JP2011037993A - 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法 - Google Patents

変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011037993A
JP2011037993A JP2009186849A JP2009186849A JP2011037993A JP 2011037993 A JP2011037993 A JP 2011037993A JP 2009186849 A JP2009186849 A JP 2009186849A JP 2009186849 A JP2009186849 A JP 2009186849A JP 2011037993 A JP2011037993 A JP 2011037993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimethylnaphthalene
formaldehyde resin
resin
modified
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009186849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5353546B2 (ja
Inventor
Takatsugu Ideno
隆次 井出野
Seiji Kita
誠二 北
Masashi Ogiwara
雅司 荻原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2009186849A priority Critical patent/JP5353546B2/ja
Publication of JP2011037993A publication Critical patent/JP2011037993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5353546B2 publication Critical patent/JP5353546B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性に優れ、また溶剤への溶解性に優れた、半導体用のコーティング剤やレジスト用樹脂として使用できる樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】特定構造のジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱・攪拌し、その後フェノール類およびナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種で変性することを特徴とする変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に用いることができる、半導体用のコーティング剤やレジスト用樹脂として使用できる変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂に関するものである。
モノメチルナフタレンおよび/またはジメチルナフタレンを主成分とする多環式芳香族炭化水素とパラホルムアルデヒドとを、芳香族モノスルホン酸の存在下に反応させて得られる芳香族炭化水素樹脂は公知であり、得られる樹脂は、液状エポキシ樹脂との相溶性およびキシレンに対する溶解性が優れている(特許文献1参照)。
また、メトキシメチレンナフタレン化合物と、フェノール、クレゾールまたはナフトール等のフェノール性水酸基を有する化合物とを、ジエチル硫酸の存在下に反応させ、ナフタレンとフェノール性水酸基を有する化合物とがメチレン基を介して結合した構造を持つフェノール樹脂を得る方法が公知である(特許文献2参照)。これら樹脂は半導体用のコーティング剤、レジスト用樹脂として使用されており、その性能の一つに耐熱性(熱による分解割合が少ないこと)が求められているが、さらなる改善が求められている。
この耐熱性は樹脂中の炭素濃度を増加させることで向上することが一般的にわかっている。そのような中、下記式で示される構造を有する重合体(アセナフテン樹脂)が公知である(特許文献3)。ただし、下記式で示される構造を有する重合体は、特に半導体用のコーティング剤やレジスト用樹脂として適応させるための溶剤には難溶であり、実際の使用は困難である。
Figure 2011037993

[ここで、R1は一価の原子又は基であり、nは0〜4の整数であり、ただし、nが2〜4のときには複数のR1は同一でも異なっていてもよい。R2〜R5は独立にヒドロキシ基あるいは一価の原子もしくは基である。]
特開昭54−86593号公報 特開2004−91550号公報 特開2000−143937号公報
本発明の目的は、耐熱性に優れ、また溶剤への溶解性に優れた、半導体用のコーティング剤やレジスト用樹脂として使用できる樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、式[1]で示される構成単位を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸触媒の存在下で加熱・攪拌し、その後式[2]で示されるフェノール類および/または式[3]で示されるナフトール類で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種でさらに変性することにより、耐熱性が高く、また溶剤への溶解性に優れた変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を得る製造方法を見出した。
Figure 2011037993

Figure 2011037993

Figure 2011037993
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)の発明に関する。
(1)式[1]で示される構成単位を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱、攪拌し、その後式[2]で示されるフェノール類および式[3]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種で変性することを特徴とする変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(2)前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂が、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンとホルムアルデヒドの縮合反応で得られたものである、(1)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(3)式[2]で示されるフェノール類が、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノールおよびキシレノールからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)〜(2)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(4)式[3]で示されるナフトール類が、1−ナフトールおよび2−ナフトールからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)〜(3)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(5)酸性触媒がパラトルエンスルホン酸である請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(6)前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱・攪拌する際に、不活性ガスを反応系内に通気させる、(1)〜(5)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
(7)不活性ガスが水蒸気である、(6)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
本発明の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法は、耐熱性に優れ、また溶剤への溶解性に優れた、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤電気、電子部品の積層板、成形品、皮膜材、封止材などに使用する熱硬化性樹脂を得るための製造方法として有用である。
本発明は、前記の通り、式[1]で示される構成単位を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱・攪拌し、式[2]で示されるフェノール類および式[3]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種で変性することを特徴とする変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、「変性樹脂」と略称することがある。)の製造方法に関する。
<変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法>
本発明の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法は、式[1]で示される構成単位を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、「ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂」と称す)を酸性触媒の存在下で加熱し、その後式[2]で示されるフェノール類および/または式[3]で示されるナフトール類を加え、酸性触媒の存在下で加熱し、縮合反応させる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法である。
なお、式[1]において、Aは−(OCH−で表され、tは0〜2である。また、xは0〜4の整数であり、0〜2が好ましく、0または1がより好ましい。
<ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂>
ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、ナフタレン環中の2つのベンゼン環双方にメチル基を各1個有するジメチルナフタレンとホルムアルデヒドとを縮合反応させることにより得られる。
ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料のジメチルナフタレンは、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られる。本発明で用いるジメチルナフタレンとしては、具体的には1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレンおよび2,6−ジメチルナフタレンは、オルソキシレンと1,3−ブタジエンを強アルカリ触媒の存在下で反応させてオルトトルイル−1−ペンテンを生成させ(工程A)、次いで環化させてテトラリン化合物を得(工程B)、該テトラリン化合物を脱水素してナフタレン化合物(主として1,5−ジメチルナフタレン)を得(工程C)、必要に応じて異性化させて構造異性体を得(工程D)、適宜、蒸留や晶析等により分離・精製することにより得ることができる。
また、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンは、パラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として、前記工程A〜Cおよび必要に応じて工程Dに準じて反応を行い、適宜、蒸留や晶析等により分離・精製することにより得ることができる。
かかる工程A〜Dは、公知の方法、例えば特開2006−70000号公報に開示された方法を利用することができる。
ホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒドおよびトリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物等が利用できる。縮合反応させる際のジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比は1:1〜1:6、好ましくは1:1.5〜1:6、より好ましくは1:2〜1:6、さらに好ましくは1:2.5〜1:6、特に好ましくは1:2.5〜1:5である。ジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比を前記範囲とすることで、得られるジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の樹脂収率を比較的高く維持でき、且つ未反応で残るホルムアルデヒドの量を少なくすることができる。
<ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の加熱>
本発明の製造方法では、まず酸性触媒の存在下に、ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を加熱、攪拌する。
酸性触媒は、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、パラトルエンスルホン酸が好ましい。酸性触媒の使用量は、パラトルエンスルホン酸を使用する場合、ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100部に対して0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.001〜0.3質量%、さらに好ましくは0.01〜0.1質量%になるように調整する。
ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の酸性触媒の存在下での加熱温度は、100〜250℃が好ましく、120〜200℃がさらに好ましく、150〜200℃が好ましい。この温度範囲にすることで樹脂粘度が高くなることを防ぐことができる。圧力は常圧でも加圧でもよい。なお、系内に窒素、ヘリウム、アルゴン、水蒸気などの不活性ガスを通気しても良い。加熱時間には特に制約はないが、通常は1〜3時間程度である。
また、加熱に際しては、溶媒を使用することもできる。該溶媒としては、例えばトルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;メチルイソブチルケトン等のケトン;ジオキサン、ジブチルエーテルなどのエーテル;2−プロパノール等のアルコール;エチルプロピオネート等のカルボン酸エステル;酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。
<ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の変性>
上記加熱後のジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂に、式[2]で示されるフェノール類および式[3]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種を加え、酸性触媒の存在下で加熱し、縮合反応させる。
式[2]で示されるフェノール類としては、Rは炭素数1〜4のアルキル基であるフェノール類が好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基およびt−ブチル基が挙げられる。
yは0〜2の整数であり、0または1が好ましい。
式[2]で示されるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノール、キシレノールおよびプロピオニルフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが特に好ましい。
式[3]で示されるナフトール類は、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表すナフトール類が好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。RおよびRとしては、いずれも水素原子が好ましい。
式[3]で示されるナフトール類としては、1−ナフトールおよび2−ナフトールが特に好ましい。
上記加熱後のジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、および式[2]で示されるフェノール類および/または式[3]で示されるナフトール類との縮合反応は、通常常圧で行われ、ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、式[2]で示されるフェノール類および式[3]で示されるナフトール類の融点以上(通常、130〜250℃)で加熱還流させながら行う。また、必要に応じて、加圧下で行うこともできる。さらに、必要に応じて、縮合反応に不活性な溶媒を使用することもできる。該溶媒としては、例えばトルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;メチルイソブチルケトン等のケトン;ジオキサン、ジブチルエーテルなどのエーテル;2−プロパノール等のアルコール;エチルプロピオネート等のカルボン酸エステル;酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。
縮合反応に使用し得る酸性触媒は、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、パラトルエンスルホン酸が好ましい。酸性触媒の使用量は、パラトルエンスルホン酸を使用する場合、式[1]で示されるジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.001〜0.3質量部、さらに好ましくは0.01〜0.1質量部になるように調整する。パラトルエンスルホン酸濃度をこの範囲とすることで、適当な反応速度が得られ、さらに反応速度が大きいことに基づく樹脂粘度が高くなることを防ぐことができる。
反応時間は1〜10時間が好ましく、2〜6時間程度がより好ましい。この反応時間とすることで、目的の性状を有する変性樹脂が経済的に、且つ工業的に有利に得られる。
反応終了後、必要に応じて前記溶媒をさらに添加して希釈した後、静置することにより二相分離させ、油相である樹脂相と水相を分離した後、さらに水洗を行うことにより酸性触媒を完全に除去し、添加した溶媒および未反応のナフトール類を、蒸留等の一般的方法で除去することにより、変性樹脂が得られる。
<変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂>
本発明の製造方法で得られる変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、式[4]に示される構成単位と、式[5]および/または式[6]で示される構成単位を有する。
Figure 2011037993

Figure 2011037993

Figure 2011037993
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
<ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中の炭素・酸素濃度>
有機元素分析により式[1]で示されるジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中の炭素・酸素濃度(質量%)を測定した。
装置:CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株)製)
<分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、分散度(Mw/Mn)を求めた。
装置:Shodex GPC−101型(昭和電工(株)製)
カラム:LF−804×3
溶離液:THF 1ml/min
温度:40℃
<耐熱性>
装置:TG/DTA6200(エス・アイ・アイ・ナノテクノロジー社製)
測定温度:30〜550℃(昇温速度10℃/分)
400℃到達時点における重量減少率(熱分解量(%))を測定した。
<溶剤溶解性>
シクロヘキサノンもしくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに、変性樹脂が20重量%になるように配合し、目視にて溶解性を確認した。
変性樹脂が均一に溶解した場合を○、不溶部分が残った場合を×と評価した。
<製造例1>ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積10Lの四つ口フラスコに、窒素気流中、1,5−ジメチルナフタレン1.09kg(7mol、三菱ガス化学(株)製)、40質量%ホルマリン水溶液2.1kg(ホルムアルデヒドとして28mol、三菱ガス化学(株)製)および98質量%硫酸(関東化学(株)製)0.97を仕込み、常圧下、100℃で還流させながら7時間反応させた。希釈溶媒としてエチルベンゼン(和光純薬工業(株)製試薬特級)1.8kgを加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに、中和および水洗を行い、エチルベンゼンおよび未反応の1,5−ジメチルナフタレンを減圧下に留去し、淡褐色固体のジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂1.25kgを得た。
GPC測定の結果、Mn:562、Mw:1168、Mw/Mn:2.08であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は84.2質量%、酸素濃度は8.3質量%であった。
<実施例1>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂100g(0.51mol)、にパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業(株)製試薬特級)0.13gを加え、190℃まで昇温させて2時間加熱、攪拌した。その後1−ナフトール29.8g(0.21mol)を加え、さらに230℃まで昇温させて2時間反応させた。溶剤(メタキシレン(三菱ガス化学(株)製/メチルイソブチルケトン(和光純薬工業(株)製)=1/1(重量比)混合溶剤)227gで希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂108.7gを得た。
GPC分析の結果、Mn:1210、Mw:8826、Mw/Mn:7.30であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は89.6質量%、酸素濃度は4.0質量%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
<実施例2>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂100g(0.51mol)、にパラトルエンスルホン酸0.05gを加え、190℃まで昇温させて2時間加熱、攪拌した。その後1−ナフトール52.0g(0.36mol)を加え、さらに220℃まで昇温させて2時間反応させた。溶剤希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂126.1gを得た。
GPC分析の結果、Mn:885、Mw:2220、Mw/Mn:4.17であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は89.1質量%、酸素濃度は4.5質量%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
<実施例3>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂100g(0.51mol)、にパラトルエンスルホン酸0.05gを加え、190℃まで昇温させて2時間加熱、攪拌した。その後フェノール34.0g(0.36mol)を加え、さらに220℃まで昇温させて2時間反応させた。溶剤希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂104.4gを得た。
GPC分析の結果、Mn:903、Mw:3184、Mw/Mn:3.53であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は88.9質量%、酸素濃度は4.質量2%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
<実施例4>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂97g(0.5mol)、パラトルエンスルホン酸0.14gを加え、スチームを流通させながら180℃まで昇温させて2時間加熱、攪拌した。その後1−ナフトール41.6g(0.29mol)とフェノール6.8g(0.07mol)を加え、205℃まで昇温させて2時間反応させた。溶剤希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂119.6gを得た。
GPC分析の結果、Mn:1006、Mw:3330、Mw/Mn:2.31あった。有機元素分析の結果、炭素濃度は89.5質量%、酸素濃度は4.0質量%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
<比較例1>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂62g(0.32mol)、にパラトルエンスルホン酸0.15gと、1−ナフトール92.0g(0.64mol)を加え、185℃まで昇温させて2時間反応させた。溶剤希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂95.9gを得た。
GPC分析の結果、Mn:463、Mw:696、Mw/Mn:1.50であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は89.3質量%、酸素濃度は4.7質量%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
<比較例2>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂100g(0.51mol)、にパラトルエンスルホン酸0.10gを加え、185℃まで昇温させて2時間加熱、攪拌した。溶剤希釈後、中和および水洗を行い、溶剤を減圧下に除去し、黒褐色固体の変性樹脂92.8gを得た。
GPC分析の結果、Mn:899、Mw:8003、Mw/Mn:8.90であった。有機元素分析の結果、炭素濃度は89.6質量%、酸素濃度は3.2質量%であった。得られた変性樹脂の耐熱性および溶剤溶解性評価結果を表1に示す。
Figure 2011037993
表1より、本発明の製造方法によれば、耐熱性に優れ、また溶剤への溶解性に優れた変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂が得られることがわかる。
本発明の製造方法で得られた変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に利用可能である。

Claims (7)

  1. 式[1]で示される構成単位を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱、攪拌し、その後式[2]で示されるフェノール類および式[3]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種で変性することを特徴とする変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
    Figure 2011037993

    Figure 2011037993

    Figure 2011037993
  2. 前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂が、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンとホルムアルデヒドの縮合反応で得られたものである、請求項1に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  3. 式[2]で示されるフェノール類が、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノールおよびキシレノールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜2のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  4. 式[3]で示されるナフトール類が、1−ナフトールおよび2−ナフトールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  5. 酸性触媒がパラトルエンスルホン酸である請求項1〜4のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  6. 前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、酸性触媒の存在下で加熱・攪拌する際に、不活性ガスを反応系内に通気させる、請求項1〜5のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  7. 不活性ガスが水蒸気である、請求項6に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
JP2009186849A 2009-08-11 2009-08-11 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP5353546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009186849A JP5353546B2 (ja) 2009-08-11 2009-08-11 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009186849A JP5353546B2 (ja) 2009-08-11 2009-08-11 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011037993A true JP2011037993A (ja) 2011-02-24
JP5353546B2 JP5353546B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=43766085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009186849A Expired - Fee Related JP5353546B2 (ja) 2009-08-11 2009-08-11 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5353546B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132923A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 三菱瓦斯化学株式会社 プリプレグ、及び金属箔張り積層板、並びにプリント配線板
JPWO2013115290A1 (ja) * 2012-01-31 2015-05-11 三菱瓦斯化学株式会社 ナフタレンホルムアルデヒド樹脂、脱アセタール結合ナフタレンホルムアルデヒド樹脂及び変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂
JPWO2013129313A1 (ja) * 2012-02-27 2015-07-30 三菱瓦斯化学株式会社 酸性処理したモノアルキルナフタレンホルムアルデヒド樹脂

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10316730A (ja) * 1997-05-15 1998-12-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
WO2009063860A1 (ja) * 2007-11-16 2009-05-22 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. 多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂およびその製造方法
WO2009072465A1 (ja) * 2007-12-07 2009-06-11 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. リソグラフィー用下層膜形成組成物及び多層レジストパターン形成方法
JP2009155638A (ja) * 2007-12-07 2009-07-16 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10316730A (ja) * 1997-05-15 1998-12-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
WO2009063860A1 (ja) * 2007-11-16 2009-05-22 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. 多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂およびその製造方法
WO2009072465A1 (ja) * 2007-12-07 2009-06-11 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. リソグラフィー用下層膜形成組成物及び多層レジストパターン形成方法
JP2009155638A (ja) * 2007-12-07 2009-07-16 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132923A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 三菱瓦斯化学株式会社 プリプレグ、及び金属箔張り積層板、並びにプリント配線板
KR20140016910A (ko) * 2011-03-29 2014-02-10 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 프리프레그, 및 금속박 피복 적층판, 그리고 프린트 배선판
US9914662B2 (en) 2011-03-29 2018-03-13 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Prepreg, metal foil-clad laminate, and printed wiring board
KR101894117B1 (ko) 2011-03-29 2018-08-31 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 프리프레그, 및 금속박 피복 적층판, 그리고 프린트 배선판
JPWO2013115290A1 (ja) * 2012-01-31 2015-05-11 三菱瓦斯化学株式会社 ナフタレンホルムアルデヒド樹脂、脱アセタール結合ナフタレンホルムアルデヒド樹脂及び変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂
JPWO2013129313A1 (ja) * 2012-02-27 2015-07-30 三菱瓦斯化学株式会社 酸性処理したモノアルキルナフタレンホルムアルデヒド樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JP5353546B2 (ja) 2013-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8563665B2 (en) Modified naphthalene formaldehyde resin, tricyclodecane skeleton-containing naphthol compound and ester compound
KR101533862B1 (ko) 다관능성 디메틸나프탈렌 포름알데히드 수지 및 그 제조 방법
JP5407306B2 (ja) 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂
TW201134831A (en) Thermosetting monomers and compositions containing phosphorus and cyanato groups
JP2011046837A (ja) 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂
JP5353546B2 (ja) 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法
JP2017114947A (ja) フルオレン縮合体組成物およびエポキシ化組成物ならびにこれらの製造方法
JP5870918B2 (ja) アルキルナフタレンホルムアルデヒド重合体の精製方法
JP6090675B2 (ja) ナフタレンホルムアルデヒド樹脂、脱アセタール結合ナフタレンホルムアルデヒド樹脂及び変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂
JP2011037992A (ja) 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂
JP6150213B2 (ja) 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂及び変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂
JP7396742B1 (ja) ビスマレイミドおよびその製造方法
WO2015087973A1 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびそれらの硬化物
WO2014203867A1 (ja) 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂及びエポキシ樹脂、並びにそれらの製造方法
JP2016190994A (ja) 多価ヒドロキシ化合物の製造方法
JP2018127505A (ja) アダマンタン構造含有重合体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130730

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130812

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees