JPH10511838A - カーボンブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気機械のためのカーボンブラシについて説明する。このようなカーボンブラシの場合には、２つの要求を満足しなければならない。第１の要求は、できるだけ摩耗しないことである。第２の要求は、モータの運転時にブラシと集電子の間で発生する騒音をできるだけ小さくすることである。そのために、カーボンブラシ（１）の端面（３）が斜めに形成され、その下側の範囲に横溝（１０，１１，１２）を備えていることが提案される。

Description

【発明の詳細な説明】 カーボンブラシ 本発明は、集電子に接触し得る端面を備えた、電気機械用のカーボンブラシに 関する。 このようなブラシは既にさまざまなものが知られている。例えばドイツ連邦共 和国特許第３１４８９９６号明細書によって知られている。 このようなブラシの構成で考慮しなければならない問題は、ブラシと集電子の ユニットが運転中騒音を発生することである。ブラシの接触面は集電子の表面に 沿って滑動する。それによって、特に集電子の表面の積層構造により、振動が発 生し、この振動が最終的に空気音を放ち、騒音として聞こえる。この騒音を低減 するために、さまざまな提案が既になされた。新しい提案の場合、ブラシと集電 子の間の接触抵抗を小さくすべきではないということが境界条件として考慮され る。更に、ブラシは充分な耐摩耗性を有する必要がある。すなわち、軟らかく形 成すべきではない。 例えば、接触面を集電子の軸線または集電子の外周面に対して傾斜させること が既に提案された。そのために、接触面は相応して斜めに形成されている。その 際しかし、ブラシの接触面と下側の側方エッジの間の尖った移行部が生じるので 、少なくともモータの運転の開始相においてブラシのエッジだけが集電子に接触 する。 このブラシの場合には一般的に、グラファイト混合物をプレスする際に発生す る硬質の表面を除去しない。この場合、達成可能な騒音低減は小さい。ブラシの 表面の皮がプレス後除去されると、エッジが割れる危険がある。 更に、ブラシの接触面が面全体にわたって長手溝を備えることが知られている 。この溝は集電子の横方向に、すなわち周方向に延びている。この手段はしかし 、騒音ピークを少しだけ小さくするだけである。 そこで、本発明では、接触面を集電子の軸方向に対して傾斜させ、下側の範囲 にのみ１つまたは複数の溝を備え、この溝が表面に切削加工され、その際同時に 硬質の表面の皮が除去されることが提案される。 ２つまたは３つの溝で充分であることが判った。この場合、最も下側の溝を下 方へ開放させることができる。接触面自体は集電子の円筒状方面に従って湾曲し ている。集電子の外周面に対する接触面の傾斜は６〜１０°のオーダーであり、 特に約８°である。調節すべき傾斜は特に、ブラシを経てどのくらいの電流を伝 達すべきかに依存する。 伝達される電流が大きくなればなるほど、傾斜は小さくなる。 次に、４つの図に基づいて本発明を詳しく説明する。 図１ａ，１ｂ，１ｃはカーボンブラシを異なる方向から見た図、 図２は図１ａの一部を示す図である。 図示したカーボンブラシ１は、横断面（図１ｂ）がほぼ正方形で縦断面（図１ ａ）がほぼ長方形の縦長の直方体の形をしている。 このカーボンブラシはコード２を備えている。このコードを経て電流の供給が 行われる。ブラシはブラシ支持板上に配置された管状ブラシホルダー内を案内さ れる。 ブラシの端面、すなわち接触面３は、モータを組み立てた後で、集電子４の外 周面に達する。 本実施の形態では円筒状の集電子が設けられている。この場合、集電子の接触 面はその外周面に設けられている。ブラシ１の接触面３は集電子４の外周面／接 触面に接触する。 ブラシ１の接触面３は次のように形成されている。集電子の横方向、すなわち 周方向において、図１ｃから判るように、接触面３が湾曲している。その際、こ の曲率は集電子４の半径にほぼ一致している。 接触面３は軸方向において集電子４の外周面に対して傾斜している。それによ って、集電子４の外周面とブラシ１の接触面３の間には、くさび状の隙間５が形 成されている。集電子４の外周面に接触する下側のエッジ６は、１つまたは複数 の溝１０，１１，１２を備えている。この溝は横方向において接触面３の幅全体 にわたって延びている。 ブラシは特に、下側のエッジ６がブラシ支持体の近くに位置するように、ブラ シホルダー内で位置決めされている。勿論、下側のエッジがブラシ支持板に対し て間隔を有するように、ブラシを位置決めすることができる。 図２から判るように、溝１０，１１，１２は鋭角である。すなわち、溝は横断 面が三角形のプロフィルを有する。その際、最も下側のエッジ１０は下方へ向け て開放している。すなわち、ブラシ１の下面１３に対して斜めに切断されている だけである。 ブラシは次のように製作される。 グラファイトを含む混合物から、ブランクが圧縮（プレス）および焼結される 。その際、ブラシの表面に硬質の層がある。この層は少なくとも端面３の領域を 研磨または仕上げ加工しなければならない。ブラシの長手面の層を、このように して除去してもよい。 そして、端面３が上述のように傾斜するよう加工される。この場合、工具を選 択することにより、周方向において適当に湾曲させられる。そして、下側のエッ ジに、１つまたは複数の溝が横方向にフライス加工される。 このようなカーボンブラシによって、モータは非常に小さな騒音で運転可能で ある。上述のエッジ１４，１５は往々にしてモータの試験運転の際に摩耗する。 すなわち、ブラシは下側エッジから始まって次第に集電子の外面に適合する形と なる。 これにより、モータの運転時に騒音が非常に小さくなる。 接触面３はほぼ、集電子の外周面に対して６〜１０°の角度をなしている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．集電子（４）に接触する端面（３）を備えた電気機械のためのカーボンブラ シ（１）において、端面（３）が集電子（４）の軸方向に対して傾斜し、下側の 範囲が横方向（接線方向）に１つまたは複数の溝（１０，１１，１２）を備えて いることを特徴とするカーボンブラシ。 ２．２つまたは３つの溝（１０，１１，１２）が設けられていることを特徴とす る請求項１記載のカーボンブラシ。 ３．接触面（３）が集電子（４）の半径に対応して湾曲していることを特徴とす る請求項１または２記載のカーボンブラシ。 ４．溝（１０，１１，１２）の断面がほぼ三角形であることを特徴とする請求項 １または２記載のカーボンブラシ。 ５．最も下側の溝（１０）が下方へ向かって開放していることを特徴とする請求 項１，２，４のいずれか一つに記載のカーボンブラシ。 ６．集電子（４）に対する接触面（３）の傾斜が約６〜１０°であることを特徴 とする請求項１記載のカーボンブラシ。 ７．傾斜角度が特に８°であることを特徴とする請求項６記載のカーボンブラシ 。 ８．接触面（３）の下側のエッジ（６）がブラシ支持板の近くに配置され、この ブラシ支持板上にホルダーが設けられ、このホルダー内でブラシ（１）が案内さ れていることを特徴とする請求項１記載のカーボンブラシ。 ９．下側の範囲だけが溝（１０，１１，１２）を備えていることを特徴とする請 求項１記載のカーボンブラシ。 10．ブラシのプレス時に発生する表面の皮が除去されていることを特徴とする請 求項１〜９のいずれか一つに記載のカーボンブラシ。