JPH10507156A - キラル第二級アルコールの不斉合成 - Google Patents
キラル第二級アルコールの不斉合成Info
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- JPH10507156A JPH10507156A JP7529874A JP52987495A JPH10507156A JP H10507156 A JPH10507156 A JP H10507156A JP 7529874 A JP7529874 A JP 7529874A JP 52987495 A JP52987495 A JP 52987495A JP H10507156 A JPH10507156 A JP H10507156A
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- C07D301/02—Synthesis of the oxirane ring
Abstract
(57)【要約】
天然のキラル分子出発物質を用いて、複素環式コア部分に連結した鏡像異性体的に純粋なキラル第二級アルコール化合物の合成方法。本発明の方法はキラル第二級アルコール化合物の大量生産に特に有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
キラル第二級アルコールの不斉合成 発明の技術分野
本発明は、天然キラル分子出発物質を用いて、複素環式コア部分に連結した鏡
像異性体的に純粋なキラル第二級アルコールの合成方法を提供する。本発明の方
法はキラル第二級アルコール化合物の大量生産に特に有用である。発明の背景
キラル中心を有する薬物をそのラセメート(racemate)として合成し、販売する
ことは一般に行われている。鏡像異性体的に純粋な分子が必要である場合には、
しばしばラセメートを合成し、次に鏡像異性体をキラル分離する。ラセメートの
製造は、化合物の量がほぼ等重量の異性体を含み、異性体の1つが治療的価値を
有さず、予想外の副作用を惹起しうることがしばしばある。例えば、鎮静薬のサ
リドマイドはラセメートとして販売された。鎮静活性はR−異性体にあり、汚染
物質の(contaminating)S−異性体は催奇形物質であり、この薬物を用いた母親
に生まれたベビーの分娩欠陥(birth defect)を惹起すると考えられる。結核菌抑
制性EthambutolのR,R−鏡像異性体は盲目を惹起する可能性がある
。非ステロイド系抗炎症薬ベノキサプロフェン(Oraflex)に関連した致
命的な副作用は、この薬物が純粋な鏡像異性体として販売されたならば、回避さ
れたと考えられる。
しかし、鏡像異性体的純度の問題は医薬品の分野に限らない。例えば、ASA
NA(iPr=イソプロピル)は2つの不斉中心を含有する合成ピレスロイド殺
虫薬である。強力な殺虫活性は、考えられる4種類の立体異性体の1種類のみに
圧倒的に存在する。さらに、3種類の非殺虫性鏡像異性体はある植物種において
細胞毒性を示す。それ故、混合立体異性体は適当ではないので、ASANAは単
一の立体異性体としてのみ販売することができる。それ故、少なくとも1つのキ
ラル中心を有するある種の化合物を純粋な特定の鏡像異性体化合物として、ラセ
メートとしてではなく、製造する必要性がある。
薬剤化合物1−(5−(R)−ヒドロキシヘキシル)−3,7−ジメチルキサ
ンチン(WO93/17684と、1994年9月16日に出願された米国特許
出願08/307,554(これの開示はその全体において本明細書に援用され
る)とに記載される)は、例えば敗血症と敗血症症候群、外傷を包含する広範囲
な治療適応に有用であり、サイトリダクティブ(cytoreductive)療法後の多重系
統(multilineage)細胞の産生を増加させ、骨髄移植後の合体を促進し、インター
ロイキン−2(IL−2)、アンホテリシンB、シクロスポリンA又はFK50
6療法及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)療法の有害
な副作用を軽減する。前述の国際特許出願と米国特許出願に述べられている合成
方法はR−鏡像異性体に関して約95%のキラル純度を得ることができる。また
、開示された方法は生成物の大量生産への適用は限定されている。それ故、鏡像
異性体的純度の大きい化合物を製造するためのこの商業的に実行可能な合成方法
を改良する必要性が当該技術分野に存在する。
合成化合物、特に、高い鏡像異性体的純度を有する化合物の大規模製造は通常
、試薬量又は反応器容積を増加するという単純な方法ではない。実際に、合成プ
ロトコールのスケールアップは予想外の好ましくない結果及び/又は汚染物をし
ばしば生じて、商業的に実行可能な製造方法を提供することができない。本発明
はこの必要性に取り組み、容易に入手可能な(又は容易に製造される)出発物質
を用いる、あまり費用のかからない合成方法を提供する。本発明の方法は、今ま
でに知られない、非常に高い収率及び大きい純度でかなり多量に、生成物を製造
し、ある種の中間体を単離する合成方法に関する。
他の人は触媒活性化を含む立体特異性ルートを用いるキラル鏡像異性体を製造
するための合成方法を述べており、このような方法の1つはLampilas等
,“モノキラルモノクリンI関連マクロライドのコンバージェント立体特異性総
合成”,Tetrahedran Letters,33巻,6号,777〜7
80頁(1992)に考察されている。しかし、Lampilas等はR(又は
S)プロピレンオキシドを、分枝鎖アルコキシアルキニルのリチウム塩と反応さ
せ、その後に、開示したモノキラルモノクリンIと対応誘導体を得るための連続
合成方法に用いる第一級アルコールを製造することに限定される。
Mori等,“シス−2−メチル−5−ヘキサノライド、クマバチの性フェロ
モンの主要成分の鏡像異性体の合成”,Tetrahedron,41巻,3号
,541〜546頁(1985)は、エチル(2)−ラクテート出発物質からの
ビキラル(bichiral)(2R,5S)−2−メチル−5−ヘキサノライドの合成を
開示する。(S−)−プロピレンオキシドを製造するための発表された方法を用
いて、Mori等は、中間体エステル生成物を光学的に測定された鏡像異性体的
純度97.3%を有する対応(R−)−プロピレンオキシドに転化させることを
開示する。Mori等はプロピレンオキシド中間体を介した開示フェロモンの製
造に限定される。
Johnston等,“スルカトールの鏡像異性体の容易な合成”,Can. J.Chem.
,75巻,233〜235頁(1979)は、メチルオキシラン
鏡像異性体から製造される集合フェロモン、スルカトールの合成を開示する。R
−(+)−メチルオキシランをトルエンスルホニルS−(−)−エチルラクテー
トから、最初にこれをトシラートに転化させ、次にこのトシラートを反応させて
対応オキシランを得ることによって製造した。開示されたトシラート収率は71
%(ラクテート出発物質を基準にして)であり、生じるメチルオキシランは開示
された50%収率(トシラート出発物質を基準にして)で得られた。Johns
ton等は特に、低い(depressed)反応温度と非常に長い反応時間(8日間)と
を必要とする。Johnston等は、商業的目的に関して調節不能な(non-sca
lable)特定のプロセス条件かつキラルプロピレンオキシドを製造するための本発
明の合成方法に用いられない反応条件を必要とするプロセス条件に限定される。
Hillis等,“(+)−(R)−メチルオキシランの改良製造方法”,J .Org.Chem.
46巻,3349〜3352頁(1981)は、幾つかの
プロセス工程で(+)−(S)−ラクテートから(+)−(R)−メチルオキシ
ランを製造する方法を開示する。開示されたプロセス工程では、メタンスルホニ
ルクロリドをトルエン中のラクテート出発物質と反応させて、中間体のエチル(
−)−(S)−2−(メシルオキシ)プロパノエートを製造する。次に、この中
間体をTHF中のLiAlH4と反応させて、アルコール先駆体を生成する。こ
のアルコール先駆体を蒸留プロセスにおいてKOHと反応させて、所望のオキシ
ラン生成物を得る。Hillis等は提供された特定の工程を介して開示オキシ
ラン生成物を得るための方法に限定される。Hillis等はキラル第二級アル
コール又はその誘導体の製造方法を開示していない。さらに、開示されたオキシ
ラン生成物の製造方法は本発明の方法ではない。開示された方法はスルホニル中
間体の形成と最終生成物の蒸留とを必要とし、後者は商業的調製のために不適合
である。
Ellis等,“ビシナルアセトキシブロミドによるビシナルジオールからの
光学活性エポキシド:鏡像異性体メチルオキシラゾ”,Org.Syn.63巻
,140〜145頁(1984)はL−(−)−ラクテートからエステル化、ハ
ロゲン化、対応還元反応を介してS−(−)−メチルオキシランを製造する合成
プロトコールを開示する。プロピレンオキシド中間体の開示された収率は本発明
の方法によって可能である収率よりもかなり低い。開示された合成方法はラクテ
ートエステルを水素化アルミニウムリチウムを用いて還元し、同時に中間体ジオ
ールをエステル化し、ハロゲン化することを必要とする。
Ellis等に開示された方法は開示された特定の合成工程に限定される。こ
れらの開示された工程は、それらが本発明の方法によるR−(+)−プロピレン
オキシドの製造と、その後に一連の反応においてR−(+)−プロピレンオキシ
ドを反応させて第2キラルアルコールを得ることを開示していない点で本発明の
方法とは異なる。
Nokami等,“α−ヒドロキシ−α,β−不飽和マクロライド類と(−)
−ピレノホリン・・・の合成のための新規なアプローチ”,Chem.Lett ers
,1103〜1106頁(1994)は、(+)−及び(−)−ピレノホ
リンの製造方法を開示する、この方法では第1プロセス工程はS−(−)−プロ
ピレンオキシドをリチウム3−テトラヒドロピラニルオキシプロピニリドによっ
て処理して、光学活性アルコールを得ることを包含する。得られたアルコールを
対応ベンジルエーテルに転化させ、THPエーテルを対応アルコールに加水分解
する。他の生成中間体を逐次合成工程で製造し、最終生成物の(+)−/(−)
−ピレノホリンを得る。Nokami等は、本発明の方法によって認められる工
程とは異なるプロセス工程でS−(−)−プロピレンオキシドと他の中間体とを
製造し、本発明の方法によって製造される化合物とは化学的に異なる生成物を得
ることに限定される。
それ故、本発明の方法はキラル第二級アルコールを製造し、それの中間体を選
択的に製造し、単離するための今までに未知の方法を提供する。この方法は、限
定的で調節不能な反応条件、望ましくない収率及び所望の生成物の副生成物汚染
を包含する既知の商業的に限定的なプロセス工程を扱う。発明の概要
本発明は、保護された又は保護されない化学構造を有するキラル第二級アルコ
ール(及びそのキラルアセトキシ誘導体)の不斉合成方法を提供する。本発明の
方法は、少なくとも1種の鏡像異性体の高い収率と純度とを集合的に可能にする
一連の工程を含む。第1工程は可変な鎖長のキラルα−ヒドロキシエステル出発
物質を形成することを含む。出発物質の立体化学は第二級アルコール生成物の立
体化学の正反対である。次に、出発物質のヒドロキシル基を脱離基によって活性
化し、出発物質のエステル基を第1中間体のアルコール生成物に転化させる。こ
の第1中間体アルコール生成物を次に塩基によって脱プロトンして、第1中間体
アルコールと脱離基との間の分子内反応でキラルオキシランを形成する。この還
元工程は出発物質の立体化学を逆にするためにも役立つ。
本発明の方法における第2反応生成物の調製は末端C3-10アルキニル第一級ア
ルコールの形成を含む。アルキニルアルコールの第1第一級ヒドロキシル基をア
ルカリ安定性基に転化させて、アルキニル中間体を形成する。次に、このアルキ
ニル中間体を強塩基で処理して、1価又は2価カチオンを有するアセチリドアニ
オン塩を形成させる。このアセチリドアニオン塩(第2反応生成物)を次に、上
記で製造されたキラルオキシランにカップリングさせる(coupled)。この工程は
、アルキニル基とアルカリ安定性基を有する第2中間体アルコールを形成する。
次の工程では、第2中間体アルコールのアルコール基を中間体エステルに転化
させる。この中間体エステルはアルキニル基とアルカリ安定性基の両方を保持す
る。不飽和アルキニル基(三重結合)を最初にアルケニルに水素化し、次にアル
キル飽和炭素−炭素結合に水素化する。続いて、アルカリ安定性基を第2第一級
ヒドロキシル基に転化させて、第2第一級ヒドロキシル基を有するアルキル中間
体エステルを残す。好ましくは、この工程は第1第一級ヒドロキシル基を保護す
る対応アルカリ安定性エステルの水素化分解又は緩和な酸加水分解である。
第2第二級ヒドロキシル基を次に末端脱離基によって置換し、エステル先駆体
を形成する。好ましい脱離基は非限定的に、ハライド(キラルエステル−ハライ
ド先駆体を生成する)、アリールスルホネート又はアルキルスルホネートを包含
する(最も好ましくは、ハライド)。エステル先駆体の末端脱離基をコア部分置
換基(商業的に入手可能か又は別の合成方法によって調製)によって置換する。
最終的に、このエステル中間体を還元して、第二級アルコール生成物を高い収率
及び純度で得る。
本発明の合成方法はキラル第二級アルコールを製造するための商業的に実行可
能かつ費用効果的な方法を提供し、高度な鏡像異性体的過剰な(ee)特定の鏡
像異性体を生成する。所望の鏡像異性体のeeは99%より大きい、但しキラル
α−ヒドロキシエステル出発物質が同等なeeを有するものとする。
末端脱離基を有するエステル先駆体を、例えばDMSOのような適当な溶媒中
で末端脱離基(好ましくは、エステル−ハライド先駆体)を複素環式部分と反応
させて、それによってキラルエステル先駆体を形成することによって、例えば複
素環式部分のヘテロ原子(例えば、キサンチン部分のN1窒素原子)にカップリ
ングさせることができる。上述したように、このエステル先駆体を次に加水分解
して、複素環式部分によって置換されたキラル第二級アルコールを形成する。
さらに、本発明の方法はキラルオキシランを商業的な規模でかなりの収率及び
純度で製造するために有用である。上記工程でキラルオキシランが高純度の中間
体生成物として製造され、単離される。結果として生じた方法は慣用的な製造方
法では今までに観察されない利点を有する。図面の簡単な説明
図1は実施例Iに詳述するような、本発明の代表的な方法の概略線図を示す:
本明細書に記載する本発明の方法による1−(5−(R)−アセトキシヘキシル
)−3,7−ジメチルキサンチンと薬剤化合物1−(5−(R)−ヒドロキシヘ
キシル)−3,7−ジメチルキサンチンの合成。発明の詳細な説明
本発明は、キラル第二級アルコール、キラルオキシラン中間体及びこれらのキ
ラル第二級アルコールのキラルエステルを合成するための合成方法を提供する。
さらに、得られたキラルヒドロキシアルキルを水素化して、例えばキサンチニル
部分のような、複素環式部分にカップリングさせることができる。
一般に、上述したように、本発明の方法はキラル第二級アルコール(及びその
誘導体)とキラルオキシラン(エポキシド)生成物の両方の少なくとも1種の鏡
像異性体の高い収率と純度を集合的に可能にする、一,連の工程を含む。合成プ
ロセス工程は:第一に可変な鎖長のキラルα−ヒドロキシエステル出発物質を用
意する工程を包含する、この出発物質の立体化学は第二級アルコール生成物の立
体化学と反対である。
第1工程では、α−ヒドロキシエステル出発物質のヒドロキシル基を脱離基に
よって活性化して、中間体の活性化エステルを形成する。操作的には、α−ヒド
ロキシエステルをスルホニル酸塩化物と、塩基の存在中の溶媒の存在又は不存在
下で(存在する場合には、好ましくはエステル、エーテル又は炭化水素、最も好
ましくはトルエン溶媒)20〜50℃の範囲の温度において4〜8時間結合させ
る。その後の無機酸の添加と、塩溶液による有機相の洗浄とによって過剰な塩基
を除去する。必要に応じて溶媒を除去することによって、生成物を単離すること
ができる。好ましいα−ヒドロキシエステル出発物質はR−又はS−エチルラク
テートを包含し、脱離基は非限定的にスルホニル酸クロリド、特にp−トルエン
スルホニルクロリド、及びメタンスルホニルクロリドを包含する。典型的な、好
ましい塩基はピリジンとトリアルキルアミンである。溶媒は必要ではないが、溶
媒はエステル、エーテル又は炭化水素溶媒の少なくとも1種でありうる。好まし
い無機酸と塩溶液は、それぞれ、例えば塩酸と塩化ナトリウム又は塩化カルシウ
ムを包含する。好ましい実施態様では、α−ヒドロキシエステルは例えばエチル
(S)−(−)ラクテートであり、脱離基はp−トルエンスルホニルクロリドで
あり、得られるエステル生成物は2−(S)−p−トルエンスルホニルプロピオ
ネートである。この好ましい反応の概略図を下記に示す。
次に、この中間体活性化エステルを溶媒中で還元剤と反応させることによって
、この中間体活性化エステルを第1中間体アルコール生成物に転化させる。好ま
しくは、活性化エステルと還元剤とを−40℃〜+80℃の範囲の温度において
反応させる。適当なケトン試薬の添加と可溶化剤の添加とによって過剰な還元剤
を除去し、0℃〜+40℃の範囲の加水分解温度において還元剤誘導残渣を加水
分解する。得られた反応混合物を濾過し、沈殿を除去して、水溶液で洗浄した。
溶媒を最終的に除去して、第1中間体の第一級アルコールを単離した。好ましい
還元剤は例えばボラン−テトラヒドロフラン、ボラン−メチルスルフィド、水素
化ジイソブチルアルミニウム、水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)
アルミニウム、及びメタノール又は酢酸によって活性化した水素化ホウ素ナトリ
ウムである。代表的な可溶化剤は非限定的に炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム
、塩酸、硫酸及び酒石酸ナトリウムカリウムを包含する。溶媒は少なくとも1種
類のエーテル又は炭化水素溶媒でありうるが、他の溶媒も本発明の範囲内である
。
脱プロトン反応では、第1中間体アルコール生成物を第1中間体アルコールと
脱離基との間の分子間反応で塩基によって還元して、キラルオキシランを形成す
る。この還元工程はまた、出発物質の立体化学を逆にする。
第1中間体アルコール生成物と塩基とを溶媒中で0℃〜90℃の範囲の溶液温
度を維持しながら反応させると、所望のオキシラン生成物が得られ、これによっ
て出発物質の立体化学は逆になる。得られたオキシランは加熱した反応からの蒸
留によって又は溶媒中への抽出によって単離し、次にこのオキシランを蒸留する
。典型的な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウム、
カリウムtert−ブトキシド、水素化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリ
ウムを包含する。溶媒は水性溶媒、炭化水素、エーテル、極性非プロトン性溶媒
及びアルコール溶媒から選択することができる。好ましい溶媒は非限定的に、水
及びトルエンを包含する。粗トシルアルコールから(R)−(+)−プロピレン
オキシドを分子のキラリティ(chirality)を逆にして製造する好ましい方法を以
下に(パートa)として示す:
又は代替え的に、この工程の好ましいパートaを以下に概略的に示す:
本発明の方法の第2反応生成物の製造は末端C3-10アルキニル第一級アルコー
ルの供給を含む。このアルキニルアルコールの最初の第一級ヒドロキシル基をア
ルカリ安定性基(好ましくはエーテル又はアセタール)に転化させ、アルキニル
中間体を形成する。最も好ましいアルキニル中間体はエーテルである。
C3アルキニル第一級アルコールを用いて、このアルコールを求電子試薬と反
応させて製造する。一般に、本発明の方法では、求電子試薬は非限定的にハロゲ
ン化ベンジル(好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物)を包含し、アルキニル
アルコールから強塩基によって形成されるアルコキシドと反応する。典型的な塩
基は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム及び水素化ナトリウムで
ある。テトラアルキル及びアリールアルキルアンモニウム塩の相間移動触媒の存
在によって、反応時間が短縮される。好ましい触媒は臭化テトラブチルアンモニ
ウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩
化トリブチルメチルアンモニウム及び塩化トリカプリルメチルアンモニウムであ
りうる。例えば、in situでヨウ化ベンジルを発生するアルカリ金属ヨウ
化物のような触媒もエーテル形成を容易にする。適当な溶媒はエーテル又は炭化
水素(トルエン、ヘキサン、ヘプタン)であり、適切な場合には、塩基水溶液で
ある。適当な反応温度は10〜90℃の範囲であり、アルキニル中間体を有機溶
媒中に抽出し、その後にこの溶媒を留去することによって単離することが好まし
い。最も好ましい試薬は水酸化ナトリウム(塩基)、臭化テトラブチルアンモニ
ウム、塩化ベンジル(触媒)及びプロパルギルアルコール(第一級アルコール)
である。
好ましい方法では、プロパルギルアルコールを塩化ベンジルと、下記機構に従
って反応させる:
次に、アルキル中間体を強塩基で処理して、その結果として、1価又は2価カ
チオンを有するアセチリドアニオンを形成する。このアルキニル中間体は、例え
ば炭化水素及びエーテル溶媒中のアルキルリチウム、極性非プロトン性溶媒中の
金属アミド、及びアンモニア、ナフタレン及びスチレン中のアルカリ金属のよう
な強塩基によって脱プロトンすることができる。溶媒の例はヘプタン、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド及びN−メチルピロリジノンである。適当な
温度は−20℃〜70℃の範囲である。アセチリドアニオンは次の工程に溶液と
して用いられる。好ましい試薬はブチルリチウム(強塩基)とヘプタン(溶媒)
である。
ベンジルプロパルギルエーテルのリチウムアニオン塩の好ましい製造方法は、
上記にパートbとして概略的に示す。
次に、アセチリドアニオン塩(第2反応生成物)を上記で製造したキラルオキ
シランにカップリングさせる。この工程は、アルキニル基とアルカリ安定性基と
を有する第2中間体アルコールを形成する。このアセチリドアニオンを溶媒中で
キラルオキシランにカップリングさせる。好ましい溶媒は極性非プロトン性溶媒
又はエーテル溶媒中のルイス酸を包含する。好ましい溶媒の典型的な例はジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、テトラヒドロフラン及びジオキサン
であり、ルイス酸は特に三フッ化ホウ素エーテレート(etherate)及び過塩素酸リ
チウムでよい。好ましい反応温度は−20〜65℃の範囲である。反応生成物を
エーテル又はエステル溶媒による抽出によって単離し、その後に蒸留する。
本発明の典型的な方法に用いる好ましい試薬は、例えばジメチルスルホキシド
、N−メチルピロリジノン、及びテトラヒドロフラン/ヘキサン中の過塩素酸リ
チウムように、キラルエポキシドの開放(opening)に最適のレギオ選択性を与え
るように選択され、例えば、5−ヒドロキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシ
ンに対して0.15〜0.35%の5−ヒドロキシ−1−ベンジルオキシ−4−
メチル−2−ペンチンを生じる。このことは99.65〜99.85%のレギオ
選択性に相当する。キラルオキシランをアセチリドアニオンにカップリングさせ
るための好ましい方法は、上記パートcに概略的に示す。
次の工程では、第2中間体アルコールのアルコール基を中間体エステルに転化
させる。この中間体エステルはアルキニル基とアルカリ安定性基の両方を保持す
る。一般に、このアルコール基を酸又は塩基の存在下又は不存在下で酸無水物又
は酸ハロゲン化物と反応させることによってエステルに転化させる。典型的な酸
又は塩基は非限定的に、無水酢酸とリン酸、過塩素酸、硫酸又はジメチルアミノ
ピリジンを包含する。塩化アセチルをトリエチルアミン及びジメチルアミノピリ
ジンと共に用いることが好ましい。反応温度は0〜80℃の範囲でありうる。こ
のプロセス工程において、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムの添加によっ
て過剰な試薬を除去する。この反応は溶媒の不存在下でも、又は溶媒系(好まし
くは、炭化水素溶媒)においても実施することができる。この溶媒はヘプタン、
トルエン又は例えば酢酸エチルのようなエステル溶媒でもよい。生成物を蒸留に
よって単離する。最も好ましい試薬は硫酸、無水酢酸及び炭酸ナトリウムである
。続いて、不飽和アルキニル基を最初はアルケニルに、次にアルキル、飽和炭素
−炭素結合に水素化する。不飽和結合を還元する前に、基体(substrate)をペ
ルオキシ一硫酸カリウムの水溶液と脱色性活性炭で処理して、不純物を除去する
。或いは、固体担体付き粉状ニッケル(又は同様な系)を用いることもできる。
還元は遷移金属触媒を用いて達成される。遷移金属触媒は例えばニッケル、パラ
ジウム金属若しくは水酸化物、白金金属若しくは酸化物、ロジウム、又はルテニ
ウムと高圧における水素であることができる。対応水素圧は一般に0〜100℃
の範囲の温度において0〜150psiの範囲である。アルコール、エステル又
は炭化水素等が適当な溶媒である。この反応はシクロヘキセンとパラジウムとを
用いるトランスファー水素化(transfer hydrogenation)によって行うこともでき
る。最も好ましい試薬は炭素付きパラジウム、ヘプタン及び水素でありうる。
続いて、アルカリ安定性基を第2第一級ヒドロキシル基に転化させ、第2第一
級ヒドロキシル基を有するアルキル中間体エステルを残す。この工程が第1第一
級ヒドロキシル基を保護する、対応アルカリ安定性エステルの水素化分解又は緩
和な酸加水分解のいずれかであることが好ましい。この脱保護は例えばニッケル
、パラジウム金属若しくは水酸化物、白金金属若しくは酸化物、ロジウム、又は
ルテニウムと水素のような、遷移金属触媒を用いて達成される。水素圧は一般に
0〜100℃の温度において0〜150psiの範囲である。アルコール、エス
テル又は炭化水素が適切な溶媒である。この反応はシクロヘキセンとパラジウム
とを用いるトランスファー水素化(transferring hydrogenation)によって行うこ
ともできる。最も好ましい試薬は炭素付きパラジウム、ヘプタン及び水素であり
うる。
典型的な好ましい反応を以下の該略図に説明する:
次に、第2第一級ヒドロキシル基を末端脱離基によって置換して、エステル先
駆体を形成する。アルコールからハロゲン化物への転化は酸ハロゲン化物と塩基
とを用いて達成することができる。適当な酸ハロゲン化物は非限定的にハロゲン
化チオニル、オキシ塩化リン、三ハロゲン化リン、及び三ハロゲン化オキサリル
を包含する。塩基の例はジメチルホルムアミドとピリジンである。反応は炭化水
素溶媒中で0〜70℃の範囲の適当な温度において実施する。溶媒は特にヘプタ
ンとトルエンから選択することができる。このアルコールを上述したように(7
頁7行〜25行参照)アルキル又はアリールスルホネート脱離基に転化させるこ
とができる。得られたアルキル又はアリールスルホネートを次に金属ハロゲン化
物との反応によってハロゲン化物脱離基に転化させることができる。好ましい脱
離基は非限定的に、ハロゲン化物(キラルエステル−ハロゲン化物先駆体を生成
)、アリールスルホネート又はアルキルスルホネートを包含する(最も好ましく
は、ハロゲン化物)。典型的な金属ハロゲン化物は例えば、塩化リチウム若しく
は臭化リチウム、又は塩化ナトリウム若しくは臭化ナトリウム包含する。この変
換のために適当な溶媒は極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド及
びアセトンでありうる。好ましい反応温度は20〜110℃の範囲である。この
合成工程の好ましい実施態様の典型的な例を以下に示す:
エステル先駆体の末端脱離基をコア部分置換基(商業的に入手可能又は別の合
成方法によって調製)によって置換する。一般に、脱離基を有するエステル先駆
体と選択された求核試薬とを極性非プロトン性溶媒中で+40〜+100℃の温
度範囲において反応させる。反応時間は6〜24時間の範囲である。典型的な極
性非プロトン性溶媒は、特に、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N
−ジメチルホルムアミドを包含する。次に、カップリングしたエステル先駆体生
成物を水によって反応停止させた(quenched)後に、有機溶媒中に抽出する。有機
相を塩溶液によって洗浄する。蒸留による溶媒の除去によって、エステル先駆体
を単離する。適当な抽出溶媒はエステルであり、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル及び酢酸イソブチルを包含する。他の試薬も本発明
の範囲内であるが、好ましい試薬は例えばジメチルスルホキシド(極性非プロト
ン性溶媒)、1−クロロ−5−(R)−アセトキシヘキサン(エステル先駆体)
、ナトリウムテオブロミン(求核試薬)及び酢酸イソブチル(抽出溶媒)を包含
する。
この方法によって、エステル保護キラル先駆体を複素環式部分のヘテロ原子に
カップリングさせることができる。概略的に示す1例はエステル保護キラル先駆
体をテオブロミンのN1位置にカップリングさせ、第二級アルコールと3,7−
ジメチルキサンチン部分とのキラルエステルを形成する。
この好ましい合成法の概略図を以下に示す。
最後に、エステル先駆体を還元して、第二級アルコール生成物を高い収率及び
純度で得る。このエステル先駆体を無機酸溶液と+30〜+100℃の範囲の温
度において0.25〜6時間反応させる。無機酸溶液の例は、水中、メタノール
中又はエタノール中の塩酸である。メタノールとエタノールは蒸留によって除去
する。水は共沸蒸留によって除去する。中間体の塩を溶媒から結晶化する。典型
的な溶媒は非限定的にアセトンとメチルエチルケトンを包含する。この塩を塩基
によって中和し、選択された溶媒から結晶化する、適当な中和用塩基は例えば炭
酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムである
。再結晶用溶媒は酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及
び酢酸イソブチルを包含する。他の試薬も本発明の範囲内であるが、好ましい試
薬はメタノール/濃塩酸(無機酸溶液)、アセトン(結晶化溶媒)、炭酸水素ナ
トリウム(中和用塩基)及び酢酸イソブチル(再結晶溶媒)でありうる。
本発明の方法の好ましい実施態様では、キラル第二級アルコール先駆体は保護
されたヒドロキシアルキル基5−(R)−アセトキシ−1−クロロヘキサン(“
クロロアセテート”)であり、これを次に3,7−ジメチルキサンチニル部分と
N1位置においてカップリングさせ、好ましい治療剤:1−(5−(R)−ヒド
ロキシヘキシル)−3,7−ジメチルキサンチンを製造する。この生成物は出発
物質:(R)−(+)−プロピレンオキシドを形成するためのエチル(S)−(
−)−ラクテートと、プロパルギルアルコールとによって図1の概略図に従って
製造される。
下記実施例は本発明の特定の好ましい実施態様を例示するが;これらの実施例
は本明細書に開示される本発明の範囲を限定するものと見なされることを意図し
ない。実施例I
この実施例は、治療用のキラル第二級アルコール、1−(5−(R)−ヒドロ
キシヘキシル)−3,7−ジメチルキサンチンを製造するための典型的な方法に
おける連続的プロセス工程を示すことによって、本発明の方法を説明する。
第1反応工程は下記操作を用いて実施した。三つ口5リットル丸底フラスコに
温度計、メカニカルスターラー及び500ml滴下ロートをアルゴン下で装備し
た。エチルラクテート(472.5g、4モル)とトルエン(1.4リットル)
とを加えた。この溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(762.6g、4
モル)を15分間にわたって数回に分けて、固体が溶解するまで撹拌しながら加
えた。この添加は吸熱性(18℃から5℃へ)であった。45分間撹拌した後に
、フラスコを18℃の水浴に入れ、トリエチルアミン(610ml、4.4モル
)を反応温度を30℃以下に維持しながら2時間にわたって滴加した。トリエチ
ルアミンの半量を加えた後に溶液は外観においてミルク状になった(塩酸トリエ
チルアミン固体)。6〜8時間撹拌した後に、この反応スラリーを1M塩酸溶液
(1.75リットル)中に注入し、30分間撹拌した。混合物を分離させ、有機
相を飽和塩化ナトリウム水溶液(1.75リットル)によって洗浄した。有機相
を硫酸ナトリウム(5g)上で乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させて、トシル
エステル(1.1kg)を粘稠な油状物として得た。ガスクロマトグラフィー分
析は7%のトルエンと0.2%のエチルラクテートを示した。
次に、メカニカルスターラーと滴下ロートとを装備した三つ口3リットル丸底
フラスコに固体水素化ホウ素ナトリウム(56.75g、1.5モル)を装入し
、次に800mlの乾燥THFをフラスコに加え、スラリーを形成した。プロト
コール変化:この反応工程を、水素化ホウ素ナトリウムの代わりに還元剤として
水素化ジイソブチルアルミニウムを用いても行った。上記で製造したエチル2−
(S)−p−トルエンスルホニルオキシプロピオネート(1272g、1.0モ
ル)を徐々に加えた。室温から40℃までの若干の温度上昇が生じた。このスラ
リーを0℃に冷却し、メタノール(162ml、4当量)を徐々に加えて、反応
混合物を発泡しないようにした。メタノ−ル添加の完了後、反応混合物を室温で
2時間撹拌した。スラリ−の凝固後に、撹拌を停止した。
pH4−5になるまで10%HCl水溶液(約30ml)を徐々に添加して反
応を停止させた。水(500ml)を添加して固体を溶解した。飽和水溶液を酢
酸エチルで抽出(2x1リットル)し、有機相を一緒にし、硫酸ナトリウム上で
乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下(0.1ト−ル)で除去した。粗反応生成物(
トシルアルコール)の収量(収量245g)をさらに精製せずに用いた。
キラルオキシラン中間体を製造する工程では、250ml三つ口丸底フラスコ
に、ドライアイス冷却管を取り付けた丸底フラスコに接続したショートパス(sho
rt path)冷却管を装備した。50%水酸化カリウム水溶液を加え、撹拌しながら
100℃に加熱し、粗トシルアルコール(57.5g、0.25モル)を徐々に
加えた。ドライアイスとアセトン浴で−70℃に冷却された丸底フラスコ中に粗
キラルプロピレンオキシドが捕捉された。全てのトシルアルコールが添加された
ならば、圧力を約100mmHgに下げた。
蒸留を30分間続けた。粗キラルプロピレンオキシドを室温に加温し、等量の
エチレングリコール(20ml)を加えた。簡単なショートパス蒸留装置によっ
てエチレングリコール溶液をセットアップし、蒸留して、(R)−(+)−プロ
ピレンオキシドを得た(7.5g、収率52%)。
或いは、in situでの合成操作によってキラルオキシランを製造するこ
とができる。三つ口2リットル丸底フラスコにメカニカルスターラーと、ドライ
アイス−イソプロパノール冷却管と、温度計に取り付けたクライゼンアダプター
と、滴下ロート(250ml)と、アルゴン供給口とを装備した。この反応系に
水素化ナトリウム(10.52g、0.48モル)、DMSO(160ml)及
びテトラヒドロフラン(40ml)を装入した。このフラスコを5℃に冷却し(
氷浴)、激しく撹拌しながら、滴下ロートからトシルアルコール(92g、0.
4モル)を加えた(ニート)。全添加中に(60分間)、フラスコの温度を5〜
10℃に維持した。この添加中に、反応混合物の色は褐色に変化した。水素の発
生が停止し、反応が完了したことを実証するまで、混合物を5〜10℃において
4時間撹拌した。この混合物に、アセチリドアニオン中間体を加える。
アルキニル中間体(第2反応生成物として使用)の製造では、水(800ml
)を水酸化ナトリウムペレット(800g)に、冷却氷浴を用いて20分間にわ
たって加えた。この溶液をさらに10℃に冷却した。ヘキサン(800ml)と
テトラブチルアンモニウムブロミドとを加えた後に、氷浴で冷却しながらプロパ
ルギルアルコール(237ml)を20分間にわたって滴加した。この反応を添
加中に30℃に温度上昇させ、塩化ベンジル(414ml)を20分間にわたっ
て加えて、発熱状態を回避した。この反応を40℃に6時間にわたって加温し、
この時点でガスクロマトグラフィー分析は塩化ベンジルの全てが消費されたこと
を実証した。25℃に冷却した後に、氷浴で冷却しながら水(800ml)を1
0分間にわたって加えた。この期間中に、温度は30℃に上昇した。下方の透明
な水相を除去し、濁った上相に25%飽和塩化ナトリウム(800ml)を加え
た。2相は透明になり、層を分離した。単離した有機相を硫酸ナトリウム(20
g)によって乾燥させ、ヘキサンを蒸発させて、橙色油状物(515g、98.
5%純度)としてベンジルプロパルギルエーテルを得た。残りの1.5%は反応
中に形成されたベンジルアルコールから製造されたベンジルエーテルである。
或いは、固体水酸化カリウム(12.3g、0.22モル)をプロパルギルア
ルコール(6.0ml、0.11モル)及び塩化ベンジル(12.8ml、0.
11モル)と共に60℃において16時間撹拌した。25℃に冷却した後に、塩
酸(80ml、3.0M水溶液)を加え、ヘキサン(100ml、50ml)に
よって抽出した。一緒にした有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒
を蒸発させた。残渣を100トールにおいて蒸留して、プロパルギルベンジルエ
ーテルを無色液体(bp.140℃、11.2g、71%収率)として得た。
このプロセス工程の他の変形では、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.3
5g、0.002モル)を撹拌しながら、予め0℃に冷却されてある、エチルビ
ニルエーテル(403ml、4.2モル)に加えた。プロパルギルアルコール(
233ml、4.0モル)を80分間冷却しながら滴加して、この間に温度を1
2〜15℃に維持した。滴加の終了後に反応物を10分間撹拌し、トリエチルア
ミン(0.5ml、0.003モル)を加えた。粗生成物(GC−MSにより8
9%純度)は、生成時安定であった。
次に、反応性アセチリドアニオン塩の製造を以下の合成法によって行った。メ
カニカルスターラーと、温度計と、滴下ロートと、アルゴン供給口とを装備し
た三つ口丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(140ml)中ベンジルプロパ
ギルエ−テル(58.4g、0.4モル)の溶液を加えた。このフラスコを5℃
に冷却し(氷浴)、n−ブチルリチウム(160ml、ヘキサン中2.5M溶液
、0.4モル)を、最初の80ml添加の間0.6ml/分の速度で、次に3.
5時間シリンジポンプを用いてシリンジ(50ml)から1ml/分の速度で加
えた(発熱反応及びブタンガス発生)。添加中、反応の温度を氷浴を用いて5〜
10℃に維持した。添加中、反応物の色が淡黄色から橙色へ変化した。添加後、
反応混合物を5〜10℃において60分間撹拌した。このように製造したアセチ
リドアニオンを、上記のように製造したキラルプロピレンオキシドを含有する反
応混合物に、反応の温度を5〜10℃(60分間)に維持するように、滴下ロー
トへのカニュ−レによって徐々に加えた。添加中、以前はDMSOに可溶である
ナトリウムトシレ−トが、DMSO−THF−ヘキサン溶媒系に不溶性であるた
めに溶媒から沈殿した。添加後、反応混合物を5〜10℃において4時間撹拌し
、次に室温へ加温し、一晩(14時間)撹拌した。次に、反応を10℃に冷却し
、冷水(600ml)を徐々に添加することによって(発熱反応)、反応を停止
させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3x150ml)で抽出した。一
緒にした有機層を、水(200ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml
)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(20g)上で乾燥させ、減圧濃縮した。収
量は、88gであった。ガスクロマトグラフィ−分析は、78%5−(R)−ヒ
ドロキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシンと13%ベンジルプロパルギルエ
−テルの存在を示した。粗生成物を精製せずに用いた。
次に、無水酢酸(23.6ml、0.25モル)及び硫酸(0.13ml)を
、上記のように製造した撹拌5−(R)−ヒドロキシ−1−ベンジルオキシ−2
−ヘキシン(34g、0.17モル)に25℃において添加し、反応を20時間
60℃まで加熱した。水(100ml)を加え、次に、固体炭酸水素ナトリウム
(33g、0.40モル)を数回に分けて加えた。反応混合物を酢酸エチル(8
0ml)、乾燥(硫酸マグネシウム)させた溶媒を抽出し、蒸発させて、5−(
R)−アセトキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシン(41.1g、99%収
量)を褐色油状物として得た。
第2中間体アルコールを製造の即座に進行する方法の2変形。第2変形は、ま
た中間体エステルを提供する。操作は、DMSO(100ml)を95%リチウ
ムアミド(4.68g、0.19モル)に20℃において加えて、30分間にわ
たって60℃へ加熱し、30分間60℃に維持することによって行い、このとき
にアンモニア発生は停止した。混合物を20分間にわたって10℃へ冷却し、温
度を15℃へ上昇させながらベンジルプロパルギルエ−テル(26.3g、0.
18モル)を25分間にわたって加えた。2℃に冷却しながら反応を20分間撹
拌した。(R)−プロピレンオキシド(11.6ml、0.20モル)を20分
間にわたって加え、反応混合物を20分間にわたって20℃まで加温した。反応
を20℃において8時間撹拌した。塩酸(1M水溶液、200ml)及び酢酸エ
チル(200ml)を加えて反応を停止し、温度を40℃まで上昇させた。20
℃まで冷却し、相を分離し(下相オレンジシロップ、上相褐色液体、明確な界面
相)、酢酸エチルを25%飽和塩化ナトリウム溶液(2x100ml)で洗浄し
、乾燥(硫酸マグネシウム、5.0g)させ、溶媒を60℃(100ト−ル)に
おいて蒸発させて、5−(R)−ヒドロキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシ
ンを褐色油状物(36g、97%収率、ガスクロマトグラフィ−によって95%
純度)として得た。
第2の変形は、DMSO(1000ml)を95%リチウムアミド(87.1
g、3.60モル)に20℃において10分間にわたって発熱反応なく加えるこ
とによって開始し、60℃まで30分間加熱し、その温度において30分間維持
し、このときアンモニア発生が停止した。混合物を20分間にわたって15℃ま
で冷却し、アセトアルデヒドエチルプロパルギルアセタ−ル(580ml、3.
50モル)を生じたスラリ−に、氷浴で冷却しながら40分間にわたって加え、
温度を15℃において維持した。反応混合物を2℃まで冷却しながら20分間撹
拌し、キラルR−(+)−プロピレンオキシド(252ml、3.60モル)を
氷浴で冷却しながら120分間にわたって加えた。温度は20℃まで上昇した。
反応を20℃において120分間維持し、除去したアリコ−トは、GC−MSに
より94.6%の5−(R)−ヒドロキシ−1−エトキシエトキシ−2−ヘキシ
ンであることを示した。無水酢酸(570ml、6.0モル)を氷浴で冷却しな
がら45分間にわたって加え、温度は30℃まで上昇した。反応を60℃におい
て16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(500ml)を加え、固体飽和
炭酸水素ナトリウム(700g、8.3モル)を50gずつ加えた。水(100
0ml)及び酢酸エチル(1000ml)を加え、相を分離し、酢酸エチル相を
25%飽和塩化ナトリウム溶液(2x800ml)で洗浄した。溶媒を除去して
、粗5−(R)−アセトキシ−1−エトキシエトキシ−2−ヘキシン(680g
、85%収率)の残渣を得た。
または、電磁気撹拌バ−と、滴下ロートと、アルゴン供給口とを装備した30
0ml丸底フラスコに、5−(R)−ヒドロキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘ
キシン(88g、0.43モル)と、トリエチルアミン(91ml、0.64モ
ル)と、ジメチアミノピリジン(2g;0.016モル)とを入れ、次にフラス
コを氷浴を用いて10℃まで冷却した。無水酢酸(49ml、0.52モル)を
、氷−水浴を用いて外部から冷却することによって反応の温度を10℃に維持し
ながら、滴加した(発熱反応)。滴加後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温ま
で加温し、一晩撹拌した(12時間)。反応を10℃まで冷却し、メタノ−ル(
30ml)を加えて(発熱反応)、過剰な無水酢酸を分解した。混合物を60分
間撹拌し、水(200ml)を加え、次に混合物を酢酸エチル(3x75ml)
で抽出した。一緒にした有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)、水
(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、無水MgSO4
(10g)上で乾燥させ、次に減圧濃縮した(収量=90g、ガスクロマトグ
ラフィー分析は、80%5−(R)−アセトキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘ
キシンと13%ベンジルプロパルギルエーテルの存在を示した)。粗生成物は、
さらに精製することなく用いた。
アルキニル、不飽和結合の水素化は、2つの典型的な方法の1つによって達成
された。ラネイニッケル(17.6gのスラリー、基質に対して10重量%)を
Pyrex(登録商標)水素化容器にアルゴン下で加え、次に、エタノール(9
0ml)中5−(R)−アセトキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシン(88
.7g、0.36モル)の溶液を加えた。反応容器をParr(登録商標)シェ
−カ−に取り付け、水素(75psi)で充填し、5分間振とうし、排気し、こ
のプロセスを再度繰り返し、最後に反応容器を水素で75psiにし、12時間
振とうした。最初の2〜3時間発熱反応及び迅速な水素吸収が観察された。水素
が消費されるに従って、容器中の圧力は75psiに戻った。12時間後に、反
応混合物を濾過した。ラネーニッケルは常に溶媒層の下に維持された(乾燥時に
自然発火性)。残渣を酢酸エチル(3x75ml)によってすすぎ洗いした。一
緒にした濾液を減圧濃縮して、80gの粗生成物を得て、これを分別蒸留によっ
てさらに精製した。最初の留分(10.3g、90〜120℃/2.5mm圧力
)は70%のプロピルベンジルエーテルと12%の5−(R)−アセトキシ−1
−ベンジルオキシヘキサンとを含有し、第2留分(65.5g、134℃/2.
5mm圧力)は96%純度(ガスクロマトグラフィーによる)の5−(R)−ア
セトキシ−1−ベンジルオキシヘキサンを含有した。
或いは、エタノール(100ml)中のラネーニッケル(10gのスラリー)
と5−(R)−アセトキシ−1−エトキシエトキシ−2−ヘキシン(40g、0
.17モル)との混合物を用いて、水素化を実施した。この混合物をParrシ
ェーカー上で水素ガス(60psi)と共に5時間振とうした。触媒を濾過した
後に、濾液を真空下で蒸発させた。残留油状物をヘキサン(100ml)中に溶
解し、混合物を濾過して、懸濁粒子を除去した。減圧下での溶媒の蒸発は5−(
R)−アセトキシ−1−エトキシエトキシヘキシン(40g)を生じた。
次に、アルカリ安定性基を2つの典型的な代替え方法の1つで第一級ヒドロキ
シル基に転化させた。炭素付きパラジウム(10%)(3.2g)をPyrex
(登録商標)水素化容器に加え、酢酸(65ml)中の5−(R)−アセトキシ
−1−ベンジルオキシヘキサン(65.5g、0.26モル)をアルゴン雰囲気
下で加えた。反応器に水素(75psi)を充填し、5分間振とうし、排気し、
このプロセスを再度繰り返し、最後に反応容器を水素で75psiにし、12時
間水素化した。最初の2〜3時間発熱反応及び迅速な水素吸収が観察された。水
素が消耗された場合には常に、反応器に水素を補充した。12時間後に、反応混
合物を濾過し、固体を酢酸エチル(75ml)で洗浄した。一緒にした濾液を減
圧濃縮して、残渣を酢酸エチル(200ml)中に溶解した。この溶液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(2x100ml)と飽和塩化ナトリウム水溶液(10
0ml)とで洗浄し、次に硫酸マグネシウム(10g)上で乾燥させた。減圧下
での溶媒の蒸発は39.84gの5−(R)−アセトキシ−1−ヒドロキシヘキ
サン(収率=95%、91%純度ガスクロマトグラフィーによる)を生じた。
或いは、乳酸エチル(150ml)中の5−(R)−アセトキシ−1−エトキ
シエトキシヘキサン(80g、0.34モル)の溶液を1M塩酸水溶液(100
ml)と共に撹拌した。4時間後に、層を分離させ、水層を塩化ナトリウムで飽
和させ、乳酸エチル(4x75ml)によって抽出した。一緒にした有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(2x100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥させ、溶媒を真空蒸発させて、5−(R)−アセトキシ−1−ヒドロキシ
ヘキサン(46g、83%収率)を得た。
他の合成プロトコール変形では、上記工程を単一工程として完成させた、但し
5−(R)−アセトキシ−1−ベンジルオキシ−2−ヘキシンを5−(R)−ア
セトキシ−1−ヒドロキシヘキサンに還元するために水素と炭素付きパラジウム
を用いる。
次に、第2第一級ヒドロキシル基(5−(R)−アセトキシ−1−ヒドロキシ
ヘキサンの1ヒドロキシル部分)を末端脱離基によって置換する。操作的には、
5−(R)−アセトキシ−1−ヒドロキシヘキサン(39.84g、0.249
モル)を電磁気撹拌バーと、滴下ロートと、バブラー(bubbler)に接続した出口
とを装備した300ml丸底フラスコに加えた。塩化チオニル(20ml、0.
27モル)を滴下ロートから滴加した(発熱反応)。反応温度を氷水浴を用いる
外部冷却によって20〜23℃に維持した。この添加中に、反応の色は淡褐色に
変化し、塩化水素ガスが発生した。添加後に、ピリジン(2.5ml、0.03
モル)を非常にゆっくりと加え(発熱反応)、冷却浴を除去して、反応混合物を
60〜70℃に3時間加温した。二酸化硫黄が発生し、ガス発生の停止によって
反応の完成が表示された。反応を室温に冷却すると、反応中に形成された塩酸ピ
リジンが反応から析出した。ヘキサン(100ml)を加え、反応混合物を水(
2x50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2x50ml)、水(50m
l)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)によって洗浄し;無水MgSO4
(10g)上で乾燥させ;次に、減圧下で濃縮した。分留によってさらに精製し
た(bp.75℃(2.5mm圧力において)、収率=32.71g(67%)
、化学的純度95%(ガスクロマトグラフィーによる)、鏡像異性体的過剰93
%)。
代替え方法では、塩化メタンスルホニル(24.3ml、0.31モル)を、
予め5〜10℃に冷却した、酢酸エチル(300ml)中の1−ヒドロキシ−5
−(R)−アセトキシヘキサン(45.7g、0.28モル)とトリエチルアミ
ン(60ml、0.43モル)との混合物に滴加し、得られた混合物を10℃に
おいて1時間撹拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)と水(100
ml)とを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(3x100ml)によ
って抽出した。一緒にした有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液によって洗浄し、
硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させて、油状物(63g)
を得た。DMSO(300ml)中の油状物の溶液に、塩化ナトリウム(84g
、1.4モル)を加えた。反応混合物を60℃において8時間加熱した。周囲温
度に冷却した後に、冷水(500ml)と酢酸エチル(500ml)とを加え、
混合物を10分間撹拌した。有機層を分離し、水性DMSO層を酢酸エチル(3
x100ml)によって抽出した。一緒にした有機層を水(2x100ml)に
よって洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)によって洗浄し、硫酸
マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空蒸発させた後に、油状物を分留して(
74〜78℃、3分間)、1−クロロ−5−(R)−アセトキシ(25g、66
%収率)を透明な油状物として得た。
次に、1−クロロ−5−(R)−アセトキシヘキサンをナトリウムテオブロミ
ンとの反応によってテオブロミンコアにカップリングさせ、得られたアセトキシ
ジメチルキサンチンを水素化して、所望の第二級アルコールを得た(図1に説明
)。比較例
この実施例はキラルオキシラン中間体生成物、(R)−(+)−メチルオキシ
ランを製造するための慣用的方法(Johnston等、上記文献に開示された
方法を意味する)の比較合成を説明する。この合成プロトコールの比較結果に示
されるように、この比較方法は大規模生産方法に適切ではなく、本発明の方法に
比べた場合に、低い収率と生成物の不純さを生じる。
操作的には、0℃において機械的に撹拌しながら、エチルS−(−)−ラクテ
ート(303g、2.56モル)をピリジン(3リットル)に溶解した。p−ト
ルエンスルホニルクロリド(595g、3.12モル)を100gずつ20分間
にわたって加えた。赤色溶液を0℃において1時間撹拌し、次に、4〜7℃の温
度において24時間放置した。得られた反応混合物を氷水(3.5リットルの水
と500gの氷)中に注入した。水(0.5リットル)を加え、混合物を室温に
加温し、次にジエチルエーテル(6リットル)によって抽出した。相を分離し、
有機相を1N塩酸水溶液(4リットル)、飽和硫酸銅(II)水溶液(4リット
ル)、水(4リットル)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(4リットル)によって
洗浄した。この溶液を無水硫酸ナトリウム(100g)上で乾燥させ、濾過し、
溶媒を真空除去して、エチル2−O−p−トルエンスルホニル−S−(−)−ラ
クテート(634.63g、91%収率)を赤色油状物として得た。
次に、上記で製造したエチル2−O−p−トルエンスルホニル−S−(−)−
ラクテート(557.44g、2.05モル)を無水テトラヒドロフラン(20
0ml)中にアルゴン雰囲気下で機械的に撹拌しながら溶解した。このテトラヒ
ドロフラン溶液に、テトラヒドロフラン中のボランの1M溶液(4.1リットル
、4.1モル)を滴加した。この溶液を室温において5日間撹拌し、次に60℃
に24時間かけて加熱し、水素ガスを発生させた。室温に冷却した後に、溶液を
水(4リットル)中に細心に注入した。炭酸ナトリウム(40g、0.38ミリ
モル)をこのテトラヒドロフラン水溶液に加えて、エマルジョンを破壊した。こ
の溶液をジエチルエーテル(2x3リットル)で抽出して、一緒にした有機相を
飽和塩化ナトリウム水溶液(3リットル)によって洗浄した。硫酸マグネシウム
(100g)上で乾燥させ、濾過した後に、溶媒を減圧除去して、(S)−1−
ヒドロキシ−2−p−トルエンスルホニルオキシプロパン(400g、100%
収率)を得た。
このプロセスエ程は長時間のプロセスであり、本発明の合成プロトコールにお
ける対応プロセス工程において必要である1日間とは対照的に、完成までに全体
で6日間を要した。さらに、この慣用的方法は4リットルの反応量のボランを必
要とし、これは出発物質の反応量(200ml)のほぼ20倍であった。この慣
用的プロセス工程では、水素ガス発生も問題であり、この比較方法を商業的用途
のためにスケールアップするには困難があることを示唆した。
続いて、上記で製造した粗(S)−1−ヒドロキシ−2−p−トルエンスルホ
ニルオキシプロパン(400g、2.05モル)を50%水酸化カリウム水溶液
(160mlの水中に80g)に70℃において滴加した。反応フラスコから留
出する(R)−(+)−メチルオキシシランを、ドライアイス−アセトン浴中で
冷却され、ドライアイス冷却管を装備したフラスコ中に回収した。粗(R)−(
+)−メチルオキシランを水酸化カリウム(50g)からの蒸留によってさらに
精製して、(R)−(+)−メチルオキシラン(97.64g、82%収率)を
透明な液体として得た。
一般に、Johnston等が開示した調製からは幾つかの問題が生じた。初
期の調製は約10%の収率を生じたにすぎず、これは結晶化の誘導にかなりの溶
媒量が必要であることに起因したと考えられる。さらに、実験室規模では、結晶
化の誘導は2日間に及んだが、スケールアップした場合には実に9日間を要した
。91%収率を得るには、母液の3回連続結晶化が必要であった。
ラクテート中間体からのトシルアルコールの製造では、Johnston等の
反応混合物を加熱しなかった場合には、反応時間は8日間に及び、室温では5日
間、40℃では3日間に及んだ。ボランーTHFの添加から生ずる発熱性状態が
非常に困難であった。反応混合物はそれが調製された丸底に含まれなかった。さ
らに、次の加熱時に、大量のガスが発生した。最後に、水で抑制した(quenched)
反応中に大量の水素ガスが発生した。
トシルアルコールからの上記プロセスにおける開示メチルオキシランの調製で
は、平均的収率が40〜50%であり、蒸留装置と多重の連続蒸留とが物理的に
限定されるために、精製と定量とは困難である。
詳細に考察したように、この比較方法の工程はスケールアップされた商業的用
途のために容易に適合されない操作、主として多量の生成物の蒸留を必要とする
。その代わりに、キラルエポキシド生成物の本発明による製造方法は好ましくは
、より商業的に実行可能な精製と単離の技術を用いる。
比較例に例示しないとしても、他の比較方法も上記で詳細に検討したが、これ
らの方法は下記パラグラフに示すように本発明の方法とは異なる。
Mori等のトシルエチルラクテートの特定の調製(上記で考察)は過剰な塩
化トシル(1.2当量)を用いるが、これは本発明の方法では必要ない。対照的
に、本発明の方法は過剰なα−ヒドロキシエステルを用いる。さらに、Mori
等の方法は特有に−5℃〜−10℃の範囲の低温と、7℃一晩とを用いる。本発
明の好ましい方法では、反応を20℃に冷却するにすぎず、その後に、温度を2
8〜30℃に維持する。本発明の方法はMori等に開示された方法に比べて顕
著に短い反応時間を可能にする(例えば、25時間に対してトリエチルアミンの
添加後の3〜4時間)。
Mori等では、2回の簡単なブライン洗浄に比べて、5回の連続洗浄が用い
られ、単離溶媒としてのジエチルエーテルの使用は産業的に実用的ではない。好
ましい本発明の方法ではトシルエチルラクテートをトルエン中で単離するが、M
ori等は中間体生成物を結晶化する。
トシルエチルラクテートを還元する場合に、本発明の方法における2時間程度
の反応時間(還元剤の添加後)に対して、Mori等は5日間の反応時間を必要
とする。Mori等は特有に、水酸化カリウム水溶液(50%)へのトシルアル
コールの添加を開示するが、これは2回の連続蒸留を必要とする。本発明の好ま
しい方法では、中間体の第一級アルコールを有機溶媒中で塩基水溶液と反応させ
、得られた中間体のキラルエポキシド生成物を有機溶媒中に抽出し、分留する。
さらに、Mori等は非常に高い反応温度(20℃に対して70℃)を開示する
。Mori等は限定された収率65%と、ee97%(旋光度によって測定)と
を開示する。これとは対照的に、本発明の好ましい方法は80%程度の高い収率
と、98%より大きいee(GCにより測定)を可能にする。
Mori等のトシルエチルラクテートの特定の調製と同様に、Hillis等
(上記で考察)はα−ヒドロキシエステルの割りには非常に過剰な溶媒の使用(
0.7モルのトシルエチルラクテートに対して1リットルのトルエン)を開示す
るが、本発明の方法はこのかなりの溶媒過剰を必要としない。また、Hilli
s等の反応温度は本発明の好ましい方法で指定される温度よりも顕著に低い(2
8〜30℃に対して−15℃)。
メチルエチルラクテートの還元では、Hillis等は反応において形成され
るアルミニウム塩を濾過する。本発明の好ましい方法では、汚染性(contaminati
ng)アルミニウム塩を酸によって溶解して、得られる中間体第一級アルコールを
有機溶媒から単離する。さらに、Hillis等は塩化メシル生成物を単離しな
い。これらの開示されたプロセス工程は、80%程度の高い本発明の方法の収率
に比べて72%の収率を与える。
上述したように、Ellis等は乳酸エチルからジオールを得て、このジオー
ルをブロモアセテート中間体に転化させ、これを次に反応させて所望のプロピレ
ンオキシドを得ることによる(S)−(−)−プロピレンオキシドの製造を開示
する。この特定の開示された反応とは対照的に、この代わりに本発明の方法は中
間体の第一級アルコールを介してキラルエポキシド中間体生成物を製造する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 リー,アリステア・ジェイ
アメリカ合衆国ワシントン州98036,ブリ
アー,ツーハンドレッドツエンティファー
スト・プレイス 3504 サウス・ウエスト
(72)発明者 ミチニック,ジョン
アメリカ合衆国ワシントン州98117,シア
トル,サーティファースト・アベニュー
7517 ノース・ウエスト
(72)発明者 クマー,アニル・エム
アメリカ合衆国ワシントン州98133,シア
トル,グリーンウッド・アベニュー
13407 ノース,ナンバー 211
(72)発明者 アンデリナー,ゲイル・イー
アメリカ合衆国ワシントン州98036,ブリ
アー,ツーハンドレッドフォーティサー
ド・ストリート 3160 サウス・ウエスト
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.キラル第二級アルコール生成物の不斉合成方法であって、 (1)出発物質の立体化学が第二級アルコール生成物の立体化学とは逆である 、可変な鎖長のキラルα−ヒドロキシエステル出発物質を用意する工程と; (2)出発物質のヒドロキシル基を脱離基によって活性化する工程と; (3)出発物質のエステル基を第1中間体アルコールに転化させる工程と; (4)第1中間体アルコールと脱離基との間の分子間反応で第1中間体アルコ ールを塩基で還元して、キラルオキシランを形成し、出発物質の立体化学を逆に する工程と; (5)第1第一級ヒドロキシル基を有する、末端C3-10アルキル第一級アルコ ールを用意する工程と; (6)第1第一級ヒドロキシル基をアルカリ安定性基に転化させて、アルキニ ル中間体を形成する工程と; (7)アルキニル中間体を強塩基で処理して、1価又は2価カチオンを有する アセチリドアニオン塩を形成する工程と; (8)アセチリドアニオン塩とキラルオキシランとをカップリングさせて、ア ルキニル基とアルカリ安定性基とを有する第2中間体アルコールを形成する工程 と; (9)第2中間体アルコールのヒドロキシル基を、アルキニル基とアルカリ安 定性基とを有する中間体エステルに転化させる工程と; (10)不飽和アルキニル結合を水素化して、飽和結合にする工程と; (11)アルカリ安定性基を第2第一級ヒドロキシル基に転化させる工程と; (12)第2第一級ヒドロキシル基を末端脱離基によって置換して、エステル 先駆体を形成する工程と; (13)エステル先駆体の末端脱離基をコア部分によって置換する工程と; (14)エステル先駆体を還元して、第二級アルコール生成物を得る工程と を含む方法。 2.C3-10アルキニル第一級アルコールを求電子試薬と反応させて、アルキ ニル中間体を形成する、請求項1記載の方法。 3.アセチリドアニオンを適当な溶媒中でキラルオキシランに−20℃〜6 5℃の範囲の温度においてカップリングさせる、請求項1記載の方法。 4.選択された試薬がキラルオキシランの開放に最適のレギオ選択性を生じ る、請求項3記載の方法。 5.試薬がジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、及びテトラヒ ドロフラン/ヘキサン中の過塩素酸リチウムである、請求項4記載の方法。 6.レギオ選択性が99.65〜99.85%の範囲である、請求項3記載 の方法。 7.第2中間体アルコールを酸無水物又は酸ハロゲン化物と酸又は塩基の存 在下で反応させて、中間体エステルを得る、請求項1記載の方法。 8.不飽和アルキニル結合の水素化が次の工程: (a)中間体エステルを処理して、不純物を除去する工程と; (b)遷移金属触媒と高圧の水素とを用いて不飽和結合を還元する工程と を含む、請求項1記載の方法。 9.第一級ヒドロキシル基を保護するアルカリ安定性基の水素化分解又は緩 和な酸加水分解によって、アルカリ安定性基を第一級ヒドロキシル基に転化させ る、請求項1記載の方法。 10.酸ハロゲン化物と適当な塩基とを用いて、第2第一級ヒドロキシル基 を末端脱離基によって置換する、請求項1記載の方法。 11.キラルα−ヒドロキシエステルの鎖長が炭素数約3〜約10の長さで ある、請求項1記載の方法。 12.脱離基がトシラート又はメシラートである、請求項1記載の方法。 13.アルカリ安定性基がアセタール又は置換若しくは非置換ベンジル基で ある、請求項1記載の方法。 14.1価又は2価カチオンがリチウム、ナトリウム、カリウム又はマグネ シウムイオンである、請求項1記載の方法。 15.次の工程: (a)過剰なα−ヒドロキシエステルを用い、このエステル出発物質のオリジ ナルの立体化学を維持しながら、α−ヒドロキシエステル部分を所定の脱離基に よって活性化するエステル化によって、α−ヒドロキシエステル出発物質を中間 体活性化エステルに転化させる工程と; (b)中間体活性化エステルの末端エステル部分を対応中間体第一級アルコー ルに還元する工程と; (c)中間体第一級アルコールを塩基と反応させて、対応アルコキシドアニオ ンを形成し、それによって対応アルコキシドアニオンに該所定脱離基を排除させ 、オリジナル立体化学を逆転させ、α−ヒドロキシ出発物質のオリジナル立体化 学とは反対の最終立体化学を有するキラルエポキシドを形成する工程と を含むキラルエポキシドの製造方法。 16.転化工程(a)が次の工程: 出発物質を塩基の存在下でスルホニル酸塩化物と、20℃〜50℃の範囲の温 度において4〜8時間の範囲の期間結合させる工程と; 無機酸を加えて、過剰な塩基を除去する工程と; 有機相を塩溶液によって洗浄する工程と; 溶媒を除去して、中間体の活性化エステルを単離する工程と を含む、請求項15記載の方法。 17.結合工程に溶媒を用いる、請求項16記載の方法。 18.溶媒がエステル、エーテル又は炭化水素溶媒である、請求項17記載 の方法。 19.スルホニル酸塩化物がp−トルエンスルホニルクロリド又はメタンス ルホニルクロリドである、請求項16記載の方法。 20.塩基がピリジン又はトリアルキルアミンであり、無機酸が塩酸であり 、塩溶液が塩化ナトリウム又は塩化カルシウムである、請求項16記載の方法。 21.反応温度が25℃〜30℃の範囲である、請求項16記載の方法。 22.蒸発によって溶媒を除去する、請求項16記載の方法。 23.還元工程(b)が次の工程: 中間体活性化エステルに溶媒を混合して、反応混合物を形成し、この反応混合 物に−40℃〜+80℃の範囲の添加温度において還元剤を加える工程と; 1時間〜5日間の範囲の期間撹拌する工程と; ケトンを加えて、過剰な還元剤を除去する工程と; 所定量の可溶化剤を加えて、0℃〜40℃の範囲の加水分解温度において還元 剤残渣を加水分解する工程と; 反応混合物を濾過して、沈殿した固体を除去する工程と; 反応混合物を水溶液で洗浄する工程と; 溶媒を除去して、中間体第一級アルコールを単離する工程と を含む、請求項15記載の方法。 24.可溶化剤が炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸及び酒石 酸ナトリウムカリウムから成る群から選択される、請求項23記載の方法。 25.溶媒がエーテル又は炭化水素溶媒であり、還元剤がメタノール又は酢 酸によって活性化される水素化ホウ素ナトリウム、ボラン−テトラヒドロフラン 、ボラン−メチルスルフィド、水素化ジイソブチルアルミニウム及び水素化ナト リウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムから成る群から選択される、 請求項23記載の方法。 26.工程(c)が次の工程: 中間体第一級アルコールに一定量の溶媒を混合して、反応溶液を形成する工程 と; この反応溶液に0℃〜90℃の溶液の温度を維持しながら塩基を加える工程と ; キラルエポキシドを単離する工程と を含む請求項15記載の方法。 27.溶媒が極性非プロトン性溶媒、水、エーテル又はアルコールである、 請求項26記載の方法。 28.塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水素 化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びアルコキシド塩基から成る群 から選択される、請求項26記載の方法。 29.キラルエポキシドの単離が次の工程: 反応溶液からキラルエポキシドを蒸留する工程と; キラルエポキシドを有機溶媒中に抽出し、その後に抽出溶媒からキラルエポキ シドを蒸留する工程と を含み、いずれかの蒸留工程が25℃〜100℃の範囲の蒸留温度において生じ る、請求項26記載の方法。
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