での色素の保存安定性、受像
紙上の受像層中での色素の保存安定性、画像の耐光性等
において必ずしも、満足し得るものではなく、更に改善
が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を克服した青色の感熱転写用色素及びこれを用いた感熱
転写シートを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で示されるインドアニリン系感熱転写用色素及び
支持体上にかかる色素を含有する色素層を有する感熱転
写シートをその要旨とする。 一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Rは、炭素数5〜10のアルキル
基を表し、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原
子、置換基を有していても良いアルキル基又はアルコキ
シ基を表し、R3 、R4 は、それぞれ独立して、水素原
子、置換基を有していても良いアルキル基、又はアルコ
キシ基或いはハロゲン原子を表す。R5 、R6 は、それ
ぞれ独立して置換基を有していても良いアルキル基、置
換基を有していても良いアルケニル基又は置換基を有し
ていても良いアリール基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の感熱転写用色素は前記一
般式(I)で示される構造を有する。前記一般式(I)
においてRとしては、n−ペンチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル
基等の炭素数5〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル
基が挙げられる。
【0010】R1 、R2 、R3 及びR4 がアルキル基を
示す場合、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖状又
は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の置
換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハ
ロゲン原子が挙げられる。
【0011】R1 、R2 、R3 及びR4 がアルコキシ基
を示す場合、具体的には上記アルキル基に対応する炭素
数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、R3 、R4 がハロ
ゲン原子を示す場合はフッ素原子、塩素原子、臭素原子
等のハロゲン原子が挙げられる。R5 、R6 がアルキル
基を示す場合、具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖状又
は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、その置換基として
はメタンスルホニルアミド基、エタンスルホニルアミド
基等の炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルキ
ルスルホニルアミド基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜8、好ましくは炭
素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等の
ハロゲン原子;フェニル基等のアリール基;フェノキシ
基等のアリールオキシ基;アセチルオキシ基、プロピオ
ニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ
基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
総炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、フェノキシ
カルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;シアノ
基;テトラヒドロフリル基等が挙げられる。
【0012】R5 、R6 がアルケニル基を示す場合、具
体的には、アリル基、ブテニル基等の炭素数2〜5のア
ルケニル基が挙げられ、その置換基としては、メチル
基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子等のハロゲン原子、フェニル基等のアリール基
等が挙げられる。R5 、R6 がアリール基を示す場合、
具体的には、フェニル基、p−トリル基、p−フルオロ
フェニル基、p−エトキシフェニル基等の炭素数1〜4
のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換さ
れていても良いフェニル基が挙げられる。
【0013】感熱転写用色素として、好ましくは、一般
式(I)においてRとしては、炭素数5〜9の直鎖状ア
ルキル基が挙げられる。R1 、R2 が、水素原子、フッ
素原子で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R3 、R4
水素原子、フッ素原子で置換されていても良い炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、炭素数2〜5のアルキルカルボニルアミノ
基、ホルミルアミノ基であり、R5 、R6 が置換基とし
てアルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホンア
ミド基、アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニ
ル基、テトラヒドロフリル基、シアノ基で置換されてい
ても良い炭素数1〜4のアルキル基である。
【0014】更に好ましいのは、Rが炭素数6〜8の直
鎖状アルキル基であり、R1 、R2が水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基であり、R3 、R4 が水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子であり、R
5 、R6 がアルコキシ基、テトラヒドロフリル基又はフ
ェニル基で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキ
ル基である色素が挙げられる。本発明で使用される色素
の具体例としては、例えば下記の表−1のものを挙げる
ことが出来るがこれにより、本発明が特に限定されるも
のではない。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】前記一般式(I)で示される本発明のイン
ドアニリン系色素の製法は特に限定されるものではない
が、例えば下記一般式(II)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R、R1 、R2 は前記一般式
(I)におけると同意義を表す。)で示されるフェノー
ル系化合物と、下記一般式(III)
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R3 〜R6 は前記一般式(I)に
おけると同意義を表す。)で表されるアニリン系化合物
とを酸化剤の存在下、不活性溶媒中、中性〜アルカリ性
で0〜25℃程度の温度条件下で反応させることにより
製造することができる。この反応に使用される溶媒とし
ては、水、水と混合可能なアセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、ピリジン、アルコール類等が挙げられる。こ
れらの溶媒は、単独、又は混合して使用される。又、こ
の反応で使用される酸化剤としては、過酸化水素、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリ、過硫酸ソーダ等の過硫酸
塩類、フェリシアン塩類、硝酸塩類等が挙げられる。
【0024】本発明の感熱転写用色素は、通常、該色素
をバインダー樹脂と共に、媒体中に溶解あるいは微粒子
状に分散させることによりインキを調製し、該インキを
支持体上に塗布、乾燥することにより、支持体上に色素
層(色素供与層)が形成された感熱転写シートを得、感
熱転写方式の画像形成に使用する。本発明の感熱転写方
式による画像形成方法でフルカラーの画像を形成するに
は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の色素を使用す
る。各々の色素は、2種以上の本発明の色素又は、本発
明の色素と公知の色素を混合して使用しても良い。3種
の色素はシート状又は、ロール状の支持体上に各々独立
の領域を形成する様に配置される。例えば、イエロー領
域、マゼンタ領域、シアン領域を面順次で配置する。
【0025】支持体としては、コンデンサー紙、グラシ
ン紙のごとき薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐
熱性の良好なプラスチックフィルムが適している。それ
らの厚さとしては3〜50μmの範囲を挙げることが出
来る。上記のベースフィルムのうち、ポリエステル、特
にポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、
耐溶剤性、経済性等を考慮すると有利である。しかしな
がら、場合によっては、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムは、必ずしも耐熱性が充分ではなく、サーマルヘ
ッドの走行性が不充分であるので、色素層の反対面に界
面活性剤、活性の高い耐熱性高分子等を含む耐熱性樹脂
の層を設けることにより、サーマルヘッドの走行性を改
良して使用することが出来る。
【0026】上記のインキ調製の為のバインダー樹脂と
しては、感熱転写記録時に受像層との熱融着を防ぐ為、
耐熱性の良好なものを用いるが、特に軟化点及び/又は
熱変形温度が10℃以上のものが好ましい。具体的に
は、セルロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶
性樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリスルホン、AS樹脂、ポリ
エーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリエステ
ル、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリアミ
ド、尿素樹脂等の有機溶剤あるいは水に可溶の樹脂等を
挙げることが出来る。これらの樹脂は色素100重量部
に対して、20〜500部の割合で使用するのが好まし
い。
【0027】インキ調製の為の媒体としては、水、メチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類
等の有機溶剤を挙げることが出来る。これらは、単独又
は混合して使用する。
【0028】上記のインキ中には、上記の成分の他に、
感熱転写シートと受像シートとの離型性を向上させる為
に離型剤を含有させることが出来る。なお、色素層上に
離型剤を塗布するなどして離型層を形成させることも出
来るが、色移り特性等、本発明の効果をより有効に達成
する為には、離型剤はインキ中に含有させることがより
好ましい。
【0029】離型剤としては、ポリエチレンワックス、
フッ素系化合物、シリコーン系化合物等いずれの離型剤
でも使用出来るが、このうちシリコーン系化合物が好ま
しい。シリコーン系化合物としては、カルボキシ変性、
アミノ変性又は、エポキシ変性シリコーンオイル又は樹
脂を挙げることが出来る。例えば、信越化学工業(株)
製のX−22−3710、KF−393、KF−105
等が有効である。
【0030】また、フェノール系、ハイドロキノン系、
ヒンダードアミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、チアゾリドン系等の紫外線吸
収剤を添加して使用しても良い。また、塗布性改良、剥
離性改良、帯電防止性改良の目的で公知の界面活性剤、
特に好ましくは、フッ素系界面活性剤を添加しても良
い。
【0031】インキをベースフィルム上に塗布する方法
としては、リバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用し
て実施出来、インキを塗布乾燥して形成される色素層の
厚さは、0.1〜5μmの範囲が好ましい。本発明の感
熱転写シートと組み合わせて使用する受像シートは、支
持体上に色素受容層を有する。該色素受容層はバインダ
ー樹脂、該樹脂に色素を受容しうる化合物を添加したも
のである。
【0032】受容層に使用するバインダー樹脂として
は、前記のインキ調製に使用するバインダー樹脂が挙げ
られ、該樹脂に添加する色素を受容しうる物質として
は、特開昭62−174754等に記載されている高沸
点有機溶剤を挙げることが出来る。受容層の厚さは0.
2〜40μmが好ましく、特に、1〜15μmが好まし
い。
【0033】支持体としては、合成紙(ポリオレフィ
ン、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポ
リアミド製のフィルム等や、これらの積層体を使用出来
る。受像シートは、支持体と受容層の間にクッション
層、接着層、色素の拡散防止層の機能を有する中間層を
形成しても良い。中間層は、ゼラチン等の水溶性バイン
ダーまたは、有機可溶性バインダーが使用され、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等
の微粒子を含有しても良い。
【0034】また、受容層には、白色度を向上する機能
等を付与する為に、蛍光増白剤を添加しても良い。蛍光
増白剤としては、スチルベン系、クマリン系、ベンゾオ
キサゾリル系等を挙げることが出来る。また、感熱転写
シートと受像シートとの離型性を向上させる為に、色素
受容材料の色素受容層の表面又は、層中に離型剤を含有
させることが好ましい。
【0035】また、イソシアネート系、アルデヒド系、
エポキシ系、ビニルスルホン系、N−メチロール系等の
硬膜剤、上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤
を添加して使用出来る。この場合、滑り性、剥離性等の
改良、帯電防止の目的には、フッ素系界面活性剤を添加
して使用するのが好ましい。本発明の感熱転写シートは
受像シートと重ね合わせ、好ましくは感熱転写シートの
裏面から、加熱手段により、画像材料に応じた熱エネル
ギーを与えることにより、色素層の色素を受像シートの
受容層に、画像安定性、鮮明性、解像性の優れた画像と
して転写することが出来る。加熱手段は、サーマルヘッ
ドのみならず、レーザー光、赤外線、熱ペン等の公知の
ものを使用出来る。
【0036】また、本発明の感熱転写用色素は、前記の
感熱転写シートと受像シートを使用する転写方法の他、
特開平5−221155、特開平7−108711に記
載されているような、加熱液化された色素または、色素
自体を加熱液化して受像紙に転写させる加熱気化転写方
式にも利用し得る。本発明の感熱転写用色素を使用した
場合、特に、印刷の色調に合った青色が出し易く、印刷
画像の色調を再現する為の感熱転写に利用し得る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に具体的に
説明するが、本願発明は以下の実施例により何等限定さ
れるものではない。なお、色素NO.は表−1のNO.
に対応する。
【0038】実施例1 NO.1の色素の合成 2−アミノ−5−メチルフェノール4.3g、トリエチ
ルアミン6.2mlをテトラヒドロフラン200mlに
添加し、5℃に冷却した。この中に、エナンチルクロラ
イド5.4gを添加し、5℃で1時間撹拌し、反応終了
後、アセトン200ml、水200ml及び28%アン
モニア水40mlを添加する。この溶液中を0〜5℃に
保ち、撹拌しながら、更に、N,N−ジエチル−p−フ
ェニレンジアミンの硫酸塩9.2g、次いで、過硫酸ア
ンモニウム15.9gを添加し、0〜5℃で1時間反応
させた。反応終了後、水を添加し、析出した結晶を濾過
して、NO.1の色素の粗結晶を得た。この粗結晶をク
ロロホルムを流下溶媒としてシリカゲルによるカラム精
製を行い、NO.1の色素を8.0g得た。この色素の
極大吸収は、610nm(アセトン)であり、融点は、
104〜105℃であった。同様にして表−1に示す色
素を合成し、以下の例に供試した。
【0039】実施例2 a)インキの調製 上記で合成したNO.1の色素8g、フェノキシ樹脂
(製品名:PKHJ、UCC製)10g、テトラヒドロ
フラン90gをペイントコンディショナーで10分間処
理し、インキの調製を行った。
【0040】b)感熱転写シートの調製 上記のインキをワイヤーバーを用いて背面が耐熱滑性処
理のされた6μm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後の膜厚が1.0μmになる様に塗布し、
乾燥して熱転写シートを得た。なお、耐熱滑性処理はポ
リエチレンテレフタレートフィルムにポリカーボネート
樹脂8g、リン酸エステル系界面活性剤1g(商品名:
プライサーフA−208B:第一工業製薬株式会社
製)、トルエン91gからなる液を乾燥後の膜厚が0.
5μmになる様に塗布し、乾燥することにより行った。
【0041】c)受像シートの作成 塩酢ビ樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ルの共重合体でビニルアルコールの含有量が5重量%の
樹脂)10g、シリコーン樹脂(製品名:L−700
2、日本ユニカー(株)製)0.6g、トルエン40m
l、メチルエチルケトン40mlからなる液を合成紙
(製品名:ユポFPG150、王子油化(株)製)にワ
イヤーバーで、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗
布、オーブンで100℃で30分間加熱処理して乾燥し
て受像シートを作成した。
【0042】d)熱転写 上記のようにして得られた感熱転写シートと受像シート
を色素層と受像層が接する様に重ね合わせ、熱転写シー
トの支持体側からサーマルヘッドでサーマルヘッドの出
力0.12W/ドットの記録電力、12ドット/mmの
ドット密度、10msecのヘッド加熱のパルス巾の条
件で熱印加を行い、受像層に色素を熱転写した所、均一
な転写画像が得られた。熱転写後の受像層上での記録濃
度が米国マクベス社製、デンシトメーターTR−927
(シアン色用SPIフィルター使用)で測定した所、
2.34であり、高濃度の転写記録が出来た。
【0043】e)色移り試験 1.00付近の濃度(色移り試験前の濃度)の画像を受
像シートの受像層のない支持体面に密着させ、40℃、
湿度80%の恒温、恒湿槽中に5日間保存した後、色素
が受像シートの支持体面へ色移りした濃度を測定し、色
移りした濃度(OD2 )/色移り試験前の画像濃度(O
1 )を求めた。本実施例では0.01であり、画像か
ら、受像層の無い支持体面に青色色素の移行がわずかで
あった。これらの結果を以下の表−2に示す。
【0044】実施例3〜5 実施例2の条件で下記の表−2の色素を使用し、実施例
2と同様にして処理して、転写記録、及び色移り試験を
実施した所、良好な結果を示した。結果を以下の表−2
に示す。
【0045】比較例1〜3 下記に示す特開昭61−35994の実施例1、実施例
2のNO.2−1及びNO.2−11の色素を用い、実
施例2の方法で感熱転写シートを作成し、この感熱転写
シートを使用して実施例2と同様に評価したが、色移り
試験結果が不良であった。結果を以下の表−2に示す。 比較例1.特開昭61−35994 実施例1の色素
【0046】
【化5】
【0047】比較例2.特開昭61−35994 実施
例2 NO.2−1の色素
【0048】
【化6】
【0049】比較例3.特開昭61−35994 実施
例2 NO.2−11の色素
【0050】
【化7】
【0051】
【表5】
【0052】なお、極大波長は、アセトン中で測定し
た。また、色移りの判定は、OD2 /OD1 が0.02
未満で○、0.02以上0.05未満で△、0.05以
上で×とした。
【0053】
【発明の効果】本発明の感熱転写色素を使用した場合、
均一、且つ、高濃度に感熱転写記録が出来、又、接触物
への色移りがなく、画像の先鋭度が良好である等の良好
な性能の感熱転写画像を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記、一般式(I) 【化1】 (式中、Rは、炭素数5〜10のアルキル基を表し、R
    1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有
    していても良いアルキル基又はアルコキシ基を表し、R
    3 、R4 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有
    していても良いアルキル基、又はアルコキシ基或いはハ
    ロゲン原子を表す。R5 、R6 は、それぞれ独立して置
    換基を有していても良いアルキル基、置換基を有してい
    ても良いアルケニル基又は置換基を有していても良いア
    リール基を表す。)で示される感熱転写用色素。
  2. 【請求項2】 支持体上に色素層を有する熱転写シート
    であって、該色素層が請求項1に記載の色素を含有する
    ことを特徴とする熱転写シート。
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