JPH107594A - 1−ヘキセンの製造方法 - Google Patents

1−ヘキセンの製造方法

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JPH107594A
JPH107594A JP8155804A JP15580496A JPH107594A JP H107594 A JPH107594 A JP H107594A JP 8155804 A JP8155804 A JP 8155804A JP 15580496 A JP15580496 A JP 15580496A JP H107594 A JPH107594 A JP H107594A
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catalyst
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隆充 青山
Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Hideyuki Mimura
英之 三村
Yasuyuki Koie
泰之 鯉江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレンを三量化して1−ヘキセンを製造す
る方法において、エチレンの三量化反応に用いた活性な
クロム系触媒を失活処理する際に、1−ヘキセンの選択
率を低下させることなく、また未反応エチレンに失活剤
を同伴させることなく、失活処理を行うことのできる1
−ヘキセンの製造方法を提供する。 【解決手段】 三量化反応終了後、クロム系触媒に含有
されるクロム化合物に対して1モル当量以上で、しかも
クロム系触媒に含有される金属の合計モル数に対して3
モル当量未満の失活剤を、反応生成液に添加して先ずク
ロム系触媒に含有されるクロム化合物を失活させた後、
未反応エチレンを反応生成液から分離し、次いでクロム
系触媒に含有される金属の合計モル数に対して3〜10
00モル当量の失活剤を、反応生成液に添加してクロム
系触媒を完全に失活させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンの三量化
による1−ヘキセンの製造方法に関する。さらに詳しく
は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の原料コモ
ノマーや可塑剤原料として極めて有用な1−ヘキセンを
高選択的に製造しうるエチレンの三量化による1−ヘキ
センの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンを三量化する反応において、ク
ロム系触媒を用い1−ヘキセンを製造することは公知で
ある。例えば、米国特許第3347840号明細書及び
特開昭62−265237号公報には、クロム化合物、
アルミノキサンとジメトキシエタン等のエ−テル化合物
類からなる触媒系が、特開平6−239920号公報に
は、クロム化合物、ピロール含有化合物、金属アルキル
からなる触媒系が、又特開平8−59732号公報に
は、クロム化合物、イミド化合物及び金属アルキルから
なる触媒系が開示されている。
【0003】この製造プロセスは一般に大別して、三量
化反応工程、未反応エチレン回収工程、触媒の失活工程
および脱灰工程、1−ヘキセンおよび溶媒の分留工程か
ら成っている。ところで、これらの触媒はいずれも触媒
活性が高いため、生成した1−ヘキセンは同時に三量化
原料として供され、エチレンと1−ヘキセンとの共三量
化反応によりC10、C14オレフィンが生成する。従
って、クロム系触媒の存在下にエチレンを三量化して1
−ヘキセンを製造する方法においては、1−ヘキセンの
選択率低下が問題になっている。1−ヘキセンの選択率
を向上させるには、三量化反応条件としてエチレン分圧
を高めればよい。即ち、高エチレン圧力、低温度にすれ
ばよく、具体的には30kg/cm2G以上の高圧力、
及び/又は130℃以下の低温度にすればよい。
【0004】一方、三量化反応終了後に未反応エチレン
を回収してリサイクルすることも、工業的な観点から要
求されており、通常、三量化反応終了後に0〜30kg
/cm2Gの低圧に維持されたフラッシャーに三量化反
応生成物を移送して未反応エチレンを回収する。その結
果、このフラッシャー内ではエチレン分圧が低下するた
め、前記クロム系触媒が用いられると、共三量化反応が
進行し、1−ヘキセン選択率が低下するという問題を生
じる。この問題を解消するためには、フラッシャー内で
の三量化反応生成液の滞留時間を出来る限り短縮するこ
とが望ましいが、このようなフラッシャーを設計するこ
とは非常に難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、三量化反応生
成物をフラッシャーに移送する前に、触媒を失活させる
方法もある。しかしながら、このような方法では、触媒
を完全に失活させるには大量の失活剤が必要となるた
め、失活処理後に未反応エチレンをフラッシュさせると
使われなかった失活剤が未反応エチレンに同伴される。
従って、未反応エチレンをリサイクルして、再度三量化
反応に使用する際に、この失活剤の除去に要する新たな
装置を設置しなければならず、その費用や用役費が増大
するのは免れない。その上、そのポリマーの廃棄に時間
と労力を要するという問題があった。本発明は上記の課
題に鑑みてなされたものであり、その目的はエチレンを
三量化して1−ヘキセンを製造する方法において、エチ
レンの三量化反応に用いた活性なクロム系触媒を失活処
理する際に、1−ヘキセンの選択率を低下させることな
く、また未反応エチレンに失活剤を同伴させることな
く、失活処理を行うことのできる1−ヘキセンの製造方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った結果、クロム系触媒
の存在下にエチレンを三量化して1−ヘキセンを製造す
る方法において、三量化反応終了後、反応生成液に特定
量の失活剤を添加して、先ずクロム系触媒に含有される
クロム化合物を失活させた後、未反応エチレンを反応生
成液から分離し、次いで特定量の失活剤を反応生成液に
添加してクロム系触媒を完全に失活させると1−ヘキセ
ンが高選択率で得られることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】即ち本発明は、クロム系触媒の存在下にエ
チレンを三量化して1−ヘキセンを製造する方法におい
て、三量化反応終了後、クロム系触媒に含有されるクロ
ム化合物に対して1モル当量以上で、しかもクロム系触
媒に含有される金属の合計モル数に対して3モル当量未
満の失活剤を、反応生成液に添加して先ずクロム系触媒
に含有されるクロム化合物を失活させた後、未反応エチ
レンを反応生成液から分離し、次いでクロム系触媒に含
有される金属の合計モル数に対して3〜2,000モル
当量の失活剤を、反応生成液に添加してクロム系触媒を
完全に失活させることを特徴とする1−ヘキセンの製造
方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳しく
説明する。
【0009】本発明においては、エチレンを三量化して
得られる、1−ヘキセンを含有する三量化反応生成液中
のクロム系触媒を失活させる手順が重要である。
【0010】本発明において1−ヘキセンは、クロム系
触媒の存在下にエチレンを三量化させることによって得
られる。このクロム系触媒は、少なくとも(A)クロム
化合物、(B)アルキル金属化合物、および所望に応じ
て用いられる(C)イミド化合物、ピロール含有化合物
及びエーテル化合物からなる群より選ばれた少なくとも
一種以上のヘテロ元素含有有機化合物から成っている。
【0011】本発明で使用される(A)クロム化合物と
しては、特に制限するものではないが、例えば、下記一
般式(1) CrAmn (1) (式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数で
ある。またAは炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基、アレーン、アルコキシ基、カルボキシレート基、β
−ジケトナート基、β−ケトエステル基及びアミド基、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、硝酸基、硫酸基、過塩
素酸基、カルボニル並びに酸素からなる群より選ばれた
1種以上を表し、Bは窒素含有化合物、リン含有化合
物、ヒ素含有化合物、アンチモン含有化合物、酸素含有
化合物及び硫黄含有化合物からなる群より選ばれた1種
以上を表す)で示される化合物が好適なものとして用い
られる。
【0012】上記一般式(1)において、炭素数1〜2
0のアルキル基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、アリル
基、ネオペンチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタ
メチルシクロペンタジエニル基又はトリメチルシリルメ
チル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリ−ル基と
しては、特に限定するものではないが、例えば、フェニ
ル基又はトルイル基等が挙げられる。炭素数6〜20の
アレーンとしては、特に限定するものではないが、例え
ば、ベンゼン、エチルベンゼン又はヘキサメチルベンゼ
ン等が挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基とし
ては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル
オキシ基、ステアリルオキシ基又はフェノキシ基等が挙
げられる。炭素数1〜20のカルボキシレ−ト基として
は、特に限定するものではないが、例えば、アセテート
基、プロピオネート基、ブチレート基、ネオペンタノエ
ート基、2ーエチルヘキサノエート基、オキシ−2−エ
チルヘキサノエート基、イソオクタネ−ト基、ジクロロ
エチルヘキサノエート基、ラウレート基、ステアレート
基、オレエ−ト基、ベンゾエート基、又はナフテネート
基等が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ジケトナート
基としては、特に限定するものではないが、例えば、ア
セチルアセトナート基、トリフルオロアセチルアセトナ
ート基、ヘキサフルオロアセチルアセトナート基、2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト基、1,3−ブタンジオナート基、2−メチル−1,
3−ブタンジオナート基、ベンゾイルアセトナート基等
が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ケトエステル基と
しては、特に限定するものではないが、例えば、アセチ
ルアセテ−ト基等が挙げられる。アミド基としては、特
に限定するものではないが、例えば、ジメチルアミド基
又はジシクロヘキシルアミド基が挙げられる。ハロゲン
原子としては、特に限定するものではないが、例えば、
フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。上記一般
式(1)において、窒素含有化合物としては、特に限定
するものではないが、例えば、アミン、ピリジン、アミ
ド、又はニトリル等が挙げられる。アンチモン含有化合
物としては、特に限定するものではないが、例えば、ト
リアリールアンチモン、又はトリアルキルアンチモン等
が挙げられる。リン化合物としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、ホスフィン、ホスファイト、又は
ホスフィンオキシド等が挙げられる。酸素含有化合物と
しては、特に限定するものではないが、例えば、水、無
水カルボン酸、エステル、エーテル、アルコール又はケ
トン等であり、硫黄含有化合物としては、特に限定する
ものではないが、例えば、二硫化炭素、スルフォン、チ
オフェン、又はスルフィド等が挙げられる。
【0013】上記一般式(1)で示されるクロム化合物
としては、特に限定するものではないが、例えば、クロ
ム(II)ジメチル、クロム(III)トリメチル、ク
ロム(IV)テトラメチル、クロム(III)トリス
(η−アリル)、二クロム(II)テトラキス(η−ア
リル)、クロム(IV)テトラキス(ネオペンチル)、
クロム(IV)テトラキス(トリメチルシリルメチ
ル)、クロム(II)ビス(シクロペンタジエニル)、
クロム(II)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)、クロム(III)トリス(π−アリル)、クロム
(IV)テトラキス(π−アリル)、クロム(II)ジ
フェニル、クロム(0)ビス(ベンゼン)、クロム(I
I)ジフェニル(ベンゼン)、クロム(0)ビス(エチ
ルベンゼン)、クロム(0)ビス(ヘキサメチルベンゼ
ン)、クロム(I)シクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)、クロム(IV)テトラメトキシド、クロム(I
V)テトラエトキシド、クロム(IV)テトラプロポキ
シド、クロム(IV)テトラブトキシド、クロム(I
V)テトラヘキシルオキシド、クロム(IV)テトラス
テアリルオキシド、クロム(IV)テトラフェノキシ
ド、クロム(II)ビス(アセテート)、クロム(II
I)トリス(アセテート)、クロム(II)ビス(プロ
ピオネート)、クロム(III)トリス(プロピオネー
ト)、クロム(III)トリス(ブチレート)、クロム
(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)、クロム
(III)トリス(2ーエチルヘキサノエート)、クロ
ム(II)ビス(イソオクタネ−ト)、クロム(II
I)トリス(イソオクタネ−ト)、クロム(III)ト
リス(オキシ−2−エチルヘキサノエート)、クロム
(III)トリス(ジクロロエチルヘキサノエート)、
クロム(III)トリス(ネオペンタノエート)、クロ
ム(II)ビス(ネオペンタノエート)、クロム(II
I)トリス(ラウレート)、クロム(II)ビス(ラウ
レート)、クロム(III)トリス(ステアレート)、
クロム(II)ビス(ステアレート)、クロム(II
I)トリス(オレエート)、クロム(II)ビス(オレ
エート)、クロム(III)トリス(ベンゾエート)、
クロム(II)ビス(ナフテネート)、クロム(II
I)トリス(ナフテネート)、クロム(II)オキザレ
ート、クロム(II)ビス(アセチルアセトナート)、
クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、ク
ロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナ
ート)、クロム(III)トリス(ヘキサフルオロアセ
チルアセトナート)、クロム(III)トリス(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、クロム(III)トリス(1,3−ブタンジオナ
ート)、クロム(III)トリス(2−メチル−1,3
−ブタンジオナート)、クロム(III)トリス(ベン
ゾイルアセトナート)、クロム(III)トリス(アセ
チルアセテート)、クロム(III)トリス(ジメチル
アミド)、クロム(III)トリス(ジシクロヘキシル
アミド)、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム、塩化
第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第
二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、塩化
クロミル、過塩素酸クロム、二塩化ヒドロキシクロム、
硝酸クロム、硫酸クロム等が挙げられる。
【0014】さらに、トリクロロトリアニリンクロム
(III)、ジクロロビス(ピリジン)クロム(I
I)、ジクロロビス(4−エチルピリジン)クロム(I
I)、トリクロロトリピリジンクロム(III)、トリ
クロロトリス(4−イソプロピルピリジン)クロム(I
II)、トリクロロトリス(4−エチルピリジン)クロ
ム(III)、トリクロロトリス(4−フェニルピリジ
ン)クロム(III)、トリクロロ(1,4,7−トリ
メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)クロム
(III)、ジクロロジニトロシルビス(4−エチルピ
リジン)クロム(II)、ジクロロジニトロシルビス
(トリフェニルホスフィンオキシド)クロム(II)、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィンオキシド)クロ
ム(II)、トリクロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)クロム(III)、トリクロロビス(トリブチルホ
スフィン)クロム(III)ダイマー、トリクロロトリ
ス(ブチルアセテート)クロム(III)、トリクロロ
トリス(エチルアセテート)クロム(III)、トリク
ロロトリス(テトラヒドロフラン)クロム(III)、
トリクロロトリス(ジオキサン)クロム(III)、ト
リクロロトリス(iso−プロパノール)クロム(II
I)、トリクロロトリス(2−エチルヘキサノール)ク
ロム(III)、トリフェニルトリス(テトラヒドロフ
ラン)クロム(III)、クロム(III)トリス(ア
セテ−ト)無水酢酸付加物、ヒドリドトリカルボニル
(η−シクロペンタジエニル)クロム(III)等が挙
げられる。
【0015】これらのうち取り扱いやすさ及び安定性の
面から、カルボキシレート基を有するクロムカルボキシ
レ−ト化合物及びβ−ジケトナート基を有するクロムβ
−ジケトナート化合物が好ましく用いられる。より好ま
しくは、クロム(III)トリス(2−エチルヘキサノ
エート)、クロム(III)トリス(ナフテネート)、
クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、ク
ロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナ
ート)、クロム(III)トリス(2,2,6,6−テ
トラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)が用いられ
る。また、上記クロム化合物はそれぞれ単独で使用し得
るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能で
ある。
【0016】本発明において使用される(B)アルキル
金属化合物は、特に限定するものではないが、例えば、
下記一般式(2) RpMXq (2) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
ネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムを表し、Rは
炭素数1〜10のアルキル基より選ばれた1種以上を表
し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリール基及びハロ
ゲン原子からなる群より選ばれた1種以上を表す)で示
される化合物、又はアルミノキサンが好適なものとして
挙げられる。
【0017】上記一般式(2)において、炭素数1〜1
0のアルキル基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、シクロヘキシル基、又はオクチル基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、又
はフェノキシ基等が挙げられる。アリール基としては、
特に限定するものではないが、例えば、フェニル基等が
挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素
が挙げられる。
【0018】なお、上記一般式(2)において、MがA
lで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.51.5
となる。このような化合物は、理論的には存在しない
が、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表現
されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0019】上記一般式(2)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルクロロマグネ
シウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジ
エチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラン、トリエ
チルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシク
ロヘキシルフェニルアルミニウム、エチルアルミニウム
エトキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド等が挙げられる。
【0020】本発明において使用されるアルミノキサン
とは、前記のアルキルアルミニウム化合物と水とを一定
範囲内の量比で反応させて得られる加水分解生成物であ
る。アルキルアルミニウム化合物を加水分解する方法に
ついては、特に限定するものではなく、公知の方法で合
成できる。例えば、(1)アルキルアルミニウム化合物
そのまま、又は有機溶媒への希釈溶液に水を接触させる
方法、(2)アルキルアルミニウム化合物と塩化マグネ
シウム・6水塩、硫酸鉄・7水塩、硫酸銅・5水塩等の
金属塩の結晶水と反応させる方法、等が採られる。具体
的には、前記特開昭62−265237号公報や特開昭
62−148491号公報に開示されている。加水分解
を行う際のアルキルアルミニウム化合物と水とのモル比
は1:0.4〜1:1.2、好ましくは1:0.5〜
1:1.0である。
【0021】これらのアルキル金属化合物のうち入手の
容易さ及び活性の面からトリエチルアルミニウムやトリ
イソブチルアルミニウムが好ましく用いられる。これら
のアルキル金属化合物は単独で使用し得るのみならず、
二種以上を混合して用いることも可能である。
【0022】さらに、所望に応じて用いられる(C)ヘ
テロ元素含有有機化合物としては、イミド化合物、ピロ
ール含有化合物及びエーテル化合物からなる群より選ば
れた少なくとも一種以上の化合物が挙げられる。イミド
化合物としては、イミド構造を有する化合物であればい
かなる化合物でもよく、特に制限はないが、例えば、マ
レイミド、1−クロロエテン−1,2−ジカルボキシイ
ミド、1−ブロモエテン−1,2−ジカルボキシイミ
ド、1−フルオロエテン−1,2−ジカルボキシイミ
ド、1−トリフルオロメチルエテン−1,2−ジカルボ
キシイミド、1,2−ジクロロエテン−1,2−ジカル
ボキシイミド、シトラコンイミド、2−ブテン−2,3
−ジカルボキシイミド、1−シクロペンテン−1,2−
ジカルボキシイミド、スクシンイミド、α,α−ジメチ
ル−β−メチルスクシンイミド、α−メチル−α−プロ
ピルスクシンイミド、グルタルイミド、3,3−ジメチ
ルグルタルイミド、ベメグリド、フタルイミド、3,
4,5,6−テトラクロロフタルイミド、1,2−シク
ロヘキサンジカルボキシイミド、1,2,3,6−テト
ラヒドロフタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロ
フタルイミド、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイ
ミド、1,8−ナフタルイミド、2,3−ナフタレンジ
カルボキシイミド、シクロヘキシイミド、N−クロロス
クシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨ−ド
スクシンイミド、N−(メトキシカルボニル)マレイミ
ド、N−(ヒドロキシ)マレイミド、N−(カルバモイ
ル)マレイミド等のイミド類が挙げられる。
【0023】さらに、N−(トリメチルシリル)マレイ
ミド、N−(トリメチルシリル)コハクイミド、N−
(トリメチルシリル)シトラコンイミド、N−(トリメ
チルシリル)−2−ブテン−2,3−ジカルボキシイミ
ド、N−(トリメチルシリル)−1−シクロペンテン−
1,2−ジカルボキシイミド、N−(トリメチルシリ
ル)−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド、N
−(トリメチルシリル)スクシンイミド、N−(トリエ
チルシリル)マレイミド、N−(トリ−n−プロピルシ
リル)マレイミド、N−(トリ−n−ブチルシリル)マ
レイミド、N−(トリ−n−ヘキシルシリル)マレイミ
ド、N−(トリベンジルシリル)マレイミド、N−(n
−ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(t−ブチ
ルジメチルシリル)マレイミド、N−(ジメチルゼキシ
ルシリル)マレイミド、N−(n−オクチルジメチルシ
リル)マレイミド、N−(n−オクタデシルジメチルシ
リル)マレイミド、N−(ベンジルジメチルシリル)マ
レイミド、N−(メチルジブチルシリル)マレイミド、
N−(フェニルジメチルシリル)マレイミド、N−(p
−メトキシフェニルジメチルシリル)マレイミド、N−
(p−トルイルジメチルシリル)マレイミド、N−(ト
リフェニルシリル)マレイミド、N−(トリブチルチ
ン)マレイミド、N−(トリオクチルチン)マレイミ
ド、N−(ジイソブチルアルミニウム)マレイミド、N
−(ジエチルアルミニウム)マレイミド、水銀マレイミ
ド、銀マレイミド、カルシウムマレイミド、カリウムマ
レイミド、ナトリウムマレイミド、リチウムマレイミド
等の金属イミド類が挙げられる。
【0024】ここで、金属イミドとは、イミドから誘導
される金属イミド、あるいはこれらの混合物であり、具
体的にはイミドとIA族、IIA族、IB族、IIB
族、IIIB族及びIVB族から選択される金属との反
応により得られるイミド化合物である。この金属イミド
化合物の合成法は、特に限定するものではなく、公知の
方法で合成できる。例えば、IA及びIIA族金属のイ
ミド化合物は、リチウム、ブチルリチウム、ナトリウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、臭化メチルマ
グネシウム、塩化ブチルマグネシウム等のIA及びII
A族金属化合物とイミド化合物を反応させることで合成
できる。又、IB及びIIB金属のイミド化合物は、硝
酸銀、塩化銀、塩化水銀等のIB及びIIB金属化合物
とイミド化合物をアルカリの存在下で反応させることで
合成できる。IIIB及びIVB族金属のイミド化合物
は、トリメチルシリルクロリド、トリブチルシリルクロ
リド、トリブチルチンクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド等のIIIB及びIVB族の金属塩化物とイミ
ド化合物をアルカリの存在下で反応させたり、前記のI
IIB及びIVB族の金属塩化物とIA、IIA、I
B、IIB族の金属イミド化合物を反応させたり、又、
トリブチルチンヒドリド、トリイソブチルアルミニウム
ヒドリド等のIIIB及びIVB族の金属ヒドリドとイ
ミド化合物を反応させることで合成できる。具体的に
は、Polymer Journal,24,679
(1992)によれば、N−(トリアルキルシリル)マ
レイミドは、マレイミド又は銀マレイミドとトリアルキ
ルシリルクロリドを3級アミン化合物存在下で反応さ
せ、次いで蒸留または再結晶して合成される。また、J
ournalof Organic Chemistr
y,39,21(1974)によれば、銀マレイミド
は、マレイミドと硝酸銀をエタノ−ル/ジメチルスルホ
キシド中で苛性ソ−ダ存在下で反応させて合成される。
【0025】ピロール含有化合物としては、ピロール環
構造を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、
特に制限はないが、例えば、ピロール、2,5−ジメチ
ルピロール、3,4−ジメチルピロール、2,4−ジメ
チル−3−エチルピロール、3,4−ジクロロピロー
ル、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセ
チルピロール、3−アセチル−2,4−ジメチルピロー
ル、ピロール−2−カルボン酸、ピロール−2−カルボ
キサルデヒド、エチル−2,4−ジメチル−5−(エト
キシカルボニル)−3−ピロール−プロピオネート、エ
チル−3,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレー
ト、テトラヒドロインドール等のピロール、リチウムピ
ロリド、ナトリウムピロリド、カリウムピロリド、セシ
ウムピロリド、ジエチルアルミニウムピロリド、エチル
アルミニウムジピロリド、アルミニウムトリピロリド、
ジイソブチルアルミニウムピロリド、ナトリウム−2,
5−ジメチルピロリド、カリウム−2,5−ジメチルピ
ロリド、セシウム−2,5−ジメチルピロリド、ジエチ
ルアルミニウム−2,5−ジメチルピロリド、エチルア
ルミニウムビス(2,5−ジメチルピロリド)、アルミ
ニウムトリス(2,5−ジメチルピロリド)、ジイソブ
チルアルミニウム−2,5−ジメチルピロリド等の金属
ピロリドが挙げられる。
【0026】エーテル化合物としては、エーテル結合を
有する化合物であればいかなる化合物でもよく、特に制
限はないが、例えば、ジエチルエ−テル、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ピラン、ジメトキシエタ
ン、ジエトキシエタン、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等が挙げられる。これらのうち活
性の面から、マレイミド、N−(トリメチルシリル)マ
レイミド、ピロール、2,5−ジメチルピロール、ジメ
トキシエタンが好ましく用いられる。また、これらヘテ
ロ元素含有有機化合物はそれぞれ単独で使用し得るのみ
ならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0027】本発明における、前記(A)クロム化合
物、(B)アルキル金属化合物、及び必要に応じて用い
る(C)ヘテロ元素含有有機化合物の混合割合は、
(A)クロム化合物1モルに対して、(B)アルキル金
属化合物は通常、0.1〜10,000当量であり、好
ましくは3〜3,000当量、より好ましくは10〜
2,000当量である。また、必要に応じて用いる
(C)ヘテロ元素含有有機化合物の使用量は、(A)ク
ロム化合物1モルに対して通常、0.1〜1,000当
量であり、好ましくは0.5〜500当量、より好まし
くは1〜300当量である。本発明のクロム系触媒は、
前記の(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物
及び必要に応じて(C)ヘテロ元素含有有機化合物を原
料として、溶媒中で接触させることにより調製できる。
接触方法は特に制限されないが、例えば、三量化反応原
料であるエチレンの存在下に(A)クロム化合物、
(B)アルキル金属化合物及び(C)ヘテロ元素含有有
機化合物を接触させて触媒を調製し、接触と同時に三量
化反応を開始する方法、または(A)クロム化合物、
(B)アルキル金属化合物及び(C)ヘテロ元素含有有
機化合物を前もって接触させて触媒を調製した後、エチ
レンと接触させて三量化反応を行う方法が採られる。な
お、これらの原料の混合順序は特に制限はされない。
【0028】この触媒系を調製する際の、クロム化合物
の濃度は特に制限されないが、通常溶媒1リットルあた
り、0.001マイクロモル〜100ミリモル、好まし
くは0.01マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用
される。またここで用いられる溶媒としては、例えば、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デ
カリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類及び塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等の塩
素化炭化水素類が挙げられる。また反応原料のオレフィ
ンそのもの、あるいは反応生成物、例えば、ブテン、1
−ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン等のオレフィ
ン類を溶媒として用いることもできる。これらの溶媒は
それぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合
して用いることも可能である。ここで、触媒調製時の触
媒濃度をコントロ−ルする目的で、必要に応じて濃縮や
希釈しても差し支えない。
【0029】また、クロム化合物、アルキル金属化合物
及びヘテロ元素有機化合物を接触させる際の温度は通常
−100〜250℃、好ましくは0〜200℃である。
触媒系の調製時間は特に制限されず、通常0分〜24時
間、好ましくは0分〜2時間である。なお、触媒調製の
すべての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望ま
しい。また、触媒調製原料および溶媒は十分に乾燥して
おくことが好ましい。本発明によれば、上記の如く調製
されたクロム系触媒に、所望に応じて更に、塩素、臭
素、ヨウ素、ブチルクロリド、アミルクロリド、ヘキシ
ルクロリド、ヘプチルクロリド、オクチルクロリド、ノ
ニルクロリド、デシルクロリド、ラウリルクロリド、メ
チルブロミド、プロピルブロミド、ブチルブロミド、ア
ミルブロミド、ヘキシルブロミド、エチルヘキシルブロ
ミド、ノニルブロミド、セチルブロミド、ジブロモメタ
ン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジクロロブテ
ン、シクロヘキシルブロミド、クロロホルム、四塩化炭
化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベ
ンゼン、ジブロモベンゼン、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、臭
化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三
塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化ケイ
素、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、塩化第
一スズ、塩化第二スズ、ヨウ化スズ、三塩化リン、五塩
化リン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三臭化
アンチモン、三フッ化アンチモン、五フッ化アンチモ
ン、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニ
ウムブロミド、ジメチルアルミニウムアイオダイド、ジ
エチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブ
ロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、エチルア
ルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ド、エチルアルミニウムジアイオダイド、ジイソプロピ
ルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジヘキシ
ルアルミニウムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウ
ムクロリド、ジオクチルアルミニウムクロリド、メチル
アルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、トリ
メチルシリルクロリド、トリメチルシリルブロミド、ジ
メチルシリルジクロリド、メチルシリルトリクロリド、
フェニルシリルトリクロリド、ジフェニルシリルジクロ
リド、メチルジクロロシラン、トリブチルチンクロリ
ド、ジブチルチンジクロリド、ブチルチントリクロリ
ド、トリフェニルチンクロリド、ジフェニルチンジクロ
リド、フェニルチントリクロリド等のハロゲン化物やト
リス(2−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3−フ
ルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(2,4−ジフルオロフェニル)ボ
ロン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボロン、
トリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス
(2,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン、トリス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボロン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ビス(ペンタフル
オロフェニル)亜鉛、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ゲルマニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)スズ、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)
ボロン等のルイス酸を添加し、クロム系触媒として供さ
れる。ハロゲン化物やルイス酸の共存により触媒活性の
向上やポリマーの副生を抑制する等の効果が認められ
る。
【0030】このようにして調製されたクロム系触媒を
用いてエチレンの三量化反応が行なわれる。本発明にお
いてクロム系触媒の使用量は特に制限されないが、通
常、前記溶媒で希釈し、三量化反応液1リットルあた
り、クロム化合物が0.001マイクロモル〜100ミ
リモル、好ましくは0.01マイクロモル〜10ミリモ
ルの濃度で使用される。これより小さい触媒濃度では十
分な活性が得られず、逆にこれより大きい触媒濃度で
は、触媒活性が増加せず経済的でない。
【0031】本発明における三量化反応の温度は、通常
−100〜250℃であるが、好ましくは0〜200℃
である。反応圧力は、絶対圧で通常0〜300kg/c
2であり、好ましくは0〜150kg/cm2である。
また、反応時間は温度や圧力に左右され、一概に決める
ことはできないが、通常5秒〜6時間である。また、エ
チレンは、前記の圧力を保つように連続的に供給しても
よいし、反応開始時に前記圧力で封入して反応させても
よい。原料ガスであるエチレンには、反応に不活性なガ
ス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等が含まれても何
ら差し支えない。なお、三量化反応のすべての操作は、
空気と水分を避けて行うことが望ましい。また、エチレ
ンは十分に乾燥しておくことが好ましい。
【0032】本発明においては、エチレンの三量化反応
によって得られる反応生成液に触媒の失活剤を添加して
三量化反応を停止させる場合の失活剤の添加方法が重要
である。即ち、前記のようにして得られた三量化反応生
成液を、例えばフラッシャーに供給して未反応エチレン
を回収する前後において触媒失活を行う。
【0033】本発明の未反応エチレンの回収前に行うク
ロム系触媒に含有されるクロム化合物の失活処理は、反
応生成液に、クロム化合物と反応可能な化合物を添加す
ることにより行われる。このクロム化合物と反応可能な
化合物としては、特に限定するものではないが、プロト
ン性化合物が挙げられ、例えば、水、及びメタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘ
キサノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ベンジルアルコール等のアルコ−ル類、フェノー
ル、クレゾール等のフェノール類及び酢酸、プロピオン
酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸
類、アンモニア又はメチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、アニ
リン、ジメチルアミン、シエチルアミン、ジフェニルア
ミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、ジエチルアニリン等のアミン類、ピリジン、
ピコリン等の複素環式窒素化合物が挙げられる。これら
のうち取り扱い易さの面から、水やアルコール類が好ま
しく用いられる。この失活剤は単独で使用し得るのみな
らず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0034】このクロム化合物と反応可能な化合物の使
用量は、三量化反応の触媒として用いるクロム系触媒の
共三量化活性を失わせるに十分な量で、クロム系触媒に
含有されるクロム化合物に対して1モル当量以上で、し
かもクロム系触媒に含有される金属の合計モル数に対し
て3モル当量未満の割合で使用される。好ましくは、ク
ロム系触媒に含有されるクロム化合物に対して2モル当
量以上、クロム系触媒に含有される金属の合計モル数に
対して2.5モル当量未満の割合で使用される。クロム
化合物と反応可能な化合物の使用量がクロム系触媒に含
有されるクロム化合物に対して1モル当量未満ではクロ
ム化合物を完全に失活させるのに十分ではなく、生成し
た1−ヘキセンはさらに三量化反応の原料として消費さ
れ、C10やC14オレフィンに変換されて1−ヘキセ
ン選択率の低下につながる。またクロム系触媒に含有さ
れる金属の合計モル数に対して3モル当量より多い量で
はフラッシュ後の未反応エチレンに失活剤が同伴され、
未反応エチレンのリサイクルに支障がでて好ましくな
い。
【0035】この未反応エチレンの回収前に行うクロム
系触媒に含有されるクロム化合物の失活処理の温度は、
特に制限はされないが、通常、50℃以上、好ましくは
85〜180℃、より好ましくは100〜130℃であ
る。このうち反応温度を85℃以上に保持すると、副生
したポリマーが反応生成液中に溶融し、副生したポリマ
ーを系外へ取り出すことなく、また失活処理時の反応
器、制御弁、配管、ポンプ等の装置を詰まらせることな
く、安定に失活処理を行うことができる。この失活処理
の圧力は、特に制限されないが、好ましくは反応時の圧
力下で行なう。また失活処理時間は温度や圧力に左右さ
れ、一概に決めることはできないが、通常5秒〜1時間
である。また失活剤の添加時期は、フラッシャーに三量
化反応生成液を供給する直前に、失活剤を三量化反応生
成液に供給するのが、共三量化反応を抑制するためにも
好ましい。
【0036】本発明においては、このようにして得られ
たクロム系触媒に含有されるクロム化合物が失活した反
応生成液をフラッシャーに供給して未反応エチレンの分
離を行なう。未反応エチレンの分離操作は、反応生成液
の雰囲気圧力を、三量化反応時の圧力よりも低くするこ
とにより行うことができる。この分離操作の温度および
時間の条件は特に制限されない。
【0037】本発明においてはフラッシャーで未反応エ
チレンを回収した後、さらに失活剤を反応生成液に添加
して、クロム系触媒を完全に失活させる。クロム系触媒
を完全に失活させる失活剤としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、水、及びメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタ
ノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベン
ジルアルコール等のアルコ−ル類、フェノール、クレゾ
ール等のフェノール類及び酢酸、プロピオン酸、オクチ
ル酸、2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸類が挙げら
れる。これらのうち取り扱い易さの面から、水やアルコ
ールが好ましく用いられ、より好ましくは水が用いられ
る。この失活剤は単独で使用し得るのみならず、二種以
上を混合して用いることも可能である。
【0038】本発明のクロム系触媒を完全に失活させる
失活剤の使用量は、触媒を完全に失活させるに十分な量
で、通常触媒に含有される金属の合計モル数に対して、
3〜2,000モル当量であり、好ましくは5〜1,0
00モル当量である。失活剤の使用量が3モル当量未満
では活性なクロム系触媒を完全に失活することができ
ず、失活処理以降の後処理工程において問題が生ずる。
逆に失活剤の使用量が2,000モル当量より大きい量
では、失活が実質的に終了しており、これ以上の効果は
発現せず、経済的でない。
【0039】また所望に応じて失活剤に含窒素化合物や
無機化合物を添加することができる。触媒中にハロゲン
が含まれる場合、失活処理時に触媒中のハロゲンの一部
が生成オレフィンに付加して有機ハロゲン化物を少量生
成することがあるが、含窒素化合物や無機化合物の共存
によりこの有機ハロゲン化物の生成を抑制する等の効果
が認められる。
【0040】含窒素化合物としては、特に限定するもの
ではないが、例えばアンモニア又はメチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルア
ミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、アニリン、ジメチルアミン、シエチルアミ
ン、ジフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、ジエチルアニリン等のアミ
ン類、ピリジン、ピコリン等の複素環式窒素化合物が挙
げられる。これらのうち取り扱い易さや経済性の面か
ら、アンモニアが好ましく用いられ、より好ましくはア
ンモニア水溶液として用いられる。この含窒素化合物は
単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用い
ることも可能である。また無機化合物としては、特に限
定するものではないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムが挙げられる。これらのうち取り扱い易さや
経済性の面から、水酸化ナトリウムが好ましく用いられ
る。
【0041】この未反応エチレンの回収後に行うクロム
系触媒の完全失活処理の温度は、特に制限はされない
が、通常、50℃以上、好ましくは85〜180℃、よ
り好ましくは100〜130℃である。このうち反応温
度を85℃以上に保持すると、副生したポリマーが反応
生成液中に溶融し、副生したポリマーを系外へ取り出す
ことなく、失活処理時の反応器、制御弁、配管、ポンプ
等の装置を詰まらせることなく、安定に失活処理を行う
ことができる。この失活処理の圧力は、反応生成G以
上、好ましくは5kg/cm2G以上である。また失活
処理時間は温度や圧力に左右され、一概に決めることは
できないが、通常5秒〜1時間である。
【0042】このようにして触媒を完全に失活させた後
の三量化反応生成液中には、1−ヘキセンが高い分率で
含まれており、C10やC14オレフィンの副生は著し
く抑制されている。また未反応エチレンへの失活剤の同
伴も極端に抑制され、未反応エチレンのリサイクルに際
して、失活剤の除去に要する新たな装置の設置の必要も
ない。
【0043】本発明においては、このように三量化反応
終了後、クロム系触媒に含有されるクロム化合物に対し
て1モル当量以上で、しかもクロム系触媒に含有される
金属の合計モル数に対して3モル当量未満の失活剤を、
反応生成液に添加してクロム系触媒に含有されるクロム
化合物を失活させた後(クロム系触媒に含有されるクロ
ム化合物の失活工程)、未反応エチレンを反応生成液か
ら分離し(未反応エチレンの回収工程)、次いでクロム
系触媒に含有される金属の合計モル数に対して3モル当
量以上の失活剤を反応生成液に添加して、クロム系触媒
を完全に失活させた後(クロム系触媒の失活工程)、廃
金属の脱灰処理を行い(触媒の脱灰工程)、さらに1−
ヘキセンと溶媒を蒸留(1−ヘキセンと溶媒の分留工
程)によって1−ヘキセンを分離回収する。回収された
未反応エチレン及び溶媒は必要に応じて三量化反応系に
リサイクルされる。また、本反応においてはエチレンの
三量化反応により、1−ヘキセンとともに少量の炭素数
10及び14の高沸オレフィンが生成する。この高沸オ
レフィンは多段形式の蒸留処理によって、所望の各種高
沸オレフィンを得ることができる。これら高沸オレフィ
ンも必要に応じて三量化反応系に溶媒としてリサイクル
してもよい。
【0044】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に
説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもの
で、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 1Lシュレンク管にマレイミド14.5mg(0.15
mmol)を秤取り乾燥シクロヘキサン400mlに溶
解させ、0.01mol/lのクロム(III)トリス
(2−エチルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液
5.0mlを入れ混合した。0.12mol/lのトリ
エチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液11.0ml
と0.04mol/lのエチルアルミニウムジクロリド
/シクロヘキサン溶液5.0mlの混合物を加え、室温
で1時間撹拌して、触媒溶液を調製した。
【0045】温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置
を備えた内容積1lのステンレス製耐圧反応容器を90
℃で加熱真空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。前
記の触媒溶液を全量容器に仕込んだ。撹拌速度を1,0
00rpmに調整し、反応容器を120℃に加熱後、反
応容器内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエ
チレンガスを吹き込みエチレンの三量化反応を開始し
た。以後、前記圧力を維持するように導入し続け、これ
らの反応条件を保った状態で10分反応を行なった。1
0分後、反応容器にシクロヘキサンに希釈した表1に示
す所定量の失活剤を窒素で圧入することによってクロム
系触媒に含有されるクロム化合物を失活させた。反応生
成液の一部を抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。その結果、2−
エチルヘキサノールは含まれておらず、フラッシュによ
り失活剤が同伴される懸念がないことが判った。次いで
未反応エチレンをフラッシュにより10kg/cm2
まで排出後、さらに表1に示すシクロヘキサンに希釈し
た所定量の失活剤を窒素で圧入することによって触媒を
完全に失活させた。
【0046】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示
す。
【0047】実施例2、3 表1に示す条件で反応生成液中のクロム系触媒の失活処
理を行ったこと以外、実施例1と同様にして三量化反
応、失活処理操作を行なった。結果を表1に示す。
【0048】実施例4 温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置を備えた内容
積1Lのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真空
乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。0.01mol
/lのクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエ
ート)/シクロヘキサン溶液5.0ml、0.10mo
l/lの2,5−ジメチルピロール1.5ml及びシク
ロヘキサン350mlを反応容器胴側に仕込み、エチレ
ンで十分置換した。一方、触媒フィード管に0.50m
ol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶
液3.0ml、0.10mmol/lの四塩化ゲルマニ
ウム/シクロヘキサン溶液1.0mlを仕込んだ。
【0049】反応容器を120℃に加熱し、撹拌速度を
1,000rpmに調整後、触媒フィード管にエチレン
を導入し、エチレン圧によりトリエチルアルミニウムと
ジエチルアルミニウムクロリドの混合溶液が反応容器胴
側に導入され、エチレンの三量化反応を開始した。反応
容器内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチ
レンガスを吹き込み、以後、前記圧力を維持するように
導入し続け、これらの反応条件を保った状態で30分
間、エチレンの三量化反応を行なった。30分後、反応
容器にシクロヘキサンに希釈した表1に示す所定量の失
活剤を窒素で圧入することによってクロム系触媒に含有
されるクロム化合物を失活させた。反応生成液の一部を
抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。その結果、n−ブタノールは
含まれておらず、フラッシュにより失活剤が同伴される
懸念がないことが判った。次いで未反応エチレンをフラ
ッシュにより10kg/cm2Gまで排出後、さらに表
1に示す所定量の失活剤を窒素で圧入することによって
触媒を完全に失活させた。
【0050】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示
す。
【0051】実施例5 撹拌装置を備えたシュレンク管を加熱真空乾燥して、次
いで窒素ガスで十分置換したのち、0.195mol/
lのトリイソブチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液
98.3mlを入れ、氷水浴で冷却した。氷冷下、撹拌
しながら、259mgの水をゆっくり滴下し、1時間撹
拌を継続しながら保持して、0.195mol/lのイ
ソブチルアルミノキサン/シクロヘキサン溶液を合成し
た。
【0052】1Lシュレンク管に前記0.195mol
/lイソブチルアルミノキサン/シクロヘキサン溶液3
0.8ml(Al換算6.0mmol)、1,2−ジメ
トキシエタン0.27g(3.0mmol)と乾燥シク
ロヘキサン550mlを入れ、次いで0.1mol/l
のクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエー
ト)/シクロヘキサン溶液2.0mlを入れ混合し、室
温で1時間撹拌して、触媒溶液を調製した。
【0053】温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置
を備えた内容積1Lのステンレス製耐圧反応容器を90
℃で加熱真空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。前
記の触媒溶液を全量容器に仕込んだ。撹拌速度を1,0
00rpmに調整し、反応容器を100℃に加熱後、反
応容器内の絶対圧力を35kg/cm2となるようにエ
チレンガスを吹き込みエチレンの三量化反応を開始し
た。以後、前記圧力を維持するように導入し続け、これ
らの反応条件を保った状態で30分反応を行なった。3
0分後、反応容器にシクロヘキサンに希釈した表1に示
す所定量の失活剤を窒素で圧入することによってクロム
系触媒に含有されるクロム化合物を失活させた。反応生
成液の一部を抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。その結果、2−
エチルヘキサノールは含まれておらず、フラッシュによ
り失活剤が同伴される懸念がないことが判った。次いで
未反応エチレンをフラッシュにより10kg/cm2
まで排出後、さらに表1に示す所定量の失活剤を窒素で
圧入することによって触媒を完全に失活させた。反応容
器を室温まで冷却し、次いで脱圧した。反応液及び回収
した気体中に含まれる生成物をガスクロマトグラフィー
により分析した。結果を表1に示す。
【0054】比較例1 表1に示す条件で失活処理を行ったこと以外、実施例1
と同様にして三量化反応および失活処理操作を行なっ
た。結果を表1に示すが、共三量化反応が進行して1−
ヘキセン選択率が低下した。
【0055】比較例2 表1に示す条件で失活処理を行ったこと以外、実施例1
と同様にして三量化反応および失活処理操作を行なっ
た。結果を表1に示すが、触媒はフラッシュする前に完
全に失活しており、フラッシュ前の反応生成液をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、2−エチルヘ
キサノールが残留していた。
【0056】比較例3 表1に示す条件で失活処理を行ったこと以外、実施例1
と同様にして三量化反応および失活処理操作を行なっ
た。結果を表1に示すが、フラッシュ後の触媒は完全に
失活していなかった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、エチレンを三量化して
1−ヘキセンを製造する方法において、エチレンの三量
化反応に用いた活性なクロム系触媒を失活処理する際
に、1−ヘキセンの選択率を低下させることなく、また
未反応エチレンに失活剤を同伴させることなく、失活処
理を行うことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 2/32 9734−4H C07C 2/32 7/148 9734−4H 7/148 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム系触媒の存在下にエチレンを三量化
    して1−ヘキセンを製造する方法において、三量化反応
    終了後、クロム系触媒に含有されるクロム化合物に対し
    て1モル当量以上で、しかもクロム系触媒に含有される
    金属の合計モル数に対して3モル当量未満の失活剤を、
    反応生成液に添加して先ずクロム系触媒に含有されるク
    ロム化合物を失活させた後、未反応エチレンを反応生成
    液から分離し、次いでクロム系触媒に含有される金属の
    合計モル数に対して3〜2000モル当量の失活剤を、
    反応生成液に添加してクロム系触媒を完全に失活させる
    ことを特徴とする1−ヘキセンの製造方法。
  2. 【請求項2】クロム系触媒が少なくとも(A)クロム化
    合物、(B)アルキル金属化合物からなる触媒であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の1−ヘキセンの製造方
    法。
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