JPH1134213A - 親水化フィルム及びその製造方法 - Google Patents

親水化フィルム及びその製造方法

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JPH1134213A
JPH1134213A JP9191702A JP19170297A JPH1134213A JP H1134213 A JPH1134213 A JP H1134213A JP 9191702 A JP9191702 A JP 9191702A JP 19170297 A JP19170297 A JP 19170297A JP H1134213 A JPH1134213 A JP H1134213A
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powder
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JP9191702A
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Yorio Doi
依男 土居
Naoya Haruta
直哉 春田
Hiroaki Goto
宏明 後藤
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種プラスチックフィルム表面に親水性塗膜を
形成して、特に屋外の汚染物等の付着を長期にわたって
防止し得る親水化フィルム及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】プラスチックフィルム表面に、全塗料固形
分100重量部中、(A)珪素原子に直接結合するアル
コキシル基を、樹脂成分中に0.1〜70重量%含有す
る樹脂成分35〜95重量部、および(B)二酸化チタ
ン及び酸化亜鉛粉末から選ばれる少なくとも1種の光触
媒活性を有する粉末5〜65重量部、ならびに必要に応
じて、(C)上記粉末(B)以外の顔料60重量部以
下、を含有する塗料組成物を塗装して親水性塗膜層を設
けてなる親水化フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラスチック
フィルム表面に親水性塗膜を形成して、特に屋外の汚染
物等の付着を長期にわたって防止し得る親水化フィルム
及びその製造方法に関する。本発明の被覆フィルムは、
ラミネ−ト鋼板用として、また粘着層を設け対象物に貼
付ける貼着シ−ト等としても用いることができる。
【0002】
【従来技術及びその課題】プラスチックフィルムは、各
種用途に応じて多様な材質のものが製造されており、例
えば表面被覆に利用されるものとしては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ
エチレンテレフタレ−ト(PET)、エチレン・テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフ
ルオロエチレン・パ−フルオロプロポキシビニルエ−テ
ル共重合体(PFA)等が挙げられ、一般包装材料まで
用途を拡げると、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリカ−ボネ−ト(PC)、ポリビニルアルコ−ル
(PVA)、エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体(E
VOH)等が挙げられる。
【0003】近年、ラミネ−ト鋼板や化粧板等の外装建
材用途や、窓ガラス等への貼着シ−ト、農業用ビニルハ
ウス等の用途などでは、プラスチックフィルムの機能と
して耐汚染性、防曇性等が要求され、それに伴ってフィ
ルム表面に親水性を付与する処理が行われている。
【0004】プラスチックフィルム自体ではPVAフィ
ルムが最も親水性であるが、これをそのまま用いるとフ
ィルム全体が吸水し屋外用途では乾湿の影響で急速に劣
化してしまう。またEVOHフィルムでも親水性は不十
分である。そこでプラスチックフィルム表面を親水化す
る手段としては、従来、プラズマ処理、コロナ処理等の
表面処理や、フィルム上に更に親水性を有する塗膜を形
成する方法などが知られている。
【0005】従来、親水性塗膜を形成して耐暴露汚染性
等を向上させる方法としては、例えば、塗膜中にエチル
シリケートオリゴマーを混入させておき、表面に滲出し
たエチルシリケートオリゴマーを雨、空気中の水分など
によって加水分解しシラノール基を生成させて塗膜表面
を親水化する方法(第1の方法)、アルコキシシリル基
を有する樹脂を含有する塗料塗膜を沸騰水又は硫酸など
の強酸と接触させてアルコキシシリル基を加水分解して
シラノール基を生成させて塗膜表面を親水化する方法
(第2の方法)、それ自身親水性の高いポリビニルアル
コ−ル及びコロイダルシリカを主成分とする塗膜を形成
する方法(第3の方法)などが知られている。
【0006】しかしながら、上記第1の方法において
は、塗膜表面が親水化するまでに屋外放置で3〜6ヶ月
間を必要とし、それまでは表面が疎水性で表面の耐暴露
汚染性が悪く、表面に顕著な汚れを生じやすいという問
題がある。
【0007】また上記第2の方法においては、親水化処
理するための工程が余分に必要になり、設備負担、エネ
ルギー負担が大きくなり、また酸を使用する場合には廃
酸の処理が必要となるという問題も発生する。第3の方
法においても塗膜全体が吸水し屋外用途では乾湿の影響
で劣化が早いという問題がある。
【0008】本発明の目的は、余分な工程を必要とする
ことなく、屋外での使用における早い時期から塗膜表面
を親水化できて耐暴露汚染性に優れ、かつ耐久性等の塗
膜性能も良好な塗膜をプラスチックフィルム表面に形成
し、長期にわたって親水性を維持し得る親水化フィルム
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討の結果、珪素原子に直接結合
するアルコキシル基を含有する樹脂成分に、光触媒活性
を有する特定の粉末を配合した塗料をプラスチックフィ
ルム上に塗装することによって上記目的を達成し得るこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、プラスチックフィルム
表面に、全塗料固形分100重量部中、(A)珪素原子
に直接結合するアルコキシル基を、樹脂成分中に0.1
〜70重量%含有する樹脂成分35〜95重量部、およ
び(B)二酸化チタン及び酸化亜鉛粉末から選ばれる少
なくとも1種の光触媒活性を有する粉末5〜65重量
部、ならびに必要に応じて、(C)上記粉末(B)以外
の顔料60重量部以下、を含有する塗料組成物を塗装し
て親水性塗膜層を設けてなることを特徴とする親水化フ
ィルム、及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法に使用される塗料組成
物中の各成分について、以下に述べる。
【0012】塗料用樹脂成分(A) 塗料用樹脂成分(A)は、本発明塗料組成物のバインダ
ー成分であり、この樹脂成分中に、珪素原子に直接結合
するアルコキシル基を、0.1〜70重量%、好ましく
は30〜70重量%含有するものであり、この条件を満
たす塗料用の樹脂成分であれば特に制限なく使用するこ
とができる。
【0013】樹脂成分(A)の具体例としては例えば下
記(1)〜(5)を挙げることができる。
【0014】(1)水酸基含有有機樹脂(a)、ポリエ
ポキシド(b)及び下記示性式[1]で表され、かつ1
分子中に珪素原子を1〜20個有する珪素化合物(c)
からなる樹脂成分。
【0015】 SiO(4-(a+b))/2 (OR1 a (OR2 b [1] (式中、R1 は炭素原子数1〜3のアルキル基を、R2
は、水素原子、アリール基、アラルキル基、炭素原子数
4〜8のアルキル基、又はエーテル結合及び/又はエス
テル結合を含有する炭素原子数4〜24の1価の炭化水
素基を表す。aは0.10〜4.00、bは0〜1.9
5の数を表し、aとbとの和は4以下である)(2)ア
ルコキシシリル基含有ビニル単量体とエポキシ基含有ビ
ニル単量体と、必要に応じて他の単量体とを単量体成分
とする共重合体(d)、(3)アルコキシシリル基含有
ポリマー(e)及びポリエポキシド(b)を含有する樹
脂成分、(4)水酸基含有有機樹脂(a)、上記珪素化
合物(c)及び架橋剤(f)を含有する樹脂成分、
(5)アルコキシシリル基含有ポリマー(e)及び架橋
剤(f)を含有する樹脂成分。
【0016】上記(1)〜(3)の樹脂成分について
は、樹脂成分中のエポキシ基とアルコキシシリル基(ア
ルコキシシリル基が加水分解したシラノール基)との反
応を促進するために硬化触媒として、アルミニウムキレ
ート化合物、チタニウムキレート化合物、ジルコニウム
キレート化合物及び錫キレート化合物から選ばれる少な
くとも1種のキレート化合物を含有することが好まし
い。上記キレート化合物の配合量は、樹脂固形分100
重量部に対して0.2〜5重量%の範囲とすることが好
適である。
【0017】上記(1)〜(5)の樹脂成分における各
成分について以下に説明する。
【0018】水酸基含有有機樹脂(a) 水酸基含有有機樹脂(a)としては、水酸基を含有する
塗料用の有機樹脂であれば特に制限なく使用でき、例え
ば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げること
ができる。アクリル樹脂はウレタン変性などの変性をさ
れたものであってもよく、ポリエステル樹脂は、オイル
フリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、ウレタ
ン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂な
どのいずれであってもよい。この樹脂(a)は、数平均
分子量が1,000〜100,000、水酸基価が2〜
200mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0019】ポリエポキシド(b) ポリエポキシド(b)は、1分子中に少なくとも平均2
個以上のエポキシ基を有する化合物であり、エポキシ当
量が60〜10,000であることが好ましく、65〜
4,000であることがさらに好ましく、数平均分子量
が120〜20,000であることが好ましく、240
〜8,000の範囲のものがさらに好ましい。
【0020】ポリエポキシド(b)の具体例としては、
例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等
の脂環式エポキシ基含有モノマー等のラジカル重合性エ
ポキシモノマーと、必要に応じて、炭素原子数1〜24
個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
ト、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アル
キル(メタ)アクリレート、その他のビニルモノマーを
重合して得られる重合体;ジグリシジルエーテル、2,
6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテルなどのグ
リシジルエーテル化合物;ビニルシクロヘキセンジオキ
サイドなどのグリシジル基及び脂環式エポキシ基含有化
合物;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エ
ポリードGT300、同GT301、同GT302、同
GT303、同GT400、同GT401、同GT40
2、同GT403(上記エポリードシリーズはいずれも
ダイセル化学工業社製、多官能脂環式エポキシ化合
物)、セロキサイド2081、同2082、同2083
(以上、いずれもダイセル化学工業社製、開環ε−カプ
ロラクトン鎖含有多官能脂環式エポキシ化合物)などの
脂環式エポキシ基含有化合物;「エピコート1001」
(油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂などが包含される。
【0021】珪素化合物(c) 珪素化合物(c)は、樹脂成分中の水酸基やエポキシ基
と反応する成分であり、下記示性式[1]で表され、か
つ1分子中に珪素原子を1〜20個有する珪素化合物で
ある。
【0022】 SiO(4-(a+b))/2 (OR1 a (OR2 b [1] (式中、R1 は炭素原子数1〜3のアルキル基を、R2
は、水素原子、アリール基、アラルキル基、炭素原子数
4〜8のアルキル基、又はエーテル結合及び/又はエス
テル結合を含有する炭素原子数4〜24の1価の炭化水
素基を表す。aは0.10〜4.00、bは0〜1.9
5の数を表し、aとbとの和は4以下である) 珪素化合物(c)において、(OR1 )は、珪素原子に
直接結合する基であって、炭素原子数1〜3のアルコキ
シル基を表す。炭素原子数1〜3のアルコキシル基とし
ては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ基を挙げることができる。珪素原子に直接結合す
る(OR1 )基は加水分解することによってシラノール
基を生成する。
【0023】珪素化合物(c)において、(OR2 )で
表される基の具体例としては、ブトキシ、ペントキシ、
ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、デシルオキシ、
ステアリルオキシ、シクロヘキシルオキシなどの直鎖
状、分岐鎖状又は環状のアルコキシル基;フェノキシ、
トリルオキシなどのアリールオキシ基;ベンジルオキ
シ、フェネチルオキシなどのアラルキルオキシ基;ブト
キシエチルオキシ、フェノキシエチルオキシ、−(C2
4 O)2 −C4 9 で表される基;アセトキシエチル
オキシ、メトキシポリ(オキシエチレン)オキシ基、エ
トキシポリ(オキシエチレン)オキシ基、メトキシポリ
(オキシプロピレン)オキシ基、エチルオキシカルボニ
ルペントキシ基、エチル−ポリ(オキシカルボニルペン
チル)オキシ基などを挙げることができる。
【0024】上記珪素化合物(c)としては、下記式
[2]で表される珪素モノマー;該珪素モノマー同志の
縮合物;上記珪素モノマーと下記式[3]で表されるテ
トラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランの縮
合物との共縮合物;上記テトラアルコキシシラン又はそ
の縮合物と1価の水酸基含有炭化水素類とをエーテル交
換反応させてなる反応生成物及びテトラアルコキシシラ
ン又はその縮合物とラクトン化合物との開環付加反応物
などを挙げることができる。
【0025】 (R1 O)m −Si−(OR2 n [2] (式中、R1 はそれぞれ同一又は異なって前記と同じ意
味を有し、R2 はそれぞれ同一又は異なって前記と同じ
意味を有する。mは2又は3の整数、nは1又は2の整
数を表し、mとnとの合計は4である。) 上記式[2]で表される珪素モノマーの具体例として
は、トリエトキシフェノキシシラン、トリメトキシフェ
ノキシシラン、トリエトキシベンジルオキシシラン、ト
リエトキシ(フェネチルオキシ)シラン、ジエトキシジ
フェノキシシラン、ジメトキシ−ジ(ブトキシエチルオ
キシ)シラン、ジエトキシ−ジ(ブトキシエチルオキ
シ)シラン、トリメトキシ(ブトキシエチルオキシ)シ
ラン、トリエトキシ(ブトキシエチルオキシ)シラン、
ジメトキシ−ジ(フェノキシエチルオキシ)シラン、ジ
エトキシ−ジ(フェノキシエチルオキシ)シラン、トリ
メトキシ(フェノキシエチルオキシ)シラン、トリエト
キシ(フェノキシエチルオキシ)シラン、ジメトキシ−
ジ[2−(アセトキシ)ペンチルオキシ]シラン、ジエ
トキシ−ジ[2−(アセトキシ)ペンチルオキシ]シラ
ン、トリメトキシ−2−(アセトキシ)ペンチルオキシ
シラン、トリエトキシ−2−(アセトキシ)ペンチルオ
キシシラン、ジメトキシ−ジ[2−(エトキシ)ペンチ
ルオキシ]シラン、ジエトキシ−ジ[2−(エトキシ)
ペンチルオキシ]シラン、トリメトキシ−2−(エトキ
シ)ペンチルオキシシラン、トリエトキシ−2−(エト
キシ)ペンチルオキシシランなどを挙げることができ
る。
【0026】 Si−(OR1 4 [3] (式中、R1 は、それぞれ同一又は異なって前記と同じ
意味を有する。) 上記式[3]で表されるテトラアルコキシシランとして
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、
ジメトキシジプロポキシシランなどを挙げることができ
る。
【0027】テトラアルコキシシランの縮合物として
は、市販品として例えば「コルコートES40」(コル
コート社製、商品名、テトラエトキシシランの1〜10
量体、平均約5量体)、「コルコートMS51」(コル
コート社製、商品名、テトラメトキシシランの1〜10
量体、平均約4量体)などを挙げることができる。
【0028】上記珪素モノマー同志の縮合物;上記珪素
モノマーと上記式[7]で表されるテトラアルコキシシ
ラン又はテトラアルコキシシランの縮合物との共縮合物
を得るための(共)縮合反応は常法により行うことがで
きる。例えば所定量の水の存在下で加熱することにより
加水分解縮合することができる。
【0029】テトラアルコキシシラン及び/又はその縮
合物と式R2 OHで表される1価の水酸基含有炭化水素
類(エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでもよ
い)とをエーテル交換反応させることにより(Si−O
1 )結合の一部を(Si−OR2 )結合に置換するこ
とができる。
【0030】上記R2 OHで表される1価の水酸基含有
炭化水素類としては、フェノール;ヘプタノール、オク
タノール、デシルアルコール、ステアリルアルコールな
どのアルカノール、クレゾールなどの水酸基含有アリー
ル化合物;ベンジルアルコールなどのアラルキルアルコ
ールなどの炭素原子数7〜24の1価のアルコール又は
フェノール類;(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)
プロピレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコ
ールの片末端の水酸基を炭素原子数1〜8の1価のアル
カノール、フェノール類又はアラルキルアルコールでエ
ーテル化してなる水酸基含有エーテル化物;エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリ
コールの片末端の水酸基を炭素原子数2〜8のモノカル
ボン酸でエステル化してなる水酸基含有エステル化物;
ε−カプロラクトンなどのラクトン類をアルコール類を
開始剤として開環し、必要に応じて重合してなる水酸基
含有エステル化物;前記ポリアルキレングリコールの片
末端の水酸基を炭素原子数2〜8のモノカルボン酸でエ
ステル化してなるエーテル結合及びエステル結合を有す
る水酸基含有化合物などを挙げることができる。
【0031】テトラアルコキシシラン及び/又はその縮
合物と上記1価の水酸基含有炭化水素類との反応は、常
法により、例えば、これらの成分を混合して又は前者に
後者を滴下しながら、必要に応じてトリス(アセチルア
セトナト)アルミニウム、n−ブチル錫トリオクタノエ
ートなどのエーテル交換触媒の存在下で、約80℃〜2
00℃で加熱、反応させることにより行うことができ
る。
【0032】前記テトラアルコキシシラン及び/又はそ
の縮合物とラクトン化合物とを開環付加反応させること
により(Si−OR1 )結合の一部を開環したエステル
基を有する(Si−OR2 )結合に置換することができ
る。
【0033】上記ラクトン化合物としては、δ−バレロ
ラクトン、ε−カプロラクトン、ξ−エナラクトン、η
−カプリロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロ
ラクトン、ε−エナラクトン、ξ−カプリロラクトンな
どが挙げられ、なかでもε−カプロラクトンが好まし
い。
【0034】テトラアルコキシシラン及び/又はその縮
合物と上記ラクトン化合物との開環付加反応は、両者を
混合して、又は前者に後者を滴下しながら、常法によっ
て行うことができる。
【0035】共重合体(d) 共重合体(d)は、アルコキシシリル基含有ビニル単量
体とエポキシ基含有ビニル単量体と、必要に応じて他の
ビニル単量体とを単量体成分とする共重合体である。
【0036】上記アルコキシシリル基含有ビニル単量体
としては、例えば下記一般式[3]で表される化合物を
挙げることができる。
【0037】
【化1】
【0038】(式中、Aは、−C(O)O−又はフェニ
レン基を、R3 は水素原子又はメチル基を、R4 は炭素
原子数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を、R5 は同一
又は異なってフェニル基、炭素原子数1〜6のアルキル
基、炭素原子数1〜6のアルコキシル基又は水酸基を、
6 は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を、
nは1〜20の整数を示す。)上記アルコキシシリル基
含有ビニル単量体の具体例としては、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロ
イルオキシエチルトリメトキシシラン、β−アクリロイ
ルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−(ト
リメトキシシリルプロピル)−α−メチルスチレン、p
−(トリメトキシシリルプロピル)スチレンなどを挙げ
ることができる。
【0039】また上記アルコキシシリル基含有ビニル単
量体としては、上記一般式[3]で表される化合物と下
記一般式[4]で表される化合物とを反応させて得られ
るポリシロキサン系マクロモノマーを挙げることができ
る。
【0040】
【化2】
【0041】(式中、R7 は炭素原子数1〜8の脂肪族
炭化水素基又はフェニル基を、R8 は同一又は異なって
水酸基又は炭素原子数1〜4のアルコキシル基を示
す。) 上記一般式[4]で表される化合物としては、例えば、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリヒド
ロキシシラン、エチルトリヒドロキシシランなどを挙げ
ることができる。
【0042】共重合体(d)において、珪素原子に直接
結合するアルコキシル基の量は、1〜10当量/kgで
あることが好ましく、エポキシ基の量は、0.2〜6当
量/kgであることが好ましい。
【0043】アルコキシシリル基含有ポリマー(e) アルコキシシリル基含有ポリマー(e)は、加水分解し
てシラノール基を生成するアルコキシシリル基を含有す
るポリマーであれば特に制限なく使用することができ
る。
【0044】アルコキシシリル基含有ポリマー(e)の
代表例としては、前記共重合体(d)の単量体成分であ
るアルコキシシリル基含有ビニル単量体と他のビニル単
量体とを単量体成分とする共重合体を挙げることができ
る。
【0045】アルコキシシリル基含有ポリマー(e)に
おいて、珪素原子に直接結合するアルコキシル基の量
は、1〜10当量/kgであることが好ましい。
【0046】架橋剤(f) 架橋剤(f)は、アミノ樹脂及びポリイソシアネート化
合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤であって、前
記水酸基含有有機樹脂(a)又はアルコキシシリル基含
有ポリマー(e)と反応して架橋に寄与する。
【0047】上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるア
ルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げ
られる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なア
ルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂とし
て使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0048】上記ポリイソシアネート化合物は、フリー
のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
であってもイソシアネート基をブロック化剤によってブ
ロック化ししたものであってもよい。
【0049】上記ブロック化する前のポリイソシアネー
ト化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレ
ンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネー
トの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイ
ソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有
機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジ
イソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステ
ル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き
各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソ
シアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0050】イソシアネート基をブロックするブロック
化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレ
ノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−
バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどラクタム系;
メタノール、エタノール、n−又はi−プロピルアルコ
ール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベ
ンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキ
シム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチ
ルケトキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサ
ンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン
酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、ア
セチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化
剤を好適に使用することができる。
【0051】上記フリーのイソシアネート基を有するポ
リイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合す
ることによって容易にイソシアネート基をブロックする
ことができる。
【0052】前記樹脂成分(1)〜(3)において、珪
素原子に直接結合するアルコキシル基の量は、1〜10
当量/kgであることが好ましく、エポキシ基の量は、
0.2〜6当量/kgであることが好ましい。樹脂成分
(1)及び(3)において珪素原子に直接結合するアル
コキシル基の量及びエポキシ基の量が上記範囲内となる
ように配合することが好適である。
【0053】樹脂成分(1)において、水酸基含有有機
樹脂(a)、ポリエポキシド(b)及び珪素化合物
(c)の配合割合は、(a)、(b)及び(c)成分の
合計量に対して、通常、下記の範囲内であることが好適
である。
【0054】 水酸基含有有機樹脂(a):5〜94重量%、さらには14〜75重量%、 ポリエポキシド(b) :5〜94重量%、さらには10〜75重量%、 珪素化合物(c) :0.1〜50重量%、さらには0.5〜30重量%。
【0055】樹脂成分(3)において、アルコキシシリ
ル基含有ポリマー(e)及びポリエポキシド(b)の配
合割合は、(e)及び(b)成分の合計量に対して、通
常、下記の範囲内であることが好適である。
【0056】 ポリマー(e) :6〜95重量%、さらには25〜90重量%、 ポリエポキシド(b):5〜94重量%、さらには10〜75重量%。
【0057】前記樹脂成分(4)及び(5)において、
珪素原子に直接結合するアルコキシル基の量は、1〜1
5当量/kgであることが好ましい。樹脂成分(4)及
び(5)において珪素原子に直接結合するアルコキシル
基の量が上記範囲内となるように配合することが好適で
ある。
【0058】樹脂成分(4)において、水酸基含有有機
樹脂(a)、珪素化合物(c)及び架橋剤(f)の配合
割合は、(a)、(c)及び(f)成分の合計量に対し
て、通常、下記の範囲内であることが好適である。
【0059】 水酸基含有有機樹脂(a):5〜94重量%、さらには14〜75重量%、 珪素化合物(c) :0.1〜50重量%、さらには0.5〜30重量%、 架橋剤(f) :5〜45重量%、さらには10〜35重量%。
【0060】樹脂成分(5)において、アルコキシシリ
ル基含有ポリマー(e)及び架橋剤(f)の配合割合
は、(e)及び(f)成分の合計量に対して、通常、下
記の範囲内であることが好適である。
【0061】 ポリマー(e):55〜95重量%、さらには65〜90重量%、 架橋剤(f) :5〜45重量%、さらには10〜35重量%。
【0062】光触媒活性を有する粉末 本発明において、光触媒活性を有する粉末として使用さ
れる二酸化チタンとしては、光触媒活性を有するもので
あれば特に制限なく使用することができるが、好適なも
のとして、アナターゼ型二酸化チタンを挙げることがで
きる。好適なアナターゼ型二酸化チタンの市販品として
は、例えば、石原テクノ(株)製の、ST−01、ST
−21、ST−31などを挙げることができる。
【0063】また、光触媒活性を有する粉末として使用
される酸化亜鉛としては、光触媒活性を有するものであ
れば特に制限なく使用することができ、好適な市販品と
して、例えば、堺化学(株)製の、亜鉛華1号特製を挙
げることができる。
【0064】上記光触媒活性を有する粉末は、太陽光や
人工照明光などの紫外線、例えば、波長400nm以下
の紫外線、好ましくは波長285nm〜380nmの光
を吸収することによって励起して正孔(ホール)やOH
ラジカルを発生し、これらが強い酸化性能を示し、空気
中の窒素酸化物と接触することによって窒素酸化物を酸
化して硝酸に変化させ、また空気中の亜硫酸ガスなどの
硫黄化合物と接触することによって硫酸に変化させるこ
とができる。生成した硝酸や硫酸は、塗膜におけるアル
コキシシリル基の加水分解触媒として働き、アルコキシ
シリル基を屋外での使用における早い時期から効果的に
シラノール基に変化させ、塗膜表面を親水化することが
できる。塗膜表面が親水化されることによって、塗膜表
面の汚れが雨水などによって洗い流されやすくなり、塗
膜は良好な耐暴露汚染性を示すことができる。
【0065】上記光触媒活性を有する粉末の配合量は、
塗料組成物の全固形分100重量部中、5〜65重量部
であることが好ましく、10〜50重量部の範囲である
ことがさらに好ましい。
【0066】上記塗料組成物は、前記樹脂成分(A)及
び光触媒活性を有する粉末(B)を必須成分とし、必要
に応じて、通常、塗料工業において使用されている、上
記粉末(B)以外の顔料;充填剤、流動性調整剤などの
添加剤などを配合することができる。
【0067】上記粉末(B)以外の顔料としては、着色
顔料、体質顔料、防錆顔料が挙げられ、顔料の配合量
は、塗料組成物の全固形分100重量部中、60重量部
以下である。顔料の配合量が60重量部を超えると得ら
れる被膜の可撓性が低下しやすくなるという問題があ
る。
【0068】本発明では、プラスチックフィルム表面
に、上記塗料組成物をスプレー、刷毛、ローラー、ナイ
フコ−タ−、リップコ−タ−、グラビアコ−タ−など従
来公知の手段によって塗装して塗膜層を設けるものであ
る。塗膜層の膜厚は特に限定されるものではないが、通
常、乾燥膜厚で0.5〜200ミクロン、好ましくは3
〜100ミクロンの範囲であることが好適である。また
塗膜層は、常温又は80〜200℃で約20秒〜60分
間程度焼付ける(熱風又は赤外線加熱)ことにより硬化
させることもできる。
【0069】上記プラスチックフィルムとしては、その
材質を問わず従来公知のものが使用でき、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化
ビニル(PVF)、ポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(E
TFE)、ポリテトラフルオロエチレン・パ−フルオロ
プロポキシビニルエ−テル共重合体(PFA)、ナイロ
ン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカ−ボネ−ト
(PC)、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、エチレン
・ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)、ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリアセタ−ル、AS樹脂、ABS樹脂、メラ
ミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑型プラスチックもしく
は架橋型プラスチックフィルムなどを挙げることができ
る。またこれらプラスチックフィルムは紫外線吸収剤、
充填剤、熱安定剤などを含むものであってもよい。
【0070】また塗装に先立って、該プラスチックフィ
ルム表面をコロナ放電などによる表面処理を施しておい
てもよい。さらに必要に応じてプライマ−塗装、着色塗
装などの下地塗装を施しておいてもよい。
【0071】上記の通り製造される本発明の親水化フィ
ルムは、光による光触媒活性を有する粉末の作用が塗膜
層のごく表面で起こり、塗膜表面から塗膜内部に徐々に
アルコキシシリル基の加水分解による親水化が進行する
ため、長期に親水性を維持でき、しかも光触媒活性を有
する粉末がプラスチックに有害な紫外光を吸収するため
フィルムの劣化を防止するので、耐光性に劣るPETな
どのプラスチックフィルムも屋外用途に利用可能とな
る。
【0072】本発明の親水化フィルムを外装建材用途な
どの屋外用途に供すると、親水性塗膜層によって汚れが
雨水などによって洗い流されやすくなり、良好な耐暴露
汚染性を示すものである。
【0073】屋外暴露による塗膜層の汚れの評価方法
は、例えば、鋼橋塗装 Vol.21 No.4に建設省土木研究
所、片脇氏らによって記載されており、目視官能評価と
最も高い相関性を示したのは、明度差の測定結果であ
り、汚れを定量的に評価する方法として明度差(Δ
* )が最もよいことが記載されている。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0075】以下、「部」及び「%」は、それぞれ重量
基準によるものとする。
【0076】樹脂溶液の製造 製造例1 加熱、保持したエチレングリコールモノエチルエーテル
100部中で、スチレン30部、メチルメタクリレート
30部、エチルアクリレート30部及び2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート10部のモノマー混合物を重合開
始剤の存在下にて重合して固形分50%のアクリル樹脂
溶液(1)を得た。得られた樹脂溶液(1)の樹脂固形
分は、数平均分子量約2,000、水酸基価43mgK
OH/gを有していた。
【0077】製造例2 テトラエチルシリケートを、加水分解触媒である塩酸、
少量の水及びエタノールの存在下に加水分解縮合して、
固形分50%のエチルシリケート縮合体溶液(2)を得
た。得られた縮合体溶液(2)のエチルシリケート縮合
体は平均約4量体であり、示性式 Si(OC2 5
1.5 (OH)0.5 で表されるものであり、珪素原子に
直接結合するエトキシ基の量は12.5当量/kgであ
った。
【0078】製造例3 加熱、保持したエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート100部中で、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン20部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート5部、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレート20部、スチレン15部、メチ
ルメタクリレート10部及びエチルアクリレート30部
のモノマー混合物を重合開始剤の存在下にて重合して固
形分50%のアクリル樹脂溶液(3)を得た。得られた
樹脂溶液(3)の樹脂固形分は、数平均分子量約6,0
00であり、エポキシ基量1.1当量/kg、珪素原子
に直接結合するメトキシ基量2.9当量/kgを有して
いた。
【0079】製造例4 加熱、保持したエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート100部中で、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン48部、エチルアクリレート
40部、メチルメタクリレート10部及びアクリル酸2
部のモノマー混合物を重合開始剤の存在下にて重合して
固形分50%のアクリル樹脂溶液(4)を得た。得られ
た樹脂溶液(4)の樹脂固形分は、数平均分子量約6,
000であり、珪素原子に直接結合するメトキシ基量
7.0当量/kgを有していた。
【0080】塗料組成物の作成 作成例1 製造例1で得た固形分50%のアクリル樹脂溶液(1)
を48部(固形分量で24部)、「ST−01」(石原
テクノ(株)製、光触媒活性を有するアナターゼ型二酸
化チタン)40部及びシクロヘキサノン52部を配合
し、ファイネスゲージでのツブが10μm以下となるよ
うに顔料を分散した。得られた分散物140部に、「エ
ピコート1001」(油化シェルエポキシ(株)製、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約49
0)20部、製造例2で得た固形分50%の縮合体溶液
(2)48部(固形分量で24部)及び硬化触媒である
ベンゾイルアセトナト・ビス(アセチルアセトナト)ア
ルミニウム1部を混合、撹拌して塗料を得た。
【0081】作成例2 製造例3で得た固形分50%のアクリル樹脂溶液(3)
を110部(固形分量で55部)、「ST−01」23
部、「亜鉛華1号特製」(堺化学(株)製、光触媒活性
を有する亜鉛華)22部及びシクロヘキサノン50部を
配合し、顔料を分散させてファイネスゲージでのツブが
10μm以下となるように分散した。得られた分散物2
05部に、硬化触媒であるベンゾイルアセトナト・ビス
(アセチルアセトナト)アルミニウム0.5部を混合、
撹拌して塗料を得た。
【0082】作成例3 作成例1において、「エピコート1001」20部のか
わりに、「タケネートB87X−M」(武田薬品工業
(株)製、イソホロンジイソシアネートのオキシムブロ
ック体溶液)33部(固形分量で20部)及びジブチル
錫ジラウレート1部を使用する以外は作成例1と同様に
行い塗料を得た。
【0083】作成例4 製造例4で得た固形分50%のアクリル樹脂溶液(4)
を98部(固形分量で49部)、「ST−01」35部
及びシクロヘキサノン37部を配合し、顔料を分散させ
てファイネスゲージでのツブが10μm以下となるよう
に分散した。得られた分散物170部に、「エピコート
1001」16部及びベンゾイルアセトナト・ビス(ア
セチルアセトナト)アルミニウム1部を混合、撹拌して
塗料を得た。
【0084】比較作成例1 アルキド・メラミン樹脂塗料クリヤ「アミラックNo.
1000クリヤ」(関西ペイント(株)製)にエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテートを混合して、
樹脂固形分50%のクリヤ塗料を得た。このクリヤ塗料
120部(固形分量で60部)に「ST−01」40部
を加え、ファイネスゲージでのツブが10μm以下とな
るように顔料を分散させて塗料を得た。
【0085】比較作成例2 作成例2において、顔料分である「ST−01」23部
及び「亜鉛華1号特製」22部のかわりに、「チタン白
JR603」((株)テイカ製、光触媒活性を有さない
チタン白顔料)45部を使用する以外は作成例2と同様
に行い塗料を得た。
【0086】比較作成例3 製造例3で得た固形分50%のアクリル樹脂溶液(3)
を60部(固形分量で30部)、「チタン白JR60
3」30部及びシクロヘキサノン50部を配合し、顔料
を分散させてファイネスゲージでのツブが10μm以下
となるように分散した。得られた分散物140部に、製
造例2で得た固形分50%の縮合体溶液(2)80部
(固形分量で40部)及び硬化触媒であるベンゾイルア
セトナト・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム2
部を混合、撹拌して塗料を得た。
【0087】比較作成例4 「デンカポバ−ルK−05」(電気化学工業(株)製、
完全ケン化型ポリビニルアルコ−ル)57部、「スノ−
テックスN」(日産化学(株)製、コロイダルシリカ水
分散液、固形分20%)200部、「エパン610」
(第一工業製薬(株)製、ノニオン系界面活性剤)3
部、及び脱イオン水を適宜配合し混合撹拌して、固形分
約16%の塗料を得た。
【0088】親水化フィルムの製造 実施例1〜4及び比較例1〜4 上記作成例で得た塗料〜を、表1に示すプラスチッ
クフィルムに対して乾燥膜厚で10μmとなるようリッ
プコ−タ−にて塗布し、同表に示す乾燥条件で焼き付け
て各親水化フィルムを製造した。
【0089】アルキド・メラミン樹脂塗料「アミラック
No.1000(白)」(関西ペイント(株)製)が塗
装されてなる鋼板の白色塗装面に、上記で得られた各親
水化フィルムの非塗装面を塗布量50g/m2 の接着剤
(セメダイン社製、「速乾Gクリヤ」)層を介して貼り
合わせて各試験板を作成し、これを下記試験に供した。
結果を表2に示す。
【0090】試験方法 初期塗板の水接触角:塗装直後の塗装板を温度20℃、
湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、塗装板の
塗膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、
水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクタングルメ
ータDCAA型にて測定した。接触角が小さくなると親
水性が強くなる。
【0091】屋外暴露性:関西ペイント(株)東京工
場、南面30度の角度に塗装板を設置し、屋外暴露試験
を行った。屋外暴露3日後、3ケ月後、6ケ月後及び2
4ケ月後の塗装板の塗膜表面について、(1)塗膜表面
外観、(2)水との接触角及び(3)暴露汚染性につい
て評価を行った。
【0092】(1)塗膜表面外観:塗膜表面外観を目視
にて下記基準により評価した。
【0093】 ○:チョーキングなどの塗面不良がみられない △:少しチョーキングがみられる ×:かなりの又は著しいチョーキングがみられる (2)水接触角:塗膜面を水洗し、上記初期塗板の水と
の接触角の試験方法と同様に水滴の接触角を測定した。
【0094】(3)暴露汚染性:暴露した塗装板の暴露
汚染性を目視で、及び暴露していない初期塗板との明度
差(CIE表色系における明度差ΔL* 値)で評価し
た。ΔL* 値が大きいほど汚れが目立つ。目視による評
価は下記基準にて行った。
【0095】 ○:塗面がほとんど汚れていない(ΔL* 値が3未満程
度) △:塗面が少し汚れている(ΔL* 値が3以上、10未
満程度) ×:塗面が著しく汚れている(ΔL* 値が10以上程
度)
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、アルコキシシリル基を
含有する樹脂成分及び光触媒活性を有する粉末を含有す
る塗料をプラスチックフィルムに塗布することにより親
水化フィルムが得られ、該フィルムは、屋外での使用に
おける早い時期から塗膜表面が親水化し、塗膜表面の汚
れが雨水などによって洗い流されやすくなり、良好な耐
暴露汚染性を長期にわたって示すものである。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDT

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム表面に、全塗料固
    形分100重量部中、(A)珪素原子に直接結合するア
    ルコキシル基を、樹脂成分中に0.1〜70重量%含有
    する樹脂成分35〜95重量部、および(B)二酸化チ
    タン及び酸化亜鉛粉末から選ばれる少なくとも1種の光
    触媒活性を有する粉末5〜65重量部、ならびに必要に
    応じて、(C)上記粉末(B)以外の顔料60重量部以
    下、を含有する塗料組成物を塗装して親水性塗膜層を設
    けてなることを特徴とする親水化フィルム。
  2. 【請求項2】 樹脂成分(A)において、珪素原子に直
    接結合するアルコキシル基の少なくとも一部が、アルキ
    ルシリケート又はアルキルシリケートオリゴマーによる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の親水化フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 光触媒活性を有する粉末が、粒子径0.
    2μm以下の超微粒子アナターゼ型二酸化チタンである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の親水化フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルム表面に、全塗料固
    形分100重量部中、(A)珪素原子に直接結合するア
    ルコキシル基を、樹脂成分中に0.1〜70重量%含有
    する樹脂成分35〜95重量部、および(B)二酸化チ
    タン及び酸化亜鉛粉末から選ばれる少なくとも1種の光
    触媒活性を有する粉末5〜65重量部、ならびに必要に
    応じて、(C)上記粉末(B)以外の顔料60重量部以
    下、を含有する塗料組成物を塗装して塗膜層を設け、該
    塗膜層が光により親水性となる親水化フィルムの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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