JP2002205960A - エチレンの三量化方法 - Google Patents

エチレンの三量化方法

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JP2002205960A JP2001001335A JP2001001335A JP2002205960A JP 2002205960 A JP2002205960 A JP 2002205960A JP 2001001335 A JP2001001335 A JP 2001001335A JP 2001001335 A JP2001001335 A JP 2001001335A JP 2002205960 A JP2002205960 A JP 2002205960A
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atom
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Osamu Yoshida
統 吉田
Hisanori Okada
久則 岡田
Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Yoshiyuki Murakita
栄之 村北
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレンから効率よく、かつ高選択的に1−
ヘキセンを製造する。 【解決手段】水素の存在下あるいは水素とエチレンの共
存下で、ACrBn(式中、nは1〜3の整数である。
Aは三脚型構造を有する中性の多座配位子であり、Cr
はクロム原子、Bは水素原子、ハロゲン原子、および直
鎖もしくは分岐状のアルキル基からなる群より選ばれる
1種以上を表す。)で示される三脚型構造を有する中性
の多座配位子が配位したクロム錯体とアルキルアルミノ
キサン、あるいは当該クロム錯体とアルキルアルミノキ
サンとアルキル金属化合物、あるいは当該クロム錯体と
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とアルキル金属
化合物からなる触媒を用いてエチレンを3量化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンの三量化
方法に関する。さらに詳しくは、線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)の原料コモノマーとして有用な1−ヘ
キセンをエチレンから効率よく、かつ高選択的に製造す
るエチレンの三量化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンを三量化して1−ヘキセンを得
る方法において、クロム化合物を触媒として用いること
は公知である。例えば、特開昭62−265237号公
報にはクロム化合物、ポリヒドロカルビルアルミニウム
オキシドおよびドナー配位子からなる触媒系が開示され
ている。特開平6−239920号公報には、クロム化
合物、ピロール含有化合物、金属アルキル化合物および
ハライドからなる触媒系が、また特開平8−59732
号公報には、クロム化合物、金属アルキル化合物および
酸アミドまたはイミド化合物からなる触媒系が開示され
ている。
【0003】また、特開平6−298673号公報に
は、クロミウム塩の多座配位子であるホスフィン、アル
シンおよび/またはスチビンとの配位錯体とアルミノキ
サンからなる触媒が開示されている。さらに、特開平1
0−7712号公報には、特定の窒素配位子が配位した
クロムの塩素錯体やアルキル錯体とアルミニウム化合物
からなる触媒が、特開平10−231317号公報に
は、環状ポリアミンまたはヒドロトリス(ピラゾリル)
ボレートが配位したクロム錯体とアルキルアルミニウム
化合物からなる触媒が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
265237号公報に記載の方法では、1−ヘキセンと
同時にポリエチレンが多く副生する欠点があった。特開
平6−239920号公報に記載の方法は、ポリエチレ
ンの副生が少なく、この点ではかなり改善している。し
かし、触媒の構成成分であるピロール含有化合物は、空
気に対して極めて不安定な物質であるため着色して劣化
しやすい。従って、取り扱いが難しいばかりか、反応終
了後には着色成分を除去するための処理または新たな装
置を必要とする等、工業的な触媒としては十分なもので
はなかった。また、特開平8−59732号公報に記載
の方法では、触媒の構成成分である酸アミドまたはイミ
ド化合物の化合物群の中で活性を得るには、ある特定の
イミド化合物(即ちマレイミド)を用いる必要がある。
マレイミドは溶解性が低いため触媒調製が煩雑であり、
入手が難しいばかりか高価であり、経済性の面において
も問題がある。
【0005】一方、特開平6−298673号公報に記
載の方法では、実験データの再現性が乏しい。また、特
開平10−7712号公報に記載の方法は、触媒活性が
低いという問題がある。さらに、特開平10−2313
17号公報に記載の方法は、ポリエチレンの生成が多い
ばかりか、オリゴマー中の1−ヘキセン選択性も低いと
いう欠点がある。
【0006】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的はLLDPEの原料コモノマーとして
有用な1−ヘキセンをエチレンから効率よく、かつ高選
択的に製造し、しかも取り扱いの容易なエチレンの三量
化触媒を用いたエチレンの三量化方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った結果、水素の存在下
あるいは水素とエチレンの共存下で、特定の多座配位子
が配位したクロム錯体とアルキルアルミノキサンあるい
は当該クロム錯体とアルキルアルミノキサンとアルキル
金属化合物あるいは当該クロム錯体と2個以上のヒドロ
キシ基を有する化合物とアルキル金属化合物を接触させ
てなるエチレンの三量化触媒は、安定で取り扱いが容易
であり、しかもこれを用いると高い活性でエチレンの三
量化反応が進行し、高選択的に1−ヘキセンが生成する
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち本発
明は、その三量化触媒を用いたエチレンの三量化方法に
関する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳し
く説明する。
【0009】本発明においては、エチレンの三量化触媒
を構成する一成分として、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、nは1〜3の整数である。Aは三脚型構造を有
する中性の多座配位子であり、Crはクロム原子、Bは
水素原子、ハロゲン原子、および直鎖もしくは分岐状の
アルキル基からなる群より選ばれる1種以上を表す。)
で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位
したクロム錯体が用いられる。
【0010】ここで、クロム錯体に配位させる三脚型構
造を有する中性の多座配位子として用いられるものは特
に限定されないが、例えば、下記一般式(6)
【0011】
【化5】 (式中、j,k,mはそれぞれ独立して0〜6の整数で
ある。D1はそれぞれ独立して置換基を有していてもよ
い2価の炭化水素基、L1はそれぞれ独立して周期表1
4族、15族、16族または17族元素を含有する置換
基を表す。また、G1は炭素またはケイ素またはリン、
1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭
素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル
基あるいはアリール基を有するシリル基を表す。)また
は下記一般式(7)
【0012】
【化6】 (式中、a,b,cはそれぞれ独立して0〜6の整数で
あり、uは0または1の整数である。D2はそれぞれ独
立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、L
2はそれぞれ独立して周期表14族、15族、16族ま
たは17族元素を含有する置換基を表す。また、G2
窒素原子またはリン原子、R2は酸素原子またはイオウ
原子を表す。)で示される三座配位子が好適なものとし
て挙げられる。
【0013】上記一般式(6)および(7)において、
1およびD2としては特に限定されるものではないが、
例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレ
ン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられる。ま
た、その置換基としては、例えば、メチル基、エチル基
等のアルキル基類、メトキシ基、エトキシ基等のアルコ
キシ基類等が挙げられる。
【0014】一般式(6)および(7)において、L1
およびL2で示される周期表14族、15族、16族ま
たは17族元素を含有する置換基は特に限定されるもの
ではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基類、フェノキシ
基、2,6−ジメチルフェノキシ基等のアリールオキシ
基類、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、
ブチルチオ基等のアルキルチオ基類、フェニルチオ基、
トリルチオ基等のアリールチオ基類、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミ
ノ基等のジアルキルアミノ基類、ジフェニルアミノ基等
のジアリールアミノ基類、メチルフェニル基等のアルキ
ルアリールアミノ基類、ジメチルホスフィノ基、ジエチ
ルホスフィノ基等のジアルキルホスフィノ基類、ジフェ
ニルホスフィノ基、ジトリルホスフィノ基等のジアリー
ルホスフィノ基類、メチルフェニルホスフィノ基等のア
ルキルアリールホスフィノ基類が挙げられる。また、フ
リル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル
基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、
ピリジル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、オキサ
ゾリル基、チアゾール基等の周期表14族、15族、1
6族または17族元素を含有する複素環基類が挙げられ
る。これらの複素環基類の環上の置換基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オク
チル基、フェニル基等が挙げられる。
【0015】一般式(6)におけるR1は特に限定され
るものではないが、例えば、水素原子、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル
基、ヒドロキシメチル基、シアノエチル基、アリル基、
トリフルオロプロピル基等の炭素数1〜10のアルキル
基類、またはフェニル基、p−メチルフェニル基、p−
クロロフェニル基等の炭素数6〜10のアリール基、ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニル
シリル基類が挙げられる。
【0016】上記一般式(6)および(7)で示される
三脚型構造を有する中性の三座配位子は特に限定される
ものではないが、例えば、周期表14族、15族、16
族または17族元素を含有する置換基を持つ多座配位子
としては、トリス(メトキシメチル)メタン、1,1,
1−トリス(メトキシメチル)エタン、1,1,1−ト
リス(メトキシメチル)プロパン、1,1,1−トリス
(メトキシメチル)ブタン、1,1,1−トリス(エト
キシメチル)エタン、1,1,1−トリス(プロポキシ
メチル)エタン、1,1,1−トリス(ブトキシメチ
ル)エタン、1,1,1−トリス(フェノキシメチル)
エタン等の含酸素三座配位子類、1,1,1−トリス
(メチルチオメチル)エタン、1,1,1−トリス(ブ
チルチオメチル)エタン、1,1,1−トリス(フェニ
ルチオメチル)エタン等の含イオウ三座配位子類、1,
1,1−トリス(ジメチルアミノメチル)エタン、1,
1,1−トリス(ジフェニルアミノメチル)エタン等の
含窒素三座配位子類、1,1,1−トリス(ジフェニル
ホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス(ジメ
チルホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス
(ジエチルホスフィノメチル)エタン等の含リン三座配
位子類が挙げられる。
【0017】さらに、周期表14族、15族、16族ま
たは17族元素を含有する複素環基を持つ多座配位子と
しては、トリフリルメタン、トリス(5−メチル−2−
フリル)メタン、トリス(5−エチル−2−フリル)メ
タン、トリス(5−ブチル−2−フリル)メタン、1,
1,1−トリフリルエタン、トリフリルアミン、トリフ
リルホスフィン、トリフリルホスフィンオキシド等の含
酸素三座配位子類、トリス(チエニル)メタン等の含イ
オウ三座配位子類、トリ(1−ピラゾリル)メチルメタ
ン、トリ(1−ピラゾリル)メタン、トリス(3,5−
ジメチル−1−ピラゾリル)メチルメタン、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタン、トリス
(3,5−ジエチル−1−ピラゾリル)メタン、トリス
(3,4,5−トリエチル−1−ピラゾリル)メタン、
トリス(3,4,5−トリメチル−1−ピラゾリル)メ
タン、トリス(3,5−ジメチル−4−エチル−1−ピ
ラゾリル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−イ
ソプロピル−1−ピラゾリル)メタン、トリス(3,5
−ジメチル−4−n−プロピル−1−ピラゾリル)メタ
ン、トリス(3,5−ジメチル−4−n−ブチル−1−
ピラゾリル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−
tert−ブチル−1−ピラゾリル)メタン、トリス
(3,5−ジメチル−4−フェニル−1−ピラゾリル)
メタン、トリス(3,5−ジエチル−1−ピラゾリル)
(トリメチルシリル)メタン、トリス(3―メチル5−
フェニル−1−ピラゾリル)メチルシラン、トリス
(3,5−ジエチル−1−ピラゾリル)メチルシラン、
トリス(3,5−ジエチル−1−ピラゾリル)フェニル
シラン、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)
メチルシラン、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾ
リル)ホスフィン、トリス(3,5−ジフェニル−1−
ピラゾリル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチル−
1−ピラゾリル)ホスフィンオキシド、トリス(3,5
−ジフェニル−1−ピラゾリル)メチルシラン、トリス
(3,5−ジメチル−4−n−ブチル−1−ピラゾリ
ル)メタン、トリス(3,5−ジフルオロメチル−1−
ピラゾリル)メタン、トリス(3−メチル−1−ピラゾ
リル)メタン、トリス(3−メチル−1−ピラゾリル)
(トリメチルシリル)メタン、トリス(3−メチル−1
−ピラゾリル)メチルメタン、トリス(4−メチル−1
−ピラゾリル)メタン、トリス(5−メチル−1−ピラ
ゾリル)メタン、トリス(3−イソプロピル−1−ピラ
ゾリル)メタン、トリス(5−イソプロピル−1−ピラ
ゾリル)メタン、トリス(3−イソプロピル−1−ピラ
ゾリル)メチルメタン、トリス(3−フェニル−1−ピ
ラゾリル)メチルメタン、トリス(3−tert−ブチ
ル−1−ピラゾリル)メチルメタン、トリス(3,5−
ジイソプロピル−1−ピラゾリル)メタン、トリス(3
−メチル−5−フェニル−1−ピラゾリル)メタン、ト
リス(3、4,5−トリメチル−1−ピラゾリル)メタ
ン、トリス(5−メチル−3−トリフルオロメチル−1
−ピラゾリル)メタン、トリス(5−メチル−3−フェ
ニル−1−ピラゾリル)メチルメタン、トリス(3,5
−ジフェニル−1−ピラゾリル)メタン、1,1,1−
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)エタン、
1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)プロパン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル
−1−ピラゾリル)ブタン、トリス(2−ピリジル)メ
タン、トリス(6−メチル−2−ピリジル)メタン、ト
リス(2−ピリジル)アミン、トリス(2−ピリジル)
ホスフィン、トリス(2−ピリジル)ホスフィンオキシ
ド、トリス(2−ピリジル)ヒドロキシメタン、トリス
(1−イミダゾリル)メタン等の含窒素三座配位子類が
挙げられる。
【0018】本発明において、上記一般式(1)のBで
用いられるハロゲン原子は特に限定されるものではない
が、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨ
ウ素原子等が挙げられる。また、直鎖もしくは分岐状の
アルキル基としては特に限定されるものではないが、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シ
クロヘキシル基、ベンジル基またはフェニル基等が挙げ
られる。
【0019】上記一般式(1)で示されるクロム錯体の
具体的な例としては特に限定されるものではないが、例
えば、トリス(メトキシメチル)メタンクロムトリクロ
ライド(III)、トリス(メトキシメチル)メタンク
ロム(ベンジル)ジクロライド(III)、1,1,1
−トリス(メトキシメチル)エタンクロムトリクロライ
ド(III)、1,1,1−トリス(エトキシメチル)
エタンクロムトリクロライド(III)、1,1,1−
トリス(ブトキシメチル)エタンクロムトリクロライド
(III)、1,1,1−トリス(フェノキシメチル)
エタンクロムトリクロライド(III)、トリフリルメ
タンクロムトリクロライド(III)、1,1,1−ト
リス(メチルチオメチル)エタンクロムトリクロライド
(III)、1,1,1−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)エタンクロムトリクロライド(III)、トリス
(ピラゾリル)メタンクロムトリクロライド(II
I)、トリス(3―フェニル−5−メチル−1−ピラゾ
リル)メタンクロムトリクロライド(III)、トリス
(3―トリフルオロメチル−5−メチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロムトリクロライド(III)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロムト
リクロライド(III)、トリス(3、5−ジトリフル
オロメチル−1−ピラゾリル)メタンクロムトリクロラ
イド(III)、トリス(3,4,5−トリメチル−1
−ピラゾリル)メタンクロムトリクロライド(II
I)、トリス(3―フェニル−1−ピラゾリル)メタン
クロムトリクロライド(III)、トリス(3―イソプ
ロピル−1−ピラゾリル)メチルメタンクロムトリクロ
ライド(III)、トリス(3―イソプロピル−1−ピ
ラゾリル)メタンクロムトリクロライド(III)、ト
リス(3―tertブチル−1−ピラゾリル)メタンク
ロムトリクロライド(III)、トリス(3,5−ジメ
チル−1−ピラゾリル)メタンクロム(ヒドリド)ジク
ロライド(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタンクロム(ベンジル)ジクロライド
(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロム(エチル)ジクロライド(III)、
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンク
ロムトリベンジル(III)、1,1,1−トリス(3
−メチル−1−ピラゾリル)エタンクロムトリクロライ
ド(III)、トリス(3,5−ジエチル−1−ピラゾ
リル)メタンクロムトリクロライド(III)、1,
1,1−トリス(4−メチル−1−ピラゾリル)エタン
クロムトリクロライド(III)、1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)エタンクロムト
リクロライド(III)、トリス(3,5−ジイソプロ
ピル−1−ピラゾリル)メタンクロムトリクロライド
(III)、トリス(3,5−ジフェニル−1−ピラゾ
リル)メタンクロムトリクロライド(III)、トリス
(2−ピリジル)メタンクロムトリクロライド(II
I)、トリス(6−メチル−2−ピリジル)メタンクロ
ムトリクロライド(III)、トリス(2−ピリジル)
アミンクロムトリクロライド(III)、トリス(1−
イミダゾリル)メタンクロムトリクロライド(II
I)、1,1,1−トリス(ジメチルホスフィノメチ
ル)エタンクロムトリクロライド(III)、1,1,
1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンクロ
ムトリクロライド(III)、1,1,1−トリス(ジ
エチルホスフィノメチル)エタンクロムトリクロライド
(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メチルシランクロムトリクロライド(III)、ト
リス(3,5−ジフェニル−1−ピラゾリル)メチルシ
ランクロムトリクロライド(III)、トリス(3,5
−ジフェニル−1−ピラゾリル)ホスフィンクロムトリ
クロライド(III)、トリス(3,5−ジフェニル−
1−ピラゾリル)ホスフィンオキシドクロムトリクロラ
イド(III)、等が挙げられる。
【0020】これらのうち触媒活性の面から、一般式
(1)で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子
としては、複素環基を持つ含窒素三座配位子類が好まし
く用いられ、より好ましくはトリピラゾリルメタン類が
用いられる。また、Bとしてはハロゲン原子が好ましく
用いられる。さらに好ましい三脚型構造を有する中性の
多座配位子が配位したクロム錯体としては、トリスピラ
ゾリルメタン類が配位したクロムトリクロライド(II
I)等が用いられる。
【0021】本発明において、上記の三脚型構造を有す
る中性の多座配位子が配位したクロム錯体の合成法は特
に限定されるものではないが、例えば、多座配位子とク
ロム化合物とから公知の錯体形成法[例えば、Inor
g.Chem.,25,1080(1986)等]によ
り容易に合成することができる。この場合、使用できる
クロム化合物としては特に限定されるものではないが、
例えば、塩化クロム(III)、塩化クロム(II)、
臭化クロム(III)、臭化クロム(II)、ヨウ化ク
ロム(III)、ヨウ化クロム(II)、フッ化クロム
(III)、フッ化クロム(II)、トリス(テトラヒ
ドロフラン)クロムトリクロライド(III)、トリス
(1,4−ジオキサン)クロムトリクロライド(II
I)、トリス(ジエチルエーテル)クロムトリクロライ
ド(III)、トリス(ピリジン)クロムトリクロライ
ド(III)、トリス(アセトニトリル)クロムトリク
ロライド(III)等が挙げられる。
【0022】前記の多座配位子とクロム化合物を反応さ
せ、クロム錯体を形成させる際のクロム金属の濃度は特
に制限されない。また、ここで用いられる溶媒としては
特に限定されるものではないが、有機溶媒が好ましく用
いられる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン等
の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素類が挙げられる。また、上記溶媒はそれぞれ
単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用い
ることも可能である。
【0023】また、錯体形成反応は、−80℃から使用
する反応溶媒の沸点までの任意の温度で行われ、好まし
くは20〜200℃である。反応溶媒の沸点以上の温度
で錯形成反応を行う場合には、加圧下で行うこともでき
る。反応時間は特に制限されず、通常1分〜48時間、
好ましくは5分〜24時間である。なお、反応時のすべ
ての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望まし
い。また、原料および溶媒は十分に乾燥しておくことが
好ましい。
【0024】さらに別途合成法として、上記の方法によ
り合成した三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位
したクロムハロゲン錯体を原料に、アルキルアルミノキ
サンや金属ヒドリド化合物を溶媒中で反応させて、本発
明の三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位したク
ロム錯体を合成してもよい。
【0025】多座配位子が配位したクロム錯体は、通常
固体として沈殿するので、ろ別により反応溶媒から分離
できる。さらに、必要に応じて、上記溶媒を用いて洗浄
を行い、次いで乾燥してエチレンの三量化触媒の構成成
分の一つであるクロム錯体が合成される。なお、沈殿し
ない場合は、溶媒留去、貧溶媒の添加あるいは冷却処理
等により沈殿させることができる。
【0026】本発明においては、三脚型構造を有する中
性の多座配位子が配位したクロム錯体のうち、その多座
配位子がfacialに配位したクロム錯体を用いるこ
とが好ましい。多座配位子がfacialに配位したク
ロム錯体を用いることにより、ポリエチレンの副生が抑
えられる等の効果が認められる。ここで、多座配位子が
facialに配位した錯体とは、多座配位子により3
つの配位座が占有された6配位八面体型錯体の異性体の
一つである[化学選書 有機金属化学−基礎と応用−、
143頁(裳華房)]。即ち、多座配位子により3つの
配位座が占有された6配位八面体型錯体において、多座
配位子が、3つの配位座が互いにシス位になるような配
置で配位していることを意味する。
【0027】本発明において使用されるアルキルアルミ
ノキサンは特に限定されるものではないが、下記一般式
(2)および/または(3)
【0028】
【化7】
【化8】 (ここで、R3は互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基であり、
qは2〜60の整数である。)で表される、アルミニウ
ムと酸素の結合を有するアルミニウムオキシ化合物であ
る。一般式(2)および(3)において、R3は各々同
一でも異なっていてもよい。R3は、例えば、水素原
子、またはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、tert−ブチル基などで表すこ
とができる炭素数1〜20の炭化水素基である。また、
qは2〜60の整数である。用いられるアルキルアルミ
ノキサンの使用量は、クロム錯体1モルに対してアルミ
ニウムが0.1〜10000当量であり、好ましくは
0.5〜8000当量、より好ましくは1〜5000当
量である。
【0029】本発明において使用されるアルキル金属化
合物は特に限定されるものではないが、例えば、下記一
般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
ール基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種
以上を表す。)で示される化合物が好適なものとして挙
げられる。
【0030】上記一般式(4)において、炭素数1〜1
0のアルキル基は特に限定されるものではないが、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シク
ロヘキシル基またはオクチル基等が挙げられる。アルコ
キシド基としては特に限定されるものではないが、例え
ば、メトキシド基、エトキシド基、ブトキシド基または
フェノキシド基等が挙げられる。アリール基としては特
に限定されるものではないが、例えば、フェニル基等が
挙げられる。ハロゲン原子としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
が挙げられる。
【0031】なお、上記一般式(4)において、MがA
lで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.51.5
となる。このような化合物は、理論的には存在しない
が、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表現
されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0032】上記一般式(4)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ジエチ
ルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルク
ロロマグネシウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチ
ル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラ
ン、トリエチルボラン、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアル
ミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリシク
ロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアル
ミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシクロヘキシル
フェニルアルミニウム、エチルアルミニウムエトキシク
ロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリ
ド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、メチルア
ルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキ
クロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジク
ロリド等が挙げられる。これらのうち入手の容易さおよ
び活性の面から、トリアルキルアルミニウム化合物が好
ましく用いられ、さらに好ましくはトリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニ
ウムが用いられる。これらのアルキル金属化合物は単独
で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いるこ
とも可能である。用いられるアルキル金属化合物の使用
量は、クロム錯体1モルに対して0.1〜10000当
量であり、好ましくは3〜3000当量、より好ましく
は5〜2000当量である。
【0033】本発明で用いられる2個以上のヒドロキシ
基を有する化合物は、炭素数1〜20個の炭化水素基と
2個以上のヒドロキシ基を有するジオールあるいはポリ
オールであり、特に限定されるものではないが具体的に
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘ
プタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、
デカンジオール、エイコサンジオール、ブタントリオー
ル、ペンタントリオール、オクタデカンペンタオール等
があげられる。更に、2個以上のヒドロキシ基を有する
化合物として、下式一般式(5) M’(OH)n (5) (式中、M’は周期律表の2族〜10族の元素で、nは
M’の酸化数に等しい。)も用いることができ、特に限
定されるものではないが具体的には、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄
等があげられる。本発明で用いられる2個以上のヒドロ
キシ基を有する化合物は、クロム錯体1モルに対して
0.1〜10000当量であり、好ましくは0.5〜5
000当量、より好ましくは1〜1000当量である。
【0034】本発明において、エチレンの三量化触媒
は、クロム錯体とアルキルアルミノキサン、あるいはク
ロム錯体とアルキルアルミノキサンとアルキル金属化合
物、あるいはクロム錯体と2個以上のヒドロキシ基を有
する化合物とアルキル金属化合物からなる触媒に、水素
の存在下または水素とエチレンの共存下、溶媒中で接触
させることにより調製できる。接触方法は特に制限され
ないが、水素の存在下あるいは水素とエチレンの共存下
にこれら原料を接触させると触媒の活性が向上するため
好ましい。
【0035】この触媒を調製する際のクロム錯体の濃度
は特に制限されないが、通常、溶媒1lあたり0.00
1マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.01
マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用される。0.
001マイクロモルより小さい触媒濃度では十分な活性
が得られず、逆に100ミリモルより大きい触媒濃度で
は触媒活性が増加せず経済的でない。また、ここで用い
られる溶媒としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デ
カン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂肪族炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類および塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等の塩
素化炭化水素類が挙げられる。また、反応生成物、即
ち、1−ヘキセンを溶媒として用いることもできる。こ
れらの溶媒は、それぞれ単独で使用し得るのみならず、
二種以上を混合して用いることも可能である。ここで、
エチレンの三量化反応時のクロム錯体濃度をコントロー
ルする目的で、必要に応じて濃縮や希釈しても差し支え
ない。
【0036】また、クロム錯体とアルキルアルミノキサ
ン、あるいはクロム錯体とアルキルアルミノキサンとア
ルキル金属化合物、あるいはクロム錯体と2個以上のヒ
ドロキシ基を有する化合物とアルキル金属化合物を接触
させる際の温度は−100〜250℃、好ましくは0〜
200℃である。接触時間は特に制限されず、1分〜2
4時間、好ましくは2分〜2時間である。なお、接触時
のすべての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望
ましい。また、原料および溶媒は十分に乾燥しておくこ
とが好ましい。接触方法は特に制限されないが、例え
ば、水素下あるいは水素とエチレンの共存下で、三量化
触媒を調製した後に水素とエチレンの共存下で三量化反
応を開始する方法、またはその三量化触媒をエチレンと
接触させて三量化反応を行う方法が採られる。なお、こ
れらの混合順序は特に制限されない。また、水素の存在
下あるいは水素とエチレンの共存下で、クロム錯体とア
ルキルアルミノキサン、あるいはクロム錯体とアルキル
アルミノキサンとアルキル金属化合物、あるいはクロム
錯体と2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とアルキ
ル金属化合物を接触させて触媒を調製する際の反応容器
中のエチレン分圧は0.00001〜10000kg/
cm2であり、好ましくは0.1〜3000kg/cm2
であり、特に好ましくは1〜2000kg/cm2の範
囲であり、更に水素分圧は、0.000001〜100
0kg/cm2であり、好ましくは0.00001〜3
00kg/cm2であり、特に好ましくは0.0000
1〜50kg/cm2の範囲である。
【0037】本発明のエチレンの三量化反応は、水素の
存在下あるいは水素とエチレンの共存下で前記のクロム
錯体とアルキルアルミノキサンあるいは当該クロム錯体
とアルキルアルミノキサンとアルキル金属化合物あるい
は当該クロム錯体と2個以上のヒドロキシ基を有する化
合物とアルキル金属化合物と接触させてなるエチレンの
三量化触媒と、エチレンあるいはエチレンと水素の混合
ガスを接触させることにより行うことができる。本発明
におけるエチレンの三量化反応の温度は、−100〜5
00℃であるが、好ましくは0〜300℃である。反応
圧力は、反応系がエチレン雰囲気あるいはエチレンと水
素が共存した雰囲気であれば特に制限されないが、通
常、絶対圧で0.01〜3000kg/cm2であり、
好ましくは0.1〜2000kg/cm2である。なお
エチレンと水素の分圧比は任意に選ぶことができる。反
応時間は、5秒〜6時間である。また、エチレンと水素
は、前記の触媒調製時の圧力を保つように連続的に供給
してもよいし、反応開始時に前記圧力で封入して反応さ
せてもよい。エチレンと水素には、反応に不活性なガス
として例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等が含まれて
いても何ら差し支えない。なお、エチレン三量化反応の
すべての操作は、空気と水分を避けて行うことが望まし
い。また、エチレンと水素は十分に乾燥しておくことが
好ましい。
【0038】本発明におけるエチレンの三量化反応は、
回分式、半回分式、連続式のいずれでも実施できる。エ
チレンの三量化反応終了後、反応液に、例えば、水、ア
ルコール、水酸化ナトリウム水溶液等の失活剤を添加し
て反応を停止させることができる。失活した廃クロム触
媒は公知の脱灰処理方法、例えば、水またはアルカリ水
溶液による抽出等で除去できる。生成した1−ヘキセン
は、公知の抽出法や蒸留法により反応液より分離され
る。また、副生するポリエチレンは、反応液出口で公知
の遠心分離法や1−ヘキセンを蒸留分離する際の残渣と
して分離除去することができる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもの
で、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0040】IR測定:IRは、島津製作所製 赤外分
光光度計(FTIR−8100)を用いて、ヌジョール
法で測定した。
【0041】ガスクロマトグラフィーによる分析:反応
液中に含まれる炭素数4〜8の生成物の定量は、GLサ
イエンス製 TC−1のカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−14A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度280℃、検出器温度280℃に設定し、内部標
準としてn−ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロ
マトグラフに反応液を1.2μl注入した後、カラムの
温度を40℃から250℃まで昇温することにより行っ
た。
【0042】また、炭素数10以上の生成物は、上記ガ
スクロマトグラフとは別途用意したGLサイエンス製
TC−1のカラムを装着した島津製作所製 ガスクロマ
トグラフ(GC−14A)を用いて分析した。分析条件
は、窒素キャリアを用い、インジェクション温度300
℃、検出器温度300℃に設定し、内部標準としてn−
ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロマトグラフに
反応液を1.4μl注入した後、カラムの温度を50℃
から300℃まで昇温することにより行った。
【0043】気体中に含まれる生成物は、クロムパック
製 Al23/KClのカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−9A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度200℃、検出器温度200℃およびカラム温度
120℃に設定し、絶対検量線法を用いた。分析は、こ
のガスクロマトグラフに回収した気体を0.2ml注入
することにより行った。
【0044】参考例1 内容積100mlのシュレンク管に、J.Am.Che
m.Soc.,92,5118(1970)に記載の方
法で合成した三脚型構造を有するトリス(3,5−ジメ
チル−1−ピラゾリル)メタン 126mg、トリス
(テトラヒドロフラン)クロムトリクロライド(II
I)143mg、テトラヒドロフラン20mlを加え、
窒素雰囲気下で12時間攪拌した。生成した結晶をろ別
し、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタ
ンクロムトリクロライド(III)を得た(IR(ヌジ
ョール):1565cm-1)。以下、この錯体を錯体A
と称する。
【0045】比較例1 温度計および攪拌装置を備えた内容積300mlのステ
ンレス製耐圧反応容器に、窒素下で、参考例1で合成し
た錯体Aを1.4mgと乾燥したトルエン60mlを入
れ、混合撹拌した。撹拌速度を1000rpmに調整
後、0.334mol/lのトリ−n−オクチルアルミ
ニウム/トルエン溶液3.2mlを導入して、30分後
反応容器を80℃に加熱し、反応容器内の圧力を40k
g/cm2となるようにエチレンガスを吹き込み、エチ
レンの三量化反応を開始した。以後、前記圧力を維持す
るようにエチレンガスを導入し続け、これらの反応条件
を保った状態で30分反応を行なった。その後、反応容
器中に水を窒素で圧入することにより触媒を失活させて
反応を停止した。
【0046】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液および回収した気体中に含まれる生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示
す。
【0047】実施例1〜3 温度計および攪拌装置を備えた内容積300mlのステ
ンレス製耐圧反応容器に、その後、参考例1で合成した
錯体Aを1.4mg、乾燥したトルエン60ml、さら
に表1に示した所定量のメチルアルミノキサン/トルエ
ン溶液、あるいはメチルアルミノキサン/トルエン溶液
とトリ−n−オクチルアルミニウム/トルエン溶液、更
にあるいは水酸化アルミニウムとトリ−n−オクチルア
ルミニウム/トルエン溶液を窒素を用いて常圧付近で圧
入した。更に反応容器内で水素(2Kg/cm2)とエ
チレン(28Kg/cm2)を導入し30分攪拌後、反
応器内を常圧に戻した。
【0048】次いで反応容器を80℃に加熱しながら、
攪拌速度を1000rpmに調整後、エチレン分圧を4
0kg/cm2にしてエチレンの三量化反応を開始し
た。以後、前記圧力を維持するようにエチレンを導入し
続け、これらの反応条件を保った状態で30分反応を行
なった。その後、反応容器中に水を窒素で圧入すること
により触媒を失活させて反応を停止した。
【0049】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液および回収した気体中に含まれる生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示
す。
【0050】
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、三脚型構造を有する中
性の多座配位子が配位したクロム錯体とアルキルアルミ
ノキサン、あるいは当該クロム錯体とアルキルアルミノ
キサンとアルキル金属化合物、更にあるいは当該クロム
錯体と2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とアルキ
ル金属化合物からなるエチレンの三量化触媒は、安定で
取り扱いが容易であり、これらを用いて水素の存在下あ
るいは水素とエチレンの共存下で、エチレンの三量化を
行うと、エチレンから効率よく、かつ高選択的に1−ヘ
キセンを製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 AA09 BA27B BC58B BE01B BE13B BE46B CB47 DA02 FB08 4H006 AA02 AC21 BA09 BA14 BA44 BA47 BC13 BE20 4H039 CA19 CL19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素の存在下あるいは水素とエチレンの共
    存下で、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、nは1〜3の整数である。Aは三脚型構造を有
    する中性の多座配位子であり、Crはクロム原子、Bは
    水素原子、ハロゲン原子、および直鎖もしくは分岐状の
    アルキル基からなる群より選ばれる1種以上を表す。)
    で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位
    したクロム錯体とアルキルアルミノキサンを接触させて
    なるエチレンの三量化触媒を用いて、エチレンを三量化
    することを特徴とするエチレンの三量化方法。
  2. 【請求項2】水素の存在下あるいは水素とエチレンの共
    存下で、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、nは1〜3の整数である。Aは三脚型構造を有
    する中性の多座配位子であり、Crはクロム原子、Bは
    水素原子、ハロゲン原子、および直鎖もしくは分岐状の
    アルキル基からなる群より選ばれる1種以上を表す。)
    で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位
    したクロム錯体とアルキルアルミノキサンとアルキル金
    属化合物を接触させてなるエチレンの三量化触媒を用い
    て、エチレンを三量化することを特徴とするエチレンの
    三量化方法。
  3. 【請求項3】水素の存在下あるいは水素とエチレンの共
    存下で、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、nは1〜3の整数である。Aは三脚型構造を有
    する中性の多座配位子であり、Crはクロム原子、Bは
    水素原子、ハロゲン原子、および直鎖もしくは分岐状の
    アルキル基からなる群より選ばれる1種以上を表す。)
    で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位
    したクロム錯体と2個以上のヒドロキシ基を有する化合
    物とアルキル金属化合物を接触させてなるエチレンの三
    量化触媒を用いて、エチレンを三量化することを特徴と
    するエチレンの三量化方法。
  4. 【請求項4】アルキルアルミノキサンが、下式(2)お
    よび/または(3) 【化1】 【化2】 (ここで、R3は互いに同じでも異なっていてもよく、
    水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基であり、
    qは2〜60の整数である。)で表される請求項1また
    は2に記載のエチレンの三量化方法。
  5. 【請求項5】アルキル金属化合物が、下記一般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
    て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
    ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
    は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
    1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
    ール基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種
    以上を表す。)で示される化合物であることを特徴とす
    る請求項2または3に記載のエチレンの三量化方法。
  6. 【請求項6】2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
    が、炭素数1〜20個の炭化水素基と2個以上のヒドロ
    キシ基を有するジオールあるいはポリオール、または下
    式一般式(5) M’(OH)n (5) (式中、M’は周期律表の2族〜10族の元素で、nは
    M’の酸化数に等しい。)で示される化合物であること
    を特徴とする請求項3に記載のエチレンの三量化方法。
  7. 【請求項7】三脚型構造を有する中性の多座配位子が、
    下記一般式(6) 【化3】 (式中、j,k,mはそれぞれ独立して0〜6の整数で
    ある。D1はそれぞれ独立して置換基を有していてもよ
    い2価の炭化水素基、L1はそれぞれ独立して周期表1
    4族、15族、16族または17族元素を含有する置換
    基を表す。また、G1は炭素またはケイ素またはリン、
    1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭
    素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル
    基あるいはアリール基を有するシリル基を表す。)また
    は下記一般式(7) 【化4】 (式中、a,b,cはそれぞれ独立して0〜6の整数で
    あり、uは0または1の整数である。D2はそれぞれ独
    立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、L
    2はそれぞれ独立して周期表14族、15族、16族ま
    たは17族元素を含有する置換基を表す。また、G2
    窒素原子またはリン原子、R2は酸素原子またはイオウ
    原子を表す。)で示される三座配位子であることを特徴
    とする請求項1〜6に記載のエチレンの三量化方法。
  8. 【請求項8】三脚型構造を有する中性の多座配位子がf
    acialに配位したクロム錯体を用いることを特徴と
    する請求項1〜7に記載のエチレンの三量化方法。
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