JPH1071122A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置

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JPH1071122A
JPH1071122A JP9137527A JP13752797A JPH1071122A JP H1071122 A JPH1071122 A JP H1071122A JP 9137527 A JP9137527 A JP 9137527A JP 13752797 A JP13752797 A JP 13752797A JP H1071122 A JPH1071122 A JP H1071122A
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吉田  誠
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宗央 中尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検眼を所定の位置に容易にアライメントで
きる。 【解決手段】 検査または測定を行うための測定手段を
有し該測定手段を被検眼に対して所定の位置関係に位置
合わせする眼科装置において、前記測定手段を被検眼に
対して相対移動する移動手段と、被検眼の角膜周辺に複
数のアライメント指標を投影するアライメント指標投影
光学系と、投影された指標像を検出するアライメント指
標検出光学系と、検出された指標像の数と位置関係に基
づいて上下左右方向のアライメト状態を判定する判定手
段と、該判定手段の判定結果に基づいて前記移動手段の
移動を指示する指示手段と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検眼に対して装
置を所定の位置関係に位置合わせする眼科装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定
装置や非接触で眼圧を測定する非接触眼圧計等の眼科装
置は、被検眼に対して装置の測定光学系を所定の位置関
係にアライメント調整する必要がある。
【0003】この種の装置のアライメント機構として
は、被検眼の視軸方向からアライメント指標を投影し、
角膜反射により形成される角膜頂点付近の反射輝点をT
Vカメラで撮像して観察用TVモニタに映出すようにし
たものが知られている。検者はレチクルに対して角膜反
射輝点が所定の位置関係になるようして、上下左右方向
のアライメント調整を行う。また、角膜反射輝点にピン
トを合わせることにより作動距離(前後)方向のアライ
メント調整を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなアライメント方法は角膜頂点を基準にしているた
め、角膜頂点が撮像画面から外れると輝点の観察及び検
出ができず、アライメントの検出範囲が必ずしも広いと
はいえなかった。観察用TVモニタ上に輝点が観察でき
ない場合は、被検眼の前眼部像等を手がかりに装置を動
かして輝点が観察できるようにするが、検査に不慣れな
検者では、前眼部像の一部のみでは装置をどの方向に移
動させれば良いのか判然とせず、アライメントに時間が
かかるという問題があった。
【0005】さらに、角膜頂点の輝点の検出情報に基づ
いて駆動手段を制御するアライメント装置の場合には、
角膜頂点の輝点が検出できないと駆動手段を駆動できな
いという欠点があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
アライメントが容易にできる眼科装置を提供することを
技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0008】(1) 検査または測定を行うための測定
手段を有し該測定手段を被検眼に対して所定の位置関係
に位置合わせする眼科装置において、前記測定手段を被
検眼に対して相対移動する移動手段と、被検眼の角膜周
辺に複数のアライメント指標を投影するアライメント指
標投影光学系と、投影された指標像を検出するアライメ
ント指標検出光学系と、検出された指標像の数と位置関
係に基づいて上下左右方向のアライメト状態を判定する
判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて前記移動
手段の移動を指示する指示手段と、を備えることを特徴
とする。
【0009】(2) (1)の指示手段は,前記移動手
段に駆動信号を与える制御手段を持つことを特徴とす
る。
【0010】(3) (1)の眼科装置において、前記
判定手段は、指標像の数と位置関係に基づいて被検眼に
対する前記測定手段の中心軸が位置すべき位置を得る演
算手段と、第1のアライメント許容範囲と該第1のアラ
イメント許容範囲より広く設定された第2のアライメン
ト許容範囲とを持つアライメント許容範囲設定手段とを
備えると共に、前記指示手段は、前記移動手段に駆動信
号を与える制御手段を持ち該制御手段は第2のアライメ
ント許容範囲内に入る移動速度を第1のアライメント許
容範囲内に入る移動速度に対して速くすることを特徴と
する。
【0011】(4) (1)の指標投影光学系は、前記
指標検出光学系の光軸方向から被検眼角膜中心に向けて
指標を投影する第1の指標投影光学系と、被検眼の斜め
方向から角膜周辺に向けて複数の指標を投影する第2の
指標投影光学系を持つことを特徴とする。
【0012】(5) (4)の第2の指標投影光学系
は、被検眼の斜め方向から角膜周辺に向けて少なくとも
2つの指標を投影することを特徴とする。
【0013】(6) (1)の眼科装置は、被検眼前眼
部を観察するための撮像手段と該撮像手段により撮像さ
れた像を表示する表示手段とを備えると共に、前記移動
手段は検者の手動操作により前記測定手段を移動する第
1移動手段と電気的に制御される第2移動手段を持つこ
とを特徴とする。
【0014】(7) (1)の眼科装置は、被検眼前眼
部を観察するための撮像手段と、該撮像手段により撮像
された像を表示する表示手段を備え、前記移動手段は検
者の手動操作により前記測定手段を移動する手動移動手
段を備え、前記指示手段は該手動移動手段による移動方
向を表示する手段を持つことを特徴とする。
【0015】(8) (1)の眼科装置は、さらに作動
距離検出用指標を投影する作動距離指標投影光学系と、
該指標を検査する作動距離指標検出光学系と、該検出結
果に基づいて作動距離のアライメント状態の適否を判定
する作動距離判定手段と、アライメント完了時に瞼が所
定の範囲内にあるかを検知する開瞼検知手段と、前記開
瞼検知手段により開瞼状態が十分であると判断されたと
きに、前記測定手段による測定を作動させるための測定
開始信号を発生する測定開始信号発生手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0016】(9) (8)の開瞼検知手段は、被検眼
角膜の周辺部に開瞼を検出するための指標を投影する開
瞼指標投影光学系と、該指標像を検出する開瞼指標検出
光学系とを備えることを特徴とする。
【0017】(10) (9)の開瞼指標投影光学系は
前記アライメント指標投影光学系と共用されることを特
徴とする。
【0018】(11) (8)の眼科装置において、前
記アライメント指標検出光学系は被検眼の前眼部を撮像
する撮像手段であり、さらに、該撮像手段の信号を処理
して被検眼の瞳孔境界を検知する瞳孔検知手段と、該瞳
孔検知手段及び前記アライメント指標検出光学系の検出
結果に基づいて被検眼の固視状態の適否を判定する固視
判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】(12) (1)の眼科装置において、検
出された指標像の像間隔に基づき角膜曲率の大きさの違
いを補正する演算手段を備えることを特徴とする。
【0020】(13) (1)の眼科装置において、前
記指標投影光学系は前記アライメント指標検出光学系の
光軸方向から被検眼角膜中心に向けて第1指標を投影す
る第1指標投影光学系と、被検眼の斜め方向から角膜周
辺に向けて複数の第2指標を投影する第2指標投影光学
系を持ち、前記判定手段はさらに前記アライメント指標
検出光学系により検出された前記第1指標の光量分布状
態に基づいてアライメントの適否を判別することを特徴
とする。
【0021】(14) (13)の眼科装置において、
前記判定手段は前記アライメント指標検出光学系により
所定の領域で前記第1指標が所定の基準の光量レベルで
検出できたか否かを判別し、検出できなかったときに前
記光量分布状態に基づきアライメントの適否を判別する
ことを特徴とする。
【0022】
【実施例1】以下、本発明を非接触式眼圧計を実施例と
して挙げ、図面に基づいて説明する。
【0023】[全体構成]図1に実施例である非接触式
眼圧計の外観概略図を示す。1は基台であり、基台1に
は被検眼を固定するための顎台2が固設されている。3
は本体部、4は後述する光学系を収納した測定部であ
り、5は本体部3と測定部4を移動するためのジョイス
ティックである。ジョイスティック5の操作により本体
部3は基台1の水平面上を前後方向(Z方向)及び左右
方向(X方向)に摺動し、測定部4は本体部3に対して
上下方向(Y方向)に移動する。
【0024】基台1に対する本体部3の移動は、ジョイ
スティック5の軸の下方に形成された球面部および下端
部と、下端部が揺動する摺動板と、摺動板と接し基台1
に貼り付けされた摩擦板と、本体部3と一体のハウジン
グ3a内部の球軸受けの構成により水平方向の微動が実
現される。また、本体部3に対する測定部4の上下動
は、ジョイスティック5の外周上部の回転ノブ5aと、
回転ノブ5aと共に回転するスリット板と、スリット板
を挟み軸に設けられた光源および受光素子とにより、受
光素子の信号から回転ノブ5aの回転方向および回転量
を検出し、その検出結果に基づいて測定部4を上下動さ
せるY軸モータを駆動制御することによって行われる。
このジョイスティック機構の詳細については、本出願人
による特開平6−7292号(発明の名称 眼科装置の
ジョイスティック機構)に記載されているので、これを
参照されたい。
【0025】また、測定部4は本体部3に対して左右方
向(X方向)及び前後方向(Z方向)にも移動する。こ
れらの移動はジョイスティック5によらず、後述する制
御回路によって駆動制御されるX軸モ−タ及びZ軸モ−
タにより行われる。
【0026】6は圧縮気体を被検眼に向けて噴出するた
めのノズルが配置されたノズル部である。測定部4の被
検者側にはノズル部6を中心にして被検眼の角膜周辺に
アライメント指標を投影する4個の光源7a〜7dが配
置されている。本体部3の側部にはノズル部6が被検眼
に接近できる移動限界を規制するためのツマミ8が配置
されている。また、本体部3のジョイスティック5側
(検者側)には、観察用のTVモニタが備えられてい
る。
【0027】[光学系]図2は装置のアライメント光学
系の要部構成図であり、上から見たときの図である。な
お、非接触式眼圧計は被検眼角膜に圧縮した気体を吹き
付けて所定の形状に変形させ、直接あるいは間接的に検
出されたその時の気体圧に基づいて、被検眼の眼圧を測
定するものであるが、この測定機構自体の説明は本発明
とは関係が薄いことから省略する。詳細については本出
願人による特開平4−297226号(発明の名称 非
接触式眼圧計)を参照されたい。
【0028】(観察光学系) 10は観察光学系であ
り、L1はその光軸を示す。観察光学系10は上下左右
方向の第1及び第2アライメント用の指標(後述する)
を検出する指標検出光学系を兼ねる。観察光学系10の
光路上には角膜変形用の気体を噴出するノズル9がガラ
ス板8a,8bに保持されて配置され、その軸と光軸L
1は一致している。光軸L1上には、ビームスプリッタ
11、対物レンズ12、ビームスプリッタ14、フィル
タ15、CCDカメラ16が配置されている。フィルタ
15は、第1及び第2アライメント指標光学系(後述す
る)とレチクル投影光学系の光束(波長950nm)を
透過し、可視光及び距離指標投影光学系(後述する)の
光束(波長800nm)に対して不透過の特性を持って
おり、CCDカメラ16に不必要なノイズ光が混入する
ことを防止する。CCDカメラ16に撮像される前眼部
像及び指標像はTVモニタ17に映出され、検者はこれ
を観察する。
【0029】(レチクル投影光学系) 20はレチクル
投影光学系20を示す。21は波長950nmの赤外光
を出射するレチクル投影用光源、22は円環状のマーク
が形成されたレチクル板、23は投影レンズである。レ
チクル投影用光源21に照明されたレチクル板22上の
レチクルは、投影レンズ23、ビームスプリッタ14、
フィルタ15を介してCCDカメラ16に受像される。
【0030】なお、レチクル投影用光源21から出射さ
れる光束には、CCDカメラ16による指標像の検出を
容易にするため、所定の周波数で出力に変調がかけら
れ、これにより光源7a〜7dおよび光源31から出射
される光束とが区別される。また、レチクル像はTVモ
ニタ上で観察できればよいので、光量を落として指標像
との輝度の差から区別するようにしてもよいし、パタ−
ンジェネレ−タにより電気的に生成させてもよい。
【0031】(固視光学系) 固視光学系25は、可視
光を発する光源26、固視標板27、投影レンズ28を
持つ。光源26の点灯により固視標板27を出射した光
束は、投影レンズ28、ビームスプリッタ14、対物レ
ンズ12、ビームスプリッタ11を介し、ノズル9を通
り被検眼に入射する。
【0032】(第1アライメント指標投影光学系) 3
0は第1アライメント指標投影光学系を示す。31は中
央指標投影用光源、32は投影レンズである。光源31
は波長950nmの赤外光を出射する。光源31を出射
した赤外光束は投影レンズ32によって平行光束とされ
た後、ビームスプリッタ11によって反射され、光軸L
1に沿ってノズル9内を通過して被検眼角膜Ecに照射
される。角膜Ecで鏡面反射する光束は光源31の虚像
である第1アライメント指標i1を形成する。第1アラ
イメント指標i1の光束は、CCDカメラ16の撮像素
子上に第1アライメント指標i1の像を形成する。
【0033】(第2アライメント指標投影光学系) 第
2アライメント指標投影光学系7は4個の光源7a〜7
dを持つ(図1参照)。光源7aと7b及び光源7cと
7dは、それぞれ光軸L1を挟んで同じ高さ距離に配置
され、指標の光学的距離を同一にしている。光源7a〜
7dは第1アライメント指標投影光学系の光源と同じ波
長950nmの赤外光を出射する。光源7a、7bから
の光は被検眼の角膜周辺に向けて斜め上方向から照射さ
れ、光源7a、7bの虚像である指標i2、i3を形成
する。また、光源7a、7bは瞼の開き具合を検出する
(後述する)ための光源を兼ねている。光源7c、7d
からの光は被検眼の角膜周辺に向けて斜め下方向から照
射され、光源7c、7dの虚像である指標i4、i5を
形成する。光源7a〜7dは被検眼前眼部を照明する照
明用光源を兼ねている。
【0034】4個の指標i2、i3、i4、i5の光束
は観察光学系10を介してCCDカメラ16に入射し、
CCDカメラ16の撮像素子上に像を形成する。
【0035】(距離指標投影光学系) 50は距離指標
投影光学系であり、L2はその光軸を示す。光軸L2は
光軸L1に対して傾斜して設けられ、ノズル9から所定
の作動距離離れた位置で両光軸は交差する。51は光源
7a〜7d及び光源31と異なる波長800nmの光を
出射する距離指標投影用の光源であり、52は投影レン
ズである。
【0036】光源51を出射した光は投影レンズ52に
よって平行光束とされ、光軸L2に沿って角膜Ecに照
射される。角膜Ecで鏡面反射した光束は光源51の虚
像である指標i6を形成する。
【0037】(距離指標検出光学系) 60は距離指標
検出光学系であり、L3はその光軸を示す。光軸L3と
光軸L2は光軸L1に対して対称な軸であり、光軸L3
と光軸L2の両光軸は光軸L1上で交差する。光軸L3
上には受光レンズ61、フィルタ62、一次元検出素子
63が配置されている。フィルタ62は、光源51から
出射される波長800nmの光束を透過し、光源7a〜
7dおよび光源31から出射される950nmの光束に
対して不透過の特性を持ち、一次元検出素子63にノイ
ズ光が入射することを防止する。
【0038】指標i6を形成する光源51の角膜反射光
束は、受光レンズ61、フィルタ62を介し一次元検出
素子63に入射する。被検眼が観察光軸L1の軸方向
(前後方向)に移動すると、指標i6の像も一次元検出
素子63の検出方向に移動するため、一次元検出素子6
3上における指標i6の像の偏位から被検眼の位置が検
出される。
【0039】[制御系]図3に装置の制御系の要部構成
図を示す。70は制御回路、71は画像処理回路、72
は距離指標の検出処理回路である。74〜76は本体部
3に対して測定部4を駆動させるX軸、Y軸およびZ軸
モータ、77〜79は各モータの駆動回路である。80
は測定系、81は文字情報や図形等を生成する表示回
路、82は合成回路である。83はアライメントモ−ド
切換スイッチであり、アライメントを指標検出に基づい
て装置が行うオ−トアライメントにするか、検者による
ジョイスティック5のみの操作で行うかを選択する。8
4は測定開始の信号を入力する測定スイッチである。
【0040】画像処理回路71はCCDカメラ16から
の撮影像に対して画像処理を施し、その処理結果を制御
回路70に入力する。制御回路70はその入力信号によ
り、指標像の位置情報や瞳孔位置情報を得る。
【0041】また、制御回路70は検出処理回路72を
介して入力される一次元検出素子63からの信号によ
り、被検眼Eに対する前後方向の偏位情報を得る。制御
回路70が得た偏位情報は表示回路81に送られ、表示
回路81はその情報に基づき距離マ−クの図形信号とT
Vモニタ17上における位置信号を発生させる。表示回
路81からの出力信号は合成回路82によりCCDカメ
ラ16からの映像信号と合成され、TVモニタ17上に
出力される。
【0042】図4はXY方向が適正な状態にアライメン
トされたときのTVモニタ17上に表示される画面例を
示した図である。XY方向が適正な状態にアライメント
された状態では、第2アライメント指標投影光学系によ
り角膜周辺に形成された4つの指標像i20、i30、i4
0、i50と、第1アライメント指標投影光学系により角
膜中心付近に形成された指標像i10が映出される。41
はレチクル像を示す。42は距離マ−クを示し、距離マ
−ク42は被検眼の角膜とノズル部6との距離に対応し
てレチクル像41の上下をリアルタイムに移動し、角膜
が適正作動距離にあるとレチクル像41に重なる。
【0043】次に、第1及び第2アライメント指標の検
出結果に基づいて、測定部4のXY方向の移動を制御す
るためのアライメント状態の判定方法を説明する。
【0044】まず、アライメント状態を判定するときの
基礎とする5つの指標像の位置関係を図5により説明す
る。適正な状態にアライメントされたときの指標像i10
に対して、指標像i20とi30はY軸の上方向にともに略
幅a分離れ、X軸方向には両側にそれぞれ略幅b分離れ
て位置するものとする。また、指標像i40とi50は、Y
軸の下方向にともに略幅a分離れ、X軸方向には両側に
それぞれ略幅c分離れて位置するものとする。この位置
関係及び間隔は、角膜形状や被検眼に対する装置の相対
位置により多少の変化はあるものの大きく変動すること
はないので、指標の数と位置によりいずれの指標像が検
出されているかを特定する判断基準とする。なお、a、
bおよびcは説明の便宜上使用する座標間隔であり、特
段の意味はない。
【0045】次に、検出される指標像の数と位置関係に
基づく測定部4の誘導について説明する。なお、以下の
説明上使用する指標像の順番は、画面の上から下に順次
ふり、同一高さのものは左を先にする。
【0046】<指標像が全5つ中1つのとき>指標像が
いずれのものか特定できないので、制御回路70は検出
された指標像のXY座標を得て、この指標像が基準位置
(観察光学系の光軸)に向かうようにX軸モ−タ74及
びY軸モ−タ75を駆動して測定部4を移動させる。た
だし、この場合、他の指標像を検出することを目的とし
ており、検出される指標像が増えたときには以下の条件
に従ってアライメントが行われる。
【0047】<指標像が全5つ中2つのとき>指標像が
2つのときも指標像がいずれのものか特定できないの
で、制御回路70は2つの指標像のXY座標を得て、他
の指標像を検出できる方向に向かうように測定部4を移
動制御する。<指標像が全5つ中3つのとき>指標像が
3つ以上検出されると、その位置関係により指標像i10
〜i50のいずれのものか特定できるようになる。制御回
路70は1番目の指標像のXY座標(X1,Y1)、2
番目の指標像のXY座標(X2,Y2)、3番目の指標
像のXY座標(X3,Y3)をそれぞれ得ることによ
り、次のように測定部4の移動を行う。なお、図6の各
指標像の右上に示した数字は、各指標像を区別するため
に説明の便宜上付した指標像の順番を意味する番号であ
る。
【0048】[A]1番目と2番目の指標像のY座標の
差が略2aの場合:図6(a)に示す2通りがある。こ
の場合は、指標像i10が検出されていない状態である
が、制御回路70は角膜中心がXY座標((X2+X
3)/2,(Y1+Y2)/2)にあるものとして、測
定部4の移動を行う。
【0049】[B]1番目と2番目の指標像のY座標の
差が略aで、かつ2番目と3番目のY座標が略同じ場
:これは図6(b)に示すケ−スである。1番目のも
のが指標像i10として特定できるため、これを基に測定
部4を移動させる。
【0050】[C]1番目と2番目の指標像のY座標が
略同じで、2番目と3番目の指標像のY座標の差が略2
aの場合:図6(c)に示す2通りがある。図6(a)
のときと同様、指標像i10が検出されていないが、角膜
中心がXY座標((X1+X2)/2,(Y1+Y3)
/2)にあるものとして測定部4の移動を行う。
【0051】[D]2番目と3番目の指標像のY座標の
差が略aで、かつ1番目と2番目のY座標が略同じ場
:これは図6(d)に示したケ−スである。3番目の
ものが指標像i10として特定できるため、これを基に測
定部4の移動制御を行う。
【0052】[E]上記A〜Eの条件を満たさない場
:図6(e)に示す4つケ−スがある。この場合、2
番目のもの指標像が指標像i10として特定できるため、
これを基に移動を行う。
【0053】<指標像が全5つ中4つのとき>制御回路
70は各指標像をXY座標を得て、次のように測定部4
の移動を行う。図7には図6と同様に各指標像を区別す
るために番号が付してある。
【0054】[A]1番目と2番目の指標像のY座標が
略同じでない場合:図7(a)に示す2つのケ−スがあ
る。2番目のものが指標像i10として特定できるため、
これを基に移動を行う。
【0055】[B]3番目と4番目の指標像のY座標が
略同じでない場合:図7(b)に示す2つのケ−スがあ
る。3番目のものが指標像i10として特定できるため、
これを基に移動を行う。
【0056】[C]上記A,B以外の条件の場合:図7
(c)に示したケ−スである。これは指標像i10のみが
検出されていないので、角膜頂点が4つの指標像の中
点、例えば、((X1+X2)/2,(Y1+Y3)/
2)にあるものとして、測定部4の移動を行う。
【0057】<指標像が全5つ中5つのとき>指標像が
全て検出できており、指標像i10が特定できるので、こ
れを基に測定部4の移動を行う。
【0058】検出される指標像の数と位置に基づいた測
定部4の誘導方法について説明したが、どの場合におい
ても指標像i10が検出されて特定できたときにはそれを
基準に、指標像i10が検出及び特定できないときには他
の指標像の座標を基に移動を行う。また、最終的なXY
方向のアライメント状態の判定は、5つの指標像が全て
検出されていなくても、検出及び特定できた指標像i10
が所定の許容範囲にあればアライメントが完了したと判
定できる。なお、装置は、XY方向のアライメント状態
が完了したか否かを判定する第1の許容範囲と、測定部
4のXY方向の移動速度に差を持たせるための、第1の
許容範囲より広く設定された第2の許容範囲を持つ。制
御回路70は、検出又は特定された指標像i10が第2の
許容範囲内にあるか否かを判定し、範囲外のときは第2
の許容範囲内に入るように測定部4を比較的速い速度で
移動する。これにより、微調整前のアライメントの迅速
化を図ることができる。
【0059】以上のような構成を備える非接触式眼圧計
において、以下にその動作を説明する。ここではオ−ト
アライメントを選択したときのアライメント動作を中心
に説明する。
【0060】検者は顎台2を使って被検眼を固定させ、
被検眼には固視標を固視させる。測定の準備ができた
ら、検者はTVモニタ17を観察しながらジョイスティ
ック5等を操作し被検眼に対する測定部4を粗くアライ
メントする。粗アライメントは、第1及び第2アライメ
ント指標投影光学系により形成される指標像の少なくと
も1つがTVモニタ17上に現れるようにする。
【0061】指標像が検出されると、ジョイスティック
5の操作を停止する(必要によっては停止を指示するメ
ッセ−ジを表示したり、またはジョイスティックの動き
を拘束する手段を作用させても良い)。
【0062】その後のアライメント動作は図8のフロー
チャートに基づいて説明する。制御回路70は、前記し
た指標像の数と位置関係に基づいて、指標像i10が第2
の許容範囲内に入るように、X軸モ−タ74及びY軸モ
−タ75を駆動して測定部4を移動させる。TVモニタ
17の画面上では、指標像i10がレチクル像41内に入
るようになる。
【0063】指標像i10が第2の許容範囲内に入ると、
制御回路70はXY方向の駆動を停止して作動距離の適
否を判定する。距離指標投影光学系による指標i6の光
束が一次元検出素子63に入射する状態になると、制御
回路70は一次元検出素子63からの信号に基づいてZ
方向のずれ情報を得て、このずれ情報に基づきZ軸モー
タ76を駆動して測定部4を前後移動する。また、TV
モニタ17上には距離マ−ク42が表示され、測定部4
の前後移動に伴ってレチクル像41の上下をリアルタイ
ムに移動する(距離マ−ク42が表示されていないとき
は、ジョイスティック5が操作可能な状態になり、検者
はレチクル像41内の指標像i10のピントが合う方向に
前後調整を行う)。
【0064】Z方向が適正な状態になると、制御回路7
0は測定部4の前後移動を停止し、今度は指標像i10が
第1の許容範囲内にあるか否かを判定する。範囲外のと
きは第1の許容範囲内に入るように、測定部4をXY方
向に所定の時間微調整移動させる。このときの移動速度
は先程のXY方向の移動の場合(第2の許容範囲にもっ
てくる場合)より遅い速度で行う。これにより指標像i
10が第1の許容範囲を通り過ぎたりしないようにして、
XY方向の微調整アライメントを容易に行うことができ
る。
【0065】指標像i10が第1の許容範囲内に入り、X
Y方向のアライメント状態が適正になると、瞼の開き具
合の適否判定を行う。この判定は、被検眼角膜の上側周
辺に形成される指標像i20又はi30の少なくともいずれ
か一方が所定のエリア内に検出され、その光量出力レベ
ルが所定以上の値であるかにより行う。瞼の開き具合が
十分でないと、光源7a及び7bから出射した光束は像
を結ぶことなく、瞼の表面で乱反射されるので、指標i
2 又はi3 の光束はCCDカメラ16の撮像素子上で大
きく広がって入射する。したがって、所定のエリア内で
の光量出力が所定レベル以上あるか否かにより瞼の開き
具合を検出することができる。瞼の開き具合の検出は、
本出願人による特願平7−337909号と基本的に同
じであるので、詳しくはこれを参照されたい。
【0066】瞼の開き具合に問題がなければ、次に固視
ずれの適否判定を次のようにして行う。制御回路70
は、図9(a)に示すように、CCDカメラ16からの
撮影信号から指標i10を通るX軸方向のA−Aライン及
びY軸方向のB−Bラインの信号を取り出す。指標像i
10、瞳孔、虹彩、強膜からの各反射光量レベルはそれぞ
れ異なるので、画像処理により瞳孔(又は虹彩)の境界
エッジを検出する。制御回路70はA−Aライン及びB
−Bラインのそれぞれにおいて、指標像i10から検出さ
れた境界エッジまでの距離を比較して、両者が許容範囲
内の差異に止まるか、指標像i10が瞳孔の両境界の略中
心に位置するか否かを判断する。A−Aライン及びB−
Bラインの両ラインにおいて指標像i10が瞳孔の両境界
の略中心に位置することが確かめられると、固視ずれが
ないものと判定される。一方にずれがあるときは固視が
ずれていると判定され、その旨をTVモニタに表示す
る。なお、瞳孔の境界エッジから瞳孔中心の座標を得
て、指標像i10と瞳孔中心の偏位量の程度により固視ず
れの有無を判定してもよい。
【0067】また、前述した瞼の開き具合の適否判定
は、指標像の検出状態を用いるのではなく、固視ずれの
適否判定と同じようにY軸方向のB−Bライン上の信号
を取りだし、その光量レベルの差を利用するようにして
も良い。すなわち、図9(b)に示すように、Y軸方向
の光量信号により虹彩の幅が測定に必要な領域以上に確
保されていないときは、瞼の開き具合が十分でないと判
定する。
【0068】瞼の開き具合及び固視ずれに問題がなく、
指標像i10が第1の許容範囲内にあれば、制御回路70
は測定開始条件を満たしているものとして、測定開始信
号を自動的に発して測定系80による測定を実行する
(アライメントが完了した旨をTVモニタに表示、又は
音により検者に報知し、これにより検者が測定開始スイ
ッチ84を押して測定を実行しても良い)。
【0069】以上の実施例では、測定部4の移動をXY
Zの3方向で制御するものとしたが、XY方向のみとし
ても良いし、検者のジョイスティック5による手動操作
で行う場合は、指標の検出結果に基づいて測定部4の移
動方向を検者に報知するための矢印や予め約束された指
示マ−ク等をTVモニタ上に表示させて誘導するように
しても良い。また、装置のアライメント制御を検者が選
択できるようにしても良い。
【0070】また、実施例では被検眼の角膜周辺に向け
て投影する指標像を4つとしたが、少なくとも2つの指
標像を投影すれば、アライメント状態を判定できる。投
影する指標像は4つより多くても良い。
【0071】なお、前述した測定部4の誘導方法におい
ては、指標像の位置関係に基づいて指標像i10を特定し
ているため、外乱光の影響で他の指標像又は外乱光を指
標像i10として特定してしまう可能性がある。この場合
には測定部4の誘導が不安定になるので、指標像i10と
特定できた場合であっても、その指標像がCCDカメラ
16上の基準位置を中心にして所定の範囲内(ノズル9
の径に相当する範囲内)になければ、移動しないように
する。こうすると、自動アライメントの誤動作を防止す
ることができる。
【0072】
【実施例2】実施例1では、指標像が全5つ中1つのと
き及び指標像が全5つ中2つのときには、指標像がいず
れのものか特定できなくても、他の指標像を検出できる
方向に測定部4を誘導するようにしたが、これは角膜中
心に対して測定部4の中心軸を一致させるように測定部
4が移動しないので、角膜中心位置に相当する指標像i
10が必ずしも検出できる方向に測定部4が移動するとは
限らない。このため、被検眼の開き具合の状態や瞬きに
より指標検出の数の変動が頻繁に起こる場合、ノズル9
により指標i1の光束がけられる場合等には、測定部4
の誘導が不安定になり、アライメントに時間がかかると
きがある。この場合には次のような誘導方法を採用する
と、アライメントの誤動作を低減することができる。
【0073】<指標像が全5つ中1つのとき>検出され
た指標像が指標像i10と特定できたときのみ測定部4を
移動し、指標像i10と特定できないときには、測定部4
の移動は行わない。検出された指標像が次の条件を満た
すときは、その指標像が指標像i10と特定できる。
【0074】検出された指標像が基準位置を中心にし
て所定の範囲内(例えば、ノズル9の径に相当する大き
さ内)に存在する。
【0075】かつ、適正作動距離に対してZ方向のず
れが所定の範囲内である(距離指標投影光学系50によ
る指標i6の像が一次検出素子63で検出でき、その偏
位が所定の範囲内にある)。
【0076】<指標像が全5つ中2つのとき>指標像を
形成する光学系に変容を加えることにより、検出できる
指標像が2つであってもその位置関係に基づいていずれ
のものか特定できるようになる。例えば、前述の図5に
おいて、指標像i20、i30の幅bが指標像i40、i50の
幅cよりも小さくなるように(幅cの半分までにはなら
ないように)、第2アライメント指標投影光学系7の配
置を設定する。こうすると、検出できる2つの指標像の
座標位置を見ることにより、次のようにいずれのものか
特定できる。
【0077】[A]1番目と2番目の指標像のX座標の
差が小さく(幅b以下)、かつ1番目と2番目の指標像
のY座標の差が大きい(略幅2a)場合:図10A
(a)、(b)に示すように指標像i20、i40の組み合
わせと、指標像i30、i50の組み合わせの2通りがあ
る。さらにこの2通りを次のように区別する。 1番目のX座標>2番目のX座標の場合:指標像i3
0、i50と判断できる。 1番目のX座標<2番目のX座標の場合:指標像i2
0、i40と判断できる。
【0078】[B]1番目と2番目の指標像のY座標の
差が略同じ場合:図10Bの(a)、(b)に示すよう
に指標像i20、i30の組み合わせと、指標像i40、i50
の組み合わせの2通りがある。さらにこの2通りを次の
ように区別する。 1番目と2番目のX座標の差≦幅2bの場合:指標像
i20、i30と判断できる。 1番目と2番目のX座標の差>幅2bの場合:指標像
i40、i50と判断できる。
【0079】[C]1番目と2番目の指標像のY座標の
差が略aで、かつ1番目の指標像のみが基準位置(中心
光軸)を中心にして所定の範囲内にある場合:図10C
(a)、(b)に示すように指標像i10、i40の組み合
わせと、指標像i10、i50の組み合わせの2通りがあ
り、いずれも1番目のものが指標像i10として特定でき
る。
【0080】[D]1番目と2番目の指標像のY座標の
差が略aで、かつ2番目の指標像のみが基準位置(中心
光軸)を中心にして所定の範囲内にある場合:図10D
(a)、(b)に示すように指標像i10、i20の組み合
わせと、指標像i10、i30の組み合わせの2通りがあ
り、いずれも2番目のものが指標像i10として特定でき
る。
【0081】[E]1番目と2番目の指標像のX座標の
差が略同じではなく、かつ1番目と2番目の指標像のY
座標の差が大きい(略2a)場合:図10E(a)、
(b)に示すように指標像i20、i50の組み合わせと、
指標像i30、i40の組み合わせの2通りがある。
【0082】次に、上記のように特定できる指標像のパ
ターンとその位置関係に基づく測定部4の誘導方法につ
いて説明する。
【0083】まず、上記[C],[D]のように、指標
像i10が特定できたパターンのときは、これを基に測定
部4を誘導する。
【0084】指標像i10が特定できないパターンのとき
は、2つの指標像から角膜中心のXY座標を割り出し、
その座標位置に基づいて測定部4を誘導する。例えば、
上記[A]ののように指標像i30、i50が特定できた
ときの角膜中心のY座標は、『(Y1+Y2)/2』で
割り出せる。一方、X座標は、指標像i30を基準として
考えればそのX座標であるX1 に幅bの座標分を加え、
『X1 +b』で一応割り出せる。しかし、これは角膜の
大きさの固体差の影響を受けて不正確になりやすい。各
指標像の座標位置は角膜曲率の大きさ変化にほぼ比例し
て変化する。X座標についてはこの関係を利用し、幅b
の座標分の代わりに、指標像i30、i50のY座標間隔に
ある定数αを乗算し、これを指標像i30のX座標である
X1 に加える(又は指標像i50のX座標であるX2 に加
える)。すなわち、この場合のX座標は、『X1+(Y
2−Y1)×α』とすることができる。このようにする
と、ただ単に定数を加える場合に比べて、より精度の高
い角膜中心位置の座標を割り出すことができる。なお、
定数αの値は指標投影系と検出系の配置の関係から予め
設定しておく。
【0085】同様に、[A]ののように指標像i20、
i40が特定できたときの角膜中心のXY座標は、(X1
−(Y2−Y1)×α,(Y1+Y2)/2)となる。
【0086】また、同様な考えに基づき、[B]のの
指標像i20、i30と特定できたときの角膜中心のXY座
標は、((X1+X2)/2,Y1+(|X1−X2
|)×β)となる。[B]のの指標像i40、i50と特
定できたときの角膜中心のXY座標は、((X1+X
2)/2,Y1−(|X1−X2|)×γ)となる。こ
こで、定数β、γの値も、指標投影系と検出系の配置の
関係から予め設定しておく。
【0087】[E]のように、指標像i20、i50の組み
合わせと、指標像i30、i40の組み合わせが特定できた
ときの角膜中心のXY座標は、((X1+X2)/2,
(Y1+Y2)/2)とすることができる。
【0088】以上のようにして、検出できる指標像が2
つであっても、指標像i10と判断できればそれに基づ
き、指標像i10が特定できないときは2つの指標像から
求められる角膜中心位置に基づき測定部4を誘導するよ
うにすれば、角膜中心に対して測定部4の中心軸を一致
させるように測定部4が常に移動するようになる。これ
により測定部4の誘導が安定する。
【0089】
【実施例3】実施例1(実施例2の場合も含む)では、
最終的に指標像i10を検出することにより、XY方向の
アライメントの適否の判断を行うようにしている。角膜
表面状態が良好であれば、角膜中心からのアライメント
指標の反射光は十分な輝度と大きさを持ち、その指標像
i10の検出は比較的容易である。ところが、角膜表面の
裂傷、ドライアイ等の眼疾患患者やIOL挿入眼、緑内
障手術後の患者等、角膜表面が何らかの理由で変形して
いる場合には、アライメントが本来完了しているにも拘
らず角膜中心からのアライメント指標の反射光(指標像
i10)が十分な輝度と大きさで得られないことがある。
この場合、実施例1、2の検出方法ではXY方向のアラ
イメントの判断ができないことがある。特に、アライメ
ントの完了状態の検出に基づいて自動的に測定を開始す
る設定では、なかなか測定を開始しないようになってし
まう。
【0090】このような場合のアライメント動作を図1
1のフローチャ−トに基づいて説明する。装置は指標像
の数と位置により角膜中心位置を検出し、その位置に基
づいて角膜中心が第2の許容範囲(実施例1と同様)に
入るように測定部4を移動する。ここで角膜中心から指
標の反射光がある基準の光量レベル以上であれば、指標
像i10として検出できるが、基準の光量レベルを下回る
ときには、CCDカメラ16上の基準位置を中心とした
所定領域の光量分布が所期する状態で検出できるか否か
により、XY方向のアライメントを判断する。この判断
は、例えば、図12に示すように、CCDカメラ16上
の基準点を中心にする第1の光量分布判別領域100
(前述の第1のアライメント許容範囲と同じ領域)と、
これより広い第2の光量分布判別領域101(前述の第
2の許容範囲より狭い領域)を設定し、この第1の領域
100と第2の領域101の光量分布を見る。第2の領
域101内でアライメント指標の反射光であると判別で
きるある程度の光量が得られ、かつ第1の領域100内
でもあるレベル以上の光量が得られれば、アライメント
指標の反射像がCCDカメラ16上の基準位置を中心に
して位置するものと判断でき得る。すなわちXY方向の
アライメントが完了状態である否かが判断できる。アラ
イメントが完了状態でないときは、TVモニタ17上に
“No SEARCHING”のように、自動アライメントが行われ
ない旨を検者に報知する。検者はTVモニタ17上に映
し出されるアライメント指標の反射像を観察しながら、
ジョイスティック5の操作により測定部4を移動する。
【0091】装置は基準点を中心とした所定領域からの
光量分布によりXY方向のアライメントが完了したと判
断できれば、Z方向の適否を判定し、ずれがあるときは
Z方向に測定部4を移動してZ方向もアライメントを完
了させて測定を自動的に実行する。Z方向の検出は、角
膜中心付近が変形している場合であっても、角膜全体に
指標光束を投影するようにしてその反射光束を検出する
ようにすれば、角膜表面の状態の変化の影響を受けず容
易に検出が可能である。
【0092】さらに、装置がXY方向のアライメント完
了を判定できないときには、検者の判断により測定スイ
ッチ84を押して測定を実行する。
【0093】なお、角膜中心からのアライメント指標の
反射光が弱い場合には、単に指標像判別のための基準の
光量レベルを低く設定する等の検出条件の変更も可能で
ある。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の指標を角膜に投影することにより、検出範囲を広
くとることができ、アライメントが容易になる。
【0095】また、固視ずれによる無用な測定を回避し
て、信頼性の高い測定結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例である非接触式眼圧計の外観概略図であ
る。
【図2】実施例である非接触式眼圧計のアライメント光
学系の要部構成図である。
【図3】実施例である非接触式眼圧計の制御系の要部構
成図である。
【図4】被検眼が適正な状態にアライメントされたとき
のTVモニタ上に表示される画面例を示した図である。
【図5】アライメント状態を判定するときの基礎とする
5つの指標像の位置関係を示す図である。
【図6】指標像が3つ検出されるた場合の指標像の位置
関係を示す図である。
【図7】指標像が4つあるいは5つ検出された場合の指
標像の位置関係を示す図である。
【図8】指標像検出後のアライメント動作のフローチャ
ートを示す図である。
【図9】被検眼のXY軸方向の反射光量レベルを示す図
である。
【図10A】指標像が2つ検出された場合に、いずれの
ものかを特定する第1の組み合わせを示す図である。
【図10B】指標像が2つ検出された場合に、いずれの
ものかを特定する第2の組み合わせを示す図である。
【図10C】指標像が2つ検出された場合に、いずれの
ものかを特定する第3の組み合わせを示す図である。
【図10D】指標像が2つ検出された場合に、いずれの
ものかを特定する第4の組み合わせを示す図である。
【図10E】指標像が2つ検出された場合に、いずれの
ものかを特定する第5の組み合わせを示す図である。
【図11】実施例3の装置のアライメント動作を説明す
るフローチャ−トを示す図である。
【図12】光量分布からXY方向のアライメントを判断
するための判別領域の例を示す図である。
【符号の説明】
7 第2アライメント指標投影光学系 7a〜7d 光源 10 観察光学系 16 CCDカメラ 30 第1アライメント指標投影光学系 31 光源 70 制御回路 74 X軸モータ 75 Y軸モータ 76 Z軸モータ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査または測定を行うための測定手段を
    有し該測定手段を被検眼に対して所定の位置関係に位置
    合わせする眼科装置において、前記測定手段を被検眼に
    対して相対移動する移動手段と、被検眼の角膜周辺に複
    数のアライメント指標を投影するアライメント指標投影
    光学系と、投影された指標像を検出するアライメント指
    標検出光学系と、検出された指標像の数と位置関係に基
    づいて上下左右方向のアライメト状態を判定する判定手
    段と、該判定手段の判定結果に基づいて前記移動手段の
    移動を指示する指示手段と、を備えることを特徴とする
    眼科装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の指示手段は,前記移動手段に
    駆動信号を与える制御手段を持つことを特徴とする眼科
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の眼科装置において、前記判定
    手段は、指標像の数と位置関係に基づいて被検眼に対す
    る前記測定手段の中心軸が位置すべき位置を得る演算手
    段と、第1のアライメント許容範囲と該第1のアライメ
    ント許容範囲より広く設定された第2のアライメント許
    容範囲とを持つアライメント許容範囲設定手段とを備え
    ると共に、前記指示手段は、前記移動手段に駆動信号を
    与える制御手段を持ち該制御手段は第2のアライメント
    許容範囲内に入る移動速度を第1のアライメント許容範
    囲内に入る移動速度に対して速くすることを特徴とする
    眼科装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の指標投影光学系は、前記指標
    検出光学系の光軸方向から被検眼角膜中心に向けて指標
    を投影する第1の指標投影光学系と、被検眼の斜め方向
    から角膜周辺に向けて複数の指標を投影する第2の指標
    投影光学系を持つことを特徴とする眼科装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の第2の指標投影光学系は、被
    検眼の斜め方向から角膜周辺に向けて少なくとも2つの
    指標を投影することを特徴とする眼科装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の眼科装置は、被検眼前眼部を
    観察するための撮像手段と該撮像手段により撮像された
    像を表示する表示手段とを備えると共に、前記移動手段
    は検者の手動操作により前記測定手段を移動する第1移
    動手段と電気的に制御される第2移動手段を持つことを
    特徴とする眼科装置。
  7. 【請求項7】 請求項1の眼科装置は、被検眼前眼部を
    観察するための撮像手段と、該撮像手段により撮像され
    た像を表示する表示手段を備え、前記移動手段は検者の
    手動操作により前記測定手段を移動する手動移動手段を
    備え、前記指示手段は該手動移動手段による移動方向を
    表示する手段を持つことを特徴とする眼科装置。
  8. 【請求項8】 請求項1の眼科装置は、さらに作動距離
    検出用指標を投影する作動距離指標投影光学系と、該指
    標を検査する作動距離指標検出光学系と、該検出結果に
    基づいて作動距離のアライメント状態の適否を判定する
    作動距離判定手段と、アライメント完了時に瞼が所定の
    範囲内にあるかを検知する開瞼検知手段と、前記開瞼検
    知手段により開瞼状態が十分であると判断されたとき
    に、前記測定手段による測定を作動させるための測定開
    始信号を発生する測定開始信号発生手段と、を備えるこ
    とを特徴とする眼科装置。
  9. 【請求項9】 請求項8の開瞼検知手段は、被検眼角膜
    の周辺部に開瞼を検出するための指標を投影する開瞼指
    標投影光学系と、該指標像を検出する開瞼指標検出光学
    系とを備えることを特徴とする眼科装置。
  10. 【請求項10】 請求項9の開瞼指標投影光学系は前記
    アライメント指標投影光学系と共用されることを特徴と
    する眼科装置。
  11. 【請求項11】 請求項8の眼科装置において、前記ア
    ライメント指標検出光学系は被検眼の前眼部を撮像する
    撮像手段であり、さらに、該撮像手段の信号を処理して
    被検眼の瞳孔境界を検知する瞳孔検知手段と、該瞳孔検
    知手段及び前記アライメント指標検出光学系の検出結果
    に基づいて被検眼の固視状態の適否を判定する固視判定
    手段と、を備えることを特徴とする眼科装置。
  12. 【請求項12】 請求項1の眼科装置において、検出さ
    れた指標像の像間隔に基づき角膜曲率の大きさの違いを
    補正する演算手段を備えることを特徴とする眼科装置。
  13. 【請求項13】 請求項1の眼科装置において、前記指
    標投影光学系は前記アライメント指標検出光学系の光軸
    方向から被検眼角膜中心に向けて第1指標を投影する第
    1指標投影光学系と、被検眼の斜め方向から角膜周辺に
    向けて複数の第2指標を投影する第2指標投影光学系を
    持ち、前記判定手段はさらに前記アライメント指標検出
    光学系により検出された前記第1指標の光量分布状態に
    基づいてアライメントの適否を判別することを特徴とす
    る眼科装置。
  14. 【請求項14】 請求項13の眼科装置において、前記
    判定手段は前記アライメント指標検出光学系により所定
    の領域で前記第1指標が所定の基準の光量レベルで検出
    できたか否かを判別し、検出できなかったときに前記光
    量分布状態に基づきアライメントの適否を判別すること
    を特徴とする眼科装置。
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