JPH10324372A - 保冷容器 - Google Patents

保冷容器

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JPH10324372A
JPH10324372A JP13964198A JP13964198A JPH10324372A JP H10324372 A JPH10324372 A JP H10324372A JP 13964198 A JP13964198 A JP 13964198A JP 13964198 A JP13964198 A JP 13964198A JP H10324372 A JPH10324372 A JP H10324372A
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container
water
ice
partition plate
cold
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JP13964198A
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English (en)
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Jiyunko Umeoka
旬子 梅岡
Kiyoshi Matsuki
清 松木
Tamotsu Kawai
保 河合
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚類等の被保冷物が保冷剤としての氷が融け
た水に浸かって見栄えが悪くなることがなく、又、容器
下面からの熱伝導を防止し、氷の持ちがよく長時間にわ
たって保冷効果を持続しうる保冷容器を提供すること。 【解決手段】 発泡合成樹脂製の容器本体2と蓋体3と
よりなる保冷容器1の内部を通水孔8を有する仕切り板
7により上下に区画し、その上方を収納空間A1として
氷iと共に魚類等の被保冷物mを収容し、時間経過によ
り氷の融解した水wを仕切り板7の通水孔8を通じて下
方の水溜め空間A2 に排出させてここに水wを滞留させ
た状態で被保冷物mを冷蔵する。前記容器本体2の側壁
4部分の仕切り板7より下方に排水孔を設けておけば水
溜め空間を大きくとる必要がなく好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚類等の食品を冷
蔵保存したり、冷蔵状態で輸送するための保冷容器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、魚類等の食品を冷蔵保存したり、
冷蔵状態で輸送する場合には、発泡ポリスチレン等の発
泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりなる保冷容器内
に、魚類等の被保冷物を氷と共に収容して蓋をした状態
で保冷することが行われていた。しかし、この場合、被
保冷物と共に容器内に収容した氷が時間の経過とともに
融け、氷が融けた水に魚類等の被保冷物が浸かってしま
い、開封したときに見栄えが悪いだけでなく、融けた水
の中に氷が浸っているために、氷が水の温度を維持する
ために浪費されて早く融けてしまい、長時間にわたって
保冷効果を持続させることは困難であった。そこで、氷
が融けた水が容器内部に止まることを防止するため、容
器本体の底部に排水孔を設けて水を容器外へ排出するよ
うにした容器もある。しかし、氷が融けた直後の水の温
度は氷と殆ど同じ0℃に近い低温で保冷剤としての作用
を有しており、このような冷たい水を直ちに容器外へ排
出してしまうことは、保冷効果の低下につながるだけで
なく、氷の融解時間を一層短縮する結果ともなる。又、
上記のような魚類等を収容した保冷容器は、一般に、倉
庫やトラック等の荷台に段積みされて保存、又は輸送さ
れるが、特に一番下に位置する容器には倉庫やトラック
荷台の床から容器底面への熱伝導により、上位に積まれ
た保冷容器の場合に較べて内部の氷が短時間で融けてし
まうといった問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は上記の
点に鑑み、魚類等の被保冷物が氷が融けた水に浸かって
見栄えが悪くなることがなく、しかも、容器下面からの
熱伝導を防止して、氷の持ちがよく長時間にわたって保
冷効果を持続しうる保冷容器を提供せんとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る保冷容器は、発泡合成樹脂製の容器
本体と蓋体とよりなる保冷容器において、前記容器内部
を、通水孔を有する仕切り板により上下に区画し、仕切
り板より上方を、氷と共に被保冷物を収容する収納空間
とするとともに、前記仕切り板より下方に、前記氷が融
けた水の量に見合う容積の水溜め空間を形成してなるこ
とを特徴とする。
【0005】更に、本発明に係るもう一つの保冷容器
は、発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりなる保冷容
器において、前記容器内部を、通水孔を有する仕切り板
により上下に区画し、仕切り板より上方を、氷と共に被
保冷物を収容する収納空間とするとともに、容器本体の
側壁部分には、前記仕切り板より下方であって容器本体
の底部から所定の高さに排水孔を設け、該排水孔より下
方を水溜め空間としてなることを特徴とする。
【0006】前記容器本体側壁部分に設ける排水孔は、
容器本体内側に開口する排水入口を容器本体外側に開口
する排水出口より低く設けるとよい。
【0007】更に、前記容器本体内側に開口する排水入
口を容器本体の底部又は底部に近接して設けるととも
に、容器本体外側に開口する排水出口を容器本体底部よ
り所定の高さ上方に設けるとよい。
【0008】又、前記仕切り板の下面に、水溜め空間を
複数の互いに連続した空間に区画する脚板を設けること
が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る保冷容器につ
いて更に詳細に説明する。
【0010】図1は本発明に係る保冷容器を説明する保
冷容器1の断面図である。この保冷容器1は、容器本体
2と、これに気密状態に嵌着される蓋体3とよりなる。
前記容器本体2の側壁4の上端面には、その全周にわた
って上向きに嵌合凸部5が周設されており、前記側壁4
の上端面に当接する蓋体3の下面には、前記嵌合凸部5
と互いに嵌合する嵌合凹部6が周設されており、嵌合凸
部5と嵌合凹部6との互いの嵌合により容器本体2に対
して蓋体3が気密に嵌着される。前記容器本体2と蓋体
3とは、例えば、発泡ポリスチレン等の発泡ポリスチレ
ン系樹脂、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の
発泡ポリオレフィン系樹脂、又はスチレンとエチレンや
プロピレン等のオレフィンとの共重合体を発泡させた発
泡体、あるいは発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂で作
成される。
【0011】この保冷容器1の内部は、同じく発泡合成
樹脂製の仕切り板7で上下に区画されて、その上方を氷
iと共に魚類等の被保冷物mを収容する収納空間A1
下方を水溜め空間A2 としている。前記仕切り板7は上
下に貫通した複数の通水孔8を有するとともに、その下
面に設けた脚板9により、該仕切り板7より下方に氷i
が融けた水の量に見合う容積の水溜め空間A2 を形成可
能に装着されている。
【0012】そして、本発明においては、前記保冷容器
1における容器本体2内に仕切り板7を装着し、該仕切
り板7上の収納空間A1 に氷iと共に魚類等の被保冷物
mを収容して蓋体3を嵌着する。このように保冷容器1
内に氷iとともに被保冷物mを収容すれば、被保冷物m
は氷iの冷気によって冷却されて、冷蔵状態で保存、又
は輸送される。そして、時間の経過とともに氷iが融解
するが、この氷iが融けた水wは、仕切り板7の通水孔
8を通じて下方の水溜め空間A2 に排出され、図2に示
すように水溜め空間A2 に滞留する。
【0013】上記のように、本発明に係る保冷容器にお
いては、魚類等の被保冷物mと共に容器内に収容した氷
iが融解した水wは、収納空間A1 から仕切り板7の通
水孔8を通じて下方の水溜め空間A2 に排出されるの
で、被保冷物mが氷iが融けた水に浸かってしまうこと
がなく、開封した時に見栄えが悪いといったことがな
い。又、融けた水wが氷iと分離されることで、氷iと
水wとが混在している場合のように、氷iが水wの温度
を維持するために浪費されるようなこともなく被保冷物
mの冷却に消費され、氷iの融解時間も延長されて、長
時間にわたって保冷効果を持続させることができる。更
に、氷iと被保冷物mとが収納される収納空間A1 と、
容器本体2の底壁10との間には水溜め空間A2 が形成さ
れ、しかもこの水溜め空間A2 には氷iが融けた冷たい
水wが滞留していることから、容器底面からの熱伝導が
水溜め空間A2 及びそこに滞留する冷たい水wにより防
止され、氷iの融解時間がより延長される。つまり、水
溜め空間A2 が断熱層を構成するだけでなく、氷iが融
けた直後の水wの温度は0℃程度であって、この水wも
低温状態に維持されており、この容器本体2底部に滞留
する冷たい水wにより、容器底面からの熱伝導が確実に
防止され、氷iの融解時間を延長させて長時間にわたっ
て保冷効果を持続させうるのである。
【0014】(実験)上記のような本発明に係る保冷容
器による保冷効果を調べた。図3〜図5に示すような発
泡ポリスチレン製の蓋付容器に、3kgの氷iとともに
被保冷物として5kgの半加工品の鮭の切り身mを合成
樹脂フィルムfで包装したテストパッケージを収容し、
時間の経過に伴う各部の温度変化を測定した。比較例1
では、図3に示すように、容器本体2の底部に氷iを充
填し、その上にテストパッケージを収納した。比較例2
は、図4に示すように、容器本体2の内部に厚さ10m
mで複数の通水孔8を有する仕切り板7を装着して上下
に区画し、仕切り板7の下方に氷iを充填するととも
に、仕切り板7の上方にテストパッケージを収納した。
更に、実施例としては、図5に示すように、容器本体2
の内部に厚さ10mmの仕切り板7を装着して上下に区
画するとともに、仕切り板7の上方に氷iと共にテスト
パッケージを収納した。尚、被保冷物としての鮭の切り
身mは、測定に先立って10℃以下に設定した恒温槽に
て24時間の状態調整を実施した。又、テストパッケー
ジと氷iとを収納した容器は、容器本体2と蓋体3とを
ガムテープで密封した。又、温度の測定には、メモリー
付温度計(−40℃〜120℃)を用いた。温度の測定
位置は、A:外気温、B:テストパッケージ(上側)、
C:テストパッケージ(下側)、D:氷、E:容器内
(蓋裏面)とし、更に図5の実施例においては、氷iが
融けて仕切り板7下方に滞留した水の温度を測定した。
【0015】上記の保冷効果試験の結果を下記表1及び
図6〜図8に示した。この結果を見ると、容器底部に氷
iを直接収納した比較例1と氷iを仕切り板7上に収容
した実施例においては容器内温度が10℃程度に下がる
が、氷iを仕切り板7の下方に充填した比較例2では容
器内温度が13℃程度までしか下がらない。又、比較例
1では、比較例2、実施例と較べて氷の融解時間が短
い。テストパッケージ(被保冷物m)の温度について
は、比較例2では10℃程度にまでしか下がらず、魚類
の冷蔵温度としては不十分であった。これに対し、比較
例1と実施例では4℃程度に保持できる。しかし、比較
例1は実施例に較べて氷の融解時間が短いことから保冷
効果持続時間も短い。以上のように、容器本体2内底部
に氷iと共に被保冷物mを収納した比較例1の場合に
は、被保冷物を低温で冷蔵できるものの保冷効果の持続
時間が短く、長時間のトラック輸送等には不十分であ
る。又、容器本体2内を仕切り板7で上下に区画して氷
iと被保冷物とを分離して収納した比較例2では、保冷
効果は長時間持続するものの、容器内及び被保冷物の温
度が高く、保冷効果は不十分である。これに対し、容器
内を仕切り板7により上下に区画して仕切り板7上に氷
iと共に被保冷物mを収容し、氷iが融けた水wを仕切
り板7より下方の水溜め空間A2 に滞留させるようにし
た本発明の実施例では、容器内温度及び被保冷物mの温
度を十分に下げることができ、しかも氷の融ける時間を
長くして長時間にわたって保冷効果を持続させることが
可能である。
【0016】
【表1】
【0017】次に、図9に示すものは、本発明に係る他
の保冷容器を示すものである。この保冷容器1は、上に
示した保冷容器と同様に、発泡合成樹脂製の容器本体2
と蓋体3とからなり、その内部を通水孔8を有する仕切
り板7で上下に区画して、その上方を氷iと共に被保冷
物mを収容する収納空間A1 とするとともに、下方を水
溜め空間A2 としてなるものであるが、ここでは、容器
本体2の側壁4部分に、仕切り板7より下方であって容
器本体2の底部から所定の高さに排水孔11を設けて、排
水孔11より下方を水溜め空間A2 としてなるものであ
る。そして、この保冷容器1では、前記仕切り板7上方
の収納空間A1 に氷iと共に被保冷物mを収容して蓋体
3を嵌着した状態で被保冷物mを冷蔵するのであるが、
時間の経過とともに氷iが融けた水wは、図10に示すよ
うに仕切り板7の通水孔8を通じて下方の水溜め空間A
2 に排出されてここに滞留する。そして、更なる時間経
過により水wは増加するものの、排水孔11の位置まで増
水した後は、余剰水は排水孔11から容器外へ排出され、
容器内の水溜め空間A2 には常に一定量の水wが滞留す
ることとなる。つまり、氷iが融けた水wの全てを容器
内に滞留させる場合には、仕切り板7下方の水溜め空間
2 としては、全ての氷iが融けた水wの量に見合うだ
けの容積が必要であり、容器の容量も大きくなりがちで
あるが、この保冷容器1のように、容器本体2の側壁4
部分に排水孔11を設けておくことで、容器内に滞留する
水wのレベルを一定範囲内に抑えることができ、水溜め
空間A2を縮小して容器内の省スペースを可能とする。
【0018】前記の場合、水溜め空間A2 内に滞留しう
る水wの量、即ち、水面のレベルは、排水孔11における
容器本体2内側に開口する排水入口12と外側に開口する
排水出口13のうちの、いずれか高い方の位置で決まる。
排水孔11の具体的な構造は、例えば図11に示すように、
容器本体2の側壁4と底壁10との接合部分に容器内側に
開口する排水入口12を形成するとともに、容器外側に開
口する排水出口13の下端を底壁10の上面より高さHだけ
高く設けた場合、氷iが融けた水wの水面のレベルは排
水出口13の下端の高さHとなる。しかも、この場合、排
水孔11における容器本体2内側に開口する排水入口12の
上端12a を容器本体2外側に開口する排水出口13の下端
13a より低く設けたので、容器内に滞留する水wにより
排水孔11が閉塞され、容器内の冷気が容器外へ流出し、
又、容器外の暖気が容器内へ流入することが阻止され
て、保冷効果の低下が防止される。更に、図11に示すよ
うに、排水孔11の容器本体2内に開口する排水入口12を
容器本体2の底部、あるいは底部に近接して設け、前記
排水孔11における中間部を屈曲させて該屈曲部の上端11
a を容器本体2の底壁10上面よりhだけ下方に位置する
ように設けた場合には、氷iが融けた水wは先ず排水孔
11の屈曲部分に滞留して容器本体2の底部に水wが滞留
する当初から排水孔11が閉塞されることとなり、排水孔
11を通じての容器内外の通気が阻止されるので好まし
い。
【0019】又、図12に示すものは、排水孔11の他実施
例を示すものであって、容器本体2の底壁10周縁部に凹
所14を形成してあり、該凹所14から容器本体2外側に貫
通して排水孔11が形成されており、しかも、前記排水孔
11の排水出口13の下端13a を底壁10より高さHだけ上方
に位置させるとともに、排水入口12の上端12a より高く
なるように斜めに設けられている。このように排水孔11
を設けた場合には、氷iが融けた水は先ず凹所14内に流
入し、この凹所14内に流入した水wは、高さHのレベル
になるまで容器内に滞留し、それ以上の余剰水は排水孔
11を通じて容器1外へ排出されるが、前記のように排水
孔11の排水入口12の上端12a より排水出口13の下端13a
が高くなるように設けられているので、排水孔11が水w
により閉塞されて排水孔11を通じての容器内外の通気が
遮断されて容器内の冷気の流出、容器外の暖気の流入が
阻止され、容器内が気密状態に保持されて外気温の影響
が排除され、保冷効果が持続する。しかも、図例の如く
凹所14を設け、この凹所14に排水孔11の排水入口12を開
口するとともに、該排水入口12の上端12a を容器本体2
の底壁10上面よりhだけ低く設けておけば、氷iが融け
はじめた当初の水wが先ず凹所14内に流入し、この凹所
14内に流入した水wにより排水孔11が閉塞されること
で、氷iが融解して容器本体2内に滞留する当初から排
水孔11が閉塞されるので、より好ましい。
【0020】尚、排水孔11としては、前記図11のように
中間部を屈曲させたり、或いは図12に示すように凹所14
を設けることなく、例えば図13に示すように、直線状の
排水孔11を設けるだけでもよい。この場合にも、図例の
如く容器本体2の内側に開口する排水入口12の上端12a
が容器本体2外側に開口する排水出口13の下端13a より
も低くなるように排水孔11を斜めに設けることで、水w
により排水孔11を閉塞させることができる。又、排水孔
11として、図14に示すように、容器本体2の側壁4にお
ける底壁10から所定の高さHだけ上方位置に直線状の排
水孔11を水平に設けてもよいし、排水孔11の排水入口12
を底壁10より上方に設けた場合には、図14に想像線で示
すように排水出口13が排水入口12より低くなるように設
けてもよい。尚、このように、容器本体2内面に開口す
る排水入口12を容器本体2の底壁10より所定の高さだけ
上方に設け、排水出口13を排水入口12と同高さあるいは
それよりも低く設ける場合には、排水入口12の高さまで
容器内には水wが滞留するのであるが、水wにより排水
孔11が閉塞されることがないため、容器内の冷気が排水
孔11を通じて流失し、又、容器外の暖気が排水孔11を通
じて容器内に流入するおそれがある。したがって、この
ような場合には、排水孔11の断面積、及び長さを、その
通気抵抗により自由な空気の流動をできるだけ防止しう
る程度に小さく設定することが好ましい。
【0021】更に、図15及び図16に示すものは、本発明
に係る保冷容器1の更に他実施例を示すものである。こ
こでは、上記実施例における仕切り板7の下面に設けた
脚板9の代わりに、容器本体2の側壁4、或いは底壁10
部分に仕切り板7を所定の高さに支持するための支持部
を設けてなるものである。図15に示すものは、容器本体
2の側壁4の下部に、仕切り板7の周縁部を支持する支
持段部15を設けて仕切り板7を、その下方に水溜め空間
2 を形成した状態で装着可能としたものである。この
場合、仕切り板7の周縁部下面に切欠部16を設けておけ
ば、仕切り板7の周縁部と容器本体2の側壁4との間の
間隙から仕切り板7の下方へ氷iが融けた水wを排出す
ることができる。又、このような切欠部16を設ける代わ
りに、側壁4内面の支持段部15を側壁4の周方向に断続
的に設けるようにしてもよい。又、図16に示す実施例で
は、容器本体2の底壁10上面に、仕切り板7を支持する
ための複数の支持突部17を突設して仕切り板7下方に水
溜め空間A2 を形成した状態で装着可能としたものであ
る。尚、図15における支持段部15と図16における支持突
部17とを組み合わせて構成することもできる。
【0022】
【実施例】図17〜図20は、本発明に係る保冷容器100 の
具体的な実施例を示すものである。この保冷容器100
は、容器本体102 と、この容器本体102 に嵌着される蓋
体103 と、容器本体102 内に装着される仕切り板107 と
から構成されている。これらの各部材は、保冷容器とし
ての断熱性や、容器強度を維持するための剛性等を考慮
し、いずれも発泡ポリスチレンにより作成されている。
前記容器本体102 の側壁104 の上端には嵌合凸部105 が
その全周にわたって上向きに周設されており、前記側壁
104 の上端面に当接する蓋体103 の下面には、前記嵌合
凸部105 と互いに嵌合する嵌合凹部106 が周設され、嵌
合凸部105 と嵌合凹部106 との互いの嵌合により容器本
体102 に対して蓋体103 が気密に嵌着される。前記嵌合
凸部105は、その外周面の上部が外側に膨出105a形成さ
れ、且つ、内周面に凹条105bが形成され、嵌合凹部106
の断面形状も前記嵌合凸部105 の断面形状と略同一に形
成されており、前記膨出部分105aと凹条部分105bとによ
り嵌合凸部105 と嵌合凹部106 との気密嵌合状態をより
確実なものとしてなる。
【0023】そして、前記容器本体102 内に装着される
仕切り板107 には、図17、図19、及び図20に示すよう
に、上下に貫通する複数の通水孔108 …が設けられてお
り、又、その周縁部には複数の切欠部118 …が形成され
ており、下面に設けた脚板109により容器本体102 の底
壁110 上に設置することで、容器本体102 内を、その上
方の収納空間A1 と下方の水溜め空間A2 とに区画しう
るように構成されている。更に、図例の仕切り板107 に
おいては、その下面に設けた前記脚板109 として、図1
9、図20に示すように、これを容器本体102 内に装着し
た場合に、下方に形成される水溜め空間A2 を互いに連
通する複数の空間に区画しうるように形成されている。
【0024】上記のような保冷容器100 は、容器本体10
2 内の仕切り板107 上に氷と共に魚類等の被保冷物を収
容して蓋体103 を嵌着することで被保冷物を冷蔵状態で
保存、或いは輸送に供される。そして、時間の経過とと
もに、氷が融解した水は、仕切り板107 の通水孔108 及
び該仕切り板107 周縁部の切欠部118 から下方の水溜め
空間A2 内に排出されることで、仕切り板107 上の被保
冷物及び氷と、この氷が融けて仕切り板107 下方の水溜
め空間A2 に滞留する水とに分離されて、被保冷物が水
に浸ることが防止されるとともに、融けた水の温度を維
持するために氷が浪費されることも防止されて氷の融解
時間が延長されると同時に、容器底部の水溜め空間
2 、及びここに滞留する冷たい水により容器底面から
の熱伝導が防止され、長時間にわたって保冷効果が持続
する。更に、仕切り板107 の下面に設けた脚板109 が水
溜め空間A2 を複数の空間に区画していることから、水
溜め空間A2 内に滞留する水の揺動、移動が脚板109 に
より抑制され、仕切り板107 上の被保冷物が水を被るよ
うなことも防止されるのである。
【0025】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る保冷容器に
よれば、発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりなる保
冷容器の内部を、通水孔を有する仕切り板により上下に
区画し、仕切り板より上方を収納空間として氷と共に魚
類等の被保冷物を収容するとともに、時間の経過により
氷の融解した水を仕切り板より下方の水溜め空間に滞留
させた状態で被保冷物を冷蔵してなるので、氷が融解し
た水は、仕切り板の通水孔を通じて下方の水溜め空間内
に排出されることで、仕切り板上の被保冷物及び氷と、
この氷が融けて仕切り板下方の水溜め空間に滞留する水
とに分離され、被保冷物が水に浸ることを防止でき、開
封時に見栄えが悪いといった問題がなく、又、融けた水
の温度を維持するために氷が浪費されることもなく氷の
融解時間を延長して長時間にわたって保冷効果を持続さ
せることができ、更には、容器底部の水溜め空間、及び
ここに滞留する氷が融けた冷たい水により容器底面から
の熱伝導が防止されて、より長期間にわたって保冷効果
が持続するのである。又、氷の融解した水を一定量以上
滞留しないように排水孔を設け、かつ、この排水孔を通
じての保冷容器内外の空気の流通を実質的に防止してお
けば、上記の効果と共に被保冷物の収容空間を大きくで
きるのでより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る保冷容器を説明するための保冷
容器の断面図。
【図2】 氷が融けた水が容器内に滞留している様子を
示す前記保冷容器の断面図。
【図3】 比較例1の保冷容器の断面図。
【図4】 比較例2の保冷容器の断面図。
【図5】 本発明の実施例の保冷容器の断面図。
【図6】 保冷効果試験におけるテストパッケージ温度
の測定グラフ。
【図7】 保冷効果試験における氷温度の測定グラフ。
【図8】 保冷効果試験における容器内温度の測定グラ
フ。
【図9】 本発明に係る他の保冷容器の断面図。
【図10】 氷が融けた水が容器内に滞留している様子を
示す前記保冷容器の断面図。
【図11】 前記保冷容器における排水孔部分の拡大断面
図。
【図12】 排水孔の他実施例を示す要部の拡大断面図。
【図13】 排水孔の他実施例を示す要部の拡大断面図。
【図14】 排水孔の他実施例を示す要部の拡大断面図。
【図15】 本発明に係る保冷容器の他の構造を示す断面
図。
【図16】 本発明に係る保冷容器の他の構造を示す断面
図。
【図17】 本発明に係る保冷容器の実施例を示す分解斜
視図。
【図18】 前記保冷容器の断面図。
【図19】 前記保冷容器における仕切り板を下から見た
状態の斜視図。
【図20】 前記仕切り板の底面図。
【符号の説明】
1:保冷容器、 2:容器本体、 3:蓋体、 4 側
壁、 5:嵌合凸部、6:嵌合凹部、 7:仕切り板、
8:通水孔、9:脚板、 10:底壁、 11:排水孔、
12:排水入口、 13:排水出口、 14:凹所、 15:
支持段部、16:切欠部、 17:支持突部、 100 :保冷
容器、 102 :容器本体、 103 :蓋体、 104 :側
壁、 105 :嵌合凸部、 106 :嵌合凹部、 107 :仕
切り板、 108 :通水孔、 109 :脚板、 118 :切欠
部、 A1 :収納空間、 A2:水溜め空間、 i:
氷、 m:被保冷物。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とより
    なる保冷容器において、前記容器内部を、通水孔を有す
    る仕切り板により上下に区画し、仕切り板より上方を、
    氷と共に被保冷物を収容する収納空間とするとともに、
    前記仕切り板より下方に、前記氷が融けた水の量に見合
    う容積の水溜め空間を形成してなることを特徴とする保
    冷容器。
  2. 【請求項2】 発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とより
    なる保冷容器において、前記容器内部を、通水孔を有す
    る仕切り板により上下に区画し、仕切り板より上方を、
    氷と共に被保冷物を収容する収納空間とするとともに、
    容器本体の側壁部分には、前記仕切り板より下方であっ
    て容器本体の底部から所定の高さに排水孔を設け、該排
    水孔より下方を水溜め空間としてなることを特徴とする
    保冷容器。
  3. 【請求項3】 前記容器本体側壁部分に設ける排水孔と
    して、容器本体内側に開口する排水入口を容器本体外側
    に開口する排水出口より低く設けてなる請求項2記載の
    保冷容器。
  4. 【請求項4】 前記容器本体内側に開口する排水孔の排
    水入口を、容器本体の底部又は底部に近接して設けると
    ともに、容器本体外側に開口する排水出口を、容器本体
    底部より所定の高さ上方に設けてなる請求項3記載の保
    冷容器。
  5. 【請求項5】 前記仕切り板の下面に、水溜め空間を複
    数の互いに連続した空間に区画する脚板を設けてなる請
    求項1〜請求項4のいずれかに記載の保冷容器。
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