JPH08242766A - 乳化油脂組成物及びシューケース並びにその製造方法 - Google Patents

乳化油脂組成物及びシューケース並びにその製造方法

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JPH08242766A
JPH08242766A JP7055844A JP5584495A JPH08242766A JP H08242766 A JPH08242766 A JP H08242766A JP 7055844 A JP7055844 A JP 7055844A JP 5584495 A JP5584495 A JP 5584495A JP H08242766 A JPH08242766 A JP H08242766A
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fat composition
weight
oil
shoe
acid
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Kazuhiro Onozuka
和洋 小野塚
Kesatoshi Suzuki
今朝利 鈴木
Shinichi Ogiwara
信一 荻原
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洋菓子、パン類等の小麦粉焼成食品の配合原
料して好適であり、特に少量の卵量でも、従来法により
得られるシューケースよりもボリュームが大きく、且つ
食感や風味の良好なシューケースが得られる、シュー用
として好適に用いられる乳化油脂組成物を提供する。 【構成】 乳化油脂組成物中にタマリンドガム及び有機
酸モノグリセリドを併用配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洋菓子、パン類等の小
麦粉焼成食品の配合原料として好適に用いられる乳化油
脂組成物に関する。更に詳しくは、少量の卵量でも、従
来法により得られるシューケース(「シュー皮」ともい
う。以下、同じ)よりもボリュームが大きく、且つ食感
や風味の良好なシューケースが得られる、特にシュー用
として好適に用いられる乳化油脂組成物、並びに該シュ
ー用乳化油脂組成物を含有するシューケース及び該シュ
ーケースの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】油脂類
は、洋菓子(ケーキ等)、焼き菓子(クッキー、ビスケ
ット等)、パン類(各種パン、ペストリー等)等の小麦
粉焼成食品の配合原料として欠かせないものであり、こ
の油脂類による小麦粉焼成食品の品質の改善が図られて
いる。例えば、シューケースを例にとり説明すると、シ
ューケースは、水と油脂類を沸騰させた後、小麦粉を加
え糊状になるまで練り上げ、次に卵を加えて適度な硬さ
に調製して得られる生地を、天板に絞ってオーブンに入
れて焼成することにより製造される。この際、適量の水
と熱とによって小麦粉中の澱粉の糊化を十分に行って、
急速にグルテンの粘性を引き出し、また、卵を添加する
に際しては、熱による凝固を防ぎながら分散・混合する
必要と同時に、小麦のグルテンを引き出しながら種を軟
化させてペースト状にする手加減が必須となる。この様
な工程を充分に実施して初めて釜入れ後に正常な膨脹と
凝固が得られ、空洞をもったシューケースが得られるの
であるが、適度なボリュームを得るには多量の卵が必要
である。しかし、多量の卵を添加すると、卵臭くなり、
風味が損なわれる。このように、従来法においては卵量
によってシューケースのボリュームが決定されるため、
風味とボリュームや食感との両立ができないのが現状で
ある。従って、本発明の目的は、洋菓子、パン類等の小
麦粉焼成食品の食感等の性質を改善することが可能であ
り、特に少量の卵でも、従来法により得られるシューケ
ースよりもボリュームが大きく、且つ食感や風味の良好
なシューケースが得られるシュー用乳化油脂組成物、及
び該シュー用乳化油脂組成物を含有するシューケース、
並びに該シューケースの製造方法を提供することにあ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、有機酸モノグリセリド
がシューケースのボリュームと食感(口溶け・ソフト
さ)を向上させること、そしてこの有機酸モノグリセリ
ドのシューケースに対する効果は有機酸モノグリセリド
と水との液晶(ニート相)の効果であることを見出し、
特許出願するに至った(特願平5−264520号)。
すなわち、シューケース製造工程中の小麦粉の糊化にお
いて、小麦粉中の澱粉が有機酸モノグリセリドの液晶
(ニート相)の作用により糊化抑制をうけて生地粘度の
低下がおこり、これにより吸卵量の低減・焼成中のベー
パーアクションに有利に働き、シューのボリューム増大
・シューケースの薄さ・内相に巣がない、口溶けが良い
等や澱粉と有機酸モノグリセリドの液晶とのコンプレッ
クス能による低温保存での食感の変化がすくない優れた
シューケースが得られることを見出した。しかし、その
後の検討によれば、有機酸モノグリセリドのニート相は
40℃以下で極めて不安定であり、短時間で結晶化し、シ
ューのボリューム等の効果が低下することが判明した。
そこで、更に、本発明者らは、有機酸モノグリセリドの
液晶の安定化について鋭意研究した結果、特定量のジグ
リセリドを含有する油脂組成物が有機酸モノグリセリド
の液晶の安定化に極めて有効であることを見出した。一
方、今回、焼成中のベーパーアクションにおけるシュー
生地の物性についても鋭意研究した結果、主鎖にグルコ
ース側鎖にキシロース、ガラクトースを持ちキシログル
カンの構造を持つ多糖類のタマリンドガムが、シューケ
ースの色相の改善の効果と、糖成分の保湿効果によるシ
ューケースのしっとり感の向上という効果を有すること
を見出した。そこで、本発明者らは、上記の有機酸モノ
グリセリドの液晶の効果と合わせ、タマリンドガムの効
果により更に優れた乳化油脂組成物が得られることを見
出し、本発明を完成した。即ち本発明は、タマリンドガ
ム及び有機酸モノグリセリドを含有することを特徴とす
る乳化油脂組成物を提供するものである。また、本発明
は、上記シュー用乳化油脂組成物を含有することを特徴
とするシューケースを提供するものであり、更に、シュ
ーケース生地の製造時、シューケース生地原料に、上記
シュー用乳化油脂組成物を添加混合し、その後シューケ
ース生地を焼成することを特徴とするシューケースの製
造方法をも提供するものである。
【0004】以下、先ず本発明のシュー用乳化油脂組成
物について詳述する。本発明のシュー用乳化油脂組成物
に含まれる有機酸モノグリセリド(グリセリン有機酸脂
肪酸モノエステル)は、グリセリン脂肪酸モノエステル
の3位の−OH基を有機酸でモノエステル化した化合物で
ある。有機酸モノグリセリドを構成する脂肪酸として
は、炭素数14〜22の飽和脂肪酸が好ましい。この炭素数
14〜22の飽和脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、ベヘン酸
が挙げられる。これらの飽和脂肪酸は1種で構成されて
いても良いし、2種以上が混合されて構成されていても
良い。また、上記有機酸モノグリセリドを構成する有機
酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低級脂
肪酸で構成されるモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸
等の脂肪族飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族不飽和ジカルボン酸;乳酸、リンゴ酸、酒石
酸、ジアセチル酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン;
及びグリシン、アスパラギン酸等のアミノ酸等のアミノ
酸を挙げることができる。この有機酸としては、炭素数
10以下(更に好ましくは炭素数4〜8)のものが好まし
い。具体的には、クエン酸、コハク酸、酒石酸、及びジ
アセチル酒石酸が好ましく、特に、クエン酸、コハク酸
が好ましい。尚、市販の有機酸モノグリセリドは未反応
の有機酸やグリセリン脂肪酸モノエステル等を一部に含
むが、本発明に使用しても差し支えない。本発明のシュ
ー用乳化油脂組成物中の上記有機酸モノグリセリドの含
有量は、0.05〜20重量%、好ましくは 0.1〜5重量%で
ある。上記含有量が0.05重量%未満であると、澱粉の糊
化抑制効果が不十分になり、十分なボリュームがでず、
また、20重量%を超えると、澱粉の糊化抑制効果が大き
すぎて吸卵量が減少し、十分安定なシューケース生地が
得られない。また、本発明のシュー用乳化油脂組成物に
含まれるタマリンドガムは単独もしくは以下に示す多糖
類や蛋白質及び天然高分子誘導体との組み合わせでも効
果にはなんら変わらない。例えば多糖類である寒天、カ
ラギーナン、ファーセレラン、アルギン酸とその塩、ロ
ーカストビーンガム、グアーガム、タラガム、アラビア
ガム、カラヤガム、トラガントガム、ペクチン、キサン
タンガム、プルラン、デキストラン、蛋白質としてゼラ
チン、カゼイン、天然高分子誘導体としてセルロース誘
導体(CMCなど)、加工澱粉が挙げられる。本発明の
シュー用乳化油脂組成物中の上記タマリンドガムの含有
量は0.05〜20重量%、好ましくは 0.5〜10重量%であ
る。上記含有量が0.05重量%未満であると、シュー生地
の伸展性が悪く、タマリンドの効果が小さく、また20重
量%を超えると、シューケース生地の粘度が上昇しすぎ
て生地の伸展性が悪くなりオーブン中での膨化が抑制さ
れ、小さなシューケースになってしまうので、好ましく
ない。
【0005】また、本発明のシュー用乳化油脂組成物に
含まれるジグリセリドとは、グリセリンと脂肪酸とのジ
エステルである。グリセリンに結合する脂肪酸の結合部
位はα, β−位のいずれでも良く、α−、α’−位に脂
肪酸が、又はα−、β−位に不飽和脂肪酸が結合しても
良い。また、ジグリセリドを構成する脂肪酸には、不飽
和脂肪酸と飽和脂肪酸が混在していても良いが、好まし
くはジグリセリド全脂肪酸残基に対して不飽和脂肪酸残
基が60重量%以上のものである。但し、飽和ジグリセリ
ドは全ジグリセリドに対して好ましくは20重量%未満、
より好ましくは10重量%以下である。またジグリセリド
の全脂肪酸残基に対して炭素数16〜22の鎖長を有する不
飽和脂肪酸が60重量%以上であることが好ましい。この
ようなジグリセリドを構成する不飽和脂肪酸としては炭
素数14〜22の不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン
酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。本発明の
シュー用乳化油脂組成物中の上記ジグリセリドの含有量
は、0.20〜35重量%、好ましくは1〜10重量%である。
上記含有量が0.20重量%未満であると、有機酸モノグリ
セリドの液晶(ニート相)の安定効果が小さく、有機酸
モノグリセリドの機能が十分に発揮されず、また35重量
%を超えると、シューケース生地の粘度が低下し、生地
安定性が不十分になり、オーブン中での膨化が抑制さ
れ、小さなシューケースになってしまうので、好ましく
ない。本発明のシュー用乳化油脂組成物は、上記有機酸
モノグリセリド及び上記ジグリセリドを、上記の含有量
の範囲内で、両者の重量比が有機酸モノグリセリド:ジ
グリセリド=1:0.01〜1:700 の割合、より好ましく
は1:3〜1:25の割合、更に好ましくは1:3〜1:
6の割合で含有していることが好ましい。
【0006】本発明のシュー用乳化油脂組成物に含まれ
るタマリンドガムは化学的にはキシグルカンと呼ばれ、
主鎖がグルコースのβ−1,4 結合から成り、キシロー
ス、ガラクトースを側鎖に持つ、水溶性の多糖類であ
る。一般的なタマリンドガムの分子構造は以下の通りで
ある。
【0007】
【化1】
【0008】分子量は各種の方法で測定されているが、
約5万〜65万の範囲に入っている。
【0009】本発明のシュー用乳化油脂組成物の残部
は、主として水及び油脂である。該油脂としては、特に
制限されるものではなく、例えば、大豆油、菜種油、ヒ
マワリ油、オリーブ油、サフラワー油、カポック油、パ
ーム油、コーン油、綿実油、やし油、パーム核油等の植
物油脂類;牛脂、ラード、魚油、鯨油、乳脂等の動物油
脂類を挙げることができる。また、これらを水添加処理
したもの、及びエステル交換したものも使用できる。こ
れらの油脂は単独で、また混合して使用することができ
る。上記油脂の含有量は、本発明のシュー用乳化油脂組
成物中に好ましくは20〜95重量%、より好ましくは50〜
85重量%である。また、水の含有量は、本発明のシュー
用乳化油脂組成物中に好ましくは10〜99.7重量%、より
好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは10〜40重量%
である。また、本発明のシュー用乳化油脂組成物には、
カゼインナトリウム、食塩、クエン酸ナトリウム等のシ
ューケース生地原料の一部を適宜添加することもでき
る。本発明のシュー用乳化油脂組成物の形態としては、
特に制限されず、油中水型、水中油型、更に二重乳化型
にしても良く、いずれの形態にしても何らシューケース
のボリューム増大及び食感向上の機能性は損なわれな
い。本発明のシュー用乳化油脂組成物は、シューの種類
によっても異なるが、通常、シューケース生地原料の小
麦粉に対して、好ましくは30〜300 重量%(対粉)、よ
り好ましくは50〜250 重量%(対粉)用いると良い。
【0010】次に、本発明の前記シュー用乳化油脂組成
物を含有する本発明のシューケース及びその製造方法に
ついて説明する。本発明のシューケースは、シューケー
ス生地の調製時、シューケース生地原料に本発明の前記
シュー用乳化油脂組成物を添加混合し、得られる生地を
焼成することにより製造される。本発明の前記シュー用
乳化油脂組成物の添加量は前記の通りであり、また、本
発明の前記シュー用乳化油脂組成物が添加混合されるシ
ューケース生地原料としては、通常用いられているもの
が使用でき、例えば、小麦粉、卵、油脂類、水等の他
に、カゼインナトリウム、カラギーナン、食塩、クエン
酸ナトリウム、脱脂粉乳、膨脹剤、乳化剤、澱粉、α化
澱粉、各種フレーバー、小麦蛋白、大豆蛋白等の植物性
蛋白質、全乳、乳製品(含バター)、カルボキシメチル
セルロース、キサンタンガム等の増粘剤、マーガリン、
ショートニング等が適宜適用される。また、生地の調製
及び焼成は常法により行えば良い。また、本発明の前記
シュー用乳化油脂組成物の添加時期は、シューケース生
地の調製工程における水と油脂類との混合時が好まし
い。
【0011】このようにして得られる本発明のシューケ
ースは、次のような優れた特徴を有しているものであ
る。 (1)容積(ボリューム)が大きく且つ厚さが薄い。そ
のため、口溶けが良好である。また、オーブン内での焼
成直後の容積に対するオーブンから出した時点での容積
減少率が少ない。 (2)内相に巣がない。そのため、シューケース中に注
入するクリームの量を増大でき、また外観が良好であ
る。 (3)吸卵量を少なくできる。そのため、シューケース
の風味上の欠点である卵臭さが無くなり、風味があっさ
りとして良好である。 (4)冷蔵庫で保存しても食感の変化が少ない。そのた
め、チルド輸送やショーケース中での食感の変化が少な
い、製造直後の食感を長時間維持できる。 (5)シューケースがしっとりとした食感と艶のある色
相に改善され、商品価値の向上に寄与する。
【0012】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更
に具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例に
限定されるものではない。 実施例1 (乳化油脂組成物1の調製)魚油30重量%、ラード30重
量%及びグリセリンオレイン酸ジエステル10重量%を加
熱融解し、これにグリセリンコハク酸脂肪酸モノエステ
ル(商品名;ステップSS、花王(株)製)3重量%を
添加し、加熱融解して油相液を得た。次にカゼインナト
リウム4重量%、タマリンドガム1重量%、食塩1重量
%及びクエン酸ナトリウム1重量%を水20重量%に添加
分散し、これを加熱し、水性液を得た。攪拌しながら上
記油性液に上記水性液を加えて乳化混合し、グリセリン
コハク酸脂肪酸モノエステルが液晶状態にある油中水型
油脂組成物(乳化油脂組成物1)を得た。
【0013】実施例2 (乳化油脂組成物2の調製)魚油30重量%、ラード30重
量%及びグリセリンオレイン酸ジエステル10重量%を加
熱融解し、これにグリセリンクエン酸脂肪酸モノエステ
ル(商品名;アシダンLC、グリンステッド(株)製)
3重量%を添加し、加熱融解して油相液を得た。次にカ
ゼインナトリウム4重量%、タマリンドガム1重量%、
食塩1重量%及びクエン酸ナトリウム1重量%を水20重
量%に添加分散し、これを加熱し、水溶液を得た。攪拌
しながら上記油性液に上記水性液を加えて乳化混合し、
グリセリンクエン酸脂肪酸モノエステルが液晶状態にあ
る油中水型油脂組成物(乳化油脂組成物2)を得た。
【0014】実施例3 (乳化油脂組成物3の調製)魚油30重量%、ラード30重
量%及びグリセリンオレイン酸ジエステル10重量%を加
熱融解し、これにグリセリンコハク酸脂肪酸モノエステ
ル(商品名;ステップSS、花王(株)製)3重量%を
添加し、加熱融解して油相液を得た。次にカゼインナト
リウム4重量%、タマリンドガム 0.5重量%、カラギー
ナン0.5 重量%、食塩1重量%及びクエン酸ナトリウム
1重量%を水20重量%に添加分散し、これを加熱し、水
溶液を得た。攪拌しながら上記油性液に上記水性液を加
えて乳化混合し、グリセリンコハク酸脂肪酸モノエステ
ルが液晶状態にある油中水型油脂組成物(乳化油脂組成
物3)を得た。
【0015】実施例4 (乳化油脂組成物4の調製)魚油35重量%及びラード35
重量%を加熱融解し、これにグリセリンクエン酸脂肪酸
モノエステル(商品名;アシダンLC、グリンステッド
(株)製)3重量%を添加し、加熱融解して油相液を得
た。次にカゼインナトリウム4重量%、タマリンドガム
1重量%、食塩1重量%及びクエン酸ナトリウム1重量
%を水20重量%に添加分散し、これを加熱し、水性液を
得た。攪拌しながら上記油性液に上記水性液を加えて乳
化混合し、グリセリンクエン酸脂肪酸モノエステルが液
晶状態にある油中水型油脂組成物(乳化油脂組成物4)
を得た。
【0016】比較例1 (乳化油脂組成物C1の調製)魚油35重量%及びラード
35重量%を加熱融解し、これにグリセリンコハク酸脂肪
酸モノエステル(商品名;ステップSS、花王(株)
製)3重量%を添加し、加熱融解して油相液を得た。次
にカゼインナトリウム4重量%、タマリンドガム1重量
%、食塩1重量%及びクエン酸ナトリウム1重量%を水
20重量%に添加分散し、これを加熱し、水性液を得た。
攪拌しながら上記油性液に上記水性液を加えて乳化混合
し、比較用の油中水型油脂組成物(乳化油脂組成物C
1)を得た。
【0017】比較例2 (乳化油脂組成物C2の調製)魚油35重量%及びラード
38重量%を加熱融解して油相液を得た。次にカゼインナ
トリウム4重量%、タマリンドガム1重量%、食塩1重
量%及びクエン酸ナトリウム1重量%を水20重量%に添
加分散し、これを加熱し、水性液を得た。攪拌しながら
上記油相液に上記水性液を加えて乳化混合し、比較用の
油中水型油脂組成物(乳化油脂組成物C2)を得た。
【0018】比較例3 (乳化油脂組成物C3の調製)魚油30重量%、ラード31
重量%及びグリセリンオレイン酸ジエステル10重量%を
加熱融解し、これにグリセリンコハク酸脂肪酸モノエス
テル(商品名;ステップSS、花王(株)製)3重量%
を添加し、加熱融解して油相液を得た。次にカゼインナ
トリウム4重量%、食塩1重量%及びクエン酸ナトリウ
ム1重量%を水20重量%に添加分散し、これを加熱し、
水性液を得た。攪拌しながら上記油性液に上記水性液を
加えて乳化混合し、比較用の油中水型油脂組成物(乳化
油脂組成物C3)を得た。
【0019】上記の実施例1〜4及び比較例1〜3で調
製した各乳化油脂組成物の組成を表1にまとめて示し
た。尚、表1において、「コハク酸MG」はグリセリン
コハク酸脂肪酸モノエステルを表し、「クエン酸MG」
はグリセリンクエン酸脂肪酸モノエステルを表す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例5〜8及び比較例4〜6 (シューケースの製造)上記の実施例1〜4及び比較例
1〜3の各乳化油脂組成物(乳化油脂組成物1〜4及び
C1〜C3)を使用して、表2に示す配合に従い下記
(シューケースの作り方)によりシューケースをそれぞ
れ製造した。
【0022】
【表2】
【0023】(作り方)60コートの縦型ミキサーのミキ
サーボールに水及び乳化油脂組成物を入れ、ボールの底
をガスバーナーで加熱し、水と乳化油脂組成物の混合物
を沸騰状態まで加熱した。加熱を止め、ミキサーボール
の中に強力小麦粉及び薄力小麦粉を入れ、ミキサーの回
転を中速に設定して2分間混合した。次いで、全卵170
重量部を4回に分け、低速回転で5分間混ぜながら混合
した。その後更に2分間中速で混合した。次いで、重炭
酸アンモニウム及び重炭酸ナトリウムを添加した後、中
速回転を続けながら、更に全卵を加え、シュー生地の硬
さを最適状態に調節した。更に高速回転を10分間続けて
シュー生地を調節した。この時のシューケース生地の温
度は45℃であった。このシューケース生地をデボジッタ
ーで25gずつ、天板上に自動的に絞り出した。ガス加熱
方式のバンドオーブン(全長20m)を用い、温度が入口
の上火200℃、下火260 ℃、中間部の上火210 ℃、下火2
20 ℃、出口の上火230 ℃、下火280 ℃で且つ焼成時間1
8分間の条件下で連続的に上記シューケース生地を焼成
した。得られたシューケースを天板よりはがし、1昼夜
室温で保存した。上記のようにして得られた各シューケ
ース(1昼夜室温保存後のシューケース)について、ボ
リューム、食感(口溶け、サクミ感、ソフトさ、しっと
り感)、風味、外観(形状、色相)及び内相(巣)を下
記の方法によりそれぞれ評価した。また、これらの評価
を基にシューケースを総合評価した。それらの結果をま
とめて表3に示す。
【0024】〔評価方法〕 ボリュームの評価 ボリュームは、菜種置換法で測定した。ボールに菜種を
縁までいっぱいに入れる。次に、菜種をボールから空
け、これにシューケースを入れ、更に上記の菜種を入れ
る。あふれた菜種の体積をシューケースの体積とする。 食感(口溶け、サクミ、ソフトさ、しっとり感)の評
価 食感(口溶け、サクミ、ソフトさ、しっとり感)の評価
は10名のパネラーによる官能評価で行った。評価結果
は、食感(口溶け、サクミ、ソフトさ、しっとり感)が
良好であると認めたパネラーの人数により、下記評価基
準で表示した。 A:10名のパネラー中、8名以上が認めた。 B:10名のパネラー中、5〜7名以上が認めた。 C:10名のパネラー中、3〜4名以上が認めた。 D:10名のパネラー中、0〜2名が認めた。 風味及び外観(形状、色相)の評価 上記の食感の評価と同様に、10名のパネラーによる官能
評価で行った。評価基準は、上記の食感における場合と
同じである。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明のシュー用乳化油脂組成物を使用
することにより、少量の卵量でも、従来法により得られ
るシューケースよりもボリュームが大きく、且つ食感や
風味の良好なシューケースが得られる。即ち、本発明の
シュー用油脂組成物を使用することにより、次のような
効果が奏される。 (1)シューケースの内相に巣ができない。そのため、
シューケース中に注入するクリームの量を増大でき、ま
たシューケースの外観が良好となる。 (2)シューケースがしっとりとした食感と艶のある色
相に改善され、商品価値の向上に寄与する。 (3)更にジグリセリドの併用により、シューケースの
容積(ボリューム)が大きく且つ厚さが薄くなる。その
ため、シューケースの口溶けも向上する。また、オーブ
ン内での焼成直後の容積に対するオーブンから出した時
点での容積の減少率が少なくなる。 (4)吸卵量を少なくできる。そのため、シューケース
の風味上の欠点である卵臭さが無くなり、あっさりとし
た風味となる。また、吸卵量の減少から、製造コストの
低減に寄与できる。 (5)シューケースを冷蔵庫で保存しても食感の変化が
少ない。そのため、チルド輸送やシューケース中の食感
の変化が少なく、製造直後の食感を長時間維持できる。
更に、本発明の乳化油脂組成物によれば、洋菓子(ケー
キ等)、焼き菓子(クッキー、ビスケット等)等の小麦
粉焼成食品については、ボリューム増大やソフト感・し
っとり感等の食感の改質が期待でき、又、パン類(各種
パン、ペストリー等)等の小麦粉焼成食品については、
釜伸びを良好にする、パンをソフトにする、老化防止
(日がたっても硬くならない)等の効果が期待される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タマリンドガム及び有機酸モノグリセリ
    ドを含有することを特徴とする乳化油脂組成物。
  2. 【請求項2】 更にジグリセリドを含有する請求項1記
    載の乳化油脂組成物。
  3. 【請求項3】 ジグリセリドが不飽和ジグリセリドであ
    る請求項2記載の乳化油脂組成物。
  4. 【請求項4】 乳化油脂組成物がシュー用のものである
    請求項1〜3の何れか1項記載の乳化油脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項記載の乳化油
    脂組成物を含有するシューケース。
  6. 【請求項6】 シューケース生地の調製時、シューケー
    ス生地原料に請求項1〜3の何れか1項記載の乳化油脂
    組成物を添加混合し、その後シューケース生地を焼成す
    ることを特徴とするシューケースの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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