JPH0710178A - 保冷箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 カニ、魚類などを保冷して保存または輸送す
るのに使用される冷凍函を提供する。 【構成】 発泡プラスチックなどからなる容器であっ
て、容器本体４と蓋からなり、容器本体４内に複数個の
仕切り板６を設けて数個の包装区画（部屋）を並設して
なる保冷箱であって、仕切り板６がその中央部分が容器
本体４の上面部から容器本体４の内底面に達する深さで
適当な幅で切り欠いた形状で形成されていることを特徴
とする鮮魚、カニ１０等の包装用保冷箱。 【効果】 一つの容器に内容物の包装位置がづれること
なく収納でき、かつ保冷のために同時に充填される氷の
溶解水の影響を除くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカニ、魚類などを包装・
輸送するのに使用される保冷箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】魚やカニ等の鮮魚類を輸送する方法とし
て、発泡ポリスチロール製の容器に詰めて冷蔵設備を備
えた冷蔵車で輸送する方法が採られている。このために
使用される保冷箱は、図９に示すように通常充填すべき
魚等が入るような大きさの発泡ポリスチロール製の箱型
の容器１と蓋２とからなり、容器１の底の方に砕いた氷
を入れ、その上に魚等の被包装物を入れた後この魚等の
周囲と上面に砕氷を詰めて蓋２をしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の保冷箱で輸
送する場合、箱内には氷が一緒に充填されており、輸送
中に溶けた氷の水が保冷箱の容器１内に溜ると冷蔵効果
が低下することから、容器１の側壁下端部に排水口３を
開口させている。この排水口３は外気と接する場所とな
るため多数設けると保冷効果を低下させ、また、容器の
強度を低下させることとなることと製造作業を複雑にす
るのでなるべく少ない方が好ましく、そのため通常は容
器１の両側に２個づつ設ける程度である。

【０００４】保冷箱の内部に多数の仕切り板を立設させ
て複数の収納箇所（部屋）を設けた場合、収納部屋内の
水を排水させるための排水口を設ける必要があるが、各
部屋ごとに設けると排水口数が多くなり、前記のように
保冷効果や箱の強度が低下することから、従来より内部
に仕切り板の無い図９に示すような形状の保冷箱が使用
されている。そのため、一つの保冷箱に一尾の魚やカニ
を入れるという方法によっており不経済であった。ま
た、仮に一つの保冷箱に多数の魚やカニを入れた場合、
輸送中に氷が溶けたりして箱に入れた時の状態とは異な
る位置となり、包装品である魚やカニ同士が不自然な状
態でぶつかり合あって傷がついたりして蓋を開いたとき
の商品価値が低下するなどの問題を生じている。本発明
は上記問題を解決するためのもので、箱の強度を低下さ
せることがなくかつ、製造が容易で、容器に詰めた魚や
カニの商品価値を低下させることのない保冷箱を提供せ
んとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の保冷箱は、容器
本体と蓋からなり、容器本体内に複数個の仕切り板を設
けて数個の包装区画（部屋）を並設してなる保冷箱であ
って、仕切り板がその中央部分が容器本体の上面部から
容器本体の内底面に達する深さで適当な幅で切り欠いた
形状で形成されていることを特徴とするものである。

【０００６】本発明において、仕切り板の中央部分の切
り欠き部の形状は、上方より下方に向けて適当な傾斜角
度で滑り下りるような逆台形の形とされるが、必ずしも
この形状に限定されるものではなく、垂直に切り落とし
た形状でも良く、また途中に段部を設けた形としても良
い。傾斜角度としては容器内底面から６０〜８０度程度
が成形上有利である。仕切り板の中央の切り欠き部の幅
は、保冷箱に詰められる魚やカニなどの大きさによって
選択される。カニの場合、カニの甲の大きさとすればカ
ニの足の部分は仕切り板と仕切り板によって郭成される
部分に挿入することができる。また、魚の場合には、仕
切り板と平行に魚を入れたとき魚の側腹の膨らんだ部分
とかヒレの部分が切り欠き部に位置するように切り欠き
部を設けてもよい。それ故、切り欠き部は必ずしも仕切
り板の中央でなくても良い。

【０００７】仕切り板の厚さは一様な厚さでも良いが、
上方から下方に向て厚くなるようにした方が成形上およ
び容器本体の強度の点で好ましい。設ける仕切り板の数
は、任意に設定できるが、容器本体内にできる包装区画
（部屋）が３〜４程度が好ましいことから２〜３枚程度
が良い。

【０００８】本発明の保冷箱に排水口を設ける場合、容
器本体に設けられる排水口は並設された包装区画（部
屋）の一番外側の区画、すなわち仕切り板と容器本体の
側壁とで形成される包装区画（部屋）に設けるとよい。
排水口は該包装区画内の底面に設けるかまたは該区画を
形成する容器本体の側壁下端部に設ける。この場合、容
器本体の側壁下端部に設ける排水口は、仕切り板と平行
な容器本体の側壁に必ずしも設けなくても良い。容器本
体の内底面は一様に平らでも良いが、好ましくは仕切り
板と仕切り板との間に形成される包装区画（部屋）の内
底面は容器本体の中央に向けて下降するように傾斜させ
た方が好ましく、また仕切り板と該仕切り板と平行な容
器本体の側壁とで形成される包装区画（部屋）の内底面
は平らかまたは容器本体中央から排水口に向けて次第に
下降する形状とすると良い。内底面は必ずしも平面とす
る必要はなく、例えば魚体に合わせて曲面としても良
い。

【０００９】本発明の保冷箱は、従来のものと同様に発
泡ポリスチロールで製造しても良く、また他の発泡プラ
スチック製としても良い。また、発泡プラスチックに限
定されることなく他のプラスチック等の材料で製造して
も良い。

【００１０】本発明において、仕切り板の高さは容器本
体の開口面の位置と同じとする必要はなく、若干開口面
より低くしても高くしても良いことは勿論である。開口
面よりも低くした場合には、必要に応じて蓋の内面に仕
切り板に対応させて突条または突起を設けて内容物がづ
れるなどの不都合を防止するようにしても良く、また開
口面よりも仕切り板を高くした場合には、容器本体の上
面に出た分を収納できる深さの蓋とすると良い。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図面にしたがって説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。

【００１２】図１は、本発明の典型的な一例で、容器本
体４内に仕切り板６が３枚設けられた保冷箱の例であ
る。仕切り板６は図に示すようにその中央部が逆台形状
に切り欠いた形となっている。７は排水口で、本例の場
合、仕切り板６と平行な位置の容器本体４の側壁下端部
に設けられている。

【００１３】図２および図３は、本発明の保冷箱の内底
面の形状の一例を示すための断面図である。図２は、図
１のII−II線断面図で、仕切り板６と該仕切り板６に対
して平行な容器本体の側壁とで郭成される包装区画の内
底面９ａが図中の中央部から両端に向かって下降する形
となっていることを示している。また、図３は、図１の
III −III 線断面図で、仕切り板６と仕切り板６の間に
郭成される包装区画の内底面９ｂが両端から中央部に向
かって下降する形状となっていることを示している。こ
のように内底面を形成することにより、仕切り板６間に
おける水は中央部に流れた後容器本体４の側壁部に流
れ、側壁部に流れた水は排水口７より容易に流出するの
で、各包装区画毎に排水口を設ける必要がなくなる。そ
のため、排水口を設ける数が少なくてすみ、保冷箱の保
冷効果と箱の強度を低下させることがない。

【００１４】図４は本発明保冷箱の一使用例を示す斜視
図で、カニ10を包装した例である。包装にはカニの下と
側部に砕氷を入れるが図では省略してある。図からわか
るように、カニ10の体（甲）の部分が切り欠き部８に位
置しているため、輸送中にづれるようなこともなく、ま
た、カニが容器本体４内に奇麗に並べられるので、商品
的価値も高いものとなっている。

【００１５】図５は本発明保冷箱の他の実施例を示す容
器本体の上面図で、容器本体の内側壁および仕切り板が
若干斜めに形成されており、容器本体内に平行四辺形状
の包装区画が並設されている例を示す。７は排水口で、
並設された包装区画の最外側の区画内の底面に円形の孔
として設けられている。図６は更に他の実施例を示す容
器本体の上面図で、包装区画が「く」の字形に設けられ
ている例である。この保冷箱似よれば、カニなどを収納
したとき足を無理に真っ直ぐに伸ばす必要がなく、また
見栄えも良いなどの利点を有する。

【００１６】図７は仕切り板の変形例を示す図で、図に
示すように上方よりほぼ中間の位置まで垂直に切り欠
き、一定の幅の段部設けその下方を斜めに切断した例で
ある。本例の容器の場合、段部６ａによって包装品が支
えられるため、輸送中の振動等や氷の溶け過ぎなどがあ
っても、包装品の位置がずれるようなことがないなどの
利点を有する。図８は各包装区画内の底面を曲面とした
例である。このようにすることによって、成形時の脱型
を容易にすることができる共に、容器本体の強度および
仕切り板の強度を向上させることができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の保冷箱は箱内に特殊な形状の仕
切り板を設けたことにより、包装すべきカニや魚などを
奇麗に配列して詰めることができることのほか、保冷効
果や箱の強度を低下させることがないなど多くの優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明保冷箱の内底面の一例を示す断面図であ
る。

【図３】本発明保冷箱の内底面の他の例を示す断面図で
ある。

【図４】本発明の使用状態の一例を示す斜視図である。

【図５】本発明保冷箱の包装区画の形の他の例を示す容
器本体の上面図である。

【図６】本発明保冷箱の包装区画の形の更に他の例を示
す容器本体の上面図である。

【図７】本発明保冷箱の仕切り板の他の例を示す断面図
である。

【図８】本発明保冷箱の内底面の別の例を示す断面図で
ある。

【図９】従来の保冷箱を示す斜視図である。

【符号の説明】

４ 容器本体 ５ 蓋 ６ 仕切り板 ８ 切り欠き部 10 カニ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体と蓋からなり、容器本体内に複
   数個の仕切り板を設けて数個の包装区画（部屋）を並設
   してなる保冷箱であって、仕切り板がその中央部分が容
   器本体の上面部から容器本体の内底面に達する深さで適
   当な幅で切り欠いた形状で形成されていることを特徴と
   する鮮魚、カニ等の包装用保冷箱。
2. 【請求項２】 仕切り板の中央部分の切り欠き部の形状
   が、下方より上方に向けて広がる逆台形の形状であり、
   欠き部の傾斜角度が好ましくは６０〜８０度であること
   を特徴とする請求項１記載の保冷箱。
3. 【請求項３】 排水口が仕切り板と該仕切り板と平行な
   容器本体の側壁とで形成される包装区画（部屋）内また
   は該包装区画の側壁下端部に設けられていることを特徴
   とする請求項１または２記載の保冷箱。
4. 【請求項４】 容器本体の内底面が、仕切り板と仕切り
   板との間に形成される包装区画（部屋）の内底面は容器
   本体の中央に向けて下降するように傾斜しており、仕切
   り板と容器本体の側壁とで形成される包装区画（部屋）
   の内底面は水平面かまたは容器本体中央から排水口の位
   置に向けて次第に下降する傾斜面となっていることを特
   徴とする請求項１ないし３のいづれか１項に記載の保冷
   箱。