JPH0874905A - 湿式摩擦材 - Google Patents
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- JPH0874905A JPH0874905A JP20737794A JP20737794A JPH0874905A JP H0874905 A JPH0874905 A JP H0874905A JP 20737794 A JP20737794 A JP 20737794A JP 20737794 A JP20737794 A JP 20737794A JP H0874905 A JPH0874905 A JP H0874905A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 静摩擦係数及び動摩擦係数が共に高い湿式摩
擦材を得ること。 【構成】 骨格を構成する繊維と、無機質及び有機質充
填材とを抄紙した紙質基材に熱硬化性樹脂を含浸して成
形したクラッチ用湿式摩擦材において、全摩擦材の面積
の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部が大
気孔を有する第2摩擦材からなることを特徴とする。前
記小気孔の気孔径を5〜10μm、大気孔の気孔径を1
0〜50μmとした。或いは前記摩擦材の平均気孔径を
5〜30μmとした。
擦材を得ること。 【構成】 骨格を構成する繊維と、無機質及び有機質充
填材とを抄紙した紙質基材に熱硬化性樹脂を含浸して成
形したクラッチ用湿式摩擦材において、全摩擦材の面積
の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部が大
気孔を有する第2摩擦材からなることを特徴とする。前
記小気孔の気孔径を5〜10μm、大気孔の気孔径を1
0〜50μmとした。或いは前記摩擦材の平均気孔径を
5〜30μmとした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式摩擦クラッチのク
ラッチ板に貼付けられる湿式摩擦材に関する。
ラッチ板に貼付けられる湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、モーターボート、農業機械等で
エンジンと変速機の間には、様々な形式のクラッチが設
けられている。この内湿式摩擦クラッチでは、クラッチ
板(ドライブプレート)の相手材(ドリブンプレート)
との接触面に摩擦材を設けている。このような湿式摩擦
材として、従来例えば特公平4−63257号公報に開
示されたものがある。この先行技術の湿式摩擦材は、気
孔率が異なった層を有し、且つ摩擦面が平坦である湿式
摩擦材である。
エンジンと変速機の間には、様々な形式のクラッチが設
けられている。この内湿式摩擦クラッチでは、クラッチ
板(ドライブプレート)の相手材(ドリブンプレート)
との接触面に摩擦材を設けている。このような湿式摩擦
材として、従来例えば特公平4−63257号公報に開
示されたものがある。この先行技術の湿式摩擦材は、気
孔率が異なった層を有し、且つ摩擦面が平坦である湿式
摩擦材である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術には、摩擦特性に大きな影響を及ぼす気孔径を適正
な大きさにして、最適摩擦特性を得る点に付いては開示
されていない。
技術には、摩擦特性に大きな影響を及ぼす気孔径を適正
な大きさにして、最適摩擦特性を得る点に付いては開示
されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、骨格を構成する繊維と、無機質及び有機質
充填材とを抄紙した紙質基材に熱硬化性樹脂を含浸して
成形したクラッチ用湿式摩擦材において、全摩擦材の面
積の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部が
大気孔を有する第2摩擦材からなるようにした。
に本発明は、骨格を構成する繊維と、無機質及び有機質
充填材とを抄紙した紙質基材に熱硬化性樹脂を含浸して
成形したクラッチ用湿式摩擦材において、全摩擦材の面
積の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部が
大気孔を有する第2摩擦材からなるようにした。
【0005】前記小気孔の気孔径を5〜10μm、大気
孔の気孔径を10〜50μmとした。
孔の気孔径を10〜50μmとした。
【0006】前記摩擦材の平均気孔径を5〜30μmと
した。
した。
【0007】図1はクラッチ板(ドライブプレート)1
の平面図であり、クラッチ板1の全面に摩擦材2が貼着
してある。図2はこの摩擦材2の部分拡大図であり、こ
の例の摩擦材2は、以上のようにして形成した気孔径の
大きい第1摩擦材3と気孔径の小さい第2摩擦材4とが
全面に貼着してある。第1摩擦材3及び第2摩擦材4は
夫々四角い小片に形成され、交互に市松模様状にクラッ
チ板1に貼付けてある。それぞれの小片は1mm×1m
m程度の大きさに形成する。このようにクラッチ板1に
貼着することにより、摩擦材2全体として2つの気孔径
ピークを持ち、且つその摩擦特性は、後述するSAE
NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)によって調べたよ
うに、静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μd)のバラ
ンスのとれた、即ち最適摩擦特性を有するものである。
の平面図であり、クラッチ板1の全面に摩擦材2が貼着
してある。図2はこの摩擦材2の部分拡大図であり、こ
の例の摩擦材2は、以上のようにして形成した気孔径の
大きい第1摩擦材3と気孔径の小さい第2摩擦材4とが
全面に貼着してある。第1摩擦材3及び第2摩擦材4は
夫々四角い小片に形成され、交互に市松模様状にクラッ
チ板1に貼付けてある。それぞれの小片は1mm×1m
m程度の大きさに形成する。このようにクラッチ板1に
貼着することにより、摩擦材2全体として2つの気孔径
ピークを持ち、且つその摩擦特性は、後述するSAE
NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)によって調べたよ
うに、静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μd)のバラ
ンスのとれた、即ち最適摩擦特性を有するものである。
【0008】
【実施例】表1は比較例1〜9の成分表であり、SAE
NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)でテストした結
果を表にしたものである。
NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)でテストした結
果を表にしたものである。
【0009】
【表1】
【0010】(比較例1):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維50%、ガラス繊維5%、珪藻土1
0%、カシューダスト10%、フェノール樹脂25%
で、平均気孔径は1μmである。静摩擦係数(μs)は
0.145、動摩擦係数(μd)は0.129である。
料は、アラミド繊維50%、ガラス繊維5%、珪藻土1
0%、カシューダスト10%、フェノール樹脂25%
で、平均気孔径は1μmである。静摩擦係数(μs)は
0.145、動摩擦係数(μd)は0.129である。
【0011】(比較例2):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維47.5%、リンターパルプ2.5
%、ガラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト1
0%、フェノール樹脂25%で、平均気孔径は2μmで
ある。静摩擦係数(μs)は0.151、動摩擦係数
(μd)は0.129である。
料は、アラミド繊維47.5%、リンターパルプ2.5
%、ガラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト1
0%、フェノール樹脂25%で、平均気孔径は2μmで
ある。静摩擦係数(μs)は0.151、動摩擦係数
(μd)は0.129である。
【0012】(比較例3):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維45%、リンターパルプ5%、ガラ
ス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、フ
ェノール樹脂25%で、平均気孔径は5.5μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.163、動摩擦係数(μ
d)は0.131である。
料は、アラミド繊維45%、リンターパルプ5%、ガラ
ス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、フ
ェノール樹脂25%で、平均気孔径は5.5μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.163、動摩擦係数(μ
d)は0.131である。
【0013】(比較例4):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維40%、リンターパルプ10%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は7μmである。
静摩擦係数(μs)は0.165、動摩擦係数(μd)
は0.142である。
料は、アラミド繊維40%、リンターパルプ10%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は7μmである。
静摩擦係数(μs)は0.165、動摩擦係数(μd)
は0.142である。
【0014】(比較例5):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維30%、リンターパルプ20%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は9μmである。
静摩擦係数(μs)は0.161、動摩擦係数(μd)
は0.154である。
料は、アラミド繊維30%、リンターパルプ20%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は9μmである。
静摩擦係数(μs)は0.161、動摩擦係数(μd)
は0.154である。
【0015】(比較例6):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維25%、リンターパルプ25%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は16μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.139、動摩擦係数(μ
d)は0.167である。
料は、アラミド繊維25%、リンターパルプ25%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は16μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.139、動摩擦係数(μ
d)は0.167である。
【0016】(比較例7):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維15%、リンターパルプ35%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は23μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.131、動摩擦係数(μ
d)は0.161である。
料は、アラミド繊維15%、リンターパルプ35%、ガ
ラス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、
フェノール樹脂25%で、平均気孔径は23μmであ
る。静摩擦係数(μs)は0.131、動摩擦係数(μ
d)は0.161である。
【0017】(比較例8):抄紙した紙質基材の構成材
料は、アラミド繊維5%、リンターパルプ45%、ガラ
ス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、フ
ェノール樹脂25%で、平均気孔径は47μmである。
静摩擦係数(μs)は0.128、動摩擦係数(μd)
は0.160である。
料は、アラミド繊維5%、リンターパルプ45%、ガラ
ス繊維5%、珪藻土10%、カシューダスト10%、フ
ェノール樹脂25%で、平均気孔径は47μmである。
静摩擦係数(μs)は0.128、動摩擦係数(μd)
は0.160である。
【0018】(比較例9):抄紙した紙質基材の構成材
料は、リンターパルプ50%、ガラス繊維5%、珪藻土
10%、カシューダスト10%、フェノール樹脂25%
で、平均気孔径は96μmである。静摩擦係数(μs)
は0.126、動摩擦係数(μd)は0.151であ
る。
料は、リンターパルプ50%、ガラス繊維5%、珪藻土
10%、カシューダスト10%、フェノール樹脂25%
で、平均気孔径は96μmである。静摩擦係数(μs)
は0.126、動摩擦係数(μd)は0.151であ
る。
【0019】上記比較例3〜5では静摩擦係数(μs)
が大きくなり、比較例6〜8では動摩擦係数(μd)が
大きくなる。
が大きくなり、比較例6〜8では動摩擦係数(μd)が
大きくなる。
【0020】図3は表1の比較例1〜9の気孔径と摩擦
係数の関係を示すグラフであり、静摩擦係数(μs)の
測定時は、初期から境界潤滑領域であり、気孔径が小さ
い程、接触面積が大きく、静摩擦係数(μs)が向上す
る。但し、気孔径は小さ過ぎると目詰りが発生して、静
摩擦係数(μs)が低下する。
係数の関係を示すグラフであり、静摩擦係数(μs)の
測定時は、初期から境界潤滑領域であり、気孔径が小さ
い程、接触面積が大きく、静摩擦係数(μs)が向上す
る。但し、気孔径は小さ過ぎると目詰りが発生して、静
摩擦係数(μs)が低下する。
【0021】動摩擦係数(μd)の測定は、初期の流
体、或いは混合潤滑領域から境界潤滑領域へ移行する過
渡的な現象であり、ここで動摩擦係数(μd)の向上の
ためには、流体、或いは混合潤滑域で発生する油膜をい
かに速く気孔を通じて除去するかによる。従って気孔径
が大きい程動摩擦係数(μd)の増加速度が速くなる。
但し境界域に移行後は、気孔径が大き過ぎると、接触面
積が小さくなり、動摩擦係数(μd)は低下する。そこ
で本発明は、摩擦材の気孔径の大きさを組合わせること
により、静摩擦係数(μs)と、動摩擦係数(μd)の
両方に付いて向上させる。
体、或いは混合潤滑領域から境界潤滑領域へ移行する過
渡的な現象であり、ここで動摩擦係数(μd)の向上の
ためには、流体、或いは混合潤滑域で発生する油膜をい
かに速く気孔を通じて除去するかによる。従って気孔径
が大きい程動摩擦係数(μd)の増加速度が速くなる。
但し境界域に移行後は、気孔径が大き過ぎると、接触面
積が小さくなり、動摩擦係数(μd)は低下する。そこ
で本発明は、摩擦材の気孔径の大きさを組合わせること
により、静摩擦係数(μs)と、動摩擦係数(μd)の
両方に付いて向上させる。
【0022】表2は上記比較例4の第1摩擦材と比較例
6の第2摩擦材の面積比を変えて組合わせた実施例1〜
9をSAE NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)でテ
ストした摩擦係数の変化を示す表である。
6の第2摩擦材の面積比を変えて組合わせた実施例1〜
9をSAE NO.2テスト(クラッチ摩擦試験)でテ
ストした摩擦係数の変化を示す表である。
【0023】
【表2】
【0024】(実施例1):上記比較例4を面積比で1
00%としたもので、静摩擦係数(μs)は0.16
5、動摩擦係数(μd)は0.142である。
00%としたもので、静摩擦係数(μs)は0.16
5、動摩擦係数(μd)は0.142である。
【0025】(実施例2):上記比較例4を面積比で8
0%、比較例6を20%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.165、動摩擦係数(μd)は0.144で
ある。
0%、比較例6を20%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.165、動摩擦係数(μd)は0.144で
ある。
【0026】(実施例3):上記比較例4を面積比で7
0%、比較例6を30%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.164、動摩擦係数(μd)は0.153で
ある。
0%、比較例6を30%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.164、動摩擦係数(μd)は0.153で
ある。
【0027】(実施例4):上記比較例4を面積比で6
0%、比較例6を40%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.162、動摩擦係数(μd)は0.161で
ある。
0%、比較例6を40%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.162、動摩擦係数(μd)は0.161で
ある。
【0028】(実施例5):上記比較例4を面積比で5
0%、比較例6を50%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.163、動摩擦係数(μd)は0.164で
ある。
0%、比較例6を50%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.163、動摩擦係数(μd)は0.164で
ある。
【0029】(実施例6):上記比較例4を面積比で4
0%、比較例6を60%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.163、動摩擦係数(μd)は0.164で
ある。
0%、比較例6を60%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.163、動摩擦係数(μd)は0.164で
ある。
【0030】(実施例7):上記比較例4を面積比で3
0%、比較例6を70%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.152、動摩擦係数(μd)は0.165で
ある。
0%、比較例6を70%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.152、動摩擦係数(μd)は0.165で
ある。
【0031】(実施例8):上記比較例4を面積比で2
0%、比較例6を80%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.141、動摩擦係数(μd)は0.165で
ある。
0%、比較例6を80%としたもので、静摩擦係数(μ
s)は0.141、動摩擦係数(μd)は0.165で
ある。
【0032】(実施例9):上記比較例6を100%と
したもので、静摩擦係数(μs)は0.139、動摩擦
係数(μd)は0.167である。
したもので、静摩擦係数(μs)は0.139、動摩擦
係数(μd)は0.167である。
【0033】上記実施例3〜7では、静摩擦係数(μ
s)と、動摩擦係数(μd)が共に高くなる。従って実
施例3〜7で示した面積比で、比較例4と比較例6の湿
式摩擦材をクラッチ板(ドライブプレート)に貼着すれ
ば静摩擦係数(μs)と、動摩擦係数(μd)の両方を
向上させることが出来る。
s)と、動摩擦係数(μd)が共に高くなる。従って実
施例3〜7で示した面積比で、比較例4と比較例6の湿
式摩擦材をクラッチ板(ドライブプレート)に貼着すれ
ば静摩擦係数(μs)と、動摩擦係数(μd)の両方を
向上させることが出来る。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような効果を奏する。請求項1によれば、全摩擦材の
面積の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部
が大気孔を有する第2摩擦材からなるようにすること
で、静摩擦係数及び動摩擦係数が共に高い湿式摩擦材を
得ることが出来る。
のような効果を奏する。請求項1によれば、全摩擦材の
面積の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部
が大気孔を有する第2摩擦材からなるようにすること
で、静摩擦係数及び動摩擦係数が共に高い湿式摩擦材を
得ることが出来る。
【0035】請求項2によれば、小気孔の気孔径を5〜
10μmとすることで静摩擦係数が高くなり、大気孔の
気孔径を10〜50μmとすることで動摩擦係数が高く
なる。
10μmとすることで静摩擦係数が高くなり、大気孔の
気孔径を10〜50μmとすることで動摩擦係数が高く
なる。
【0036】請求項3によれば、摩擦材の平均気孔径を
5〜30μmとすることで、最適の摩擦特性を得ること
が出来る。
5〜30μmとすることで、最適の摩擦特性を得ること
が出来る。
【図1】クラッチ板(ドライブプレート)の平面図
【図2】同じく摩擦材の部分拡大図
【図3】比較例1〜9の平均気孔径と摩擦係数の関係を
示すグラフ
示すグラフ
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、異なる気孔径を有する2種以上の摩擦材を
クラッチ板に設け、この摩擦材の内少くとも1種以上は
気孔径が5〜10μmの小気孔を有し、その他の摩擦材
は気孔径が10〜50μmの大気孔を有するようにし
た。
に本発明は、異なる気孔径を有する2種以上の摩擦材を
クラッチ板に設け、この摩擦材の内少くとも1種以上は
気孔径が5〜10μmの小気孔を有し、その他の摩擦材
は気孔径が10〜50μmの大気孔を有するようにし
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】小気孔を有する摩擦材が全摩擦材の面積の
30〜70%を占め、残部が大気孔を有する摩擦材であ
るようにした。
30〜70%を占め、残部が大気孔を有する摩擦材であ
るようにした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】前記2種以上の摩擦材を四角い小片に形成
し、交互に市松模様状に前記クラッチ板に貼付けた。
し、交互に市松模様状に前記クラッチ板に貼付けた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】図3は表1の比較例1〜9の気孔径と摩擦
係数の関係を示すグラフであり、静摩擦係数(μs)の
測定時は、初期から境界潤滑領域であり、気孔径が10
μmより小さい程、接触面積が大きく、静摩擦係数(μ
s)が向上する。但し、気孔径は5μm以下と小さ過ぎ
ると目詰りが発生して、静摩擦係数(μs)が低下す
る。
係数の関係を示すグラフであり、静摩擦係数(μs)の
測定時は、初期から境界潤滑領域であり、気孔径が10
μmより小さい程、接触面積が大きく、静摩擦係数(μ
s)が向上する。但し、気孔径は5μm以下と小さ過ぎ
ると目詰りが発生して、静摩擦係数(μs)が低下す
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】動摩擦係数(μd)の測定は、初期の流
体、或いは混合潤滑領域から境界潤滑領域へ移行する過
渡的な現象であり、ここで動摩擦係数(μd)の向上の
ためには、流体、或いは混合潤滑域で発生する油膜をい
かに速く気孔を通じて除去するかによる。従って気孔径
が10μmより大きい程動摩擦係数(μd)の増加速度
が速くなる。但し境界域に移行後は、気孔径が50μm
より大き過ぎると、接触面積が小さくなり、動摩擦係数
(μd)は低下する。そこで本発明は、摩擦材の気孔径
の大きさを組合わせることにより、静摩擦係数(μs)
と、動摩擦係数(μd)の両方に付いて向上させる。
体、或いは混合潤滑領域から境界潤滑領域へ移行する過
渡的な現象であり、ここで動摩擦係数(μd)の向上の
ためには、流体、或いは混合潤滑域で発生する油膜をい
かに速く気孔を通じて除去するかによる。従って気孔径
が10μmより大きい程動摩擦係数(μd)の増加速度
が速くなる。但し境界域に移行後は、気孔径が50μm
より大き過ぎると、接触面積が小さくなり、動摩擦係数
(μd)は低下する。そこで本発明は、摩擦材の気孔径
の大きさを組合わせることにより、静摩擦係数(μs)
と、動摩擦係数(μd)の両方に付いて向上させる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような効果を奏する。請求項1によれば、異なる気孔
径を有する2種以上の摩擦材をクラッチ板に設け、この
摩擦材の内少くとも1種以上は気孔径が5〜10μmの
小気孔を有するようにしたので、静摩擦係数が高くな
り、又、その他の摩擦材は気孔径が10〜50μmの大
気孔を有するようにしたので、動摩擦係数が高くなる。
のような効果を奏する。請求項1によれば、異なる気孔
径を有する2種以上の摩擦材をクラッチ板に設け、この
摩擦材の内少くとも1種以上は気孔径が5〜10μmの
小気孔を有するようにしたので、静摩擦係数が高くな
り、又、その他の摩擦材は気孔径が10〜50μmの大
気孔を有するようにしたので、動摩擦係数が高くなる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】請求項2によれば、小気孔を有する摩擦材
が全摩擦材の面積の30〜70%を占め、残部が大気孔
を有する摩擦材とすることで、静摩擦係数及び動摩擦係
数が共に高い湿式摩擦材を得ることが出来る。
が全摩擦材の面積の30〜70%を占め、残部が大気孔
を有する摩擦材とすることで、静摩擦係数及び動摩擦係
数が共に高い湿式摩擦材を得ることが出来る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】請求項3によれば、2種以上の摩擦材を四
角い小片に形成し、交互に市松模様状にクラッチ板に貼
付けたので、クラッチ板は最適の摩擦特性を得ることが
出来る。
角い小片に形成し、交互に市松模様状にクラッチ板に貼
付けたので、クラッチ板は最適の摩擦特性を得ることが
出来る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
Claims (3)
- 【請求項1】 骨格を構成する繊維と、無機質及び有機
質充填材とを抄紙した紙質基材に熱硬化性樹脂を含浸し
て成形したクラッチ用湿式摩擦材において、全摩擦材の
面積の30〜70%が小気孔を有する第1摩擦材、残部
が大気孔を有する第2摩擦材からなることを特徴とする
湿式摩擦材。 - 【請求項2】 請求項1記載の湿式摩擦材において、前
記小気孔の気孔径が5〜10μm、前記大気孔の気孔径
が10〜50μmであることを特徴とする湿式摩擦材。 - 【請求項3】 請求項1記載の湿式摩擦材において、前
記摩擦材の平均気孔径が5〜30μmであることを特徴
とする湿式摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20737794A JPH0874905A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 湿式摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20737794A JPH0874905A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 湿式摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0874905A true JPH0874905A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16538726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20737794A Withdrawn JPH0874905A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 湿式摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0874905A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11287274A (ja) * | 1998-01-22 | 1999-10-19 | Mead Corp:The | 摩擦部材及びその製造方法 |
EP0881405A3 (en) * | 1997-05-29 | 2000-05-03 | Dynax Corporation | Wet-type friction plate having small holes on the surface |
EP1783389A2 (en) * | 2005-08-30 | 2007-05-09 | Jtekt Corporation | Drive force transmission device |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP20737794A patent/JPH0874905A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0881405A3 (en) * | 1997-05-29 | 2000-05-03 | Dynax Corporation | Wet-type friction plate having small holes on the surface |
JPH11287274A (ja) * | 1998-01-22 | 1999-10-19 | Mead Corp:The | 摩擦部材及びその製造方法 |
EP1783389A2 (en) * | 2005-08-30 | 2007-05-09 | Jtekt Corporation | Drive force transmission device |
EP1783389A3 (en) * | 2005-08-30 | 2007-05-16 | Jtekt Corporation | Drive force transmission device |
US7677375B2 (en) | 2005-08-30 | 2010-03-16 | Jtekt Corporation | Drive force transmission device |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011106 |