JPH11228948A - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体

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JPH11228948A
JPH11228948A JP10051478A JP5147898A JPH11228948A JP H11228948 A JPH11228948 A JP H11228948A JP 10051478 A JP10051478 A JP 10051478A JP 5147898 A JP5147898 A JP 5147898A JP H11228948 A JPH11228948 A JP H11228948A
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JP
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color
fluoran
electron
methyl
group
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JP10051478A
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Masaru Shimada
勝 島田
Masashi Torii
昌史 鳥居
Hiroaki Matsui
宏明 松井
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定な発色性と消色性を保持し、高速消去に
対応できる可逆性感熱発色組成物および可逆性感熱記録
媒体を提供する。 【解決手段】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物
において、電子受容性化合物として下記一般式(1)で
表される化合物を含有させる。 (式中、m、nは1〜3の整数を、X、Yはヘテロ原子
を含む2価の基を表す。また、Rは水素原子またはア
ルキル基を、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基
を、Rは炭素数2〜20の炭化水素基を表す。また、
pは0〜20の整数を、rは0〜3の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物に関する。また、本発明は、その
可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御する
ことにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用さ
れている。しかし、これらの実用化されている従来の記
録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した
画像を消去して繰り返して使用することはできない。
【0003】ただ、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行うことができる記録媒体も提案されており、たと
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組
合せを用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤
にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化
合物を用いる特開昭61−237684号公報、発色剤
と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に
含有する特開昭62−138556号、特開昭62−1
38568号および特開昭62−140881号各公
報、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いる特開昭63
−173684号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシフェ
ニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を
用いる特開平2−188293号および特開平2−18
8294号各公報などが開示されている。しかし、以上
に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の安定性と
消色性の両立という点、あるいは発色の濃度や繰り返し
における安定性という点で問題を残しており、実用的な
記録媒体として満足し得るものではない。
【0004】本発明者らは、先に特開平5−12436
0号公報において、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基
をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物また
はフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ
染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱
冷却条件により容易に行わせることができ、しかもその
発色状態と消色状態を常温において安定に保持させるこ
とが可能であり、その上発色と消色を安定して繰り返す
ことが可能な可逆性感熱発色組成物、およびこれを記録
層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。これは発色
の安定性と消色性のバランスや発色濃度の点で実用レベ
ルの性能を持つものであるが、さらに広範囲な使用環境
への対応や発色消色条件の適用範囲の面で改良すべき余
地があった。その後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェ
ノール化合物について特定の構造の使用が提案されてい
るが(特開平6−210954号公報)、これも同様の
問題を持っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、安定な発色性と消色性を保持し、高速消去に対
応できる可逆性感熱発色組成物および可逆性感熱記録媒
体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象で
は、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能
力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種
々の構造の化合物を検討した。その結果、特定の構造を
もつフェノール化合物を顕色剤として用いることによ
り、上記の課題が解決できることを見いだし、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明によれば、第一に、電子
供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温
度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的
に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱
発色組成物において、電子受容性化合物として下記一般
式(1)で表されるフェノール化合物を用いたことを特
徴とする可逆性感熱発色組成物が提供される。
【化1】 (式中、m、nは互いに独立して1〜3の整数を示し、
X、Yはヘテロ原子を含む2価の基を表す。また、R1
は水素原子またはアルキル基を表し、R2は炭素数1〜
20の2価の炭化水素基を表し、R3は炭素数2〜20
の炭化水素基を表す。また、pは0〜20の整数を、r
は0〜3の整数をそれぞれ示す。ただし、式中、Xが−
CONH−である場合、p、rが共に0であり、かつR
1が水素原子であることはない。)第二に、上記第一に
記載した可逆性感熱発色組成物を主成分として含有する
記録層を支持体上に設けたことを特徴とする可逆性感熱
記録媒体が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。まず、前記一般式(1)で表される化合物につい
て、詳細に説明する。前記一般式(1)で表される化合
物において、R1は水素原子またはアルキル基を表し、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等が挙げられる。
【0009】また、R2は炭素数1〜20の2価の炭化
水素基を示し、これは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化
水素基でもよく、また、これらの両方から構成される炭
化水素基でもよい。また、脂肪族炭化水素基は直鎖でも
分枝していてもよく、さらに不飽和結合を有していても
よい。また、これら炭化水素基に、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
【0010】R2の好ましい例としては、以下の表1に
示すものが挙げられる。
【表1】 特に好ましい例としては、R2は−(CH2)q−を表す。
【0011】また、R3は炭素数2〜20の炭化水素基
を示し、これは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基
でもよく、また、これらの両方から構成される炭化水素
基でもよい。また、脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝し
ていてもよく、さらに不飽和結合を有していてもよい。
また、これら炭化水素基に、ハロゲン原子、水酸基、ア
ルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
【0012】R3の好ましい例としては、以下の表2に
示すものが挙げられる。
【表2】 特に好ましい例としては、R3は−(CH2)s−CH3
表す。
【0013】ここで、整数pと、R2およびR3に構成さ
れる炭素数との和が、7以下では発色の安定性や消色性
が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上
であることがより好ましい。よって、前記R2、R3の具
体的に例示した式中のq、q’、q''、q'''、s、
s'、s''、s'''は、それぞれこの炭素数を満足する整
数を表すことが好ましい。
【0014】また、XおよびYはヘテロ原子を含む2価
の基を示し、好ましくは
【化2】 で表される基を少なくとも1個以上有する2価の基を表
す。XおよびYの例としては、下記の表3に示されるも
のが挙げられる。
【0015】
【表3】
【0016】本発明で用いられる好ましいフェノール化
合物の例としては、下記一般式(2)〜(5)で表され
る化合物が挙げられる。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】式中のp、q、q'、q''、sはそれぞれ
独立に0〜20の整数を表す。ただし、これらの整数の
和は8以上である。また、Y'、Y''は前記Yと同様な
ヘテロ原子を含む二価の基を表し、これらは同一であっ
ても異なっていても良い。
【0022】本発明におけるフェノール化合物のさらに
具体的な例としては、たとえば一般式(2)および
(3)の例として表4に示した化合物が挙げられる。ま
た、ここでは構造式で示さないが、他の一般式(4)、
一般式(5)で表される化合物の場合も、XおよびYに
ついては表4と同様なものが具体例として挙げられる。
しかし、本発明は何等これらに限定されるものではな
い。
【0023】
【表4】
【0024】本発明の可逆性感熱発色組成物は、基本的
に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構
成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与
性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体(ロイコ染料)であり、とくに限定されず、従来
公知のもの、たとえばフタリド系化合物、アザフタリド
系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合
物、ロイコオーラミン系化合物などから選択できる。そ
の発色剤を以下に示す。
【0025】本発明に用いる好ましい発色剤として下記
の一般式の化合物がある。
【化7】
【化8】 (ただし、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキ
ル基、R2は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基
または置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニ
ル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基など
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキ
シ基またはハロゲン原子等が示される。R3は水素原
子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハ
ロゲン原子を表す。R4は水素原子、メチル基、ハロゲ
ン原子または置換されていても良いアミノ基を表す。ア
ミノ基に対する置換基としては、たとえば、アルキル
基、置換されていても良いアリール基、置換されていて
も良いアラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基などである。)
【0026】このような発色剤の具体例としては、たと
えば次の化合物が挙げられる。2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N
−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブ
チル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プ
ロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−
メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4
−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−
3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6
−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)
−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロ
ロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル
−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−
6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオ
ラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p
−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピ
ルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニ
リノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメトルア
ミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラ
ン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリ
ノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジ
クロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−
ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラ
ン、その他。
【0027】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと、以下の通りである。2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N
−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジ
ルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)
−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メト
キシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリ
フロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロ
リジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピ
ロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フ
ルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブ
ロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロ
メチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−
トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オ
クチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジア
リルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾ
ロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチル
アミノ)]−6−(o−クロロアニリノ)キサンチル安
息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルアミノ)]−
9−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタ
ム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フ
タリド、3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−
ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフ
タリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ク
ロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5
−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−
5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ
−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ
−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキ
シ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフ
タリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザ
フタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾイン
ドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ
−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
【0028】本発明の可逆性感熱発色組成物は、加熱温
度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対
的に発色した状態と消色した状態を形成し得るものであ
る。本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる基本的
な発色・消色現象を説明する。図1はこの組成物の発色
濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状
態(A)にある組成物を昇温していくと、溶融し始める
温度T1で発色が起こり、溶融発色状態(B)となる。
溶融発色状態(B)から急冷すると、発色状態のまま室
温に下げることができ、固まった発色状態(C)とな
る。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態から
の降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消
色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発
色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と、発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組合せにより変化するので、目的に合わせて選
択できる。また、溶融発色状態の濃度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0029】本発明の可逆性感熱発色組成物では、溶融
発色状態(B)から急冷して得られた発色状態(C)は
顕色剤と発色剤が分子同士で接触反応し得る状態で混合
された状態であり、これは固体状態を形成していること
が多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保
持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安
定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相
分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合
物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状
態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と
顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。
本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化
することによってより完全な消色が起きる。図1に示し
た溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇
温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化
し、相分離や顕色剤の結晶化が起きているものと考えら
れる。
【0030】本発明の組成物を可逆性感熱記録媒体とし
て用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどに
よりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよ
い。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度
よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しか
し、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結
晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じであ
る。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離温度ま
たは結晶化温度に保持しないようにするためである。こ
こにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的
なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組合せによ
り変化する。
【0031】組成物中の発色剤と顕色剤の割合は、使用
する化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、お
おむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1〜20の
範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である、
この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃
度が低下し、問題となる。
【0032】本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上
に前記の組成物を主成分として含む記録層を設けたもの
である。支持体としては紙、樹脂フィルム、合成紙、金
属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層
を保持できるものであればよい。
【0033】記録層は本発明の組成物が存在していれば
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成する。これは発色剤と顕色剤をいったん溶
融したり溶解することによつて達成できる。このような
記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散溶解し
たのち混合した液、あるいは各材料を混合して溶剤中で
分散または溶解した液を支持体上に塗布し、乾燥するこ
とによって行なわれる。発色剤と顕色剤はマイクロカプ
セル中に内包して用いることもできる。
【0034】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性や、発色消色特性を改善したり
制御するための添加剤を用いることができる。これらの
添加剤には、たとえば分散剤、界面活性剤、導電剤、充
填剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、
発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0035】記録層の形成に用いられるバインダー樹脂
としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポ
リスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポ
リエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共
重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、デンプン類などがある。これらのバインダ
ー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加に
よって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことに
ある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹
脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電
子線などで、バインダー樹脂を架橋させてもよい。
【0036】硬化性樹脂としては、たとえば架橋剤およ
びこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の組合せで
あり、熱、電子線、紫外線等により架橋硬化できる樹脂
である。熱硬化で用いられる樹脂は、たとえばフェノキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
など、水酸基、カルボキシル基など架橋剤と反応する基
を持つ樹脂、または水酸基、カルボキシル基などを持つ
モノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂があ
る。共重合樹脂には、たとえば塩ビ系、アクリル系、ス
チレン系などの樹脂があり、具体的には塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等が
例示できる。
【0037】熱架橋の架橋剤としては、たとえばイソシ
アネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物
等が挙げられる。たとえば、イソシアネート類として
は、イソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化
合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれ
らのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイ
プ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよび
ブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の
樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基
の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01〜2.0が
好ましく、これ以下では熱強度が不足してしまい、また
これ以上添加すると発色・消色特性に悪影響をおよぼ
す。またさらに、架橋促進剤としてこの種の反応に用い
られる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、たと
えば1,4−ジアザービシクロ〔2,2,2〕オクタン
などの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物
などが挙げられる。
【0038】次に、電子線および紫外線硬化の際に用い
られるモノマーとしては、たとえば以下のものが挙げら
れる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0039】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0040】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
パントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0041】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0042】また、紫外線を用いて架橋させる場合に
は、次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエー
テル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類;1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−ア
シロキシムエステル;2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等のベンジルケタール類;ジエトキシ
アセトンフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導
体;ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン
等のケトン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、
単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量と
してはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対して0.
005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜0.5重量部である。
【0043】光重合促進剤としては、芳香族系の第3ア
ミンや脂肪族系アミンがある。具体的には、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの
光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量部である。
【0044】本発明に用いる紫外線照射の際の光源とし
ては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラ
ンプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがあ
るが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を
架橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ
出力、搬送速度を決めればよい。
【0045】また、電子線照射装置としては、照射面
積、照射線量などの目的に応じて走査形、非走査形いず
れかを選べは良く、照射条件としては樹脂を架橋するの
に必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度を決
めれば良い。
【0046】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、記
録媒体としての特性を向上するため、保護層、接着層、
中間層、アンダーコート層、バックコート層などを設け
ることができる。
【0047】サーマルヘッドを用いた印字では、熱と圧
力のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる
場合がある。これを防止するため、表面に保護層を設け
ることが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコー
ル、スチレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性
ポリエチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂のほか、紫外線硬化樹脂および
電子線硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中には
紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
【0048】記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗
布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層
への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける
ことも好ましい。また、記録層の上に設置される保護
層、中間層には酸素透過性の低い樹脂を用いることが好
ましい。記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止ま
たは低減することが可能になる。
【0049】また、印加した熱を有効に利用するため、
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
ることができる。断熱層は、有機または無機の微小中空
体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形
成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への
記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を
設けることもできる。
【0050】中間層、アンダーコート層には、前記の記
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層およびアンダーコート層に
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクな
どのフィラーを含有させることができる。その他、滑
剤、界面活性剤、分散剤などを含有させることもでき
る。
【0051】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
たとえば熱ペン、サーマルヘッドやレーザー光で短時間
加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱
が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長
時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一
時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広
い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過
程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラ
ー、加熱バー、熱スタンプ、熱風、赤外線などを用いて
もよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよ
い。記録層を消色温度域に加熱するためには、たとえば
サーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節すること
によって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させれ
ばよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記
録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能にな
る。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温
度域に加熱して消去することもできる。
【0052】また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、必
要に応じ、1層あるいは多層の着色層を記録媒体の全面
もしくは一部に設けても良く、これらの着色層上にさら
に保護層を設けても良い。このとき着色層および保護層
は、繰り返し耐久性を満足するものが好ましい。また、
保護層は着色層を覆っていれば良く、着色層が記録媒体
の一部分に設けられている場合には着色層を覆う部分だ
けでも良く、記録媒体全体を覆っていても良い。また、
本発明の可逆性感熱記録媒体の表面および裏面の最上層
が具備すべき特性としては、前記の繰り返し耐久性に加
え、搬送性、耐指紋性などの汚れ・付着物に対する耐
性、印字装置のクリーニング性などが挙げられる。ま
た、本発明の可逆性感熱記録媒体は任意の形状に加工す
ることができ、また、粘着剤などを介して他の媒体に貼
り付けることもできる。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。
【0054】実施例1 発色剤として、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオランを用い、顕色剤として表5に示した
各化合物を用いて、本発明の組成物を以下のように作成
した。まず、発色剤と顕色剤を1:2の混合比(モル
比)となるように秤量し、乳鉢で粉砕混合した。厚さ
1.2mmのガラス板をホットプレート上で温度200
℃に加熱した。続いて、溶融混合物の上からカバーグラ
スをかぶせ、融液を一様な厚さに広げ、すぐにガラス板
ごと全体を用意しておいた氷水中に沈め、急冷した。降
温後、すぐに氷水上から取り出し、付着した水を除き、
薄膜状の発色した本発明の組成物を各々得た。次に、上
記の発色状態の組成物試料を150℃に加熱したホット
プレート上に置くと、いずれも瞬時に消色した。再びこ
の消色した組成物試料を200℃に加熱すると、いずれ
も黒色を呈した。このことから本発明の組成物は発色消
色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱発色組成物は、安定
な発色状態と良好な消色状態を繰り返して形成できるた
め、これを用いた可逆性感熱記録媒体はコントラストの
高い画像の形成と消去が容易な操作により可能になる。
また、発色画像は通常の使用条件下で安定であり、記録
消去の繰り返しに対する耐久性も高く、実用性の高い書
替え型記録が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特
性を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度
    の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形
    成しうる可逆性感熱発色組成物において、電子受容性化
    合物として下記一般式(1)で表されるフェノール化合
    物を用いたことを特徴とする可逆性感熱発色組成物。 【化1】 (式中、m、nは互いに独立して1〜3の整数を示し、
    X、Yはヘテロ原子を含む2価の基を表す。また、R1
    は水素原子またはアルキル基を表し、R2は炭素数1〜
    20の2価の炭化水素基を表し、R3は炭素数2〜20
    の炭化水素基を表す。また、pは0〜20の整数を、r
    は0〜3の整数をそれぞれ示す。ただし、式中、Xが−
    CONH−である場合、p、rが共に0であり、かつR
    1が水素原子であることはない。)
  2. 【請求項2】 請求項1の可逆性感熱発色組成物を主成
    分として含有する記録層を支持体上に設けたことを特徴
    とする可逆性感熱記録媒体。
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