JP2019189386A - 制御装置及びコンベヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の物品を一斉搬送する際の物品の間隔の狭まりを抑制できる制御装置を提供する。【解決手段】コンベヤ1の制御装置4は、搬送方向に並んでそれぞれがモータ16を有する複数のゾーンによって構成された搬送ライン2と、複数のゾーンのそれぞれに対応して設けられてゾーン上の物品Wの存在を検知する光電センサ3とを備える。制御装置4は、ゾーンのモータ16を制御する複数のコントローラ21を備える。制御装置4は、複数のコントローラ21を接続する通信ケーブル22を備える。光電センサ3による検知とゾーンのモータ16の駆動状態とに基づきコントローラ21によりモータ16を制御することで、複数のゾーン上の物品Wを、物品Wがそれぞれ上流側ゾーンから下流側ゾーンに搬入される際のゾーン間の搬送速度差を抑制しつつ下流側へ一斉に搬送させる一斉搬送モードを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、複数のゾーンによって構成された搬送ラインによる物品の搬送を制御する制御装置及びコンベヤに関する。
従来、例えば下記の特許文献1に記載されたコンベヤの制御装置が知られている。
この従来の制御装置は、複数のゾーンによって構成された搬送ラインを制御するもので、各ゾーンのコンベヤ上の搬送物の在荷情報と下流側のコンベヤの駆動状態を示す情報とを用い、各ゾーンに連続して位置する搬送物を一斉に搬送するモード(トレイン搬送モード)を備えている。
そして、このようなコンベヤでは、搬送物間に隙間が空いた状態を維持しながら搬送物を搬送することで搬送物同士の接触を防いでいる。
このような従来のトレイン搬送モードの場合、各ゾーンは隣接するゾーン間で制御装置同士各種情報や信号を送受信し、自己ゾーン及び隣接ゾーンの情報を元に駆動制御が実行される。この場合の各ゾーンのコンベヤの動作は、例えば図4ないし図6に示すようになる。
例えばゾーン3は、図4(a)に示すように、自己ゾーンが在荷なし(OFF)、かつ、停止状態(STOP、白抜きで示す)で、図5(a)の項目2に示すように、物品W1の受入可(OK)の状態となっている。このため、先頭の物品W1がゾーン4からゾーン3に搬入される際に、ゾーン3では、図4(b)及び図5(b)に示すように上流側ゾーンであるゾーン4の検知センサである光電センサ3a(図4(b)に黒塗りで示す)による在荷あり(ON)の検知をトリガとしてT1で駆動を開始し(RUN、図4(b)に白抜きで示す)、図4(c)に示すように、ゾーン4から物品W1を受け入れる。ここで、先頭の物品W1を搬送するゾーン4の搬送速度は既に目標速度vに達しているのに対して、ゾーン3は、ゾーン4における物品W1の在荷を検知することで図6に示すタイミングT1で駆動が開始され、タイミングT2で目標速度vに達するため、物品W1が乗り移った直後のタイミングT3では加速途中で搬送速度が目標速度vに達していないことがある。この場合、先頭の物品W1の搬送速度が目標速度vよりも下回る時間ΔTが僅かに存在することになる。
一方、後続の物品W2が乗り移る先の下流側ゾーン、例えばゾーン4〜6では、自己ゾーンが駆動状態(RUN)で、図5(a)に示すように、物品W2の受入可(OK)の状態となっている。このため、ゾーン4〜6は、図5(b)に示すように、その1つ上流側に隣接するゾーンであるゾーン5〜7に在荷あり(ON)の条件によって、駆動状態を維持しながら物品W2を受け入れる。したがって、物品W2の乗り移りの際、既に駆動状態である下流側のゾーン4〜6の搬送速度は目標速度vに達しており、後続の物品W2は搬送速度を維持しながらゾーンを乗り移ることができる。
そのため、ゾーンを乗り移る度に先頭の物品W1と後続の物品W2との搬送速度(目標速度v)に僅かな速度差Δvが生じ、この速度差Δvによって先頭の物品W1に対して後続の物品W2が近づき、図4(c)に示すように、両者の間隔Gが狭まることになる。この間隔Gの狭まりは、連続して搬送されるゾーンの数が多いほど顕著となり、後続の物品W2が徐々に先頭の物品W1に接近し、接触するおそれもある。さらに、物品W1に接触した物品W2が、物品W1がゾーンを乗り移る際に物品W1を押圧するおそれもある。
上述したように、複数の物品を間に隙間が空いた状態で一斉搬送する際に、物品の間隔が狭まらないようにすることが望まれている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、複数の物品を一斉搬送する際の物品の間隔の狭まりを抑制できる制御装置及びコンベヤを提供することを目的とする。
請求項1記載の制御装置は、搬送方向に並んでそれぞれが駆動源を有する複数のゾーンによって構成された搬送ラインと、前記複数のゾーンのそれぞれに対応して設けられてゾーン上の物品の存在を検知する検知センサとを備えるコンベヤに用いられる制御装置であって、前記ゾーンの駆動源を制御する複数のコントローラと、これら複数のコントローラを接続する信号伝達手段とを備え、前記検知センサによる検知と前記ゾーンの駆動源の駆動状態とに基づき前記コントローラにより前記駆動源を制御することで、複数の前記ゾーン上の物品を、これら物品がそれぞれ上流側ゾーンから下流側ゾーンに搬入される際のこれらゾーン間の搬送速度差を抑制しつつ下流側へ一斉に搬送させる一斉搬送モードを有するものである。
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知したことをトリガとして前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで前記物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させるものである。
請求項3記載の制御装置は、請求項2記載の制御装置において、コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知したことをトリガとして、その検知と同時、または、その検知から所定時間後に前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで前記物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させるものである。
請求項4記載の制御装置は、請求項2または3記載の制御装置において、コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンの駆動源が動作状態であり下流側ゾーンに物品を搬出するときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知すると、前記下流側ゾーンに物品を搬出しても上流側ゾーンから物品が搬入されるまで前記自己ゾーンの搬送速度を維持するものである。
請求項5記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンの駆動源の駆動開始をトリガとして前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで上流側のゾーンからの物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させるものである。
請求項6記載の制御装置は、請求項5記載の制御装置において、コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンの駆動源が動作状態であり下流側ゾーンに物品を搬出するときに、前記自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンの駆動源が駆動を開始すると、前記下流側ゾーンに物品を搬出しても前記上流側ゾーンから物品が搬入されるまで前記自己ゾーンの搬送速度を維持するものである。
請求項7記載のコンベヤは、搬送方向に並んでそれぞれが駆動源を有する複数のゾーンによって構成され、物品を搬送方向に向けて搬送する搬送ラインと、前記複数のゾーンのそれぞれに対応して設けられ、対応する自己ゾーン上の物品の存在を検知する検知センサと、前記搬送ラインを制御する請求項1ないし6のいずれか一記載の制御装置とを備えたものである。
本発明によれば、複数のゾーン上の物品を、これら物品がそれぞれ上流側ゾーンから下流側ゾーンに搬入される際のこれらゾーン間の搬送速度差を抑制し、複数の物品を一斉搬送する際の物品の間隔の狭まりを抑制できる。
以下、本発明の一実施の形態に係るコンベヤについて図1ないし図3を参照して説明する。
図1において、1は搬送装置であるコンベヤで、このコンベヤ1は、物品W同士の衝突を回避しながら物品Wの搬送(ゼロプレッシャ蓄積搬送)を行うアキュームコンベヤである。
そして、コンベヤ1は、図1に示すように、搬送方向に並んだ複数のゾーン(図示した例では、7つのゾーン1〜7)によって構成され、物品Wを搬送方向に向けて搬送する搬送ライン2と、複数のゾーンのそれぞれに対応して1つずつ設けられ、対応する自己ゾーン上の物品Wの存在(有無)を検知する検知センサ(物品有無検知センサ)である光電センサ3と、物品Wのゼロプレッシャ蓄積搬送を行うべく搬送ライン2を制御する制御装置4とを備えている。
搬送ライン2の搬送方向に並んだ各ゾーン(ゾーン1〜7)は、例えば少なくとも1本の駆動ローラであるモータローラ11と、少なくとも1本のフリーローラ12と、これらローラ11,12が同期回転するように互いに隣り合うローラ11,12間に掛け渡された動力伝達用の無端体13とを有している。本実施の形態では、各ゾーンの搬送方向下流側のローラがモータローラ11、搬送方向上流側のローラがフリーローラ12となっているが、これに限定されず、搬送方向上流側のローラをモータローラ11、搬送方向下流側のローラをフリーローラ12としてもよいし、ゾーンのローラ数が3以上の場合には、任意の少なくともいずれかのローラをモータローラ11、残りのローラをフリーローラ12としてもよい。
各ローラ11,12は、互いに離間対向する搬送方向長手状の図示しない両フレーム間に架設されている。モータローラ11は、内部に駆動源であるモータ16を有している。なお、モータローラ11が内蔵するモータ16としては、例えばブラシレスDCモータが用いられる。
光電センサ3は、検知光を利用して自己ゾーン上の物品Wの存在を検知(検出)するもので、自己ゾーンの搬送終端部付近に位置している。
制御装置4は、複数のモータ16のそれぞれに対応して1つずつ設けられ、対応するモータ16を制御する複数の制御手段であるコントローラ21と、これら複数のコントローラ21を接続する信号伝達手段である複数の通信ケーブル(通信配線)22とを有している。各コントローラ21には、通信ケーブル22を接続可能な接続部としてのケーブル接続コネクタ、所定の情報を記憶する記憶部(メモリ)、モータ16を接続可能な駆動源接続部としてのモータ接続コネクタ、光電センサ3を接続可能なセンサ接続部としてのセンサ接続コネクタ、外部I/Oコネクタ、設定器コネクタ及び電源コネクタ等が設けられている。本実施の形態の各コントローラ21は、それぞれ光電センサ3及びモータ16と接続されている。
そして、コントローラ21は、通信ケーブル22により任意に接続することが可能であるが、例えば本実施の形態では、モータ16の数と同数の複数のコントローラ21が、通信ケーブル22によって搬送方向に沿って数珠繋ぎ状に直列に接続されている。これにより、これらの直列接続された複数のコントローラ21が参加するネットワークが形成されており、各コントローラ21は物理的な配置に関係なくネットワーク上の任意のコントローラ21と通信可能となっている。
また、例えば複数のコントローラ21のうちの一部、例えば1つのコントローラ21が、統括制御基板である親コントローラ(親制御手段)に設定され、複数のコントローラ21の残りの他が、従動制御基板である子コントローラ(子制御手段)に設定される。すなわちこの例では、親コントローラが、モータローラ11の駆動の要否の判別を伴いモータローラ11を駆動する主動制御を行うものであり、子コントローラが、親コントローラから送信される指令信号に基づき、つまりモータローラ11の駆動の要否の判別を伴わずにモータローラ11を駆動する従動制御を行うものである。本実施の形態においては、例えば搬送方向最下流に位置するゾーン(ゾーン1)に対応するコントローラ21が親コントローラ、残りの他のゾーン(ゾーン2〜7)に対応するコントローラ21が子コントローラとして設定されるが、例えば搬送方向最上流に位置するコントローラ21を親コントローラとしてもよく、搬送方向中間に位置するコントローラ21を親コントローラとしてもよい。
そして、親コントローラは、子コントローラと通信を行い、各ゾーンの光電センサ3からの物品Wの存在、すなわち在荷あり/在荷なしを示す信号(在荷情報)を取得するとともに、この信号と、各ゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動状態、すなわちモータ16の駆動/停止を示す信号(駆動情報)とに基づき、各子コントローラに対応するモータローラ11(モータ16)の駆動/停止を指令する指令信号を生成して、子コントローラを集中制御する。また、子コントローラは、親コントローラからの指令信号に応じて自機に接続されたモータ16の駆動/停止を制御する。
そして、制御装置4には、複数のゾーン上に物品Wが載置されている場合に、これら物品Wを搬送方向下流側へ一斉搬送する一斉搬送モードが設定されている。
一斉搬送モードにおいて、各ゾーンでの物品Wの受入の可否の条件は、図2(a)に示すように、自己ゾーンの在荷情報である光電センサ3による物品Wの検知の有無、すなわち在荷あり(ON)/在荷なし(OFF)と、モータ16(モータローラ11)の駆動状態、すなわち駆動(RUN)/停止(STOP)とに基づき設定される。例えば、図2(a)の項目1に示すように、そのゾーンのモータ16(モータローラ11)が駆動していれば、在荷あり/在荷なしに拘らず、そのゾーンは物品Wを受入可(OK)となる。一方、そのゾーンのモータ16(モータローラ11)が停止していれば、図2(a)の項目2に示すように、在荷なしのときに物品Wを受入可(OK)、図2(a)の項目3に示すように、在荷ありのときに物品Wを受入不可(NG)となる。言い換えると、各ゾーンでは、自己ゾーンが在荷なし、または、そのゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動中のいずれかのときに、物品Wを受入可、それ以外のときに、物品Wを受入不可となる。また、在荷あり(ON)の場合は、物品Wを搬出可能な状態であり、下流側のコントローラ21に駆動を要求する駆動要求状態となる。そして、自己ゾーンの受入可(OK)の場合は、受入可状態となり、ゾーン間で駆動要求状態と受入可状態との関係が成立することで、各ゾーンの駆動開始・維持が実行される。
そして、上記の受入の可否の条件の下で、各ゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動の可否が、図2(b)に示すように、その下流側ゾーンの物品Wの受入可否と、2つ上流側ゾーンの在荷情報である、光電センサ3による物品Wの検知の有無、すなわち在荷あり(ON)/在荷なし(OFF)と、自己ゾーンの物品Wの受入可否と、自己ゾーンの在荷情報である、光電センサ3による物品Wの検知の有無、すなわち在荷あり(ON)/在荷なし(OFF)とに基づき設定される。
例えば、自己ゾーンが在荷あり(ON)の場合、下流側ゾーンが受入不可(NG)であれば、図2(b)の項目1に示すように、2つ上流側のゾーンの在荷の有無に拘らず、自己ゾーンは受入不可(NG)の状態であるためモータ16(モータローラ11)の駆動は停止状態(STOP)となり、下流側ゾーンが受入可(OK)であれば、図2(b)の項目4に示すように、2つ上流側のゾーンの在荷の有無に拘らず、自己ゾーンのモータ16(モータローラ11)は駆動状態(RUN)となる。言い換えると、自己ゾーンが在荷あり(ON)の場合には、下流側ゾーンの受入可否に応じて自己ゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動状態が設定される。ここで、項目4の場合、自己ゾーンが在荷あり(ON)の状態で、下流側ゾーンが受入可(OK)であることから、自己ゾーンが駆動して下流側ゾーンへ物品Wを搬出することなるため自己ゾーンが受入可(OK)の状態であり、この駆動中に2つ上流側ゾーンに在荷あり(ON)の場合は、2つ上流側のゾーンの駆動要求状態と自己ゾーンの受入可状態とが成立して、仮に1つ上流側のゾーンが在荷なしの場合であっても、自己ゾーンは減速することなく駆動を継続することで速度を維持する。
また、自己ゾーン及び2つ上流側のゾーンがともに在荷なし(OFF)の場合、図2(b)の項目2及び項目5に示すように、下流側ゾーンが受入不可(NG)であっても受入可(OK)であっても、自己ゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動は停止状態(STOP)となる。これは、自己ゾーンが受入可(OK)の状態であっても、2つ上流側のゾーンが駆動要求状態ではないことによる。
さらに、自己ゾーンが在荷なし(OFF)、かつ、停止状態(STOP)で受入可(OK)の場合、図2(b)の項目3に示すように、自己ゾーンの2つ上流側のゾーンが在荷あり(ON)の状態であれば、自己ゾーンの受入可(OK)状態と2つ上流側のゾーンからの駆動要求状態とが成立して自己ゾーンの隣接上流側ゾーンが在荷なしの場合でも、このゾーンのモータ16(モータローラ11)が駆動(RUN)される。
図1には、物品Wが互いに隣接する複数のゾーンであるゾーン4〜7にある場合を例に挙げて示す。すなわち、図1(a)に示すように、ゾーン4〜7が、光電センサ3で物品Wが検知されていない(在荷なし(OFF))状態、かつ、モータ16が駆動状態(RUN)となっていて、ゾーン4の下流側に隣接するゾーン3においては、物品Wがなく(在荷なし(OFF))、モータ16(モータローラ11)が駆動状態(RUN)となっている。さらに、ゾーン3の下流側に隣接するゾーン2においては、物品Wがなく(在荷なし(OFF))、モータ16(モータローラ11)が停止状態(STOP)となっていて、物品Wを受入可(OK)となっている。この状態から、図1(b)に示すように、モータ16(モータローラ11)の回転によりゾーン4〜7上の物品Wが搬送方向下流側に搬送されると、ゾーン4からゾーン3に搬入される物品Wをゾーン4の光電センサ3(図中に黒塗りで示す)により検知する(在荷あり(ON))。このとき、上記のとおり、在荷なし(OFF)、かつ、モータ16が停止状態(STOP)で物品Wの受入可(OK)であるゾーン2では、その2つ上流側に隣接するゾーン4での光電センサ3の検知をトリガとしてモータ16(モータローラ11)が駆動される(RUN、白抜きで示す)。そのため、図3に示す駆動の開始のタイミングT1から搬送方向先頭の物品Wがゾーン3を経由してゾーン2に搬入されるタイミングT2までに、ゾーン2の搬送速度はタイミングT3の時点で目標速度vに到達し、ゾーン3から先頭の物品Wが搬入される際のゾーン2,3の搬送速度差がなくなる、または、抑制される。また、ゾーン3〜6については、モータ16(モータローラ11)が駆動状態(RUN)を維持したまま上流側のゾーン4〜7から物品Wが搬入されるため、それぞれ物品Wが搬入される際の上流側のゾーン4〜7との搬送速度差がない、または、抑制されている。このように、制御装置4の各コントローラ21によるモータ16の制御に基づいて、図1(c)に示すように、搬送方向に隣接する物品W同士が衝突することなく、搬送ライン2によって複数個の物品Wが間隔を一定(略一定)に保ちつつ、順次下流側に隣接するゾーンへと一斉に搬送される。なお、図1(c)に示す状態に続いて、ゾーン1については、先頭の物品Wがゾーン3の光電センサ3により検知されることをトリガとして、コントローラ21がモータ16を駆動する。
すなわち、本実施の形態では、一斉搬送モードにおいて、光電センサ3による検知とゾーンのモータ16の駆動状態とに基づきコントローラ21によりモータ16を制御することで、複数のゾーン上の物品Wを、これら物品Wがそれぞれ上流側ゾーンから下流側ゾーンに搬入される際のこれらゾーン間の搬送速度差を抑制しつつ下流側へ一斉に搬送させる。このため、先頭の物品Wと、その後続の物品Wとに搬入の際の速度差が生じず、または生じ難く、複数の物品Wを一斉搬送する際の物品Wの間隔Gの狭まりを防止または抑制できる。このため、例えば間隔Gが狭い場合などでも、先頭の物品Wがゾーンを乗り移る際に後続の物品Wが先頭の物品Wに接触したり、先頭の物品Wを押圧したりし難くなる。
より詳細に、コントローラ21は、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する光電センサ3が物品Wを検知せず、かつ、自己ゾーンのモータ16が停止状態であるときに、自己ゾーンの2つ上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品を検知したことをトリガとして自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させることで2つ上流側のゾーンからの物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させるので、自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させる十分な時間を取ることができ、それぞれの搬送速度に差を生じさせない、または生じさせ難い状態で、複数の物品Wを一斉搬送できる。
このとき、コントローラ21は、自己ゾーンの2つ上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知したことをトリガとして、その検知と同時に自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させることで2つ上流側のゾーンからの物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させるようにしてもよい。この場合、自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させる十分な時間を取ることができる。一方、コントローラ21は、自己ゾーンの2つ上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知したことをトリガとして、タイマ等の計時手段を用い、その検知から所定時間後に自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させることで2つ上流側のゾーンからの物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させるようにしてもよい。この場合には、モータ16の駆動時間を、駆動開始から目標速度vに到達するまでの必要最小限の時間とすることが可能となり、エネルギーロスを抑制できる。すなわち、2つ上流側のゾーンからの物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させることができれば、2つ上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知したタイミングと、自己ゾーンのモータ16の駆動開始のタイミングとは、同時または略同時でなくてもよい。
さらに、コントローラ21は、自己ゾーンの3つ以上上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知したことをトリガとして自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させることで物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させるようにしてもよい。この場合、例えばタイマ等の計時手段を用い、光電センサ3の検知から所定時間後に自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させるようにすることで、物品Wの到着前に先回りしすぎてモータ16を駆動させておくことを防止できる。
そして、コントローラ21は、自己ゾーンのモータ16が動作状態であり下流側ゾーンに物品Wを搬出するときに、自己ゾーンの2つ上流側のゾーン、または、3つ以上上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知すると、下流側ゾーンに物品Wを搬出しても上流側ゾーンから物品Wが搬入されるまで自己ゾーンの搬送速度を維持するので、モータ16の不要な減速または停止を生じさせなくすることができる。
すなわち、コントローラ21は、一斉搬送モードにおいて、2つ以上上流側のゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知すると、自己ゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知しない(在荷なしの)場合に自己ゾーンのモータ16の駆動を開始し、自己ゾーンに対応する光電センサ3により物品Wを検知する(在荷ありの)場合に自己ゾーンのモータ16の駆動を維持することで、各物品Wの自己ゾーンへの搬入の際の速度差を生じなくさせる、または生じ難くさせることができる。
なお、コントローラ21は、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する光電センサ3が物品Wを検知せず、かつ、自己ゾーンのモータ16が停止状態であるときに、自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンのモータ16の駆動開始をトリガとして自己ゾーンのモータ16の駆動を開始させることで2つ上流側のゾーンからの物品Wの搬入までに自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度vに到達させるようにしてもよい。この場合、例えばタイマ等の計時手段を用い、1つ以上上流側のゾーンのモータ16の駆動開始をトリガとして、所定時間経過後に自己ゾーンのモータ16の駆動を開始することで、受入可の状態にある下流側のゾーンのモータ16が連鎖的に駆動を開始することを防止してもよい。
また、コントローラ21は、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンのモータ16が動作状態であり下流側ゾーンに物品Wを搬出するときに、自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンのモータ16が駆動を開始すると、下流側ゾーンに物品Wを搬出しても上流側ゾーンから物品Wが搬入されるまで自己ゾーンの搬送速度を維持するようにしてもよい。
いずれにせよ、一斉搬送モードにおいて、光電センサ3による検知とゾーンのモータ16の駆動状態とに基づきコントローラ21によりモータ16を制御することで、複数のゾーン上の物品Wを、これら物品Wがそれぞれゾーンを乗り移る際のゾーン間の搬送速度差を抑制しつつ、つまり物品Wを搬送している上流側ゾーンと物品Wが乗り移ろうとする下流側ゾーンとの搬送速度を等しく(略等しくも含む)して物品Wを下流側へ一斉に搬送させることができれば、各ゾーンのモータ16(モータローラ11)の駆動開始のトリガやタイミングは任意に設定できる。
また、例えばコントローラ21に親子を設定せず、各コントローラ21に、搬送方向の順番が認識可能な、例えば搬送方向に規則性を有するアドレス(固有識別情報)を識別情報として記憶(登録)し、この記憶した情報に基づいてコントローラ21間で通信が自動的に行われるようにしてもよい。
さらに、各コントローラが親コントローラからの指令信号によってモータ16を駆動させる構成や、各コントローラがアドレスから自力で通信相手のコントローラを探し、通信もコントローラ間で行う構成には限定されず、例えば通信相手のコントローラは親コントローラから指示されるが、通信はコントローラ間で行う構成等を採用してもよい。
また、コンベヤ1の搬送ライン2は、図1に示すものには限定されず、例えばモータローラ11に代えて、例えば駆動源であるモータ16からの動力で回転する駆動ローラに対して離間対向されて無端状のベルトにより回転される従動ローラを用いるものでもよい。
さらに、コンベヤ1の搬送ライン2は、搬送方向長さが等しい複数のゾーンからなるものには限定されず、搬送方向長さが異なるゾーンを備えるものでもよい。
また、複数のゾーンで構成される長手状の搬送ラインは、真っ直ぐな直線状の構成には限定されず、例えば搬送方向の途中で円弧状の部分を有した構成等でもよい。
なお、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上記各実施の形態を適宜組み合わせることも可能である。
1 コンベヤ
2 搬送ライン
3 検知センサである光電センサ
4 制御装置
16 駆動源であるモータ
21 コントローラ
22 信号伝達手段である通信ケーブル
W 物品
2 搬送ライン
3 検知センサである光電センサ
4 制御装置
16 駆動源であるモータ
21 コントローラ
22 信号伝達手段である通信ケーブル
W 物品
Claims (7)
- 搬送方向に並んでそれぞれが駆動源を有する複数のゾーンによって構成された搬送ラインと、前記複数のゾーンのそれぞれに対応して設けられてゾーン上の物品の存在を検知する検知センサとを備えるコンベヤに用いられる制御装置であって、
前記ゾーンの駆動源を制御する複数のコントローラと、
これら複数のコントローラを接続する信号伝達手段とを備え、
前記検知センサによる検知と前記ゾーンの駆動源の駆動状態とに基づき前記コントローラにより前記駆動源を制御することで、複数の前記ゾーン上の物品を、これら物品がそれぞれ上流側ゾーンから下流側ゾーンに搬入される際のこれらゾーン間の搬送速度差を抑制しつつ下流側へ一斉に搬送させる一斉搬送モードを有する
ことを特徴とする制御装置。 - コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知したことをトリガとして前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで前記物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させる
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。 - コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知したことをトリガとして、その検知と同時、または、その検知から所定時間後に前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで前記物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させる
ことを特徴とする請求項2記載の制御装置。 - コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンの駆動源が動作状態であり下流側ゾーンに物品を搬出するときに、前記自己ゾーンの2つ以上上流側のゾーンに対応する検知センサにより物品を検知すると、前記下流側ゾーンに物品を搬出しても上流側ゾーンから物品が搬入されるまで前記自己ゾーンの搬送速度を維持する
ことを特徴とする請求項2または3記載の制御装置。 - コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンに対応する検知センサが物品を検知せず、かつ、前記自己ゾーンの駆動源が停止状態であるときに、前記自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンの駆動源の駆動開始をトリガとして前記自己ゾーンの駆動源の駆動を開始させることで上流側のゾーンからの物品の搬入までに前記自己ゾーンの搬送速度を所定の目標速度に到達させる
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。 - コントローラは、一斉搬送モードにおいて、自己ゾーンの駆動源が動作状態であり下流側ゾーンに物品を搬出するときに、前記自己ゾーンの1つ以上上流側のゾーンの駆動源が駆動を開始すると、前記下流側ゾーンに物品を搬出しても前記上流側ゾーンから物品が搬入されるまで前記自己ゾーンの搬送速度を維持する
ことを特徴とする請求項5記載の制御装置。 - 搬送方向に並んでそれぞれが駆動源を有する複数のゾーンによって構成され、物品を搬送方向に向けて搬送する搬送ラインと、
前記複数のゾーンのそれぞれに対応して設けられ、対応する自己ゾーン上の物品の存在を検知する検知センサと、
前記搬送ラインを制御する請求項1ないし6のいずれか一記載の制御装置とを備えた
ことを特徴とするコンベヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018082524A JP2019189386A (ja) | 2018-04-23 | 2018-04-23 | 制御装置及びコンベヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018082524A JP2019189386A (ja) | 2018-04-23 | 2018-04-23 | 制御装置及びコンベヤ |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111776682A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-10-16 | 于鑫 | 一种用于工业码垛的调整平台设备 |
CN114260207A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-01 | 上海中商网络股份有限公司 | 一种产品流向确定装置及方法 |
CN114955426A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-08-30 | 广东韶钢松山股份有限公司 | 立式卷芯架防倾倒输送装置和方法 |
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2018
- 2018-04-23 JP JP2018082524A patent/JP2019189386A/ja active Pending
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CN114260207A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-01 | 上海中商网络股份有限公司 | 一种产品流向确定装置及方法 |
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