JPH1067177A - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体Info
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Abstract
対応できる可逆性感熱発色組成物および可逆性感熱記録
媒体を提供する。 【解決手段】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物
において、電子受容性化合物として下記一般式(1)で
表されるフェノール化合物を用いる。 (式中、R1およびR3は炭化水素基を示し、R2は炭
素数2以上の脂肪族炭化水素基を表す。また、X,Yは
酸素原子または窒素原子を含む2価の基を示し、rは1
〜3の整数を表す。)
Description
物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆
性感熱発色組成物に関する。また、本発明は、その可逆
性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御すること
により発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒
体に関する。
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用さ
れている。しかし、これらの実用化されている従来の記
録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した
画像を消去して繰り返して使用することはできない。
的に行うことができる記録媒体も提案されており、たと
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組
合せを用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤
にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化
合物を用いる特開昭61−237684号公報、発色剤
と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に
含有する特開昭62−138556号、特開昭62−1
38568号および特開昭62−140881号各公
報、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いる特開昭63
−173684号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシフェ
ニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を
用いる特開平2−188293号公報および特開平2−
188294号公報などが開示されている。しかしなが
ら、以上に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の
安定性と消色性の両立という点、あるいは発色の濃度や
繰り返しにおける安定性という点で問題を残しており、
実用的な記録媒体として満足し得るものではない。
0号公報において、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基
をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物また
はフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ
染料と組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷
却条件により容易に行わせることができ、しかもその発
色状態と消色状態を常温において安定に保持させること
が可能であり、しかも発色と消色を安定して繰り返すこ
とが可能な可逆性感熱発色組成物、およびこれを記録層
に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。これは発色の
安定性と消色性のバランスや発色濃度の点で実用レベル
の性能を持つものであるが、さらに広範囲な使用環境へ
の対応や発色消色条件の適用範囲の面で改良すべき余地
があった。その後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノ
ール化合物について特定の構造の使用が提案されている
が(特開平6−210954号公報)、これも同様の問
題を持っていた。また特に、高速消去特性と耐熱保存安
定性を両立する可逆性感熱記録媒体はまだ見い出されて
いない。
は、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存性
が良好でさらに高速消去に対応できる可逆性感熱発色組
成物および可逆性感熱記録媒体を提供することである。
また、この種の記録媒体に必要とされる耐久性、耐光性
も良好な可逆性感熱記録媒体を提供することも課題とし
て挙げられる。
な発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象で
は、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能
力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種
々の構造の化合物を検討した。その結果、特定の構造を
フェノール化合物を顕色剤として用いることにより、上
記の課題が解決できることを見出した。
物による発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物にお
いて、本発明では電子受容性化合物として下記一般式
(1)または(2)で表されるフェノール化合物を用い
るものである。
は炭素数2以上の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、R
1、R2、R3およびR4の炭素数の和は8以上である。ま
た、X、YおよびZは酸素原子または窒素原子を含む2
価の基を示し、rは1〜3の整数を、pは1〜4の整数
をそれぞれ表す。
する。本発明の可逆性感熱発色組成物は、電子受容性化
合物として、前記(1)または(2)で表されるフェノ
ール化合物を用いることを特徴とする。上記一般式
(I)および(II)において、R1およびR3は置換基を
有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭
化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これら
の両方から構成される炭化水素基でもよい。また、脂肪
族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結
合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等がある。R
2およびR4は直鎖でも分枝していてもよい脂肪族炭化水
素基を表し、さらに置換基を有していても良い。また、
不飽和結合を有しても良い脂肪族炭化水素基を示す。な
お、R1、R2、R3およびR4の炭素数の和が7以下では
発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上
が好ましく、11以上であることがより好ましい。
すものが挙げられる。
中のq、q′、q′′、q′′′はそれぞれ前記R1、
R2、R3、R4の炭素数を満足する整数を表す。
以下の表2に示すものが挙げられる。
中のq、q′、q′′、q′′′は前記と同じ。
3に示すものが挙げられる。
尚、式中のq、q′、q′′、q′′′は前記と同じ。
素原子を含む2価の基を示し、好ましくは
す。その例としては、次の表4に示すものが挙げられ
る。
Yの部分が、Yにさらにアルキレン等の炭化水素基を介
して、さらに前記の基を1個以上有する2価の基とな
る。すなわち、以下に示される構造で表される。
を示し、ZはXおよびYと同様の2価の基を表す。ま
た、pは1〜4の整数を表す。このとき繰り返されるZ
およびR4は、それぞれ同一でも異なっていても良い。
下記一般式(1)および(2)で表される化合物であ
る。
である。本発明で用いられるフェノール化合物の好まし
い例としては、次の表5に示される化合物が挙げられ
る。
2を示し、mは2〜22を表す。また、pは1〜4の整
数を表し、pが2以上の時に繰り返されるoおよびZは
同一であっても異なっていても良い。ただし、l、m、
n、oの和は8以上である。
具体的な例としては、たとえば前記一般式(3)の例と
して表6に示す化合物が挙げられる。また、他の一般式
(4)〜(10)で表される化合物も、これらと同様な
ものが具体例として挙げられる。しかし、本発明は何等
これらに限定されるものではない。
しては、たとえば以下のものが挙げられる。その例とし
て表6中の下記一般式で表される化合物の具体的な例を
表7に挙げる。尚、表6中の他の式で表される化合物に
ついても、同様なものが挙げられる。ただし、本発明は
これらに限定されるものではない。
に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構
成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与
性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体(ロイコ染料)であり、とくに限定されず、従来
公知のもの、たとえばトリフェニルメタンフタリド系化
合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、
ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合
物などから選択できる。その発色剤を以下に示す。
の一般式の化合物がある。
基、R12は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基ま
たは置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル
基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基またはハロゲン原子等が示される。R13は水素原子、
炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲ
ン原子を表す。R14は水素原子、メチル基、ハロゲン原
子または置換されていても良いアミノ基を表す。アミノ
基に対する置換基としては、例えば、アルキル基、置換
されていても良いアリール基、置換されていても良いア
ラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基などである。)
えば次の化合物が挙げられる。2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N
−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブ
チル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プ
ロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−
メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4
−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−
3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6
−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)
−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロ
ロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル
−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−
6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオ
ラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p
−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピ
ルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニ
リノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメトルア
ミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラ
ン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリ
ノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジ
クロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−
ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラ
ン、その他。
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジ
ルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)
−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メト
キシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリ
フロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロ
リジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピ
ロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フ
ルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブ
ロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロ
メチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−
トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オ
クチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジア
リルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾ
ロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチル
アミノ)]−6−(o−クロロアニリノ)キサンチル安
息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルアミノ)]−
9−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタ
ム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フ
タリド、3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−
ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフ
タリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ク
ロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5
−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−
5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ
−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ
−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキ
シ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフ
タリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザ
フタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾイン
ドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ
−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
度および/または加熱後の冷却速度により、相対的に発
色した状態と消色した状態を形成しうるものである。こ
の基本的な発色・消色現象を説明する。図1は、この組
成物の発色濃度と温度との関係を示したものである。は
じめ消色状態(A)にある組成物を昇温していくと、溶
融し始める温度T1で発色が起こり、溶融発色状態
(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、発
色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状
態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、
溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降
温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あ
るいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が
形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温
していくと、発色温度より低い温度T2で消色が起き
(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状
態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる
顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので、目的に合
わせて選択できる。また、溶融発色状態の濃度と急冷し
たときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、
異なる場合もある。
て得た発色状態(C)は、顕色剤と発色剤が分子どうし
で接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは
固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤
と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝
集構造の形成により発色が安定化していると考えられ
る。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。こ
の状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメ
インを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは
結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化
した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、
両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完
全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷によ
る消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれ
もこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶
化が起きている。
て用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどに
よりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよ
い。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度
よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しか
し、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結
晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じであ
る。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離温度ま
たは結晶化温度に保持しないようにするためである。こ
こにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的
なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組合せによ
り変化する。
する化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、お
おむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20
の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲であ
る、この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態
の濃度が低下し問題となる。
に前記の組成物を主成分として含む記録層を設けたもの
である。支持体としては、紙、樹脂フィルム、合成紙、
金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録
層を保持できるものであればよい。
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成する。これは発色剤と顕色剤をいったん溶
融したり溶解することによつて達成できる。このような
記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散溶解し
たのち混合した液、あるいは各材料を混合して溶剤中で
分散または溶解した液を支持体上に塗布し、乾燥するこ
とによって行なわれる。発色剤と顕色剤はマイクロカプ
セル中に内包して用いることもできる。
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、たとえば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填
剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発
色安定化剤、消色促進剤などがある。
としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポ
リスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポ
リエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共
重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、デンプン類などがある。これらのバインダ
ー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加に
よって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことに
ある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹
脂を用いることが好ましい。たとえば熱、紫外線、電子
線などでバインダー樹脂を架橋させてもよい。
ては、たとえば架橋剤およびこの架橋剤と反応する活性
基を有する樹脂の組合せであり、熱、電子線、紫外線な
どにより架橋硬化できる樹脂である。熱硬化で用いられ
る樹脂は、たとえばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セル
ロースアセテートブチレートなど、水酸基、カルボキシ
ル基など架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または水酸
基、カルボキシル基などを持つモノマーとそれ以外のモ
ノマーを共重合した樹脂がある。共重合樹脂には、たと
えば塩ビ系、アクリル系、スチレン系などの樹脂があ
り、具体的には塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体等が例示できる。
アネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物
等が挙げられる。たとえば、イソシアネート類として
は、イソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化
合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれ
らのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイ
プ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよび
ブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の
樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基
の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01〜2.0が
好ましく、これ以下では熱強度が不足してしまい、また
これ以上添加すると発色・消色特性に悪影響をおよぼ
す。またさらに、架橋促進剤としてこの種の反応に用い
られる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、たと
えば1,4−ジアザービシクロ〔2,2,2〕オクタン
などの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物
などが挙げられる。
られるモノマーとしては、たとえば以下のものが挙げら
れる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
パントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
は、次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエー
テル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類;1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−ア
シロキシムエステル;2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等のベンジルケタール類;ジエトキシ
アセトンフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導
体;ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン
等のケトン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、
単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量と
してはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対して0.
005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜0.5重量部である。
ミンや脂肪族系アミンがある。具体的には、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの
光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量部である。
ては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラ
ンプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがあ
るが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を
架橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ
出力、搬送速度を決めればよい。
積、照射線量などの目的に応じて走査形、非走査形いず
れかを選べは良く、照射条件としては樹脂を架橋するの
に必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度を決
めれば良い。
支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、記
録媒体としての特性を向上するため、保護層、接着層、
中間層、アンダーコート層、バックコート層などを設け
ることができる。
力のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる
場合がある。これを防止するため、表面に保護層を設け
ることが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコー
ル、スチレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性
ポリエチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂のほか、紫外線硬化樹脂および
電子線硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中には
紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層
への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける
ことも好ましい。また、記録層の上に設置される保護
層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることが
好ましい。このことにより、記録層中の発色剤および顕
色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
ることができる。断熱層は、有機または無機の微小中空
体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形
成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への
記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を
設けることもできる。
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層およびアンダーコート層に
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクな
どのフィラーを含有させることができる。その他、滑
剤、界面活性剤分散剤などを含有させることもできる。
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
たとえばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱する
と記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し
急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消
色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱
し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加
熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が
昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色
が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱ス
タンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを
用いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加
熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧や
パルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記
録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、
サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオー
バーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱ス
タンプによって消色温度域に加熱して消去することもで
きる。
要に応じ、1層あるいは多層の着色層を記録媒体の全面
もしくは一部分に設けても良く、これらの着色層上にさ
らに保護層を設けていても良い。このとき着色層および
保護層は、繰り返し耐久性を満足するものが好ましい。
また、保護層は着色層を覆っていれば良く、着色層が記
録媒体の一部分に設けられている場合には着色層を覆う
部分だけでも良く、記録媒体全体を覆っていても良い。
また、本発明の可逆性感熱記録媒体の表面および裏面の
最上層が具備すべき特性としては、前記の繰り返し耐久
性に加え、搬送性、耐指紋性などの汚れ・付着物に対す
る耐性、印字装置のクリーニング性などが挙げられる。
また、本発明の可逆性感熱記録媒体は任意の形状に加工
することができ、また、粘着剤などを介して他の媒体に
貼り付けることもできる。
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。
ブチルアミノフルオランを用い、顕色剤としてN−ステ
アロイル−β−アラニン−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアミドを用いて、本発明の組成物を以下のよ
うに作成した。まず、発色剤と顕色剤を1:3の混合比
(モル比)となるように秤量し、乳鉢で粉砕混合した。
厚さ1.2mmのガラス板をホットプレート上で温度1
70℃に加熱した。続いて、溶融混合物の上からカバー
グラスをかぶせ、融液を一様な厚さに広げ、すぐにガラ
ス板ごと全体を用意しておいた氷水中に沈め、急冷し
た。降温後、すぐに氷水上から取り出し、付着した水を
除き、薄膜状の発色した本発明の組成物を得た。次に、
上記の発色状態の組成物試料を110℃に加熱したホッ
トプレート上に置くと、瞬時に消色した。再びこの消色
した組成物試料を170℃に加熱すると、黒色を呈し
た。このことから、本発明の組成物は発色消色の繰り返
し特性を有することが確認された。
(p−ヒドロキシフェニル)エチルアミドの代わりに、
6−ステアロイルアミノ−カプロイックアシッド−2−
(p−ヒドロキシフェニル)エチルアミドを用いた他
は、実施例1と同様にして発色消色を確認したところ、
実施例1と同様に発色消色の繰り返し特性を有すること
が確認された。
砕分散して、記録層塗布液を調整した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 表8中の顕色剤 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) 20部 メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 上記組成の記録層塗布液を、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム上にワイヤーバーを用い塗布し、乾燥して
膜厚約6.0μmの記録層を持つ可逆性感熱記録媒体を
作製した。
アミノフルオランの代わりに2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラ
ンを用いた他は、比較例1と同様にして可逆性感熱記録
媒体を作製した。
マルヘッドによって印加電圧13.3V、印加パルス幅
1.2ミリ秒の条件で印字し、発色画像を得た。この発
色画像および地肌部の光学濃度をマクベス濃度計RD−
914を使用し測定した。この測定結果を表9に示す。
次に、この発色した記録媒体をホットスタンプにて表9
中の温度にて0.5秒および1秒で消色させ、消色濃度
を測定した。さらに、上記発色操作とホットスタンプ1
秒の消色操作を10回繰り返して行い、発色の可逆性を
調べたところ、本発明の記録媒体は発色消色の繰り返し
が可能であることを確認できた。また、発色状態にある
記録媒体を50℃乾燥条件下で24時間保存して、保存
前後の地肌濃度および発色濃度を測定して保存性を調べ
た。この結果を表9に示す。なお、表中の濃度保持率は
下記式で与えられる。 濃度保持率(%)={(保存後発色濃度−保存後地肌濃
度)/(保存前発色濃度−保存前地肌濃度)}×100
砕分散して、記録層分散液を調製した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記の構造の顕色剤 8部 ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラック U−21)の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 顕色剤構造式
(アダクト型ヘキサメチレンジアミンジイソシアネート
75%酢酸エチル溶液)20部を加え、良く撹拌し記
録層塗布液を調製した。上記組成の記録層塗布液を、厚
さ100μmの白色ポリエステルフィルム上にワイヤー
バーを用いて塗布し、80℃で乾燥した後、60℃で2
4時間加熱して膜厚約6μmの記録層を設けた。
液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で乾燥した
後、60℃で24時間加熱して膜厚約2μmの中間層を
設けた。 〈中間層塗液〉 ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラック U−21)の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液 100部 超微粒子窒化珪素(平均粒径70nm) 10部 コロネートHL 15部
層塗液をワイヤーバーを用いて塗工した後、照射エネル
ギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速
度で通し、硬化して膜厚3μmの保護層を設け、本発明
の可逆性感熱記録媒体を作製した。 〈保護層塗液〉 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (大日本インキ社製C7−157) 10部 シリカ(水沢化学社製 P−527) 0.1部 酢酸エチル 90部
mmのサーマルヘッドによって印加電圧13.3V、印
加パルス幅1.2ミリ秒の条件で印字した。この印字部
および地肌部の光学濃度をマクべス濃度計RD−914
を使用し測定したところ、印字濃度は1.18で、地肌
濃度は0.10であった。次に、この印字部をホットス
タンプを用い、150℃0.5秒で消去したところ消去
濃度は0.10であった。また、前記の印字・消去を5
0回繰り返したところ、印字濃度の低下および消去濃度
の上昇がほとんどなく、打痕もない良好な状態であっ
た。また、印字サンプルを蛍光灯5500lux100
時間照射したところ、印字部・地肌部共に良好な状態で
あった。
て記録層を設けた。 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3− (1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4− アザフタリド 2部 下記の構造の顕色剤 8部 N,N’−ジオクタデシル尿素 0.4部 ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製 タケラックU−21)の15%THF溶液 150部 顕色剤構造式
(平均粒径70nm)を除いた他は、実施例9と同様に
して中間層を設けた。
例9と同様にして保護層を設けた。 〈保護層塗液〉 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (大日本インキ社製C7−157) 10部 下記の構造の紫外線吸収剤 0.5部 酢酸エチル 90部 紫外線吸収剤構造式
OL OPニス)をRIテスターを用い印刷した後、7
m/分でUV照射して膜厚1.5μmのOP層を設け、
本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は0.98で、地肌濃度は0.09であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、140℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.09であった。ま
た、前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字
濃度の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕
もない良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光
灯5500lux100時間照射したところ、印字部・
地肌部共に良好な状態であった。
いて記録層塗布液を調製した他は、実施例9と同様にし
て記録層を設けた。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記の構造の顕色剤 8部 アクリルポリオール樹脂(三菱レーヨン社製LR286) の15%THF溶液 150部 顕色剤構造式
施例9と同様にして中間層を設けた。 〈中間層塗液〉 アクリルポリオール樹脂(三菱レーヨン社製LR286) の10%MEK溶液 100部 超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm) 10部 コロネートHL 5部
例9と同様にして保護層を設けた後、実施例10と同様
にしてOP層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作
製した。 〈保護層塗液〉 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (大日本インキ社製C7−157) 10部 酢酸エチル 90部
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は1.19、地肌濃度は0.10であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、120℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.10であった。ま
た、前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字
濃度の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕
もない良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光
灯5500lux100時間照射したところ、印字部・
地肌部共に良好な状態であった。
シル尿素を除いた他は、実施例10と同様にして記録層
を設けた。次に、記録層上に実施例10と同様の保護層
を設けて、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は0.95、地肌濃度は0.10であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、140℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.10であった。ま
た、前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字
濃度の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕
もない良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光
灯5500lux100時間照射したところ、印字部・
地肌部共に良好な状態であった。
同様にして中間層を設けた。次に、記録層上に実施例1
0と同様のOPを設けて、本発明の可逆性感熱記録媒体
を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は1.01、地肌濃度は0.09であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、140℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.09であった。ま
た、前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字
濃度の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕
もない良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光
灯5500lux100時間照射したところ、印字部・
地肌部共に良好な状態であった。
に下記組成からなる中間層塗液をワイヤーバーを用いて
塗布し、80℃で乾燥した後、60℃で24時間加熱し
て膜厚約2μmの中間層を設けた。 〈中間層塗液〉 ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラック U−21)の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液 100部 下記の構造の紫外線吸収剤 10部 コロネートHL 15部 紫外線吸収剤構造式
本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は0.97、地肌濃度は0.09であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、140℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.09であった。ま
た、前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字
濃度の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕
もない良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光
灯5500lux100時間照射したところ、印字部・
地肌部共に良好な状態であった。
て記録層を設けた。 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3− (1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4− アザフタリド 2部 下記の構造の顕色剤 8部 ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラック U−21)の15%THF溶液 150部 顕色剤構造式
施例11と同様にして保護層を設け、本発明の可逆性感
熱記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度1.04、地肌濃度は0.11であった。次に、
この印字部をホットスタンプを用い、160℃0.5秒
で消去したところ消去濃度は0.11であった。また、
前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字濃度
の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕もな
い良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光灯5
500lux100時間照射したところ、印字部・地肌
部共に良好な状態であった。
実施例10と同様に保護層を設け、本発明の可逆性感熱
記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度1.01、地肌濃度は0.11であった。次に、
この印字部をホットスタンプを用い、160℃0.5秒
で消去したところ消去濃度は0.11であった。また、
前記の印字・消去を50回繰り返したところ、印字濃度
の低下および消去濃度の上昇がほとんどなく、打痕もな
い良好な状態であった。また、印字サンプルを蛍光灯5
500lux100時間照射したところ、印字部・地肌
部共に良好な状態であった。
砕分散して、記録層塗布液を調製した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記の構造の顕色剤 8部 ポリn−ブチルメタアクリレート樹脂(三菱レーヨン社製BR102) の15%THF溶液 150部 顕色剤構造式
エステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、8
0℃で乾燥して膜厚約6μmの記録層を設けた。
液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で乾燥して膜
厚約2μmの中間層を設けた。 〈中間層塗液〉 ポリn−ブチルメタアクリレート樹脂(三菱レーヨン社製BR102) の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液 100部 超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm) 10部 次に、中間層上に実施例9と同様の保護層を設けて、本
発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度は1.11、地肌濃度は0.11であった。次
に、この印字部をホットスタンプを用い、160℃0.
5秒で消去したところ消去濃度は0.11であった。ま
た、印字サンプルを蛍光灯5500lux100時間照
射したところ、印字部・地肌部共に良好な状態であっ
た。
0と同様の保護層を設けて、本発明の可逆性感熱記録媒
体を作製した。
同様に印字し、この印字部および地肌部の光学濃度をマ
クベス濃度計RD−914を使用し測定したところ、印
字濃度1.05、地肌濃度は0.11であった。次に、
この印字部をホットスタンプを用い、160℃0.5秒
で消去したところ消去濃度は0.11であった。また、
印字サンプルを蛍光灯5500lux100時間照射し
たところ、印字部・地肌部共に良好な状態であった。
な発色状態と良好な消色状態を繰り返して形成できるた
め、これを用いた可逆性感熱記録媒体はコントラストの
高い画像の形成と消去が容易な操作により可能になる。
また、発色画像は高速消去が可能でさらに高温での保存
性に優れたものであり、実用性の高い書替え型記録が得
られる。
性を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度
の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形
成しうる可逆性熱発色組成物において、電子受容性化合
物として下記一般式(1)または(2)で表されるフェ
ノール化合物を用いたことを特徴とする可逆性感熱発色
組成物。 【化1】 【化2】 (式中、R1およびR3は炭化水素基を示し、R2および
R4は炭素数2以上の脂肪族炭化水素基を表す。ただ
し、R1、R2、R3およびR4の炭素数の和は8以上であ
る。また、X、YおよびZは酸素原子または窒素原子を
含む2価の基を示し、rは1〜3の整数を、pは1〜4
の整数をそれぞれ表す。) - 【請求項2】 請求項1の可逆性感熱発色組成物を主成
分として含有する記録層を支持体上に設けたことを特徴
とする可逆性感熱記録媒体。
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