JPH10512596A - 粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法 - Google Patents
粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法Info
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- JPH10512596A JPH10512596A JP9518051A JP51805197A JPH10512596A JP H10512596 A JPH10512596 A JP H10512596A JP 9518051 A JP9518051 A JP 9518051A JP 51805197 A JP51805197 A JP 51805197A JP H10512596 A JPH10512596 A JP H10512596A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法を提供し、この精製方法は、粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナフタレンジカルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させる工程、次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶媒中に溶解除去する工程からなる。不純物の含有量が少ないナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステルとの混合物、あるいは高純度のナフタレンジカルボン酸が得られる。
Description
【発明の詳細な説明】
粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法
技術分野
本発明は、不純物を含有するナフタレンジカルボン酸から、不純物の含有量が
少ないナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステル体との混合物
、あるいは高純度のナフタレンジカルボン酸が得られるような粗ナフタレンジカ
ルボン酸の精製方法に関するものである。
技術的背景
ナフタレンジカルボン酸は、たとえばジアルキルナフタレンを、コバルト、マ
ンガンおよび臭素の存在下で酸化することにより製造することができる。しかし
、このような方法で得られた粗ナフタレンジカルボン酸は、トリメリット酸、ア
ルデヒド類などの不純物や触媒に起因するコバルト、マンガンおよび臭素が含有
されている。このようなナフタレンジカルボン酸を原料として、たとえばポリエ
チレンナフタレートを製造すると、得られたポリエチレンナフタレートが着色し
たり、成形時に金型汚れが発生したりする。このため上記のようにして得られた
ナフタレンジカルボン酸を精製することが必要になる。
ナフタレンジカルボン酸の精製方法としては、特開平1−110650号公報
には、触媒量の第三アミン及びチタン含有化合物の存在下で2,6-ナフタレンジカ
ルボン酸1モルに対して少なくとも2モルのエチレングリコールと純粋でない2,
6-ナフタレンジカルボン酸とを反応させることによって2,6-ナフタレンジカルボ
ン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)エステルを調製し、この2,6-ナフタレンジカル
ボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)エステルを結晶させ、そして精製された2,6-
ナフタレンジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)エステルを回収する精製さ
れた2,6-ナフタレンジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)エステルの製造方
法が記載されている。
また、特表平5−508870号公報には、適切な反応領域において、2,6-ナ
フタレンジカルボン酸をメタノールと反応させて、溶解したジメチル-2,6-ナフ
タレンジカルボキシレートおよびモノメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレー
トを含む反応混合物を調製し、反応混合物を約40℃を越えない温度に冷却する
ことにより、溶解したジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートおよびモノ
メチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートの主要部分を結晶化し、反応混合物
母液を結晶化したジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートおよびモノメチ
ル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートから分別し、分別されたジメチル-2,6-ナ
フタレンジカルボキシレートおよびモノメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレ
ートを再結晶溶剤中において、ジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートの
少なくとも一部およびモノメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートの実質的
にすべてが溶解するのに十分な温度に加熱し、再結晶溶剤中に溶解したジメチル
-2,6-ナフタレンジカルボキシレートが再結晶し、一方ではモノメチル-2,6-ナフ
タレンジカルボキシレートの主要部分が再結晶母液に保持される温度において、
ジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを再結晶し、再結晶ジメチル-2,6-
ナフタレンジカルボキシレートを再結晶母液から分別する精製ナフタレンジカル
ボン酸ジメチルの製法が記載されている。
さらに、特開平7−173100号公報には、不純物を含有する2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸の粗結晶を超臨界または亜臨界状態の水に溶解し、得られた溶液
を300℃以下に冷却して結晶を析出させ、次いで該結晶を100〜300℃の
温度において母液から分離することを特徴とする高純度2,6-ナフタレンジカルボ
ン酸の製造方法が記載れている。
このような状況のもとさらに容易な操作で、不純物の含有量をより少なくしう
るナフタレンジカルボン酸の精製方法の出現が望まれている。
本発明は上記のような現状に鑑みてなされたものであって、不純物の含有量が
少ないナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステル体との混合物
、あるいは高純度のナフタレンジカルボン酸を得ることができるような粗ナフタ
レンジカルボン酸の精製方法を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明に係る粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法では、
粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナフタレンジカ
ルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させ、
次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水
添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶
媒中に溶解除去している。
本発明の一つの態様では、前記工程に引き続いて、ナフタレンジカルボン酸お
よびナフタレンジカルボン酸エステル体を晶析させると、不純物の含有量が少な
いナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステル体との混合物が得
られる。
また、本発明の別の態様では、前記水添に引き続いて、さらに、前記水/アル
コール溶媒のアルコール濃度を低下させてナフタレンジカルボン酸エステルを加
水分解してナフタレンジカルボン酸を回収することもできる。
本発明によると、粗ナフタレンジカルボン酸から高純度のナフタレンジカルボ
ン酸を製造することができる。
本発明では、前記アルコールとしてメタノール、エタノールまたはエチレング
リコールを用いることが好ましい。
本発明では、得られたナフタレンジカルボン酸を、さらに水またはアルコール
で洗浄してもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明では、粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナ
フタレンジカルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させ、次いで、
水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水添可能不純
物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶媒中に溶解
除去している。
本発明で用いられる粗ナフタレンジカルボン酸は、たとえばジアルキルナフタ
レンを、コバルト、マンガンおよび臭素の存在下で酸化することにより製造され
たものであり、この粗ナフタレンジカルボン酸には、通常トリメリット酸、アル
デヒド類、4-ホルミル-2-ナフトエ酸、6-ホルミル-2-ナフトエ酸などの水添可能
不純物や触媒に起因するコバルト、マンガンおよび臭素が含有されている。
本発明では、まず上記のような粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶
媒とを混合し、ナフタレンジカルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶
解させる。
ナフタレンジカルボン酸は、水/アルコール溶媒中のアルコール1モルに対し
0.007〜0.5モル、好ましくは0.03〜0.10モルの量で用いられる
。前記水/アルコール溶媒のアルコール濃度は、20〜95重量%、好ましくは
40〜90重量%、より好ましくは40〜70重量%である。水/アルコール溶
媒に用いられるアルコールとしては、炭素原子数が8以下のアルコールが好まし
く、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどの脂
肪族アルコール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール、フェノール、ベ
ンジルアルコールなどの芳香族アルコール、エチレングリコールなどのジアルコ
ールなどが挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノールおよびエチレ
ングリコールが特に好ましい。
ナフタレンジカルボン酸のエステル化は、2〜80kg/cm2、好ましくは
10〜50kg/cm2の圧力下、200〜300℃、好ましくは160〜28
0℃の温度で、0.2〜6時間、好ましくは1〜4時間行われる。ナフタレンジ
カルボン酸のエステル化率は、水/アルコール溶媒中のアルコール濃度にもよる
が通常20〜90%、好ましくは40〜70%であることが望ましい。
なおエステル化率は、下記式によって算出される値である。
エステル化反応によりナフタレンジカルボン酸モノエステルおよびナフタレン
ジカルボン酸ジエステルが生成し、このナフタレンジカルボン酸モノエステルお
よびナフタレンジカルボン酸ジエステルが水/アルコール溶媒に溶解する。
次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水
添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶
媒中に溶解除去する。
水添可能不純物の水添は、20〜80kg/cm2、好ましくは30〜60k
g/cm2の圧力下、160〜300℃、好ましくは200〜280℃の温度で
、0.05〜2.0時間、好ましくは0.1〜1.0時間行われる。この際用い
られる水添触媒としては、従来公知の触媒、たとえば、Fe,Co,Ni,Ru
,Rh,Pd,Os,Ir,Ptなどを用いることができる。水添触媒は、ナフ
タレンジカルボン酸とアルコールおよび水との合計重量に対して、水添触媒中の
金属重量換算で、0.0005〜1重量%、好ましくは0.003〜0.3重量
%の割合で用いられる。
前記のような水添可能不純物は、水添されることにより水/アルコール溶媒に
可溶な化合物に変化する。
上記のような工程により粗ナフタレンジカルボン酸中の水添可能不純物を除去
することができる。
本発明では、上記工程に引き続き、溶液を冷却することによりナフタレンジカ
ルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステル体を晶析させることができる。
そして、析出したナフタレンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステ
ル体を、水/アルコール溶媒と分離することにより不純物の少ないナフタレンジ
カルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステル体との混合物が得られる。
得られるナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸エステル体との比
率は、水/アルコール溶媒のアルコール濃度および/または晶析させる際の温度
を調整することにより調節することができる。
本発明において、高純度のナフタレンジカルボン酸を得ようとする場合には、
前記水添可能不純物を水添した後の、ナフタレンジカルボン酸およびナフタレン
ジカルボン酸エステル体が含まれた水/アルコール溶液のアルコール濃度を低下
させてナフタレンジカルボン酸エステルを加水分解し、析出したナフタレンジカ
ルボン酸を分離回収する。
アルコール濃度を低下させる方法としては特に限定されないが、たとえば水/
アルコール溶液と水とを混合する方法、水/アルコール溶液からアルコールの一
部を蒸発させる方法、水/アルコール溶液と該溶液よりアルコール濃度の低い水
/アルコール溶媒とを混合する方法などが用いられる。なお、上記のような方法
により溶液のアルコール濃度を低下させる前に、前記水添可能不純物を水添した
後の水/アルコール溶液から、溶媒の一部を除去してもよい。
加水分解する際の水/アルコール溶媒のアルコール濃度は、60重量%以下、
好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
また加水分解は、2〜80kg/cm2、好ましくは10〜50kg/cm2の
圧力下、160〜300℃、好ましくは200〜280℃の温度で、0.2〜6
時間、好ましくは1〜4時間行われる。
加水分解を行った後、水/アルコール溶液を冷却することによりナフタレンジ
カルボン酸を晶析させることができる。そして、析出したナフタレンジカルボン
酸を、水/アルコール溶媒と分離することにより高純度のナフタレンジカルボン
酸が得られる。
このようにして得られたナフタレンジカルボン酸を、さらにメタノール、エタ
ノールなどのアルコール、水などによって洗浄すると、純度の高いナフタレンジ
カルボン酸が得られる。
本発明の方法により得られた高純度のナフタレンジカルボン酸は、ポリエチレ
ンナフタレートの原料として好適に用いられる。
発明の効果
本発明は、不純物の含有量が少ないナフタレンジカルボン酸とナフタレンジカ
ルボン酸エステル体との混合物、あるいは高純度のナフタレンジカルボン酸が得
られる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に示す不純物を含有する粗2,6-ナフタレンジカルボン酸(NDA)を下記
の(1)、(2)および(3)の工程によって処理し、粗NDAを精製した。
1)エステル化工程
NDA40gに、メタノール120gと水80gを加えて(溶媒系のメタノー
ル濃度は60重量%)、500mlのオートクレーブに仕込み、反応系内を窒素
置換(10kg/cm2加圧)し、250℃で4時間加熱した後、オートクレー
ブを冷却した。このときNDAはその大部分がエステル化され、モノエステルと
ジエステルを含む混合物となっている。得られた混合物(I)の組成の分析値を表
1に示す。
(2)水素添加工程
引き続き、Ti製金網触媒籠に粒状の0.5%Pd/C 2gを入れ、オート
クレーブ内に上下動可能にセットし、系内を水素置換(10kg/cm2加圧)
し、再度昇温した。オートクレーブの内温が250℃になった時、触媒籠を液中
に降下させ触媒と溶液とを接触させた。20分間経過した後、触媒籠を上昇させ
、触媒と溶液とを分離し、オートクレーブを冷却した。
(3)加水分解工程
この後、オートクレーブ内の触媒籠を取り外し、水素添加反応を終えた反応生
成物にメタノール4gと水136gとを加えて、溶媒のメタノール濃度が20重
量%となるようにして、これをオートクレーブに再度仕込み、オートクレーブ内
を窒素置換(10kg/cm2加圧)し250℃で4時間加熱した。その後、オ
ートクレーブを25℃まで冷却し、次いで結晶を分離したところ、41gの結晶
が回収された。得られた回収結晶(II)中の不純物の量および組成を表1に示す。
実施例2
実施例1の(3)に示す加水分解工程で得られた回収結晶(II)の全量(41g
)を先ず70℃のメタノール500gで洗浄した後、次に70℃の温水500g
で洗浄したところ、34gの洗浄結晶(III)が得られた。この洗浄結晶(III)の分
析値を表1に示す。
実施例3〜6
実施例1において、水/メタノール溶媒に代えて、表2に記載した水/アルコ
ール溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にして粗ナフタレンジカルボン酸を精
製した。得られたNDA(精製NDA)中の不純物の量を表2に示す。
実施例7
(1)表3に示すような不純物を含有する粗2,6-ナフタレンジカルボン酸100
gと、メタノール240gと、水160gと、オートクレーブ内を上下に可動で
きるTi製金網触媒篭に充填された水素添加触媒(粒状の0.5%Pd/C 8
g)とを、1000mlのオートクレーブに仕込み、系内を水素置換し、3kg
/cm2に加圧し、さらに窒素で10kg/cm2まで加圧した。
(2)245℃で4時間加熱してNDAのエステル化反応を行った後、次に同温
度で触媒篭を液中に降下させ、触媒と溶液とを10分間接触させて水素添加反応
を行った。
(3)加水分解
引き続き、オートクレーブ内圧を徐々に降下させ、水 250gを3時間かけ
て供給してNDAのエステル化物の加水分解を行いながら、オートクレーブに取
り付けた蒸留塔の上部よりメタノールを220g留出させた。
(4)熱水洗浄
この後、オートクレーブを150℃まで冷却してオークトレーブ内のNDAの
結晶と液体を分離しながら液体を受器に抜き取った。続いて150℃に加熱した
水400gをオートクレーブに供給し、20分間混合してNDAの洗浄を行い、
この後再度NDAと液体を分離し、液体を受器に抜き取った。この後、水400
gを再度オートクレーブに供給し、25℃まで冷却した後、液体と結晶とを分離
し、95gの結晶(精製NDA)を回収した。得られたNDA(精製NDA)お
よび粗NDA中に含まれる不純物の量および組成を表3に示す。
実施例8
(1)表4に示すような不純物を含有する粗2,6-ナフタレンジカルボン酸100
gと、エチレングリコール240gと、水160gと、オートクレーブ内を上下
に可動できるTi製金網触媒篭に充填された水素添加触媒(粒状の0.5%Pd
/C 8g)とを、1000mlのオートクレーブに仕込み、系内を水素置換し
、3kg/cm2に加圧し、さらに窒素で10kg/cm2まで加圧した。
(2)245℃で2時間加熱してNDAのエステル化反応を行った後、10分間
、触媒篭を液中に降下させ、触媒と溶液とを接触させて水素添加反応を行った。
(3)この後、オートクレーブの内圧を徐々に降下させるとともに25℃まで冷
却し、次いでオートクレーブ内の結晶と液体とを取り出し、このスラリーに水1
000mlを加え、結晶と液体とを分離し、120gの結晶(精製NDA−EG
エステル混合物)を回収した。得られた精製NDA−EGエステル混合物中の不
純物の量を表4に示す。
実施例9
実施例7の操作を数回繰り返し、精製NDAを206g調製した。
このNDA206gとEG186gを蒸留装置を備えたガラスフラスコに仕込
み、このフラスコを80℃のオイルバスに浸し、30分間かけて225℃まで昇
温し、その温度で加熱を続けた。この時、蒸留塔上部より留出する水を回収した
。エステル化の進行により生成する水が留出しなくなった時をエステル化の終了
とした。
前記エステル化反応により得られたNDAのエステル化物に、重合触媒として
二酸化ゲルマニウムを21mg、安定剤としてテトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド 15mg、リン酸 39mgを5gのEGに溶解させ添加した。この重
合触媒と安定剤とを添加したNDAのエステル化物を260℃に昇温し、留出す
るEGを回収しながら1時間攪拌した。次に、1時間かけて280℃に昇温しな
がら反応系を1Torr以下にし、EGを留出させた。さらに280℃、1To
rr以下の減圧下でEGを留出させながら1.5時間反応を続けて、ポリエチレ
ンナフタレートを得た。
このポリエチレンナフタレートの固有粘度(1:1のo-クロロフェノール/フ
ェノール溶媒に溶かし25℃で測定)は0.55dl/gであり、示差走査型熱
量計で測定したガラス転移点(Tg)は111℃、溶融温度(Tm)は266℃
であった。
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フロントページの続き
(72)発明者 猪木 哲
山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号
三井石油化学工業株式会社
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナフタレンジカ ルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させ、 次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水 添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶 媒中に溶解除去することを特徴とする粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法。 2. 粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナフタレンジカ ルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させ、 次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水 添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶 媒中に溶解し、 さらに、ナフタレンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステル体を 晶析させることを特徴とする粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法。 3. 粗ナフタレンジカルボン酸と水/アルコール溶媒とを混合し、ナフタレンジカ ルボン酸の一部をエステル化させて前記溶媒に溶解させ、 次いで、水添触媒の存在下に、粗ナフタレンジカルボン酸に含有されていた水 添可能不純物と水素とを接触させ、水添可能不純物を水添して水/アルコール溶 媒中に溶解し、 さらに、前記水/アルコール溶媒のアルコール濃度を低下させてナフタレンジ カルボン酸エステルを加水分解してナフタレンジカルボン酸を回収することを特 徴とする粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法。 4. 前記ナフタレンジカルボン酸の一部をエステル化させるに際して、水/アルコ ール溶媒中のアルコール濃度が40〜70重量%である請求項1〜3に記載の粗 ナフタレンジカルボン酸の精製方法。 5. 前記ナフタレンジカルボン酸エステルを加水分解する際の水/アルコール溶媒 中のアルコール濃度が30重量%以下である請求項4に記載の粗ナフタレンジカ ルボン酸の精製方法。 6. 前記アルコールが、メタノール、エタノールまたはエチレングリコールである 請求項1〜5に記載の粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法。 7. 請求項1〜6で得られたナフタレンジカルボン酸を、さらに水またはアルコー ルで洗浄することを特徴とする粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法。
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