JPH10327738A - 焼き菓子用改質材及び焼き菓子 - Google Patents
焼き菓子用改質材及び焼き菓子Info
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- JPH10327738A JPH10327738A JP9154546A JP15454697A JPH10327738A JP H10327738 A JPH10327738 A JP H10327738A JP 9154546 A JP9154546 A JP 9154546A JP 15454697 A JP15454697 A JP 15454697A JP H10327738 A JPH10327738 A JP H10327738A
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- baked confectionery
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- Edible Oils And Fats (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ビスケット、クッキーなどに代表される焼き菓
子の食感を向上することができる焼き菓子用改質材及び
口溶け性が良好でライト感に優れた焼き菓子を提供す
る。 【解決手段】食用油脂10〜65重量%、糖質20〜6
0重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5
重量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質材、並
びに、該焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉100重
量部に対して、2〜30重量部であることを特徴とする
焼き菓子。
子の食感を向上することができる焼き菓子用改質材及び
口溶け性が良好でライト感に優れた焼き菓子を提供す
る。 【解決手段】食用油脂10〜65重量%、糖質20〜6
0重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5
重量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質材、並
びに、該焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉100重
量部に対して、2〜30重量部であることを特徴とする
焼き菓子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼き菓子用改質材
及び焼き菓子に関する。さらに詳しくは、本発明は、ビ
スケット、クッキーなどに代表される焼き菓子の食感を
向上することができる焼き菓子用改質材及び該焼き菓子
用改質材を添加して焼成した口溶け性が良好でライト感
に優れた焼き菓子に関する。
及び焼き菓子に関する。さらに詳しくは、本発明は、ビ
スケット、クッキーなどに代表される焼き菓子の食感を
向上することができる焼き菓子用改質材及び該焼き菓子
用改質材を添加して焼成した口溶け性が良好でライト感
に優れた焼き菓子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者は、ビスケット、クッキー
などの焼き菓子に対して、おいしさはもとより、良好な
ショートネス性すなわち食感のライト感や、口溶け性の
良さを要求している。従来、食感のライト感や口溶け性
の改善策として、クッキー原料の配合面からは、油脂類
の増強が行われている。しかし、原料中の油脂類の比率
を高めると、クッキー生地が、型抜きが悪く、油のニジ
ミが出やすい、製造機械に適さない状態となるほか、得
られたクッキーの食感は改善されるものの油っぽさが強
くなり、近年の嗜好に相反するものとなる。また、クッ
キーの製造技術的な解決方法として、製造したクッキー
生地を冷蔵下で一昼夜保管して、手作りライト感を出す
という対策がとられている。しかし、大量生産する場合
には、この保管という工程が作業効率を悪化させるほ
か、大量のクッキー生地を保管する巨大なスペースを設
置する必要があり、現実的な解決策とはなりがたい。ビ
スケット類に関わらず、従来より用いられている水中油
型乳化組成物としては、フィリング材、濃縮乳、ホイッ
プクリームなどがその代表的なものである。濃縮乳やホ
イップクリームなどの水中油型乳化組成物に関する従来
技術としては、特開昭61−43972号公報には、キ
サンタンガムとグアーガムを含む低油分の起泡性水中油
型エマルジョンが提案され、特開平2−42943号公
報には、単離ホエー蛋白質を使用した乳化食品が提案さ
れている。しかし、これらの乳化食品は、元来乳製品の
代替食品として開発されたものであり、組成的に蛋白質
の乳化性を必須とするものであり、これらの水中油型乳
化組成物を焼き菓子の生地に添加しても、食感を有意に
改善することができない上に、焼き菓子では添加する水
分が少ないために、その添加比率の制約も受ける。ま
た、フィリング材の従来技術としては、澱粉の糊化によ
るゲル化力を利用したもの、増粘多糖類を用いるもの、
ラクトアルブミンなどのホエー蛋白質を用いてその熱変
性によるゲル化力を利用するものが挙げられる。例え
ば、特開昭58−94336号公報には、糊化していな
いフラワーペースト原料に分離大豆蛋白質を0.5〜5
重量%添加する方法が提案され、特開昭63−1677
35号公報には、ホエー蛋白濃縮精製物を0.5〜5重
量%含有するフラワーペーストが提案され、特開平2−
265440号公報には、熱凝固性蛋白質とアミノ糖か
らなるペーストにストレプトバーティシリウム属起源の
トランスグルタミナーゼを作用させ低温及び/又は高温
処理する蛋白ゲルの製造法が提案されている。また、特
開昭62−65648号公報には、カラギーナン、ペク
チンなどの膠質材料と水との混合系に炭酸ガス、炭酸水
を加えて密封し、加熱、冷却してなる清涼性ゲル食品が
提案され、特開昭63−169930号公報には、原料
クリームにジェランガムを膠質として保持してなる製菓
用クリーム類が提案され、特開昭53−69859号公
報には、低メトキシルペクチンと有機酸と水とを含む溶
液状ゲル化基剤と、糖類と小麦粉と水とを含む糊状基材
とからなる製菓用クリーム基剤組成物が提案されてい
る。これらのフィリング材には、ホエー蛋白質や増粘多
糖類など、菓子製造上あるいは菓子そのものに悪影響を
及ぼす種々の物質が使用されている。すなわち、これら
の水中油型乳化組成物を焼き菓子生地に添加した場合、
糊化された澱粉、増粘安定剤及び変性された蛋白質が、
焼成時の火通りを悪化させ、焼き菓子類は、重く、糊っ
ぽいものとなり、ライト感がないために、良好な食感が
得られない。
などの焼き菓子に対して、おいしさはもとより、良好な
ショートネス性すなわち食感のライト感や、口溶け性の
良さを要求している。従来、食感のライト感や口溶け性
の改善策として、クッキー原料の配合面からは、油脂類
の増強が行われている。しかし、原料中の油脂類の比率
を高めると、クッキー生地が、型抜きが悪く、油のニジ
ミが出やすい、製造機械に適さない状態となるほか、得
られたクッキーの食感は改善されるものの油っぽさが強
くなり、近年の嗜好に相反するものとなる。また、クッ
キーの製造技術的な解決方法として、製造したクッキー
生地を冷蔵下で一昼夜保管して、手作りライト感を出す
という対策がとられている。しかし、大量生産する場合
には、この保管という工程が作業効率を悪化させるほ
か、大量のクッキー生地を保管する巨大なスペースを設
置する必要があり、現実的な解決策とはなりがたい。ビ
スケット類に関わらず、従来より用いられている水中油
型乳化組成物としては、フィリング材、濃縮乳、ホイッ
プクリームなどがその代表的なものである。濃縮乳やホ
イップクリームなどの水中油型乳化組成物に関する従来
技術としては、特開昭61−43972号公報には、キ
サンタンガムとグアーガムを含む低油分の起泡性水中油
型エマルジョンが提案され、特開平2−42943号公
報には、単離ホエー蛋白質を使用した乳化食品が提案さ
れている。しかし、これらの乳化食品は、元来乳製品の
代替食品として開発されたものであり、組成的に蛋白質
の乳化性を必須とするものであり、これらの水中油型乳
化組成物を焼き菓子の生地に添加しても、食感を有意に
改善することができない上に、焼き菓子では添加する水
分が少ないために、その添加比率の制約も受ける。ま
た、フィリング材の従来技術としては、澱粉の糊化によ
るゲル化力を利用したもの、増粘多糖類を用いるもの、
ラクトアルブミンなどのホエー蛋白質を用いてその熱変
性によるゲル化力を利用するものが挙げられる。例え
ば、特開昭58−94336号公報には、糊化していな
いフラワーペースト原料に分離大豆蛋白質を0.5〜5
重量%添加する方法が提案され、特開昭63−1677
35号公報には、ホエー蛋白濃縮精製物を0.5〜5重
量%含有するフラワーペーストが提案され、特開平2−
265440号公報には、熱凝固性蛋白質とアミノ糖か
らなるペーストにストレプトバーティシリウム属起源の
トランスグルタミナーゼを作用させ低温及び/又は高温
処理する蛋白ゲルの製造法が提案されている。また、特
開昭62−65648号公報には、カラギーナン、ペク
チンなどの膠質材料と水との混合系に炭酸ガス、炭酸水
を加えて密封し、加熱、冷却してなる清涼性ゲル食品が
提案され、特開昭63−169930号公報には、原料
クリームにジェランガムを膠質として保持してなる製菓
用クリーム類が提案され、特開昭53−69859号公
報には、低メトキシルペクチンと有機酸と水とを含む溶
液状ゲル化基剤と、糖類と小麦粉と水とを含む糊状基材
とからなる製菓用クリーム基剤組成物が提案されてい
る。これらのフィリング材には、ホエー蛋白質や増粘多
糖類など、菓子製造上あるいは菓子そのものに悪影響を
及ぼす種々の物質が使用されている。すなわち、これら
の水中油型乳化組成物を焼き菓子生地に添加した場合、
糊化された澱粉、増粘安定剤及び変性された蛋白質が、
焼成時の火通りを悪化させ、焼き菓子類は、重く、糊っ
ぽいものとなり、ライト感がないために、良好な食感が
得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビスケッ
ト、クッキーなどに代表される焼き菓子の食感を向上す
ることができる焼き菓子用改質材及び口溶け性が良好で
ライト感に優れた焼き菓子を提供することを目的として
なされたものである。
ト、クッキーなどに代表される焼き菓子の食感を向上す
ることができる焼き菓子用改質材及び口溶け性が良好で
ライト感に優れた焼き菓子を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、食用油脂10〜
65重量%、糖質20〜60重量%、水分10〜40重
量%及び乳化剤0.1〜5重量%からなる水中油型乳化
組成物が焼き菓子用改質材として良好であり、この焼き
菓子用改質材を小麦粉100重量部当たり2〜30重量
部添加して調製した生地より焼成された焼き菓子が口溶
け性及びライト感に優れることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(1)食用油脂10〜65重量%、糖質20〜60
重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5重
量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質材、
(2)乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル及びプロピ
レングリコール脂肪酸エステルより選ばれる1種又は2
種以上からなり、かつ構成脂肪酸が、炭素数14〜22
の飽和脂肪酸を50重量%以上有するものである第(1)
項記載の焼き菓子用改質材、及び、(3)第(1)項又は
第(2)項記載の焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉1
00重量部に対して、2〜30重量部であることを特徴
とする焼き菓子、を提供するものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、食用油脂10〜
65重量%、糖質20〜60重量%、水分10〜40重
量%及び乳化剤0.1〜5重量%からなる水中油型乳化
組成物が焼き菓子用改質材として良好であり、この焼き
菓子用改質材を小麦粉100重量部当たり2〜30重量
部添加して調製した生地より焼成された焼き菓子が口溶
け性及びライト感に優れることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(1)食用油脂10〜65重量%、糖質20〜60
重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5重
量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質材、
(2)乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル及びプロピ
レングリコール脂肪酸エステルより選ばれる1種又は2
種以上からなり、かつ構成脂肪酸が、炭素数14〜22
の飽和脂肪酸を50重量%以上有するものである第(1)
項記載の焼き菓子用改質材、及び、(3)第(1)項又は
第(2)項記載の焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉1
00重量部に対して、2〜30重量部であることを特徴
とする焼き菓子、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の焼き菓子用改質材は、食
用油脂10〜65重量%、糖質20〜60重量%、水分
10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5重量%を水中油
型に乳化してなるものである。本発明に用いる食用油脂
には特に制限はなく、例えば、ナタネ油、コーン油、大
豆油、パーム油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油、ゴマ油、
ヒマワリ油、カラシ油、サフラワー油、トウモロコシ
油、落花生油、オリーブ油などの植物性油脂、豚脂、牛
脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらを水素添加、
エステル交換して得られる加工油脂などを挙げることが
できる。これらの食用油脂は、1種を単独で用いること
ができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いること
ができる。本発明の焼き菓子用改質材において、食用油
脂の含有量は10〜65重量%であり、より好ましくは
25〜50重量%である。食用油脂の含有量が10%未
満であると、食感の改良効果が十分に発現しないおそれ
がある。食用油脂の含有量が65重量%を超えると、水
中油型乳化物の乳化安定性が低下するおそれがある。本
発明に用いる糖質には特に制限はなく、例えば、グルコ
ース、フラクトースなどの単糖類、蔗糖、乳糖、麦芽糖
などのオリゴ糖類、デンプン、セルロース、デキストラ
ンなどの多糖類、これらを加水分解して得られるデキス
トリンやオリゴ糖、さらにこれらを還元処理して得られ
るキシリトール、アラビトール、ソルビトールなどの糖
アルコールなどを挙げることができる。これらの糖質
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることができる。本発明の焼き菓
子用改質材において、糖質の含有量は20〜60重量%
であり、より好ましくは25〜40重量%である。糖質
の含有量が20重量%未満であると、食感の改良効果が
十分に発現しないおそれがある。糖質の含有量が60重
量%を超えると、自由水の減少によって水中油型に乳化
することが困難となるおそれがある。
用油脂10〜65重量%、糖質20〜60重量%、水分
10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5重量%を水中油
型に乳化してなるものである。本発明に用いる食用油脂
には特に制限はなく、例えば、ナタネ油、コーン油、大
豆油、パーム油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油、ゴマ油、
ヒマワリ油、カラシ油、サフラワー油、トウモロコシ
油、落花生油、オリーブ油などの植物性油脂、豚脂、牛
脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらを水素添加、
エステル交換して得られる加工油脂などを挙げることが
できる。これらの食用油脂は、1種を単独で用いること
ができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いること
ができる。本発明の焼き菓子用改質材において、食用油
脂の含有量は10〜65重量%であり、より好ましくは
25〜50重量%である。食用油脂の含有量が10%未
満であると、食感の改良効果が十分に発現しないおそれ
がある。食用油脂の含有量が65重量%を超えると、水
中油型乳化物の乳化安定性が低下するおそれがある。本
発明に用いる糖質には特に制限はなく、例えば、グルコ
ース、フラクトースなどの単糖類、蔗糖、乳糖、麦芽糖
などのオリゴ糖類、デンプン、セルロース、デキストラ
ンなどの多糖類、これらを加水分解して得られるデキス
トリンやオリゴ糖、さらにこれらを還元処理して得られ
るキシリトール、アラビトール、ソルビトールなどの糖
アルコールなどを挙げることができる。これらの糖質
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることができる。本発明の焼き菓
子用改質材において、糖質の含有量は20〜60重量%
であり、より好ましくは25〜40重量%である。糖質
の含有量が20重量%未満であると、食感の改良効果が
十分に発現しないおそれがある。糖質の含有量が60重
量%を超えると、自由水の減少によって水中油型に乳化
することが困難となるおそれがある。
【0006】本発明の焼き菓子用改質材において、水分
の含有量は10〜40重量%である。水分の含有量が1
0重量%未満であると、水中油型に乳化することが困難
となるおそれがある。水分の含有量が40重量%を超え
ると、焼き菓子の生地が軟らかくなりすぎるおそれがあ
る。本発明に用いる乳化剤としては、例えば、グリセリ
ン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、モノグリセリド誘導体、レシ
チン、キラヤサポニンなどを挙げることができる。これ
らの乳化剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることができる。本発
明の焼き菓子用改質材において、乳化剤の含有量は0.
1〜5重量%である。乳化剤の含有量が0.1重量%未
満であると、乳化安定性が低下するおそれがある。乳化
剤の含有量が5重量%を超えると、乳化剤による悪影
響、例えば、澱粉のα化阻害、クッキー類の風味や口溶
け性の低下を招くおそれがある。本発明の焼き菓子用改
質材において、乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル又
はプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、その構
成脂肪酸が、炭素数14〜22の飽和脂肪酸を50重量
%以上有するものであることが特に好ましい。乳化剤が
これらの脂肪酸エステルであり、構成脂肪酸の炭素数が
14〜22であり、かつ飽和脂肪酸の割合が50重量%
以上であると、焼き菓子の食感改良効果が顕著に発現す
る。
の含有量は10〜40重量%である。水分の含有量が1
0重量%未満であると、水中油型に乳化することが困難
となるおそれがある。水分の含有量が40重量%を超え
ると、焼き菓子の生地が軟らかくなりすぎるおそれがあ
る。本発明に用いる乳化剤としては、例えば、グリセリ
ン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、モノグリセリド誘導体、レシ
チン、キラヤサポニンなどを挙げることができる。これ
らの乳化剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることができる。本発
明の焼き菓子用改質材において、乳化剤の含有量は0.
1〜5重量%である。乳化剤の含有量が0.1重量%未
満であると、乳化安定性が低下するおそれがある。乳化
剤の含有量が5重量%を超えると、乳化剤による悪影
響、例えば、澱粉のα化阻害、クッキー類の風味や口溶
け性の低下を招くおそれがある。本発明の焼き菓子用改
質材において、乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル又
はプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、その構
成脂肪酸が、炭素数14〜22の飽和脂肪酸を50重量
%以上有するものであることが特に好ましい。乳化剤が
これらの脂肪酸エステルであり、構成脂肪酸の炭素数が
14〜22であり、かつ飽和脂肪酸の割合が50重量%
以上であると、焼き菓子の食感改良効果が顕著に発現す
る。
【0007】グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン
と脂肪酸のエステル化反応又はグリセリンと油脂のエス
テル交換反応によって合成し、必要に応じて分子蒸留を
行うことにより得ることができる。グリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、例えば、グリセリンモノステアリン酸
エステル、グリセリンモノベヘン酸エステルなどを挙げ
ることができる。本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸
エステルは、グリセリンの重合度が2〜10であり、脂
肪酸の結合数が1〜3であることが好ましい。このよう
なポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンを触媒
の存在下に加熱してポリグリセリンとし、脂肪酸とエス
テル化反応することにより得ることができる。ポリグリ
セリン脂肪酸エステルとしては、例えば、トリグリセリ
ンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノス
テアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸
エステルなどを挙げることができる。蔗糖脂肪酸エステ
ルは、蔗糖と脂肪酸メチルをジメチルホルムアミドを溶
媒としてエステル交換反応することにより、あるいは、
蔗糖と脂肪酸メチルを微細なミクロエマルションとして
エステル交換反応することにより、得ることができる。
蔗糖脂肪酸エステルとしては、例えば、蔗糖モノパルミ
チン酸エステル、蔗糖モノステアリン酸エステルなどを
挙げることができる。プロピレングリコール脂肪酸エス
テルは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステル化反
応又はプロピレングリコールと油脂のエステル交換反応
によって合成し、必要に応じて分子蒸留を行うことによ
り得ることができる。プロピレングリコール脂肪酸エス
テルとしては、例えば、プロピレングリコールモノステ
アリン酸エステル、プロピレングリコールモノベヘン酸
エステルなどを挙げることができる。本発明の焼き菓子
用改質材において、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル及びプロ
ピレングリコール脂肪酸エステルは、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることができる。本発明の焼き菓子用改質材は、必要に
応じて、香料、着色料、食塩、香辛料などの成分を配合
することができる。
と脂肪酸のエステル化反応又はグリセリンと油脂のエス
テル交換反応によって合成し、必要に応じて分子蒸留を
行うことにより得ることができる。グリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、例えば、グリセリンモノステアリン酸
エステル、グリセリンモノベヘン酸エステルなどを挙げ
ることができる。本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸
エステルは、グリセリンの重合度が2〜10であり、脂
肪酸の結合数が1〜3であることが好ましい。このよう
なポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンを触媒
の存在下に加熱してポリグリセリンとし、脂肪酸とエス
テル化反応することにより得ることができる。ポリグリ
セリン脂肪酸エステルとしては、例えば、トリグリセリ
ンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノス
テアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸
エステルなどを挙げることができる。蔗糖脂肪酸エステ
ルは、蔗糖と脂肪酸メチルをジメチルホルムアミドを溶
媒としてエステル交換反応することにより、あるいは、
蔗糖と脂肪酸メチルを微細なミクロエマルションとして
エステル交換反応することにより、得ることができる。
蔗糖脂肪酸エステルとしては、例えば、蔗糖モノパルミ
チン酸エステル、蔗糖モノステアリン酸エステルなどを
挙げることができる。プロピレングリコール脂肪酸エス
テルは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステル化反
応又はプロピレングリコールと油脂のエステル交換反応
によって合成し、必要に応じて分子蒸留を行うことによ
り得ることができる。プロピレングリコール脂肪酸エス
テルとしては、例えば、プロピレングリコールモノステ
アリン酸エステル、プロピレングリコールモノベヘン酸
エステルなどを挙げることができる。本発明の焼き菓子
用改質材において、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル及びプロ
ピレングリコール脂肪酸エステルは、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることができる。本発明の焼き菓子用改質材は、必要に
応じて、香料、着色料、食塩、香辛料などの成分を配合
することができる。
【0008】本発明の焼き菓子用改質材の調製方法には
特に制限はないが、例えば、食用油脂を60℃程度に加
熱し、乳化剤を添加溶解して調製した油相部を、水に糖
質を添加撹拌し、70℃程度に加熱して30分以上高温
に維持することにより殺菌して調製した水相部に撹拌し
ながら添加し、水中油型乳化液を調製する。この予備乳
化した乳化液を、さらにホモジナイザーやコロイドミル
などを用いて均質化することにより焼き菓子用改質材を
得ることができる。本発明の焼き菓子は、焼き菓子の生
地の調製に際して、本発明の焼き菓子用改質材を小麦粉
100重量部に対して2〜30重量部、より好ましくは
5〜20重量部添加してなるものである。焼き菓子用改
質材の添加量が、小麦粉100重量部に対して2重量部
未満であると、食感が十分に向上しないおそれがある。
焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉100重量部に対
して30重量部を超えると、生地が軟らかくなりすぎる
おそれがある。本発明の焼き菓子の生地の調製方法には
特に制限はなく、小麦粉に対して本発明の焼き菓子用改
質材を添加するほかに、任意の公知の焼き菓子の原料を
配合して調製することができる。例えば、小麦粉100
重量部に対して、本発明の焼き菓子用改質材2〜30重
量部を添加するほか、ショートニング15〜25重量
部、バター5〜15重量部、砂糖20〜40重量部、鶏
卵2〜6重量部、水2〜6重量部、食塩0.5〜1.5重
量部、重曹0.2〜0.8重量部、炭酸アンモニウム0.
2〜0.8重量部などを配合し、さらに所望に応じて、
ココア、バニラエッセンス、ゴマ、ナッツなどを加え、
均一に混練して生地を得ることができる。調製された生
地は、直ちに圧延成型して焼成することができる。焼成
条件には特に制限はないが、通常は150〜250℃に
おいて、7〜15分間焼成することにより、焼き菓子を
得ることができる。本発明の焼き菓子は、生地を長時間
保管することなく、生地調製後に直ちに焼成することが
できるので、工程を合理化して大量生産することができ
る。本発明の焼き菓子は、口溶け性とライト感に優れ、
現代人の嗜好を十分に満足させるものである。
特に制限はないが、例えば、食用油脂を60℃程度に加
熱し、乳化剤を添加溶解して調製した油相部を、水に糖
質を添加撹拌し、70℃程度に加熱して30分以上高温
に維持することにより殺菌して調製した水相部に撹拌し
ながら添加し、水中油型乳化液を調製する。この予備乳
化した乳化液を、さらにホモジナイザーやコロイドミル
などを用いて均質化することにより焼き菓子用改質材を
得ることができる。本発明の焼き菓子は、焼き菓子の生
地の調製に際して、本発明の焼き菓子用改質材を小麦粉
100重量部に対して2〜30重量部、より好ましくは
5〜20重量部添加してなるものである。焼き菓子用改
質材の添加量が、小麦粉100重量部に対して2重量部
未満であると、食感が十分に向上しないおそれがある。
焼き菓子用改質材の添加量が、小麦粉100重量部に対
して30重量部を超えると、生地が軟らかくなりすぎる
おそれがある。本発明の焼き菓子の生地の調製方法には
特に制限はなく、小麦粉に対して本発明の焼き菓子用改
質材を添加するほかに、任意の公知の焼き菓子の原料を
配合して調製することができる。例えば、小麦粉100
重量部に対して、本発明の焼き菓子用改質材2〜30重
量部を添加するほか、ショートニング15〜25重量
部、バター5〜15重量部、砂糖20〜40重量部、鶏
卵2〜6重量部、水2〜6重量部、食塩0.5〜1.5重
量部、重曹0.2〜0.8重量部、炭酸アンモニウム0.
2〜0.8重量部などを配合し、さらに所望に応じて、
ココア、バニラエッセンス、ゴマ、ナッツなどを加え、
均一に混練して生地を得ることができる。調製された生
地は、直ちに圧延成型して焼成することができる。焼成
条件には特に制限はないが、通常は150〜250℃に
おいて、7〜15分間焼成することにより、焼き菓子を
得ることができる。本発明の焼き菓子は、生地を長時間
保管することなく、生地調製後に直ちに焼成することが
できるので、工程を合理化して大量生産することができ
る。本発明の焼き菓子は、口溶け性とライト感に優れ、
現代人の嗜好を十分に満足させるものである。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、口溶け性とライト感の評価は、下記の方法により行
った。 (1)口溶け性 男女各5名のパネラーが試食し、次の5段階で官能評価
を行い、その合計点で評価する。満点は、50点であ
る。 5:極めて良好 4:良好 3:普通 2:不良 1:極めて不良 (2)ライト感 男女各5名のパネラーが試食し、次の3段階で官能評価
を行い、その合計点で評価する。満点は、30点であ
る。 3:ライト感が高い。 2:ライト感がある。 1:ライト感がない。 実施例1 ナタネ白絞油100gを60℃に加熱し、乳化剤として
グリセリンモノステアリン酸エステル[理研ビタミン
(株)、エマルジーMS]5gを添加溶解して、油相部を
調製した。別に、水295gに粉末ソルビトール600
gを添加撹拌して70℃に加熱し、30分以上この温度
を維持して殺菌を行い、水相部を調製した。殺菌の終了
した水相部に、油相部を撹拌しながら添加し、乳化液を
均質化機[三和機械(株)]を用いて圧力100kg/cm2
で処理したのち、ポリ容器に充填して10℃に冷却し、
焼き菓子用改質材を得た。薄力粉1,000g、ショー
トニング200g、バター100g、上白糖300g、
全卵40g、水40g、食塩10g、重曹5g、炭酸ア
ンモニウム5g及び上記の焼き菓子用改質材50gを、
シュガーバッター法により配合し、クッキー生地を調製
した。このクッキー生地800gを1個8gに分割して
圧延成型したのち、10KW電気オーブンを用いて220
℃で9分間焼成し、クッキーを得た。このクッキーを、
男女各5名のパネラーが試食評価したところ、口溶け性
は45点であり、ライト感は28点であった。 実施例2 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水295g及び粉末ソルビトール400gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は46点であ
り、ライト感は25点であった。 実施例3 ナタネ白絞油600g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g及びテトラグリセリンモノステアリン酸エステ
ル[坂本薬品工業(株)、SYグリスターMS310]2
0g、水100g及び粉末ソルビトール278gを用い
て実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。この
焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にしてクッ
キーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネラ
ーが試食評価したところ、口溶け性は42点であり、ラ
イト感は26点であった。 実施例4 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水400g及び粉末ソルビトール295gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は45点であ
り、ライト感は27点であった。 実施例5 ナタネ白絞油280g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]20g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は40点で
あり、ライト感は25点であった。 実施例6 ナタネ白絞油250g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]50g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は40点で
あり、ライト感は27点であった。 実施例7 ナタネ白絞油300g、乳化剤として蔗糖パルミチン酸
エステル(HLB=1)[三菱化学フーズ(株)、シュガ
ーエステルP170]5g、水400g及び粉末ソルビ
トール295gを用いて実施例1と同様にして焼き菓子
用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施
例1と同様にしてクッキーを焼成した。このクッキー
を、男女各5名のパネラーが試食評価したところ、口溶
け性は44点であり、ライト感は28点であった。 実施例8 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g及びプロピレングリコールステアリン酸エステ
ル[理研ビタミン(株)、リケマールPS100]5g、
水400g及び粉末ソルビトール293gを用いて実施
例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。この焼き菓
子用改質材を用いて、実施例1と同様にしてクッキーを
焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネラーが試
食評価したところ、口溶け性は42点であり、ライト感
は25点であった。 実施例9 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノベ
ヘン酸エステル[理研ビタミン(株)、ポエムB−10
0]5g、水400g及び粉末ソルビトール295gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は42点であ
り、ライト感は26点であった。 実施例10 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]1g及びグリセリンモノオレイン酸エステル[理研
ビタミン(株)、エマルジーMO]4g、水295g及び
粉末ソルビトール400gを用いて実施例1と同様にし
て焼き菓子用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用
いて、実施例1と同様にしてクッキーを焼成した。この
クッキーを、男女各5名のパネラーが試食評価したとこ
ろ、口溶け性は43点であり、ライト感は25点であっ
た。 実施例11 ナタネ白絞油300g、乳化剤として大豆レシチン[日
清製油(株)、レシチンDX]5g、水295g及び粉末
ソルビトール400gを用いて実施例1と同様にして焼
き菓子用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用い
て、実施例1と同様にしてクッキーを焼成した。このク
ッキーを、男女各5名のパネラーが試食評価したとこ
ろ、口溶け性は35点であり、ライト感は23点であっ
た。 実施例12 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノオ
レイン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
O]5g、水295g及び粉末ソルビトール400gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は37点であ
り、ライト感は25点であった。 実施例13 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g、炭酸アンモニウム5g及び実施例
4で得られた焼き菓子用改質材100gを、シュガーバ
ッター法により配合し、クッキー生地を調製した。この
クッキー生地800gを1個8gに分割して圧延成型し
たのち、10KW電気オーブンを用いて220℃で9分間
焼成し、クッキーを得た。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は45点で
あり、ライト感は27点であった。 実施例14 実施例4で得られた焼き菓子用改質材の添加量を200
gとした以外は、実施例13と同じ操作を繰り返し、ク
ッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネ
ラーが試食評価したところ、口溶け性は46点であり、
ライト感は26点であった。 実施例15 実施例4で得られた焼き菓子用改質材の添加量を300
gとした以外は、実施例13と同じ操作を繰り返し、ク
ッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネ
ラーが試食評価したところ、口溶け性は42点であり、
ライト感は25点であった。 比較例1 ナタネ白絞油50g、乳化剤としてグリセリンモノステ
アリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水400g及び粉末ソルビトール545gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は25点であった。 比較例2 ナタネ白絞油700g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水150g及び粉末ソルビトール195gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は28点であ
り、ライト感は28点であった。 比較例3 ナタネ白絞油150g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g、水200g及び粉末ソルビトール648gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は25点であった。 比較例4 ナタネ白絞油240g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]60g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は25点で
あり、ライト感は18点であった。 比較例5 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]0.5g、水400g及び粉末ソルビトール299.
5gを用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を
得た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様
にしてクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5
名のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は26点
であり、ライト感は19点であった。 比較例6 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g、炭酸アンモニウム5g及び実施例
4で得られた焼き菓子用改質材15gを、シュガーバッ
ター法により配合し、クッキー生地を調製した。このク
ッキー生地800gを1個8gに分割して圧延成型した
のち、10KW電気オーブンを用いて220℃で9分間焼
成し、クッキーを得た。このクッキーを、男女各5名の
パネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は28点であった。 比較例7 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g及び炭酸アンモニウムをシュガーバ
ッター法により配合し、焼き菓子用改質材を添加するこ
となく、クッキー生地を調製した。このクッキー生地8
00gを1個8gに分割して圧延成型したのち、10KW
電気オーブンを用いて220℃で9分間焼成し、クッキ
ーを得た。このクッキーを、男女各5名のパネラーが試
食評価したところ、口溶け性は25点であり、ライト感
は19点であった。実施例1〜12及び比較例1〜5で
調製した焼き菓子用改質材の配合組成を、第1表及び第
2表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、口溶け性とライト感の評価は、下記の方法により行
った。 (1)口溶け性 男女各5名のパネラーが試食し、次の5段階で官能評価
を行い、その合計点で評価する。満点は、50点であ
る。 5:極めて良好 4:良好 3:普通 2:不良 1:極めて不良 (2)ライト感 男女各5名のパネラーが試食し、次の3段階で官能評価
を行い、その合計点で評価する。満点は、30点であ
る。 3:ライト感が高い。 2:ライト感がある。 1:ライト感がない。 実施例1 ナタネ白絞油100gを60℃に加熱し、乳化剤として
グリセリンモノステアリン酸エステル[理研ビタミン
(株)、エマルジーMS]5gを添加溶解して、油相部を
調製した。別に、水295gに粉末ソルビトール600
gを添加撹拌して70℃に加熱し、30分以上この温度
を維持して殺菌を行い、水相部を調製した。殺菌の終了
した水相部に、油相部を撹拌しながら添加し、乳化液を
均質化機[三和機械(株)]を用いて圧力100kg/cm2
で処理したのち、ポリ容器に充填して10℃に冷却し、
焼き菓子用改質材を得た。薄力粉1,000g、ショー
トニング200g、バター100g、上白糖300g、
全卵40g、水40g、食塩10g、重曹5g、炭酸ア
ンモニウム5g及び上記の焼き菓子用改質材50gを、
シュガーバッター法により配合し、クッキー生地を調製
した。このクッキー生地800gを1個8gに分割して
圧延成型したのち、10KW電気オーブンを用いて220
℃で9分間焼成し、クッキーを得た。このクッキーを、
男女各5名のパネラーが試食評価したところ、口溶け性
は45点であり、ライト感は28点であった。 実施例2 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水295g及び粉末ソルビトール400gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は46点であ
り、ライト感は25点であった。 実施例3 ナタネ白絞油600g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g及びテトラグリセリンモノステアリン酸エステ
ル[坂本薬品工業(株)、SYグリスターMS310]2
0g、水100g及び粉末ソルビトール278gを用い
て実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。この
焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にしてクッ
キーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネラ
ーが試食評価したところ、口溶け性は42点であり、ラ
イト感は26点であった。 実施例4 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水400g及び粉末ソルビトール295gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は45点であ
り、ライト感は27点であった。 実施例5 ナタネ白絞油280g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]20g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は40点で
あり、ライト感は25点であった。 実施例6 ナタネ白絞油250g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]50g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は40点で
あり、ライト感は27点であった。 実施例7 ナタネ白絞油300g、乳化剤として蔗糖パルミチン酸
エステル(HLB=1)[三菱化学フーズ(株)、シュガ
ーエステルP170]5g、水400g及び粉末ソルビ
トール295gを用いて実施例1と同様にして焼き菓子
用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施
例1と同様にしてクッキーを焼成した。このクッキー
を、男女各5名のパネラーが試食評価したところ、口溶
け性は44点であり、ライト感は28点であった。 実施例8 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g及びプロピレングリコールステアリン酸エステ
ル[理研ビタミン(株)、リケマールPS100]5g、
水400g及び粉末ソルビトール293gを用いて実施
例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。この焼き菓
子用改質材を用いて、実施例1と同様にしてクッキーを
焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネラーが試
食評価したところ、口溶け性は42点であり、ライト感
は25点であった。 実施例9 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノベ
ヘン酸エステル[理研ビタミン(株)、ポエムB−10
0]5g、水400g及び粉末ソルビトール295gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は42点であ
り、ライト感は26点であった。 実施例10 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]1g及びグリセリンモノオレイン酸エステル[理研
ビタミン(株)、エマルジーMO]4g、水295g及び
粉末ソルビトール400gを用いて実施例1と同様にし
て焼き菓子用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用
いて、実施例1と同様にしてクッキーを焼成した。この
クッキーを、男女各5名のパネラーが試食評価したとこ
ろ、口溶け性は43点であり、ライト感は25点であっ
た。 実施例11 ナタネ白絞油300g、乳化剤として大豆レシチン[日
清製油(株)、レシチンDX]5g、水295g及び粉末
ソルビトール400gを用いて実施例1と同様にして焼
き菓子用改質材を得た。この焼き菓子用改質材を用い
て、実施例1と同様にしてクッキーを焼成した。このク
ッキーを、男女各5名のパネラーが試食評価したとこ
ろ、口溶け性は35点であり、ライト感は23点であっ
た。 実施例12 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノオ
レイン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
O]5g、水295g及び粉末ソルビトール400gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は37点であ
り、ライト感は25点であった。 実施例13 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g、炭酸アンモニウム5g及び実施例
4で得られた焼き菓子用改質材100gを、シュガーバ
ッター法により配合し、クッキー生地を調製した。この
クッキー生地800gを1個8gに分割して圧延成型し
たのち、10KW電気オーブンを用いて220℃で9分間
焼成し、クッキーを得た。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は45点で
あり、ライト感は27点であった。 実施例14 実施例4で得られた焼き菓子用改質材の添加量を200
gとした以外は、実施例13と同じ操作を繰り返し、ク
ッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネ
ラーが試食評価したところ、口溶け性は46点であり、
ライト感は26点であった。 実施例15 実施例4で得られた焼き菓子用改質材の添加量を300
gとした以外は、実施例13と同じ操作を繰り返し、ク
ッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパネ
ラーが試食評価したところ、口溶け性は42点であり、
ライト感は25点であった。 比較例1 ナタネ白絞油50g、乳化剤としてグリセリンモノステ
アリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水400g及び粉末ソルビトール545gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は25点であった。 比較例2 ナタネ白絞油700g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]5g、水150g及び粉末ソルビトール195gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は28点であ
り、ライト感は28点であった。 比較例3 ナタネ白絞油150g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]2g、水200g及び粉末ソルビトール648gを
用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得た。
この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様にして
クッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名のパ
ネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は25点であった。 比較例4 ナタネ白絞油240g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]60g、水400g及び粉末ソルビトール300g
を用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を得
た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様に
してクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5名
のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は25点で
あり、ライト感は18点であった。 比較例5 ナタネ白絞油300g、乳化剤としてグリセリンモノス
テアリン酸エステル[理研ビタミン(株)、エマルジーM
S]0.5g、水400g及び粉末ソルビトール299.
5gを用いて実施例1と同様にして焼き菓子用改質材を
得た。この焼き菓子用改質材を用いて、実施例1と同様
にしてクッキーを焼成した。このクッキーを、男女各5
名のパネラーが試食評価したところ、口溶け性は26点
であり、ライト感は19点であった。 比較例6 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g、炭酸アンモニウム5g及び実施例
4で得られた焼き菓子用改質材15gを、シュガーバッ
ター法により配合し、クッキー生地を調製した。このク
ッキー生地800gを1個8gに分割して圧延成型した
のち、10KW電気オーブンを用いて220℃で9分間焼
成し、クッキーを得た。このクッキーを、男女各5名の
パネラーが試食評価したところ、口溶け性は30点であ
り、ライト感は28点であった。 比較例7 薄力粉1,000g、ショートニング200g、バター
100g、上白糖300g、全卵40g、水40g、食
塩10g、重曹5g及び炭酸アンモニウムをシュガーバ
ッター法により配合し、焼き菓子用改質材を添加するこ
となく、クッキー生地を調製した。このクッキー生地8
00gを1個8gに分割して圧延成型したのち、10KW
電気オーブンを用いて220℃で9分間焼成し、クッキ
ーを得た。このクッキーを、男女各5名のパネラーが試
食評価したところ、口溶け性は25点であり、ライト感
は19点であった。実施例1〜12及び比較例1〜5で
調製した焼き菓子用改質材の配合組成を、第1表及び第
2表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】[注] グリセリンモノステアリン酸エステル:理研ビタミン
(株)、エマルジーMS。 蔗糖パルミチン酸エステル:三菱化学フーズ(株)、シュ
ガーエステルP170。 テトラグリセリンモノステアリン酸エステル:坂本薬品
工業(株)、SYグリスターMS310。 プロピレングリコールステアリン酸エステル:理研ビタ
ミン(株)、リケマールPS100。 グリセリンモノベヘン酸エステル:理研ビタミン(株)、
ポエムB−100。 大豆レシチン:日清製油(株)、レシチンDX。 グリセリンモノオレイン酸エステル:理研ビタミン
(株)、エマルジーMO。
(株)、エマルジーMS。 蔗糖パルミチン酸エステル:三菱化学フーズ(株)、シュ
ガーエステルP170。 テトラグリセリンモノステアリン酸エステル:坂本薬品
工業(株)、SYグリスターMS310。 プロピレングリコールステアリン酸エステル:理研ビタ
ミン(株)、リケマールPS100。 グリセリンモノベヘン酸エステル:理研ビタミン(株)、
ポエムB−100。 大豆レシチン:日清製油(株)、レシチンDX。 グリセリンモノオレイン酸エステル:理研ビタミン
(株)、エマルジーMO。
【0013】
【表3】
【0014】[注] グリセリンモノステアリン酸エステル:理研ビタミン
(株)、エマルジーMS。 実施例1〜15及び比較例1〜7における小麦粉100
重量部に対する焼き菓子用改質材の添加量及び口溶け性
とライト感の評価結果を第3表に示す。
(株)、エマルジーMS。 実施例1〜15及び比較例1〜7における小麦粉100
重量部に対する焼き菓子用改質材の添加量及び口溶け性
とライト感の評価結果を第3表に示す。
【0015】
【表4】
【0016】第3表の結果から、食用油脂10〜65重
量%、糖質20〜60重量%、水分10〜40重量%、
乳化剤0.1〜5重量%を水中油型に乳化してなる本発
明の焼き菓子用改質材を、小麦粉100重量部に対して
2〜30重量部添加して調製したクッキー生地から焼成
した実施例1〜15のクッキーは、口溶け性、ライト感
ともに良好で、食感に優れることが分かる。特に、乳化
剤の全部又は主成分が、グリセリンモノステアリン酸エ
ステル、蔗糖パルミチン酸エステル、テトラグリセリン
モノステアリン酸エステル又はプロピレングリコールス
テアリン酸エステルである実施例1〜10及び実施例1
3〜15のクッキーは、乳化剤の全部又は主成分が大豆
レシチン又はグリセリンモノオレイン酸エステルである
実施例11〜12のクッキーよりも、食感に優れてい
る。これに対して、食用油脂の量が少ない焼き菓子用改
質材を用いた比較例1、糖質の量が少なく食用油脂の量
が多すぎる焼き菓子用改質材を用いた比較例2及び糖質
の量が多すぎる焼き菓子用改質材を用いた比較例3のク
ッキーは、ライト感は良好であるものの口溶け性が劣っ
ている。また、乳化剤の量が多すぎる焼き菓子用改質材
を用いた比較例4、乳化剤の量が少ない焼き菓子用改質
材を用いた比較例5及び焼き菓子用改質材を添加しない
比較例7のクッキーは、口溶け性、ライト感ともに不良
である。本発明の焼き菓子用改質材を添加しても、その
添加量が少ない比較例6のクッキーは、口溶け性、ライ
ト感ともにやや劣っている。
量%、糖質20〜60重量%、水分10〜40重量%、
乳化剤0.1〜5重量%を水中油型に乳化してなる本発
明の焼き菓子用改質材を、小麦粉100重量部に対して
2〜30重量部添加して調製したクッキー生地から焼成
した実施例1〜15のクッキーは、口溶け性、ライト感
ともに良好で、食感に優れることが分かる。特に、乳化
剤の全部又は主成分が、グリセリンモノステアリン酸エ
ステル、蔗糖パルミチン酸エステル、テトラグリセリン
モノステアリン酸エステル又はプロピレングリコールス
テアリン酸エステルである実施例1〜10及び実施例1
3〜15のクッキーは、乳化剤の全部又は主成分が大豆
レシチン又はグリセリンモノオレイン酸エステルである
実施例11〜12のクッキーよりも、食感に優れてい
る。これに対して、食用油脂の量が少ない焼き菓子用改
質材を用いた比較例1、糖質の量が少なく食用油脂の量
が多すぎる焼き菓子用改質材を用いた比較例2及び糖質
の量が多すぎる焼き菓子用改質材を用いた比較例3のク
ッキーは、ライト感は良好であるものの口溶け性が劣っ
ている。また、乳化剤の量が多すぎる焼き菓子用改質材
を用いた比較例4、乳化剤の量が少ない焼き菓子用改質
材を用いた比較例5及び焼き菓子用改質材を添加しない
比較例7のクッキーは、口溶け性、ライト感ともに不良
である。本発明の焼き菓子用改質材を添加しても、その
添加量が少ない比較例6のクッキーは、口溶け性、ライ
ト感ともにやや劣っている。
【0017】
【発明の効果】本発明の焼き菓子用改質材は、従来技術
ではなし得なかったクッキーなどの焼き菓子の食感改良
に対し高い効果を示す。本発明の焼き菓子は、製造設備
的な制約を受けることなく大量生産が可能であり、現代
人の嗜好にマッチした口溶け性とライト感を有する。
ではなし得なかったクッキーなどの焼き菓子の食感改良
に対し高い効果を示す。本発明の焼き菓子は、製造設備
的な制約を受けることなく大量生産が可能であり、現代
人の嗜好にマッチした口溶け性とライト感を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】食用油脂10〜65重量%、糖質20〜6
0重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5
重量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質材。 - 【請求項2】乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル及び
プロピレングリコール脂肪酸エステルより選ばれる1種
又は2種以上からなり、かつ構成脂肪酸が、炭素数14
〜22の飽和脂肪酸を50重量%以上有するものである
請求項1記載の焼き菓子用改質材。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の焼き菓子用改
質材の添加量が、小麦粉100重量部に対して、2〜3
0重量部であることを特徴とする焼き菓子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154546A JPH10327738A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 焼き菓子用改質材及び焼き菓子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154546A JPH10327738A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 焼き菓子用改質材及び焼き菓子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10327738A true JPH10327738A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15586624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9154546A Pending JPH10327738A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 焼き菓子用改質材及び焼き菓子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10327738A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004298013A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-28 | Council Scient Ind Res | シコクビエビスケットとその製造方法 |
WO2006054802A1 (ja) * | 2004-11-22 | 2006-05-26 | Kao Corporation | 焼き菓子類 |
WO2013031636A1 (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-07 | 株式会社明治 | 咀嚼強化食品 |
KR20160054364A (ko) | 2014-11-06 | 2016-05-16 | 롯데제과주식회사 | 촉촉한 식감의 쿠키 제조용 조성물과 이를 이용한 쿠키의 제조방법 |
JP2019170286A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 不二製油株式会社 | ハード系焼菓子用水中油型乳化物及びそれを用いたハード系焼菓子およびその製造法 |
-
1997
- 1997-05-28 JP JP9154546A patent/JPH10327738A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004298013A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-28 | Council Scient Ind Res | シコクビエビスケットとその製造方法 |
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CN103763945A (zh) * | 2011-09-01 | 2014-04-30 | 株式会社明治 | 咀嚼强化食品 |
EP2752121A1 (en) * | 2011-09-01 | 2014-07-09 | Meiji Co., Ltd. | Chewing-enhanced food |
JPWO2013031636A1 (ja) * | 2011-09-01 | 2015-03-23 | 株式会社明治 | 咀嚼強化食品 |
EP2752121A4 (en) * | 2011-09-01 | 2015-04-15 | Meiji Co Ltd | ENHANCED FOOD FOR MASTICATION |
KR20160054364A (ko) | 2014-11-06 | 2016-05-16 | 롯데제과주식회사 | 촉촉한 식감의 쿠키 제조용 조성물과 이를 이용한 쿠키의 제조방법 |
JP2019170286A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 不二製油株式会社 | ハード系焼菓子用水中油型乳化物及びそれを用いたハード系焼菓子およびその製造法 |
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