JPH10316730A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

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JPH10316730A
JPH10316730A JP12524197A JP12524197A JPH10316730A JP H10316730 A JPH10316730 A JP H10316730A JP 12524197 A JP12524197 A JP 12524197A JP 12524197 A JP12524197 A JP 12524197A JP H10316730 A JPH10316730 A JP H10316730A
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formaldehyde
reaction
reactor
phenol
pressure
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JP12524197A
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Masayuki Inagaki
昌幸 稲垣
Shoji Tomita
昭二 富田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノボラック型フェノール樹脂を、反応系外
へのホルムアルデヒド源の流出を低減し、安全に且つ短
時間に収率良く製造すること。 【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類を酸性触媒
下で付加縮合反応させる際に、フェノール類と触媒の混
合物を予め2段の同径のタービン型攪拌羽根を有した高
圧反応器内で120℃以上に加温し、且つ不活性気体で
0.5MPa以上に加圧した状態とし、反応器下部より
ホルムアルデヒドを逐次添加し反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノボラック型フェ
ノール樹脂の製造方法に関し、特に添加したホルムアル
デヒドを短時間に且つ効率よく反応させ、反応系外にホ
ルムアルデヒドガス及び又はホルムアルデヒド溶液を出
さないことにより、環境保護、作業衛生と生産性に優れ
たノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般的なノボラック型フェノール樹脂の
製造方法としては、フェノール類とホルムアルデヒド類
を公知の有機酸及び/又は無機酸を触媒に用い、フェノ
ール類に対するホルムアルデヒド類のモル比(F/P)
を0.5〜1.5として、常圧下100℃で数時間付加
縮合反応させ、その後常圧及び/又は減圧で脱水し、更
に必要により未反応モノマーを除去して得られる方法が
知られている。
【0003】一方近年、ホルムアルデヒドに対してはそ
の独特の刺激臭の問題のみならず、ホルムアルデヒドが
腫瘍を引き起こすメカニズムに関する報告(例えば、Ra
gan,D.L.,Boreiko,C.-J.:Initiation of C3H/10T1/2 ce
ll transformation by formaldehyde.Cancer Lett.,13,
325(1981) や d'A.Heck,H.:Biochemical toxicologyof
inhaled formaldehyde.CIIT Activities,2,No.3,3(198
2)等)がなされて以来、特に、取り扱いが問題となって
きており、各国では規制化の動きが盛んであり、樹脂製
造分野においても環境保護面、作業衛生面で重要な課題
である。しかしながら、前述の従来行われている常圧下
の製造方法では、反応中にホルムアルデヒドガスの状態
で大気中に出てゆくという問題がある。
【0004】高分子量の樹脂を得る場合は、フェノール
とホルムアルデヒドの反応の進行と共に反応効率が悪く
なってゆくため、投入したホルムアルデヒド源を完全に
消費させることが困難であり、また可能であっても非常
に長い反応時間が必要である。そこで工業的手法として
は実質的な反応に必要なホルムアルデヒド量よりも過剰
の量を添加し、目標分子量到達後、余剰のホルムアルデ
ヒドを除去する方法が一般的である。除去されたホルム
アルデヒドは脱水中に溶解した形で存在するか、あるい
は気化してホルムアルデヒドガスとなるため、廃水処
理、脱臭処理が必要となる問題がある。
【0005】反応中のホルムアルデヒドガスの系外蒸発
の防止や反応速度向上の手段として高圧反応が有効であ
ることは良く知られ、関連文献も多い。(例えば、КО
ВАЛЕВА Н.И.氏他による Plast Massy No.5 17-
18(1985) や 特開昭51−130498公報、特開平4
−356515公報、特開平5−97947公報、特開
平6−9741公報等)
【0006】しかしながら、これら文献は、連続式また
はバッチ式製造方法において、高圧反応を反応速度向上
あるいは特異な結合を得る手段として用いたものであ
り、これらの例のようにフェノールとホルムアルデヒド
の反応を単に密閉状態で行う手法では、反応中のホルム
アルデヒドガスの系外蒸発は防止できるものの、バッチ
式では反応器気相部に滞留したホルムアルデヒドガスは
消費できず、結果的に圧力解放時に系外に放出されると
言う問題がある。また連続式ではホルムアルデヒドを完
全反応させるのに必要な滞留時間を確保するには装置が
大型化し、また滞留時間が不十分であれば連続反応器出
口でフラッシュさせる際に、やはりホルムアルデヒドガ
スが系外に放出されてしまうという問題があり、いずれ
の方法も生産性と環境保護の両立といった面では、工業
的なノボラック型フェノール樹脂の製造方法としては必
ずしも好適とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
問題点を解決すべく鋭意研究した結果、反応器内で加熱
加圧したフェノール類と触媒の混合液中にホルムアルデ
ヒド類を反応器下部より逐次注入混合することにより、
更には同径の2段のタービン型攪拌羽根を有した反応器
を使用することにより、高効率に且つ短時間に反応させ
られ、ホルムアルデヒドの反応系外への放出あるいは流
出を極めて少なく押さえることができ、ノボラック型フ
ェノール樹脂を、環境保護と作業衛生上優れ且つ非常に
効率よく生産できることを見い出し、本発明に至ったも
のである。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
とホルムアルデヒド類を酸性触媒を用いて反応させる
際、フェノール類と触媒の混合物を予め120℃以上ま
で加温した後、不活性ガスにより0.5MPa以上迄加
圧し、アルデヒド類を反応器下部より逐次添加し反応温
度を120℃以上で且つ反応熱により逐次昇温をさせな
がら付加縮合反応をさせる事を特徴とするノボラック型
フェノール樹脂の製造方法に関するものであり、好まし
くは反応器として同径2段のタービン型攪拌羽根を有し
たものを使用することを特徴とする同樹脂の製造方法に
関するものである。
【0009】ここでフェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、ビスフェノール類などのフェノール性
水酸基を有する化合物の1種又は2種以上を用いる。酸
性触媒としては蓚酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、パラト
ルエンスルホン酸等の公知の有機酸または無機酸の1種
または2種以上を用いる。このフェノール類と酸性触媒
を反応器内で120℃以上、好ましくは120〜150
℃に加熱し、且つ窒素ガス等の公知の不活性ガスにより
0.5MPa以上、好ましくは0.7MPa以上に加圧
する。フェノール類の初期加熱温度120℃未満の場
合、ホルムアルデヒド類の添加開始時における反応速度
が遅くなり、反応しきれないホルムアルデヒド類の一部
が気化し反応器気相部に滞留してしまう。
【0010】初期の不活性ガスによる加圧は、酸化着色
防止の意味はもちろん、ホルムアルデヒド類の気化防止
と原料中及び縮合反応により生じる縮合水の蒸発潜熱に
よる反応温度低下を防止するものであり、0.5MPa
以下の加圧では反応開始直後の反応温度が低下し目標温
度を保てない。
【0011】次いで、ホルムアルデヒド類を反応器下部
より逐次反応器内へ添加していく。本発明で用いるホル
ムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド、ポリオキシメチレンなどアルデヒド基を
有するもの1種又は2種以上であるが、好適なものとし
てはホルムアルデヒド水溶液(いわゆるホルマリン)、
パラホルムアルデヒドをフェノール類に溶解またはスラ
リー状に混合したもの、若しくはホルマリンとパラホル
ムアルデヒドの混合物等である。フェノール類に対する
アルデヒド類のモル比は特に限定しないが、本発明では
フェノール類とホルムアルデヒド類が効率よく反応し、
投入したモル比と実質結合したモル比が極めて近くなる
ことより、従来の常圧反応の場合より低くて良い。
【0012】ホルムアルデヒド類の反応器下部からの逐
次添加に当たっては、公知のプランジャータイプ及びダ
イヤフラムタイプ等の高圧ポンプや回転容積型の一軸偏
心ネジポンプ(例えば、兵神装備株式会社製モーノポン
プ等)及びチューブポンプ等のスラリーポンプなどを用
い、加熱フェノール類中に定量的に供給する。この時の
添加時間は反応温度120℃以上を保ち且つ急激な反応
による過度の反応熱発生や過度の圧力上昇を起こさない
範囲として、5分〜2時間に設定することが好ましい
が、反応器伝熱面の汚れによる熱交換状況の振れや、そ
の他外部からの突発的な要因においても、ホルムアルデ
ヒド類の添加停止や添加速度の調整により、高温下の反
応においても直ちに安全確保及び生産の安定化が図れる
のが本発明の特徴でもある。
【0013】また反応の進行と共に、反応液の増粘によ
る混合不良や縮合水の増加に起因する反応速度の低下が
起こるが、本発明では反応熱による反応温度の上昇と反
応の進行とのバランスをとる事によって、常に一定のホ
ルムアルデヒド類の消費速度を保つことができる。反応
器下部より注入添加されたホルムアルデヒド類は、直ち
に反応すると同時に一部は気化し反応液面上部より蒸発
されるまでの間で付加縮合反応を完結するのに対し、上
部からの添加では高温状態のフェノール類の液面で蒸気
圧の低いホルムアルデヒドが気化してしまい、反応器気
相部に滞留し反応できず、反応終了後の降圧工程におい
て大気中に放出されてしまう。
【0014】本発明に使用する反応器は一般的な圧力反
応器であるが、アルデヒド類を反応器下部より添加する
のに有利な上下2段に設置した同径のタービン型攪拌羽
根を有していることがより好ましい。反応器下部より添
加したアルデヒド類は直ちに反応するが、一部は気化し
液中を上昇する。この時同径タービン型攪拌羽根を2段
用いることにより、上下タービン型攪拌羽根の中間位置
でそれぞれの攪拌流がぶつかり滞留ゾーンが出来ること
により、気化アルデヒドの上昇を妨げその反応を促進
し、反応率が向上し気相部のアルデヒドガス量も低下
し、臭気問題上も好適である。
【0015】一方、タービン羽根1枚又はその他特に上
下流を作り出す大型攪拌翼等では、アルデヒド類の反応
率が悪く、所定の分子量が得られず樹脂の収率も低下す
る。このようにして、フェノール類にアルデヒド類を添
加し付加縮合反応したものは、アルデヒド類添加終了後
更に数分間圧力保持後、反応器に付設した熱交換器経由
で降圧しながらフラッシュにより脱水するかあるいはフ
ラッシュタンクに移送しつつ脱水し、更に必要により減
圧下で加熱し又は公知の薄膜蒸発器等を用い未反応モノ
マーを除去し、ノボラック型フェノール樹脂を得る。
【0016】さらに本発明の一例を図1により説明する
が、かかる説明により本発明が限定されるものではな
い。図1は本発明の設備及びフローの一例を示す概略図
であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。フェ
ノール類と酸性触媒を上下2段のタービン型攪拌羽根
(1)付き高圧反応器(2)に入れた後、120℃以上
となるまで加温し、窒素ガス等の不活性ガスを加圧ライ
ン(3)により導入し0.5MPa以上まで加圧する。
所定の温度圧力到達後、目的とする分子量とするのに必
要なホルムアルデヒド量を高圧定量ポンプ(4)により
反応器下部の注入ノズル(5)から注入添加する。
【0017】注入されたホルムアルデヒド類は液面まで
上昇する間にフェノール類と反応温度120℃以上で保
持された状態で付加縮合反応が完結する。反応終了後圧
力調整バルブ(6)を徐々に開け原料中の水と縮合水を
蒸発させ、熱交換器(7)で水を凝縮し反応系外に取り
去ると共に、反応器内の圧力を常圧まで低下させる。こ
のような工程を経ることにより脱水の完了した樹脂が反
応器内に残る。この後更に反応器内を減圧とし更に加熱
し未反応モノマーを除去し、次いで反応器内より取り出
し冷却固化することにより固形のハイオルソタイプのノ
ボラック型フェノール樹脂が得られる。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例、比較例を用いて具体的
に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、文中に記載されている
「%」は、全て「重量%」を示す。
【0019】《実施例1》フェノール22.0Kgと蓚
酸0.2Kgを熱交換器、加熱装置及び同径の2段ター
ビン型攪拌羽根を有した容量50Lの高圧反応器で12
0℃まで加熱し、窒素ガスにて0.7MPaに加圧した
後、ダイアフラム式高圧定量ポンプにて40%ホルマリ
ン13.2Kgを15分間掛けて逐次反応器下部より添
加し付加縮合反応をさせた。反応温度160℃の状態で
更に10分間反応を継続した。反応終了後、熱交換器経
由で5分間掛けて常圧に戻しながら脱水反応を行った。
更にこの後1.3KPaまで減圧し反応液温度が180
℃となるまで加熱し未反応フェノールの除去を行い、冷
却バット上に取り出し固形のノボラック型フェノール樹
脂21.0Kgを得た。付加縮合開始から脱水終了まで
の所要時間は30分であった。得られた樹脂の特性及び
脱水液中のホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0020】《実施例2》実施例1と同様の方法で付加
縮合反応させ、この状態で反応器を密閉状態のまま反応
を終了し、反応液が60℃となるまで冷却した。その後
2時間掛けて純水を入れた吸収管経由で圧力を抜いて常
圧とした。この吸収水を塩酸ヒドロキシルアミン法で滴
定し、得られたホルムアルデヒド量から反応器気相中の
ホルムアルデヒド量を求め表2に示す。
【0021】《実施例3》初期加熱温度を120℃、初
期加圧を0.5MPaとし、40%ホルマリン添加量を
14.0Kg、添加時間を60分とした以外は実施例1
と同様の方法で反応し23Kgの固形ノボラック型フェ
ノール樹脂を得た。付加縮合開始から脱水終了までの所
要時間は75分であった。得られた樹脂の特性及び脱水
液中のホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0022】《実施例4》フェノール類としてメタクレ
ゾール30.0Kgを使用し、40%ホルマリン量を1
1.9Kgとした以外は、すべて実施例1と同様の方法
で固形ノボラック型フェノール樹脂28Kgを得た。付
加縮合開始から脱水終了までの所要時間は30分であっ
た。得られた樹脂の特性及び脱水液中のホルムアルデヒ
ド量を表1に示す。
【0023】《実施例5》反応器内にフェノール20.
0Kgを入れ、アルデヒド類として88%パラホルムア
ルデヒド6.1Kgを使用し、更にパラホルムアルデヒ
ドは8.0Kgのフェノールと事前に混合し、懸濁状態
液となったものをプランジャー式高圧定量ポンプにて反
応器下部より30分掛けて供給すること以外は、すべて
実施例1と同様の方法でノボラック型フェノール樹脂2
7.0Kgを得た。付加縮合開始から脱水終了までの所
要時間は45分であった。得られた樹脂の特性及び脱水
液中のホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0024】《実施例6》88%パラホルムアルデヒド
を7.8Kgとした以外は、すべて実施例5と同様の方
法でノボラック型フェノール樹脂28.0Kgを得た。
付加縮合開始から脱水終了までの所要時間は45分であ
った。得られた樹脂の特性及び脱水液中のホルムアルデ
ヒド量を表1に示す。
【0025】《実施例7》反応器内にフェノール類とし
てフェノール14.0KgとビスフェノールA6.0K
gを入れ、88%パラホルムアルデヒド7.3Kgと1
0.0Kgのフェノールを混合したものを反応器下部よ
り30分掛けて供給すること以外は、すべて実施例1と
同様の方法でノボラック型フェノール樹脂30.0Kg
を得た。付加縮合反応開始から脱水終了までの所要時間
は45分であった。得られた樹脂の特性及び脱水液中の
ホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0026】《比較例1》実施例1で使用した反応器に
フェノール22.0Kgと蓚酸0.22Kgを入れ常圧
で100℃となるまで加熱した後、40%ホルマリン1
3.2Kgを90分掛け反応釜上部より徐添した後、1
00℃を保ち90分間反応を続行した。更にこの樹脂を
温度常圧で130℃となるまで加熱しながら脱水した
後、1.3KPaまで減圧し反応液温度180℃となる
まで未反応フェノールの除去を行い、冷却バットに取り
出し21.0Kgのノボラック型フェノール樹脂を得
た。付加縮合反応開始から脱水終了までの所要時間は3
00分であった。得られた樹脂の特性及び脱水液中のホ
ルムアルデヒド量を表1に示す。
【0027】《比較例2》ホルマリン添加時間を30
分、100℃を保った反応時間を10分間とした以外は
全て比較例1と同様の方法で、16.0Kgのノボラッ
ク型フェノール樹脂を得た。得られた樹脂の特性及び脱
水液中のホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0028】《比較例3》40%ホルマリンを反応器上
部より液面に添加させる方法以外は実施例1と同じ方法
で実施し、ノボラック型フェノール樹脂18.0Kgを
得た。付加縮合反応開始から脱水終了までの所要時間は
30分であった。得られた樹脂の特性及び脱水液中のホ
ルムアルデヒド量を表1に示す。
【0029】《比較例4》比較例3と同様の方法で付加
縮合反応させ、この状態で反応器を密閉状態のまま反応
を終了し、反応液が60℃となるまで冷却した。その後
圧力を2時間掛けて純水を入れた吸収管経由で抜いて常
圧とした。この吸収水を塩酸ヒドロキシルアミン法で滴
定し、求めたホルムアルデヒド量を表2に示す。
【0030】《比較例5》攪拌羽根をタービン羽根1段
とした以外は実施例2と同様の方法で付加縮合反応さ
せ、この状態で反応器を密閉状態のまま反応を終了し、
反応液が60℃となるまで冷却した。 その後圧力を2
時間掛けて純水を入れた吸収管経由で抜いて常圧とし
た。この吸収水を塩酸ヒドロキシルアミン法で滴定し、
求めたホルムアルデヒド量を表2に示す。
【0031】《比較例6》40%ホルマリンの量を1
4.7Kgとした以外は、すべて比較例1と同様の方法
でノボラック型フェノール樹脂23.0Kgを得た。付
加縮合反応開始から脱水終了までの所要時間は300分
であった。得られた樹脂の特性及び脱水液中のホルムア
ルデヒド量を表1に示す。
【0032】《比較例7》窒素ガスによる初期加圧を行
わない以外はすべて実施例1と同じ方法で反応したとこ
ろ、ホルマリン添加開始時より反応液温度が低下し、所
定反応液温度が維持できないまま続行し、ノボラック型
フェノール樹脂16.0Kgを得たが、実施例に比べ収
率が大幅に低下した。得られた樹脂の特性及び脱水液中
のホルムアルデヒド量を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】なお、実施例、比較例とも測定法法は同様
で以下の通りである。重量平均分子量はポリスチレンを
標準物質とした紫外線吸収スペクトル検出器を用いたゲ
ルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)法によ
り測定した。モノマー含量はキャピラリーガスクロマト
グラフィー法により測定した。ホルムアルデヒド量は、
ガス状のものは水に捕集後、溶液はそのままの状態を試
料とし、また樹脂液中のホルムアルデヒド量は樹脂液1
gにたいして25gのメタノールで完全溶解させた上
で、これを塩酸ヒドロキシルアミン法にて測定した。更
に得られた結果と溶液量よりホルムアルデヒド量を下式
にて算出した。ホルムアルデヒド量(Kg)=滴定濃度(%)
×溶液又は樹脂液量(Kg)×100
【0036】これらの実施例データより明らかなよう
に、本発明による方法で製造されたノボラック型フェノ
ール樹脂は、反応時間が短いにもかかわらず、未反応の
ホルムアルデヒドが従来の方法に比べ少なくなっている
のが判る。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、短い反応時間で
収率よくノボラック型フェノール樹脂を得ることがで
き、且つ反応系外にホルムアルデヒドガス及び又はホル
ムアルデヒド溶液が出ないか出る量が極めて少ないの
で、環境保護、作業衛生的に優れている。従って、生産
性がよいノボラック型フェノール樹脂の製造方法として
工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例の設備及びフローを示す概念図
【符号の説明】
1 タービン型攪拌羽根 2 高圧反応器 3 窒素ガス封入ライン 4 アルデヒド類高圧定量ポンプ 5 アルデヒド類注入ノズル 6 圧力調整バルブ 7 熱交換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とホルムアルデヒド類を酸
    性触媒を用いて反応させる際、フェノール類と酸触媒の
    混合物を予め120℃以上まで加温した後、不活性ガス
    により0.5MPa以上に加圧し、ホルムアルデヒド類
    を反応器下部より逐次添加し、反応温度を120℃以上
    で且つ反応熱により逐次昇温をさせながら付加縮合反応
    をさせる事を特徴とするノボラック型フェノール樹脂の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 反応器として同径2段のタービン型攪拌
    羽根を有したものを使用する請求項1記載のノボラック
    型フェノール樹脂の製造方法。
JP12524197A 1997-05-15 1997-05-15 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 Pending JPH10316730A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002179749A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd ノボラック樹脂の製造方法
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CN111978499A (zh) * 2020-09-23 2020-11-24 山东德源环氧科技有限公司 一种酚醛树脂的合成工艺

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