JPH1060913A - 機械設備の据付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基礎コンクリートのはつり作業および粉塵対
策を必要とせず、機械設備の据付に要する工期、工費の
削減が可能な機械設備の据付方法を提供する。 【解決手段】 基礎１部分のコンクリート打設に際し、
その表面にエキスパンドメタル８をその厚みの半分程度
埋め込み、表面に凹凸を有する基礎１を形成する。基礎
１のコンクリートが硬化した後、基礎１上に機械５本体
を設置し、据付位置を調整する。エキスパンドメタル８
と機械５のベースプレート２との間に無収縮グラウト３
を注入する。無収縮グラウト３の硬化後、アンカーボル
ト４の本締めを行い、機械５本体を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、コンクリート基
礎上に機械設備を設置し、グラウトにより固定する場合
の機械設備の据付方法に関するものである。

【０００２】適用対象となる具体的な機械設備として
は、例えば製鉄設備における加熱炉、コイル巻取機、コ
イルコンベア、コイルスキッド、コイルカー等がある。

【０００３】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、機械設備の据付には、図５に示すように、まず、そ
れを支持するコンクリート基礎１を形成し、そのコンク
リートが乾燥した後、機械据付面をはつって表面に凹凸
１０を作り、その上に機械５を設置し、据付固定部にグ
ラウト３を流し込んで、グラウト３の硬化により固定す
る方法をとっていた。

【０００４】しかし、この方法では、コンクリートのは
つり作業に時間と費用を要し、合理的ではない。また、
はつり時に粉塵の発生が免れず、設備によっては粉塵の
発生が問題となり、粉塵対策を講じなければならない場
合もある。

【０００５】本願発明はこのような課題の解決を図った
ものであり、基礎コンクリートのはつり作業および粉塵
対策を必要としない新たな据付方法を提供し、それによ
って機械設備の据付に要する工期、工費の削減を可能と
することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願発明の機械設備の据
付方法は、コンクリート基礎表面に、上部を突出させた
状態で所要の厚みを有する網状体を予め埋設しておき、
この網状体上に機械設備を設置し、コンクリート基礎表
面と機械設備下面との間に固定用のグラウトを充填する
ことを特徴とするものである。

【０００７】網状体としては、エキスパンドメタル等、
比較的網目が大きくかつある程度の厚み（高さ方向）の
ある金網が適するが、例えばコンクリート補強材などに
用いられている新素材の網状体等、金属以外の網状体で
もよい。

【０００８】本願発明では、従来のコンクリート基礎表
面のはつり作業による凹凸の代わりに、網状体がコンク
リート基礎表面に凹凸を形成し、かつ下部がコンクリー
ト基礎中に埋設され、上部がグラウト中に埋設されるこ
とで、据え付けられた機械設備から基礎コンクリートへ
の応力伝達がスムーズとなる。

【０００９】また、従来のコンクリート基礎表面をはつ
る場合に比べて作業が簡単であり、粉塵も生じないの
で、クリーンな環境で効率良く作業を行うことができ
る。

【００１０】網状体をコンクリート基礎表面に上部を突
出させた状態で埋設する方法、例えば網状体を厚みの半
分程度埋め込む方法としては、まず基礎コンクリートを
打設し、基礎表面レベル調整後、そのコンクリート上面
に網状体を埋め込む方法や、固定用架台を介して網状体
を基礎上の機械据付面に固定した後、基礎コンクリート
を打設するといった方法がある。

【００１１】これにより、機械据付時に基礎表面に注入
する無収縮グラウトと基礎との界面に付着力を発生させ
ることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本願発明の一実施形態を示
したものである。この例では、まず基礎部分のコンクリ
ートを打設し、表面レベルを調整してまだ固まらない状
態においてその表面に網状体としてのエキスパンドメタ
ル８をその厚み（約１０〜１６mm）の半分程度埋め込
み、表面に凹凸を有する基礎１を形成する。

【００１３】基礎１のコンクリートが硬化した後、ベー
スプレート２を有する機械５本体を設置し、据付位置を
調整してエキスパンドメタル８とベースプレート２間に
無収縮グラウト３を注入して機械５を固定する。

【００１４】なお、図中、符号４はアンカーボルトを示
しており、予め基礎１のコンクリート中に埋設してお
き、グラウト３の硬化後、本締めを行う。

【００１５】図２は本願発明の他の実施形態を示したも
のである。この例では、基礎１のコンクリートを打設す
る前に、形鋼等で形成された架台９を設置し、その上に
凹凸形状を有するエキスパンドメタル８を取り付ける。

【００１６】エキスパンドメタル８のレベルを合わせた
後、その厚み（約１０〜１６mm）の約半分までコンクリ
ートを打設し、コンクリートの硬化により表面に凹凸を
有する基礎１が形成される。以下は、図１の実施形態の
場合と同様である。

【００１７】図３は本願発明のさらに他の実施形態とし
て、機械５に比較的大きな水平力が作用する場合を示し
たものである。この場合は、予めシアーキー設置用の内
型枠６をセットした状態で基礎１のコンクリートを打設
する。エキスパンドメタル８の設置は、図１の例のよう
にコンクリートの打設後となる場合と、図２の例のよう
に架台を使用しコンクリートの打設前となる場合とがあ
る。

【００１８】基礎１のコンクリートが硬化した後、機械
５本体を設置して据付位置を調整し、エキスパンドメタ
ル８とベースプレート２間および内型枠６の内部に無収
縮グラウト３を注入する。無収縮グラウト３の硬化後、
アンカーボルト４の本締めを行い、機械５本体を基礎１
に固定する。この場合、水平力はベースプレート２に取
り付けられたシアーキー７によって基礎１に伝達され
る。

【００１９】図４はより具体的な例として、本願発明を
コイルコンベヤー１５の据付に適用した場合の実施形態
（コンベヤー搬送方向と直角な断面）を示したものであ
る。

【００２０】この例では基礎１に形成された凹部１１内
に機械設備としてのコイルコンベヤー１５が据え付けら
れており、装置の一部を構成する横梁１２がその両端に
おいて凹部１１の中間段部１１ａに設置されている。

【００２１】すなわち、コンクリート基礎１を形成する
際にこの中間段部１１ａの表面に、エキスパンドメタル
８を図１の実施形態の場合と同様に半分埋め込んだ形で
埋設しておき、その部分に横梁１２の端部を載置する。

【００２２】据付位置を調整した後、エキスパンドメタ
ル８と横梁１２間に無収縮グラウト３を注入し、硬化
後、アンカーボルト４の本締めを行い、コイルコンベヤ
ー１５を基礎１に固定する。

【００２３】

【発明の効果】本願発明の据付方法によれば、基礎コン
クリート乾燥後のはつり作業を省略することができ、機
械設備の据付工事に要する工期、工費が削減できる。

【００２４】また、同時にはつり作業による粉塵対策も
省略できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の一実施形態を示す鉛直断面図であ
る。

【図２】本願発明の他の実施形態を示す鉛直断面図であ
る。

【図３】本願発明のさらに他の実施形態を示す鉛直断面
図である。

【図４】本願発明をコイルコンベヤーの据付に適用した
場合の実施形態を示す鉛直断面図である。

【図５】従来例を示す鉛直断面図である。

【符号の説明】

１…基礎、２…ベースプレート、３…グラウト、４…ア
ンカーボルト、５…機械、６…内型枠、７…シアーキ
ー、８…エキスパンドメタル、９…架台、１０…はつり
による凹凸、１２…横梁、１５…コイルコンベヤー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート基礎表面に、上部を突出さ
   せた状態で所要の厚みを有する網状体を予め埋設してお
   き、前記網状体上に機械設備を設置し、前記コンクリー
   ト基礎表面と前記機械設備下面との間に固定用のグラウ
   トを充填することを特徴とする機械設備の据付方法。