JPH1045235A - ストレージコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の搬送はもとより、ワークを損傷させる
ことなくストレージおよび払い出しを円滑に行なうこと
ができる簡潔構成のストレージコンベアを提供する。 【解決手段】 ワークＷの長さとほぼ同長のステージを
構成する複数の１ステージコンベアＣ１の間に、ワーク
Ｗの長さとほぼ同長の２つのステージを構成する２ステ
ージコンベアＣ２をそれぞれ配設して一つの加工工程か
ら次の加工工程に至る搬送路を構成する。各ステージに
ワークＷが在席しているか否かを検出する在席センサＳ
１、Ｓ２、Ｓ３の出力に応答して各ステージコンベアＣ
１、Ｃ２の運転・停止を制御するコントローラを設けた
ことにより、ストレージコンベアとしての機能を低下さ
せることなくその構成を簡潔化して設備費を低減するこ
とができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一つの加工工程か
ら次の加工工程にワークを搬送するコンベア上に必要に
応じてワークをストレージすることができるようにした
ストレージコンベアに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば自動車の製造工程においては、工
程特性上あるいは生産変動のバッファとして一つの加工
工程と次の加工工程の間をストレージコンベアを介して
接続することにより、ワークの搬送とストレージ作用を
行なわせることがある。

【０００３】このようなストレージコンベアを構成する
に際して、従来では例えば図２に示したように、２つの
工程間を結合するコンベア１の搬送終端部にストッパ２
を設けることにより、ストレージの開始と同時にストッ
パ２を突出作動させて先頭のワーク３ａを停止させ、後
続するワーク３ｂを先に停止しているワーク３ａに衝突
させて停止させることにより、コンベア１上にワーク３
ａ、３ｂ…３ｎを次々と停止させてストレージするよう
にしたものがある。

【０００４】また図３に示したように、コンベア１のス
テージごとにストッパ２ａ、２ｂ…２ｎを設けることに
より、ワーク３ａ、３ｂ…３ｎが搬送されてくるたびご
とに搬送終端からストッパ２ａ、２ｂ…２ｎを順次突出
作動させてコンベア１上にワークを３ａ、３ｂ…３ｎを
ストレージさせるようにしたものがある。

【０００５】ところで、上記のようにストッパ２、２
ａ、２ｂ…２ｎを設けてワーク３ａ、３ｂ…３ｎをスト
レージさせるようにする場合は、コンベア１をトルクリ
ミッタ付きの駆動ローラコンベアあるいはローラフライ
ト式チェーンコンベアなどで構成してワーク３ａ、３ｂ
…３ｎとコンベア１の間に機械的な滑りを生じさせ、あ
るいはコンベアの駆動部に滑りを生じさせる必要があ
る。

【０００６】しかしながら、トルクリミッタ付きの駆動
ローラコンベアはトルクリミッタの調整が困難であり、
ローラフライト式チェーンコンベアの場合は、搬送面を
水平にしないと滑りが生じ、あるいは、引っ掛かりに対
して弱いなどの欠点があるために、コンベアが形成する
搬送路の形状によっては安定した搬送作用を行なわせ難
いなど、実用化する点で種々の難点があった。なお、図
２に示したように後続するワーク３ｂを先行するワーク
３ａにぶつけて停止させるようにした場合は、衝突によ
ってワーク３ａ、３ｂ…３ｎが損傷する可能性が高いと
いう不具合もある。

【０００７】このような不具合を解消するために、近年
では図４に示したようにワーク３の長さとほぼ同一長さ
のステージを構成する複数の１ステージコンベア１ａ、
１ｂ…１ｎを直列に配して全体として長尺のコンベア１
を構成するとともに、各１ステージコンベア１ａ、１ｂ
…１ｎごとにワーク３ａ、３ｂ…３ｎが在席しているか
否かを検出する在席センサ４ａ、４ｂ…４ｎを設けるこ
とにより、在席センサ４ａ、４ｂ…４ｎの出力に応じて
各１ステージコンベア１ａ、１ｂ…１ｎの運転・停止を
制御するようにしたものが実用化されている。

【０００８】このようなストレージコンベアにおいて
は、各在席センサ４ａ、４ｂ…４ｎの出力に基づいて各
ステージにワーク３ａ、３ｂ…３ｎが在席していること
が検出されたときは、当該ステージおよび次ステージを
構成する１ステージコンベアを駆動してワークを次のス
テージに搬送するようにしている。

【０００９】また、上記のようなストレージコンベアに
おいては、複数の１ステージコンベア１ａ、１ｂ…１ｎ
の運転・停止を独立して制御することにより、搬送始端
部に供給されてきたワーク３ａ、３ｂ…３ｎを搬送始端
部のステージから搬送終端のステージに向って順次移動
させて連続的に搬送する通常の搬送を行なわせることが
できる。

【００１０】さらに、上記のようなストレージコンベア
による場合は、搬送始端部に供給されたワーク３ａ、３
ｂ…３ｎを搬送終端部に向って搬送しつつ、先頭に位置
するワーク３ａが最終ステージに到達した時点で当該ス
テージを構成する１ステージコンベア１ａを停止させ、
後続するワーク３ｂ、３ｃ…３ｎを乗載した１ステージ
コンベア１ｂ、１ｃ…１ｎを先に停止させている１ステ
ージコンベア１ａに続いて順次停止させてワーク３ａ、
３ｂ…３ｎをストレージすることができる。

【００１１】また、１ステージコンベア１ａ、１ｂ…１
ｎを搬送終端側から順次運転することにより、ストレー
ジされているワーク３ａ、３ｂ…３ｎの払い出しをも円
滑に行なわせることができる。ところが、このようにス
テージ数と同数のコンベア１ａ、１ｂ…１ｎを設けた場
合は、各１ステージコンベア１ａ、１ｂ…１ｎにそれぞ
れ駆動装置を設ける必要性があるために、設備費が高く
なってしまうという不都合があった。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、通常の搬送はもとより、ワ
ークを損傷させることなくストレージおよび払い出しを
円滑に行なうことができる簡潔構成のストレージコンベ
アを提供することを課題としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ワークの長さとほぼ同長のステージを構成
する複数の１ステージコンベアの間にワークの長さとほ
ぼ同長の２つのステージを構成する２ステージコンベア
をそれぞれ配設して一つの加工工程から次の加工工程に
至る搬送路を構成している。また、各ステージのワーク
の在席の有無を検出する在席センサを設けるとともに、
各在席センサの出力に応答して前記各ステージコンベア
の運転・停止を制御するコントローラを設けてストレー
ジコンベアを構成したことを特徴としている。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて詳細に説明する。図１は本発明に係るストレージ
コンベアの一実施形態を示す概略構成図であり、ワーク
Ｗの送り方向長さとほぼ同一長さのステージを構成する
複数の１ステージコンベアＣ１を該コンベアＣ１の送り
方向に沿って配設するとともに、隣接する１ステージコ
ンベアＣ１の間にそれぞれワークの長さとほぼ等しい２
つのステージを構成する２ステージコンベアＣ２を配設
することにより、一つの加工工程から次の加工工程に至
る所要長さの搬送路を構成している。

【００１５】前記各１ステージコンベアＣ１は第１ステ
ージを構成し、各２ステージコンベアＣ２は搬送始端側
に第２ステージを構成して搬送終端側に第３ステージを
構成している。従って、搬送路は、第１ステージ、第２
ステージ、第３ステージ、第１ステージ…第２ステー
ジ、第３ステージ、第１ステージの繰り返しにより構成
されるものであり、搬送終端部に位置する１ステージコ
ンベアＣ１の次に１ステージコンベアＣ１と同一構成の
払い出しコンベアＣ０を配している。

【００１６】また、各コンベアＣ０、Ｃ１、Ｃ２が形成
するステージにワークＷが在席しているか否かを検出す
る在席センサＳ０、Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３をそれぞれのステ
ージに対応させて配設することにより、各ステージのワ
ークＷの在席の有無を検出してその検出信号を図示しな
いコントローラに供給するようにしている。なお、各コ
ンベアＣ０、Ｃ１、Ｃ２にそれぞれ駆動源として機能す
るモータを設けることにより、図示しないコントローラ
から出力された制御信号に基づいて各コンベアＣ０、Ｃ
１、Ｃ２を独立して運転・停止させることができるよう
にしている。

【００１７】上記のような構成になるストレージコンベ
アにおいて、図示しないコントローラは次のように各コ
ンベアＣ０、Ｃ１、Ｃ２を制御する。すなわち、いずれ
のステージにもワークが在席していることが検出されな
かったときは、すべてのコンベアＣ０、Ｃ１、Ｃ２を停
止状態に保持させる。

【００１８】ここに、１ステージコンベアＣ１により形
成された第１ステージにワークＷが在席して他のステー
ジにワークＷが在席していないことが検出されたたとき
は、コントローラからの信号により当該第１ステージを
構成する１ステージコンベアＣ１およびこの１ステージ
コンベアＣ１に続く２ステージコンベアＣ２を運転す
る。このために、第１ステージに在席していたワークＷ
は次ステージである第２ステージに送られる。

【００１９】第２ステージにワークＷが在席して他のス
テージにワークＷが在席していないことが検出されたと
きは、コントローラからの信号により当該第２ステージ
を構成する２ステージコンベアＣ２のみを運転する。従
って、第２ステージに在席していたワークＷは、当該第
２ステージを構成する２ステージコンベアＣ２により形
成されている第３ステージに送られる。

【００２０】また、第３ステージにワークＷが在席して
他のステージにワークＷが在席していないことが検出さ
れた場合は、コントローラからの信号により当該第３ス
テージを構成する２ステージコンベアＣ２とこの２ステ
ージコンベアＣ２に続く１ステージコンベアＣ１を運転
して第３ステージのワークＷを後続する第１ステージに
送る。

【００２１】以下同様にして搬送終端の第１コンベアＣ
１が形成するステージまでワークＷが送られて当該ステ
ージにワークＷが在席していることが検出された場合
は、払い出しコンベアＣ０により形成されている払い出
しステージにワークＷが在席していないことが確認され
たときに限って当該１ステージコンベアＣ１および払い
出しコンベアＣ０を運転してワークＷを払い出しステー
ジに送る。

【００２２】一方、第１ステージと該第１ステージに続
く第２ステージにワークＷが在席して他のステージにワ
ークＷが在席していないことが検出されたときは、コン
トローラからの信号によりこれらのステージを構成する
１ステージコンベアＣ１および２ステージコンベアＣ２
を運転する。よって、第１ステージおよび第２ステージ
に在席していたワークＷは、前記２ステージコンベアＣ
２が形成する第２ステージおよび第３ステージに送られ
る。

【００２３】第１ステージおよび第３ステージにワーク
Ｗが在席して他のステージにワークＷが在席していない
ことが検出された場合は、コントローラからの信号によ
り当該ステージを形成している１ステージコンベアＣ
１、２ステージコンベアＣ２および該２ステージコンベ
アＣ２に続く１ステージコンベアＣ１をそれぞれ運転す
る。このために、ワークＷは第２ステージおよび第１ス
テージに送られる。

【００２４】なお、第２ステージおよび第３ステージを
挟んだ２つの第１ステージのみにワークＷが在席して上
記第２ステージおよび第３ステージにワークＷが在席し
ていないことが検出されたときは、コントローラからの
信号により当該第１ステージを構成する１ステージコン
ベアＣ１および当該１ステージコンベアＣ１に続く２ス
テージコンベアＣ２をそれぞれ運転するが、搬送終端に
位置する１ステージコンベアＣ１は払い出しコンベアＣ
０にワークＷが在席していないときに限って運転され
る。

【００２５】従って、搬送始端側に位置する第１ステー
ジのワークＷは第２ステージに送られるが、搬送終端側
に位置する第１ステージのワークＷは、払い出しステー
ジにワークＷが在席していないときにのみ第１ステージ
のワークを払い出しステージに送られるが、払い出しス
テージにワークＷが在席しているときはそのままの状態
を維持する。

【００２６】第２ステージと第３ステージにワークＷが
連続して在席してこれら第２、第３ステージを挟む第１
ステージにワークＷが在席していないことが検出された
ときは、いずれのコンベアも停止状態を維持する。ワー
クＷの払い出し中は次ステージにワークＷが在席してい
ないときに限って当該第２、第３ステージを構成する２
ステージコンベアＣ２および該２ステージコンベアＣ２
に続く１ステージコンベアＣ１を運転してワークＷを第
３ステージおよび第１ステージに順送りする。

【００２７】搬送終端部の第３ステージを挟んだ第２ス
テージと第１ステージにワークが在席して他のステージ
にワークＷが在席していないことが検出された場合は、
払い出しステージにワークＷが在席していないときにの
み上記第１ステージを構成する１ステージコンベアＣ１
および払い出しコンベアＣ０を運転してワークＷを払い
出しステージに送るが、２ステージコンベアＣ２は停止
状態を維持させてワークＷを第２ステージに留める。

【００２８】従って、搬送終端部において隣接している
第３ステージと第１ステージに連続してワークＷが在席
することはないが、万一この状態が発生した場合は払い
出しステージにワークＷが在席していないときに限って
１ステージコンベアＣ１および払い出しコンベアＣ０を
運転する。なお、この場合は２ステージコンベアＣ２は
運転しないために、第３ステージに在席していたワーク
Ｗはその位置に留められる。

【００２９】一方、第１ステージ、第２ステージおよび
第３ステージにワークＷが連続状態で在席して続く第１
ステージにワークＷが在席していないことが検出された
場合は、コントローラからの信号によりこれらのステー
ジを構成する２つの１ステージコンベアＣ１と２ステー
ジコンベアＣ２をそれぞれ運転する。このために、第１
ステージ、第２ステージおよび第３ステージに在席して
いたワークＷはそれぞれ次のステージに順送りされる。

【００３０】また、第１ステージおよび第２ステージと
第３ステージを挟んだ第１ステージにワークＷが在席し
て第３ステージにワークＷが在席していないことが検出
された場合は、当該ステージを構成する１ステージコン
ベアＣ１、２ステージコンベアＣ２および１ステージコ
ンベアＣ１をそれぞれ運転するが、搬送終端側の１ステ
ージコンベアＣ１は次ステージにワークＷが在席しない
ときに限って運転される。

【００３１】このために、通常の運転においては第１ス
テージ、第３ステージおよび当該第３ステージに後続す
る第１ステージにワークＷが在席して第２ステージにワ
ークＷが在席しない状態は発生しない。ところが、何ら
かの原因でこのような状態が発生した場合は、次ステー
ジにワークＷが在席していないときにのみ搬送終端側の
１ステージコンベアＣ１および次ステージを構成するコ
ンベアを運転してワークＷを次ステージに送るが、他の
コンベアを停止させ続けるために、搬送始端側の第１ス
テージおよび第３ステージのワークＷはその位置に留め
られる。

【００３２】さらに、第２ステージ、第３ステージおよ
び該第３ステージに連続する第１ステージにワークＷが
在席していることが検出された場合は、上記第２ステー
ジの直前の第１ステージにワークＷが在席しているか否
かに関係なく搬送終端側の第１ステージに続くステージ
にワークＷが在席していないことを条件に該第１ステー
ジを構成する１ステージコンベアＣ１および当該１ステ
ージコンベアに続くステージを構成するコンベアを運転
して他のコンベアを運転しない。従って、この場合は搬
送終端側の第１ステージのワークは次ステージに送られ
るが、他のステージのワークＷは当初の位置に留められ
る。

【００３３】従って、各ステージにワークＷが在席して
いるか否かに応じて１ステージコンベアおよび２ステー
ジコンベアＣ２の運転・停止を制御することにより、搬
送始端部に送り込まれたワークＷを搬送終端部に向って
順送りする通常の搬送はもとより、順送りされたワーク
Ｗを搬送終端部から順次停止させて一時貯溜するストレ
ージを行なわせ、あるいは、ストレージされているワー
クＷの払い出しを行なわせることができる。

【００３４】なお、在席センサＳ０、Ｓ１、Ｓ２は例え
ばリミットスイッチなどのような接触型のセンサで構成
されるが、光電管あるいは静電容量センサなどで代表さ
れる非接触型のセンサで構成することもできるものであ
り、１ステージコンベアＣ１および２ステージコンベア
Ｃ２の数はストレージ容量および搬送経路の長さなどに
応じて適宜選定することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ワークの長さとほぼ同長のステージを構成する
複数の１ステージコンベアの間にワークの長さとほぼ同
長の２つのステージを構成する２ステージコンベアをそ
れぞれ配設して一つの加工工程から次の加工工程に至る
搬送路を構成し、各ステージのワークの在席の有無を検
出する在席センサの出力に応答して前記各ステージコン
ベアの運転・停止を制御するコントローラを設けてスト
レージコンベアを構成したものであるから、従来のよう
にワークの長さとほぼ同一長さのステージを構成する複
数の１ステージコンベアを直列に配して全体として長尺
のコンベアを構成する場合に対比して駆動源を削減する
ことができるために、ストレージコンベアの機能を低下
させることなく構成を簡潔化して設備費を低減すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るストレージコンベアの位置実施形
態を示す概略構成図である。

【図２】ストレージコンベアの従来例を示す概略構成図
である。

【図３】ストレージコンベアの別の従来例を示す概略構
成図である。

【図４】ストレージコンベアの他の従来例を示す概略構
成図である。

【符号の説明】

Ｃ０ 払い出しコンベア Ｃ１ １ステージコンベア Ｃ２ ２ステージコンベア Ｓ０、Ｓ１、Ｓ２ 在席センサ Ｗ ワーク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークの長さとほぼ同長のステージを構
   成する複数の１ステージコンベアの間にワークの長さと
   ほぼ同長の２つのステージを構成する２ステージコンベ
   アをそれぞれ配設して一つの加工工程から次の加工工程
   に至る搬送路を構成し、各ステージのワークの在席の有
   無を検出する在席センサを設けるとともに、各在席セン
   サの出力に応答して前記各ステージコンベアの運転・停
   止を制御するコントローラを備えてなるストレージコン
   ベア。