JP2009155638A - 変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】多官能性で反応性に富むジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を原料に用い、該ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂をナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類で変性した、熱硬化性樹脂用途として有用である耐熱性の高い変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を提供する。
【解決手段】下記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
【化1】
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
【化1】
【選択図】 なし
Description
本発明は、ナフタレンホルムアルデヒド樹脂をナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類で変性した変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂に関するものである。
フェノール類および/またはナフトール類によって変性された変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に用いることができる。
モノメチルナフタレンおよび/またはジメチルナフタレンを主成分とする多環式芳香族炭化水素とパラホルムアルデヒドとを、芳香族モノスルホン酸の存在下に反応させて得られる芳香族炭化水素樹脂は公知であり、得られる樹脂は、液状エポキシ樹脂との相溶性およびキシレンに対する溶解性が優れている(特許文献1参照)。
また、メトキシメチレンナフタレン化合物と、フェノール、クレゾールまたはナフトール等のフェノール性水酸基を有する化合物とを、ジエチル硫酸の存在下に反応させ、ナフタレンとフェノール性水酸基を有する化合物とがメチレン基を介して結合した構造を持つフェノール樹脂を得る方法が公知である(特許文献2参照)。
モノメチルナフタレンおよび/またはジメチルナフタレンを主成分とする多環式芳香族炭化水素とパラホルムアルデヒドとを、芳香族モノスルホン酸の存在下に反応させて得られる芳香族炭化水素樹脂は公知であり、得られる樹脂は、液状エポキシ樹脂との相溶性およびキシレンに対する溶解性が優れている(特許文献1参照)。
また、メトキシメチレンナフタレン化合物と、フェノール、クレゾールまたはナフトール等のフェノール性水酸基を有する化合物とを、ジエチル硫酸の存在下に反応させ、ナフタレンとフェノール性水酸基を有する化合物とがメチレン基を介して結合した構造を持つフェノール樹脂を得る方法が公知である(特許文献2参照)。
ところで、多環式芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とフェノール性水酸基を有する化合物とを縮合反応させて得られる樹脂を熱硬化性樹脂用途に使用するためには、得られる樹脂が多官能性であることがより好ましい。
しかしながら、ナフタレンおよびモノメチルナフタレンを樹脂の原料とする場合には、通常の方法では多官能性の樹脂を得ることが困難であり、界面反応のような特殊な反応を行う必要があった(特許文献2および3参照)。
しかしながら、ナフタレンおよびモノメチルナフタレンを樹脂の原料とする場合には、通常の方法では多官能性の樹脂を得ることが困難であり、界面反応のような特殊な反応を行う必要があった(特許文献2および3参照)。
さらに、本発明者らの検討により、ナフタレンおよびモノメチルナフタレンの他、ジメチルナフタレンを原料としたときでも、多官能性の樹脂を得られない場合があり、原料となる多官能性の樹脂を得るにはジメチルナフタレンの種類の選択が重要であることが判明した。
本発明の目的は、多官能性で反応性に富むジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を原料に用い、該ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂をナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類で変性した、熱硬化性樹脂用途として有用である耐熱性の高い変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を提供することにある。
本発明の目的は、多官能性で反応性に富むジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を原料に用い、該ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂をナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類で変性した、熱硬化性樹脂用途として有用である耐熱性の高い変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、ナフタレン環中の2つのベンゼン環双方にメチル基を各1個有するジメチルナフタレンを用い、これとホルムアルデヒドとを反応させて得られる多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を用いて変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を得ることにより上記目的を達成することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Aは−(OCH2)t−で表され、tは0〜2である。xは0〜4であり、yは0〜2の整数を表す。)
(1)下記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Aは−(OCH2)t−で表され、tは0〜2である。xは0〜4であり、yは0〜2の整数を表す。)
(2)前記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂において、ナフタレン環に直結した6つの水素原子の内、前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造する反応によって置換された水素原子数の平均値が1.5〜3.5である、上記(1)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(3)前記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料であるジメチルナフタレンが、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(4)前記ジメチルナフタレンが、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られたジメチルナフタレンである、上記(3)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(5)前記一般式[2]で示されるフェノール類が、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノールおよびキシレノールからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(6)前記一般式[3]で示されるナフトール類が、1−ナフトールおよび/または2−ナフトールである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(7)前記一般式[4]で示されるナフトール類が下記化合物である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(8)重量平均分子量(Mw)が500〜5000である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
に関するものである。
(3)前記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料であるジメチルナフタレンが、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(4)前記ジメチルナフタレンが、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られたジメチルナフタレンである、上記(3)に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(5)前記一般式[2]で示されるフェノール類が、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノールおよびキシレノールからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(6)前記一般式[3]で示されるナフトール類が、1−ナフトールおよび/または2−ナフトールである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
(7)前記一般式[4]で示されるナフトール類が下記化合物である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、
に関するものである。
本発明の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、耐熱性に優れ、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤電気、電子部品の積層板、成形品、皮膜材、封止材などに使用する熱硬化性樹脂として有用である。また、前記式(1)で表されるトリシクロデカン骨格含有ナフトール化合物は、各種の工業化学原料、光学機能性材料や電子機能性材料の製造原料として有用である。
本発明は、前記の通り、下記一般式[1]
で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類
からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、変性樹脂と略称することがある。)である。
ここで、本明細書でいう多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の「多官能性」とは、ジメチルナフタレン中のナフタレン環に直結した6つの水素原子の内、ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造する反応によって置換された水素原子数の平均値(以下、「ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中のナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値」と換言することがある。)が1.5を超えていることである。なお、かかる置換水素原子数は、得られた樹脂を1H−NMRで測定して、2.3〜3.2ppm付近のメチルプロトンの積分値、6.8〜8.2ppm付近の芳香環に直結したプロトンの積分値を利用して算出される数値である。
<多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂>
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、ナフタレン環中の2つのベンゼン環双方にメチル基を各1個有するジメチルナフタレンとホルムアルデヒドとを縮合反応させることにより得られる。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、ナフタレン環中の2つのベンゼン環双方にメチル基を各1個有するジメチルナフタレンとホルムアルデヒドとを縮合反応させることにより得られる。
(ジメチルナフタレン)
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料のジメチルナフタレンは、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られる。本発明で用いるジメチルナフタレンとしては、具体的には1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料のジメチルナフタレンは、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られる。本発明で用いるジメチルナフタレンとしては、具体的には1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレンおよび2,6−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンは、オルソキシレンと1,3−ブタジエンを強アルカリ触媒の存在下で反応させてオルトトルイル−1−ペンテンを生成させ(工程A)、次いで環化させてテトラリン化合物を得(工程B)、該テトラリン化合物を脱水素してナフタレン化合物を得(工程C)、必要に応じて異性化させて構造異性体を得(工程D)、適宜、蒸留や晶析等により分離・精製することにより得ることができる。
また、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンは、パラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として、前記工程A〜Cおよび必要に応じて工程Dに準じて反応を行い、適宜、蒸留や晶析等により分離・精製することにより得ることができる。
かかる工程A〜Dは、公知の方法、例えば特開2006−70000号公報に開示された方法を利用することができる。
また、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンは、パラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として、前記工程A〜Cおよび必要に応じて工程Dに準じて反応を行い、適宜、蒸留や晶析等により分離・精製することにより得ることができる。
かかる工程A〜Dは、公知の方法、例えば特開2006−70000号公報に開示された方法を利用することができる。
この様に、キシレン類(オルソキシレン、パラキシレン)と1,3−ブタジエンを出発原料とし、前記工程A〜Cおよび必要に応じて工程Dを含む工程によって化学合成することにより得られたジメチルナフタレンを用いてジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造することにより、多官能性で反応性に富み、かつ、樹脂中における硫黄原子の含量と窒素原子の含量がいずれも0.5ppm以下である多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができる。
本発明で用いる原料のジメチルナフタレンは、ナフタレン環中の2つのベンゼン環双方にメチル基を各1個有するジメチルナフタレンであることが重要である。本発明者らの詳細な検討により、無置換であるナフタレン;1−メチルナフタレン等のモノメチルナフタレン;ナフタレン環の片方のベンゼン環のみにメチル基が2つ置換されている1,2−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレンおよび2,3−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種のジメチルナフタレンを原料とした場合は、界面反応のような特殊な反応形式を採用しない限り、多官能性のナフタレンホルムアルデヒド樹脂が得られないことが判明した。また、メチル基が3つ以上置換したナフタレン化合物を用いた場合にも、ホルムアルデヒドとの反応点(ナフタレン環に直結した水素原子数)が少なくなり、多官能性のナフタレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができなかった。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中のナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値は1.5〜3.5、好ましくは1.8〜3.5、より好ましくは2.0〜3.5、さらに好ましくは2.0〜3.3、特に好ましくは2.5〜3.0である。該樹脂中のナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値が1.5未満であると第三成分との反応性に富んだ活性基(メチロール基やメトキシメチル基等)が少なくなる傾向にあり、第三成分との反応により得られる変性樹脂の取得量が少なくなる恐れがあり、好ましくない。特に、該置換水素原子数の平均値が2.0以上であれば、第三成分との反応性が十分となり、好ましい。一方、該樹脂中のナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値が3.5を超えることは技術的に困難である。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、活性水素を有するフェノール類、カルボン酸類、ポリオール類等との高い反応性を有する。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、活性水素を有するフェノール類、カルボン酸類、ポリオール類等との高い反応性を有する。
(ホルムアルデヒド)
ホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒドおよびトリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物等が例示できる。縮合反応させる際のジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比は1:1〜1:6、好ましくは1:1.5〜1:6、より好ましくは1:2〜1:6、さらに好ましくは1:2.5〜1:6、特に好ましくは1:2.5〜1:5である。ジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比を前記範囲とすることで、得られるジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の樹脂収率を比較的高く維持でき、且つ未反応で残るホルムアルデヒドの量を少なくすることができる。
ホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒドおよびトリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物等が例示できる。縮合反応させる際のジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比は1:1〜1:6、好ましくは1:1.5〜1:6、より好ましくは1:2〜1:6、さらに好ましくは1:2.5〜1:6、特に好ましくは1:2.5〜1:5である。ジメチルナフタレンとホルムアルデヒドのモル比を前記範囲とすることで、得られるジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の樹脂収率を比較的高く維持でき、且つ未反応で残るホルムアルデヒドの量を少なくすることができる。
(多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造方法)
前記ジメチルナフタレンと前記ホルムアルデヒドとの縮合反応は、水および酸性触媒の存在下に実施する。
酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられるが、一般的には硫酸が適当である。該酸性触媒の使用量としては、例えば、硫酸を使用する場合、ホルムアルデヒド、水および硫酸からなる成分中の硫酸の濃度が、好ましくは20〜55質量%、より好ましくは25〜40質量%になるように調整する。硫酸の濃度をこの範囲とすることで、適当な反応速度が得られ、さらに反応の速度が速いことに基づく樹脂の粘度が高くなることを防ぐことができる。一方、パラトルエンスルホン酸を使用する場合は、硫酸を使用する場合よりやや高い濃度、例えばホルムアルデヒド、水およびパラホルムアルデヒドからなる成分中のパラホルムアルデヒドの濃度を35〜60質量%に調整して使用することが好ましい。
前記ジメチルナフタレンと前記ホルムアルデヒドとの縮合反応は、水および酸性触媒の存在下に実施する。
酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられるが、一般的には硫酸が適当である。該酸性触媒の使用量としては、例えば、硫酸を使用する場合、ホルムアルデヒド、水および硫酸からなる成分中の硫酸の濃度が、好ましくは20〜55質量%、より好ましくは25〜40質量%になるように調整する。硫酸の濃度をこの範囲とすることで、適当な反応速度が得られ、さらに反応の速度が速いことに基づく樹脂の粘度が高くなることを防ぐことができる。一方、パラトルエンスルホン酸を使用する場合は、硫酸を使用する場合よりやや高い濃度、例えばホルムアルデヒド、水およびパラホルムアルデヒドからなる成分中のパラホルムアルデヒドの濃度を35〜60質量%に調整して使用することが好ましい。
また、原料成分中のホルムアルデヒド、水および硫酸からなる成分中のホルムアルデヒドの濃度は20〜40質量%が好ましい。ホルムアルデヒドの濃度を20〜40質量%とすることで、実用上好ましい反応速度が得られる。
ナフタレン化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応は、通常、常圧で行われ、水の沸点である100℃で加熱して還流させながら行う。ただし、反応温度は常温〜100℃の範囲で適宜選択すればよく、また、反応圧力は0.001〜0.02MPa(ゲージ圧)程度、加圧してもよい。融点が100℃以上のジメチルナフタレンを原料とする場合には、その融点以上の反応温度とするために、0.01〜0.02MPa(ゲージ圧)程度、加圧して反応させることが好ましい。また、必要に応じて、縮合反応に不活性な溶媒を使用することもできる。該溶媒としては、例えばエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;メチルイソブチルケトン等のケトン;ジオキサン、ジブチルエーテルなどのエーテル;2−プロパノール等のアルコール;エチルプロピオネート等のカルボン酸エステル;酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。
反応時間は、通常、4〜10時間程度が好ましく、5〜8時間がより好ましい。かかる反応時間とすることで、目的の性状を有するジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂が経済的に、かつ工業的に有利に得られる。
また、本縮合反応は、必要に応じてメタノール、エタノール、イソプロパノール等の脂肪族低級アルコールを添加して加熱還流してもよい。脂肪族低級アルコールを添加して反応を行なうことにより、脂肪族低級アルコールがジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の末端基として、すなわち繰り返し単位構造のナフタレン環に直結したメチロール基が部分的にアルコキシ基として取り込まれ、低分子量化して粘度を下げることが可能となる。
縮合反応後、必要に応じて、前記溶媒をさらに添加して希釈した後、静置することにより二相分離させ、油相である樹脂相と水相を分離した後、さらに水洗を行うことにより酸性触媒を完全に除去し、添加した溶媒および未反応の原料ジメチルナフタレンを、蒸留等の一般的方法で除去することにより、目的の性状を有する多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂が得られる。
(多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の特性値)
こうして得られる多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは300〜1500、より好ましくは500〜1300、さらに好ましくは800〜1200であり、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3、より好ましくは1.5〜2.3である。また、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中の硫黄原子含量および窒素原子含量は、共に0.5ppm以下である。
こうして得られる多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは300〜1500、より好ましくは500〜1300、さらに好ましくは800〜1200であり、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3、より好ましくは1.5〜2.3である。また、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂中の硫黄原子含量および窒素原子含量は、共に0.5ppm以下である。
また、こうして得られる多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、以下の様に、ナフトール類等により変性させることが可能である。
なお、一般式[1]において、Aは−(OCH2)t−で表され、tは0〜2である。また、xは0〜4であり、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。
なお、一般式[1]において、Aは−(OCH2)t−で表され、tは0〜2である。また、xは0〜4であり、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。
<変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂>
本発明の、ナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類により変性された変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、上記の多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂に、フェノール性水酸基を持つ前記ナフトール類および必要に応じて前記フェノール類を加え、酸性触媒の存在下で加熱し、縮合反応させることにより得られる。該ナフトール類は、前記一般式[3]または[4]で示され、該フェノール類は、前記一般式[2]で示される。
本発明の、ナフトール類、またはナフトール類およびフェノール類により変性された変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、上記の多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂に、フェノール性水酸基を持つ前記ナフトール類および必要に応じて前記フェノール類を加え、酸性触媒の存在下で加熱し、縮合反応させることにより得られる。該ナフトール類は、前記一般式[3]または[4]で示され、該フェノール類は、前記一般式[2]で示される。
前記一般式[3]において、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R2、R3としては、いずれも水素原子が好ましい。
前記一般式[4]において、R4は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R4としては、水素原子が好ましい。
前記一般式[4]において、R4は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R4としては、水素原子が好ましい。
ナフトール類としては、1−ナフトール、2−ナフトール、下記式(1)または(4)
で表されるトリシクロデカン骨格含有ナフトール化合物が好ましく、耐熱性の観点からは、式(1)で表されるトリシクロデカン骨格含有ナフトール化合物がより好ましい。ナフトール類は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を変性する際、耐熱性の観点から、ナフトール類の使用が必須である。該ナフトール類の使用量は、前記一般式[3]で示されるナフトール類、前記一般式[4]で示されるナフトール類のいずれにおいても、それぞれ多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して、10〜150質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましく、30〜100質量部がさらに好ましく、耐熱性の観点からは、40〜90質量部が特に好ましい。また、前記一般式[3]で示されるナフトール類と前記一般式[4]で示されるナフトール類を併用する場合は、それらの合計使用量が、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して10〜150質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましく、30〜100質量部がさらに好ましく、耐熱性の観点からは、40〜90質量部が特に好ましい。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を変性する際、耐熱性の観点から、ナフトール類の使用が必須である。該ナフトール類の使用量は、前記一般式[3]で示されるナフトール類、前記一般式[4]で示されるナフトール類のいずれにおいても、それぞれ多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して、10〜150質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましく、30〜100質量部がさらに好ましく、耐熱性の観点からは、40〜90質量部が特に好ましい。また、前記一般式[3]で示されるナフトール類と前記一般式[4]で示されるナフトール類を併用する場合は、それらの合計使用量が、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して10〜150質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましく、30〜100質量部がさらに好ましく、耐熱性の観点からは、40〜90質量部が特に好ましい。
また、前記一般式[2]において、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
yは0〜2であり、0または1が好ましい。
yは0〜2であり、0または1が好ましい。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノール、キシレノールおよびプロピオニルフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を変性する際、必要に応じて、ナフトール類と共にフェノール類を使用することにより、耐熱性を調整することもできる。この場合のフェノール類の使用量は、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して、80質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、変性樹脂の耐熱性を高くするためには、フェノール類を使用しないことが特に好ましい。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を変性する際、必要に応じて、ナフトール類と共にフェノール類を使用することにより、耐熱性を調整することもできる。この場合のフェノール類の使用量は、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂100質量部に対して、80質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、変性樹脂の耐熱性を高くするためには、フェノール類を使用しないことが特に好ましい。
多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂と前記ナフトール類および前記フェノール類との縮合反応は、通常常圧で行われ、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、ナフトール類およびフェノール類の融点以上(通常、130〜250℃)で加熱還流させながら行う。また、必要に応じて、加圧下で行うこともできる。さらに、必要に応じて、縮合反応に不活性な溶媒を使用することもできる。該溶媒としては、例えばエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;メチルイソブチルケトン等のケトン;ジオキサン、ジブチルエーテルなどのエーテル;2−プロパノール等のアルコール;エチルプロピオネート等のカルボン酸エステル;酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。
縮合反応に使用し得る酸性触媒は、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、パラトルエンスルホン酸が好ましい。酸性触媒の使用量は、パラトルエンスルホン酸を使用する場合、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、ナフトール類、およびパラトルエンスルホン酸からなる成分中の濃度として好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.4質量%になるように調整する。パラトルエンスルホン酸濃度をこの範囲とすることで、適当な反応速度が得られ、さらに反応速度が大きいことに基づく樹脂粘度が高くなることを防ぐことができる。
縮合反応に使用し得る酸性触媒は、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、パラトルエンスルホン酸が好ましい。酸性触媒の使用量は、パラトルエンスルホン酸を使用する場合、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂、ナフトール類、およびパラトルエンスルホン酸からなる成分中の濃度として好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.4質量%になるように調整する。パラトルエンスルホン酸濃度をこの範囲とすることで、適当な反応速度が得られ、さらに反応速度が大きいことに基づく樹脂粘度が高くなることを防ぐことができる。
反応時間は1〜10時間が好ましく、2〜6時間程度がより好ましい。この反応時間とすることで、目的の性状を有する変性樹脂が経済的に、且つ工業的に有利に得られる。
反応終了後、必要に応じて前記溶媒をさらに添加して希釈した後、静置することにより二相分離させ、油相である樹脂相と水相を分離した後、さらに水洗を行うことにより酸性触媒を完全に除去し、添加した溶媒および未反応のナフトール類を、蒸留等の一般的方法で除去することにより、変性樹脂が得られる。
(変性樹脂の特性値)
こうして得られる本発明の変性樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜500、より好ましくは10〜400、さらに好ましくは10〜300である。
こうして得られる本発明の変性樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜500、より好ましくは10〜400、さらに好ましくは10〜300である。
また、このようにして得られる本発明の変性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、好ましくは500〜5000、より好ましくは1000〜5000、さらに好ましくは1500〜5000であり、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜6、より好ましくは1.5〜5、さらに好ましくは1.8〜3.5である。
<ナフトール類の製造方法>
一般式[4]で示されるナフトール類の製造方法を以下に記載する。
便宜上、下記式(1)
で表されるトリシクロデカン骨格含有ナフトール化合物(以下、ナフトール化合物(1)と略称する。)の製造方法を例に挙げるが、置換基の位置が異なる他のナフトール化合物も、同様の方法で製造可能である。
一般式[4]で示されるナフトール類の製造方法を以下に記載する。
便宜上、下記式(1)
前記ナフトール化合物(1)は、次の3段階によって製造できる。
(第1段階)
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(以下、DHDCPDと略す。)のカルボニル化反応による、下記式(3)
で表されるアシルフロライド(以下、アシルフロライド(3)と称する。)の製造。
(第2段階)
前記アシルフロライド(3)と1−ナフトールとのエステル化反応による、下記式(2)
で表されるエステル化合物(以下、エステル化合物(2)と称する。)の製造。
(第3段階)
前記エステル化合物(2)のフリース転位によるナフトール化合物(1)の製造。
(第1段階)
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(以下、DHDCPDと略す。)のカルボニル化反応による、下記式(3)
(第2段階)
前記アシルフロライド(3)と1−ナフトールとのエステル化反応による、下記式(2)
(第3段階)
前記エステル化合物(2)のフリース転位によるナフトール化合物(1)の製造。
(第1段階:アシルフロライド(3)の製造)
DHDCPDをフッ化水素(以下、HFと略す。)の存在下および一酸化炭素の加圧下で反応させることにより、アシルフロライド(3)を含有するカルボニル反応液を得る。この際、一酸化炭素中には窒素やメタン等の不活性ガスが含まれていてもよい。
一酸化炭素分圧については特に限定されないが、通常0.5〜5MPa程度であり、1〜3MPaがより好ましい。一酸化炭素分圧が上記範囲にあると、カルボニル反応が十分に進行し、不均化や重合などの副反応が抑制され、しかもあまり大きな設備費を必要としない。また、反応温度は、通常、10〜60℃であり、収率の観点からは、好ましくは20〜40℃、より好ましくは25〜35℃であり、30℃付近が最も高収率となる。
HFとしては、実質的に無水のものが好ましい。
HFの使用量は、カルボニル反応が十分に進行し、かつ不均化や重合などの副反応を抑制し得るという観点と共に、HFの分離費用や反応装置の容積効率等の観点から、DHDCPDに対して、好ましくは1〜30倍モルであり、より好ましくは4〜12倍モルであり、さらに好ましくは6〜10倍モルである。
DHDCPDをフッ化水素(以下、HFと略す。)の存在下および一酸化炭素の加圧下で反応させることにより、アシルフロライド(3)を含有するカルボニル反応液を得る。この際、一酸化炭素中には窒素やメタン等の不活性ガスが含まれていてもよい。
一酸化炭素分圧については特に限定されないが、通常0.5〜5MPa程度であり、1〜3MPaがより好ましい。一酸化炭素分圧が上記範囲にあると、カルボニル反応が十分に進行し、不均化や重合などの副反応が抑制され、しかもあまり大きな設備費を必要としない。また、反応温度は、通常、10〜60℃であり、収率の観点からは、好ましくは20〜40℃、より好ましくは25〜35℃であり、30℃付近が最も高収率となる。
HFとしては、実質的に無水のものが好ましい。
HFの使用量は、カルボニル反応が十分に進行し、かつ不均化や重合などの副反応を抑制し得るという観点と共に、HFの分離費用や反応装置の容積効率等の観点から、DHDCPDに対して、好ましくは1〜30倍モルであり、より好ましくは4〜12倍モルであり、さらに好ましくは6〜10倍モルである。
(第2段階:エステル化合物(2)の製造)
第1段階で得られたアシルフロライド(3)を含有するカルボニル反応液からHFを分離した後、1−ナフトールと反応させてもよいが、HFがエステル化反応での触媒として作用するため、カルボニル反応液からHFを分離せずに、そのまま1−ナフトールと混合して反応させ、エステル化合物(2)を含有するエステル反応液を得るのが好ましい。
反応温度は、20℃以下であり、生成したエステルの分解抑制や、添加したアルコールの脱水反応による水の副生の抑制等の観点からは、好ましくは−40〜20℃であり、より好ましくは−20〜10℃であり、さらに好ましくは−10〜10℃である。反応温度によっては、後述する第3段階のフリース転位が進行する場合があるが、特に問題が生じるものではない。
1−ナフトールの使用量は、目安として、第1段階で使用したDHDCPDに対して、好ましくは0.1〜3倍モルであり、より好ましくは0.3〜2倍モルであり、さらに好ましくは0.3〜0.8倍モルである。
第1段階で得られたアシルフロライド(3)を含有するカルボニル反応液からHFを分離した後、1−ナフトールと反応させてもよいが、HFがエステル化反応での触媒として作用するため、カルボニル反応液からHFを分離せずに、そのまま1−ナフトールと混合して反応させ、エステル化合物(2)を含有するエステル反応液を得るのが好ましい。
反応温度は、20℃以下であり、生成したエステルの分解抑制や、添加したアルコールの脱水反応による水の副生の抑制等の観点からは、好ましくは−40〜20℃であり、より好ましくは−20〜10℃であり、さらに好ましくは−10〜10℃である。反応温度によっては、後述する第3段階のフリース転位が進行する場合があるが、特に問題が生じるものではない。
1−ナフトールの使用量は、目安として、第1段階で使用したDHDCPDに対して、好ましくは0.1〜3倍モルであり、より好ましくは0.3〜2倍モルであり、さらに好ましくは0.3〜0.8倍モルである。
(第3段階:トリシクロデカン骨格含有ナフトール化合物)
第2段階で得られたエステル化合物(2)を含有するエステル反応液の温度を昇温することにより、エステル化合物(2)のフリース転位が進行し、ナフトール化合物(1)が生成する。この転位反応でも、HFが触媒として作用する。
反応温度は、好ましくは−10〜40℃であり、より好ましくは−10〜30℃であり、さらに好ましくは−10〜25℃であり、特に好ましくは−10〜20℃であり、6〜40時間保持することが好ましい。但し、フリース転位体とエステル化合物(2)の間で平衡組成が存在するため、20℃付近の温度で1〜3時間保持してフリース転位体の割合を高めておいた後、0℃付近に冷却して8〜10時間保持することによりフリース転位体であるナフトール化合物(1)の割合を更に高めることができる。
第2段階で得られたエステル化合物(2)を含有するエステル反応液の温度を昇温することにより、エステル化合物(2)のフリース転位が進行し、ナフトール化合物(1)が生成する。この転位反応でも、HFが触媒として作用する。
反応温度は、好ましくは−10〜40℃であり、より好ましくは−10〜30℃であり、さらに好ましくは−10〜25℃であり、特に好ましくは−10〜20℃であり、6〜40時間保持することが好ましい。但し、フリース転位体とエステル化合物(2)の間で平衡組成が存在するため、20℃付近の温度で1〜3時間保持してフリース転位体の割合を高めておいた後、0℃付近に冷却して8〜10時間保持することによりフリース転位体であるナフトール化合物(1)の割合を更に高めることができる。
上記第1〜3段階の反応形式については特に制限はなく、半連続式および連続式などのいずれであってもよい。
第1〜3段階の反応においては、いずれにおいても、原料DHDCPDを溶解する能力を有し、かつDHDCPDおよびHFに対して不活性な溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン、デカン等の飽和脂肪族炭化水素類等を使用してもよい。溶媒を使用する場合、重合反応が抑制され易く、収率が向上するが、過剰の溶媒を使用すると反応装置の容積効率が低下すると同時に、分離に要するエネルギー原単位の悪化を招くので、使用の有無やその使用量は適宜選択される。第1段階において溶媒を使用する場合、DHDCPDおよびHFの合計に対して0.5〜1倍質量であることが好ましい。第2段階では、第1段階において使用した溶媒をそのまま用いている場合は、1−ナフトールに対して0.5〜1.5倍質量の溶媒を追加することが好ましい。第3段階では、第1および2段階で溶媒を使用していれば、さらに溶媒を追加する必要性は無い。
第1〜3段階の反応においては、いずれにおいても、原料DHDCPDを溶解する能力を有し、かつDHDCPDおよびHFに対して不活性な溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン、デカン等の飽和脂肪族炭化水素類等を使用してもよい。溶媒を使用する場合、重合反応が抑制され易く、収率が向上するが、過剰の溶媒を使用すると反応装置の容積効率が低下すると同時に、分離に要するエネルギー原単位の悪化を招くので、使用の有無やその使用量は適宜選択される。第1段階において溶媒を使用する場合、DHDCPDおよびHFの合計に対して0.5〜1倍質量であることが好ましい。第2段階では、第1段階において使用した溶媒をそのまま用いている場合は、1−ナフトールに対して0.5〜1.5倍質量の溶媒を追加することが好ましい。第3段階では、第1および2段階で溶媒を使用していれば、さらに溶媒を追加する必要性は無い。
(第3段階の反応終了後の処理)
第1〜3段階を経ることによって得たナフトール化合物(1)を含有する反応液からHFを留去した後、蒸留などの常法に従って精製することにより、エステル化合物(2)とナフトール化合物(1)の合計に対するナフトール化合物(1)の割合が80モル%以上のナフトール化合物(1)を得ることができる。
第1〜3段階を経ることによって得たナフトール化合物(1)を含有する反応液からHFを留去した後、蒸留などの常法に従って精製することにより、エステル化合物(2)とナフトール化合物(1)の合計に対するナフトール化合物(1)の割合が80モル%以上のナフトール化合物(1)を得ることができる。
ナフトール化合物(1)のトリシクロデカン骨格には、Endo体とExo体の骨格異性体があるが、ナフトール化合物(1)はそれらの異性体の混合物である。該トリシクロデカン骨格のEndo体/Exo体の比については特に制限はなく、第1段階のカルボニル化温度30℃では、Endo体/Exo体の比は0.4〜0.6となる。
なお、第1段階の原料であるDHDCPDの製造方法に特に制限は無いが、ジシクロペンタジエン(以下、DCPDと略す。)を公知の方法、例えば特開2003−128593号公報等に記載の水素化方法によって製造できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(ナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値)
1H−NMR装置:「JNM−AL400型(400MHz)」(JEOL社製)
溶媒:CDCl3(重クロロホルム)
内部標準物質:テトラメチルシラン
置換水素原子数の平均値の算出方法:上記溶媒(重クロロホルム)に樹脂を溶解し、1H−NMR測定を行なった。2.3〜3.2ppm付近のジメチルナフタレン構造のメチルプロトンの積分値をメチルプロトン数である6とした時の、6.8〜8.2ppm付近のナフタレン環に直結したプロトンの積分値を算出し、その算出した値をジメチルナフタレン構造のナフタレン環に直結した水素原子数である6から引いた値を、ナフタレン環に直結した6つの水素原子の内、多官能性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造する反応によって置換された水素原子数の平均値(ナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値)とした。
<分子量の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、分散度(Mw/Mn)を求めた。
−ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定−
装置:Shodex GPC−101型(昭和電工(株)製)
カラム:LF−804×3
溶離液:THF 1ml/min
温度:40℃
<水酸基価>
変性樹脂2gを無水酢酸/ピリジン混合溶液(容量比=1/9)20mlに溶解して反応させ、その反応液を1.0モル/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定することにより求めた。なお、滴定終点はフェノールフタレインを指示薬にて確認した。同様にブランクサンプルとして無水酢酸/ピリジン混合溶液(容量比=1/9)20mlも滴定し、ブランクサンプルとの滴定量の差から水酸基価を下記式にて算出した。
水酸基価=56.1(mg/ml)×滴定量の差(ml)×水酸化ナトリウム水溶液ファクター÷変性樹脂量(g)
<耐熱性>
装置:エス・アイ・アイ・ナノテクノロジー社製「TG/DTA6200」
測定温度:30〜550℃(昇温速度10℃/分)
400℃到達時点における質量減少率を測定し、耐熱性の指標とした。
1H−NMR装置:「JNM−AL400型(400MHz)」(JEOL社製)
溶媒:CDCl3(重クロロホルム)
内部標準物質:テトラメチルシラン
置換水素原子数の平均値の算出方法:上記溶媒(重クロロホルム)に樹脂を溶解し、1H−NMR測定を行なった。2.3〜3.2ppm付近のジメチルナフタレン構造のメチルプロトンの積分値をメチルプロトン数である6とした時の、6.8〜8.2ppm付近のナフタレン環に直結したプロトンの積分値を算出し、その算出した値をジメチルナフタレン構造のナフタレン環に直結した水素原子数である6から引いた値を、ナフタレン環に直結した6つの水素原子の内、多官能性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造する反応によって置換された水素原子数の平均値(ナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値)とした。
<分子量の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、分散度(Mw/Mn)を求めた。
−ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定−
装置:Shodex GPC−101型(昭和電工(株)製)
カラム:LF−804×3
溶離液:THF 1ml/min
温度:40℃
<水酸基価>
変性樹脂2gを無水酢酸/ピリジン混合溶液(容量比=1/9)20mlに溶解して反応させ、その反応液を1.0モル/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定することにより求めた。なお、滴定終点はフェノールフタレインを指示薬にて確認した。同様にブランクサンプルとして無水酢酸/ピリジン混合溶液(容量比=1/9)20mlも滴定し、ブランクサンプルとの滴定量の差から水酸基価を下記式にて算出した。
水酸基価=56.1(mg/ml)×滴定量の差(ml)×水酸化ナトリウム水溶液ファクター÷変性樹脂量(g)
<耐熱性>
装置:エス・アイ・アイ・ナノテクノロジー社製「TG/DTA6200」
測定温度:30〜550℃(昇温速度10℃/分)
400℃到達時点における質量減少率を測定し、耐熱性の指標とした。
<合成例1>トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(DHDCPD)の合成
Cu−Cr水添触媒の存在下、ジシクロペンタジエン(DCPD)(丸善石油化学(株)製、純度99%)2000gを、水素圧2MPaおよび90℃で、水素の吸収が認められなくなるまで約5時間反応させた。反応終了後、ろ過によりCu−Cr水添触媒を取り除いた後、蒸留により精製し、DHDCPD1850g(純度98.5%)を得た。
Cu−Cr水添触媒の存在下、ジシクロペンタジエン(DCPD)(丸善石油化学(株)製、純度99%)2000gを、水素圧2MPaおよび90℃で、水素の吸収が認められなくなるまで約5時間反応させた。反応終了後、ろ過によりCu−Cr水添触媒を取り除いた後、蒸留により精製し、DHDCPD1850g(純度98.5%)を得た。
<製造例1>ナフトール化合物(1)の製造
(第1段階;アシルフロライド(3)の製造)
ナックドライブ式攪拌機と、上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を抑制できる内容積500mlのステンレス製オートクレープを用いて実験を行った。
まず、オートクレープ内部を一酸化炭素で置換した後、フッ化水素189g(9.4mol)を導入し、液温30℃とした後、一酸化炭素にて2MPaまで加圧した。
反応温度を30℃に保持し、かつ反応圧力を2MPaに保ちながら、DHDCPD141.1g(1.05mol)を溶解させたn−ヘプタン溶液236gをオートクレープ上部より供給してカルボニル反応を行った。DHDCPDの供給終了後、一酸化炭素の吸収が認められなくなるまで約10分間攪拌を継続した。
アシルフロライド(3)の生成は対応するエチルエステルの存在の確認により行った。得られた反応液の一部を冷却したエタノール中にサンプリングし、水を加え、油相と水相とを分離した。油相を中和および水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、主生成物はエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エチルとエンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エチルであり、Endo体/Exo体の比は0.53であった。
(第2段階;エステル化合物(2)の製造)
続いて、ナックドライブ式攪拌機と、上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を抑制できる内容積1Lのステンレス製オートクレープに、1−ナフトール83.4g(0.58mol)およびn−ヘプタン83.4gを導入し、0℃に冷却した後、攪拌下、先に合成したアシルフロライド含有のカルボニル反応液を配管接続により添加し、エステル化反応を行った。
得られた反応液の一部を氷水中にサンプリングし、油相と水相とを分離した。油相を中和、水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エステル化合物(2)とフリース転位体であるナフトール化合物(1)の合計純度75.1%(エステル化合物(2)/ナフトール化合物(1)=95.7/4.3)であった。
また、精留塔(理論段数20段)を使用して、精留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、エステル化合物(2)の分子量306を示した。エステル化合物(2)の1H−NMR測定結果を以下に記す。
(第1段階;アシルフロライド(3)の製造)
ナックドライブ式攪拌機と、上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を抑制できる内容積500mlのステンレス製オートクレープを用いて実験を行った。
まず、オートクレープ内部を一酸化炭素で置換した後、フッ化水素189g(9.4mol)を導入し、液温30℃とした後、一酸化炭素にて2MPaまで加圧した。
反応温度を30℃に保持し、かつ反応圧力を2MPaに保ちながら、DHDCPD141.1g(1.05mol)を溶解させたn−ヘプタン溶液236gをオートクレープ上部より供給してカルボニル反応を行った。DHDCPDの供給終了後、一酸化炭素の吸収が認められなくなるまで約10分間攪拌を継続した。
アシルフロライド(3)の生成は対応するエチルエステルの存在の確認により行った。得られた反応液の一部を冷却したエタノール中にサンプリングし、水を加え、油相と水相とを分離した。油相を中和および水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、主生成物はエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エチルとエンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エチルであり、Endo体/Exo体の比は0.53であった。
(第2段階;エステル化合物(2)の製造)
続いて、ナックドライブ式攪拌機と、上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を抑制できる内容積1Lのステンレス製オートクレープに、1−ナフトール83.4g(0.58mol)およびn−ヘプタン83.4gを導入し、0℃に冷却した後、攪拌下、先に合成したアシルフロライド含有のカルボニル反応液を配管接続により添加し、エステル化反応を行った。
得られた反応液の一部を氷水中にサンプリングし、油相と水相とを分離した。油相を中和、水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エステル化合物(2)とフリース転位体であるナフトール化合物(1)の合計純度75.1%(エステル化合物(2)/ナフトール化合物(1)=95.7/4.3)であった。
また、精留塔(理論段数20段)を使用して、精留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、エステル化合物(2)の分子量306を示した。エステル化合物(2)の1H−NMR測定結果を以下に記す。
(エステル化合物(2)の1H−NMR測定結果)
1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:1.24(m,3H)、1.50(m,2H)、1.70(m,5H)、2.09(m,2H)、2.55(m,2H)、2.65(m,1H)、7.25(d,1H)、7.46(t,1H)、7.50(m,2H)、7.71(d,1H)、7.86(m,1H)、7.92(m,1H)
1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:1.24(m,3H)、1.50(m,2H)、1.70(m,5H)、2.09(m,2H)、2.55(m,2H)、2.65(m,1H)、7.25(d,1H)、7.46(t,1H)、7.50(m,2H)、7.71(d,1H)、7.86(m,1H)、7.92(m,1H)
(第3段階;ナフトール化合物(1)の製造)
引き続き、第2段階で得られた反応液の温度を20℃に昇温し、2時間、同温度を維持し、フリース転位反応を行った。
得られた反応液の一部を氷水中にサンプリングし、油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回および蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度70.9%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=72.2/27.8)であった。
更に、反応液温度を0℃に冷却し、8時間この温度を維持し、フリース転位反応を進行させた。
反応液をオートクレープ底部より氷水中に抜き出し、油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回および蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度73.8%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=81.3/18.7)の反応成績が得られた。
(蒸留)
単蒸留:得られた液を単蒸留したところ、主留部分として、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度92.4%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=80.8/19.2)のものが142.1g(収率40.7%、DHDCPD基準)得られた。蒸留によるフリース転位体/エステル体率の変動はなかった。
精留分離:更に、理論段数20段の精留塔を使用して、精留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、目的物のフリース転位体の分子量306を示した。ナフトール化合物(1)の1H−NMR測定結果を以下に記す。
引き続き、第2段階で得られた反応液の温度を20℃に昇温し、2時間、同温度を維持し、フリース転位反応を行った。
得られた反応液の一部を氷水中にサンプリングし、油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回および蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度70.9%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=72.2/27.8)であった。
更に、反応液温度を0℃に冷却し、8時間この温度を維持し、フリース転位反応を進行させた。
反応液をオートクレープ底部より氷水中に抜き出し、油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回および蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度73.8%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=81.3/18.7)の反応成績が得られた。
(蒸留)
単蒸留:得られた液を単蒸留したところ、主留部分として、フリース転位体であるナフトール化合物(1)とエステル化合物(2)の合計純度92.4%(ナフトール化合物(1)/エステル化合物(2)=80.8/19.2)のものが142.1g(収率40.7%、DHDCPD基準)得られた。蒸留によるフリース転位体/エステル体率の変動はなかった。
精留分離:更に、理論段数20段の精留塔を使用して、精留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、目的物のフリース転位体の分子量306を示した。ナフトール化合物(1)の1H−NMR測定結果を以下に記す。
(ナフトール化合物(1)の1H−NMR測定結果)
1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:0.91(m,1H)、1.21(m,4H)、1.30(m,1H)、1.49(m,1H)、1.66(m,1H)、1.78(m,2H)、2.06(d,2H)、2.45(q,1H)、2.85(d,1H)、2.99(t,1H)、7.23(d,1H)、7.51(t,1H)、7.61(t,1H)、7.74(d,1H)、7.93(d,1H)、8.48(d,1H)、14.53(s,1H)
1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:0.91(m,1H)、1.21(m,4H)、1.30(m,1H)、1.49(m,1H)、1.66(m,1H)、1.78(m,2H)、2.06(d,2H)、2.45(q,1H)、2.85(d,1H)、2.99(t,1H)、7.23(d,1H)、7.51(t,1H)、7.61(t,1H)、7.74(d,1H)、7.93(d,1H)、8.48(d,1H)、14.53(s,1H)
<製造例2>多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積2Lの四つ口フラスコに、窒素気流中、1,5−ジメチルナフタレン218g(1.4mol、三菱ガス化学(株)製)、40質量%ホルマリン水溶液420g(ホルムアルデヒドとして5.6mol、三菱ガス化学(株)製)および98質量%硫酸(関東化学(株)製)194gを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら7時間反応させた。希釈溶媒としてエチルベンゼン360gを加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに、中和および水洗を行い、エチルベンゼンおよび未反応の1,5−ジメチルナフタレンを減圧下に留去し、淡褐色固体の1,5−ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、樹脂Aと称することがある。)250gを得た。
GPC測定の結果、Mn:550、Mw:1130、Mw/Mn:2.05であった。得られた樹脂は、ナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値が2.6であった。
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積2Lの四つ口フラスコに、窒素気流中、1,5−ジメチルナフタレン218g(1.4mol、三菱ガス化学(株)製)、40質量%ホルマリン水溶液420g(ホルムアルデヒドとして5.6mol、三菱ガス化学(株)製)および98質量%硫酸(関東化学(株)製)194gを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら7時間反応させた。希釈溶媒としてエチルベンゼン360gを加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに、中和および水洗を行い、エチルベンゼンおよび未反応の1,5−ジメチルナフタレンを減圧下に留去し、淡褐色固体の1,5−ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、樹脂Aと称することがある。)250gを得た。
GPC測定の結果、Mn:550、Mw:1130、Mw/Mn:2.05であった。得られた樹脂は、ナフタレン環1つあたりの置換水素原子数の平均値が2.6であった。
<製造例3>モノメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の製造
ジムロート冷却管、温度計および撹拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積1Lのセパラブルフラスコに、窒素気流中、1−メチルナフタレン[和光純薬(株)製、硫黄原子含量2200ppm、窒素原子含量3.9ppm]142.2g(1.0mol)、ホルマリン40質量%水溶液150.0g(ホルムアルデヒドとして2.0mol、三菱ガス化学(株)製)および98質量%硫酸(関東化学(株)製)51.4gを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら5時間反応させた。希釈溶媒としてエチルベンゼン160gを加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに中和・水洗を行い、エチルベンゼンおよび未反応の1−メチルナフタレンを減圧下に留去し、常温では粘調な液体の1−メチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、樹脂Bと称することがある。)150gを得た。
GPC測定の結果、Mn:376、Mw:405、Mw/Mn:1.08であった。得られた樹脂の1H−NMRを測定したところ、ナフタレン環1個あたりの置換水素原子数の平均値は1.4であった。
ジムロート冷却管、温度計および撹拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積1Lのセパラブルフラスコに、窒素気流中、1−メチルナフタレン[和光純薬(株)製、硫黄原子含量2200ppm、窒素原子含量3.9ppm]142.2g(1.0mol)、ホルマリン40質量%水溶液150.0g(ホルムアルデヒドとして2.0mol、三菱ガス化学(株)製)および98質量%硫酸(関東化学(株)製)51.4gを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら5時間反応させた。希釈溶媒としてエチルベンゼン160gを加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに中和・水洗を行い、エチルベンゼンおよび未反応の1−メチルナフタレンを減圧下に留去し、常温では粘調な液体の1−メチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(以下、樹脂Bと称することがある。)150gを得た。
GPC測定の結果、Mn:376、Mw:405、Mw/Mn:1.08であった。得られた樹脂の1H−NMRを測定したところ、ナフタレン環1個あたりの置換水素原子数の平均値は1.4であった。
<実施例1>
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂A90g、1−ナフトール71.1g(0.49mol)およびパラトルエンスルホン酸0.36gを加え、185℃まで昇温させて4時間反応させた。溶媒希釈後、中和および水洗を行い、脱溶媒並びに1−ナフトールを減圧下に除去し、淡褐色固体160gを得た。
GPC分析の結果、Mn:848、Mw:1630、Mw/Mn:1.93であり、また水酸基価は175mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
ジムロート冷却管、温度計および攪拌翼を備えた内容積0.5Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で、製造例1で得た樹脂A90g、1−ナフトール71.1g(0.49mol)およびパラトルエンスルホン酸0.36gを加え、185℃まで昇温させて4時間反応させた。溶媒希釈後、中和および水洗を行い、脱溶媒並びに1−ナフトールを減圧下に除去し、淡褐色固体160gを得た。
GPC分析の結果、Mn:848、Mw:1630、Mw/Mn:1.93であり、また水酸基価は175mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例2において、1−ナフトールの仕込み量を38.6g(0.27mol)に代えたこと以外は実施例1と同様に実験を行い、淡褐色固体130gを得た。
GPC分析の結果、Mn:823、Mw:2640、Mw/Mn:3.21であり、また水酸基価は96mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例2において、1−ナフトールの仕込み量を38.6g(0.27mol)に代えたこと以外は実施例1と同様に実験を行い、淡褐色固体130gを得た。
GPC分析の結果、Mn:823、Mw:2640、Mw/Mn:3.21であり、また水酸基価は96mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)72.5g(0.25mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体142gを得た。
GPC分析の結果、Mn:688、Mw:2304、Mw/Mn:3.35であり、また水酸基価は47mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)72.5g(0.25mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体142gを得た。
GPC分析の結果、Mn:688、Mw:2304、Mw/Mn:3.35であり、また水酸基価は47mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)27.5g(0.1mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体98gを得た。
GPC分析の結果、Mn:787、Mw:4601、Mw/Mn:5.85であり、また水酸基価は23mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)27.5g(0.1mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体98gを得た。
GPC分析の結果、Mn:787、Mw:4601、Mw/Mn:5.85であり、また水酸基価は23mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)13.3g(0.05mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体88gを得た。
GPC分析の結果、Mn:711、Mw:3240、Mw/Mn:4.56であり、また水酸基価は14mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、実施例1で得たナフトール化合物(1)13.3g(0.05mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとしたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体88gを得た。
GPC分析の結果、Mn:711、Mw:3240、Mw/Mn:4.56であり、また水酸基価は14mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、1−ナフトール(36g、0.25mol)および実施例1で得たナフトール化合物(1)(36g、0.12mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとした以外を使用したこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体92gを得た。
GPC分析の結果、Mn:911、Mw:8100、Mw/Mn:8.9であり、また水酸基価は67mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、1−ナフトール(36g、0.25mol)および実施例1で得たナフトール化合物(1)(36g、0.12mol)とし、かつパラトルエンスルホン酸の添加量を0.22gとした以外を使用したこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体92gを得た。
GPC分析の結果、Mn:911、Mw:8100、Mw/Mn:8.9であり、また水酸基価は67mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、フェノール94.1g(1.0mol)としたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体130gを得た。
GPC測定の結果、Mn:678、Mw:1130、Mw/Mn:1.66であり、また、水酸基価は253mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、1−ナフトール71.1g(0.49mol)に代えて、フェノール94.1g(1.0mol)としたこと以外は実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体130gを得た。
GPC測定の結果、Mn:678、Mw:1130、Mw/Mn:1.66であり、また、水酸基価は253mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、樹脂A90gに代えて、製造例2で得た樹脂B149g(0.5mol)を使用したこと以外は、実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体220gを得た。
GPC分析の結果、Mn:531、Mw:627、Mw/Mn:1.18であり、また水酸基価は107mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂A90gに代えて、製造例2で得た樹脂B149g(0.5mol)を使用したこと以外は、実施例2と同様に実験を行い、淡褐色固体220gを得た。
GPC分析の結果、Mn:531、Mw:627、Mw/Mn:1.18であり、また水酸基価は107mgKOH/gであった。得られた変性樹脂の耐熱性評価結果を表1に示す。
表1より、多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(樹脂A)にナフトール変性を行なった変性樹脂は、フェノール変性のみを行なった多官能性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂より耐熱性が優れていることがわかる。
一方、モノメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(樹脂B)では、ナフトール変性を行っても、熱質量減少が大きく、耐熱性が低かった。
一方、モノメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂(樹脂B)では、ナフトール変性を行っても、熱質量減少が大きく、耐熱性が低かった。
本発明の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体用封止樹脂、プリント配線板用接着剤、電気機器・電子機器・産業機器等に搭載される電気用積層板およびプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に利用可能である。
Claims (8)
- 下記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を、下記一般式[2]で示されるフェノール類、下記一般式[3]で示されるナフトール類および下記一般式[4]で示されるナフトール類からなる群から選択される少なくとも1種(但し、必ず一般式[3]で示されるナフトール類または一般式[4]で示されるナフトール類のいずれかを含む。)で変性することにより得られる、変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Aは−(OCH2)t−で表され、tは0〜2である。xは0〜4であり、yは0〜2の整数を表す。) - 前記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂において、ナフタレン環に直結した6つの水素原子の内、前記ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂を製造する反応によって置換された水素原子数の平均値が1.5〜3.5である、請求項1に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
- 前記一般式[1]で示される構成単位を分子内に有する多官能ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂の原料であるジメチルナフタレンが、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレンおよび2,7−ジメチルナフタレンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
- 前記ジメチルナフタレンが、オルソキシレンと1,3−ブタジエン、またはパラキシレンと1,3−ブタジエンを出発原料として化学合成して得られたジメチルナフタレンである、請求項3に記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
- 前記一般式[2]で示されるフェノール類が、フェノール、クレゾール、4−t−ブチルフェノールおよびキシレノールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
- 前記一般式[3]で示されるナフトール類が、1−ナフトールおよび/または2−ナフトールである、請求項1〜5のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
- 重量平均分子量(Mw)が500〜5000である、請求項1〜7のいずれかに記載の変性ジメチルナフタレンホルムアルデヒド樹脂。
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