JPH10331889A - 表面に細孔を施した湿式摩擦板 - Google Patents
表面に細孔を施した湿式摩擦板Info
- Publication number
- JPH10331889A JPH10331889A JP9154293A JP15429397A JPH10331889A JP H10331889 A JPH10331889 A JP H10331889A JP 9154293 A JP9154293 A JP 9154293A JP 15429397 A JP15429397 A JP 15429397A JP H10331889 A JPH10331889 A JP H10331889A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction material
- friction
- pores
- oil
- coefficient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 239000011148 porous material Substances 0.000 title claims abstract description 46
- 239000002783 friction material Substances 0.000 claims abstract description 80
- 230000013011 mating Effects 0.000 abstract description 14
- 238000010008 shearing Methods 0.000 abstract description 7
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 abstract description 4
- 230000002708 enhancing effect Effects 0.000 abstract 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 9
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 4
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 230000035515 penetration Effects 0.000 description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D13/00—Friction clutches
- F16D13/58—Details
- F16D13/60—Clutching elements
- F16D13/64—Clutch-plates; Clutch-lamellae
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D13/00—Friction clutches
- F16D13/58—Details
- F16D13/60—Clutching elements
- F16D13/64—Clutch-plates; Clutch-lamellae
- F16D13/648—Clutch-plates; Clutch-lamellae for clutches with multiple lamellae
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D25/00—Fluid-actuated clutches
- F16D25/06—Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
- F16D25/062—Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces
- F16D25/063—Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially
- F16D25/0635—Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs
- F16D25/0638—Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
- F16D2069/004—Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性の向上のために多孔質構造とした静摩
擦係数の大きい摩擦材の係合初期における摩擦特性の変
動を防止すること。 【解決手段】 摩擦材12の表面に、大きさが0.02
mm2から0.2mm2の範囲にあり、摩擦材12の全表面積
に対して5%以上の面積比率と、摩擦材12の板厚に対
して20%以上の深さを有する細孔16を施して、細孔
16内に油を保持させる。摩擦材12を多孔質構造とし
ても、細孔16内に保持された油によって摩擦摺動面に
は常に油膜が形成されて、相手プレートが油膜を剪断す
るときに発生する剪断力を減少させ、動摩擦係数の増
大、ひいては変速ショックを防止することができる。
擦係数の大きい摩擦材の係合初期における摩擦特性の変
動を防止すること。 【解決手段】 摩擦材12の表面に、大きさが0.02
mm2から0.2mm2の範囲にあり、摩擦材12の全表面積
に対して5%以上の面積比率と、摩擦材12の板厚に対
して20%以上の深さを有する細孔16を施して、細孔
16内に油を保持させる。摩擦材12を多孔質構造とし
ても、細孔16内に保持された油によって摩擦摺動面に
は常に油膜が形成されて、相手プレートが油膜を剪断す
るときに発生する剪断力を減少させ、動摩擦係数の増
大、ひいては変速ショックを防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用オートマ
チックトランスミッション、又は、産業用若しくは建設
機械用トランスミッションに利用される湿式摩擦係合装
置のクラッチ、又は、湿式摩擦ブレーキ等の技術分野に
属する。
チックトランスミッション、又は、産業用若しくは建設
機械用トランスミッションに利用される湿式摩擦係合装
置のクラッチ、又は、湿式摩擦ブレーキ等の技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】図9に、従来の典型的な両貼り式湿式摩
擦係合装置90の断面図を示す。この摩擦係合装置90
は、ハブ92にスプライン嵌合する内歯ディスク94
と、ドラム96にスプライン嵌合する外歯ディスク98
とが交互に配設されて構成されている。内歯ディスク9
4にはその両面に摩擦材95が固着され、油圧作動式ピ
ストン91が軸方向に移動すると内歯ディスク94と外
歯ディスク98とが係合してトルクの伝達が行なわれ
る。なお、この摩擦係合装置90は湿式であるため、摩
擦摺動面には冷却油が供給されている。
擦係合装置90の断面図を示す。この摩擦係合装置90
は、ハブ92にスプライン嵌合する内歯ディスク94
と、ドラム96にスプライン嵌合する外歯ディスク98
とが交互に配設されて構成されている。内歯ディスク9
4にはその両面に摩擦材95が固着され、油圧作動式ピ
ストン91が軸方向に移動すると内歯ディスク94と外
歯ディスク98とが係合してトルクの伝達が行なわれ
る。なお、この摩擦係合装置90は湿式であるため、摩
擦摺動面には冷却油が供給されている。
【0003】このような摩擦係合装置90の内歯ディス
ク94に固着される摩擦材95は、高トルク伝達容量を
有するもので、且つ、係合時の摺動摩擦によって発生す
る高熱に耐え得るものでなければならない。そのため、
従来では、高トルク伝達容量を有する静摩擦係数が高い
摩擦材が使用されているが、静摩擦係数が高い摩擦材は
耐熱性に劣るので、入り組んだ網目組織を有する多孔質
構造となるように静摩擦係数の高い摩擦材を形成し、摩
擦材内部の網目状に存在する気孔内に油を保持させて、
油によって摩擦材を冷却して耐熱性の向上を図ってい
る。従って、気孔をより多く形成した多孔性の高い摩擦
材は、油をより多く保持することができるので、冷却効
果が高まり、耐熱性が向上する。
ク94に固着される摩擦材95は、高トルク伝達容量を
有するもので、且つ、係合時の摺動摩擦によって発生す
る高熱に耐え得るものでなければならない。そのため、
従来では、高トルク伝達容量を有する静摩擦係数が高い
摩擦材が使用されているが、静摩擦係数が高い摩擦材は
耐熱性に劣るので、入り組んだ網目組織を有する多孔質
構造となるように静摩擦係数の高い摩擦材を形成し、摩
擦材内部の網目状に存在する気孔内に油を保持させて、
油によって摩擦材を冷却して耐熱性の向上を図ってい
る。従って、気孔をより多く形成した多孔性の高い摩擦
材は、油をより多く保持することができるので、冷却効
果が高まり、耐熱性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図10に示す
ように、耐熱性を向上させるために摩擦材の多孔性の程
度をより高くすると、多孔性の程度の低い摩擦材と比較
して、係合初期の伝達トルクが増大し、時間とともにト
ルク特性が変動する。図11は、多孔質の程度が異なる
(従って、油の浸透時間が異なる)複数の摩擦材につい
て、摺動面に介在する油がそれぞれの摩擦材内部へ浸透
するまでの時間と、係合初期の動摩擦係数μiの関係図
である。
ように、耐熱性を向上させるために摩擦材の多孔性の程
度をより高くすると、多孔性の程度の低い摩擦材と比較
して、係合初期の伝達トルクが増大し、時間とともにト
ルク特性が変動する。図11は、多孔質の程度が異なる
(従って、油の浸透時間が異なる)複数の摩擦材につい
て、摺動面に介在する油がそれぞれの摩擦材内部へ浸透
するまでの時間と、係合初期の動摩擦係数μiの関係図
である。
【0005】図10及び図11から、摩擦材の多孔性が
高いと、摩擦材と相手プレートとの摺動面に介在する油
は摺動面に保持されにくく、速やかに摩擦材内部に浸透
してしまい、摺動面の油膜の厚みが薄くなるために係合
初期の動摩擦係数μiが高くなるという結果になること
が分かる。すなわち、耐熱性を向上させようとして、摩
擦材の材料として多孔質なものを採用すると、その弊害
として、動摩擦係数が大きくなる。従って、多孔性の高
い摩擦材においては、係合初期の伝達トルクが変動し、
実際の運転時には、これが変速ショックとして感知され
るという問題を有する。
高いと、摩擦材と相手プレートとの摺動面に介在する油
は摺動面に保持されにくく、速やかに摩擦材内部に浸透
してしまい、摺動面の油膜の厚みが薄くなるために係合
初期の動摩擦係数μiが高くなるという結果になること
が分かる。すなわち、耐熱性を向上させようとして、摩
擦材の材料として多孔質なものを採用すると、その弊害
として、動摩擦係数が大きくなる。従って、多孔性の高
い摩擦材においては、係合初期の伝達トルクが変動し、
実際の運転時には、これが変速ショックとして感知され
るという問題を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コアプレート
に摩擦材が固着されてなる湿式摩擦板の前記摩擦材表面
に、大きさが0.02mm2から0.2mm2で、前記摩擦材
の厚みの20%以上の深さを有する細孔を、前記摩擦材
の全表面積に対して5%以上の面積比率で形成した湿式
摩擦板によって、前記の課題を解決した。
に摩擦材が固着されてなる湿式摩擦板の前記摩擦材表面
に、大きさが0.02mm2から0.2mm2で、前記摩擦材
の厚みの20%以上の深さを有する細孔を、前記摩擦材
の全表面積に対して5%以上の面積比率で形成した湿式
摩擦板によって、前記の課題を解決した。
【0007】図4は、係合初期の摩擦材と相手プレート
との摺動面の断面の状態をイメージとして描いたもので
ある。一般に、係合初期の動摩擦係数は、摩擦材と相手
プレートの摺動面に介在する油膜の影響を大きく受け
る。係合初期においては、摩擦材と相手プレートが摺動
して発生する摩擦力よりも、摩擦材と相手プレートとの
間に介在する薄い油膜が相手プレートによって剪断され
て発生する剪断力の方が大きく、これが伝達トルクに影
響を与えるからである。すなわち、摩擦材と相手プレー
トの間に介在する油膜が厚ければ油膜を剪断するための
剪断力は小さく、それにともなって動摩擦係数は小さく
なり、摩擦材と相手プレート間に介在する油膜が薄けれ
ば剪断力が大きくなり、動摩擦係数は大きくなる。
との摺動面の断面の状態をイメージとして描いたもので
ある。一般に、係合初期の動摩擦係数は、摩擦材と相手
プレートの摺動面に介在する油膜の影響を大きく受け
る。係合初期においては、摩擦材と相手プレートが摺動
して発生する摩擦力よりも、摩擦材と相手プレートとの
間に介在する薄い油膜が相手プレートによって剪断され
て発生する剪断力の方が大きく、これが伝達トルクに影
響を与えるからである。すなわち、摩擦材と相手プレー
トの間に介在する油膜が厚ければ油膜を剪断するための
剪断力は小さく、それにともなって動摩擦係数は小さく
なり、摩擦材と相手プレート間に介在する油膜が薄けれ
ば剪断力が大きくなり、動摩擦係数は大きくなる。
【0008】従って、運転時の変速ショックを防止する
には、摩擦材と相手プレートとの摺動面に介在する油膜
をできるだけ保持させるようにすればよい。
には、摩擦材と相手プレートとの摺動面に介在する油膜
をできるだけ保持させるようにすればよい。
【0009】図5は、摺動面の面圧と動摩擦係数μiの
関係図であり、摩擦材表面に細孔を施した摩擦材は、細
孔を施していない摩擦材と比較して、係合が進み摺動面
の面圧が増加しても動摩擦係数は大きく変化することが
なく、従って、摩擦特性の変動が少ないことを示してい
る。これは、表面に細孔を施した摩擦材は細孔中に油が
保持され、係合が進んでも、摩擦材と相手プレート間に
は常に油膜が形成され易いことを意味する。
関係図であり、摩擦材表面に細孔を施した摩擦材は、細
孔を施していない摩擦材と比較して、係合が進み摺動面
の面圧が増加しても動摩擦係数は大きく変化することが
なく、従って、摩擦特性の変動が少ないことを示してい
る。これは、表面に細孔を施した摩擦材は細孔中に油が
保持され、係合が進んでも、摩擦材と相手プレート間に
は常に油膜が形成され易いことを意味する。
【0010】次に、図6は、摩擦材の全表面積に対する
摩擦材表面に形成された細孔の面積比率と、動摩擦係数
μiの関係図であり、細孔の面積が摩擦材の全表面積の
5%となる付近で動摩擦係数μiが急激に減少し、5%
以上であれば、ほぼ一定の値となることを示す。従っ
て、摩擦材の全表面積に対して5%以上の面積比率とな
るように細孔を施せば、動摩擦係数μiを効果的に減少
させることができる。
摩擦材表面に形成された細孔の面積比率と、動摩擦係数
μiの関係図であり、細孔の面積が摩擦材の全表面積の
5%となる付近で動摩擦係数μiが急激に減少し、5%
以上であれば、ほぼ一定の値となることを示す。従っ
て、摩擦材の全表面積に対して5%以上の面積比率とな
るように細孔を施せば、動摩擦係数μiを効果的に減少
させることができる。
【0011】次に、図7は、摩擦材の厚さに対する摩擦
材表面に形成された細孔の深さと、動摩擦係数μiの関
係図であり、細孔の深さが摩擦材の厚さに対して20%
以上となると、動摩擦係数μiが著しく減少することを
示す。
材表面に形成された細孔の深さと、動摩擦係数μiの関
係図であり、細孔の深さが摩擦材の厚さに対して20%
以上となると、動摩擦係数μiが著しく減少することを
示す。
【0012】そして、図8は、摩擦材の全表面積に対す
る細孔の面積比率が5%、細孔の深さが摩擦材の厚さの
20%となるように、摩擦材表面に形成された細孔の孔
のサイズの変化に対する動摩擦係数μiの関係図であ
り、細孔の面積比率及び細孔の深さが一定の条件で、孔
の大きさが0.02mm2から0.2mm2の範囲にあれば、
動摩擦係数μiの変動は殆どないことを示す。
る細孔の面積比率が5%、細孔の深さが摩擦材の厚さの
20%となるように、摩擦材表面に形成された細孔の孔
のサイズの変化に対する動摩擦係数μiの関係図であ
り、細孔の面積比率及び細孔の深さが一定の条件で、孔
の大きさが0.02mm2から0.2mm2の範囲にあれば、
動摩擦係数μiの変動は殆どないことを示す。
【0013】図6乃至図8から、摩擦材表面に、摩擦材
の全表面積に対する細孔の面積比率が5%以上、摩擦材
の厚さに対して20%以上(上限は100%)の深さを
有し、孔のサイズが0.02mm2から0.2mm2の範囲内
にある細孔を施せば、動摩擦係数μiを効果的に減少さ
せることができることが分かる。なお、細孔の面積比率
及び深さが上記の範囲内にあれば効果的であるが、実際
には、摩擦材の全表面積に対する面積比率を5%から上
限を20%、細孔の深さを摩擦材の板厚の20%以上と
する細孔を施せば、本発明の効果を奏することができ
る。
の全表面積に対する細孔の面積比率が5%以上、摩擦材
の厚さに対して20%以上(上限は100%)の深さを
有し、孔のサイズが0.02mm2から0.2mm2の範囲内
にある細孔を施せば、動摩擦係数μiを効果的に減少さ
せることができることが分かる。なお、細孔の面積比率
及び深さが上記の範囲内にあれば効果的であるが、実際
には、摩擦材の全表面積に対する面積比率を5%から上
限を20%、細孔の深さを摩擦材の板厚の20%以上と
する細孔を施せば、本発明の効果を奏することができ
る。
【0014】以上のように、本発明によれば、静摩擦係
数の高い摩擦材を多孔質構造とし、同時に摩擦材表面に
細孔を施して細孔内部に油を保持させ、摩擦材と相手プ
レートの間の摺動面に常に油膜を形成させることによっ
て、摩擦材と相手プレートとの間に介在する薄い油膜が
相手プレートによって剪断されて発生する剪断力を小さ
くして、係合初期における伝達トルクの増大、ひいては
変速ショックを防止することができる。
数の高い摩擦材を多孔質構造とし、同時に摩擦材表面に
細孔を施して細孔内部に油を保持させ、摩擦材と相手プ
レートの間の摺動面に常に油膜を形成させることによっ
て、摩擦材と相手プレートとの間に介在する薄い油膜が
相手プレートによって剪断されて発生する剪断力を小さ
くして、係合初期における伝達トルクの増大、ひいては
変速ショックを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、コアプレート14に、表
面に細孔16を有する摩擦材12を固着させてなる本発
明の摩擦板10の部分的断面図である。この摩擦板10
は、ハブ(図示せず)にスプライン嵌合する内歯ディス
クにおいて、コアプレート14の両面に固着させた摩擦
材12の表面に細孔16を施したものに該当する。
面に細孔16を有する摩擦材12を固着させてなる本発
明の摩擦板10の部分的断面図である。この摩擦板10
は、ハブ(図示せず)にスプライン嵌合する内歯ディス
クにおいて、コアプレート14の両面に固着させた摩擦
材12の表面に細孔16を施したものに該当する。
【0016】図2は、図1の摩擦板10の2−2線断面
拡大図である。摩擦材12の表面に施された細孔16
は、大きさが0.02〜0.2mm2、摩擦材12の厚さ
の20%以上の深さを有し、摩擦材12の総面積の5%
以上の面積比率となるように形成されている。
拡大図である。摩擦材12の表面に施された細孔16
は、大きさが0.02〜0.2mm2、摩擦材12の厚さ
の20%以上の深さを有し、摩擦材12の総面積の5%
以上の面積比率となるように形成されている。
【0017】図3の(a),(b),(c),(d),
(e),(f)は、それぞれ、本発明の摩擦材に形成さ
れる細孔形状の実施形態を示すが、細孔の形状はこれら
に限定されるものではなく、要は、摩擦材の全表面積に
対する細孔の面積比率、摩擦材に対する深さ等が前記の
条件を満たすものであればよい。
(e),(f)は、それぞれ、本発明の摩擦材に形成さ
れる細孔形状の実施形態を示すが、細孔の形状はこれら
に限定されるものではなく、要は、摩擦材の全表面積に
対する細孔の面積比率、摩擦材に対する深さ等が前記の
条件を満たすものであればよい。
【0018】また、図1に示す摩擦材12に施された細
孔16は、円板状の摩擦材12の周方向に沿って施され
ているが、特にこのように整列している必要はなく、前
記の条件を満たして形成されていればよい。なお、実施
例では両貼り式湿式摩擦係合装置で使用される内歯ディ
スクに固着された摩擦板10について説明したが、両貼
り式に限定されるものではなく、本発明は、湿式摩擦係
合装置の摩擦材であれば片貼り式のものにも適用できる
ことはいうまでもない。
孔16は、円板状の摩擦材12の周方向に沿って施され
ているが、特にこのように整列している必要はなく、前
記の条件を満たして形成されていればよい。なお、実施
例では両貼り式湿式摩擦係合装置で使用される内歯ディ
スクに固着された摩擦板10について説明したが、両貼
り式に限定されるものではなく、本発明は、湿式摩擦係
合装置の摩擦材であれば片貼り式のものにも適用できる
ことはいうまでもない。
【0019】これらの細孔の典型的加工方法はレーザー
加工であるが、勿論、これに限定されることはない。
加工であるが、勿論、これに限定されることはない。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、摩擦材表面に細孔を施
したことによって、静摩擦係数の大きい高トルク伝達容
量を有する摩擦材を、耐熱性を向上させるためにより多
孔性が高いものとしても、摩擦材表面の細孔内に油を保
持させて摩擦材と相手プレートの間に常に油膜を形成さ
せ、剪断力による動摩擦係数の増大を防止することがで
きるという効果を奏する。また、係合初期の動摩擦係数
の増大が防止されるので、変速ショックが防止されると
いう効果を奏する。
したことによって、静摩擦係数の大きい高トルク伝達容
量を有する摩擦材を、耐熱性を向上させるためにより多
孔性が高いものとしても、摩擦材表面の細孔内に油を保
持させて摩擦材と相手プレートの間に常に油膜を形成さ
せ、剪断力による動摩擦係数の増大を防止することがで
きるという効果を奏する。また、係合初期の動摩擦係数
の増大が防止されるので、変速ショックが防止されると
いう効果を奏する。
【図1】 本発明による湿式摩擦板の一部の斜視図。
【図2】 図1の2−2線断面拡大図。
【図3】 本発明の湿式摩擦材表面に形成される細孔の
異なる実施形態の平面図。
異なる実施形態の平面図。
【図4】 係合初期における摩擦材表面と相手プレート
の間の摩擦力及び剪断力発生のイメージを描いた図。
の間の摩擦力及び剪断力発生のイメージを描いた図。
【図5】 面圧と動摩擦係数の関係図。
【図6】 摩擦材の全表面積に対する細孔の面積比率と
動摩擦係数の関係図。
動摩擦係数の関係図。
【図7】 摩擦材の板厚に対する細孔深さと動摩擦係数
の関係図。
の関係図。
【図8】 細孔の孔のサイズと動摩擦係数の関係図。
【図9】 従来の両貼り式湿式摩擦係合装置の断面図。
【図10】 多孔性の異なる摩擦材において、伝達トル
ク等の経時変化を示す図。
ク等の経時変化を示す図。
【図11】 多孔性の異なる摩擦材の油浸透時間と動摩
擦係数の関係図。
擦係数の関係図。
10:摩擦板 12:摩擦材 14:コアプレート 16:細孔
Claims (1)
- 【請求項1】 コアプレートに摩擦材が固着されてなる
湿式摩擦板の前記摩擦材表面に、大きさが0.02mm2
から0.2mm2で、前記摩擦材の厚みの20%以上の深
さを有する細孔を、前記摩擦材の全表面積に対して5%
以上の面積比率で形成したことを特徴とする、湿式摩擦
板。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154293A JPH10331889A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 表面に細孔を施した湿式摩擦板 |
US09/086,678 US6029791A (en) | 1997-05-29 | 1998-05-28 | Wet-type friction plate having small holes on the surface |
EP98304231A EP0881405A3 (en) | 1997-05-29 | 1998-05-28 | Wet-type friction plate having small holes on the surface |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154293A JPH10331889A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 表面に細孔を施した湿式摩擦板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331889A true JPH10331889A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15580980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9154293A Withdrawn JPH10331889A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 表面に細孔を施した湿式摩擦板 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6029791A (ja) |
EP (1) | EP0881405A3 (ja) |
JP (1) | JPH10331889A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11287274A (ja) * | 1998-01-22 | 1999-10-19 | Mead Corp:The | 摩擦部材及びその製造方法 |
JP2000266080A (ja) * | 1999-02-19 | 2000-09-26 | Borg Warner Automotive Gmbh | マルチディスク摩擦装置 |
JP2006161875A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Nsk Warner Kk | ロックアップクラッチ装置 |
JP2008116038A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-05-22 | Denso Corp | 衝撃吸収装置 |
JP2008121700A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
JP5414803B2 (ja) * | 2009-09-15 | 2014-02-12 | アイシン化工株式会社 | セグメントタイプ摩擦材 |
CN113898675A (zh) * | 2021-09-15 | 2022-01-07 | 江苏大学 | 一种湿式离合器对偶钢片 |
DE112015002383B4 (de) | 2014-05-21 | 2022-12-29 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Verfahren zur Herstellung eines Nasslaufreibbelages und ein Nasslaufreibbelag |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4880947B2 (ja) | 2005-08-30 | 2012-02-22 | 株式会社ジェイテクト | 駆動力伝達装置 |
US9212703B2 (en) * | 2007-08-02 | 2015-12-15 | Gm Global Technology Operations, Llc | Torque-transmitting device having a dimpled friction plate |
DE102012218142A1 (de) * | 2011-10-24 | 2013-04-25 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Verfahren zum Bearbeiten einer metallischen Reibfläche |
US10850352B2 (en) | 2017-12-21 | 2020-12-01 | GM Global Technology Operations LLC | Method of laser cutting grooves in a friction clutch plate |
AT522252B1 (de) * | 2019-03-13 | 2022-06-15 | Miba Frictec Gmbh | Reibbaugruppe |
CN110219878A (zh) * | 2019-06-13 | 2019-09-10 | 天津大学 | 一种全工况复合摩擦副结构 |
CN111120535B (zh) * | 2020-01-17 | 2020-12-18 | 北京理工大学 | 一种可提高润滑能力和加快分离的湿式摩擦副 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3738901A (en) * | 1971-03-29 | 1973-06-12 | H Matsushima | Clutch disk and method of making |
JPS53139113A (en) * | 1977-05-11 | 1978-12-05 | Hitachi Ltd | Clutch motor |
JPS58141828A (ja) * | 1982-02-19 | 1983-08-23 | Toyota Motor Corp | 金属表面加工方法 |
JPH0772574B2 (ja) * | 1986-08-07 | 1995-08-02 | 愛知製鋼株式会社 | 差動制限装置の溝付きクラツチ板 |
DE3806828A1 (de) * | 1988-03-03 | 1989-09-14 | Sinterstahl Gmbh | Reibkupplung fuer kfz-getriebe und verfahren zu deren herstellung |
US5004089A (en) * | 1988-11-22 | 1991-04-02 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Clutch driven plates and method of producing the same |
JPH07127658A (ja) * | 1993-11-01 | 1995-05-16 | Nissan Motor Co Ltd | 湿式摩擦部材 |
JPH0874905A (ja) * | 1994-08-31 | 1996-03-19 | Honda Motor Co Ltd | 湿式摩擦材 |
JPH08270695A (ja) * | 1995-03-30 | 1996-10-15 | Mitsubishi Motors Corp | 湿式摩擦体及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP9154293A patent/JPH10331889A/ja not_active Withdrawn
-
1998
- 1998-05-28 US US09/086,678 patent/US6029791A/en not_active Expired - Fee Related
- 1998-05-28 EP EP98304231A patent/EP0881405A3/en not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11287274A (ja) * | 1998-01-22 | 1999-10-19 | Mead Corp:The | 摩擦部材及びその製造方法 |
JP2000266080A (ja) * | 1999-02-19 | 2000-09-26 | Borg Warner Automotive Gmbh | マルチディスク摩擦装置 |
JP2006161875A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Nsk Warner Kk | ロックアップクラッチ装置 |
JP2008116038A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-05-22 | Denso Corp | 衝撃吸収装置 |
JP2008121700A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
JP5414803B2 (ja) * | 2009-09-15 | 2014-02-12 | アイシン化工株式会社 | セグメントタイプ摩擦材 |
DE112015002383B4 (de) | 2014-05-21 | 2022-12-29 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Verfahren zur Herstellung eines Nasslaufreibbelages und ein Nasslaufreibbelag |
CN113898675A (zh) * | 2021-09-15 | 2022-01-07 | 江苏大学 | 一种湿式离合器对偶钢片 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0881405A3 (en) | 2000-05-03 |
US6029791A (en) | 2000-02-29 |
EP0881405A2 (en) | 1998-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10331889A (ja) | 表面に細孔を施した湿式摩擦板 | |
US7527135B2 (en) | Multiplate friction clutch | |
JP5207980B2 (ja) | クラッチ組立体及び摩擦板 | |
JPH0581249U (ja) | 油膜排除効果を高めた形状の溝を具えた湿式摩擦材 | |
US20070151822A1 (en) | Wet-type multi-plate clutch | |
JP2003035325A (ja) | 湿式多板クラッチ | |
JP2008539379A (ja) | 多板クラッチ | |
JPH0953674A (ja) | 湿式摩擦係合要素の溝構造 | |
JP4813037B2 (ja) | 湿式多板クラッチのフリクションプレート | |
EP1731784B1 (en) | Wet type clutch friction plate | |
JP3054716B2 (ja) | 摩擦係合装置 | |
US20070295574A1 (en) | Wet friction plate and wet multi plate clutch | |
US20060096832A1 (en) | Separator plates and manufacturing method for the same | |
US5467849A (en) | Brake band | |
US7975822B2 (en) | Multi-plate frictional engagement apparatus | |
US9212703B2 (en) | Torque-transmitting device having a dimpled friction plate | |
US7219774B2 (en) | Double-wrap brake band assembly | |
JP2010019365A (ja) | 湿式摩擦板 | |
JP3948501B2 (ja) | ブレーキドラム | |
JPH0533787Y2 (ja) | ||
JP3128387B2 (ja) | 湿式多板摩擦係合装置 | |
JP2006118647A (ja) | 湿式摩擦板 | |
JPH03244839A (ja) | 車両用摩擦部材 | |
US6401878B1 (en) | Brake band | |
JPH08135679A (ja) | 摩擦面温度を平均化させた片貼り式摩擦係合装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040803 |