JPH1059253A - 揺動式3輪車の牽引構造 - Google Patents

揺動式3輪車の牽引構造

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JPH1059253A
JPH1059253A JP8213376A JP21337696A JPH1059253A JP H1059253 A JPH1059253 A JP H1059253A JP 8213376 A JP8213376 A JP 8213376A JP 21337696 A JP21337696 A JP 21337696A JP H1059253 A JPH1059253 A JP H1059253A
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oscillating
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Takashi Ozeki
孝 大関
Hiroyuki Kikuchi
浩之 菊池
Seiichi Kurohori
誠一 黒堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回の容易な牽引車両の提供。 【解決手段】 牽引車1は車体前部2と車体後部3をロ
ーリングジョイント4で連結し、車体前部2をバンク可
能側とし、車体後部3をバンクしない不動側とする揺動
式3輪車で構成し、非スイング部6にキャリヤ25を設
け、その前端部上方にあおり部27を設ける。キャリヤ
25の上へレーラー7の前半部を重ね、あおり部27の
近傍でキャリヤ25側へ、ローリング方向のみを規制し
た2軸フリー形式で着脱自在に連結する。トレーラー7
の車輪37は横2輪とし、トレーラー7の前部床下に慣
性ブレーキ装置33を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揺動式3輪車に
トレーラーを連結して使用する牽引車両に関する。
【0002】
【従来の技術】原動機付き自転車を牽引車として利用す
る種々な形式が公知であり、例えば、牽引車として前後
各2輪づつを有する4輪車と、横2輪式(車幅方向へ2
輪を配置した形成をいう)のトレーラーを組み合わせた
もの(実開昭55−87806号)、自動2輪車に横2
輪式のトレーラーを組み合わせたもの(特開昭60−1
89613号)、自動2輪車に1輪車形式のトレーラー
を組み合わせたもの(特開昭51−25236号)があ
る。
【0003】このうち、実開昭55−87806号は、
トレーラーの前側を牽引車の架台上に重ね、ヨー方向
軸、ローリング軸及びピッチング軸の各回りを揺動自在
な3軸フリー形式で連結している。
【0004】特開昭60−189613号及び特開昭5
1−25236号は、自動2輪車の架台後端部へトレー
ラーを連結してあり、特開昭60−189613号は3
軸フリー形式、特開昭51−25236号はローリング
方向を規制された2軸フリー形式の連結になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】牽引車が4輪車でない
2、3輪車の場合は、旋回時に車体をバンクさせること
が一般的である。
【0006】しかし、特開昭60−189613号のよ
うに3軸フリー形式で連結すると、牽引車である自動2
輪車が旋回するとき、バンクする自動2輪車の後部とト
レーラーとの挙動が異なるため、加減速時にトレーラー
側の慣性力が牽引車の車体を揺する方向に作用し、旋回
しにくくすることがある。
【0007】また、特開昭51−25236号のよう
に、ローリングを規制した2軸フリーでキャリヤ後端部
へ連結してあっても、牽引車が前後2輪式の自動2輪車
であり、かつトレーラーは1輪だけであり、3個の車輪
が前後方向へ一直線上に並ぶため、ロール慣性が大きく
なり、運動性能が低下してくる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明の原動機付き自転車にトレーラーを連結した牽
引車両は、原動機付き自転車からなる牽引車の後部へト
レーラーを着脱自在に連結した牽引車両において、牽引
車は、一つの前輪を有する車体前部と、左右2つの駆動
後輪を有する車体後部とを備え、車体前部を車体後部に
対して揺動自在に連結するとともに、車体後部が、後輪
と一体に上下方向へ揺動自在に懸架されたスイング部
と、揺動せず、かつ後輪懸架装置のバネ上側になる非ス
イング部とを備える揺動式3輪車であり、トレーラー
は、横2輪式であり、その前側部分を非スイング部へ着
脱自在に連結したことを特徴とする。
【0009】この牽引車とトレーラーの連結部は、ヨー
方向及びピッチング方向を揺動自在とし、ローリング方
向を規制した2軸フリー構造にできる。
【0010】また、非スイング部のトレーラーと連結す
る部分をキャリヤとし、トレーラーのヨー角規制部を、
キャリヤの前端部に設けられたあおり部で兼用させるこ
とができる。
【0011】さらにこのトレーラーのヨー角規制部を、
非スイング部から上方へ突出して設けられたコンビネー
ションランプ取付用部材で兼用させることもできる。
【0012】そのうえ、通常走行用に設定されたローレ
ンジよりもさらに減速比の大きなスーパーローレンジを
ミッションに設け、非スイング部側に設けたトレーラー
の連結検出手段により、トレーラーの連結時にミッショ
ンをスーパーローレンジへ切り換えることもできる。
【0013】
【発明の効果】牽引車を揺動式3輪車とし、その非スイ
ング部にトレーラーをローリング規制により2軸フリー
で連結すると、通常の自動2輪車同様に牽引車をバンク
させて旋回できるとともに、非スイング部とローリング
規制した連結により、旋回時におけるトレーラーのロー
リング方向挙動が非スイング部と同期する。
【0014】このため、旋回中の加減速時におけるトレ
ーラーの慣性力による走行への影響を少なくし、牽引の
あるなしにかかわらず自動2輪車同様の走行感覚が保た
れる。
【0015】しかも、非スイング部並びにトレーラーを
横2輪とすることによるワイドなトレッド間隔により、
旋回運動性を向上させる。
【0016】さらに、トレーラーのヨー角を、キャリヤ
のあおり部又はコンビネーションランプ取付用部材で規
制すれば、これらの部材をヨー角規制部材として兼用で
き、部品の有効利用を図るとともに、トレーラーのヨー
角規制により、牽引時における取扱性を向上させること
ができる。
【0017】牽引車のミッションにサブミッションを設
け、これにトレーラーの連結検出手段を連結すると、ト
レーラーの連結時に連結検出手段によりミッションをス
ーパーローレンジへ切り換える。
【0018】これにより、牽引時におけるトレーラーの
重量増による動力性能低下を補い、快適な走行を可能に
する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1乃至図6に第1の実施形態を
示す。図1はトレーラーを連結した状態の全体側面図、
図2はトレーラー部分を中心とする平面図、図3はその
背面図、図4はトレーラー部分単独使用時の側面図、図
5は慣性ブレーキ装置の一部切欠き平面図、図6は図5
の6−6線断面図である。
【0020】図1において、牽引車である揺動式3輪車
1は、前輪を1つ設けた車体前部2と、駆動輪である後
輪を横2つで設けた車体後部3とからなる原動機付き自
転車であり、車体前部2と車体後部3は、ローリングジ
ョイント4により連結されている。
【0021】ローリングジョイント4は、軸線を斜め後
ろ下がりに前後方向へ向けて配設され、その軸回りに車
体前部2が揺動自在となり、かつ車体後部3が横2輪構
成により不動である。
【0022】したがって、この揺動方向へ不動の車体後
部3に対して、車体前部2のみが左右方向へバンク可能
になっている。
【0023】車体後部3は、さらにスイング式パワーユ
ニット5からなるスイング部と、非スイング部6とから
なり、非スイング部6の後部上方にトレーラー7が前半
分を重ねた状態で連結されている。
【0024】車体前部2は、中央に設けられた1つの前
輪10をハンドル11で走行自在に支持するとともに、
キャビンとして構成されている。
【0025】キャビンの下部構造は、側面視略U字状を
なすメインフレーム12と、その上に設けられた低床式
フロア13を有し、低床式フロア13上のハンドル11
後方にはシート14が支持されている。
【0026】キャビンの上部構造は、フロントパネル1
5と、その上端から上方へ延び、さらに乗員の頭上を後
方へ延びるルーフ16と、その後端から下方へ延びてメ
インフレーム12の後端側へ連結されるリヤピラー17
で構成されている。
【0027】リヤピラー17の上部には、ストップラン
プ等からなるコンビネーションランプ18がハイマウン
トランプとして取付けられ、そのハウジングにナンバー
プレート19が取付けられている。
【0028】スイング式パワーユニット5は、エンジン
20とクランクケース21を備え、クランクケース21
の後端には、後輪22を回転自在に支持するとともに、
ピポット軸23を介して非スイング部6を構成するリヤ
フレーム24の前端下部に連結され、上下方向へ揺動自
在に支持されている。
【0029】リヤフレーム24は後方へ斜め上がりに延
び、その後部は後輪22の上方を前後方向へ略水平に延
びるキャリヤ25に接続している。
【0030】キャリヤ25は、トレーラー7を連結せず
に揺動式3輪車1を単独で使用する場合における架台と
なる場所であり、フラットな面に形成されている。
【0031】キャリヤ25とクランクケース21との間
には、リヤサスペンション機構をなすリヤクッションユ
ニット26が上下方向に連結され、非スイング部6はこ
のリヤサスペンション機構におけるバネ上側になってい
る。
【0032】キャリヤ25の前端部にはその左右から上
方へ立ち上るあおり部27が設けられている。
【0033】あおり部27の左右両端部はストッパー2
7aとして後方へ屈曲し、トレーラー7の前端部との間
に所定の間隔を形成し、トレーラー7がヨー方向の揺動
により所定角度回動したとき、当接するヨー角規制部に
なっている。
【0034】図2に明らかなように、あおり部27近傍
かつその後方位置にパイプ状の連結部材28が軸線を車
幅方向にして配設されている。
【0035】連結部材28の両端は、ゴムブッシュ29
aを介してブラケット29により左右のリヤフレーム2
4間に防振支持されている。
【0036】トレーラー7は、平面視略四辺形の角パイ
プからなる主枠30を備え、この主枠30により全体と
してトレーラー7のフラットな架台を形成している。
【0037】主枠30を構成する4辺のうち、前辺30
fの中央部には丸パイプで形成された前枠31が上方へ
突出して設けられている。
【0038】前枠31の前方には、連結部32が設けら
れ、この後方に慣性ブレーキ装置33が連続して設けら
れ、その操作レバー34が連結部32の上方へ延びてい
る。
【0039】連結部32と慣性ブレーキ装置33は、ト
レーラー7に対して相対的な前後移動のみを許容し、他
は一体に運動するように、トレーラー7の中央部下方に
取付けられている。
【0040】慣性ブレーキ装置33の厚みは側面視で主
枠30の厚み内に略収まる程度になっている。
【0041】前辺30fの左右両側下部には収納式支持
脚35がヒンジ35aを介して起倒自在に設けられ、収
納時には主枠30の側部へ平行に回動される。
【0042】使用時には下方へ回動させて垂直に起立さ
せ、その下端部のキャスター35bを接地させるととも
に、伸縮自在のダンパー35cで起立状態を支持される
ようになっている。
【0043】主枠30の後部左右には、ステー36が下
方へ延出され、ここに左右一対の車輪37が回転自在に
支持されている。
【0044】主枠30の左右両側部には、略平行に延び
る側枠38が設けられ、主枠30の後部上にも前枠31
よりも上方へ高く延出する後枠39が設けられている。
【0045】図4〜6に明らかなように連結部32は、
平面視略3角形状をなす本体部40を備え、その前端面
に連結部材28を前方から嵌合可能な連結凹部40aを
形成してある。
【0046】本体部40の前端部中央にはレバー用凹部
40bが前方へ開放されて形成され、このレバー用凹部
40bを挟むように左右一対のガイド突起41が前方へ
突出形成されている。
【0047】左右のガイド突起41間には、安全ピン4
2が抜き差し自在に支持される。本体部40の後部側
は、上下に平行して後方へ略水平に延出する平板状の軸
支部43をなす。
【0048】レバー用凹部40b内には連結レバー44
が軸45により本体部40側に上下方向へ回動自在に取
付けられている。
【0049】連結レバー44は断面略L字状をなし、軸
45の近傍から下方へ延びるアーム部46の先端がフォ
ーク状に形成され、ここにフックプレート47の後端に
設けられたピン48が係合している。
【0050】フックプレート47は、前部が連結部材2
8の外周に沿う略半円弧状に形成されるとともに、ピン
48の近傍で軸49により本体部40側へ回動自在に設
けられている。
【0051】連結レバー44を反時計周り方向に下方へ
倒した連結位置(図6の実線位置)では、アーム部46
がピン48を後方へ移動させることにより、フックプレ
ート47の前部が時計周り方向上方へ回動して連結部材
28の前方側外周に当接し、連結部材28を連結凹部4
0aから抜け出し不能にする。
【0052】この時、安全ピン42は連結レバー44の
上方を通って左右のガイド突起41に支持されるように
なっており、この状態で連結レバー44が時計周り方向
上方へ回動することを阻止される。
【0053】この状態で、連結部32が連結部材28に
対してその軸線回りに回動自在に連結され、かつ、連結
部32と連結部材28はそれぞれ前記軸線方向へ長く接
触している。
【0054】このため、連結部32とピッチング方向及
びローリング方向で一体的に動くトレーラー7は、連結
部材28に対してピッチング運動が自在になり、ローリ
ング運動が規制される。
【0055】また、安全ピン42を抜いて、連結レバー
44を非連結位置(図6の仮想線位置)へ回動させる
と、アーム部46がピン48を前方へ回動させるので、
フックプレート47の前部を図6の反時計周り方向へ回
動させて連結部材28を解放する。
【0056】これにより、アーム部46が連結部材28
に向かって押しつけられるため、本体部40が後方へ移
動して連結部材28から分離される。
【0057】軸支部43の後端部は、上下方向に通した
ボルトからなる縦軸50により、ベアリング51を介し
て慣性ブレーキ装置33のベアリングホルダ52aと回
動自在に連結される。
【0058】ベアリングホルダ52aは、慣性ブレーキ
装置33を構成するハウジング53の前端部へ一体に形
成されている。
【0059】ハウジング53は前後方向へ帯状に延びる
部材であり、前端部にはベアリングホルダ52aと一体
の前壁52が形成され、中間部には、前壁52と平行に
上方へ突出する中間壁54が一体に形成されている。
【0060】前壁52と中間壁54との間隔は前辺30
fの平面幅よりも広く、この間で前辺30fが前後方向
へ移動自在になっている。
【0061】このため、減速時等において、トレーラー
7が慣性力によって揺動式3輪車1側へ前進するとき、
前辺30fはスライド軸55上を摺動して前方へ移動す
る。
【0062】さらに、車体前部2と中間壁54の間に
は、左右方向に並んだ一対のスライド軸55が軸線を前
後方向へ向けて平行に設けられている。
【0063】スライド軸55は前辺30fを前後方向へ
貫通して形成されたスライドパイプ56内をベアリング
57を介して摺動自在に貫通している。
【0064】スライド軸55を複数本(本実施形態では
2本)にして並設したので、スライド軸55の曲げ剛性
やねじれ剛性を必要程度確保した場合、従来の一本だけ
の場合よりも個々の径を細くでき、それだけ慣性ブレー
キ装置33全体を薄くできる。
【0065】前壁52と中間壁54間の凹部空間内には
カムプレート58が左右方向へスライド自在に収容さ
れ、その前端側は操作レバーとして軸支部43の上方へ
延出されている。
【0066】図5に明らかなように、カムプレート58
の中央部には前後方向の軸線に対して傾斜するカム溝6
0が形成されている。
【0067】カム溝60の中央部はノーマル位置であ
り、これを挟んで前方へ突出する前側凹部61と後方へ
突出する後側凹部62が形成されている。
【0068】また、左右へ延びる部分のうち、前方へ傾
斜する側の先端部が駐車ブレーキ位置63をなし、反対
側の後方へ傾斜する溝の先端位置が強制解除位置64と
なる。
【0069】このカム溝60を貫通して上下方向へ設け
られるガイドピン65は、前辺30fの中央部を貫通し
て前壁52と中間壁54の上部間を覆うカバープレート
66に上端を固定されている。
【0070】ガイドピン65は、通常時にカム溝60の
中央部であるノーマル位置にあり、慣性により前辺30
fが前進すると前側凹部61側へ移動し、逆に後退する
と後側凹部62側へ移動する。
【0071】ガイドピン65が前側凹部61側へ移動す
ると後述するように慣性ブレーキの作動状態になる。
【0072】この状態で、操作レバー34によりカムプ
レート58を図5の下方へ移動させてガイドピン65を
強制解除位置64へ移動させれば、慣性ブレーキの作動
状態を強制解除できる。
【0073】また、ガイドピン65がノーマル位置等に
あるとき、操作レバー34によりカムプレート58を図
5の上方へ移動させてガイドピン65を駐車ブレーキ位
置63へ移動させれば、トレーラー7に駐車ブレーキを
かけることができる。
【0074】中間壁54には、クッションラバー67が
取付けられ、前辺30fが相対的に後方へ移動したと
き、その後部へ当接して緩衝するようになっている。
【0075】カムプレート58の下方には、その左右方
向移動に節度を与えるため、クリックボール68とこれ
を押し出すクリックスプリングがハウジング53側へ取
付られている。
【0076】クリックボール68は、カムプレート58
の底部に、ノーマル位置、駐車ブレーキ位置63及び強
制解除位置64と関連づけられて予め形成されている凹
部へ押しつけられている。
【0077】ガイドピン65の下端部には、ケーブル7
0の前端部が連結され、このケーブル70は中間壁54
を貫通して後方へ延び、ハウジング53の後部へ取付け
られたスプロケット71へ連結されている。
【0078】スプロケット71にはチエーン72が巻き
掛けられ、チエーン72の両端は、左右の車輪37に設
けられた各ドラムブレーキ73の操作ケーブル74へ連
結されている。
【0079】スプロケット71は、スプロケットケース
75内へ前後方向へ移動自在に収容され、リターンスプ
リング76を抗して前方へ移動するようになっている。
【0080】減速時におけるトレーラー7の慣性力等に
よってガイドピン65が前方へ移動すると、ケーブル7
0によりリターンスプリング76に抗してスプロケット
71が前方へ移動して、各ドラムブレーキ73に制動が
かかる。
【0081】また、ケーブル70の牽引力はスプロケッ
ト71を介して左右の操作ケーブル74を牽引するの
で、左右の操作ケーブル74へ均等にケーブル70の牽
引力を伝達できる。
【0082】次に、本実施形態の作用を説明する。図1
に示すように、トレーラー7の前半側を、車体後部3の
非スイング部6であるキャリヤ25の上方に重ねてその
前端部へ連結した。
【0083】また、連結部材28の軸回りにトレーラー
7が上下動してピッチングし、かつ縦軸50を中心にヨ
ー方向へ回動自在な2軸フリーで連結し、連結部材28
へ連結部32へ連結することにより、ローリング方向が
規制されている。
【0084】したがって旋回時に、非スイング部6とト
レーラー7のロール方向にける挙動を同期できる。
【0085】このため、旋回中の加減速時におけるトレ
ーラーの慣性力による走行への影響を少なくし、牽引の
あるなしにかかわらず自動2輪車同様の走行感覚が保た
れる。
【0086】また、牽引車1を揺動式3輪車としたの
で、車体前部2を通常の自動2輪車同様にバンクさせて
旋回できる。
【0087】しかも、非スイング部6並びにトレーラー
7を横2輪とすることによるワイドなトレッド間隔によ
り、旋回運動性を向上させる。
【0088】さらに、トレーラー7がヨー方向へ所定以
上回動したときは、前辺30fの端部が、あおり部27
の左右両端部で後方へ屈曲したストッパー部27aへ当
接することにより、ヨー角を規制できる。
【0089】ゆえに、あおり部27を本来の連結とヨー
角規制部材の両用に利用でき、部品の効率的使用が可能
になる。
【0090】図7は、第2の実施形態における牽引部側
面を示し、この例では、揺動式3輪車1は、スイング式
パワーユニット5を除いて、他の部分は実質的に前実施
形態と共通であり、トレーラー7も同様である。
【0091】なお、前実施形態と共通部分については同
一符号を用いるものとする(以降の実施形態も同様)。
【0092】本実施形態では、スイング式パワーユニッ
ト5のクランクケース21に設けられたミッション80
にサブミッションが付設され、そのサブミッション軸8
1は伝達部材82を介してキャリヤ25に設けたサブミ
ッションレバー83へ連結されている。
【0093】図8は、サブミッション機構を原理的に示
す図であり、トレーラーの連結検知手段であるサブミッ
ションレバー83は、キャリヤ25側へ固定されたブラ
ケット84aへ支点84により、Low側とHi側の間
を回動自在に支持され、非連結時にキャリヤ25上へ突
出してHi側へ回動し、トレーラー7を連結したとき、
トレーラー7の床によってLow側へ回動されるように
なっている。
【0094】伝達部材82は、リンク85、86、87
で構成されている。したがって、トレーラー7を連結す
ると、サブミッションレバー83が前方へ回動されてL
ow側となり、リンク85〜87を介してサブミッショ
ン軸81をLow側へ回動させる。
【0095】サブミッション軸81は、Low側へ回動
すると、ミッション80をスーパーローレンジへ切り換
え、通常走行用に設定されているローレンジよりもさら
に減速比の大きな変速出力としてカウンター軸88から
出力される。
【0096】これにより、トレーラー7を連結すること
により、動力性能の低下を補い、違和感の少ない走行を
実現できる。
【0097】トレーラー7を分離することにより、前方
へ回動されていたサブミッションレバー83を解放し、
適宜なリターン機構によりHi側である元の状態へ復帰
回動させれば、サブミッション軸81がHi側へ回動
し、カウンター軸88は通常の変速比で動力を伝達出力
する。
【0098】なお、伝達部材82はリンクに変えてケー
ブルを採用すれば、荷重変化に伴うサブミッション軸8
1とサブミッションレバー83間の長さ変化による影響
を少なくできる。符号89はトレーラー7の案内ローラ
ーである。
【0099】図9は、第3の実施形態であり、この例で
は揺動式3輪車1のキャビン構造を省略した点に大きな
特徴がある。
【0100】また、トレーラー7の連結部並びに前辺3
0fのヨー角規制を、キャリヤ25の前端から上方へ延
びるランプポール90としてある。
【0101】図示を省略してあるがランプポール90の
実施形態のものと同様に構成するとともに、その上端部
は後枠39よりも高い位置にあり、ここにストップラン
プ18やナンバープレート19が取付けられている。
【0102】このようにすると、コンビネーションラン
プ取付用部材であるランプポール90でトレーラーのヨ
ー角をで規制でき、ヨー角規制部材として兼用できる。
【0103】さらに、後枠39と略同程度の高さまで荷
物91を積載してもリヤコンビネーションランプ18や
ナンバープレート19をそれより高い位置にでき、後方
からの視認性に優れたものになる。
【0104】なお、収納式支持脚35にはリンク92が
設けられ、その主枠30側端部は主枠30の側面に前後
方向へ形成された長穴状のガイド溝93を前後方向へ摺
動するようになっている。
【0105】また、キャスター35bを収納式支持脚3
5の収納時に固定する押えメンバ94がステー36側へ
回動自在に取付けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る全体側面図
【図2】 トレーラー部分の平面図
【図3】 トレーラー部分の背面図
【図4】 トレーラー単独の側面図
【図5】 慣性ブレーキ装置の平面図
【図6】 図5の6−6の線断面図
【図7】 第2の実施形態に係る牽引部の側面図
【図8】 サブミッション操作系の概念図
【図9】 第3の実施形態に係る全体の側面図
【符号の説明】
1:揺動式3輪車、2:車体前部、3:車体後部、4:
ローリングジョイント、5:スイング式パワーユニッ
ト、6:非スイング部、7:トレーラー、32:連結
部、33:慣性ブレーキ装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機付き自転車からなる牽引車の後部へ
    トレーラーを着脱自在に連結した牽引車両において、牽
    引車は、一つの前輪を有する車体前部と、左右2つの駆
    動後輪を有する車体後部とを備え、車体前部を車体後部
    に対して揺動自在に連結するとともに、車体後部が、後
    輪と一体に上下方向へ揺動自在に懸架されたスイング部
    と、揺動せず、かつ後輪懸架装置のバネ上側になる非ス
    イング部とを備える揺動式3輪車であり、トレーラー
    は、横2輪式であり、その前側部分を非スイング部へ着
    脱自在に連結したことを特徴とする揺動式3輪車の牽引
    構造。
  2. 【請求項2】牽引車とトレーラーの連結部は、ヨー方向
    及びピッチング方向を揺動自在とし、ローリング方向を
    規制した2軸フリー構造であることを特徴とする請求項
    1記載の揺動式3輪車の牽引構造。
  3. 【請求項3】非スイング部のトレーラーと連結する部分
    がキャリヤをなすとともに、トレーラーのヨー角規制部
    が、キャリヤの前端部に設けられたあおり部であること
    を特徴とする請求項2記載の揺動式3輪車の牽引構造。
  4. 【請求項4】トレーラーのヨー角規制部が、非スイング
    部から上方へ突出して設けられたコンビネーションラン
    プ取付用部材であることを特徴とする請求項2記載の揺
    動式3輪車の牽引構造。
  5. 【請求項5】通常走行用に設定されたローレンジよりも
    さらに減速比の大きなスーパーローレンジをミッション
    に設け、非スイング部側に設けたトレーラーの連結検出
    手段により、トレーラーの連結時にミッションをスーパ
    ーローレンジへ切り換えることを特徴とする請求項1記
    載の揺動式3輪車の牽引構造。
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