JPH10204139A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH10204139A
JPH10204139A JP687197A JP687197A JPH10204139A JP H10204139 A JPH10204139 A JP H10204139A JP 687197 A JP687197 A JP 687197A JP 687197 A JP687197 A JP 687197A JP H10204139 A JPH10204139 A JP H10204139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
phenol
novolak
static mixer
aldehyde
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP687197A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Inagaki
昌幸 稲垣
Shoji Tomita
昭二 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP687197A priority Critical patent/JPH10204139A/ja
Publication of JPH10204139A publication Critical patent/JPH10204139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン性不純物が少なく、硬化速度の速い
ハイオルソタイプのノボラック型フェノール樹脂を、安
全に且つ短時間に収率良く製造すること。 【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類を付加縮合
反応させる際に、触媒を一切使うことなく、フェノール
類と、アルデヒド類としては特に蟻酸を200PPM以
下に低減したホルマリン又はフェノール類と混合した純
度80%以上のパラホルムアルデヒドを使用し、反応液
流速0.1m/秒以上で且つ1分以上の反応時間を確保
出来る量を静止型ミキサー内に供給し160℃以上の温
度保持し反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノボラック型フェノ
ール樹脂の製造方法に関し、特にイオン性不純物が極め
て少なく、硬化性の優れたハイオルソタイプのノボラッ
ク型フェノール樹脂を効率よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般的なノボラック型フェノール樹脂の
製造方法としては、フェノール類とアルデヒド類を公知
の有機酸及び/又は無機酸を触媒に用い、常圧100℃
で数時間付加縮合反応し、その後脱水及び未反応モノマ
ー除去を行う方法が知られている。このような方法で作
られたノボラック型フェノール樹脂はフェノール類のオ
ルソ位のメチレン結合に対しパラ位の結合が多いもので
あり、本発明の目的とするところのオルソ位のメチレン
結合の多いハイオルソタイプのノボラック型フェノール
樹脂(以下、ハイオルソノボラックという)に比べ、硬
化性が劣るものであった。
【0003】一方、従来工業的なハイオルソノボラック
の製造は、フェノール類とアルデヒド類を酢酸亜鉛、酢
酸鉛、ナフテン酸亜鉛等の金属塩触媒により弱酸性下で
付加縮合反応させた後、直接あるいは更に酸触媒を添加
し脱水しながら縮合反応を進め、更に必要により未反応
物を除去する工程を入れる方法が一般的である(例え
ば、特開昭55−90523号公報、特開昭59−80
418号公報、特開昭62−230815号公報に記
載)が、かかる方法においては反応及び脱水工程に時間
がかかるといった生産性の問題や、金属イオンが樹脂中
に含有し、その硬化物は耐熱性、耐水性、電気絶縁性な
どの特性が劣り、特にイオン性不純物の混入を嫌う電気
・電子分野向けの用途には使用できないといった問題が
あった。
【0004】また、金属塩以外の触媒を用いるハイオル
ソノボラックの製造方法としては、フェノール類とアル
デヒド類の反応に際し、金属塩触媒以外の触媒として、
例えば蓚酸のような昇華分解する酸と非極性溶媒を添加
し、110℃以上の温度で水と溶媒を蒸発させ溶媒のみ
反応系に戻しながら、第一次反応を2〜10時間、第二
次反応を1〜10時間行う方法(例えば、特開平4−2
02312号公報)が知られているが、かかる方法は反
応時間が長いのみならず、イオン性不純物を低減するた
めには、触媒の昇化・分解工程が必須となるばかりでな
く、非極性溶媒の除去工程が必要となる問題がある。
【0005】更に、触媒を用いないハイオルソノボラッ
クの製造方法としては、フェノール類とパラホルムアル
デヒドをキシレンの様な非極性溶媒を用い混合後、10
0〜220℃で12〜20時間加圧容器内で反応させる
方法(例えば、Casiraghi,他 Makrom
ol.Chem.182(11),2973,(198
1)や特開平6−345837号公報)が知られてい
る。特に、前記Makromol.Chem.には、か
かる製法によりオルソ位でのメチレン結合比率が非常に
高い樹脂が得られると述べられているが、一方これらの
方法においては反応に長時間を要すといった点や、文献
中にも述べられているが、反応温度を高くするとアルデ
ヒド類がはじめから所定量存在するため一度に反応し、
反応圧制御が出来ないと言った問題があり、更に非極性
溶媒を使用する方法の共通点として、溶媒除去工程が必
要な事や取り扱いの安全性、バッチ生産の場合のバッチ
当たりの収得量を多くすることが出来ないなどの問題点
があった。
【0006】また、従来のハイオルソノボラックの製造
方法は殆ど反応器内で行うバッチ式であり、樹脂を多量
に生産する場合は反応器容量を大きくするか、バッチ数
を増やして対応せざるを得ないが、反応器の大型化は付
帯設備を含めての設備価格上の問題や設置スペースの問
題があり、特に高圧反応器においてはその傾向が大きい
こと、バッチ数増加は生産性低下につながること等か
ら、工業的なイオン性不純物の少ないハイオルソノボラ
ックの製造方法としては必ずしも好適とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
問題点を克服すべく鋭意研究した結果、フェノール類と
アルデヒド類とを触媒を用いることなく静止型ミキサー
内で一定流速以上を保ち昇温混合させることにより、更
には、好ましくは、フェノール類を予め加熱しておくこ
とにより、またアルデヒド類として蟻酸を低減したホル
マリン又はフェノール類と混合したパラホルムアルデヒ
ドを使用することにより、電気・電子分野向け成形材料
用、エポキシ樹脂の硬化剤用、積層板用他幅広い分野に
好適な、硬化性に優れ、イオン性不純物が極めて少な
く、その硬化物は耐水性、耐熱性、電気絶縁性に優れた
ハイオルソタイプのノボラック型フェノール樹脂を、設
備的にも単純にまた反応上の安全確保が容易で且つ非常
に効率よく生産できることを見い出し、本発明に至った
ものである。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
とアルデヒド類を触媒を使用しないで反応させる際、フ
ェノール類とアルデヒド類を静止型ミキサー及び/又は
これを組み合わせた多管式熱交換器型ミキサーに供給
し、昇温と混合を行い、配管圧力を制御しながら反応温
度160℃以上且つ反応時間1分以上を保った後、フラ
ッシュ容器内に供給し連続的に脱水することを特徴とし
たノボラック型フェノール樹脂の製造方法であり、好ま
しくは反応最終部の静止型ミキサー出口における反応液
流速が0.1m/秒であり、またフェノール類を予め不
活性ガス雰囲気として酸化着色防止を図った上で160
℃以上まで加熱した後、静止型ミキサーに供給すると同
時に、所定モル比となるようにアルデヒド類も静止型ミ
キサーに供給することを特徴とするものであり、更には
アルデヒド類として蟻酸を200PPM以下まで除去し
たホルマリン又は純度80%以上のパラホルムアルデヒ
ドをフェノール類に溶解若しくは懸濁させたものを使用
することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製
造方法に関するものである。
【0009】ここでフェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、ビスフェノール類などのフェノール性
水酸基を有する化合物の1種又は2種以上を用いる。本
発明に用いるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレンなどア
ルデヒド基を有するもの1種又は2種以上であるが、好
適なものとしては1つは公知のイオン交換樹脂等で処理
して蟻酸を200PPM以下としたホルマリンであり、
もう1つは純度80%以上のパラホルムアルデヒドであ
る。
【0010】ホルマリンはホルムアルデヒド水溶液のこ
とであるが、濃度37%以上のものが好ましく、更に好
ましくは濃度40%以上である。ホルムアルデヒドはカ
ニッツァーロ反応によりホルマリン生産時及び保管時に
蟻酸を生成しやすいが、この蟻酸は生成樹脂中に分解し
きれないものがイオン性不純物として含有されるばかり
ではなく、フェノール類とアルデヒド類の付加縮合反応
時に酸触媒として働いてしまい、パラ位のメチレン結合
を促進してしまうため、好ましくは200PPM以下、
更に好ましくは50PPM以下まで除去しておく。
【0011】パラホルムアルデヒドとしては純度80%
以上のものを使用するのが好ましい。純度が低い場合オ
ルソ位のメチレン結合度が低下し好ましくない。また一
般にパラホルムアルデヒドは固形物であり、フェノール
類とアルデヒド類を別々に静止型ミキサーに供給する場
合は、パラホルムアルデヒドとフェノール類の一部を事
前に混合し溶解させるか、スラリー状にしておくことが
必須である。パラホルムアルデヒドとフェノール類の混
合比は特に限定するものではないが、公知の高圧ポンプ
またはスラリーポンプで扱える流動性を確保できる比率
が好ましい。またこの場合、パラホルムアルデヒドの混
合に要したフェノール類の量は、別途供給するフェノー
ル類の一部と見なしモル比等の算出は行う。フェノール
類に対するアルデヒド類のモル比は特に限定しないが、
一般的には0.3〜1.0の範囲で行う。
【0012】静止型ミキサーへのフェノール類及びアル
デヒド類の供給は、フェノール類の融点以上の温度で事
前に混合してから行っても良いが、オルソ位のメチレン
結合を高める上から及び静止型ミキサーの全長を短くす
る上から、フェノール類を、可能ならば予め不活性ガス
(例えば、窒素ガス等)の雰囲気として酸化着色防止を
図った上で、160℃以上に加熱した後、静止型ミキサ
ーに供給すると同時に、所定モル比となるようにアルデ
ヒド類も静止型ミキサーに供給する方法が好ましい。フ
ェノール類とアルデヒド類の接触開始温度が低いと、反
応速度が遅いばかりではなく、昇温途中でパラ位のメチ
レン結合が起こり始め、目的とする効果が充分得られな
い。フェノール類及びアルデヒド類の供給に当たって
は、公知のプランジャータイプ及びダイヤフラムタイプ
等の高圧ポンプや回転容積型の一軸偏心ネジポンプ(例
えば兵神装備株式会社製モーノポンプ等)及びチューブ
ポンプ等のスラリーポンプなどを高圧定量ポンプを用い
静止型ミキサー内へ定量的に供給する。
【0013】本発明に用いる静止型ミキサーは、配管内
部に捻り羽根(図2)又は折り返し羽根(図3)等の混
合羽根を有していて、内部を流体が通過するときに流体
が繰り返し分割混合されるものである。またこれら静止
型ミキサーは二重管となって外部から加熱冷却できれば
好ましく、またさらに加熱冷却効果を上げるため、多管
式熱交換器のチューブに相当するものとして静止型ミキ
サーを複数使用した多管式熱交換器型ミキサー(図1に
おける符号5)であってもよい。静止型ミキサー及び熱
交換器型ミキサーの型式は特に限定されるものではない
が、混合効果から見て羽根が2枚以上のものが好まし
く、必要により組み合わせて使っても何ら問題はない。
【0014】静止型ミキサー及び/又は多管式熱交換器
型ミキサーを含めた反応配管の径及び長さは目的とする
処理量により変化するものであるが、反応液の通過時
間、即ち反応時間が1分以上確保できる長さを設定する
必要があり、好ましくは反応最終部の静止型ミキサー出
口における反応液流速が、0.1m/秒以上を確保でき
且つ反応時間が1分以上確保できる配管径と長さとす
る。反応時間が1分以上確保できないと、目的とする分
子量の樹脂が得られず且つ収率も低下してしまうだけで
なく、未反応のアルデヒドが多量に存在するため、後工
程における圧力を常圧に戻す段階で臭気等の環境上の問
題を起こす恐れがある。
【0015】反応最終部の静止型ミキサー出口における
反応液流速は反応系全体の流速を表したものであるが、
流速が遅い場合混合効果と伝熱効果が低下し、特に高分
子量の樹脂を製造する場合0.1m/秒以下では反応が
不均一になり、最悪の場合部分的に高分子化しゲル化物
を生じる。また伝熱面に不溶不融のスケールを生じやす
いので好ましくない。
【0016】静止型ミキサー出口で圧力をコントロール
し、反応温度を160℃以上を保ち1分以上反応した反
応液は更にフラッシュ容器に供給し、常圧に戻すととも
に水分の除去を連続的に行う。この時フラッシュ容器は
加熱してもよく、また減圧状態としても何ら問題はな
い。
【0017】反応に際しては、モル比、添加速度等安全
に生産できるよう設定することが重要であるが、反応器
伝熱面の汚れによる伝熱状態の振れや、その他外部から
の突発的な要因において過度の反応熱発生や過度の圧力
上昇をも、アルデヒド類の添加停止や添加速度の調整に
より、高温下の反応においても直ちに安全確保及び生産
の安定化が図れるのが本発明の特徴でもある。
【0018】この後フラッシュ容器内で、更に減圧状態
として加熱し、未反応モノマーの除去を行ってもよく、
あるいはフラッシュ容器内から連続的に公知の薄膜蒸発
機等の蒸発機に導き未反応モノマーの除去を行ってもよ
い。この様にしてイオン性不純物の少ないハイオルソタ
イプのノボラック型フェノール樹脂を得る。
【0019】さらに本発明の一例を図1により説明する
が、かかる説明により本発明が限定されるものではな
い。
【0020】図1は本発明の設備及びフローを示す概略
図である。フェノール類を攪拌機付き供給槽(1)に入
れ、160℃以上となるまで加温し、窒素ガス等の不活
性ガスを封入後、フェノール類定量ポンプ(2)により
第一次静止型ミキサー(3)に供給する。同時にアルデ
ヒド類をアルデヒド類定量ポンプ(4)にて所定モル比
となるよう、同じく第一次静止型ミキサー(3)へ供給
する。この時フェノール類とアルデヒド類の供給量は、
第三次静止型ミキサー出口における反応液の流速が0.
1m/秒となるように設定する事が好ましい。その後多
管式熱交換器型ミキサー(5)、第二次静止型ミキサー
(6)、第三次静止型ミキサー(7)内で連続的に混合
されながら付加縮合反応を完結させるが、この時圧力調
整弁(8)で圧力をコントロールしながら、反応液温度
160℃以上を保たせる。付加縮合を完了した反応液は
フラッシュ容器(9)に供給する。水蒸気はフラッシュ
容器(9)の入口で直ちに蒸発し、熱交換器(10)に
より凝縮し系外に除去され、脱水されたノボラック型フ
ェノール樹脂のみがフラッシュ容器(9)内に溜まる。
この時フラッシュ容器は真空ポンプ(11)等により減
圧していれば好ましい。またこの後必要により公知の方
法で未反応モノマーを除去する場合がある。また生産開
始時及び/又は反応途中において切り替え弁1(12)
切り替え弁2(13)切り替え弁3(14)切り替え弁
4(15)を用い、反応ラインの途中にループを設け、
反応液の一部又は全量を循環ポンプ(16)により循環
させ反応を促進させても良い。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例、比較例を用いて具体的
に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、文中に記載されている
「%」は、全て「重量%」を示す。
【0022】《実施例1》フェノール7.6Kgを加熱
装置及び攪拌装置を有した容量10Lの供給容器で18
0℃まで加熱し、窒素ガスにて20KPa迄加圧した
後、ダイアフラム式高圧定量ポンプにて380g/分の
量で内部に捻り羽根を有した内径10mm全長1500
0mmの二重管型の第一次静止型ミキサーに供給し、同
時にダイアフラム式高圧定量ポンプにて予めイオン交換
樹脂処理により蟻酸含有量を50PPMまで低減した4
0%ホルマリン182g/分を供給した。次いで反応液
は内部に捻り羽根を有した内径8mm全長1860mm
の静止型ミキサーを7本組み合わせた多管式熱交換器型
ミキサーを経由させ、更に第一次静止型ミキサーと同じ
構造の第二次静止型ミキサー、第三次静止型ミキサー内
で付加縮合反応をさせた。この間の反応温度が180〜
200℃となるように圧力調整及び静止型ミキサー及び
多管式熱交換器型ミキサーの加熱調整を行った。反応液
はフラッシュ容器に連続的に供給し脱水した。更にこの
後フラッシュ容器を1.3KPaまで減圧し反応液温度
が180℃となるまで加熱し未反応フェノールの除去を
行い、冷却バット上に取り出し固形のノボラック型フェ
ノール樹脂8.0Kgを得た。この条件における静止型
ミキサー内通過による反応時間は2分18秒、最終ミキ
サー出口の反応液流速は0.13m/秒であった。
【0023】《実施例2》フェノールの初期加熱温度を
160℃、40%ホルマリン添加量を238g/分とし
た以外は実施例1と同様の方法で反応し8.6Kgの固
形ノボラック型フェノール樹脂を得た。この条件におけ
る静止型ミキサー内通過による反応時間は2分5秒、出
口部の反応液流速は0.14m/秒であった。
【0024】《実施例3》フェノール類としてm−クレ
ゾール・p−クレゾール混合物(60:40)7.6K
gを使用し、これを380g/分の量で供給し、40%
ホルマリンを206g/分で供給すること以外は、すべ
て実施例1と同様の方法で固形ノボラック型フェノール
樹脂2.6Kgを得た。この条件における静止型ミキサ
ー内通過による反応時間は2分12秒、出口部の反応液
流速は0.13m/秒であった。
【0025】《実施例4》フェノールを380g/分の
量で静止型ミキサーに供給し、アルデヒド類として88
%パラホルムアルデヒドを使用し、更にパラホルムアル
デヒドはパラホルムアルデヒド6.5に対しフェノール
10の比率で事前に混合し、懸濁状態液となったものを
プランジャー式高圧定量ポンプにて315g/分の量供
給すること以外は、すべて実施例1と同様の方法でノボ
ラック型フェノール樹脂11.0Kgを得た。この条件
における静止型ミキサー内通過による反応時間は2分、
出口部の反応液流速は0.15m/秒であった。
【0026】《実施例5》88%パラホルムアルデヒド
とフェノールの懸濁状態液の供給量を488.5g/分
とした以外は、すべて実施例4と同様の方法でノボラッ
ク型フェノール樹脂13.5Kgを得た。この条件にお
ける静止型ミキサー内通過による反応時間は1分39
秒、出口部の反応液流速は0.18m/秒であった。
【0027】《実施例6》フェノール類としてm−クレ
ゾール・p−クレゾール混合物(60:40)を使用し
てこれを380g/分の量で静止型ミキサーに供給し、
アルデヒド類として88%パラホルムアルデヒドを使用
した。このパラホルムアルデヒドはパラホルムアルデヒ
ド6.5に対しm/p−クレゾール10の比率で事前に
混合し、懸濁状態液となったものをプランジャー式高圧
定量ポンプにて257.5g/分の量供給すること以外
は、すべて実施例1と同様の方法でノボラック型フェノ
ール樹脂10.5Kgを得た。この条件における静止型
ミキサー内通過による反応時間は2分10秒、出口部の
反応液流速は0.14m/秒であった。
【0028】《実施例7》蟻酸濃度が400PPMの一
般的な40%ホルマリンを使用すること以外は、すべて
実施例1と同様の方法で実施し、ノボラック型フェノー
ル樹脂8.2Kgを得た。
【0029】《比較例1》攪拌装置、熱交換器、減圧装
置を有した10Lの反応器にフェノール5.0Kgと代
表的なノボラック化触媒である蓚酸0.05Kgを入れ
常圧で100℃となるまで加熱した後、40%ホルマリ
ン2.4Kgを90分掛け徐添した後、100℃を保ち
60分間反応を続行した。更にこの樹脂を温度常圧で1
30℃となるまで加熱しながら脱水した後、1.3KP
aまで減圧し反応液温度180℃となるまで未反応フェ
ノールの除去を行い、冷却バットに取り出し5.0Kg
のノボラック型フェノール樹脂を得た。
【0030】《比較例2》40%ホルマリンの量を1
4.7Kgとした以外は、すべて比較例1と同様の方法
でノボラック型フェノール樹脂5.5Kgを得た。
【0031】《比較例3》比較例1で使用した反応器
に、フェノール5.0Kgと88%パラホルムアルデヒ
ド1.1Kg及びハイオルソノボラック化触媒として2
価金属塩の代表の酢酸亜鉛0.05Kgを入れ、常圧で
100℃となるまで加熱し、100℃を保ち3時間反応
を継続した後、いったん90℃まで冷却しここに縮合反
応促進触媒として蓚酸0.025Kgと水0.075K
gを混合したものを添加し、30分混合後再度100℃
まで昇温し1時間反応を行った。更に常圧で130℃と
なるまで脱水した後、1.3KPaまで減圧し反応液温
度が180℃となるまで未反応フェノール除去を行い、
冷却バットに取り出し4.8Kgのノボラック型フェノ
ール樹脂を得た。
【0032】《比較例4》フェノールの供給量を152
0g/分、40%ホルマリンの供給量を728g/分と
した以外はすべて実施例1と同じ方法で実施し、ノボラ
ック型フェノール樹脂5.8Kgを得たが、冷却後も完
全には固まらなかった。この条件における静止型ミキサ
ー内通過による反応時間は35秒、出口部の反応液流速
は0.52m/秒であった。
【0033】《比較例5》フェノールの供給量を126
g/分、40%ホルマリンの供給量を79g/分とした
以外はすべて実施例1と同じ方法で実施し、ノボラック
型フェノール樹脂8.0Kgを得たが、この樹脂10g
を100mLのテトラヒドロフランで溶かしたところ5
%の不溶解分があった。この条件における静止型ミキサ
ー内通過による反応時間は6分15秒、出口部の反応液
流速は0.05m/秒であった。
【0034】《比較例6》実施例1で使用した反応器
に、フェノール15.0Kgと88%パラホルムアルデ
ヒド4.8K及びキシレン15.0Kgを入れ、反応器
を密閉し150℃まで加熱後、150℃の温度を保持し
ながら2時間反応させた。この液を冷却して分析したと
ころ、重量平均分子量が150程度と殆ど反応していな
い状態であった。
【0035】《比較例7》比較例6と同じ方法で20時
間反応し付加縮合反応を完結させた後、反応器内圧力が
大気圧となるまで冷却し、常圧150℃となるまで加熱
し脱水及びキシレン除去を行った。更に1.33KPa
まで減圧して反応液温度が180℃となるまで未反応フ
ェノール除去を行い、冷却バットに取り出し13.0K
gのノボラック型フェノール樹脂を得た。付加縮合開始
から脱水終了までの所要時間は24時間であった。
【0036】実施例及び比較例で得られた樹脂(比較例
6を除く)の特性及びモノマー除去工程を除いた生産所
要時間については表1に示す。
【表1】
【0037】測定方法は以下の通りである。 1.重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とした
紫外線吸収スペクトル検出器を用いたゲルパーミッショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。比
較例5に関してはテトラヒドロフラン可溶部の測定とな
った。 2.モノマー含量は、キャピラリーガスクロマトグラフ
ィー法により測定した。比較例5はメタノール可溶部の
測定となった。 3.オルソ/パラ結合比は、テトラヒドロフランに溶解
後、13C−NMRスペクトル法により求めたメチレン基
結合量を、下式に代入し算出した。なお比較例5はテト
ラヒドロフラン可溶部の測定となった。 オルソ/パラ結合比=[2×(o−o結合)+(o−p
結合)]/[2×(p−p結合)+(o−p結合)] o−o結合:オルソ−オルソ位結合メチレン基の数 o−p結合:オルソ−パラ位結合メチレン基の数 p−p結合:パラ−パラ位結合メチレン基の数 4.硬化時間は、得られた固形樹脂に対し10%のヘキ
サメチレンテトラミンを配合し粉砕混合したものを、J
IS K 6909に基づき、150℃熱板上でゲル化
点までの時間を測定した。 5.抽出水電気伝導度は、樹脂中のイオン性不純物を把
握する項目であり、数値が小さい方がイオン性不純物が
少ない事を表している。今回は固形樹脂6gと純水40
mlをプレッシャークッカー用容器に入れ密閉し、恒温
槽で125℃20時間熱処理後、抽出水を電気伝導度計
(東亜電波工業(株)製CM−2A)により電気伝導度
を測定した。
【0038】これらの測定値より明らかなように、本発
明の実施例で製造されたノボラック型フェノール樹脂
は、オルソ位のメチレン結合がパラ位のメチレン結合よ
り多い(オルソ/パラ結合比>2.0)ハイオルソノボ
ラックであり、その硬化速度が一般の酸触媒を用いたノ
ボラック比較例1,2に比較して速く、且つイオン性不
純物が少ないことが判る。また他のハイオルソノボラッ
クの製法と比べても短時間で付加縮合反応及び脱水反応
が完結するばかりでなく、反応器容積当たりの収量も多
くすることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、従来同時に成り
立たなかったイオン性不純物が少なく且つ硬化性に優れ
たハイオルソノボラックを高効率で生産することが可能
となる。即ち、高温反応時における反応圧力の制御が容
易であり、このため安全性が十分確保され、短時間の反
応で高い収率が得られる。そして、その硬化物は耐熱
性、電気絶縁性、耐湿性に優れているため、電気・電子
関連分野を始め幅広い用途への適応が可能となり、工業
的なノボラック型フェノール樹脂の製造方法として好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の設備フローの一例を示す概略図。
【図2】 配管内部に捻り羽根を有した静止型ミキサー
の羽根の斜視図。
【図3】 配管内部に折り返し羽根を有した静止型ミキ
サーの羽根の斜視図。
【符号の説明】
1 供給槽 2 フェノール類定量ポンプ 3 第一次静止型ミキサー 4 アルデヒド類定量ポンプ 5 多管式熱交換器型ミキサー 6 第二次静止型ミキサー 7 第三次静止型ミキサー 8 圧力調整弁 9 フラッシュ容器 10 熱交換器 11 真空ポンプ 12 切り替え弁1 13 切り替え弁2 14 切り替え弁3 15 切り替え弁4 16 循環ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを反応さ
    せる際、フェノール類とアルデヒド類を触媒を添加しな
    い状態で、静止型ミキサー及び/又はこれを複数使用し
    た多管式熱交換器型ミキサーに供給し、昇温と混合を行
    い、配管内の圧力を制御しながら反応温度160℃以
    上、且つ反応時間1分以上を保った後、フラッシュ容器
    内に供給し連続的に脱水することを特徴とするノボラッ
    ク型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応最終部の静止型ミキサー出口におけ
    る反応液流速が0.1m/秒以上である請求項1記載の
    ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 フェノール類を予め不活性ガス雰囲気と
    して酸化着色防止を図った上で160℃以上に加熱した
    後、静止型ミキサーに供給すると同時に、所定モル比と
    なるようにアルデヒド類を静止型ミキサーに供給するこ
    とを特徴とする請求項1,2記載のノボラック型フェノ
    ール樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルデヒド類として蟻酸を200PPM
    以下まで除去したホルマリンを使用する請求項1,2,
    3記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルデヒド類として純度80%以上のパ
    ラホルムアルデヒドを用い、これをフェノール類に溶解
    もしくは懸濁させたものを使用する請求項1,2,3記
    載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
JP687197A 1997-01-17 1997-01-17 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 Pending JPH10204139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP687197A JPH10204139A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP687197A JPH10204139A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10204139A true JPH10204139A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11650304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP687197A Pending JPH10204139A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10204139A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018937A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
WO2009065771A1 (en) * 2007-11-22 2009-05-28 Dsm Ip Assets B.V. Process for the preparation of a condensation resin
JP2009242648A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Arakawa Chem Ind Co Ltd ロジン変性フェノール樹脂、その製造方法、印刷インキ用樹脂ワニスおよび印刷インキ
RU2534544C1 (ru) * 2013-04-25 2014-11-27 Вячеслав Ефимович Цветков Способ изготовления фенолоформальдегидного олигомера

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018937A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
JP2006056959A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
JP4727958B2 (ja) * 2004-08-19 2011-07-20 旭有機材工業株式会社 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
WO2009065771A1 (en) * 2007-11-22 2009-05-28 Dsm Ip Assets B.V. Process for the preparation of a condensation resin
JP2009242648A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Arakawa Chem Ind Co Ltd ロジン変性フェノール樹脂、その製造方法、印刷インキ用樹脂ワニスおよび印刷インキ
RU2534544C1 (ru) * 2013-04-25 2014-11-27 Вячеслав Ефимович Цветков Способ изготовления фенолоформальдегидного олигомера

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4161576A (en) Control of procedures for formation of water-immiscible thermosetting phenol-formaldehyde resins
CN108440730A (zh) 一种铸造用高质量酚醛树脂的精制纯化方法
US4656239A (en) Process for the preparation of phenol formaldehyde resole resins
JPH10204139A (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
GB595607A (en) Continuous process for the manufacture of synthetic resins
US5986035A (en) High-molecular weight high-ortho novolak type phenolic resin
JPH10195158A (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
JP6422666B2 (ja) 狭分散フェノールノボラック樹脂の製造方法、及びその製造方法から得られる狭分散フェノールノボラック樹脂
JPH10298257A (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
US3817923A (en) Continuous phenol-aldehyde,polycondensation process
JP4727958B2 (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
US4146739A (en) Process for producing phenol-formaldehyde oligomers of ortho-specific structure
JP3439654B2 (ja) 高分子量ハイオルソノボラック型フェノール樹脂
JPH10316730A (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
KR100561898B1 (ko) 고-분자량 고-오르토 노볼락형 페놀수지
US4132699A (en) Phenol formaldehyde resins, their manufacture and use
US4184032A (en) Control of procedures for formation of water-immiscible thermosetting phenol-formaldehyde resins
JPS62252412A (ja) フエノ−ル樹脂の製造方法
JPH09255744A (ja) フェノール樹脂の製造方法
US2373058A (en) Process for preparing synthetic resin
JPS5924715A (ja) 常温で固形のフエノ−ル樹脂
JPH0791351B2 (ja) ノボラック型フェノール樹脂
JP2637623B2 (ja) ハイオルソノボラック樹脂の製造方法
JPS62267313A (ja) ノボラツク型フエノ−ル樹脂
US4219634A (en) Control of procedures for formation of water-immiscible thermosetting phenol-formaldehyde resins

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040217

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040319

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040713