JP3041999B2 - 光学活性グリセロールエステルの製造方法 - Google Patents

光学活性グリセロールエステルの製造方法

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JP3041999B2
JP3041999B2 JP3072084A JP7208491A JP3041999B2 JP 3041999 B2 JP3041999 B2 JP 3041999B2 JP 3072084 A JP3072084 A JP 3072084A JP 7208491 A JP7208491 A JP 7208491A JP 3041999 B2 JP3041999 B2 JP 3041999B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性物質の前駆体と
なる光学活性グリセロール誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グリセロール誘導体は血小板活性化因子
など各種生理活性物質として有用である。たとえば、血
小板活性化因子の活性発現のためには、グリセロールの
1位のアルキルエーテル結合、2位のアシル結合、3位
のホスフォコリン部分の存在が必須であると考えられて
いる。また、生理活性を有する血小板活性化因子は
(R)体であり、(S)体はほとんど活性を示さない。
上記のような観点から光学活性を有するグリセロール誘
導体の製造方法が強く望まれている。
【0003】光学活性グリセロール誘導体の前駆体とし
て、(R)- エピクロルヒドリンとアルコールとを酸性
触媒存在化で反応させることにより、(R)- 1- アル
コキシ- 3- クロル- 2- プロパノールを得る方法が知
られている(特開平2−221号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記方法と同
様にして(R)- エピクロルヒドリンと脂肪酸を反応さ
せても、光学活性を有する1- O- アシル- グリセロー
ル誘導体は合成できずラセミ体となってしまうという問
題があった。
【0005】本発明の発明者は光学活性を有する1- O
- アシル- グリセロール誘導体を合成する方法について
検討した結果、特定の触媒を用いて2段階反応を行なう
ことにより目的とする化合物が得られることを見出し
た。したがって本発明の目的は、1位にアシル基を有す
る光学活性グリセロールエステルの製造方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1段階とし
て(S)- エピクロルヒドリンとp- メトキシベンジル
アルコールとを一般式(I)の第四級アンモニウム塩を
触媒として不均一系で反応させて、(S)- 1- p- メ
トキシベンジルオキシ- 2, 3- エポキシプロパン(I
I)とし、第2段階として(II)と脂肪酸とを第四級ア
ンモニウム塩を触媒として反応させ、1- O- アシル-
3-O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールと
する光学活性グリセロールエステルの製造方法である。 (式中、R1 はベンジル基又はC12〜C18のアルキル
基、R2 〜R4 はそれぞれ独立してC4 〜C8 のアルキ
ル基、Xはハロゲン原子を表わす)
【0007】本発明の第1段階において触媒として使用
できる第四級アンモニウム塩は、(S)- エピクロルヒ
ドリンとp- メトキシベンジルアルコールとの脱塩化水
素置換反応において、相間移動触媒として作用するもの
であり、前記一般式(I)で表わされ、たとえば、トリ
メチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロリドなどである。一般式(I)の
第四級アンモニウム塩以外では、相間移動触媒として作
用しない。
【0008】第1段階の反応は、炭化水素系溶媒とアル
カリ水溶液との不均一系で行う。炭化水素系溶媒として
は、たとえば、n- ヘキサン、イソオクタン、石油ベン
ジンなどを用いることができる。アルカリ水溶液として
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カ
リウムなどの10〜15規定の水溶液が好ましい。
【0009】第1段階において反応させる(S)- エピ
クロルヒドリンとp- メトキシベンジルアルコールとの
比は、(S)- エピクロルヒドリン1モルに対して、p
- メトキシベンジルアルコール0.4〜0.5モルが好
ましい。0.5モルより多いと脱塩化水素置換反応以外
に、エポキシ基の開環反応が起こり、0.4モルより少
ないと未反応の(S)- エピクロルヒドリンが増加する
ので好ましくない。
【0010】第1段階の反応は例えば、まず、(S)-
エピクロルヒドリンと第四級アンモニウム塩とを、20
〜30℃において1〜2時間攪拌して溶解させる。その
後、p- メトキシベンジルアルコールを滴下し、40〜
60℃で1〜2時間攪拌を続ける。反応終了後、公知の
抽出精製方法で、(S)-1- p- メトキシベンジルオ
キシ- 2, 3- エポキシプロパン(II)を得ることがで
きる。
【0011】第2段階において触媒として使用される第
四級アンモニウム塩は広範囲の種類のものが使用でき、
たとえば、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリ
ド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメ
チルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロリドなどをあげることができる。第
1段階の触媒として使用される一般式(I)の第四級ア
ンモニウム塩ももちろん使用出来るが炭素数4〜40の
ものが好ましい。炭素数が40以上のものは、反応時の
溶解性が悪く、1- O- アシル- 3- O- p- メトキシ
ベンジル- sn- グリセロールの収率が低下するので好
ましくない。
【0012】第2段階において反応させる(S)- 1-
p- メトキシベンジルオキシ- 2,3- エポキシプロパ
ンと脂肪酸との比は、(S)- 1- p- メトキシベンジ
ルオキシ- 2, 3- エポキシプロパン1モルに対して、
脂肪酸0.4〜0.5モルが好ましい。0.5モルより
多いとsn- 1位以外にsn- 2位にもエステル化が起
こり、0.4モルより少ないと未反応の(S)- 1- p
- メトキシベンジルオキシ- 2, 3- エポキシプロパン
が増加するので好ましくない。
【0013】脂肪酸は、炭素数4〜22の直鎖状の飽和
もしくは不飽和のカルボン酸が好ましい。このような脂
肪酸としては、たとえば、酪酸、ラウリン酸、パルミト
レイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、エ
イコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸などを挙げ
ることができる。
【0014】第2段階の反応は、炭化水素系溶媒中、ま
たは、無溶媒系で(S)- 1- p-メトキシベンジルオ
キシ- 2, 3-エポキシプロパンと脂肪酸と第四級アン
モニウム塩とを加え、70〜90℃で20〜30時間反
応を行う。反応終了後、公知の抽出精製方法で、1- O
- アシル- 3- O- p- メトキシベンジル-sn- グリ
セロールを得ることができる。
【0015】本発明で得られる1- O- アシル- 3- O
- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールは、生理
活性を有する各種光学活性グリセロール誘導体の前駆体
として重要な化合物であり、これを原料として光学活性
グリセロール誘導体を高収率で製造することができる。
たとえば、1- O- アシル- 3- O- p- メトキシベン
ジル- sn- グリセロールを公知のエステル化反応によ
って、1- O- アシル- 2- O- アシル- 3-O- p-
メトキシベンジル- sn- グリセロールとした後、塩化
メチレンなどのハロゲン系溶媒中、水の存在下で、2,
3- ジクロロ- 5, 6- ジシアノ- 1,4- ベンゾキノ
ンを加えて脱p- メトキシベンジルアルコール反応させ
ることによって、1- O- アシル- 2- O- アシル- s
n- グリセロールとすることができる。すなわちエステ
ル化反応と脱p- メトキシベンジルアルコール反応との
2段階反応により、目的とする光学活性グリセロール誘
導体が製造されるが、いずれの反応も高収率である。
【0016】
【作用】第1段階の反応により一旦中間体として置換エ
ポキシ化合物を合成し、これを原料としてアシル化反応
を行なうことにより、第2段階でのエポキシ基の開環エ
ステル化反応を向上させることができる。更にこのよう
な反応経路で反応させても、第2段階で酸性触媒を使用
するとラセミ化してしまうが、触媒に第四級アンモニウ
ム塩を使用することによって、光学活性を維持したまま
エポキシ基の開環エステル化反応を行うことができる。
【0017】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。またこれらの実施例により得られた光学活性1- O
- アシル- 3- O-p- メトキシベンジル- sn- グリ
セロールを原料とした各種光学活性グリセロール誘導体
の製造例を参考例として示した。実施例、参考例の目的
物および中間体の物性は赤外線吸収スペクトル、プロト
ンNMRおよび比旋光度により測定した。実施例1 1- O- オレオイル- 3- O- p- メトキシベンジル-
sn- グリセロールの製造 [第1段階](s)−1- p- メトキシベンジルオキシ
- 2, 3- エポキシプロパンの合成 300ml ナスフラスコに50% 水酸化ナトリウム水溶液23.2
g 、n- ヘキサン75mlを入れ、p- メトキシベンジルア
ルコール5.00g(36.2mmol) とトリメチルベンジルアンモ
ニウムクロリド336mg(1.81mmol) を加えた。30℃で2
時間攪拌後、(S)- エピクロルヒドリン6.70g(72.4mm
ol) を滴下し、50℃で1時間攪拌した。10% 塩酸で中
性にして有機層を酢酸エチルで抽出、水洗、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥ろ過後、溶媒を留去して粗生成物8.22
g を得た。カラム精製して目的物を5.62g(収率80.1%
)得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1250,820,7601 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 2.66(2H,m),3.14(1H,m),3.55(2H,m),3.77(3H,s),4.47(2
H,s),7.03(4H,m) [α]D 25 =+3.34°(3.99wt%,CHCl3
【0018】[第2段階]1- O- オレオイル- 3- O
- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールの合成 乾燥、窒素置換した25mlの2口フラスコにオレイン酸2.
00g(7.09mmol) 、1-p- メトキシベンジルオキシ- 2,
3- エポキシプロパン2.75g(14.2mmol) 、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロリド39mg(0.213mmol) を加え
た。80℃で22時間攪拌した後、水を加えて、有機層
を酢酸エチルで抽出、水洗、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、ろ過後溶媒を留去して粗生成物4.84g を得た。カラ
ム分取し、第3留分から目的物を2.84g (収率73.5% )
得た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),1.29(2H,m),2.00(4H,m),2.30(2H,t,
J=12HZ),2.44(1H,m),3.47(2H,d,J=5HZ),3.62(1H,m),3.7
7(3H,s),4.10(2H,m)4.46(2H,s),5.33(2H,t),7.03(4H,m) [α]D 25 =+1.79°(4.03wt%,CHCl3
【0019】参考例1 1- O- オレオイル- 2- O- ブタノイル- sn- グリ
セロールの合成 [(1) エステル化反応]1- O- オレオイル- 2- O-
ブタノイル- 3- O-p- メトキシベンジル- sn- グ
リセロールの合成 乾燥、窒素置換した50mlの2口フラスコにブチルクロリ
ド295mg(2.77mmol),n- ヘキサン5ml を入れ、1- O-
オレオイル- 3- O- p- メトキシベンジル-sn- グ
リセロール1.10g(2.31mmol) をn- ヘキサン5ml に溶か
して滴下した。室温で1時間攪拌した後、50℃に昇温
して15時間攪拌した。水を加えて10分間攪拌した
後、有機層を酢酸エチルで抽出、水洗、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後ろ過、溶媒を留去して粗生成物1.26g を
得た。カラム精製し、第1留分から目的物を944 mg(収
率74.9% )得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),0.95(3H,t,J=10HZ),1.29(22H),1.63
(2H,m),2.00(4H,m),2.30(4H,m),3.57(2H,d,J=5HZ),3.80
(3H,s),4.28(2H,m)4.48(2H,s),5.23(1H,m),5.35(2H,t,J
=10HZ),7.07(4H,m) [α]D 24 =+7.0°(3.01wt%,CHCl3
【0020】[(2) 脱アルコール反応]1- O- オレオ
イル- 2- O- ブタノイル- sn-グリセロールの合成 10mlのナスフラスコに前記エステル化反応で得られた1
- O-オレオイル- 2- O- ブタノイル- 3- O- p-
メトキシベンジル- sn- グリセロール200mg(0.366mmo
l)、塩化メチレン/水(=18:1)3mlを入れ、2, 3- ジク
ロロ- 5, 6-ジシアノ- 1, 4- ベンゾキノン125mg
(0.549mmol)を加えて室温で2. 5時間攪拌した。水を
加えて、有機層を塩化メチレンで抽出、水洗、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去して粗生成物20
3mg を得た。カラム精製し第3留分から目的物を130mg
(収率91.0%)を得た。 IR(cm-1,neat) 3500,2950,2880,17401 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.87(3H,t,J=10HZ),0.95(3H,t,J=10HZ),1.28(22H),1.63
(2H,m),2.00(4H,m),2.13(1H,s),2.32(4H,m),3.72(2H,
d),4.25(2H,m),5.08(1H,m),5.34(2H,t,J=10HZ) [α]D 21 =−2.83°(3.72wt%,CHCl3
【0021】実施例1および参考例1による(S)- エ
ピクロルヒドリンを出発物質とする1- O- オレオイル
- 2- O- ブタノイル- sn- グリセロールの総合合成
収率は40.1%であった。
【0022】参考例2 1- O- オレオイル- 2- O- γーリノレノイル- sn
- グリセロールの合成 [(1) エステル化反応]1- O- オレオイル- 2- O-
γ- リノレノイル- 3- O- p- メトキシベンジル- s
n- グリセロールの合成(エステル化) 参考例1においてブチルクロリドの代わりにγ- リノレ
ン酸クロリド850mg (2.87mmol)を用いて合成を行ない粗
生成物1.77gを得た。カラム精製し、第1留分から目的
物を1.2g(収率70.9% )得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),0.97(3H,t,J=10HZ),1.29(22H),1.33
(10H,m),1.63(2H,m),2.00(4H,m),2.30(4H,m),2.80(4H,
t,J=6MZ),3.57(2H,d,J=5HZ),3.77(3H,s),4.28(2H,m),4.
48(2H,s),5.23(1H,m),5.35(2H,t,J=10HZ),5.38(6H,m),
7.10(4H,m)
【0023】[(2) 脱アルコール反応]1- O- オレオ
イル- 2- O- γーリノレノイル-sn- グリセロール
の合成 参考例1の脱アルコール反応において、1- O- オレオ
イル- 2- O- ブタノイル- 3- O- p- メトキシベン
ジル- sn- グリセロールの代わりに前記エステル化反
応で得られた1- O- オレオイル- 2- O- γ- リノレ
ノイル- 3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセ
ロール220mg(0.3mmol)を用いて同様に合成し、粗生成物
203mg を得た。カラム精製し第3留分から目的物を148m
g(収率85.2%) を得た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,17401 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),0.97(3H,t,J=10HZ),1.28(22H),1.33
(10H,m),1.63(2H,m),2.00(4H,m),2.13(1H,s),2.32(4H,
m),2.80(4H,t,J=6HZ),3.72(2H,d),4.25(2H,m),5.08(1H,
m),5.34(2H,t,J=10HZ),5.36(8H,t)
【0024】実施例1および参考例2による(S)- エ
ピクロルヒドリンを出発物質とする1- O- オレオイル
- 2- O- γ- リノレノイル- sn- グリセロールの総
合合成収率は35.5% であった。
【0025】参考例3 1- O- オレオイル- 2- O- ドコサヘキサエノイル-
sn- グリセロールの合成 [(1) エステル化反応]1- O- オレオイル- 2- O-
ドコサヘキサエノイル- 3- O- p- メトキシベンジル
- sn- グリセロールの合成(エステル化) 参考例1においてブチルクロリドの代わりにドコサヘキ
サエン酸クロリドを866mg(2.5mmol)を用いて同様に合成
し、粗生成物1.77g を得た。カラム精製し、第1留分か
ら目的物を1.29g (収率70.9% )得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=7HZ),0.97(3H,t,J=7HZ),1.33(22H),1.71(2
H.m),2.00(2H,m),2.10(4H,m),2.30(6H,m),2.37(2H,t,K=
7.55HZ),2.83(10H,m),3.59(2H,d,J=5HZ),4.21(3H,s),4.
28(2H,m),4.48(2H,s),5.23(1H,m),5.34(2H,t,J=10HZ),
5.37(12H,m),7.07(4H,m)
【0026】[(2) 脱アルコール反応]1- O- オレオ
イル- 2- O- ドコサヘキサエノイル- sn- グリセロ
ールの合成 参考例1の脱アルコール反応において、1- O- オレオ
イル- 2- O- ブタノイル- 3- O- p- メトキシベン
ジル- sn- グリセロールの代わりに、前記エステル化
反応で得られた1- O- オレオイル- 2- O- ドコサヘ
キサエノイル-3- O- p- メトキシベンジル- sn-
グリセロール236mg(0.3mmol)を用いて同様に合成し、粗
生成物203mg を得た。カラム精製し第3留分から目的物
を189mg( 収率86.2%)を得た。 IR(cm-1,neat) 3500,2950,2880,17401 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=7HZ),0.97(3H,t,J=7HZ),1.33(22H,br.s),
1.71(2H,m),2.00(2H,m),2.10(4H,m),2.30(6H,m),2.37(2
H,t,J=7.5HZ),2.83(10H,m)3.72(2H,d,J=5HZ),4.25(2H,
m),5.08(1H,m),5.34(2H,t,J=10HZ),5.37(12H,m)
【0027】実施例1および参考例3による(S)- エ
ピクロルヒドリンを出発物質とする1- O- オレオイル
- 2- O- ドコサヘキサエノイル- sn- グリセロール
の総合合成収率は36.0% であった。
【0028】実施例2 1- O- α- リノレノイル- 3- O- p- メトキシベン
ジル- sn- グリセロールの製造 [第1段階](s)−1- p- メトキシベンジルオキシ
- 2, 3- エポキシプロパンは実施例1と同様に合成し
た。
【0029】[第2段階]1- O- α- リノレノイル-
3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールの
合成 実施例1においてオレイン酸の代わりにα- リノレン酸
2.00g(7.19mmol) を用いて同様に合成し、粗生成物4.84
g を得た。カラム精製し、第3留分から目的物を2 .56g
(収率76.0% )得た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),1.33(10H,m),,2.00(4H,m),2.80(4H,
m),2.44(1H,m),3.47(2H,d,J=5HZ),3.62(1H,m),3.77(3H,
s),4.10(2H,m)4.46(2H,s),5.38(6H,m),7.03(4H,m)
【0030】参考例4 1- O- α- リノレノイル- 2- O- リノレイル- sn
- グリセロールの合成 [(1) エステル化反応]1- O- α- リノレノイル- 2
- O- リノレイル- 3- O- p- メトキシベンジル- s
n- グリセロールの合成(エステル化) 参考例1においてブチルクロリドの代わりにリノール酸
クロリド766mg(2.6mmol)を、また1- O- オレオイル-
3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールの
代わりに、実施例2で得られた1- O- α- リノレノイ
ル- 3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロー
ルを用いて参考例1と同様にして、1-O- α- リノレ
ノイル- 2- O- リノレイル- 3- O-p- メトキシベ
ンジル-sn- グリセロールを合成し、粗生成物1.3gを
得た。カラム精製し、第1留分から目的物を1.14g (収
率72.9% )得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.88(3H,t,J=10HZ),1.33(20H,m),2.00(8H,m),2.80(8H,
m),3.57(2H,d,J=5HZ),3.80(3H,s),4.28(2H,m),4.48(2H,
s),5.23(1H,m),5.38(12H,m),7.07(4H,m)
【0031】[(2) 脱アルコール反応]1- O- オレオ
イル1- O- オレオイル1- O- α- リノレノイル- 2
- O- リノレイル- sn- グリセロールの合成 参考例1において1- O- オレオイル- 2- O- ブタノ
イル- 3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロ
ールの代わりに、前記エステル化反応で得られた1- O
- α- リノレノイル- 2- O- リノレイル- 3- O- p
- メトキシベンジル- sn- グリセロール250mg(0.34mm
ol) を用いて同様に合成し、粗生成物400mg を得た。カ
ラム精製し第3留分から目的物を181mg(収率92.3%)を得
た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,17401 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.87(3H,t,J=10HZ),1.29(22H,m),1.33(20H),2.00(4H,
m),2.13(1H,s),2.32(4H,m),3.72(2H,d),4.28(2H,m),5.0
8(1H,m),5.35(12H,t,J=10HZ)
【0032】実施例3 1- O- ドコサヘキサエノイル- 3- O- p−メトキシ
ベンジル- sn- グリセロールの製造 [第1段階](s)−1- p- メトキシベンジルオキシ
- 2, 3- エポキシプロパンは実施例1と同様に合成し
た。
【0033】[第2段階]1- O- ドコサヘキサエノイ
ル- 3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロー
ルの合成 実施例1においてオレイン酸の代わりにドコサヘキサエ
ン酸2.0g(6.1mmol) を用いて同様に合成し、粗生成物4.
14g を得た。カラム精製し、第3留分から目的物を2.5g
(収率79.1% )得た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.97(3H,t,J=7.5HZ),1.71(2H,m),2.10(4H,m),2.37(2H,
t,7.5HZ),2.83(10H),3.47(2H,m),3.77(3H,s),4.10(2H,
s),4.46(2H,m),5.37(12H,m),7.07(4H,m)
【0034】参考例5 1- O- ドコサヘキサエノイル- 2- O- アラキドノイ
ル- sn- グリセロールの合成 [(1) エステル化反応]1- O- ドコサヘキサエノイル
- 2- O- アラキドノイル3- O- p- メトキシベンジ
ル- sn- グリセロールの合成(エステル化)参考例1
においてブチルクロリドの代わりにアラキドン酸クロリ
ド750mg(2.3mmol)を、また1- O- オレオイル- 3- O
- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールの代わり
に、実施例3で得られた1- O- ドコサヘキサエノイル
- 3-O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロール
を用いて参考例1と同様にして1- O- ドコサヘキサエ
ノイル- 2- O- アラキドノイル3- O- p- メトキシ
ベンジル- sn- グリセロールを合成し、粗生成物1.5g
を得た。カラム精製し、第1留分から目的物を1.34g
(収率72.0% )得た。 IR(cm-1,neat ) 2950,2880,1740,16101 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.89(3H,t,J=7.5HZ),0.97(3H,t,J=7.5HZ),1.30(6H,m),
1.71(4H,m),2.10(8H,m),2.37(4H,t,J=7.5HZ),2.82(16
H),3.59(2H,d,J=5HZ),3.80(3H,s),4.28(2H,m),4.54(2H,
s),5.23(1H,m),5.37(20H,m),7.06(4H,m)
【0035】[(2) 脱アルコール反応]1- O- ドコサ
ヘキサエノイル- 2- O- アラキドノイル- sn- グリ
セロールの合成 参考例1において1- O- オレオイル- 2- O- ブタノ
イル- 3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロ
ールの代わりに前記エステル化反応で得られた1- O-
ドコサヘキサエノイル- 2- O- アラキドノイル3- O
- p- メトキシベンジル- sn- グリセロール250mg(0.
31mmol) を用いて同様に合成し、粗生成物400mg を得
た。カラム精製し第3留分から目的物24を180mg(収率8
9.0%)を得た。 IR(cm-1,neat ) 3500,2950,2880,17401 H- NMR(200 MHz, CDCl3、δ) 0.89(3H,t,J=7.5HZ),0.97(3H,t,J=7.5HZ),1.30(6H,m),
1.71(4H,m),2.10(8H,m),2.37(4H,t,J=7.5HZ),2.83(16
H),3.72(2H,d,J=7.5HZ),4.25(2H,m),5.08(1H,m),5.37(2
0H,m)
【0036】実施例3および参考例5による(S)- エ
ピクロルヒドリンを出発物質とする1- O- ドコサヘキ
サエノイル- 2- O- アラキドノイル- sn- グリセロ
ールの総合合成収率は40.6% であった。
【0037】比較例1 実施例1において第1段階を省略し、第2段階におい
て、(S)- 1-p- メトキシベンジルオキシ- 2, 3-
エポキシプロパンの代わりに(S)- エピクロルヒド
リンを用いたところ、反応の進行はほとんど認められな
かった。
【0038】比較例2 実施例1の第2段階において、第四級アンモニウム塩の
代わりに、三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いて反応を
行ったところ、反応生成物はラセミ体となり光学活性を
失った。
【0039】
【発明の効果】本発明方法によれば容易に光学活性グリ
セロールエステルを製造することができ、かくして得ら
れた光学活性グリセロールエステルから各種の光学活性
1- O- アシル- sn- グリセロール誘導体を得ること
ができる。1- O- アシル- sn- グリセロール誘導体
は、生理活性を有する各種光学活性グリセロール誘導体
の前駆体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 67/48 C07C 67/48 (56)参考文献 特開 平2−256672(JP,A) 特開 昭62−209049(JP,A) 特開 平2−221(JP,A) 特開 昭64−79129(JP,A) 国際公開90/9981(WO,A1) Tetrahedron Lette rs,31[41](1990),5843−5844. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/26 C07C 69/30 C07B 53/00 C07C 67/48 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(S)- エピクロルヒドリンとp- メトキ
    シベンジルアルコールとを一般式(I)の第四級アンモ
    ニウム塩を触媒として不均一系で反応させて、(S)-
    1- p- メトキシベンジルオキシ- 2, 3- エポキシプ
    ロパン(II)とし、ついで(II)と脂肪酸とを第四級ア
    ンモニウム塩を触媒として反応させ、1- O- アシル-
    3- O- p- メトキシベンジル- sn- グリセロールと
    することを特徴とする光学活性グリセロールエステルの
    製造方法。 (式中、R1 はベンジル基又はC12〜C18のアルキル
    基、R2 〜R4 はそれぞれ独立してC4 〜C8 のアルキ
    ル基、Xはハロゲン原子を表わす)
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