JP2018095305A - 断熱容器を用いた輸送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱容器の内部で冷媒が融解して発生した液体と断熱容器に収容される物品とをより確実に分離することができ、より長時間にわたって物品を保冷することができる断熱容器を用いた輸送方法を提供する。【解決手段】輸送方法TMは、仕切部材配置工程P1と収容工程P2と輸送工程P3とを有する。仕切部材配置工程P1において、仕切部材と容器本体の少なくとも一方が、仕切部材の上面から容器本体の側壁の内表面を介して仕切部材の下方へ液体を導く流路を形成する流路形成構造を有する断熱容器を用いる。輸送工程P3において、流路形成構造に含まれる移動規制部によって容器本体と仕切部材との相対移動を規制して流路を維持し、仕切部材の上面で冷媒の融解により生じた液体を仕切部材の下方へ流路を介して排出する。【選択図】図4

Description

本発明は、断熱容器を用いた輸送方法に関する。
従来から魚類等の食品を冷蔵保存したり、冷蔵状態で輸送したりするための保冷方法および保冷容器に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。この従来の保冷容器は、発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とからなり、通水孔を有する仕切り板によって容器内部を上下に区画している。そして、仕切り板より上方を氷と魚類等の被保冷物の収納空間とし、仕切り板より下方に氷が融けた水の量に見合う容積の水溜め空間を形成している(同文献、請求項2等を参照)。
特開平9−47189号公報
前記特許文献1に記載された保冷容器において、氷が融解した水は、仕切り板の通水孔を通じて下方の水溜め空間内に排出される。また、仕切り板の周縁部下面に切欠部を設けておけば、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁との間の間隙から仕切り板の下方へ氷が融けた水を排出することができることが記載されている(同文献、第0022段落および図15を参照)。
しかし、たとえば輸送時における保冷容器の振動や傾斜によって仕切り板が移動したり、保冷容器の内側に仕切り板がぴったりとはめ込まれたりする場合には、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁とが接した状態になる。この場合、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁との間の間隙から仕切り板の下方への水の排出が阻害され、氷が融解して発生した水は、主に仕切り板の通水孔を通じて下方の水溜め空間内に排出されることになる。
このように、氷が融解して発生した水を、主に仕切り板の通水孔を通じて仕切り板の下方の水溜め空間内に排出する場合、たとえば通水孔に氷が詰まって排水が阻害され、仕切り板の上に水が溜まるおそれがある。仕切り板の上に溜まった水は、たとえば魚類等の被保冷物との浸透圧差によって被保冷物に浸潤し、被保冷物の品質を低下させる。また、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁との間の間隙を介した排水が阻害されると、保冷容器の内部の温度が上昇しやすくなり、冷媒による保冷時間が短縮されるおそれがある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、断熱容器の内部で冷媒が融解して発生した液体と断熱容器に収容される物品とをより確実に分離することができ、より長時間にわたって物品を保冷しながら輸送することができる輸送方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の断熱容器を用いた輸送方法は、容器本体と、該容器本体の上端の開口部を閉塞する蓋部と、前記容器本体の内部を上下に区画する仕切部材と、を備えた断熱容器を用いた輸送方法であって、前記容器本体の内部に前記仕切部材を配置して前記容器本体の内部を上下に区画する仕切部材配置工程と、前記容器本体の内部で前記仕切部材の上に冷媒および物品を収容して前記開口部を前記蓋部によって閉塞する収容工程と、前記冷媒および前記物品を収容した前記断熱容器を輸送する輸送工程と、を有し、前記仕切部材配置工程において、前記仕切部材と前記容器本体の少なくとも一方が、前記仕切部材の上面から前記容器本体の側壁の内表面を介して前記仕切部材の下方へ液体を導く流路を形成する流路形成構造を有する前記断熱容器を用い、前記輸送工程において、前記流路形成構造に含まれる移動規制部によって前記容器本体と前記仕切部材との相対移動を規制して前記流路を維持し、前記仕切部材の前記上面で前記冷媒の融解により生じた液体を前記仕切部材の下方へ前記流路を介して排出することを特徴とする。
このように、移動規制部を含む流路形成構造を備えた断熱容器を用い、仕切部材の上に冷媒および物品を収容して輸送することで、たとえば輸送時に断熱容器が振動したり傾斜したりしても、移動規制部によって断熱容器と仕切部材との相対移動が規制される。そのため、輸送時に断熱容器が振動したり傾斜したりしても、流路形成構造によって形成された流路を、移動規制部によって維持することができる。換言すると、輸送時に断熱容器が振動したり傾斜したりしても、断熱容器と仕切部材との相対移動によって、仕切部材の上面から容器本体の側壁の内表面を介して仕切部材の下方へ液体を導く流路が閉塞されることが防止される。
そのため、仕切部材配置工程および収容工程を経て、輸送工程において断熱容器を輸送するときに、冷媒が融解して発生した水などの液体を、流路形成構造によって形成された流路を介して、仕切部材の下方へ確実に排出することができる。これにより、物品に対する液体の浸潤が防止され、たとえば浸透圧差による魚の身質の低下など、物品の品質低下が防止される。
また、輸送工程において、流路形成構造によって形成された流路を流れる液体は、仕切部材の上に収容された冷媒の凝固点に近い低温である。そのため、その液体が、流路形成構造によって形成された流路によって、仕切部材の上面から容器本体の側壁の内表面を介して仕切部材の下方へ導かれる過程で、容器本体の側壁が効果的に冷却される。これにより、輸送工程において、断熱容器の容器本体の側壁を介した断熱容器の内部への熱の侵入を抑制し、冷媒による保冷時間をより長時間にわたって持続させることができる。
本発明の断熱容器を用いた輸送方法によれば、断熱容器の内部で冷媒が融解して発生した液体と断熱容器に収容される物品とを従来よりも確実に分離することができ、より長時間にわたって物品を保冷しながら輸送することができる。
本発明の輸送方法に用いる断熱容器の一例を示す分解斜視図。 図1に示す断熱容器の仕切部材の周縁部の拡大斜視図。 図1に示す断熱容器の仕切部材の下面側の斜視図。 本発明の一実施形態に係る断熱容器を用いた輸送方法のフロー図。 図1に示す断熱容器に冷媒と物品を収容した直後の断面図。 図5Aに示す冷媒の融解後の断熱容器の断面図。 図1に示す仕切部材の変形例1を示す斜視図。 図6Aに示す仕切部材のVIB−VIB線に沿う断面図。 図1に示す仕切部材の変形例2を示す斜視図。 図1に示す仕切部材の変形例3を示す平面図。 図1に示す仕切部材の変形例4を示す平面図。 本発明の輸送方法に用いる断熱容器の他の例を示す分解斜視図。 図9に示す仕切部材の平面図。 図10に示す仕切部材のXI-XI線に沿う断面図。 図10に示す仕切部材の貫通孔の拡大平面図。 図12に示す仕切部材の貫通孔のXIII−XIII線に沿う断面図。 図1および図9に示す仕切部材の変形例Iを示す断面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例IIを示す断面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例IIを示す断面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例IIIを示す断面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例IIIを示す断面図。 図1および図9に示す仕切部材の変形例IVを示す平面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例Vを示す平面図。 図1および図9に示す断熱容器の変形例VIを示す断面図。 実施例および比較例の断熱容器内の温度と時間の関係を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の断熱容器を用いた輸送方法の実施の形態を説明する。まず、本発明の輸送方法に用いる断熱容器の一実施形態について説明し、次に、本発明の輸送方法の一実施形態について説明する。
[断熱容器]
図1は、本発明の実施形態に係る輸送方法に用いる断熱容器100の一例を示す分解斜視図である。断熱容器100は、たとえば鮮魚などの物品を氷などの冷媒とともに収容して輸送するための保冷容器として用いられるおおむね直方体の箱形の容器である。なお、断熱容器100に収容される物品は、鮮魚に限定されず、たとえば肉類その他の生鮮食品、医療用の生体材料、医療用の細胞、または医薬品など、冷媒による保冷が必要なその他の物品であってもよい。
断熱容器100に収容される冷媒としては、たとえば、清浄な水や塩水から作られるロックアイス、クラッシュアイス、フレークアイスなどの氷を用いることができる。また、冷媒として、リキッドスノー(登録商標)などのシャーベット状の塩水からなるスラリーアイス、シースノー(登録商標)などのスラリーアイスを脱水した脱水氷、または雪状氷などを用いてもよい。
本実施形態の断熱容器100は、容器本体10と、該容器本体10の上端の開口部11を閉塞する蓋部20と、前記容器本体10の内部を上下に区画する仕切部材30と、を備えている。本実施形態の仕切部材30は、断熱容器100の内部を上下に区画する板状の部材である。容器本体10、蓋部20および仕切部材30の素材としては、たとえば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−スチレン共重合体、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂発泡体を用いることができる。
詳細については後述するが、本実施形態の断熱容器100は、仕切部材30と容器本体10の少なくとも一方が、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体を導く流路F(図4A参照)を形成する流路形成構造Sを有している点に特徴がある。この流路形成構造Sは、容器本体10と仕切部材30との相対移動を規制して流路Fを維持する移動規制部S1を含んでいる。以下、断熱容器100の各構成について詳細に説明する。
容器本体10は、たとえば、上端が開放された矩形の箱形の部材であり、平面視でおおむね長方形の平坦な底壁13と、この底壁13の周囲に連結され底壁13におおむね垂直に設けられた矩形筒状の側壁12と、この側壁12の上端部によって画定されたおおむね長方形の開口部11とを有している。なお、容器本体10の形状は、矩形の箱形に限定されず、たとえば円筒状、楕円筒状、長円筒状、多角形の筒状など、任意の形状に成形することが可能である。容器本体10は、たとえば、側壁12の上端部に、容器本体10の開口部11の全周にわたって連続する突起部12aを有している。
蓋部20は、容器本体10の上端の開口部11を閉塞する平坦な板状の部材である。蓋部20は、たとえば、蓋部20の周縁部の下端部に設けられ、側壁12の上端部の突起部12aを嵌合させることが可能な凹状の嵌合部21(図5A参照)を有している。蓋部20によって容器本体10の開口部11を閉塞するには、たとえば、蓋部20の周縁部に設けられた嵌合部21に、容器本体10の側壁12の上端部に設けられた突起部12aを嵌合させ、蓋部20の周縁部を容器本体10の側壁12の上端部に当接させる。これにより、断熱容器100の内部に容器本体10と蓋部20によって外部の環境から隔離された収容室C(図5A参照)を形成することができる。
仕切部材30は、たとえば、断熱容器100の内部の収容室Cを上下に区画する板状の部材である。図示の例において、仕切部材30は、容器本体10の形状に対応する、たとえば矩形板状の形状に形成されている。仕切部材30は、たとえば、容器本体10の側壁12の内側に容易にはめ込むことができるように、仕切部材30の各辺の寸法に所定の負の寸法公差が設定されている。
図2は、図1に示す仕切部材30の周縁部30eの拡大斜視図である。本実施形態の断熱容器100では、前述の流路形成構造Sは、仕切部材30の周縁部30eにおいて仕切部材30の上面31から仕切部材30の下面32まで連続する複数の溝状の凹部33を含んでいる。また、本実施形態の断熱容器100では、前述の移動規制部S1は、仕切部材30の周縁部30eにおいて容器本体10の側壁12に向けて突出した複数の凸部34を含んでいる。さらに、図示の例において、凹部33と凸部34とは、仕切部材30の周縁部30eの全周にわたって交互に形成されている。
また、図示の例において、仕切部材30の周縁部30eは、仕切部材30の平面視で凹円弧状の凹部33と凸円弧状の凸部34とが交互に連続した波形の形状を有している。仕切部材30の周縁部30eの全周にわたって設けられた複数の凸部34は、仕切部材30が容器本体10に収容されたときに、容器本体10の側壁12に対向する。このとき、複数の凸部34は、すべてが容器本体10の側壁12に接していてもよいし、一部が容器本体10の側壁12に接していてもよいし、すべてが容器本体10の側壁12との間に所定の間隙を有して対向してもよい。
仕切部材30の周縁部30eの全周にわたって設けられた複数の凹部33の各々は、当該凹部33に隣接する凸部34が容器本体10の側壁12に接した状態で、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体を導く流路F(図4A参照)を形成する。この流路Fは、容器本体10の側壁12と仕切部材30との間に、仕切部材30の上面31から下面32まで連続して形成される。各々の凹部33は、容器本体10の側壁12の法線方向に凹設されている。凹部33は、その凹部33に隣接する凸部34が容器本体10の側壁12に対向して配置されたときに、その凸部34の容器本体10の側壁12に対して最も近接する部分よりも、容器本体10の側壁12から離隔して配置される流路形成面33aを有している。
図示の例において、凹部33の流路形成面33aは、部分円筒状の凹曲面である。そのため、凹部33は、その凹部33に隣接する凸部34が容器本体10の側壁12に当接した状態で、容器本体10の側壁12と仕切部材30との間に、仕切部材30の上面31から下面32まで連続する半円筒状または部分円筒状の流路Fを形成することができる。なお、凹部33によって形成される流路Fの形状は、特に限定されず、凹部33の流路形成面33aの形状を変更することによって適宜変更することができる。
図1に示すように、仕切部材30は、上面31の中央部から上面31の周縁部へ近づくほど容器本体10の底壁13に近づくように、上面31の中央部が上面31の周縁部よりも蓋部20へ向けて膨出していてもよい。換言すると、仕切部材30は、下面30がおおむね水平方向に沿うように配置された状態で、上面31の中央部が上面31の周縁部よりも高くなるように、上面31が傾斜していてもよい。すなわち、仕切部材30は、下面30がおおむね水平方向に沿うように配置された状態で、上面31の周縁部が上面31の中央部よりも低くなるように、上面31が傾斜していてもよい。
また、仕切部材30は、上面31の中央部から周縁部まで放射状に延びる複数の溝部35を有していてもよい。この溝部35の底面35aは、仕切部材30の中央部から周縁部30eに近づくほど容器本体10の底壁13に近づくように傾斜させることができる。換言すると、仕切部材30をおおむね水平に配置した状態で、鉛直方向における高さが、仕切部材30の中央部よりも周縁部30eにおいて低くなるように、溝部35の底面35aを傾斜させることができる。
また、図示の例において、仕切部材30は、上面31の中央部から周縁部まで放射状に延びる複数の稜線部36と、この稜線部36に隣接する傾斜面37の間に形成され、上面31の中央部から周縁部へ向けて漸次深くなる複数の谷部38と、を有している。この仕切部材30において、仕切部材30の上面31の溝部35は、谷部38の底部に形成されている。
稜線部36は、たとえば、互いに交差する二つの平面である二つの傾斜面37の間に形成された鈍角の頂部であり、仕切部材30の上面31の中央部から周縁部まで一直線に延びている。稜線部36は、たとえば、仕切部材30をおおむね水平に配置したときに、おおむね水平方向に延びていてもよく、鉛直方向における高さが仕切部材30の中央部よりも周縁部30eにおいて低くなるように傾斜していてもよい。
谷部38は、互いに交差する二つの平面である二つの傾斜面37の間に形成された凹状の部分であり、仕切部材30の上面31の中央部から周縁部へ向けて、漸次、深さおよび幅が拡大されている。図示の例において、谷部38の底部は、仕切部材30の上面31の中央部から周縁部まで一直線に延び、前述の溝部35は、谷部38の底部に形成されている。また、谷部38を形成する傾斜面37の平面形状は、おおむね三角形である。また、平面視でおおむね矩形の輪郭形状を有する仕切部材30は、角部に凹円弧状の切欠部30aを有している。角部を含む傾斜面37の形状は、おおむね四角形であり、切欠部30aによって角部が凹円弧状に切り欠かれている。
図3は、図1に示す仕切部材30の下面32側の斜視図である。仕切部材30は、下面32から容器本体10の底壁13に向けて突出する複数の支持部40を有していてもよい。図示の例において、支持部40は、円柱状に形成され、一端が仕切部材30の下面32に一体に接続され、他端が容器本体10の底壁13に当接する。支持部40は、断熱容器100の内部を上下に区画する仕切部材30の板状の部分を、容器本体10の底壁13の上に所定の間隔をあけて対向させて支持する。なお、容器本体10の側壁12に、仕切部材30の周縁部30eの少なくとも一部を支持する段差状の支持部を設けてもよい。
図示の例において、仕切部材30の支持部40は、平面視でおおむね長方形の仕切部材30の4つの角部に一つずつ配置されている。また、仕切部材30の周縁部30eのうち、仕切部材30の長手方向に延在する長辺部の中央部で、かつ仕切部材30の短手方向の両端部に、一対の支持部40が配置されている。さらに、仕切部材30の中央部に、4つの支持部40が配置されている。これら4つの支持部40は、これらの中心を仮想的に直線で結んで形成される長方形の長辺と短辺が、それぞれ、仕切部材30の周縁部30eの長辺部と短辺部に平行になるように、矩形状に配置されている。また、仕切部材30の下面32に概ね垂直な支持部40の軸方向の長さは、断熱容器100の内部で発生する液体の体積と断熱容器100の容器本体10の底壁13の面積に応じて、適宜変更することができる。
また、仕切部材30の下面と容器本体10の底面13との間に、吸水材を配置してもよい。吸水材としては、水分を吸収して保持できるものであれば特に限定されないが、たとえば、吸水スポンジ、吸水性ポリマー、マイクロファイバー不織布などを用いることができる。
[断熱容器を用いた輸送方法]
次に、本発明の断熱容器を用いた輸送方法の一実施形態について説明する。
図4は、本実施形態の断熱容器の輸送方法TMの各工程を示すフロー図である。本実施形態の断熱容器の輸送方法TMは、たとえば前述のように、容器本体10と、この容器本体10の上端の開口部11を閉塞する蓋部20と、容器本体10の内部を上下に区画する仕切部材30と、を備えた断熱容器100を用いた輸送方法TMである。なお、後述するように、輸送方法TMに用いる断熱容器は、前述の断熱容器100に限定されない。本実施形態の輸送方法TMは、主に、仕切部材配置工程P1と、収容工程P2と、輸送工程P3と、を有している。
仕切部材配置工程P1は、断熱容器100の容器本体10の内部に仕切部材30を配置して容器本体10の内部を上下に区画する工程である。収容工程P2は、容器本体10の内部で仕切部材30の上に冷媒Rおよび物品Gを収容し、容器本体10の開口部11を蓋部20によって閉塞する工程である(図5A参照)。輸送工程P3は、冷媒Rおよび物品Gを収容した断熱容器100を輸送する工程である。
本実施形態の輸送方法TMは、仕切部材配置工程P1において、断熱容器100を用いる。断熱容器100は、前述のように、仕切部材30と容器本体10の少なくとも一方が、流路形成構造Sを有している。仕切部材配置工程P1において、容器本体10の内部に仕切部材30を配置することで、流路形成構造Sによって、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体Lを導く流路Fが形成される(図5Aおよび図5B参照)。
図5Aは、収容工程P2において、図1に示す本実施形態の断熱容器100に冷媒Rとともに物品Gを収容した直後の状態を示す模式的な断面図である。図5Bは、たとえば輸送工程P3の終了後に、図5Aに示す断熱容器100に収容した冷媒Rが融解した状態を示す模式的な断面図である。
収容工程P2では、容器本体10の内部で仕切部材30の上に、たとえば氷などの冷媒Rと鮮魚などの物品Gを収容し、容器本体10の開口部11を蓋部20によって閉塞する。これにより、断熱容器100の内部に外部空間から隔離され、断熱容器100によって断熱された収容室Cが形成され、仕切部材30によって区画された収容室Cの上方側の空間に冷媒Rおよび物品Gが収容される。
輸送工程P3では、物品Gおよび冷媒Rが収容された断熱容器100を、たとえば作業員、フォークリフト、ベルトコンベアなどによって運搬し、輸送用トラックなどの車両、船舶、航空機などに積載して輸送する。輸送工程P3において、断熱容器100の外部環境の温度が断熱容器100の内部の温度よりも高温である場合には、蓋部20および容器本体10を介して断熱容器100の内部へ熱が伝わる。断熱容器100の内部では、収容室Cに収容された物品Gが氷などの冷媒Rによって保冷され、物品Gの温度上昇が抑制される。その過程で、冷媒Rは、徐々に融解して仕切部材30の上面31で水などの液体Lを生じさせる。
ここで、前述の従来の保冷容器では、運搬時や積載時の傾斜や振動によって仕切り板が移動したり、保冷容器の内側に仕切り板がぴったりとはめ込まれたりすると、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁とが接した状態になることがある。この場合、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁との間の間隙から仕切り板の下方への水の排出が阻害され、氷が融解して発生した水は、主に仕切り板の通水孔を通じて下方の水溜め空間内に排出されることになる。
しかし、前述の従来の仕切り板では、通水孔に氷が詰まると、通水孔を通じた排水が阻害され、仕切り板の上に水が溜まるおそれがある。仕切り板の上に溜まった水は、たとえば魚類等の被保冷物との浸透圧差によって被保冷物に浸潤し、被保冷物の品質を低下させる。また、仕切り板の周縁部と容器本体の側壁との間の間隙を介した排水が阻害されると、保冷容器の内部の温度が上昇しやすくなり、冷媒による保冷時間が短縮されるおそれがある。
これに対し、本実施形態の輸送方法TMで用いる断熱容器100は、前述のように、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体Lを導く流路Fを形成する流路形成構造Sを有している。さらに、この流路形成構造Sは、断熱容器100と仕切部材30との相対移動を規制して流路Fを維持する移動規制部S1を含んでいる。
そのため、本実施形態の輸送方法TMでは、輸送工程P3において、断熱容器100が振動したり傾斜したりしても、流路形成構造Sに含まれる移動規制部S1によって断熱容器100と仕切部材30との相対移動が規制される。そして、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体Lを導く流路Fが維持される。換言すると、輸送工程P3において、断熱容器100が振動したり傾斜したりしても、断熱容器100と仕切部材30との相対移動によって、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ液体Lを導く流路Fが閉塞されることが防止される。
より具体的には、流路形成構造Sは、仕切部材30の周縁部30eにおいて仕切部材30の上面31から仕切部材30の下面32まで連続する複数の溝状の凹部33を含んでいる。また、移動規制部S1は、仕切部材30の周縁部30eにおいて容器本体10の側壁12に向けて突出した複数の凸部34である。さらに、凹部33と凸部34は、仕切部材30の周縁部30eの全周にわたって交互に形成されている。
この構成により、輸送工程P3において断熱容器100が振動したり傾斜したりしても、流路形成構造Sの移動規制部S1を構成する仕切部材30の周縁部30eの複数の凸部34が、容器本体10の側壁12に当接することで、断熱容器100と仕切部材30との相対移動が規制される。この状態で、流路形成構造Sは、移動規制部S1を構成する凸部34の間に形成された溝状の凹部33により、容器本体10の側壁12の全周にわたって複数の流路Fが形成された状態を維持することができる。
そのため、輸送工程P3において、冷媒Rが融解して発生した水などの液体Lを、流路形成構造Sによって形成された流路Fを介して、仕切部材30の下方へ確実に排出することができる。これにより、物品Gに対する液体Lの浸潤が防止され、たとえば浸透圧差による鮮魚の身質の低下など、物品Gの品質低下が防止される。
また、流路形成構造Sによって形成された流路Fを流れる液体Lは、仕切部材30の上に収容された冷媒Rの凝固点に近い低温である。そのため、その液体Lが、流路形成構造Sによって形成された流路Fによって、仕切部材30の上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30の下方へ導かれる過程で、容器本体10の側壁12が効果的に冷却される。これにより、輸送工程P3において、容器本体10の側壁12を介した断熱容器100の内部への熱の侵入を抑制し、冷媒Rによる保冷時間をより長時間にわたって持続させることができる。
したがって、本実施形態の輸送方法TMによれば、冷媒Rの使用量を削減することができ、冷媒Rのコストを削減することができる。また、本実施形態の輸送方法TMによれば、冷媒Rの使用量を削減することができるので、物品Gと冷媒Rを収容した断熱容器100の重量を従来よりも低減することができる。これにより、断熱容器100の輸送コストを削減することができるだけでなく、断熱容器100の輸送に用いられる車両、船舶、および航空機などの燃料使用量を削減することができる。したがって、本実施形態の輸送方法TMによれば、排出ガスの抑制効果や二酸化炭素排出量の削減効果など、環境面におけるメリットも享受することができる。
さらに、本実施形態の輸送方法TMによれば、冷媒Rによる保冷時間をより長時間にわたって持続させることができるため、たとえば物品Gが鮮魚等である場合に、鮮度保持効果が向上する。そのため、断熱容器100の輸送時間、距離の延長が可能になり、流通域を広げる効果がある。また、物品Gの鮮度度保持効果を向上させることで、輸送時間、距離の延長により、トランジットフライトの利用や、搭載するフライトの時間帯の変更などが可能になり、輸送コストの低減につながる。また、物品Gの鮮度度保持効果の向上により、輸送中の鮮度低下により流通に不向きな魚種の流通が可能になるだけでなく、輸送中の鮮度低下を低減し、高鮮度な鮮魚流通を実現することができる。
また、仕切部材30の周縁部30eは、仕切部材30の平面視で凹円弧状の凹部33と凸円弧状の凸部34とが交互に連続した波形の形状を有している。この構成により、輸送工程P3において、仕切部材30の周縁部30eの複数の凸部34を断熱容器100の容器本体10の側壁12に安定して当接させることができる。さらに、凸部34と容器本体10の側壁12との接触面積を減少させ、流路Fに臨む容器本体10の側壁12の面積を増加させることができる。また、凹部33の流路形成面33aが、部分円筒状の凹曲面であることにより、凹部33によって形成される流路Fの断面積を増加させることができる。
そのため、輸送工程P3において、仕切部材30の上面31で冷媒Rが融解して発生した凝固点に近い低温の液体Lが複数の流路Fを流れる流量を増加させることができる。また、流路Fを流れる低温の液体Lが容器本体10の側壁12に沿って仕切部材30の上方から下方へ流れる過程で、液体Lと容器本体10の側壁12との接触面積を増加させ、容器本体10の側壁12をさらに効果的に冷却することができる。
また、仕切部材30は、上面31の中央部から上面31の周縁部へ近づくほど容器本体10の底壁13に近づくように、上面31中央部が上面31の周縁部よりも蓋部20へ向けて膨出している。この構成により、たとえば断熱容器100をおおむね水平な面の上に配置したときに、仕切部材30の上面21において冷媒Rが融解して発生した液体Lを、より高い上面31の中央部から、より低い上面31の周縁部へ流下させ、流路Fに導入することができる。したがって、流路Fを介した仕切部材30の上方から下方へ液体Lの排出を促進させることができる。
また、仕切部材30は、その上面31の中央部から周縁部まで放射状に延びる複数の溝部35を有している。そして、溝部35の底面35aは、上面31の中央部から周縁部に近づくほど容器本体10の底壁13に近づくように傾斜している。この構成により、溝部35は、輸送工程P3において、冷媒Rの融解によって仕切部材30の上面31に発生した液体Lを流入させ、仕切部材30の上面31から液体Lを排除することができる。また、溝部35は、流入した液体Lを底面35aの傾斜によって仕切部材30の上面31の中央部から周縁部へ流し、複数の流路Fを介した仕切部材30の下方への液体Lの排出を促進させることができる。
また、仕切部材30は、その上面31の中央部から周縁部まで放射状に延びる複数の稜線部36と、この稜線部36に隣接する傾斜面37の間に形成され、中央部から周縁部へ向けて漸次深くなる複数の谷部38と、を有している。この構成により、輸送工程P3において、仕切部材30の上面31で冷媒Rが融解して発生した液体Lは、稜線部36に隣接する傾斜面37に沿って流れて谷部38の底部に集まる。谷部38の底部に集まった液体Lは、さらに、仕切部材30の上面31の中央部から周縁部へ向けて漸次深くなる谷部38の底部に沿って、仕切部材30の中央部から周縁部30eへ流れ、複数の流路Fを介した仕切部材30の下方への液体Lの排出が促進される。
また、仕切部材30の上面31において、溝部35を谷部38の底部に形成することで、谷部38の底部に集まった液体Lを溝部35に流入させ、仕切部材30の上面31から周縁部30eへの液体Lの排出をさらに促進させることができる。
さらに、収容工程P2において、断熱容器100に物品Gとともに収容する冷媒Rとして、フレークアイス、スラリーアイス、脱水氷、雪状氷、またはパウダー状の氷など用いる場合には、物品Gと断熱容器100との間に極力隙間を生じないように冷媒Rを収容することができる。これにより、輸送工程P3において、物品Gを効果的に保冷することができるだけでなく、隙間なく充填された冷媒Rによって断熱容器100の輸送時の振動などから物品Gを効果的に保護することができる。
また、収容工程P2において、仕切部材30の下面と容器本体10の底面13との間に吸水材を配置することで、輸送工程P3において、仕切部材30の下方へ排出された液体Lを吸水材によって吸収して保持することができる。これにより、輸送工程P3において、断熱容器100が輸送時に振動したり傾いたりした場合に、仕切部材30の下方へ排出された液体Lが再び仕切部材30の上方へ移動するのを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の断熱容器100を用いた輸送方法TMによれば、断熱容器100の内部で冷媒Rが融解して発生した液体Lと断熱容器100に収容される物品Gとを従来よりも確実に分離することができ、より長時間にわたって物品Gを保冷することができる。なお、輸送方法TMに用いる断熱容器100および仕切部材30は、図1から図3に示す構成に限定されず、適宜変更することが可能である。以下、本実施形態の断熱容器100および仕切部材30のいくつかの変形例について説明する。
図6Aは、図1に示す仕切部材30の変形例1を示す斜視図である。図6Bは、図6Aに示す変形例1の仕切部材30AのVIB−VIB線に沿う断面図である。仕切部材30Aは、その上面31に稜線部36と谷部38を有しなくてもよい。この場合、仕切部材30Aの上面31は、断熱容器100を水平な平面の上に配置したときに、おおむね水平になる平坦な面でもよいが、図5Bに示すように、中央部よりも周縁部が低くなるように傾斜していてもよい。これにより、輸送工程P3において、仕切部材30Aの上面31に沿って中央部から周縁部30eへ液体Lを排出することができる。
また、断熱容器100の容器本体10を水平面に配置したときに、仕切部材30Aの上面31に設けられた溝部35の底面35aの水平面に対する傾斜角度αは、仕切部材30Aの上面31の水平面に対する傾斜角度βより大きくしてもよい。これにより、輸送工程P3において、仕切部材30Aの上面31で溝部35に流入した液体Lが、溝部35の底面35aの傾斜に沿って仕切部材30Aの上面31の中央部から周縁部へ流れやすくなる。そのため、仕切部材30Aの上面31で冷媒Rの融解によって発生した液体Lをより効率よく複数の流路Fを介して仕切部材30Aの下方へ排出することができる。なお、仕切部材30Aの周縁部30eにおける損傷を防止する観点から、仕切部材30Aの周縁部30eで溝部35の底面35aが最も低くなる位置において、仕切部材30Aの厚さTは2mm以上であることが好ましい。
図7は、図1に示す仕切部材30の変形例2を示す斜視図である。変形例2の仕切部材30Bは、その上面31に溝部35を有しない。この場合にも、前述のように、輸送工程P3において、仕切部材30Bの上面31で冷媒Rが融解して発生した液体Lは、稜線部36に隣接する傾斜面37に沿って流れて谷部38の底に集まる。谷部38の底に集まった液体Lは、さらに、仕切部材30Bの上面31の中央部から周縁部へ向けて漸次深くなる谷部38の底に沿って、仕切部材30Bの中央部から周縁部30eへ流れる。これにより、複数の流路Fを介した仕切部材30Bの下方への液体Lの排出が促進される。
図8Aは、図1に示す仕切部材30の変形例3を示す平面図である。変形例3の仕切部材30Cは、矩形の周縁部30eの各辺に、凸部34Cを一つずつ有している。また、凸部34Cは、平面視で矩形であってもよい。この仕切部材30Cにおいて、凸部34Cは、断熱容器100の容器本体10と仕切部材30Cとの相対移動を規制することができる強度を確保可能な最小限の大きさに形成することができる。これにより、輸送工程P3において、流路Fの断面積および流路Fに面する断熱容器100の側壁12の面積を増加させ、液体Lと断熱容器100に収容される物品Gとをより確実に分離するとともに、より長時間にわたって物品Gを保冷することができる。
図8Bは、図1に示す仕切部材30の変形例4を示す平面図である。変形例4の仕切部材30Dでは、図8Aに示す変形例3の仕切部材30Cと比較して、矩形の周縁部30eの各辺に沿う凸部34Dの幅が大きくされている。この仕切部材30Dにおいて、凸部34Dと凹部33Dは、仕切部材30Dの周縁部30eの全周にわたって交互に4つずつ設けられている。これにより、輸送工程P3において、凸部34Dの強度を確保して断熱容器100の容器本体10と仕切部材30Dとの相対移動をより確実に規制することができる。
次に、本発明の輸送方法TMに用いることができる断熱容器の他の例について、図9から図13を用いて説明する。図9は、本発明の輸送方法TMに用いる断熱容器100Aの一例を示す分解斜視図である。図10は、図9に示す仕切部材30Eの平面図である。図11は、図10に示す仕切部材30EのXI-XI線に沿う断面図である。
断熱容器100Aは、仕切部材30Eが複数の貫通孔39を有している点で、図1に示す断熱容器100と異なっている。貫通孔39は、仕切部材30Eの下面32に開口する下方開口部39bの開口面積が仕切部材30Eの上面31に開口する上方開口部39aの開口面積よりも小さくされている。貫通孔39の内壁面39cは、上方開口部39aから下方開口部39bまで連続する複数の凹溝39dを有している。
断熱容器100Aは、前述の断熱容器100と同様に、仕切部材30Eと容器本体10の少なくとも一方が、仕切部材30Eの上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30Eの下方へ液体Lを導く流路Fを形成する流路形成構造Sを有している。この流路形成構造Sは、容器本体10と仕切部材30Eとの相対移動を規制して流路Fを維持する移動規制部S1を含んでいる。
断熱容器100Aにおいて、流路形成構造Sは、仕切部材30Eの周縁部30eと、周縁部30eに設けられた切欠部39Aを含んでいる。切欠部39Aは、貫通孔39を半分に切断した構成を有している。なお、断熱容器100Aにおいて、流路形成構造Sは、たとえば前述の仕切部材30と同様に、仕切部材30Eの周縁部30eに設けられた凹部33と凸部34(図2参照)を含んでもよい。図10に示すように、移動規制部S1は、仕切部材30Eの周縁部30eのうち、切欠部39Aが設けられていない直線状の部分である。
断熱容器100Aにおいて、図13に示すように、仕切部材30Eの貫通孔39の中心線CLに対する凹溝39dの底面の傾斜角度θは、貫通孔39の中心線に対する貫通孔39の内壁面39cの傾斜角度γよりも小さくされている。すなわち、断熱容器100Aの容器本体10を水平面に配置したときに、貫通孔39の内壁面39cの水平面に対する傾斜角度γ1よりも、凹溝39dの底面の水平面に対する傾斜角度θ1が大きくなっている。貫通孔39の中心線CLに対する凹溝39dの底面の傾斜角度θは、たとえば13°以上かつ45°以下であり、貫通孔39の中心線CLに対する内壁面39cの傾斜角度γは、たとえば20°以上45°以下である。
前述のように、断熱容器100Aは、図1に示す断熱容器100と同様に、仕切部材30Eが流路形成構造Sを有し、この流路形成構造Sが移動規制部S1を含んでいる。より具体的には、断熱容器100Aおよび仕切部材30Eにおいて、流路形成構造Sは、仕切部材30Eの周縁部30eと、周縁部30eに設けられた切欠部39Aを含んでいる。また、断熱容器100Aにおいて、移動規制部S1は、仕切部材30Eの周縁部30eのうち、切欠部39Aが設けられていない直線状の部分である。
そのため、輸送工程P3において、断熱容器100Aが振動したり傾斜したりしても、仕切部材30Eの周縁部30eのうち、切欠部39Aの間の部分が容器本体10の側壁12に当接して、容器本体10と仕切部材30Eとの相対移動が規制される。そして、切欠部39Aによって、仕切部材30Eの上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30Eの下方へ液体Lを導く流路F(図5A参照)が形成される。このように、仕切部材30Eの周縁部30eが容器本体10の側壁12に当接して、容器本体10と仕切部材30Eとの相対移動を規制することで、切欠部39Aによって形成された流路Fは、容器本体10と仕切部材30Eとの相対移動によって閉塞されることなく維持される。
したがって、断熱容器100Aを用いた輸送方法TMによれば、前述の断熱容器100を用いた場合と同様に、断熱容器100Aの内部で冷媒Rが融解して発生した液体Lと断熱容器100Aに収容される物品Gとを従来よりも確実に分離することができ、より長時間にわたって物品Gを保冷することができる。
また、前述のように、断熱容器100Aにおいて、仕切部材30Eは、複数の貫通孔39を有している。これにより、輸送工程P3において、仕切部材30Eの上面31で発生した液体Lを、仕切部材30Eの周縁部30eと断熱容器100Aの容器本体10の側壁12との間の複数の流路Fだけでなく、複数の貫通孔39を介して仕切部材30Eの下方に排出することができる。
また、前述のように、仕切部材30Eの貫通孔39は、仕切部材30Eの下面32に開口する下方開口部39bの開口面積が仕切部材30Eの上面31に開口する上方開口部39aの開口面積よりも小さくされている。そのため、輸送工程P3において、氷などの冷媒Rの塊が、上方開口部39aよりも小さく、貫通孔39に入り込んだ場合でも、その冷媒Rの塊が下方開口部39bよりも大きければ、その冷媒Rの塊は貫通孔39を通過しない。これにより、輸送工程P3において、仕切部材30Eの下方への冷媒Rの落下が防止され、冷媒Rによる物品Gの保冷効果をより長時間にわたって持続させることができる。
また、前述のように、仕切部材30Eの貫通孔39の内壁面39cは、上方開口部39aから下方開口部39bまで連続する複数の凹溝39dを有している。これにより、輸送工程P3において、氷などの冷媒Rの塊が、貫通孔39の上方開口部39aよりも小さく、貫通孔39に入り込んだ場合でも、貫通孔39の内壁面39cに設けられた複数の凹溝39dに仕切部材30Eの上面31で発生した液体Lを流入させ、仕切部材30Eの下面32の下方開口部39bへ排出することができる。
また、前述のように、貫通孔39の中心線CLに対する凹溝39dの底面の傾斜角度θが、貫通孔39の中心線CLに対する貫通孔39の内壁面39cの傾斜角度γよりも小さくされている。この場合、輸送工程P3において、凹溝39dに流入した液体Lが仕切部材30Eの上面31から下面32へ、凹溝39dの底面に沿ってより流れやすくなる。これにより、輸送工程P3において、貫通孔39を介した上方開口部39aから下方開口部39bへの液体Lの排出を促進させることができる。なお、貫通孔39の中心線CLに対する凹溝39dの底面と貫通孔39の内壁面39cの傾斜角度θ,γを上述の角度範囲にすることで、冷媒Rの詰まりを防止し、液体Lの流れを良好にすることができる。
以上説明したように、断熱容器100Aを用いた輸送方法TMによれば、断熱容器100Aの内部で冷媒Rが融解して発生した液体Lと断熱容器100Aに収容される物品Gとを従来よりも確実に分離することができ、より長時間にわたって物品Gを保冷することができる。なお、輸送方法TMに用いる断熱容器100Aおよび仕切部材30Eは、図9から図13に示す構成に限定されず、適宜変更することが可能である。以下、輸送方法TMに用いる断熱容器100Aおよび仕切部材30Eのいくつかの変形例について説明する。
図14は、図1または図9に示す仕切部材30,30Eの変形例Iを示す断面図である。変形例Iの仕切部材30Fは、周縁部30eに凹部33と凸部34を有しなくてもよく、周縁部30eに切欠部39Aを有しなくてもよい。この場合、仕切部材30Fは、流路形成構造Sとして、仕切部材30Fの周縁部30eの全周にわたって所定の間隔で設けられた貫通孔39’を有することができる。貫通孔39’は、たとえば、仕切部材30Fの上面31に開口した上方開口部39a’と、仕切部材30Fの下面32に開口して容器本体10の側壁12に隣接する下方開口部39b’とを有することができる。
この場合、貫通孔39’の下方開口部39b’は、貫通孔39’を流れて下方開口部39b’から排出された液体Lが、容器本体10の側壁12に沿って仕切部材30Fの下方へ流れることができる程度に、容器本体10の側壁12に近接して設けることができる。すなわち、この貫通孔39’が仕切部材30Fの上面31から容器本体10の側壁12の内表面を介して仕切部材30Fの下方へ液体Lを導く流路Fを形成する。また、この変形例Iの仕切部材30Fにおいて、移動規制部S1は、仕切部材30Fの周縁部30eである。仕切部材30Fの周縁部30eは、容器本体10の側壁12に当接して容器本体10と仕切部材30Fとの相対移動を規制し、貫通孔39’によって形成される流路Fを維持する。
図15Aおよび図15Bは、図1または図9に示す断熱容器100,100Aの変形例IIを示す断面図である。図16Aおよび図16Bは、図1または図9に示す断熱容器100,100Aの変形例IIIを示す断面図である。図17は、図15Aまたは図16Aに示す仕切部材30G,30Hの変形例IVを示す平面図である。
断熱容器100B,100C,100D,100Eまたは仕切部材30G,30Hは、仕切部材30G,30Hの下面32と容器本体10B,10C,10D,10Eの底壁13との間に支持部40を備えている。この支持部40は、図15Aおよび図15Bに示すように、仕切部材30Gの下面32に一体に連結されていてもよいし、図16Aおよび図16Bに示すように、容器本体10D,10Eの底壁13に一体に連結されていてもよい。また、支持部40は、仕切部材30Gおよび容器本体10D,10Eと分離して設けられていてもよい。断熱容器100B,100Dは、図15Aおよび図16Aに示すように、仕切部材30Hの下面32と容器本体10Bの底壁13の少なくとも一方に、支持部40の端部を係合させる係合凹部50を有することができる。
より詳細には、図15Aおよび図16Aに示すように、相対的に断熱性が高い高断熱性能の断熱容器100B,100Dと、図15Bおよび図16Bに示すように、相対的に断熱性が低い低断熱性能の断熱容器100C,100Eとを使い分ける場合がある。高断熱性能の断熱容器100B,100Dは、比較的に少ない冷媒Rで、比較的に多い冷媒Rを収容した低断熱性能の断熱容器100C,100Eと同様の保冷効果が得られる。そのため、高断熱性能の断熱容器100B,100Dでは、冷媒Rが融解して発生する液体Lの量が比較的に少なく、低断熱性能の断熱容器100C,100Eでは、冷媒Rが融解して発生する液体Lの量が比較的に多くなる傾向がある。
そこで、図15Aおよび図16Aに示すように、高断熱性能の断熱容器100B,100Dにおいて、仕切部材30G,30Hの下面32と容器本体10B,10Dの底壁13の少なくとも一方に、支持部40の端部を係合させる係合凹部50を設けることができる。これにより、係合凹部50を有しない場合と比較して、断熱容器100B,100Dの収容室Cにおいて、仕切部材30G,30Hの上方側の空間を拡張し、物品Gと液体Lを分離しつつより多くの物品Gを収容することが可能になる。
また、図15Bおよび図16Bに示すように、低断熱性能の断熱容器100C,100Eにおいて、係合凹部50を有しない構成とすることで、(断熱容器100Cでは、高断熱性能の断熱容器100Bと同じ仕切部材30Gを用いて)仕切部材30G,30Hの下方側の空間を拡張することができる。これにより、低断熱性能の断熱容器100C,100Eに、高断熱性能の断熱容器100B,100Dと比較して、より多くの冷媒Rを収容した場合でも、物品Gと液体Lをより確実に分離することが可能になる。
さらに、図15Aおよび図16Aに示すように、断熱容器100B,100Dにおいて、仕切部材30G,30Hの下面32と容器本体10B,10Dの底壁13の少なくとも一方に、支持部40の端部を係合させる係合凹部50を設けることで、係合凹部50と支持部40を、流路形成構造Sの一部である移動規制部S1とすることができる。また、容器本体10B,10Dの側壁12の内側に配置された仕切部材30G,30Hの周縁部30eを流路形成構造Sとすることができる。
具体的には、図17に示すように、仕切部材30G,30Hの周縁部30eと容器本体10B,10Dの側壁12との間にこれらの全周にわたって隙間を設けることができる。そして、この隙間を、仕切部材30G,30Hの上面31から容器本体10B,10Dの側壁12の内表面を介して仕切部材30G,30Hの下方へ液体Lを導く流路Fとすることができる。さらに、図15Aおよび図16Aに示すように、支持部40の端部を係合凹部50に係合させることで、容器本体10B,10Dと仕切部材30G,30Hとの相対移動が規制され、仕切部材30G,30Hの周縁部30eと容器本体10B,10Dとの間の流路Fが維持される。
すなわち、図17に示す変形例IVの仕切部材30G,30Hにおいて、流路形成構造Sは、容器本体10B,10Dの側壁12との間に流路Fを形成可能に該側壁12の内寸よりも一回り小さい外寸に形成された仕切部材30G,30Hの周縁部30eを含む。また、移動規制部S1は、仕切部材30G,30Hの下面32と容器本体10B,10Dの底壁13との間の支持部40を含む。さらに、図15Aに示すように、支持部40は、仕切部材30Gの下面32と容器本体10Bの底壁13のうち、一方の仕切部材30Gの下面32に固定され、他方の容器本体10Bの底壁13に取り外し可能に係合している。また、図16Aに示すように、支持部40は、仕切部材30Hの下面32と容器本体10Dの底壁13のうち、一方の容器本体10Dの底壁13に固定され、他方の仕切部材30Hの下面32に取り外し可能に係合している。また、仕切部材30Gの下面32と容器本体10Bの底壁13の双方に係合凹部50を設ける場合には、支持部40を仕切部材30Gの下面32と容器本体10Bの底壁13の双方に取り外し可能に係合させることができる。
この構成により、流路形成構造Sは、図17に示すように、仕切部材30G,30Hの周縁部30eと容器本体10B,10Dの側壁12との間に、仕切部材30G,30Hの周縁部30eの全周にわたって、流路Fとしての隙間を形成することができる。また、流路形成構造Sは、移動規制部S1を構成する支持部40によって、容器本体10B,10Dと仕切部材30G,30Hとの相対移動を規制して流路Fが閉塞されるのを防止し、流路Fを維持することができる。また、支持部40によって仕切部材30G,30Hを容器本体10B,10Dの底壁13の上に間隔をあけて支持し、仕切部材30G,30Hの下面32と容器本体10B,10Dの底壁13との間に、冷媒Rが融解して発生した液体Lを貯留するための空間を確保することができる。
図18は、図1または図9に示す断熱容器100,100Aの変形例Vを示す平面図である。変形例Vの断熱容器100Fにおいて、流路形成構造Sは、容器本体10Fの側壁12において仕切部材30Jの上面31から仕切部材30Jの下面32まで連続する複数の溝状の凹部12bを含んでいる。また、移動規制部S1は、容器本体10Fの側壁12において仕切部材30Jの周縁部30eに向けて突出した複数の凸部12cである。この凹部12bと凸部12cは、容器本体10Fの側壁12の全周にわたって交互に形成されている。なお、変形例Vの断熱容器100Fにおいて、仕切部材30Jは、周縁部30eに凹部33および凸部34を有しない矩形板状であり、容器本体10Fの側壁12の内側に所定の寸法公差でぴったりとはめ込まれている。なお、仕切部材30Jは、周縁部30eに図1または図9に示す凹部33および凸部34または切欠部39Aを有してもよい。
この構成により、変形例Vの断熱容器100Fでは、たとえば輸送工程P3において断熱容器100Fが振動したり傾斜したりしても、流路形成構造Sの移動規制部S1を構成する容器本体10Fの側壁12の複数の凸部12cが仕切部材30Jの周縁部30eに当接することで、容器本体10Fと仕切部材30Jとの相対移動が規制される。この状態で、流路形成構造Sは、移動規制部S1を構成する凸部12cの間に形成された容器本体10Fの側壁12の溝状の凹部12bにより、容器本体10Fの側壁12の全周にわたって複数の流路Fが形成された状態を維持することができる。したがって、変形例Vの断熱容器100Fを用いた輸送方法TMによれば、図1または図9に示す断熱容器100,100Aを用いた輸送方法TMと同様の効果を得ることができる。
図19は、図1または図9に示す断熱容器100,100Aの変形例VIを示す断面図である。変形例VIの断熱容器100Gにおいて、容器本体10Gの側壁12は、その上端部に開口する中空部14を有している。中空部14は、たとえば容器本体10Gの側壁12の厚さ方向における中央部に側壁12の下端から上端まで連続して形成することができる。また、容器本体10Gの側壁12の周方向において、中空部14を連続的に形成してもよいが、側壁12の強度を確保する観点から、複数の中空部14を周方向に間隔をあけて設けてもよい。
容器本体10Gの側壁12の上端部には、蓋部20Gの周縁部の下端に設けられた突起部22を嵌合させる凹状の嵌合部12dが設けられている。中空部14の開口14aは、嵌合部12dの底面に開口し、蓋部20Gによって容器本体10Gの開口部11を閉鎖したときに、蓋部20Gの突起部22によって閉塞される。容器本体10Gの側壁12の厚さ方向において、中空部14の寸法D1は、蓋部20Gの突起部22および側壁12の嵌合部12dの寸法D2よりも小さくなっている。
容器本体10Gの側壁12が中空部14を有することにより、中空部14に収容された空気を容器本体10Gの側壁12の断熱層とし、断熱容器100Gの断熱性を向上させ、冷媒Rによる保冷時間をより長時間にわたって持続させることができる。なお、レイリー数を1700未満にして中空部14の内部での空気の対流を防止し、断熱性を向上させる観点から、容器本体10Gの側壁12の厚さ方向における中空部14の寸法D1は、たとえば7mm以上かつ10mm以下であることが好ましい。
また、容器本体10Gの側壁12の厚さ方向において、中空部14の寸法D1が蓋部20Gの突起部22および側壁12の嵌合部12dの寸法D2よりも小さい。そのため、中空部14の開口14aから断熱容器100Gの外面までの容器本体10Gの表面に沿う距離が十分に確保され、中空部14の密閉性が向上し、中空部14による断熱性を向上させることができる。
また、断熱容器100Gは、容器本体10Gの内側に容器本体10Gの側壁12および底壁13を覆う断熱シート60を有してもよい。断熱シート60の素材は、特に限定されないが、たとえば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−スチレン共重合体、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂発泡シートを用いることができる。この断熱シート60により、断熱容器100Gの外部から容器本体10Gまたは蓋部20Gを介して断熱容器100Gの内部へ伝わった熱が、断熱シート60の内側に伝わるのを抑制することができる。したがって、輸送工程P3において、断熱シート60の内側における冷媒Rによる保冷時間をより長時間にわたって持続させることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
[実施例]
以下、本発明に係る断熱容器を用いた輸送方法の実施例について説明する。
(実施例1)
まず、前述の実施形態1で説明した図1に示す構成の断熱容器を用意し、仕切部材配置工程を行って、容器本体の内部を仕切部材によって上下に区画した。次に、収容工程を行って、仕切部材の上に、冷媒として5.6kgの重量のシースノー(登録商標)と温度計を収容し、容器本体の開口部を蓋部によって閉鎖した。この断熱容器を、輸送工程における外部環境を模したおおむね30℃の環境に置き、1時間ごとに24時間にわたって内部の温度を測定した。
(実施例2)
容器本体の内側に、容器本体の側壁および底壁を覆うポリエチレン発泡シートを配置した断熱容器を用い、仕切部材配置工程において、断熱シートの内側に仕切部材を配置した。それ以外は、実施例1と同様に、収容工程を行って断熱容器に冷媒および温度計を収容し、輸送工程を模した環境で断熱容器の内部の温度を測定した。
(比較例1)
仕切部材配置工程を実施することなく、実施例1と同様の断熱容器に仕切部材を配置せず、収容工程を行って容器本体の内部に実施例1と同様に冷媒および温度計を収容し、実施例1と同様の輸送工程を模した環境で内部の温度を測定した。
図20は、実施例および比較例の輸送方法における断熱容器内の温度と時間の関係を示すグラフである。実施例1および実施例2の輸送方法では、比較例1の輸送方法と比較して、断熱容器の内部の温度上昇が抑制された。以下の表1に、実施例1、実施例2および比較例1の輸送方法において、24時間経過後に残存した冷媒の重量と、冷媒が融解して発生した液体の重量を示す。
Figure 2018095305
表1に示すように、実施例1および実施例2の輸送方法は、仕切部材によって冷媒が融解した液体を冷媒から分離させることで、比較例1の輸送方法と比較して、より多くの冷媒を融解させずに残存させることが確認された。また、内部に断熱シートを備えた断熱容器を用いた実施例2の輸送方法は、内部に断熱シートを有しない断熱容器を用いた実施例1の輸送方法と比較して断熱性が向上し、より多くの冷媒を融解させずに残存させることが確認された。
10:容器本体、10B−10G:容器本体、11:開口部、12:側壁、20:蓋部、20B−20G:蓋部、30:仕切部材、30e:周縁部、30A−30J:仕切部材、31:上面、100:断熱容器、100B−100G:断熱容器、F:流路、G:物品、L:液体、P1:仕切部材配置工程、P2:収容工程、P3:輸送工程、R:冷媒、S:流路形成構造、S1:移動規制部、TM:輸送方法

Claims (1)

  1. 容器本体と、該容器本体の上端の開口部を閉塞する蓋部と、前記容器本体の内部を上下に区画する仕切部材と、を備えた断熱容器を用いた輸送方法であって、
    前記容器本体の内部に前記仕切部材を配置して前記容器本体の内部を上下に区画する仕切部材配置工程と、
    前記容器本体の内部で前記仕切部材の上に冷媒および物品を収容して前記開口部を前記蓋部によって閉塞する収容工程と、
    前記冷媒および前記物品を収容した前記断熱容器を輸送する輸送工程と、を有し、
    前記仕切部材配置工程において、前記仕切部材と前記容器本体の少なくとも一方が、前記仕切部材の上面から前記容器本体の側壁の内表面を介して前記仕切部材の下方へ液体を導く流路を形成する流路形成構造を有する前記断熱容器を用い、
    前記輸送工程において、前記流路形成構造に含まれる移動規制部によって前記容器本体と前記仕切部材との相対移動を規制して前記流路を維持し、前記仕切部材の前記上面で前記冷媒の融解により生じた液体を前記仕切部材の下方へ前記流路を介して排出することを特徴とする断熱容器を用いた輸送方法。
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