JPH09194524A - オレフィン低重合触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方法 - Google Patents

オレフィン低重合触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方法

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JPH09194524A
JPH09194524A JP8161296A JP8161296A JPH09194524A JP H09194524 A JPH09194524 A JP H09194524A JP 8161296 A JP8161296 A JP 8161296A JP 8161296 A JP8161296 A JP 8161296A JP H09194524 A JPH09194524 A JP H09194524A
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chromium
olefin
metal
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JP8161296A
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English (en)
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Motohiro Oguri
元宏 小栗
Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Takamitsu Aoyama
隆充 青山
Hideyuki Mimura
英之 三村
Yasuyuki Koie
泰之 鯉江
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィンの低重合反応、特にエチレンから
LLDPEの原料コモノマーとして有用な1−ヘキセン
を効率よく製造し、かつ取り扱いに容易な工業的に有利
な触媒系を提供すること、及び上記オレフィン低重合触
媒を用いて行うオレフィンの低重合方法を提供する。 【解決手段】 クロム化合物、アルキル金属化合物及び
一般式M(Z)d(式中、dは1〜4の整数、Mは周期
律表第IA、IIA、IB、IIB、IIIB若しくは
IVB族の置換基含有又は無置換の金属元素を表し、Z
はイミド構造単位を有する含窒素複素環を表す。さら
に、含窒素複素環の窒素と金属元素Mとの間が結合した
構造を有する)で示される金属イミド化合物からなるオ
レフィン低重合触媒

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム化合物、ア
ルキル金属化合物及び金属イミド化合物からなるオレフ
ィンの低重合触媒、及びこれを用いたオレフィンの低重
合方法に関する。さらに詳しくは、特にエチレンから線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)の原料コモノマー
として有用な1−ヘキセンを効率よく、かつ高選択的に
製造しうるエチレンの低重合触媒、およびこれを用いた
エチレンの低重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン等のオレフィンを低重合して1
−ヘキセンを製造する反応において、クロム触媒を用い
ることは公知である。例えば、米国特許第334784
0号明細書及び特開昭62−265237号公報には、
クロム化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシ
ドからなる触媒系が開示されている。また、特開平6−
239920号公報には、クロム化合物、ピロール含有
化合物、金属アルキルおよびハライドからなる触媒系が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許第3347840号明細書及び特開昭62−2652
37号公報に記載の方法では、一定の物性を有するポリ
ヒドロカルビルアルミニウムオキシドを再現性よく合成
することが難しかったり、保存安定性に乏しい等、触媒
の再現性の点で問題があった。また低重合反応終了時に
廃クロム触媒の処理を必要とするが、主触媒金属である
クロムは構造によっては極めて毒性が強い化合物を作
る。それ故、安全性の面から、クロム金属の使用量をで
きるだけ少なくする必要があるが、前記記載の方法では
触媒活性が十分でなく、クロム金属を大量に用いなけれ
ばならないという問題もあった。
【0004】また、特開平6−239920号公報に記
載の方法は、触媒活性を著しく改善しており、クロム金
属の使用量を抑制する点では優れている。しかしなが
ら、触媒の一成分であるピロ−ルは、着色して劣化しや
すい等、保存安定性に乏しく不安定な化合物であるた
め、取り扱いが難しく、工業的な触媒としてはまだ十分
なものではなかった。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的はオレフィンの低重合反応、特にエチ
レンからLLDPEの原料コモノマーとして有用な1−
ヘキセンを効率よく製造し、かつ取り扱いに容易な工業
的に有利な触媒系を提供すること、及び上記オレフィン
低重合触媒を用いて行うオレフィンの低重合方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った結果、クロム化合
物、アルキル金属化合物及び安定性が高く、取り扱いの
容易な特定のイミド化合物からなる触媒を用いてオレフ
ィンの低重合反応を行うと、非常に高い活性で低重合反
応が進行することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち本発明は、クロム化合物、アルキル金
属化合物及び下記一般式(1) M(Z)d (1) (式中、dは1〜4の整数である。Mは周期律表第I
A、IIA、IB、IIB、IIIB若しくはIVB族
の置換基含有又は無置換の金属元素を表し、Zはイミド
構造単位を有する含窒素複素環を表す。さらに、含窒素
複素環の窒素と金属元素Mとの間が結合した構造を有す
る)で示される金属イミド化合物からなるオレフィン低
重合触媒及びこの触媒の存在下にオレフィンを低重合す
る方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳しく
説明する。
【0009】本発明において使用される金属イミド化合
物は、下記一般式(1) M(Z)d (1) (式中、dは1〜4の整数である。Mは周期律表第I
A、IIA、IB、IIB、IIIB若しくはIVB族
の置換基含有又は無置換の金属元素を表し、Zはイミド
構造単位を有する含窒素複素環を表す。さらに、含窒素
複素環の窒素と金属元素Mとの間が結合した構造を有す
る)で示される化合物である。
【0010】上記一般式(1)において、Mとしては、
例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、銅、銀、亜鉛、水銀、ボロン、アルミ
ニウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、又はすず等
が挙げられる。置換基としては、特に限定するものでは
ないが、例えば、アルキル基やアリール基が挙げられ
る。アルキル基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基、ベンジ
ル基等が挙げられる。また、アリール基としては、特に
限定するものではないが、例えば、フェニル基、トルイ
ル基等が挙げられる。
【0011】上記一般式(1)で示される金属イミド化
合物としては、特に限定するものではないが、例えば、
N−(トリメチルシリル)マレイミド、N−(トリメチ
ルシリル)コハクイミド、N−(トリメチルシリル)シ
トラコンイミド、N−(トリメチルシリル)−2−ブテ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリメチルシ
リル)−1−シクロペンテン−1,2−ジカルボキシイ
ミド、N−(トリメチルシリル)−3,4,5,6−テ
トラヒドロフタルイミド、N−(トリメチルシリル)ス
クシンイミド、N−(トリエチルシリル)マレイミド、
N−(トリ−n−プロピルシリル)マレイミド、N−
(トリ−n−ブチルシリル)マレイミド、N−(トリ−
n−ヘキシルシリル)マレイミド、N−(トリベンジル
シリル)マレイミド、N−(n−ブチルジメチルシリ
ル)マレイミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)マ
レイミド、N−(ジメチルゼキシルシリル)マレイミ
ド、N−(n−オクチルジメチルシリル)マレイミド、
N−(n−オクタデシルジメチルシリル)マレイミド、
N−(ベンジルジメチルシリル)マレイミド、N−(メ
チルジブチルシリル)マレイミド、N−(フェニルジメ
チルシリル)マレイミド、N−(p−メトキシフェニル
ジメチルシリル)マレイミド、N−(p−トルイルジメ
チルシリル)マレイミド、N−(トリフェニルシリル)
マレイミド、N−(トリブチルチン)マレイミド、N−
(トリオクチルチン)マレイミド、N−(ジイソブチル
アルミニウム)マレイミド、N−(ジエチルアルミニウ
ム)マレイミド、水銀マレイミド、銀マレイミド、カル
シウムマレイミド、カリウムマレイミド、ナトリウムマ
レイミド、リチウムマレイミド等が挙げられる。これら
のうち活性の面からから下記一般式(2)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、dは1〜4の整数である。Mは周
期律表第IA、IIA、IB、IIB、IIIB若しく
はIVB族の置換基含有又は無置換の金属元素を表す。
1,R2はそれぞれ水素、炭素数1〜10のアルキル
基、ハロゲン原子、アリ−ル基、又はR1,R2が炭素−
炭素結合により結合した環状置換基からなる群より選ば
れた少なくとも1種以上を表す)で示される金属マレイ
ミド化合物が好ましく用いられる。より好ましくは、N
−(トリメチルシリル)マレイミドやN−(トリブチル
チン)マレイミドが用いられる。また、前記金属イミド
化合物はそれぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以
上を混合して用いることも可能である。これらの金属イ
ミド化合物は、必ずしも単離精製品を使用する必要はな
く、系中で合成後、単離することなく、そのままオレフ
ィン低重合触媒の一成分として用いてもよい。
【0014】金属イミド化合物の使用量は、通常クロム
化合物1モルに対して0.1〜1,000当量であり、
好ましくは0.5〜500当量、より好ましくは1〜3
00当量である。金属イミド化合物の使用量がクロム化
合物1モルに対して0.1当量未満の場合は低重合反応
活性が十分得られず、多量のポリマーを副生する。一
方、使用量がクロム化合物1モルに対して1,000当
量を越える場合には触媒活性が低下する傾向にあり、経
済的に好ましくない。
【0015】ここで、本発明で用いられる金属イミド化
合物、特にIIIB及びIVB族の金属イミド化合物
は、アルキル基置換金属を有することから、イミド化合
物の有機溶媒への溶解性が高く、後述の反応溶媒の使用
量を低減する利点がある。
【0016】ここで、上記一般式(1)で示される金属
イミド化合物の合成法は、特に限定するものではなく、
公知の方法で合成できる。例えば、IA及びIIA族金
属のイミド化合物は、リチウム、ブチルリチウム、ナト
リウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、臭化メチ
ルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム等のIA及び
IIA族金属化合物とイミド化合物を反応させることで
合成できる。又、IB及びIIB金属のイミド化合物
は、硝酸銀、塩化銀、塩化水銀等のIB及びIIB金属
化合物とイミド化合物をアルカリの存在下で反応させる
ことで合成できる。IIIB及びIVB族金属のイミド
化合物は、トリメチルシリルクロリド、トリブチルシリ
ルクロリド、トリブチルチンクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド等のIIIB及びIVB族の金属塩化物
とイミド化合物をアルカリの存在下で反応させたり、前
記のIIIB及びIVB族の金属塩化物とIA、II
A、IB、IIB族の金属イミド化合物を反応させた
り、又、トリブチルチンヒドリド、トリイソブチルアル
ミニウムヒドリド等のIIIB及びIVB族の金属ヒド
リドとイミド化合物を反応させることで合成できる。具
体的には、PolymerJournal,24,67
9(1992)によれば、N−(トリアルキルシリル)
マレイミドは、マレイミド又は銀マレイミドとトリアル
キルシリルクロリドを3級アミン化合物存在下で反応さ
せ、次いで蒸留または再結晶して合成される。また、J
ournal of Organic Chemist
ry,39,21(1974)によれば、銀マレイミド
は、マレイミドと硝酸銀をエタノ−ル/ジメチルスルホ
キシド中で苛性ソ−ダ存在下で反応させて合成される。
【0017】本発明で使用されるクロム化合物として
は、特に制限するものではないが、例えば、下記一般式
(3) CrAmn (3) (式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数で
ある。またAは炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基、アレーン、アルコキシ基、カルボキシレート基、β
−ジケトナート基、β−ケトエステル基及びアミド基、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、硝酸基、硫酸基、過塩
素酸基、カルボニル並びに酸素からなる群より選ばれた
少なくとも1種以上を表し、Bは窒素含有化合物、リン
含有化合物、ヒ素含有化合物、アンチモン含有化合物、
酸素含有化合物及び硫黄含有化合物からなる群より選ば
れた少なくとも1種以上を表す)で示される化合物が好
適なものとして用いられる。
【0018】上記一般式(3)において、炭素数1〜2
0のアルキル基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、アリル
基、ネオペンチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタ
メチルシクロペンタジエニル基又はトリメチルシリルメ
チル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリ−ル基と
しては、特に限定するものではないが、例えば、フェニ
ル基又はトルイル基等が挙げられる。炭素数6〜20の
アレーンとしては、特に限定するものではないが、例え
ば、ベンゼン、エチルベンゼン又はヘキサメチルベンゼ
ン等が挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基とし
ては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル
オキシ基、ステアリルオキシ基又はフェノキシ基等が挙
げられる。炭素数1〜20のカルボキシレ−ト基として
は、特に限定するものではないが、例えば、アセテート
基、プロピオネート基、ブチレート基、ネオペンタノエ
ート基、2ーエチルヘキサノエート基、オキシ−2−エ
チルヘキサノエート基、イソオクタネ−ト基、ジクロロ
エチルヘキサノエート基、ラウレート基、ステアレート
基、オレエ−ト基、ベンゾエート基、又はナフテネート
基等が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ジケトナート
基としては、特に限定するものではないが、例えば、ア
セチルアセトナート基、トリフルオロアセチルアセトナ
ート基、ヘキサフルオロアセチルアセトナート基、2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト基、1,3−ブタンジオナート基、2−メチル−1,
3−ブタンジオナート基、ベンゾイルアセトナート基等
が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ケトエステル基と
しては、特に限定するものではないが、例えば、アセチ
ルアセテ−ト基等が挙げられる。アミド基としては、特
に限定するものではないが、例えば、ジメチルアミド基
又はジシクロヘキシルアミド基が挙げられる。ハロゲン
原子としては、特に限定するものではないが、例えば、
フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。
【0019】上記一般式(3)において、窒素含有化合
物としては、特に限定するものではないが、例えば、ア
ミン、ピリジン、アミド、又はニトリル等が挙げられ
る。リン化合物としては、特に限定するものではない
が、例えば、ホスフィン、ホスファイト、又はホスフィ
ンオキシド等が挙げられる。酸素含有化合物としては、
特に限定するものではないが、例えば、水、無水カルボ
ン酸、エステル、エーテル、アルコール又はケトン等で
あり、硫黄含有化合物としては、特に限定するものでは
ないが、例えば、二硫化炭素、スルフォン、チオフェ
ン、又はスルフィド等が挙げられる。
【0020】上記一般式(3)で示されるクロム化合物
としては、特に限定するものではないが、例えば、クロ
ム(II)ジメチル、クロム(III)トリメチル、ク
ロム(IV)テトラメチル、クロム(III)トリス
(η−アリル)、二クロム(II)テトラキス(η−ア
リル)、クロム(IV)テトラキス(ネオペンチル)、
クロム(IV)テトラキス(トリメチルシリルメチ
ル)、クロム(II)ビス(シクロペンタジエニル)、
クロム(II)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)、クロム(III)トリス(π−アリル)、クロム
(IV)テトラキス(π−アリル)、クロム(II)ジ
フェニル、クロム(0)ビス(ベンゼン)、クロム(I
I)ジフェニル(ベンゼン)、クロム(0)ビス(エチ
ルベンゼン)、クロム(0)ビス(ヘキサメチルベンゼ
ン)、クロム(I)シクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)、クロム(IV)テトラメトキシド、クロム(I
V)テトラエトキシド、クロム(IV)テトラプロポキ
シド、クロム(IV)テトラブトキシド、クロム(I
V)テトラヘキシルオキシド、クロム(IV)テトラス
テアリルオキシド、クロム(IV)テトラフェノキシ
ド、クロム(II)ビス(アセテート)、クロム(II
I)トリス(アセテート)、クロム(II)ビス(プロ
ピオネート)、クロム(III)トリス(プロピオネー
ト)、クロム(III)トリス(ブチレート)、クロム
(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)、クロム
(III)トリス(2ーエチルヘキサノエート)、クロ
ム(II)ビス(イソオクタネ−ト)、クロム(II
I)トリス(イソオクタネ−ト)、クロム(III)ト
リス(オキシ−2−エチルヘキサノエート)、クロム
(III)トリス(ジクロロエチルヘキサノエート)、
クロム(III)トリス(ネオペンタノエート)、クロ
ム(II)ビス(ネオペンタノエート)、クロム(II
I)トリス(ラウレート)、クロム(II)ビス(ラウ
レート)、クロム(III)トリス(ステアレート)、
クロム(II)ビス(ステアレート)、クロム(II
I)トリス(オレエート)、クロム(II)ビス(オレ
エート)、クロム(III)トリス(ベンゾエート)、
クロム(II)ビス(ナフテネート)、クロム(II
I)トリス(ナフテネート)、クロム(II)オキザレ
ート、クロム(II)ビス(アセチルアセトナート)、
クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、ク
ロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナ
ート)、クロム(III)トリス(ヘキサフルオロアセ
チルアセトナート)、クロム(III)トリス(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、クロム(III)トリス(1,3−ブタンジオナ
ート)、クロム(III)トリス(2−メチル−1,3
−ブタンジオナート)、クロム(III)トリス(ベン
ゾイルアセトナート)、クロム(III)トリス(アセ
チルアセテート)、クロム(III)トリス(ジメチル
アミド)、クロム(III)トリス(ジシクロヘキシル
アミド)、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム、塩化
第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第
二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、塩化
クロミル、過塩素酸クロム、二塩化ヒドロキシクロム、
硝酸クロム、硫酸クロム等が挙げられる。
【0021】さらに、トリクロロトリアニリンクロム
(III)、ジクロロビス(ピリジン)クロム(I
I)、ジクロロビス(4−エチルピリジン)クロム(I
I)、トリクロロトリピリジンクロム(III)、トリ
クロロトリス(4−イソプロピルピリジン)クロム(I
II)、トリクロロトリス(4−エチルピリジン)クロ
ム(III)、トリクロロトリス(4−フェニルピリジ
ン)クロム(III)、トリクロロ(1,4,7−トリ
メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)クロム
(III)、ジクロロジニトロシルビス(4−エチルピ
リジン)クロム(II)、ジクロロジニトロシルビス
(トリフェニルホスフィンオキシド)クロム(II)、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィンオキシド)クロ
ム(II)、トリクロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)クロム(III)、トリクロロ[ビス(2−ジエチ
ルホスフィノエチル)−エチルホスフィン]クロム(I
II)、トリクロロ[ビス(2−ジエチルホスフィノエ
チル)−n−プロピルホスフィン]クロム(III)、
トリクロロ[ビス(2−ジエチルホスフィノエチル)−
シクロヘキシルホスフィン]クロム(III)、トリク
ロロ[1,1,1−トリス(ジエチルホスフィノメチ
ル)エタン]クロム(III)、トリクロロ[トリス
(2−ジエチルホスフィノエチル)ホスフィン]クロム
(III)、トリクロロビス(トリブチルホスフィン)
クロム(III)ダイマー、トリクロロトリス(ブチル
アセテート)クロム(III)、トリクロロトリス(エ
チルアセテート)クロム(III)、トリクロロトリス
(テトラヒドロフラン)クロム(III)、トリクロロ
トリス(ジオキサン)クロム(III)、トリクロロト
リス(iso−プロパノール)クロム(III)、トリ
クロロトリス(2−エチルヘキサノール)クロム(II
I)、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラン)クロ
ム(III)、クロム(III)トリス(アセテ−ト)
無水酢酸付加物、ヒドリドトリカルボニル(η−シクロ
ペンタジエニル)クロム(III)等が挙げられる。
【0022】これらのうち取り扱いやすさ及び安定性の
面から、カルボキシレート基を有するクロムカルボキシ
レ−ト化合物及びβ−ジケトナート基を有するクロムβ
−ジケトナート化合物が好ましく用いられる。より好ま
しくは、クロム(III)トリス(2−エチルヘキサノ
エート)、クロム(III)トリス(ナフテネート)、
クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、ク
ロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナ
ート)、クロム(III)トリス(2,2,6,6−テ
トラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)が用いられ
る。また、上記クロム化合物はそれぞれ単独で使用し得
るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能で
ある。
【0023】本発明において使用されるアルキル金属化
合物は、特に限定するものではないが、例えば、下記一
般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
ネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムを表し、Rは
炭素数1〜10のアルキル基より選ばれた少なくとも1
種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリール
基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた少なくとも
1種以上を表す)で示される化合物が好適なものとして
挙げられる。
【0024】上記一般式(4)において、炭素数1〜1
0のアルキル基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、シクロヘキシル基、又はオクチル基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、特に限定するものではない
が、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、又
はフェノキシ基等が挙げられる。アリール基としては、
特に限定するものではないが、例えば、フェニル基等が
挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素
が挙げられる。
【0025】なお、上記一般式(4)において、MがA
lで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.51.5
となる。このような化合物は、理論的には存在しない
が、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表現
されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0026】上記一般式(4)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルクロロマグネ
シウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジ
エチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラン、トリエ
チルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシク
ロヘキシルフェニルアルミニウム、エチルアルミニウム
エトキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド等が挙げられる。これらのうち入手の
容易さ及び活性の面からアルキルアルミニウム化合物が
好ましく用いられ、さらに好ましくはトリエチルアルミ
ニウムやトリイソブチルアルミニウムが用いられる。こ
れらのアルキル金属化合物は単独で使用し得るのみなら
ず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0027】アルキル金属化合物の使用量は、通常クロ
ム化合物1モルに対して0.1〜10,000当量であ
り、好ましくは3〜3,000当量、より好ましくは1
0〜2,000当量である。
【0028】本発明のオレフィンの低重合触媒は、前記
のクロム化合物、アルキル金属化合物及び金属イミド化
合物を原料として、溶媒中で接触させることにより調製
できる。接触方法は特に制限されないが、例えば、低重
合反応原料であるオレフィンの存在下にクロム化合物、
アルキル金属化合物及び金属イミド化合物を接触させて
触媒を調製し、接触と同時に低重合反応を開始する方
法、又はクロム化合物、アルキル金属化合物及び金属イ
ミド化合物を前もって接触させて触媒を調製した後、オ
レフィンと接触させて低重合反応を行う方法が採られ
る。具体的には、前者の場合は、(1)クロム化合物、
アルキル金属化合物、金属イミド化合物及びオレフィン
をそれぞれ同時に独立に反応系に導入する、(2)アル
キル金属化合物を含む溶液にクロム化合物、金属イミド
化合物及びオレフィンを導入する、(3)クロム化合
物、金属イミド化合物を含む溶液にアルキル金属化合物
及びオレフィンを導入する、(4)アルキル金属化合物
及び金属イミド化合物を含む溶液にクロム化合物及びオ
レフィンを導入する、(5)クロム化合物を含む溶液に
アルキル金属化合物、金属イミド化合物及びオレフィン
を導入する、といった方法により触媒を調製することが
できる。又、後者の場合は、(1)クロム化合物および
金属イミド化合物を含む溶液にアルキル金属化合物を導
入する、(2)アルキル金属化合物及び金属イミド化合
物を含む溶液にクロム化合物を導入する、(3)アルキ
ル金属化合物を含む溶液にクロム化合物及び金属イミド
化合物を導入する、(4)クロム化合物を含む溶液に金
属イミド化合物とアルキル金属化合物を導入する、とい
う方法により触媒を調製することができる。なお、これ
らの原料の混合順序は特に制限はされない。
【0029】この触媒系を調製する際の、クロム化合物
の濃度は特に制限されないが、通常溶媒1リットルあた
り、0.001マイクロモル〜100ミリモル、好まし
くは0.01マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用
される。またここで用いられる溶媒としては、例えば、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デ
カリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類及び塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等の塩
素化炭化水素類が挙げられる。また反応原料のオレフィ
ンそのもの、あるいは反応生成物、例えば、ブテン、1
−ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン等のオレフィ
ン類を溶媒として用いることもできる。これらの溶媒は
それぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合
して用いることも可能である。ここで、触媒調製時の触
媒濃度をコントロ−ルする目的で、必要に応じて濃縮や
希釈しても差し支えない。
【0030】また、クロム化合物、アルキル金属化合物
及び金属イミド化合物を接触させる際の温度は通常−1
00〜250℃、好ましくは0〜200℃である。触媒
系の調製時間は特に制限されず、通常0分〜24時間、
好ましくは0分〜2時間である。なお、触媒調製のすべ
ての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望まし
い。また、触媒調製原料および溶媒は十分に乾燥してお
くことが好ましい。
【0031】本発明によれば、上記の如く調製されたク
ロム化合物、アルキル金属化合物及び金属イミド化合物
からなる触媒系に、更にハロゲン化物を添加し、オレフ
ィンの低重合触媒として供される。ハロゲン化物の共存
により触媒活性の向上やポリマーの副生を抑制する等の
効果が認められる。
【0032】本発明において使用されるハロゲン化物
は、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式
(5) R’iM’jX’k (5) (式中、iは0〜4の整数であり、jは0〜1の整数で
あり、またkは1〜4の整数である。R’は水素又は炭
素数1〜20の炭化水素を表し、M’は周期律表第I
A、IIA、VIII、IIB、IIIB、IVB若し
くはVB族の元素を表し、X’はハロゲン原子より選ば
れた少なくとも1種以上を表す)で示される化合物が好
適なものとして挙げられる。
【0033】一般式(5)のハロゲン化物としては、例
えば、塩素、臭素、ヨウ素、ブチルクロリド、アミルク
ロリド、ヘキシルクロリド、ヘプチルクロリド、オクチ
ルクロリド、ノニルクロリド、デシルクロリド、ラウリ
ルクロリド、メチルブロミド、プロピルブロミド、ブチ
ルブロミド、アミルブロミド、ヘキシルブロミド、エチ
ルヘキシルブロミド、ノニルブロミド、セチルブロミ
ド、ジブロモメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタ
ン、ジクロロブテン、シクロヘキシルブロミド、クロロ
ホルム、四塩化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化マグネシウ
ム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三塩化ホウ素、
三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウ
ム、四塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマ
ニウム、塩化第一すず、塩化第二すず、ヨウ化すず、三
塩化リン、五塩化リン、三塩化アンチモン、五塩化アン
チモン、三臭化アンチモン、三ふっ化アンチモン、五ふ
っ化アンチモン、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメ
チルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムアイ
オダイド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、ジ
イソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリ
ド、ジヘキシルアルミニウムクロリド、ジシクロヘキシ
ルアルミニウムクロリド、ジオクチルアルミニウムクロ
リド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキク
ロリド、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリル
ブロミド、ジメチルシリルジクロリド、メチルシリルト
リクロリド、フェニルシリルトリクロリド、ジフェニル
シリルジクロリド、メチルジクロロシラン、トリブチル
チンクロリド、ジブチルチンジクロリド、ブチルチント
リクロリド、トリフェニルチンクロリド、ジフェニルチ
ンジクロリド、フェニルチントリクロリドが挙げられ
る。これらのうち取扱い易さや経済性の面から塩素化物
が好ましく用いられ、より好ましくはジエチルアルミニ
ウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、塩化第
二すず、四塩化ゲルマニウム、五塩化アンチモンが用い
られる。これらのハロゲン化物は単独で使用し得るのみ
ならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0034】ハロゲン化物の添加時期は、クロム化合
物、アルキル金属化合物及び金属イミド化合物からなる
触媒の調製時に添加してもよいし、またオレフィン低重
合反応系に直接添加してもよい。またこのハロゲン化物
の使用量は、通常クロム化合物1モルに対して0.2〜
5,000当量であり、好ましくは0.5〜2,000
当量、より好ましくは1〜1,000当量である。
【0035】本発明によれば、上記の如く調製されたク
ロム化合物、アルキル金属化合物及び金属イミド化合物
からなる触媒系に、更にルイス酸を添加し、オレフィン
の低重合触媒として供される。ルイス酸の共存により触
媒活性の向上の効果が認められる。
【0036】本発明において使用されるルイス酸は、特
に限定するものではないが、例えば、下記一般式(6) M(Ar)l (6) (式中、lは2〜4の整数であり、Mは周期律表第II
B、IIIB又はIVB族の元素を表し、Arはアリー
ル基より選ばれた少なくとも一種以上を表す)で示され
る化合物が好適なものとして挙げられる。
【0037】一般式(6)のルイス酸としては、例え
ば、トリス(2−フルオロフェニル)ボロン、トリス
(3−フルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオ
ロフェニル)ボロン、トリス(2,4−ジフルオロフェ
ニル)ボロン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(2,4,5−トリフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ビス
(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、トリス(ペンタフル
オロフェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ゲルマニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)スズ、トリス(4−トリフルオロメチル
フェニル)ボロン等が挙げられる。これらのうち入手の
容易さ及び活性の面からトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが好ましく用いられる。これらのルイス酸は
単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用い
ることも可能である。また、上記のハロゲン化物と混合
して用いることも可能である。
【0038】ルイス酸の添加時期は、クロム化合物、ア
ルキル金属化合物および金属イミド化合物からなる触媒
の調製時に添加してもよいし、また低重合反応系に直接
添加してもよい。またこのルイス酸の使用量は、通常ク
ロム化合物1モルに対して0.1〜2,000当量であ
り、好ましくは0.5〜1,500当量、より好ましく
は1〜1,000当量である。ルイス酸の使用量がクロ
ム化合物1モルに対して0.1当量未満の場合は低重合
反応活性が十分得られない。一方、使用量がクロム化合
物1モルに対して2,000当量を越える場合には触媒
活性が増加せず経済的に好ましくない。
【0039】このようにして調製された触媒系を用いて
オレフィンの低重合反応を行なう。本発明においてクロ
ム触媒の使用量は特に制限されないが、通常、前記溶媒
で希釈し、低重合反応液1リットルあたり、クロム化合
物が0.001マイクロモル〜100ミリモル、好まし
くは0.01マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用
される。これより小さい触媒濃度では十分な活性が得ら
れず、逆にこれより大きい触媒濃度では、触媒活性が増
加せず経済的でない。
【0040】本発明の方法において用いられるオレフィ
ンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン
類、2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘ
キセン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン等
の内部オレフィン類、イソブチレン、3−メチル−1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−
ヘキセン等の分岐オレフィン類、及び1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキ
サジエン等のジオレフィン類等が挙げられる。本発明の
触媒は、これらのうちエチレンの低重合、特に三量化反
応に好適であり、高活性かつ高選択的に1−ヘキセンを
得ることができる。
【0041】本発明における低重合反応の温度は、通常
−100〜250℃であるが、好ましくは0〜200℃
である。反応圧力は、低重合反応系がオレフィン雰囲気
であれば、特に制限されないが、通常、絶対圧で0〜
3,000kg/cm2であり、好ましくは0〜300
kg/cm2である。また、反応時間は温度や圧力に左
右され、一概に決めることはできないが、通常、5秒〜
6時間である。また、オレフィンは、前記の圧力を保つ
ように連続的に供給してもよいし、反応開始時に前記圧
力で封入して反応させてもよい。原料ガスであるオレフ
ィンには、反応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等が含まれても何ら差し支えない。なお、
低重合反応のすべての操作は、空気と水分を避けて行う
ことが望ましい。また、オレフィンは十分に乾燥してお
くことが好ましい。
【0042】本反応は、回分式、半連続式、連続式のい
ずれでも実施できる。低重合反応終了後、反応液に例え
ば、水、アルコール、水酸化ナトリウム水溶液等の重合
失活剤を添加して反応を停止させる。失活した廃クロム
触媒は公知の脱灰処理方法、例えば、水またはアルカリ
水溶液による抽出等で除去した後、生成したオレフィン
は、公知の抽出法や蒸留法により反応液より分離され
る。また、副生するポリマーは、反応液出口で公知の遠
心分離法や生成オレフィンの蒸留分離の際の残渣として
分離除去される。
【0043】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に
説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもの
で、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 温度計、触媒フィード管及び撹拌装置を備えた内容積3
00mlのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真
空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。0.189m
ol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶
液3.2mlと乾燥したシクロヘキサン100mlを反
応容器胴側に仕込み、エチレンで十分置換した。一方、
触媒フィード管に9.80mmol/lのクロム(II
I)トリス(2−エチルヘキサノエート)/シクロヘキ
サン溶液2.1ml及び28.9mmol/lのN−
(トリメチルシリル)マレイミド/シクロヘキサン溶液
2.1mlを仕込んだ。
【0044】反応容器を80℃に加熱し、撹拌速度を
1,000rpmに調整後、触媒フィード管にエチレン
を導入し、エチレン圧によりクロム化合物が反応容器胴
側に導入され、エチレンの低重合を開始した。反応容器
内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチレン
ガスを吹き込み、以後、前記圧力を維持するように導入
し続け、これらの反応条件を保った状態で30分反応を
行なった。30分後、反応容器中に水酸化ナトリウム水
溶液を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反
応を停止した。
【0045】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。また、反応液に含
まれる固体分をろ紙を用いてろ別し、これを風乾後、減
圧下で乾燥(1mmHg、100℃)してその重量を測
定した。結果を表1に示す。
【0046】実施例2 温度計、触媒フィード管及び撹拌装置を備えた内容積3
00mlのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真
空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。0.187m
ol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶
液2.4ml、0.077mol/lのジエチルアルミ
ニウムクロリド/シクロヘキサン溶液2.1mlと乾燥
したシクロヘキサン95mlを反応容器胴側に仕込み、
エチレンで十分置換した。一方、触媒フィード管に0.
464mmol/lのクロム(III)トリス(2−エ
チルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液2.2ml
及び28.9mmol/lのN−(トリメチルシリル)
マレイミド/シクロヘキサン溶液2.1mlを仕込ん
だ。
【0047】反応容器を120℃に加熱し、撹拌速度を
1,000rpmに調整後、触媒フィード管にエチレン
を導入し、エチレン圧によりクロム化合物が反応容器胴
側に導入され、エチレンの低重合を開始した。反応容器
内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチレン
ガスを吹き込み、以後、前記圧力を維持するように導入
し続け、これらの反応条件を保った状態で30分反応を
行なった。30分後、反応容器中に水酸化ナトリウム水
溶液を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反
応を停止した。
【0048】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。また、反応液に含
まれる固体分をろ紙を用いてろ別し、これを風乾後、減
圧下で乾燥(1mmHg、100℃)してその重量を測
定した。結果を表1に示す。
【0049】実施例3 ジエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液の代わり
に、0.036mol/lのB(C653/オクタン
溶液を5.6mlを用い、さらに0.170mmol/
lのクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエー
ト)/シクロヘキサン溶液を2.4ml、0.187m
ol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶
液を1.9ml、および28.9mmol/lN−(ト
リメチルシリル)マレイミドを0.69mlを用いたこ
と以外、実施例2と同様にして反応を行なった。結果を
表1に示す。
【0050】比較例1 N−(トリメチルシリル)マレイミドを添加しなかった
こと以外、実施例1と同様にして反応を行なった。結果
を表1に示すが、実施例に比べて触媒活性は低かった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、クロム化合物、アルキ
ル金属化合物及び安定性の高く、取り扱いの容易な金属
イミド化合物からなる触媒を用いてオレフィンの低重合
反応を行うと非常に高い活性で低重合反応を行うことが
できる。特に原料オレフィンとしてエチレンを用いる場
合にはLLDPEの原料コモノマーとして有用な1−ヘ
キセンを効率よく製造することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム化合物、アルキル金属化合物及び
    下記一般式(1) M(Z)d (1) (式中、dは1〜4の整数である。Mは周期律表第I
    A、IIA、IB、IIB、IIIB若しくはIVB族
    の置換基含有又は無置換の金属元素を表し、Zはイミド
    構造単位を有する含窒素複素環を表す。さらに、含窒素
    複素環の窒素と金属元素Mとの間が結合した構造を有す
    る)で示される金属イミド化合物からなるオレフィン低
    重合触媒。
  2. 【請求項2】金属イミド化合物が下記一般式(2) 【化1】 (式中、dは1〜4の整数である。Mは周期律表第I
    A、IIA、IB、IIB、IIIB若しくはIVB族
    の置換基含有又は無置換の金属元素を表す。R1,R2
    それぞれ水素、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン
    原子、アリ−ル基、又はR1,R2が炭素−炭素結合によ
    り結合した環状置換基からなる群より選ばれた少なくと
    も1種以上を表す)で示される金属マレミド化合物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン低重合
    触媒。
  3. 【請求項3】クロム化合物が下記一般式(3) CrAmn (3) (式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数で
    ある。またAは炭素数1〜20のアルキル基、アリール
    基、アレーン、アルコキシ基、カルボキシレート基、β
    −ジケトナート基、β−ケトエステル基及びアミド基、
    ハロゲン原子、ヒドロキシル基、硝酸基、硫酸基、過塩
    素酸基、カルボニル並びに酸素からなる群より選ばれた
    少なくとも1種以上を表し、Bは窒素含有化合物、リン
    含有化合物、ヒ素含有化合物、アンチモン含有化合物、
    酸素含有化合物及び硫黄含有化合物からなる群より選ば
    れた少なくとも1種以上を表す)で示される化合物であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオレ
    フィン低重合触媒。
  4. 【請求項4】アルキル金属化合物が下記一般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
    て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
    ネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムを表し、Rは
    炭素数1〜10のアルキル基より選ばれた少なくとも1
    種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリール
    基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた少なくとも
    1種以上を表す)で示される化合物であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3に記載のオレフィン低重合触
    媒。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    オレフィン低重合触媒に、更にハロゲン化物が含まれる
    ことを特徴とするオレフィン低重合触媒。
  6. 【請求項6】ハロゲン化物が下記一般式(5) R’iM’jX’k (5) (式中、iは0〜4の整数であり、jは0〜1の整数で
    あり、またkは1〜4の整数である。R’は水素又は炭
    素数1〜20の炭化水素を表し、M’は周期律表第I
    A、IIA、VIII、IIB、IIIB、IVB若し
    くはVB族の元素を表し、X’はハロゲン原子より選ば
    れた少なくとも1種以上を表す)で示される化合物であ
    ることを特徴とする請求項5に記載されたオレフィン低
    重合触媒。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    オレフィン低重合触媒に更にルイス酸が含まれることを
    特徴とするオレフィン低重合触媒。
  8. 【請求項8】ルイス酸が下記一般式(6) M(Ar)l (6) (式中、lは2〜4の整数であり、Mは周期律表第II
    B、IIIB又はIVB族の元素を表し、Arはアリー
    ル基より選ばれた少なくとも1種以上を表す)で示され
    る化合物であることを特徴とする請求項7に記載のオレ
    フィン低重合触媒。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8に記載されたオレフ
    ィン低重合触媒の存在下で、オレフィンを低重合するこ
    とを特徴とするオレフィンの低重合方法。
  10. 【請求項10】オレフィンがエチレンであり、主生成物
    が1−ヘキセンであることを特徴とする請求項9に記載
    のオレフィンの低重合方法。
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