JPH1037497A - 集合住宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 間取りの自由度が高く、購入者の要望に極力
沿う間取りに配置できて多様な家族構成に柔軟に対応で
き、購入後の間取り変更も可能であり、ライフスタイ
ル、ライフステージの変化に柔軟に対応でき、また、購
入時には必要最小限の間仕切りや水場の設備だけを整え
ることも可能であり、購入金額の低廉化を図ることもで
き購入しやすい。 【解決手段】 集合住宅の各住戸を居間などを配置する
パブリックゾーン１と寝室などを配置するプライベート
ゾーン２とキッチンなどを配置するユーティリティーゾ
ーン３とに区画し、各ゾーンはラーメン構造を構成する
柱や、柱と柱を結合する梁や壁を避けて形成し、各ゾー
ンの床をフルフラット化し、パブリックゾーン１とプラ
イベートゾーン２はそれぞれ可動間仕切りで任意の室に
自在に間仕切り可能とし、ユーティリティーゾーン３は
キッチン、洗面所、浴室などの室を任意位置に自在に配
置可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、集合住宅、特に中
高層の集合住宅に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】中高層の集合住宅は例えば鉄筋コンクリ
ート造などの場合がほとんどであり、柱や梁の位置で間
取りが決定される。そして、この間取りは各住戸の専有
面積を基準にして標準的家族構成を想定して、例えば３
ＬＤＫ、４ＬＤＫ、１ルームなどのように各室が既に配
置されたものが販売される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】購入時に間取りが既に
決定されているため、購入者の要望に合った間取りの住
戸を見つけるのが容易ではなく、見つからない場合は意
に沿わない住まい方をすることにもなる。

【０００４】また、子供の成長、親との同居などにより
購入者のライフスタイル、ライフステージや家族構成も
購入後に変化するが、間取りが固定的に設定され、ま
た、間取り変更も柱や梁、壁などの位置により制約を受
けるために、購入後の間取り変更の自由度がほとんどな
く、住みにくくなることもある。

【０００５】そして、かかる場合は別の集合住宅に転居
する場合がほとんどであり、永住型の住宅になりにくか
った。

【０００６】さらに、購入時に間仕切りを含めてほとん
ど全ての設備が整っているため、購入金額はこれらの設
備を含むものとなり、高額のものとなる。

【０００７】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、間取りの自由度が高く、購入者の要望に極力沿う間
取りに配置できて多様な家族構成に柔軟に対応でき、購
入後の間取り変更も可能であり、ライフスタイル、ライ
フステージの変化に柔軟に対応でき、また、購入時には
必要最小限の間仕切りや水場の設備だけを整えることも
可能であり、購入金額の低廉化を図ることもでき購入し
やすい集合住宅を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、集合住宅の各住戸を居間などを配置するパブ
リックゾーンと、寝室などを配置するプライベートゾー
ンと、キッチンなどを配置するユーティリティーゾーン
とに区画し、各ゾーンはラーメン構造を構成する柱や、
柱と柱を連結する梁や壁を避けて形成し、各ゾーンの床
をフルフラット化し、パブリックゾーンとプライベート
ゾーンはそれぞれ可動間仕切りで任意の室に自在に間仕
切り可能とし、ユーティリティーゾーンはキッチン、洗
面所、浴室などの室を任意位置に自在に配置可能とした
ことを要旨とするものである。

【０００９】また、ユーティリティーゾーンは床と天井
を二重構造とし、ユーティリティーゾーンに接して吹き
抜けを配置することを要旨とするものである。

【００１０】さらに、可動間仕切りは壁ユニット、建具
ユニット、収納ユニットなどのユニットで構成すること
を要旨とするものである。

【００１１】請求項１記載の本発明によれば、住戸はパ
ブリックゾーン、プライベートゾーン、ユーティリティ
ーゾーンの３区画に区分されているだけであり、各ゾー
ン内では間仕切りは自由であるから、間取りの自由度が
増し、家族構成に適した間取り、ライフスタイルやライ
フステージに対応する間取りを自由に設定できる。

【００１２】請求項２記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ユーティリティーゾーンは床と天井を二重構
造でフルフラット化したから、ユーティリティーゾーン
内でもキッチンや洗面所、トイレなどのレイアウトが自
由にでき、この場合に水処理に問題は生じない。

【００１３】請求項３記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ユーティリティーゾーンに接して吹き抜けを
配置することで、水廻りからの直接の給排気が可能とな
り、居室にダクトを配管せずにすみ、吹き抜けをパイプ
スペースとして使用することで設備配管スペースも近く
に確保でき、さらにフリーメンテナンススペースともな
り、採光や通風も確保できる。

【００１４】請求項４記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、壁ユニット、建具ユニット、収納ユニットな
どのユニットを自由に移設することによりパブリックゾ
ーンとプライベートゾーンの内部をそれぞれ間仕切るこ
とができ、容易に居間、子供室、寝室などに区画でき、
間仕切りに壁ユニット、建具ユニット、収納ユニットの
いずれかを選択することで各室の使い勝手もよいものと
なる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を例えば、２戸１型の集合住宅を例にとって詳細
に説明する。図１は本発明の集合住宅の実施形態を示す
１住戸の横断平面図、図２は同上縦断側面図で、居間な
どを配置するパブリックゾーン１と、寝室などを配置す
るプライベートゾーン２と、キッチンなどを配置するユ
ーティリティーゾーン３とに区画する。この場合、住宅
構造は例えば柱と柱との間を梁で結合するラーメン構造
として、各ゾーン１，２，３は柱や梁の部分を避けて内
部に柱、梁、壁の突出しない構造とするとともに各ゾー
ン１，２，３の床をフルフラット化する。

【００１６】４は玄関、17はトイレを示し、その外側に
エレベータルーム５と階段室６とを配置した。これらの
部分はまとめて配置してコア部として強度を持たせる。

【００１７】パブリックゾーン１とプライベートゾーン
２は、購入者が家族構成やライフスタイル、ライフステ
ージに対応させて間取りを自由に設定できるフリーゾー
ンとして可動間仕切りで任意の室に自在に間仕切り可能
とした。

【００１８】図３〜図５はパブリックゾーン１を可動間
仕切りで複数の室に仕切った例を示し、図３は壁ユニッ
ト７と建具ユニット12で３つの室、例えば２つの子供室
８ａ，８ｂとリビングダイニングルーム９とに仕切った
ものであり、図４は収納ユニット10と建具ユニット12で
リビングダイニングルーム９と寝室11とに仕切ったもの
であり、また、図５は建具ユニット12と収納ユニット10
でリビングダイニングルーム９と和室13とに仕切ったも
のである。

【００１９】図６〜図８はプライベートゾーン２を可動
間仕切りで複数の室に仕切った例を示し、図６は壁ユニ
ット７と収納ユニット10と建具ユニット12とで３つの子
供室８ａ，８ｂ，８ｃに仕切ったものであり、図７は壁
ユニット７と収納ユニット10と建具ユニット12とで主寝
室11と子供室８とウォーキングクローゼット14とに仕切
ったものであり、また、図８は収納ユニット10と建具ユ
ニット12とで寝室11ａと和室13とに仕切ったものであ
る。

【００２０】パブリックゾーン１とプライベートゾーン
２の間仕切りの例は前記のものに限定されるものではな
く、例えば図１に想像線で示した間仕切り想定ライン22
にそって壁ユニット７と収納ユニット10と建具ユニット
12との組み合わせにより、図示は省略するがさらに10種
類以上のパターンに仕切ることが可能である。

【００２１】ユーティリティーゾーン３は、トイレ17と
玄関４に接して配置し、ゾーン全体の床と天井を二重構
造のシステム床15とシステム天井16に構成し、システム
床15には配管スペース15ａを形成し、システム天井16に
ダクトスペース16ａを形成した。

【００２２】なお、二重構造とするのは図示のようにユ
ーティリティーゾーン３に限定されるものではなく、パ
ブリックゾーン１とプライベートゾーン２の床と天井も
二重構造としてもよい。

【００２３】そして、このユーティリティーゾーン３に
ついても例えば図９〜図12に示すようにユニットバス2
1、洗面所18、キッチンセット19の配置をこのユーティ
リティーゾーン３の内部で自由に設定できる。配置例は
図示のものに限定されるものではなく、さらに10種類程
度のパターンが考えられる。

【００２４】ユーティリティーゾーン３に接して吹き抜
け（ボイド）20を配置する。この吹き抜け20はパイプス
ペースとしてユーティリティーゾーン３からの給排気管
を導くとともにその他の設備配管を配し、また、採光や
通風のための空所となり、さらにフリーメンテナンスス
ペースとなる。

【００２５】なお、２戸１型集合住宅の場合は、この吹
き抜け20を隣接の住戸との戸境に配置すれば、パイプス
ペースの共用化を図るとともに遮音作用も図れる。

【００２６】以上のようにして購入者は購入時にパブリ
ックゾーン１とプライベートゾーン２の間取りを間仕切
り想定ライン22にそって壁ユニット７と収納ユニット10
と建具ユニット12との組み合わせにより自由に設定す
る。この場合、各ゾーン１，２には柱や梁が突出してい
ないから、これらが間取りを決定する際の妨げになるこ
とはない。そして、これにより、家族構成、ライフスタ
イルなどに対応する希望の間取りを得ることができる。

【００２７】この場合、例えばパソコンＣＤに種々のパ
ターンのプランニングプログラムと価格を入力しておけ
ば、購入者が自らパソコンを操作して希望の間取りの住
戸を画面に表示できる。

【００２８】ユーティリティーゾーン３におけるユニッ
トバス21、洗面所18、キッチンセット19の配置も同様に
して購入者が希望のものを自由に設定する。

【００２９】また、ユーティリティーゾーン３にユニッ
トバス21、洗面所18、キッチンセット19を配置しただけ
で、パブリックゾーン１とプライベートゾーン２の間仕
切りは必要最小限にすれば、低廉な価格で住戸を購入で
きる。

【００３０】購入後、家族構成の変化、子供の成長など
に伴うライフステージの変化があれば、これに対応して
壁ユニット７と収納ユニット10と建具ユニット12との組
み合わせによる間仕切りを変更し、また、ユニットバス
21、洗面所18、キッチンセット19の配置も変更すればよ
い。

【００３１】この場合、パブリックゾーン１とプライベ
ートゾーン２の床と天井も二重構造にしてあれば、この
ゾーン１，２にもユーティリティーゾーン３を広げるこ
とが可能となり、より柔軟な間取り変更ができる。

【００３２】なお、前記実施形態は２戸１型の集合住宅
の場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、図13、図14の片廊下タイプ、図15の３戸１型、図
16の４戸１型など種々のタイプに実施可能なものであ
る。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように本発明の集合住宅は、
住戸はパブリックゾーン、プライベートゾーン、ユーテ
ィリティーゾーンの３区画に区分されているだけであ
り、各ゾーン内に柱や梁、壁が突出しておらず各ゾーン
内では可動間仕切りによって間仕切りは自由であるか
ら、間取りの自由度が増し、家族構成に適した間取り、
ライフスタイルやライフステージに対応する間取りを自
由に設定できる。

【００３４】また、ユーティリティーゾーンは床と天井
を二重構造でフルフラット化したから、ユーティリティ
ーゾーン内でもキッチンや洗面所、浴室などのレイアウ
トが自由にでき、この場合に水処理に問題は生じない。

【００３５】そして、ユーティリティーゾーンに接して
吹き抜けを配置することで、水廻りからの直接の給排気
が可能となり、居室にダクトを配管せずにすみ、吹き抜
けをパイプスペースとして使用することで設備配管スペ
ースも近くに確保でき、さらにフリーメンテナンススペ
ースともなり、採光や通風も確保できる。

【００３６】さらに、壁ユニット、建具ユニット、収納
ユニットなどのユニットを自由に移設することによりパ
ブリックゾーンとプライベートゾーンの内部をそれぞれ
間仕切ることができ、容易に居間、子供室、寝室などに
区画でき、間仕切りに壁ユニット、建具ユニット、収納
ユニットのいずれかを選択することで各室の使い勝手も
よいものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の集合住宅の実施形態を示す１住戸の横
断平面図である。

【図２】本発明の集合住宅の実施形態を示す１住戸の縦
断側面図である。

【図３】本発明の集合住宅の実施形態を示すパブリック
ゾーンの間取りの第１例の横断平面図である。

【図４】本発明の集合住宅の実施形態を示すパブリック
ゾーンの間取りの第２例の横断平面図である。

【図５】本発明の集合住宅の実施形態を示すパブリック
ゾーンの間取りの第３例の横断平面図である。

【図６】本発明の集合住宅の実施形態を示すプライベー
トゾーンの間取りの第１例の横断平面図である。

【図７】本発明の集合住宅の実施形態を示すプライベー
トゾーンの間取りの第２例の横断平面図である。

【図８】本発明の集合住宅の実施形態を示すプライベー
トゾーンの間取りの第３例の横断平面図である。

【図９】本発明の集合住宅の実施形態を示すユーティリ
ティーゾーンの間取りの第１例の横断平面図である。

【図１０】本発明の集合住宅の実施形態を示すユーティ
リティーゾーンの間取りの第２例の横断平面図である。

【図１１】本発明の集合住宅の実施形態を示すユーティ
リティーゾーンの間取りの第３例の横断平面図である。

【図１２】本発明の集合住宅の実施形態を示すユーティ
リティーゾーンの間取りの第４例の横断平面図である。

【図１３】本発明の集合住宅の実施形態を示す片廊下タ
イプの住戸の横断平面図である。

【図１４】本発明の集合住宅の実施形態を示す他の片廊
下タイプの住戸の横断平面図である。

【図１５】本発明の集合住宅の実施形態を示す３戸１型
の住戸の横断平面図である。

【図１６】本発明の集合住宅の実施形態を示す４戸１型
の住戸の横断平面図である。

【符号の説明】

１…パブリックゾーン ２…プライベートゾ
ーン ３…ユーティリティーゾーン ４…玄関 ５…エレベータルーム ６…階段室 ７…壁ユニット ８，８ａ，８ｂ，８
ｃ…子供室 ９…リビングダイニングルーム 10…収納ユニット 11…主寝室 11ａ…寝室 12…建具ユニット 13…和室 14…ウォーキングクローゼット 15…床 15ａ…配管スペース 16…天井 16ａ…ダクトスペース 17…トイレ 18…洗面所 19…キッチンセット 20…吹き抜け 21…ユニットバス 22…間仕切り想定ライン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 明 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 中山 徹 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 福島 嗣仁 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 茨木 秀道 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集合住宅の各住戸を居間などを配置する
   パブリックゾーンと、寝室などを配置するプライベート
   ゾーンと、キッチンなどを配置するユーティリティーゾ
   ーンとに区画し、各ゾーンはラーメン構造を構成する柱
   や、柱と柱を結合する梁や壁を避けて形成し、各ゾーン
   の床をフルフラット化し、パブリックゾーンとプライベ
   ートゾーンはそれぞれ可動間仕切りで任意の室に自在に
   間仕切り可能とし、ユーティリティーゾーンはキッチ
   ン、洗面所、浴室などの室を任意位置に自在に配置可能
   としたことを特徴とする集合住宅。
2. 【請求項２】 ユーティリティーゾーンは床と天井を二
   重構造とする請求項１に記載の集合住宅。
3. 【請求項３】 ユーティリティーゾーンに接して吹き抜
   けを配置する請求項１または請求項２に記載の集合住
   宅。
4. 【請求項４】 可動間仕切りは壁ユニット、建具ユニッ
   ト、収納ユニットなどのユニットで構成する請求項１記
   載の集合住宅。