JPH1072569A - 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法 - Google Patents

耐汚れ性に優れた塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH1072569A
JPH1072569A JP21395897A JP21395897A JPH1072569A JP H1072569 A JPH1072569 A JP H1072569A JP 21395897 A JP21395897 A JP 21395897A JP 21395897 A JP21395897 A JP 21395897A JP H1072569 A JPH1072569 A JP H1072569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating
coating film
group
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21395897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3581776B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Onishi
和彦 大西
Hirokazu Terajima
弘和 寺嶋
Osamu Isozaki
理 磯崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP21395897A priority Critical patent/JP3581776B2/ja
Publication of JPH1072569A publication Critical patent/JPH1072569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3581776B2 publication Critical patent/JP3581776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜本来の性能を保持しつつ、塗膜表面の汚
れを防止しうる耐汚れ性に優れた塗膜形成方法の提供。 【解決手段】 基材表面に、有機塗料組成物にオルガノ
シリケート及び/又はその縮合物を配合してなる上塗り
塗料組成物を、膜厚が10〜100μmとなるように塗
装し、次いで乾燥してオルガノシリケート及び/又はそ
の縮合物成分の多い塗膜表面層と有機塗膜の多い塗膜内
部層とからなる塗膜を形成することよりなり、形成され
た塗膜は、酸処理後の塗膜表面が水に対する接触角70
度以下であることを特徴とする耐汚れ性に優れた塗膜形
成方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に耐候性、耐汚
れ性に優れた塗膜形成方法に係る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、屋外の基材(例えば建造物、表示物、ガードフェン
ス、器具、機械など)には装飾又は保護を目的として耐
候性に優れた屋外用塗料が塗装されている。
【0003】現在、屋外用として使用されている塗料と
してはポリウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂塗料などが
例示されるが、このものはバクロ中に砂塵、鉄粉、雨
(酸性雨)、太陽光線などの影響によって塗装物表面が
汚れ易くなり塗膜外観が悪くなるという欠点がある。
【0004】また、表面の汚れを防止する方法として、
特開昭61−221282号公報に、成型品の表面にア
ルキルシリケートの有機溶剤溶液を塗布する方法及び熱
可塑性樹脂成形品中にアルキルシリケートを練り込む方
法が開示されている。しかしながら、これらの方法によ
って得られたものは耐汚染性の保護性、耐久性が劣ると
いう欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
欠点を解消するために鋭意研究を重ねた。その結果、有
機塗料組成物にオルガノシリケート及びその縮合物を配
合した塗料組成物を基材表面に塗布することにより、汚
れ難い(耐汚染性の良い)塗膜を提供するものであるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、基材表面に、有機塗料組
成物に下記一般式 (式中、Rは同一もしくは異なって水素原子又は炭素数
1〜10の1価の炭化水素基を示す。)で表わされるオ
ルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合してなる
上塗り塗料組成物を、膜厚が10〜100μmとなるよ
うに塗装し、次いで乾燥してオルガノシリケート及び/
又はその縮合物成分の多い塗膜表面層と有機塗膜の多い
塗膜内部層とからなる塗膜を形成することよりなり、形
成された塗膜は、酸処理後の塗膜表面が水に対する接触
角70度以下であることを特徴とする耐汚れ性に優れた
塗膜形成方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法において、上塗り塗料
組成物で用いる有機塗料組成物は、溶剤系有機塗料組成
物、水系有機塗料組成物、溶剤及び水を含有しない液状
有機塗料組成物及び粉体塗料組成物などが包含される。
【0008】溶媒系有機塗料組成物としては反応硬化形
有機樹脂を樹脂成分として含有する反応硬化形塗料組成
物が包含される。
【0009】反応硬化形塗料組成物は、これ自体反応硬
化して架橋塗膜構造を形成することができる硬化性樹脂
組成物を有機溶剤に溶解もしくは分散してなるものであ
る。
【0010】また、反応硬化形塗料組成物は、最終的に
形成される硬化塗膜の硫酸水処理後の塗膜表面が水に対
する接触角70度以下となるものが使用される。
【0011】該反応硬化形塗料組成物としては、上記し
た条件を満足するものであれば特に制限されず従来から
公知のものを選択して使用することができるが、中でも
水酸基含有樹脂を基体樹脂とするものが、長期間の屋外
バクロにおいて耐汚染性に優れた塗膜を形成するのでこ
のものを用いることが好ましい。
【0012】水酸基含有樹脂としては、具体的にはフッ
素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アル
キド系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂及びポリエス
テル変性アクリル樹脂などの変性樹脂などが包含され
る。これらの中でも特にフッ素系樹脂及びアクリル系樹
脂を用いたものは耐汚染性に優れた効果を発揮するので
このものを用いることが好ましい。
【0013】上記水酸基含有フッ素系樹脂としては水酸
基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a)、フルオロオ
レフィン(b)及び必要に応じて他のラジカル重合性不
飽和単量体(c)とを共重合反応させて得られるものが
包含される。
【0014】上記水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量
体(a)としては、フルオロオレフィンとラジカル共重
合可能なラジカル重合性不飽和二重結合及び水酸基を有
するものであり、具体的には、例えばヒドロキシエチル
ビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、
ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチル
ビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノアリルエーテルなどのヒドロキシアリルエーテ
ルが好適に使用できる。前記フルオロオレフィン(b)
としては下記一般式 (式中、R1 、R2 及びR3 はH、F及びClを示す。
1 、R2 及びR3 は同一もしくは異なってもよい。)
で表わされるものが使用できる。具体的には、例えばフ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン
及び四フッ化エチレン等が挙げられる。中でも好ましく
は耐久性及び耐汚染性に優れた塗膜が得られることから
四フッ化エチレン及び三フッ化塩化エチレンである。
【0015】他のラジカル重合性不飽和単量体(c)と
しては、前記フルオロオレフィンとラジカル共重合可能
な不飽和二重結合を有するものであり、要求される塗膜
性能に応じて、従来から公知の単量体から選択して使用
できる。具体的には、例えばエチレン、プロピレン、イ
ソブチレン、ブチレン−1等の如きα−オレフィン類;
エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等
の如きビニルエーテル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪
酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリ
ック酸ビニル、カプリル酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエ
ステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロ
ペニルなどの脂肪酸イソプロペニルエステル類などが挙
げられる。
【0016】また、該水酸基含有フッ素系樹脂はカルボ
キシル基を有することができる。該カルボキシル基は例
えば水酸基含有フッ素樹脂中の水酸基の一部と多塩基酸
無水物(例えば無水イタコン酸、無水コハク酸など)と
を付加反応させることに導入できる。
【0017】また、上記した以外にも水酸基含有フッ素
樹脂として、パーフルオロアルキル基またはパーフルオ
ロアルケニル基を一端に有し、他端にエチレン性二重結
合を有する単量体(d)、水酸基含有ラジカル重合性不
飽和単量体(e)及びその他のラジカル重合性不飽和単
量体(f)を共重合反応させて得られる重合体が使用で
きる。
【0018】パーフルオロアルキル基またはパーフルオ
ロアルケニル基を一端に有し、他端にエチレン性二重結
合を有する単量体(d)としては、好ましくはパーフル
オロブチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチ
ルエチルメタクリレート、パーフルオロイソノニルエチ
ルメタクリレート、パーフルオロデシルエチルメタクリ
レートなどが挙げられる。
【0019】水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体
(e)としては、好ましくはアクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル及びメタクリル酸ヒドロキシプロ
ピル等が挙げられる。
【0020】その他のラジカル重合性不飽和単量体
(f)としては、好ましくはアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸又
はメタクリル酸のアルキル(C1-18)エステル;アクリ
ル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン
酸:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どのビニル芳香族モノマー;アクリル酸又はメタクリル
酸のアミド化合物及びその誘導体;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどが挙げられる。また、水酸基含
有アクリル系樹脂としては、前記水酸基含有ラジカル重
合性不飽和単量体(a)及び/又は(e)、前記アクリ
ル酸又はメタクリル酸(C1-18)のアルキルエステル又
は下記のその他のラジカル重合性不飽和単量体(g)と
を共重合反応して得られるものが包含される。
【0021】上記その他の重合性不飽和単量体(g)と
しては、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不
飽和カルボン酸:スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのビニル芳香族モノマー;アクリル酸又
はメタクリル酸のアミド化合物及びその誘導体;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。水
酸基含有樹脂は、数平均分子量約2,000〜100,
000、好ましくは約5,000〜80,000の範囲
を有することができる。分子量が約2,000を下回る
と塗膜の耐久性、耐汚染性の保持性が低下し、一方、1
00,000を上回ると硬化剤、アルキルシリケートと
の相溶性が低下し塗料貯蔵安定性が低下するので好まし
くない。
【0022】また、水酸基含有樹脂は、水酸基価約20
〜200、好ましくは約50〜150の範囲を有するこ
とができる。水酸基価が約20を下回ると塗膜の耐久
性、耐汚染性の保持性が低下し、一方、200を上回る
と塗膜の耐久性、耐水性、耐汚染性が低下するので好ま
しくない。
【0023】上記水酸基含有樹脂は、例えばアミノ樹
脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシ
アネート化合物などの反応性硬化剤と組合わせて使用す
ることができる。
【0024】アミノ樹脂としてはメラミン、尿素、ベン
ゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、
スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分と
アルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミ
ノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベ
ンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミ
ノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したもの
も使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例と
してはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノ
ール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
【0025】上記ポリイソシアネート化合物は1分子中
に2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例
えばヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系、水素添
加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族
系、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の芳香族系等のものがあげられる。
【0026】ブロック化ポリイソシアネート化合物とし
ては、上記ポリイソシアネート化合物に、例えばε−カ
プロラクタムなどのラクタム系ブロック化剤、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系ブロ
ック化剤、アセトキシムなどのオキシム系ブロック化剤
などでブロック化したものなどが挙げられる。
【0027】水酸基含有樹脂とアミノ樹脂との混合割合
は両者の総合計量で水酸基含有樹脂90〜40重量%、
好ましくは80〜50重量%、アミノ樹脂10〜60重
量%、好ましくは20〜50重量%が良い。上記した範
囲をはずれると塗膜の耐汚染性、耐水性、耐候性などが
低下するので好ましくない。
【0028】また、水酸基含有樹脂と(ブロック)ポリ
イソシアネート化合物の混合割合は、水酸基含有樹脂の
水酸基に対し(ブロック)ポリイソシアネート化合物の
イソシアネート基を約0.6〜1.5当量、好ましくは
約0.8〜1.2当量の範囲が良い。配合割合が約0.
6当量を下回ると塗膜の耐候性、耐汚染性、耐水性など
が低下し、一方、約1.5当量を上回ると塗膜の耐汚染
性、耐候性などが低下するので好ましくない。
【0029】本発明で用いる反応硬化形塗料組成物の硬
化性樹脂組成物として、上記した以外にもシラノール基
及び/又は加水分解性シリル基、水酸基及びエポキシ基
を必須官能成分として含有する樹脂又は樹脂混合物(以
下、このものを単に「基体樹脂」と略すことがある。)
に硬化触媒を配合してなるものが使用できる。このもの
は基体樹脂とオルガノシリケート又はその縮合物とが結
合した塗膜が形成できるので長期間にわたって耐汚染性
に優れた効果を発揮するといった利点がある。以下、こ
のものについて説明する。
【0030】上記塗料で用いる基体樹脂が有する加水分
解性シリル基は、水の存在下で加水分解してヒドロキシ
シラン基を生成する残基であり、例えばC1-8 のアルコ
キシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、パラメトキシ
フェノキシ基、パラニトロフェノキシ基、ベンジルオキ
シ基などのアリールオキシ基;アセトキシ基、プロピオ
ニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ
基、フェニルアセトキシ基、ホルミルオキシ基などのア
シロキシ基及び−N(R4 2 、−ON(R42 、−
ON=C(R4 2 、−NR5 COR4 (式中、それぞ
れR4 は同一もしくは異なってC1-8 のアルキル基、ア
リール基(例えばフェニル基など)、アラルキル基(例
えばベンジル基など)を示し、R5 はH、C1-8 のアル
キル基を示す。該アルキル基としては例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチルなどの基
が挙げられる。)で表わされる残基などがある。
【0031】基体樹脂としては、例えば、 水酸基含有樹脂(A)、エポキシ基含有樹脂
(B)、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基を
含有する樹脂(C)の3成分を含有する樹脂混合物(以
下、「樹脂」と略す。)、 エポキシ基含有樹脂(B)、シラノール基及び/又
は加水分解性シリル基を含有する樹脂(C)の2成分の
樹脂混合物であって、かつ樹脂(B)及び樹脂(C)の
いずれか一方もしくは両方に水酸基を含有する樹脂混合
物(以下、「樹」と略す。)、 水酸基、エポキシ基、シラノール基及び/又は加水
分解性シリル基を含有する樹脂(以下、「樹脂」と略
す。)などが挙げられる。
【0032】樹脂:水酸基含有樹脂(A)としては、
1分子中に平均2個以上の水酸基を有し、好ましくは数
平均分子量が1,000〜100,000、好ましくは
3,000〜80,000のものが使用できる。水酸基
が平均2個より少ないと硬化性(ゲル分率)が劣るもの
となるので好ましくない。水酸基の数は、耐汚染性、耐
水性などの観点から、平均400個以下であることが好
ましい。数平均分子量が1,000未満では耐候性、耐
汚染性等が劣るものとなり、一方、100,000を上
回ると他の成分との相溶性が低下して、その結果、硬化
が不均一で耐汚染性が劣るものとなるので好ましくな
い。水酸基含有樹脂(A)としては、従来から公知の樹
脂が使用できるが、特に耐候性、耐汚染性などの観点か
らビニル系重合体を用いることが好ましい。
【0033】該ビニル系重合体としては、例えば下記水
酸基含有重合性不飽和単量体(h)及び必要に応じてそ
の他の重合性不飽和単量体(i)をラジカル重合して得
られる(共)重合体が使用できる。
【0034】水酸基含有重合性不飽和単量体(h)とし
ては、例えば(h−1)〜(h−5)が挙げられる。 (h−1)ヒドロキシアルキルビニルエーテル:ヒドロ
キシブチルビニルエーテルなど、(h−2)アリルアル
コール及びメタリルアルコール (h−3)(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル:ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートなど、(h−4)(ポリ)アル
キレングリコールモノアクリレート:エチレングリコー
ルモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアク
リレートなど、(h−5)(h−1)〜(h−4)とラ
クトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラク
トン)との付加物など。
【0035】また、その他の重合性不飽和単量体(i)
としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートなどの如き(メタ)アクリル
酸のC1-24個のアルキル又はシクロアルキルエステル
類;スチレン、ビニルトルエンなどの如きビニル芳香族
化合物類;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレー
トなどの如きパーフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類及び(メタ)アクリロニトリル類、オレフィン類、
フルオロオレフィン類、ビニルエステル類、シクロヘキ
シル又はアルキルビニルエーテルオレフィン類、ビニル
エステル類、シクロヘキシル又はアルキルビニルエーテ
ル類、アリールエーテル類などが挙げられる。
【0036】エポキシ基含有樹脂(B)は、1分子中に
平均2個〜300個のエポキシ基を有し、好ましくは数
平均分子量が120〜100,000、好ましくは24
0〜60,000のものである。エポキシ基の数が平均
2個より少ないと耐候性、耐汚染性が劣るものとなるの
で好ましくない。数平均分子量が120未満の化合物を
得ることは困難であり、一方、数平均分子量が100,
000を上回ると他との相溶性が劣り、その結果得られ
る塗膜の耐候性、耐汚染性などが低下するので好ましく
ない。
【0037】エポキシ基含有樹脂(B)としては、エポ
キシ基含有重合性不飽和単量体(j)(例えば特開平2
−160879号公報に記載される一般式(4)〜(1
8)の脂環族ビニルモノマーなど)の単独重合体もしく
は前記その他の重合性不飽和単量体(i)との共重合体
などが好適に使用できる。
【0038】シラノール基及び/又は加水分解性シリル
基を含有する樹脂(C)としては、例えばγ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリシラノール、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、アリル
トリエトキシシランなどの如きシラノール基及び/又は
加水分解性シリル基を有するシランモノマー(k−
1);該シラン化合物(k−1)及びトリアルコキシ又
はトリヒドロキシシラン化合物(例えばメチルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ
シラノール)を反応させて得られるシラノール基及び/
又は加水分解性シリル基と重合性不飽和基を有するポリ
シロキサン系マクロモノマー(k−2)(例えば特開平
2−160879号公報に記載されるポリシロキサン系
マクロモノマー)の単独重合体もしくはその他の重合性
不飽和単量体(i)との共重合体及びジフェニルシラン
ジオールなどが好適に使用できる。
【0039】上記樹脂(A)、(B)及び(C)の配合
割合は、これら3成分の総合計量で樹脂(A)5〜95
重量%、好ましくは20〜80重量%、樹脂(B)95
〜5重量%、好ましくは80〜20重量%、樹脂(C)
0.1〜80重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲
が耐候性、耐汚染性などの点から好ましい。
【0040】樹脂:エポキシ基含有樹脂(B)、シラ
ノール基及び/又は加水分解性シリル基を含有する樹脂
(C)としては前記と同様のものが使用できる。
【0041】また、樹脂においては、樹脂(B)及び
樹脂(C)のいずれか一方もしくは両方に水酸基を有す
るが、該樹脂(B)及び樹脂(C)中に水酸基を導入す
る方法としては、例えば単量体成分として前記水酸基含
有重合性不飽和単量体(h)を必須単量体成分として用
いることにより行なえる。この場合の水酸基の数は、1
分子中に平均1個以上、好ましくは平均400個以下含
有させるのが好ましい。また水酸基を導入した樹脂の数
平均分子量はそれぞれ1,000〜100,000、好
ましくは3,000〜60,000のものが望ましい。
【0042】また、上記樹脂(B)及び(C)の配合割
合は、これら2成分の総合計量で樹脂(B)5〜95重
量%、好ましくは20〜80重量%、樹脂(C)95〜
5重量%、好ましくは80〜20重量%の範囲か耐候
性、耐汚染性などの点から好ましい。樹脂には必要に
応じて前記水酸基含有樹脂(A)を配合することができ
る。
【0043】樹脂:該樹脂は、1分子中に平均1個
以上、好ましくは平均2〜40個のシラノール基及び/
又は加水分解性シリル基、1分子中に平均1個以上、こ
の好ましくは2〜40個のエポキシ基及び1分子中に平
均2〜200個の水酸基を有することが、耐候性、耐汚
染性などの点から好ましい。樹脂は例えば前記水酸基
含有重合性不飽和単量体(h)、前記エポキシ基含有重
合性不飽和単量体(j)、前記シラン化合物(k−1)
及び/又は反応物(k−2)、必要に応じてその他の重
合性不飽和単量体(i)との共重合体が好適に使用でき
る。該単量体(h)〜(k−2)の配合割合は、樹脂中
の官能基が前記範囲内に入るように配合すればよい。
【0044】また樹脂の数平均分子量は1,000〜
100,000、好ましくは3,000〜60,000
のものが望ましい。
【0045】樹脂には必要に応じて前記水酸基含有樹
脂(A)を配合することができる。上記した樹脂〜
の中でも耐候性、耐汚染性に優れたの樹脂を用いるこ
とが望ましい。
【0046】上記塗料で用いる硬化触媒は基体樹脂中の
シラノール基、加水分解性シリル基、エポキシ基、水酸
基の反応を促進するために使用するものであって、例え
ばアルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、カルシウ
ム、バリウムなどの金属類にアルコキシ基が結合した金
属アルコキシド類:該金属アルコキシド類にケト・エノ
ール互変異性体を構成し得るキレート化合物類;ACl
3 、Al(C2 5 2 Cl、TiCl4 、ZrC
4 、SnCl4 、FeCl4 、BF3 、BF3 :(O
2 5 2 などの如きルイス酸類;有機プロトン酸
(メタスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸など)、無機プロトン酸(リン酸、亜リン
酸、ホスフィン酸、硫酸など)のプロトン酸類;ケイ酸
アルミニウムなどの如きSi−O−Al結合を有する化
合物などが好適に使用できる。上記した中でも金属キレ
ート化合物が好ましく、更にはジイソプロポキエチルア
セトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトア
セテート)アルミニウム、イソプロポキシ・ビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、モノアセチルアセ
トナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニ
ウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニ
ウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルア
セトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナ
ート)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナー
ト)アルミニウム、アセチルアセトナート・ビス(プロ
ピオニルアセトナート)アルミニウムなどの如きアルミ
ニウムキレート化合物類;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセトナート)チタニウムなどの如き
チタニウムキレート化合物類;テトラキス(n−プロピ
ルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセ
チルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウムなどの如きジルコニウ
ムキレート化合物類などが好適である。
【0047】硬化触媒の配合割合は基体樹脂100重量
部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは0.1
〜10重量部とする。硬化触媒が0.01重量部未満で
は耐候性、耐汚染性が低下し、30重量部を上回ると塗
膜の耐水性が低下するので好ましくない。
【0048】本発明において、反応硬化形塗料組成物に
使用される有機溶剤は、前記硬化性樹脂組成物に対して
実質的に不活性であり、かつ該硬化性樹脂組成物を溶解
もしくは分散が可能なものを従来公知のものから適宜選
択して使用できる。具体的には例えばトルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ブタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶剤、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素等が挙げられ
る。
【0049】該有機溶剤の配合割合は硬化性樹脂組成物
との総合計算換算で、約10〜95重量%、好ましくは
約20〜90重量%の範囲が良い。
【0050】また、溶剤系有機塗料組成物として、上記
した反応硬化形塗料組成物以外に非架橋形塗料組成物も
使用できる。
【0051】非架橋形塗料組成物は常温もしくは加熱に
より有機溶剤が揮発することによって塗膜を形成する溶
液形もしくは分散形の有機溶剤系塗料組成物である。
【0052】また、該塗料組成物は、形成された塗膜を
酸処理した後の塗膜表面が水に対する接触角70度以下
となるものである。
【0053】該塗料組成物としては、上記した条件を満
足するものであれば、特に制限なしに従来から公知のも
のを選択して使用することができる。具体的には、セル
ロース誘導体塗料(ニトロセルロースラッカー、アセチ
ルセルロースラッカー、アセチルブチルセルロースラッ
カー、エチルセルロースラッカーなど)、アクリル樹脂
系塗料、ウレタン樹脂系塗料、塩化ビニル樹脂系塗料、
フッ素樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、酢酸ビニル樹
脂系塗料、スチレン−ブタジエン樹脂系塗料、塩化ビニ
ルオルガノゾル塗料などが挙げられる。
【0054】また、有機溶剤は塗料種によって適宜選択
すれば良いが、具体的には炭化水素系(ヘキサン、ヘプ
タンなど)、アルコール系(プロパノール、ブタノール
など)、エーテル系(エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルな
ど)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなど)、エステル系(酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブなど)など
が使用できる。
【0055】有機溶剤の含有量は約10〜95重量%、
好ましくは約20〜90重量%が良い。
【0056】水性塗料組成物は従来から公知の例えば硬
化もしくは未硬化形のもの、水溶解、水分散もしくはエ
マルジョン形のもの及びアニオン、カチオンもしくはノ
ニオン形のものが使用できる。具体的には、塗料種とし
ては例えばアルキド樹脂系、ポリエステル樹脂系、シリ
コーン樹脂系、フッ素樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、アクリル樹脂系、塩化ビニル樹脂系、酢酸ビ
ニル樹脂系、ポリブタジエン樹脂系及びこれらの変性樹
脂を基体樹脂とするものが挙げられる。また、硬化形と
しては例えばアミノ硬化形、(ブロック)イソシアネー
ト硬化形、酸化重合硬化形及び活性エネルギー線硬化形
などが挙げられる。
【0057】水性塗料組成物は、形成された塗膜を酸処
理した後の塗膜表面が水に対する接触角70度以下とな
るものが使用される。
【0058】有機溶剤もしくは水を含まない液状塗料組
成物は有機溶剤を含まない架橋もしくは非架橋の溶液形
もしくは分散形の液状塗料組成物である。具体的には、
活性エネルギー線硬化型塗料、塩化ビニルプラスチゾル
塗料などが挙げられる。
【0059】該塗料組成物を用いて塗膜を形成するに
は、例えば活性エネルギー線硬化型塗料の場合は紫外
線、電子線などの活性エネルギー線を照射することによ
り、また、塩化ビニルプラスチゾル塗料の場合は加熱す
ることにより塗膜が得られる。
【0060】粉体塗料組成物は、粉体用硬化性樹脂組成
物を樹脂成分とするものであって、これ自体反応硬化し
て架橋塗膜構造を形成することができる、従来から公知
の熱硬化形粉体組成物が使用できる。
【0061】また、粉体塗料組成物は、最終的に形成さ
れる硬化塗膜の酸処理後の塗膜表面が水に対する接触角
70度以下となるものが使用される。
【0062】該粉体用硬化性樹脂組成物としては、例え
ば官能基を有する粉体用硬化性樹脂に、該粉体用硬化性
樹脂中の官能基と反応する硬化剤を配合したものが一般
的に使用される。粉体用硬化性樹脂中の官能基として
は、例えば水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などが
包含される。また、粉体用硬化性樹脂の種類としては、
例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン
系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの変性樹脂(例えばシ
リコン変性アクリル樹脂など)が挙げられる。
【0063】また、硬化剤としては、例えばポリカルボ
ン酸(アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン2酸な
ど)、ブロック化ポリイソシアネート(ε−カプロラク
タムでブロック化したイソホロンジイソシアネートな
ど)及びポリエポキシド(トリグリシジルイソシアヌレ
ートなど)などが挙げられる。
【0064】粉体用硬化性樹脂組成物として、上記した
中でもグリシジル(メタ)アクリレートを共重合体成分
として含有するグリシジル基含有アクリル系樹脂を粉体
用硬化性樹脂とし、かつドデカン2酸のポリカルボン酸
を硬化剤として含有するもの及びヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートを共重合体成分として含有する水酸基
含有アクリル系樹脂を粉体用硬化性樹脂とし、かつブロ
ック化ポリイソシアネートを硬化剤として含有するもの
などのアクリル系硬化性樹脂組成物並びにカルボキシル
基含有ポリエステル樹脂を粉体用硬化性樹脂とし、かつ
トリグリシジルイソシアヌレートなどのポリエポキシド
を硬化剤として含有するポリエステル系硬化性樹脂組成
物が耐候性、耐汚染性に優れかつシリコン系、フッ素な
どの硬化性樹脂組成物と比較して比較的安価であること
からこのものを用いることが好ましい。
【0065】本発明方法に使用される上塗り塗料組成物
において、オルガノシリケートは、下記一般式 (式中、Rは同一もしくは異なって水素原子又は炭素数
1〜10の1価の炭化水素基を示す。)で表わされるも
の及びその縮合物である。Rの炭素数が10を越えたオ
ルガノシリケートを用いると、加水分解速度が遅くなり
塗膜の耐汚染性、耐久性などが劣る。
【0066】該一般式において炭素数1〜10の1価の
炭化水素基としては、例えばアルキル基、アリール基な
どが例示される。
【0067】上記「アルキル基」は、直鎖状又は分枝状
のいずれのタイプであってもよく、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、i
so−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、is
o−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、iso−
ヘキシル、n−オクチル基などが挙げられるが、中でも
炭素数1〜3の低級アルキル基が好適である。また、
「アリール基」は、単環及び多環のいずれのタイプのも
のであってもよく、例えばフェニル、トルイル、キシリ
ル、ナフチル基などが挙げられるが、中でもフェニル基
が好適である。
【0068】本発明で用いるオルガノシリケートの好ま
しい具体例としては、例えばテトラヒドロキシシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェ
ノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げ
られる。これらのものは1種もしくは2種以上組合わせ
たものも使用できる。
【0069】また、オルガノシリケートの縮合物として
は、前記一般式で表わされるオルガノシリケート同士の
分枝状もしくは直鎖状の縮合物であって、縮合度が2〜
100のものが好ましく、具体的には式: (式中、Rは前記と同様の意味を示し、nは2〜100
の整数を示す。)で表わされる縮合物が好ましい。上記
一般式において、nが100を越えると耐汚染性の効果
が小さくなるので好ましくない。
【0070】本発明で用いられるオルガノシリケートと
しては、好ましくは一般式のRが炭素数1〜3の低級ア
ルキル基のもの及びその縮合物としてはRが炭素数1〜
3の低級アルキル基であって縮合度が2〜10のものが
特に好ましい。
【0071】オルガノシリケート及びその縮合物の配合
割合は、前記塗料組成物の樹脂固形分100重量部当た
り、約0.1〜50重量部、好ましくは約1〜40重量
部の範囲が良い。オルガノシリケート及びその縮合物の
配合割合が約0.1重量部を下回ると塗膜の耐汚染性が
劣り、一方、約50重量部を上回ると塗膜が堅くなりワ
レ、光沢低下などの欠陥を生じる恐れがあるので好まし
くない。
【0072】本発明方法に用いられる上塗り組成物は、
上記した以外にも必要に応じて着色剤、充填剤、流動調
整剤、可塑剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、前記以外の樹
脂(例えばトリアルコキシシラン、ジアルコキシシラ
ン、モノアルコキシシラン及びこれらの低縮合物など)
などを配合することができる。
【0073】本発明方法に使用される上塗り塗料組成物
は、最終的に形成させた硬化塗膜の表面を酸処理し、そ
の塗膜表面が水に対する接触角で70度以下、好ましく
は20〜65度の範囲に入るものである。接触角は、硬
化直後の塗膜を2.5重量%硫酸水20℃、24時間処
理(浸漬)し、次いで付着した硫酸水を水洗し、乾燥を
おこなったのち、塗膜表面に0.03cc脱イオン水の水
滴を滴下し、20℃にて3分後の水滴の接触角を協和化
学(株)製コンタクタングルメーターDCAA型にて測
定した数値である。接触角が70度より大きくなると耐
汚染性、耐久性などが劣る。
【0074】本発明方法に使用される上塗り塗料組成物
は、前記上塗り塗料組成物を基材に塗布し、次いで室温
もしくは加熱することによって硬化塗膜を形成すること
ができる。屋外などに晒された際に酸性雨などの酸成分
によって塗膜表面は水に対する接触角が徐々に低下する
ことによって塗膜表面の汚れを防止することができる。
【0075】また、本発明においては、上記塗膜を屋外
などに晒す前に予め酸で処理しておくことが好ましい。
酸で処理することによって初期の段階から塗膜表面の汚
れを防止することができる。
【0076】上塗り塗料組成物を塗布する基材として
は、ガラス、スレート、コンクリートなどの無機質基
材;アルミニウム、鉄鋼、亜鉛、錫、銅、ステンレスな
どの金属、鉄鋼表面に亜鉛、スズ、クロムなどをメッキ
した金属、鉄鋼などの表面をクロム酸、リン酸などで処
理した金属などの金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ABSなどのプラスチック基材;ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムなどの
基材フィルムに接着剤又は粘着剤を設けてなるテープ並
びにこれらの基材に必要に応じて公知のプライマー中塗
り塗料、上塗り塗料を塗布した基材など広範な基材に塗
布することができる。
【0077】上塗り塗料組成物の塗装方法は、例えば刷
毛塗り、吹付け塗り、ローラー塗り、浸漬塗り、静電粉
体塗装などの手段で基材表面に塗布することができる。
塗布量は塗料種、塗装手段などによって異なるが、一般
には約1〜500μm、好ましくは約10〜100μm
の範囲にある。該膜が10μm未満では耐汚れ性の耐久
性に劣り、100μmを越えるものは塗装膜厚が確保で
きないとともに塗装できたとしても塗装膜厚が不均一と
なり、塗膜表面に均一なオルガノシリケート塗膜が確保
できない。
【0078】塗膜の乾燥は上塗り塗料組成物のタイプに
応じて条件を選択することができる。例えば加水分解性
シリル基、水酸基及びエポキシ基を必須官能基成分とし
て含有する基体樹脂及び金属キレート化合物を含む上塗
り塗料を用いた場合には、室温で約24時間程度もしく
は加熱する場合には約140℃で約20分間程度の乾燥
で、また、水酸基含有樹脂を基体樹脂としてポリイソシ
アネート化合物を架橋剤として含有する上塗り塗料組成
物は室温で8時間程度で、また、水酸基含有樹脂を基体
樹脂としブロック化ポリイソシアネート化合物又はアミ
ノ樹脂を架橋剤として含有する上塗り塗料組成物は約1
40℃−約30分間程度で十分と考える。また、粉体塗
料の場合は一般的には約140℃〜300℃で約10秒
〜約60分間で十分と思われる。
【0079】塗膜の酸処理は塗膜表面が水に対する接触
角70度以下、好ましくは20〜65度の範囲に入るよ
うにおこなわれる。該酸処理方法は上記した条件を満た
す方法であれば特に制限はないが、具体的にはpH6以
下の酸性水溶液に約5℃〜98℃で処理するのが好まし
い。ここで用いる酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝
酸、リン酸などの無機酸が特に好ましい。処理した塗膜
上の酸性水溶液は除去することが好ましい。また、接触
角は前記した方法で測定することができる。
【0080】
【実施例1】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例中の「部」及び「%」は重量基準である。
【0081】反応硬化形有機溶剤系塗料組成物 反応硬化形樹脂組成物 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10.
0部、グリシジルメタクリレート14.2部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート12.0部、n−ブチルメ
タクリレート63.8部、アゾビスイソブチルバレロニ
トリル2.0部の混合物をキシレン中でラジカル重合反
応して得られる樹脂固形分50%、数平均分子量40,
000の樹脂200部にトリス(アセチルアセトナト)
アルミニウム1部を配合したもの。
【0082】反応硬化形樹脂組成物 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部、
メチルトリメトキシシラン95部、脱イオン水30部、
98%ギ酸の混合物を100℃で8時間反応させて得ら
れる数平均分子量2,500のシロキサンマクロモノマ
ーを得た。次いで、上記シロキサンマクロモノマー15
部、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート2
0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート18部、n−
ブチルメタクリレート32部、スチレン15部、アゾビ
スイソブチロニトリル4部の混合物を酢酸イソブチル中
でラジカル重合反応して得られる樹脂固形分50%、数
平均分子量8,000の樹脂200部にトリス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウム1部を配合したもの。
【0083】反応硬化形樹脂組成物 レタン1026クリヤー(商標名、関西ペイント(株)
社製、アクリルポリイソシアネート硬化形有機溶剤塗
料、樹脂固形分50%)
【0084】反応硬化形樹脂組成物 カンペフロンCWクリヤー(商標名、関西ペイント
(株)社製、フッ素ポリイソシアネート硬化形有機溶剤
塗料、樹脂固形分50%)
【0085】反応硬化形樹脂組成物 カンペフロン160クリヤー(商標名、関西ペイント
(株)社製、フッ素アミノ硬化形有機溶剤塗料、樹脂固
形分50%)
【0086】実施例1〜14 表1に記載の配合(固形分)で実施例1〜14のものを
得た。
【0087】比較例1〜5 表1に記載の配合で比較例1〜5のものを得た。
【0088】塗板の調製 リン酸亜鉛処理した鋼板(0.8mm厚さ)にカンペ焼
付プラサフ#500アイボリー(商標名、関西ペイント
(株)社製、エポキシ樹脂系下塗り塗料)を乾燥膜厚が
20μmになるように塗装し、乾燥を行なったのち、カ
ンペフロンCW(商標名、関西ペイント(株)社製、フ
ッ素系白上塗り塗料)を乾燥膜厚が20μmになるよう
に塗装し、乾燥を行なって基材を作成した。次いで、得
られた基材の表面を軽く研磨した後に実施例及び比較例
のものを乾燥膜厚が20μmになるようにバーコーター
塗装を行なったのち表1の条件で乾燥を行なって塗装板
を作成した。塗膜性能試験結果を表1に示した。
【0089】
【表1】
【0090】表1中の(*1)〜(*6)は下の意味を
示す。 (*1)メチルシリケート51、エチルシリケート40
及びエチルシリケート48:それぞれコルコート(株)
社製の商標名、テトラアルキルシリケートの低縮合物。
【0091】(*2)付着性:JIS K−5400
8.5.2ゴバン目テープ法に準じて1mm×1mmの
マス目を100個作成し、その表面にテープを密着させ
剥離したマス目の剥れ程度を評価した。剥がれの全くな
いもの○、少しマス目のカドが剥れるもの△、マス目が
1/3以上剥れるもの×。
【0092】(*3)加工性:デュポン衝撃試験器を用
い、撃芯端半径1/2インチ、落錘重量500gで試験
した。塗面にワレ目の入らない最大の高さを示す。
【0093】(*4)水に対する接触角:得られた直後
の塗膜を、2.5重量%硫酸水20℃、24時間処理
(浸漬)し、次いで付着した硫酸水を水洗し、乾燥をお
こなったのち、塗膜表面に0.03cc脱イオン水の水滴
を滴下し、20℃にて3分後の水滴の接触角を協和化学
(株)製コンタクタングルメーターDCAA型にて測定
した数値である。なお、**は溶出して測定不可能であ
った。
【0094】(*5)外観:塗膜表面を目視で観察し
た。 ◎ (塗膜にヒビワレ、ツヤボケ、ハガレなどの欠陥の
ないもの) ○ (塗膜に若干のヒビワレ、ツヤボケが認められるも
の) △ (塗膜にヒビワレ、ツヤボケ、ハガレが認められる
もの) × (塗膜に著しい、ヒビワレ、ツヤボケ、ハガレが認
められるもの)
【0095】(*6)光沢保持率:(屋外バクロ後の6
0度鏡面反射率/屋外バクロ前の60度鏡面反射率)×
100で求めた数値。
【0096】色差:バクロ前とバクロ後の色差をJIS
Z8730に基づいてΔE* abを求めた。
【0097】外観:(*5)と同様の方法で評価した。
【0098】実施例14は硬化直後の塗膜を2.5重量
%硫酸水20℃、24時間処理(浸漬)し、次いで付着
した硫酸水を水洗し乾燥をおこない処理したものを屋外
バクロ試験、付着性及び加工性の試験用として用いた。
(なお、該実施例以外のもの及び比較例はこれらの処理
を行なわない塗膜を用いた。)
【0099】非架橋形有機溶剤系塗料組成物 フッカロン(白):商品名、関西ペイント(株)社製、
フッ素樹脂系塗料、樹脂固形分34% アクリック2000GL(白):商品名、関西ペイント
(株)社製、アクリル樹脂系塗料、樹脂固形分30% ビニボン100(白):商品名、関西ペイント(株)社
製、塩化ビニル樹脂系塗料、樹脂固形分27% マメチタイル上塗AC(白):商品名、関西ペイント
(株)社製、酢ビアクリル樹脂系塗料、樹脂固形分25
% KPカラー400g(白):商品名、関西ペイント
(株)社製、塩化ビニルゾル樹脂塗料、樹脂固形分85
【0100】無溶剤形塗料組成物 ゾンネ上塗W−2000クリヤー:商品名、関西ペイン
ト(株)社製、ウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化
塗料、樹脂固形分100%
【0101】実施例15〜25 表2に記載の非架橋形又は無溶剤形塗料組成物及びオル
ガノシリケート及びその縮合物を配合し、実施例15〜
25の塗料を得た。(表2において、配合割合は塗料組
成物の樹脂固形分100重量部当たりオルガノシリケー
ト及びその縮合物の重量部である。)
【0102】比較例6〜11 表2に記載の非架橋形又は無溶剤形塗料組成物を比較例
として用いた。
【0103】
【表2】
【0104】塗膜外観及び性能 結果は表3に示す。
【0105】塗板の調整 実施例15〜24及び比較例6〜10:リン酸亜鉛処理
鋼板(0.8mm厚さ)にカンペ焼付プラサフ#500
アイボリー(商品名、関西ペイント(株)社製、エポキ
シ樹脂系下塗り塗料)を乾燥膜厚が20μmになるよう
に塗装し、乾燥を行なったのちその上に実施例及び比較
例に相当する塗料を塗装し、次いで、室温又は加熱によ
り有機溶剤を揮発させて、実施例及び比較例に相当する
塗板を調整した。
【0106】実施例25及び比較例11:リン酸亜鉛処
理鋼板(0.8mm厚さ)にカンペ焼付プラサフ#50
0アイボリー(商品名、関西ペイント(株)社製、エポ
キシ樹脂系下塗り塗料)を乾燥膜厚が20μmになるよ
うに塗装し、乾燥を行なったのち、その上にレタン10
26白(商品名、関西ペイント(株)社製、アクリルポ
リイソシアネート樹脂系塗料)を乾燥膜厚が20μmに
なるように塗装し、乾燥を行なったのち、その上に実施
例及び比較例の塗料を塗装し、次いで紫外線を照射し硬
化させ実施例及び比較例に相当する塗板を調整した。
【0107】(*4)〜(*6)は前記と同様の意味を
表わす。
【0108】(*7)処理:得られた塗膜を2.5重量
%硫酸水20℃、24時間浸漬し、次いで付着した硫酸
水を水洗し室温で乾燥をおこなったものを処理ありと
し、また、これらの処理をおこなわないものをなしとし
た。次いで、処理ありのものと処理なしのものとをそれ
ぞれ屋外バクロ試験に供した。
【0109】
【表3】
【0110】水性塗料組成物 ビニデラックス300(白):商品名、関西ペイント
(株)社製、アクリル樹脂エマルション塗料。 アスカ(白):商品名、関西ペイント(株)社製、自己
架橋アクリル樹脂系水性塗料。 アレスゴムテックス(白):商品名、関西ペイント
(株)社製、アクリルゴムラテックス塗料。 アクリルメラミン(白):アクリル樹脂(水酸基価10
0、酸価60)/ブチル化メラミン樹脂(樹脂固形分重
量比60/40)/ジエタノールアミン(中和当量0.
8)/チタン白(樹脂100重量部に対して80重量
部)の水分散化物。
【0111】実施例26〜34 表4に記載の水性塗料組成物及びオルガノシリケート及
びその縮合物を配合し、実施例26〜34の塗料を得
た。(表4において、配合割合は塗料組成物の樹脂固形
分100重量部当たりオルガノシリケート及びその縮合
物の重量部である。)
【0112】比較例12〜15 表4に記載の水性塗料組成物を比較例として用いた。
【0113】
【表4】
【0114】塗膜外観及び性能 結果は表5に示す。
【0115】塗板の調整 実施例26〜34及び比較例12〜15:リン酸亜鉛処
理鋼板(0.8mm厚さ)にカンペ焼付プラサフ#50
0アイボリー(商品名、関西ペイント(株)社製、エポ
キシ樹脂系下塗り塗料)を乾燥膜厚が20μmになるよ
うに塗装し、乾燥を行なったのちその上に実施例及び比
較例に相当する塗料を塗装し、次いで、室温(20℃−
24時間、ビニデラ300、アスカ及びアリスゴムテッ
クス)加熱(180℃−20分間、アクリルメラミン)
により乾燥させて、実施例及び比較例に相当する塗板を
調整した。
【0116】(*4)〜(*7)は前記と同様の意味を
表わす。
【0117】
【表5】
【0118】粉体塗料組成物 実施例35〜43 表6に記載の成分をヘンシェルミキサーで混合し、ブス
コニーダーPR46(スイス:ブス社製)混練機で吐出
量30〜70kg/H、温度80〜120℃、スクリュ
ー回転数100ppmの条件で混練する。混練物を3〜
6mm厚の平板状に取り出し速やかに冷却する。その後
2〜3mm大に粗粉砕後アトマイザー(富士産業(株)
製)を用いて微粉砕する。そして150メッシュ標準ふ
るいを用いてふるい分ける。粗粒を除去して実施例35
〜43の粉体塗料組成物を得た。
【0119】比較例16〜18 表6に記載の成分を実施例35と同様にして粉体塗料組
成物を得た。表6中の各成分は次の通りである。なお、
表6中の各成分の配合割合は重量部を示す。
【0120】樹脂 アクリル樹脂A:メチルメタクリレート/スチレン/n
−ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート=3
7/20/23/20(重量比)、重量平均分子量7,
000、ガラス転移温度約40℃ アクリル樹脂B:メチルメタクリレート/スチレン/n
−ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレー
ト=41/15/24/20(重量比)、重量平均分子
量5,000、ガラス転移温度約40℃ ポリエステル樹脂A:ウララックP−2400(カルボ
キシル基含有ポリエステル樹脂、DSMレジンズBV社
製、商品名)
【0121】硬化剤 (*8)B−1530:ダイセルヒュルス社製、商品
名、ε−カプロラクタムでブロック化されたイソホロン
ジイソシアネート。
【0122】
【表6】
【0123】塗膜外観及び塗膜性能試験 実施例35の粉体塗料組成物をリン酸亜鉛処理した鋼板
(0.8mm厚さ)に硬化膜厚が約60μmになるよう
に静電粉体塗装をおこない、次いで170℃−30分間
加熱をおこなったもの(処理なし)を用いて評価した。
続いて得られた硬化塗膜を2.5重量%硫酸水20℃、
24時間(浸漬)し、次いで付着した硫酸水を水洗し室
温で乾燥をおこなったもの(処理あり)を用いて評価し
た。
【0124】実施例36〜43及び比較例16〜18の
粉体塗料組成物を実施例35と同様にして硬化塗膜を得
たものを用いて評価した。
【0125】なお、比較例19は比較例16の粉体塗料
組成物を比較例16と同様の方法で硬化塗膜を形成し、
次いでこの硬化塗膜の表面にテトラエチルシリケートを
約10μmになるように塗布し20℃で24時間乾燥を
おこなった。続いて得られた塗膜を比較例16と同様に
して硫酸水処理、水洗、乾燥をおこなったものを用いて
評価した。結果は表7に示す。得られた塗膜の外観及び
性能の試験方法、評価基準は次の通りである。(*2)
〜(*6)は前記と同様の意味を示す。
【0126】
【表7】
【0127】
【発明の効果】本発明方法は、従来の成型品の表面にア
ルキルシリケートの有機溶剤溶液を塗布する方法及び熱
可塑性樹脂中にアルキルシリケートを練り込む方法と比
較して耐汚染性の保持性、耐久性に優れた効果を発揮す
るものである。この理由は以下の通りである。アルキル
シリケートの有機溶剤溶液によって形成される従来の被
膜は、該アルキルシリケート自体造膜性が悪いためにヒ
ビワレ、ワレ、チヂミなどの欠陥を生じ、このために屋
外に晒された際に雨、太陽、熱、砂塵などの人的因子に
よって基材からはがれ落ち、耐汚染性の効果がなくな
る。また、膜厚を薄くすることによりヒビワレなどの欠
陥を少なくすることも可能であるがこのものでは屋外バ
クロ中に被膜が砂塵などにより摩耗するための効果を長
期間保持することは難しい。これに対して本発明方法に
使用される上塗り塗料組成物は、前記した成分から構成
されかつ塗膜の接触角が70度以下であることから、塗
膜は、塗膜表面層又はその近傍にオルガノシリケート又
はその縮合物成分の多い層が形成され、かつ塗膜内部に
有機塗膜の多い層が形成され、その結果として表面層の
オルガノシリケート又はその縮合物成分が有機塗膜によ
って補強され耐汚染性の保持性及び耐久性が向上する。
また、熱可塑性樹脂中にアルキルシリケートを練り込む
方法は、アルキルシリケートを多量に配合すれば熱可塑
性樹脂の性質が失われ加工性などが悪くなり、一方、加
工性が失われない程度にアルキルシリケートの配合量を
調整したものでは耐汚染性に優れたものが得られず両者
を満足するものではない。これに対して本発明方法によ
り形成される塗膜は上記した如く表面層はオルガノシリ
ケート又はその縮合物成分、その内部は有機塗膜で構成
され、耐汚染性はオルガノシリケート又はその縮合物成
分により、そして耐久性、加工性、付着性などは有機塗
膜によって機能の分担を計ることにより耐汚染性と耐久
性の両者の性能を満足させる顕著な効果が認められるも
のである。また、本発明方法によって形成された塗膜
は、その塗膜表面層又はその近傍にオルガノシリケート
又はその縮合物成分の多い層で形成されかつ該オルガノ
シリケート又はその縮合物は酸によって高分子量化(縮
合)するので初期の段階から耐汚染性及び耐久性に優れ
た効果を発揮する。本発明の塗膜形成方法は、建造物、
表示物、ガードフェンス、器具、機械などの屋外の基材
の塗装に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、有機塗料組成物に下記一般
    (式中、Rは同一もしくは異なって水素原子又は炭素数
    1〜10の1価の炭化水素基を示す。)で表わされるオ
    ルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合してなる
    上塗り塗料組成物を、膜厚が10〜100μmとなるよ
    うに塗装し、次いで乾燥してオルガノシリケート及び/
    又はその縮合物成分の多い塗膜表面層と有機塗膜の多い
    塗膜内部層とからなる塗膜を形成することよりなり、形
    成された塗膜は、酸処理後の塗膜表面が水に対する接触
    角70度以下であることを特徴とする耐汚れ性に優れた
    塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 形成された塗膜の表面をpH6以下の酸
    性水溶液に5〜98℃で酸処理することを特徴とする請
    求項1記載の塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 該有機塗料組成物が、水酸基含有フッ素
    樹脂及びアミノ樹脂架橋剤を反応硬化形有機樹脂として
    含有する有機溶剤系塗料組成物であることを特徴とする
    請求項1または2記載の塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 該有機塗料組成物が、水酸基含有フッ素
    樹脂および/または水酸基含有アクリル樹脂と(ブロッ
    ク化)ポリイソシアネート化合物架橋剤とを反応硬化形
    有機樹脂として含有する有機溶剤系塗料組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の塗膜形成方法。
JP21395897A 1997-07-25 1997-07-25 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法 Expired - Lifetime JP3581776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21395897A JP3581776B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21395897A JP3581776B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50663294A Division JP2869443B2 (ja) 1992-09-24 1993-09-22 上塗り塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1072569A true JPH1072569A (ja) 1998-03-17
JP3581776B2 JP3581776B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=16647885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21395897A Expired - Lifetime JP3581776B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3581776B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053890A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Nippon Paint Co Ltd 水性塗料組成物
JP2000178472A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Daikin Ind Ltd 含フッ素樹脂粉体塗料用組成物
JP2003027016A (ja) * 2001-06-26 2003-01-29 Three M Innovative Properties Co 接着シート、及びマーキングフィルム
JP2003535160A (ja) * 2000-05-02 2003-11-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 接着シート及び接着構造体
JP2004105883A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒体
JP2006076184A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Diatex Co Ltd 防汚性シート
JP2006152080A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nippon Paint Co Ltd 弱溶剤型フッ素樹脂系塗料組成物および塗膜形成方法
EP1752218A2 (en) 1998-11-20 2007-02-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Sol of a modified photocatalyst
WO2009139476A1 (ja) * 2008-05-16 2009-11-19 旭硝子株式会社 重合性化合物、光硬化性組成物、光学素子および光ヘッド装置
WO2010110166A1 (ja) 2009-03-25 2010-09-30 ダイキン工業株式会社 低汚染性常温硬化型塗料組成物
WO2010114018A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 ダイキン工業株式会社 常温硬化性樹脂塗料組成物
JP2016179835A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 東洋インキScホールディングス株式会社 Ptp包装用蓋材用コート剤組成物、及びそれを用いたptp包装体
WO2018181427A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 日東電工株式会社 遮熱断熱基板

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053890A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Nippon Paint Co Ltd 水性塗料組成物
EP1752218A2 (en) 1998-11-20 2007-02-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Sol of a modified photocatalyst
EP1752217A2 (en) 1998-11-20 2007-02-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Sol of a modified photocatalyst
JP2000178472A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Daikin Ind Ltd 含フッ素樹脂粉体塗料用組成物
JP2003535160A (ja) * 2000-05-02 2003-11-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 接着シート及び接着構造体
JP4700846B2 (ja) * 2001-06-26 2011-06-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 接着シート、及びマーキングフィルム
JP2003027016A (ja) * 2001-06-26 2003-01-29 Three M Innovative Properties Co 接着シート、及びマーキングフィルム
JP2004105883A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒体
JP2006076184A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Diatex Co Ltd 防汚性シート
JP2006152080A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nippon Paint Co Ltd 弱溶剤型フッ素樹脂系塗料組成物および塗膜形成方法
WO2009139476A1 (ja) * 2008-05-16 2009-11-19 旭硝子株式会社 重合性化合物、光硬化性組成物、光学素子および光ヘッド装置
US8211990B2 (en) 2008-05-16 2012-07-03 Asahi Glass Company, Limited Polymerizable compound, photocurable composition, optical element and optical head device
WO2010110166A1 (ja) 2009-03-25 2010-09-30 ダイキン工業株式会社 低汚染性常温硬化型塗料組成物
WO2010114018A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 ダイキン工業株式会社 常温硬化性樹脂塗料組成物
JP2016179835A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 東洋インキScホールディングス株式会社 Ptp包装用蓋材用コート剤組成物、及びそれを用いたptp包装体
WO2018181427A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 日東電工株式会社 遮熱断熱基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3581776B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5635572A (en) Topcoating composition and film-forming process by use of the same
JP3581776B2 (ja) 耐汚れ性に優れた塗膜形成方法
JP2863076B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JP4771716B2 (ja) 水性下塗材組成物及びその塗装方法
JP3851282B2 (ja) 塗料組成物
JP2000204285A (ja) 水性シ―ラ―及び窯業系基材のインライン塗装方法
JP3482569B2 (ja) 塗料用樹脂組成物、及び耐汚染性に優れた塗膜の形成方法
KR19980018050A (ko) 열경화성 수지 조성물
JPH09176488A (ja) 架橋型重合体分散液
JPS62187749A (ja) 架橋性樹脂組成物
JP3262658B2 (ja) 建築外装用汚れ防止上塗り塗膜の形成方法
JPH03215544A (ja) 耐候性塗料組成物
JPH0812942A (ja) 上塗り塗料組成物及びその塗膜形成方法
JP4119014B2 (ja) 上塗り塗料組成物及びその塗膜の形成方法
JP3378665B2 (ja) 低温硬化性艶消しアニオン電着塗料組成物及び塗膜形成方法
JPH02245067A (ja) 撥水性塗料組成物
JPH06128533A (ja) 上塗り用硬化性樹脂組成物
JP3338691B2 (ja) 二液型被覆組成物
JPH1134213A (ja) 親水化フィルム及びその製造方法
JPH05247402A (ja) 自動車プラスチック部材用塗料
JPH0639349A (ja) 塗装仕上げ方法
JPH09221618A (ja) 撥水コーティング用樹脂組成物
JP2865890B2 (ja) 上塗りクリヤー塗料組成物及び塗装方法
JPH0632824A (ja) 被膜形成可能なキレート形成性樹脂
JP2975055B2 (ja) 自動車外板つや消し塗装仕上げ法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040326

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040726

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term